JP4945081B2 - 中空成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、ブロー成形条件の設定方法を有する中空成形機に関し、詳しくは、ブロー成形される中空成形品、使用する原料樹脂や使用する中空成形機などに関する諸データを入力して、その諸データに対して適合する最適なブロー成形条件を設定する中空成形機に関する。
中空成形機のブロー成形において、高品質の中空成形品を生みだす最も大切な作業にブロー成形条件の設定がある。
一般に中空成形品のブロー成形におけるブロー成形条件は、ブロー成形される中空成形品の形状・寸法・重量、使用する原料樹脂や使用する中空成形機の機種・形式などによって大きく異なってくる。
さらに、このブロー成形条件は、中空成形機に備えてある押出機に関するスクリュー回転数・温度条件などの押出条件、型締装置に関する型締力などの型締条件、エア吹込装置に関する吹込ノズルの打込力などの吹込条件など多くの制御パラメータが複雑に関係し合っている。
この中空成形機におけるブロー成形条件の設定は、熟練した技術者の豊富な経験と判断に頼って行われているが、設定に際しては試行錯誤を繰り返しながらの長い設定時間を要するとともに、試行時には原料樹脂やエネルギーの損失を伴っている。
そこで、出願人等は設定する必要のある中空成形機におけるブロー成形条件に関して、以下の特許文献1〜7に記載の各技術を提案している。
すなわち、特許文献1に記載の発明は、パリソンの長さ制御方法に関するもので、テスト成形工程で使用する樹脂のパリソン長さと押出機スクリュー回転数の関係を予め求めておき、通常成形工程で、現パリソン長さを検出し、現パリソン長さと目標パリソン長さとのパリソン長さ差を求め、予め求めたパリソン長さと押出機スクリュー回転数の関係より、そのパリソン長さ差に応じた押出機スクリュー回転数の補正量を演算して押出機スクリュー回転数を制御し、目標パリソン長さを得るようにしたものである。
さらに、特許文献2に記載の発明は、パリソンの切断指令からパリソンが基準光電センサを遮光するまでの時間を複数回計測し、その平均時間を算出して、基準のパリソンの長さに対応する基準時間とし、スクリュー回転速度を現在値から所定の回転速度だけ少なくとも2つ変化させてパリソンを押し出し、パリソンの切断指令からパリソンが基準光電センサを遮光するまでの時間を複数回計測し、その平均時間を各々のスクリュー回転速度に対して求めると共に、2つ変化させたスクリュー回転速度とそのときのパリソンが基準光電センサを遮光するまでの平均時間とから制御定数を設定し、通常成形工程において、パリソンの切断指令からパリソンが基準光電センサを遮光するまでの時間を計測し、この遮光するまでの時間が、基準のパリソン長さに対応する基準時間となるようにスクリュー回転速度と基準時間と制御定数との関係式を用いることによりスクリュー回転速度を制御してパリソン長さを一定にするものである。
特許文献3に記載の発明は、パリソンの肉厚制御方法に関するもので、肉厚目標値のパターンを作成し、この肉厚目標値に対するコア位置と、パリソンの成形サイクル時間とを予め設定し、かつ成形サイクル時間をn等分した時間毎にサイクルポイントを設定し、所定のサイクルポイントにおいて、製品の成形工程の一部を構成する他の機器等に作動信号を出力することによりパリソンの成形と製品の成形との同期をとるようにしたものである。
さらに、特許文献4に記載の発明は、中空成形機におけるパリソンの肉厚制御のためにプロファイルを作成するに際し、製品の高さ、その高さにおける外径寸法及び肉厚寸法を入力することにより、製品の高さに対し肉厚が変化する変曲点の位置とその変曲点における肉厚を制御するに必要なコアまたはダイの移動量を演算させ、かつ、これらの変曲点をスプライン補間または直線補間させてプロファイルを作成し、このプロファイルにてパリソンの肉厚を制御するものである。
特許文献5に記載の発明は、パリソンの肉厚および長さ制御方法に関するもので、押出機から押し出される溶融樹脂を複数の樹脂流路を介してダイヘッドに導入し、ダイヘッドにおける複数組のダイとコアとのギャップからそれぞれパリソンを吐出させる中空成形機において、コアを固定してダイを電動モータで昇降調節可能に設けると共に、分岐部付近の樹脂流路にそれぞれチョーク及びチョークを駆動するアクチュエータを設け、かつ、コア又はダイの下部にパリソン長さを検出するセンサを設け、電動モータ及びアクチュエータ並びにセンサを制御器と電気的に接続してプログラム制御可能にしたものである。
特許文献6に記載の発明は、吹込ノズルの打込高さ制御方法に関するもので、成形金型内に収納されたパリソン内に打込ブローピンを打込で吹込成形する中空成形機の打込高さの自動調節方法において、製品の口径から算出した最適打込力(F)からトルク値(T)を算出し、このトルク値(T)の定格トルク(Tm)に対する比を求め、中空成形機の打込ブローピンを駆動させるパルスエンコーダを有するサーボモータのトルクを、トルク値(T)の定格トルク(Tm)に対する比(X)として設定し、打込ブローピンをサーボモータで低速で下降させ、打込ブローピンのカッティングスリーブが金型のカウンタープレートに当たった際のトルクをサーボモータに接続したサーボアンプで検出し、検出されたトルクが設定トルク値(T)になった時、サーボモータを停止させ、この時のパルス値をパルスエンコーダで検出して打込ブローピンの位置決め指令点とするものである。
特許文献7に記載の発明は、ブロー成形の成形サイクル時間制御方法に関するもので、成形金型への型開指令から成形金型内のパリソンへのブローピンの打込下降開始迄の動作時間を計測し、設定された成形サイクル時間から前記動作時間を減算した値を冷却時間とし、この冷却時間を吹込時間と放出時間とに配分し動作時間の変動を放出時間の増減で調整するものである。
ここで、特許文献1に記載の発明は、使用する樹脂に対応する制御定数を迅速に求め、パリソン長さ制御を高精度化すると共に、製品肉厚分布を高精度化し、かつ高速成形に良く対応可能とするものである。
特許文献2に記載の発明は、パリソンの位置を検出する光電センサの位置を成形サイクルとの兼ね合いを見ながら調整することが不必要になると共に、パリソン長さを一定に制御するための制御定数などの設定を自動的に行うことが可能となり、テスト成形工程における成形条件の設定が容易になると共に、その設定に要する時間が大幅に短縮することができるものである。
特許文献3に記載の発明は、パリソン成形と製品の成形との完全な同期が常に得られ、厚みのずれはなく所望の厚みの製品が得られ、薄くて強度的に弱い部分は生じないので、全体に余分な厚みを持たせる必要がなく、樹脂の使用量は最低限で足りるという極めて優れたものである。
特許文献4に記載の発明は、パリソン肉厚制御におけるプロファイル作成時にかかる、パリソンの押出時間軸(押出方向)に相当する肉厚寸法の変曲点の設定や肉厚を制御するに必要なコア(またはダイ)の移動量の設定などプロファイルを作成するに要する時間が、従来のオペレーターの経験と勘や能力に依存していた場合に比べ約3分の1程度に短縮できるものである。
特許文献5に記載の発明は、従来のものと比較して樹脂滞留の少ないパリソン肉厚の変化が制御可能となり、複数本のパリソン長さの均等な調整ができ、しかも、手動による流量調整をしないから危険性がなく、油圧を使用しないために油漏れや油汚れがなくてクリーンで高品質のパリソンを得ることが可能になるものである。
特許文献6に記載の発明は、オペレーターの労力が軽減されるとともに、危険性の解消をして安全管理ができるほか、成形開始のダウンタイムが低減され、また、オペレーターの調節ミスによるカッティングスリーブとカウンタプレートの異常摩耗や破損を防止でき、カッティングスリーブとカウンタプレートの寿命向上が図れるとともに、成形品に対応して最適打込力を算出できるため、必要以上の打込力になることはなく、電力消費量の低減と、カッティングスリーブ及びカウンタプレートの寿命向上が図れるものである。
特許文献7に記載の発明は、製品の品質の不安定要因が除かれ、良好な品質の製品を得ることができ、また、成形サイクル時間の制御にスクリュー回転速度の制御を加えることにより、パリソン長さが一定にされるので、安定して製品を成形することができ、品質の安定した製品を得ることができるものである。
特許第2614570号(特開平6−8310号) 特許第3158143号(特開2000−153549号) 特許第1825282号(特開平3−262606号) 特許第3035145号(特開平7−227900号) 特許第2620535号(特開平8−230021号) 特許第3468815号(特開平7−227902号) 特許第3101483号(特開平7−227899号)
前記提案のうち、特許文献1および特許文献2に記載の発明は、パリソンの長さ制御方法であって、いずれもパリソン長さの最適条件を設定した後にそのパリソン長さの最適条件を維持・制御するものである。
特許文献3および特許文献4に記載の発明は、パリソンの肉厚制御方法であって、特許文献3に記載の発明は、パリソン肉厚の最適条件を設定した後にそのパリソン肉厚を作動信号等で制御するものであり、特許文献4に記載の発明は、成形される中空成形品の形状・寸法よりパリソンプロファイルを作成してパリソン肉厚を制御するものである。
特許文献5に記載の発明は、パリソンの肉厚・長さ制御方法であって、パリソン肉厚・長さを設定した後にそれらをダイスで制御するものである。
特許文献6に記載の発明は、エア吹込ノズルの打込高さ設定方法であって、成形される中空成形品の口径から打込力を求めトルク値から打込高さを制御するものであり、特許文献7は成形サイクル時間制御方法であって、設定された成形サイクル時間より吹込時間と放出時間を求めるものである。
ここで、特許文献4に記載の発明を除いて、これらは、各々のブロー成形条件を設定した後に、設定したブロー成形条件を制御することで、使用する原料樹脂や使用する中空成形機の機種・形式などに合わせて良好な中空成形品の品質を得るものである。
また、特許文献4に記載の発明は、ブロー成形される中空成形品の外径及び肉厚寸法を入力して、パリソンの肉厚を制御するものであり、中空成形品の外径及び肉厚寸法とパリソン肉厚を制御と比較的単純なものに好適に適用されるものである。
中空成形機のブロー成形において、良好な品質(精緻で、かつ高品質)の中空成形品を得るため、あるいはこれに合致する最適なブロー成形条件を導き出すためには、ブロー成形条件の幾つかを同時にあるいはタイミング良く変更・調整しながらブロー成形条件を求める試行を繰り返すことが必要となるが、しかし、これは中空成形機の操作者にかかる負担は無論のこと、中空成形機の成形(稼働)時間に及ぼす影響も小さくないものである。

中空成形機のブロー成形における中空成形品の品質は、個々のブロー成形条件が相互に関係しているので、良好な品質(精緻で、かつ高品質)の中空成形品を得るための最適なブロー成形条件を導き出すには、ブロー成形条件をトータルで把握し、複数のブロー成形条件を変更・調整しながら最適なブロー成形条件を求める試行を繰り返すことが必要となるものである。
近年、ブロー成形立上げ時の大きな要因であるブロー成形条件の設定を効率的に行う方法の出現が望まれ、ブロー成形される中空成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、その中空成形品に使用する原料樹脂の種類・グレードや物理的性質等の原料樹脂データ、ブロー成形に使用する中空成形機の機種・形式やダイスの温度条件等の中空成形機データ、ブロー成形に使用する成形金型の温度条件等の成形金型データ等の諸データを入力し、この入力した諸データに基づき必要に応じて演算し、諸データに適合する最適なブロー成形条件を設定する方法が求められるとともに、原料樹脂情報、押出機情報、吹込情報、金型情報、設定演算式の知識情報等の諸情報をデータベースとして備えたコンピュータによるブロー成形条件の設定作業が要請されている。
また、コンピュータの利用によるブロー成形条件の設定で、操作者の少ない設定作業で、誤りのない最適なブロー成形条件が容易に、しかも、中空成形品の品質の向上に寄与し、中空成形機の生産性や運転操作性が増加するものが求められている。
上記の技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明にあっては、中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づき、当該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベース、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベース、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベース、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベース、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベース、前記機器類の動作時間データベース、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベース、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報を備えた記憶手段と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式・温度条件等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、前記入力手段に入力した、使用する中空成形機の機種名及び製造メーカの製造番号によって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の台数並びに各押出機スクリュの口径及び各押出機の口金の層構成を読み出し、前記入力手段に入力した、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の基本押出量を読み出すとともに、前記知識情報から押出機の押出量演算式を読み出し、前記入力手段に入力した、使用する押出機の成形する成形品の層構成比率によって前記コンピュータが前記押出量演算式を用いて各押出機の必要押出量を算出し、前記基本押出量と前記必要押出量とを対比して前記樹脂特性データベースからスクリュ回転数を読み出してスクリュ回転数を設定することを特徴としている。
請求項2に記載の発明にあっては、中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づき、当該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベース、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベース、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベース、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベース、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベース、前記機器類の動作時間データベース、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベース、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報を備えた記憶手段と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、前記入力手段に入力した、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データによって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の台数、各押出機スクリュの口径及び各押出機のバレルの長手方向の温度調節点数を読み出し、次いで前記入力手段に入力した、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが前記樹脂特性データベースから適合するバレル温度を読み出してバレル温度を設定することを特徴としている。
請求項3に記載の発明にあっては、中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機において、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件並びに過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式・温度条件等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、前記入力手段に入力した、使用する中空成形機の機種名及び製造メーカの製造番号によって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の台数、各押出機スクリュの口径及びクロスヘッドダイの長手方向の温度調節点数を読み出し、次いで前記入力手段に入力した、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが前記樹脂特性データベースから適合するクロスヘッドダイ温度を読み出してクロスヘッドダイ温度を設定することを特徴としている。
請求項4に記載の発明にあっては、中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、前記入力手段に入力した、中空成形品の重量、バリの重量、中空成形品の容量及び層構成などの成形品構成、使用する原料樹脂の原料名並びにメーカ名及びグレード、中空成形品の外郭形状、によって前記コンピュータが、前記知識情報からパリソン肉厚制御用プロファイルの設定演算式を読み出してバリが付着した中空成形品を長手方向に所定数分割し、これら分割位置における肉厚断面積A1を求め、下記数式1にて表される前記分割された各位置におけるクロスヘッドダイのスリット断面積を算出し、クロスヘッドダイのスリット断面積が前記算出したスリット断面積と同じとなるコア又はダイの位置を求め、コア位置又はダイ位置の最大値Maxと最小値Minを求めて分割位置でのコア位置又はダイ位置を所定のXないしZのパーセンテージの間に当て嵌めて位置割合値PHを下記数式2から求め、該位置割合値PHからコア位置又はダイ位置がダイ・コアの基準位置から最下位となる最小値を下記数式3で算出し、前記位置割合値PHからコア位置又はダイ位置がダイ・コアの基準位置から最上位となる最大値を下記数式4で算出し、これら最大値と最小値の差を算出し、求めた最小値と最大値の間で移動するコア位置又はダイ位置からプロファイルを設定することを特徴としている。
[数1]
A1×1/SW
(式中、SWはパリソン断面積スウェルを示す。)
[数2]
(Max−Min)×1/(X―Z)
[数3]
Min−PH×Z
[数4]
Max+PH×Z
請求項5に記載の発明にあっては、ブロー成形するための中空成形機において、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ、設定された前記中空成形品毎のブロー成形条件、過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式・温度条件等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、前記入力手段に入力した、取手部を持つ有底中空成形品の肩部のバリの長さSB、前記取手部のバリの長さGB及び前記底部のバリの長さBBの選択する中空成形品データ又は前記入力手段が読み込んだ中空成形品の外郭形状のデータ、これらバリを切断する刃の厚さCT並びに使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが、前記押出機データベースから中空成形品の取り数Nおよび押出機番号を読み出し、読み出した前記押出機番号に対応した原料樹脂の固有定数CCを前記樹脂特性データベースから読み出し、前記知識情報から下記数式5にて表されるバリ長さ演算式を読み出してバリ長さBLを算出し、次いで前記知識情報から下記数式6にて表わされる型締力Aの演算式を読み出して型締力Aを算出するとともに、前記知識情報から下記数式7にて表される型締力Bの演算式を読み出して型締力Bを算出し、前記知識情報から下記数8式にて表される型締力演算式から型締力Fを算出して、型締装置の型締力を設定することを特徴としている。
[数5]
SB+GB+BB
[数6]
BL×N×CC×CT
[数7]
CL×N×BP
(式中、CLは型面におけるキャビテイの縁全長、BPは吹込圧力を示す。)
[数8]
A+B
請求項6に記載の発明にあっては、請求項5に記載の中空成形機において、前記知識情報から下記数式9にて表されるトルク値演算式を読み出して、前記型締装置の型締力発生ボールねじのトルク値Tを算出することを特徴としている。
[数9]
(F×L)/2π×η×R
(式中、Lは前記ボールねじのリードピッチ、ηは前記ボールねじの効率、Rは前記ボールねじを駆動する減速機付きのサーボモータの減速比を示す。)
また、請求項7に記載の発明にあっては、中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機において、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、前記コンピュータが、前記知識情報から下記数式10にて表されるエア吹込ノズルの打込力設定演算式を読み出し、該演算式から前記入力手段に入力した中空成形品の口栓部の外口径Dおよび原料樹脂の種類に基づく定数Aによって打込力Fを算出し、前記知識情報から下記数式11にて表されるトルク値演算式を読み出してエア吹込ノズルの昇降用ボールねじのトルク値Tを算出して、打込力として設定することを特徴としている。
[数10]
Dπ×A×N
(式中、Nは中空成形品の取り数を示す。)
[数11]
(F×L)/(2π×η)
(式中、Lは昇降用ボールねじのリードピッチ、ηはボールねじの効率を示す。)
さらに、請求項8に記載の発明にあっては、中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、前記入力手段に入力した、成形されるパリソンの成形温度、中空成形品の取出温度、金型の冷却水温度、該冷却水の水量、エア循環の有無等のパリソン成形データ、使用する原料樹脂の種類、グレード等の原料樹脂データ、ブロー成形する成形品の形状、寸法、重量等の中空成形品データ並びに使用する成形金型の材質、冷却孔径、型内面から冷却孔までの距離、型内面と冷却孔との面積比等の成形金型データによって前記コンピュータが、パリソン成形データの冷却水量並びに成形金型の冷却孔径から冷却水側および吹込エア側の伝熱係数を求め、前記樹脂特性データベースから入力された原料樹脂データに対応する原料樹脂の比熱、熱伝導率、密度等の原料樹脂の諸情報を読み出すとともに、前記成形金型データベースから入力された金型の材質に対応する金型の比熱、熱伝導率、密度等の成形金型の諸情報を読み出し、読み出した原料樹脂データに対応する原料樹脂の比熱、熱伝導率、密度等の原料樹脂の諸情報及び読み出した金型の材質に対応する金型の比熱、熱伝導率、密度等の成形金型の諸情報から、中空成形品内壁の温度の経時変化、成形金型壁内部の温度の経時変化を求めるとともに中空成形品壁内部の温度を求め、成形される中空成形品目標取出温度まで冷却するに要する時間を求めて冷却時間とするとともに、算出した冷却時間の所定割合を放出時間とし、前記中空成形機データベースから中空成形機が有する前記エア吹込装置の動作時間を読み出し、前記中空成形機自体の待ち時間を読み出し、前記放出時間を見出してこれら時間を前記冷却時間に加算して成形サイクル時間と設定し、次いで冷却水による成形金型の冷却と成形金型の内表面のエアによる冷却の過程を求めて成形金型の温度の経時変化を求め、成形サイクル完了時の成形金型の温度を求め、前記算出した成形金型の温度を次に成形する成形金型の初期温度とし、該算出された成形金型の温度が成形金型の初期温度と一致するまで繰り返し演算して一致した時点にて終了して該時点での冷却時間を連続運転における冷却時間とし、該時点での成形サイクル時間を連続運転における成形サイクル時間として設定することを特徴とする。
請求項1ないし8の発明によれば、中空成形機におけるブロー成形条件の設定方法が上記の構成にしてあるので、次のような効果を奏する。
コンピュータに、使用する原料樹脂に関する情報、使用する押出機に関する情報、使用するエア吹込装置に関する情報、使用する成形金型に関する情報、必要な設定演算式に関する情報等の諸情報を記憶させ、入力された中空成形品データ、原料樹脂データ、中空成形機データ、成形金型データ等の諸データに適合する押出条件、型締条件、吹込条件等のブロー成形条件を設定させるものであるので、入力された成形される中空成形品、使用する原料樹脂や中空成形機や成形金型等の諸データに適合する、原料樹脂の押出・パリソンの形成過程、パリソン金型収納過程、ブロー成形過程等における最適なブロー成形条件を容易に設定できるものである。
すなわち、成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型等の諸データを選択して入力することで、それに適合する押出条件、型締条件、吹込条件等のブロー成形条件が必要に応じて演算・出力して容易に設定できるので、操作者が行うブロー成形条件の設定作業を軽減され、また誤りがなく最適なブロー成形条件を設定でき、ブロー成形における中空成形品の品質の向上に寄与できるものである。
さらに、新規のブロー成形条件の設定や成形条件の変更に伴う設定時間の短縮が可能となり、しかも、経験や勘に頼ることなく、経験の浅い操作者でも簡便・容易に、確実に所望のブロー成形条件を設定でき、ブロー成形における中空成形品の品質の均質化や品質が向上するとともに、生産性と運転操作性が増すものである。
さらにまた、経験の少ない操作者でも適切なブロー成形条件が設定できるとともに、ブロー成形条件の設定作業の負担が軽減されるものである。
また、熟練した操作者は、記憶され読み出された、使用する原料樹脂に関する情報、使用する押出機に関する情報、使用するエア吹込装置に関する情報、使用する成形金型に関する情報、必要な設定演算式に関する情報などの諸情報を自分なりの工夫を加えて変更して、ブロー成形条件が設定できるので、熟練者の豊富な経験を活用したブロー成形条件が設定できるものである。
またさらに、ブロー成形された中空成形品の不良状態と、その際のブロー成形条件を読み出して、これらを対比することで不良の原因分析が容易に行われ、直接的・間接的を問わずに、最も有効と思われる対策をとることが可能となるものである。
さらに、請求項1ないし8の発明によれば、中空成形機におけるブロー成形条件の設定方法が上記の構成にしてあるので、次のような効果を奏する。
成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型などの諸データを選択して入力することで、それに適合する押出機のスクリュ回転数、押出機のバレルの温度条件、クロスヘッドダイの温度条件、筒状パリソンのプロファイル等の押出条件、 型締装置の型締力の型締条件、吹込ノズルの打込力の吹込条件、ブロー成形の成形サイクル時間等のブロー成形条件が容易に必要に応じて演算・出力して設定できるものである。
以下、本発明の基本的な考え方について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明に係わるブロー成形条件設定システムを有する中空成形機の構成図である。
なお、図1は、コンピュータ(処理装置)、記憶装置および入力装置に対して制御装置(シーケンサ)および中空成形機が一台対応しているが、コンピュータ(処理装置)、記憶装置および入力装置に対して複数台の制御装置(シーケンサ)および中空成形機が配してあっても良い。
また、中空成形機にコンピュータあるいは制御装置(シーケンサ)機能を有するコンピュータを内蔵させて、これで諸処理をさせても良いものである。
図1の構成図では、原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベース、押出機の台数、押出機のスクリューや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベース、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベース、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベース、その他事項に関する情報を記憶した諸事項データベースおよび中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報などの諸情報が記憶された記憶装置と、ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成などの中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質などの原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式・温度条件などの中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データおよびその他事項のデータなどの諸データを入力する入力装置と、入力された諸データに基づき記憶装置より諸情報を選択して読み出す選択機能、読み出された知識情報を用いて演算する演算機能、設定した成形条件を記憶する記憶機能を備えたコンピュータ(処理装置)と、コンピュータ(処理装置)と中空成形機に介在して、コンピュータ(処理装置)によって設定したブロー成形条件で中空成形機を制御する制御装置(シーケンサ)、クロスヘッドダイ(口金)を有する押出機、型締装置、成形金型やエア吹込装置などを備えてなる中空成形機で構成してある。
なお、具体的な実施形態は、図12に示すように、例えばノート型PC(処理装置)において、そのPCの記憶装置に諸情報を記憶させ、PCに付属のキーボード(入力装置)で諸データを入力し、記憶装置に記憶された諸情報を読み出して、そのPCで必要に応じて選択・検索・演算して、ブロー成形条件を設定し、それをカード型記録媒体に記憶させるとともに、その記録媒体を単数あるいは複数の中空成形機の制御部に挿入して、これにより制御装置(シーケンサ)を介して中空成形機を制御・管理するものであるが、これについては後記する。
次に、各種の機器類を配した中空成形機の構成を、図2A〜C及び図3に基づいて説明する。
中空成形機は、成形金型を一式有するシングルステージ式、あるいは成形金型を複数有する複ステージ式であり、押出機1、パリソン制御装置2、エア吹込装置3、型締装置4、成形金型移動装置5、パリソン切断装置6(図示せず)、クロスヘッドダイ(口金)7、押出機上下装置8、成形品取出装置9などの機器類を備え、これらは、各々に必要に応じて付設されているそれぞれのサーボモータ10…によって駆動される。図中11は成形金型である。
また、これらのサーボーモータ10…には、そのオーバーランを防止するためのセンサーが付設されている。
ここで、押出機1はスクリューを内蔵し、先端部にダイスリットを有するクロスヘッドダイ(口金)7が設けてあり、クロスヘッドダイ(口金)7の上方に、クロスヘッドダイ(口金)7より原料樹脂を溶融・押出・垂下して形成された筒状パリソンの肉厚や長さをコントロールするパリソン制御装置2が備えてある。
また、クロスヘッドダイ(口金)7より溶融・押出・垂下して形成された筒状パリソンは、型締装置4により型開状になり、内面にキャビティを有する成形金型11内に入れられ、続いて型閉・型締されて成形金型11内に収納されるとともに、クロスヘッドダイ(口金)7の下方に配置されたパリソン切断装置(図示せず)で所定の長さに切断される。
筒状パリソンを所定長さに切断されると、切断されたパリソンがクロスヘッドダイ(口金)7より続いて垂下されるパリソンに干渉(溶着)しないように押出機1(およびクロスヘッドダイ7)を押出機上下装置8で上方に移動させる。
筒状パリソンを収納した成形金型11は、クロスヘッドダイ(口金)7とエア吹込装置3との間において成形金型11を交互に移動させる型締装置(成形金型)移動装置5によって、クロスヘッドダイ(口金)7の下方よりエア吹込装置3の下方に移動される。
成形金型11内に収納された筒状パリソンは、エア吹込装置3に付設してあるエア吹込ノズルを挿入し、このノズルによりエアをパリソン内に吹き込んで中空成形品に成形される。
ブロー成形された中空成形品は、成形金型11の型開により取り外され、成形品取出装置9で所定の位置に移送される。
その他、成形品取出装置9の把持部を作動させるエアシリンダ用の切換弁や中空成形品の上方・下方に付着している余剰樹脂部(バリ)を切断するパンチングを作動させるエアシリンダ用の切換弁などが制御装置を介して圧空源に接続されている。
この制御装置は、所定の前記した機器群に接続したシーケンスコントローラによって制御される。
コンピュータ(処理装置)は、通常のコンピュータと同様に入力・出力機能、保存・読出機能、検索・演算機能および登録・削除機能などを備えるとともに、内部および外部記憶装置(メモリ)を備えている。
そして、コンピュータ(処理装置)は、中空成形品に使用する原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す情報の樹脂特性データベース、原料樹脂の諸物性に関する情報の樹脂物性データベース、押出機のタイプ、台数、押出機スクリュの仕様、バレル、口金などの形式、温度条件など押出機に関する情報の押出機データベース、押出機の押出量に関する情報の押出量データベース、使用するエア吹込装置に関する情報の吹込装置データベース、使用する成形金型に関する情報の成形金型データベース、その他、各種機器類の待ち時間に関する情報の待タイマデータベース、各種機器類の動作時間に関する情報の動作時間データベース、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データや仕様データ、設定された中空成形品毎のブロー成形条件、過去に設定したブロー成形条件や過去に使用したブロー成形条件など上記に含まれない諸事項に関する情報の諸事項データベース、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式の知識情報などの諸情報を記憶している。
この諸情報に基づいて、コンピュータ(処理装置)に入力された、ブロー成形する中空成形品の層構成・その厚さなどの製品構成や重量・寸法・形状などの製品形状に関する中空成形品データ、使用する原料樹脂のメーカ、グレートや諸物性に関する原料樹脂(物性)データ、使用するクロスベッドダイを有する押出機のスクリュー仕様、バレル・口金の形式・温度条件など構成機器類に関する中空成形機データ、使用する成形金型に関する成形金型データなどの諸データに対して適合する押出機の押出条件、型締装置の型締条件、エア吹込装置の吹込条件やブロー成形の成形サイクル時間など、詳しくは、パリソンプロファイル条件、スクリュー回転数、成形(バレルやダイの)温度、型締力、打込力や成形サイクル時間を構成する冷却時間やサーボ動作条件やタイマ(時間)条件等々のブロー成形条件の全部または一部を演算し、出力し、設定するものである。
この内部記憶装置(メモリ)あるいは外部記憶装置(メモリ)には、原料樹脂に関する情報、詳しくは中空成形品に使用する原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す情報を記憶した樹脂特性データベース、押出機に関する情報、詳しくは押出機のタイプ(形式・仕様)、必要な台数、押出機スクリュのタイプ(形式・仕様)、口金のタイプ(層構成、温度調整の区分・点数)およびバレルヒータゾーンの温度調節仕様(区分・点数)、口金ヒータゾーンの温度調節仕様(区分・点数)など押出機に関する情報を記憶した押出機データベース、エア吹込装置に関する情報、詳しくはブロー成形に使用するエア吹込装置に関する情報を記憶した吹込装置データベース、成形金型に関する情報、詳しくはブロー成形に使用する成形金型に関する情報を記憶した成形金型データベース、その他、各種機器類の待ち時間に関する情報を記憶した待タイマデータベース、各種機器類の動作時間に関する情報を記憶した動作時間データベース、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データや仕様データ、および、設定された中空成形品毎のブロー成形条件、あるいは、過去に設定したブロー成形条件や過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベース、設定演算式に関する情報、詳しくは中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報等々の諸情報が記憶されている。
この樹脂特性データベースは、中空成形品に使用する原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す情報を記憶したものであって、具体的には、原料樹脂の種類、樹脂メーカやグレードと、使用スクリュやスクリュー回転数との関係を示す押出量D/B(データベース)、原料樹脂の種類、樹脂メーカやグレードと、バレル(ヒーターゾーン)温度との関係を示す成形温度D/B(データベース)、原料樹脂の種類、樹脂メーカや原料樹脂と諸物性値との関係を示す樹脂物性D/B(データベース)などである。
ここで、押出量D/Bはスクリュ回転数の設定に使用され、成形温度D/Bはバレル(ヒーターゾーン)温度の設定に使用され、樹脂物性D/Bは成形サイクルの設定に使用される。
押出機データベースは、押出機のタイプ、台数、押出機スクリュの仕様、バレル、ヒータゾーンの温度調整仕様および口金のタイプ(層構成、温度調整仕様)など押出機に関する情報を記憶したものであって、具体的には、ブロー成形用パリソンの形成に使用する押出機のタイプ(形式・仕様)、台数や使用スクリュの口径、長さ、L/Dなど押出機に関する押出機D/B(データベース)、押出機バレルの温度調節機器の仕様など使用する押出機のバレル仕様に関するバレルD/B(データベース)、押出機口金の層数や温調の区分・点数など温度調節の仕様、使用する押出機の口金仕様に関する口金D/B(データベース)などである。
ここで、押出機D/Bは押出温度の設定に使用され、バレルD/Bはバレル(ヒーターゾーン)温度の設定に使用され、口金D/Bは口金(ヒーターゾーン)温度の設定に使用される。
吹込装置データベースは、ブロー成形に使用するエア吹込装置に関する情報を記憶したものであって、具体的には、ノズルのタイプ(形式・仕様)や電動機などの機器類およびノズルのパリソン内への打込上昇速度、ノズルのパリソン内への打込下降高速速度、ノズルのパリソン内のジャンプ速度、打込下降低速速度さらには、エア放出ジャンプ速度や一段上昇速度などである。ここで、ジャンプは、金型開放前にノズルを少し上昇(プレリフト)させてパリソンに密着していたノズルを離すことで、ノズル外面を成形品の口部内面よりスムーズに上昇・離脱させるものである。
成形金型データベースは、ブロー成形に使用する成形金型に関する情報を記憶したものであって、具体的には、成形金型の構造(冷却水路の位置・距離・太さ・本数)、その材質の熱伝導率、比熱、密度、伝熱係数などである。
諸事項データベースは、上記に含まれない、各種機器類の待ち時間に関する情報を記憶した待タイマデータベース、各種機器類の動作時間に関する情報を記憶した動作時間データベース、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データや仕様データ、設定された中空成形品毎のブロー成形条件、過去に設定したブロー成形条件や過去に使用したブロー成形条件などの諸事項に関する情報を記憶したものである。なお、必要に応じて、これら諸事項に関する情報を独立したデータベースとすることができる。なお、待ち時間は、本来零であることが理想であるが、使用する原料樹脂、成形される成形品の形状等によって次の動作指令を遅らせる(待ち時間を設定する)場合がある。具体的には、例えば、図11に示す。
また、動作時間は、理想としては、各機器類が設計値通り(100%)動作した場合の時間であるが、前者の待ち時間と同様、原料樹脂、成形品の形状等に依存されるので、これらを加味した時間となるのである。具体的には、例えば、図11に示す。
知識情報は、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶したものであって、具体的には、押出機の必要押出量演算式、型締力設定演算式、エア吹込ノズル用の打込力(打込高さ)設定演算式、パリソン肉厚制御用プロファイルの設定演算式などである。
押出機の必要押出量演算式は、使用する押出機のスクリュー回転数を設定するために、使用する押出機においてブロー成形に必要な押出量とその押出比率とを乗じて必要押出量を算出するものである。
型締力設定演算式は、バリ長さを算出するところの下記数式5にて表されるバリ長さ演算式(式中、SBは肩部バリ長さ、GBは取手部のバリ長さ、BBは底部のバリ長さを示す。)、型締力Aを算出するところの下記数式6にて表される型締力A演算式(式中、BLはバリ長さ、Nは取り数、CCは原料樹脂の固有定数、CTは刃厚を示す。)、型締力Bを算出するところの下記数式7にて表される型締力B演算式(式中、CLは投影面積すなわち型面におけるキャビテイの縁全長、Nは取り数、BPは吹込圧力を示す。)、型締力Fを算出するところの下記数式8にて表される演算式とし、型締力より型締装置の型締力発生ボールねじのトルク(T)を下記数式9から算出する。但し、Lは前記ボールねじのリードピッチ、ηは前記ボールねじの効率、Rは前記ボールねじを駆動する減速機付きのサーボモータの減速比である。
[数5]
SB+GB+BB
[数6]
BL×N×CC×CT
[数7]
CL×N×BP
[数8]
A+B
[数9]
(F×L)/2π×η×R
打込力(打込高さ)設定演算式は、エア吹込ノズルの打込力(Fkgt)を設定するために、入力した中空成形品の口径に基づいて打込力が、下記数式10にて算出され、この打込力によりトルクTを下記数式11にて算出するもので、比xを下記数式12にて算出するものである。但し、Dは中空成形品の外口径、Aは原料樹脂の種類に基づく定数、Nは成形品の取り数、Tはトルク、Lは昇降用ボールねじのリードピッチ、ηはボールねじの効率、Tmはサーボモータの定格トルクである。
[数10]
Dπ×A×N
[数11]
(F×L)/(2π×η)
[数12]
T/Tm
打込下降低速速度設定演算式は、エア吹込ノズルの打込速度を設定するために、入力した原料樹脂の種類、樹脂メーカやグレートから打込下降速度定数が読み出され、この打込下降速度定数より打込下降低速速度を算出するものである。
プロファイルの設定演算式は、パリソンの肉厚制御のプロファイルを設定するために、入力した中空成形品に関する使用原料樹脂、成形品重量、外郭形状・寸法、余剰樹脂部の寸法などに基づいて肉厚断面積、スリット断面積、コア位置を求め、このコア位置より位置割合値を算出し、位置割合値より、コア位置がダイ・コアの基準位置から最上位となる最大値を求め、求めた最小値と最大値の間で移動するコア位置よりプロファイルを算出するものである
このコンピュータ(処理装置)には、キーボード・マウスなどの入力手段、シーケンスコントローラ、CRT・プラズマディスプレイなどを利用した表示装置が接続されている。
次に、本発明に係わるブロー成形条件の設定方法について説明する。なお、この実施形態では個別の手順で説明するが、全体の具体的な手順については後記する。
図4に示す実施形態では、押出条件のスクリュ回転数を設定する場合について説明する。
スクリュ回転数の設定は、先ず、使用する中空成形機の機種の選択を行うために、使用する成形機の機種名および製造メーカの製造番号を入力(S1)して、押出機データベースの押出機D/Bより押出機の台数および押出機スクリュの口径、また口金D/Bより口金の層構成を読み出す(S2)。
続いて、使用する原料樹脂の選択を行うために、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名、およびグレードを入力(S3)して、樹脂特性データベースの押出量D/Bより押出機の基本押出量を読み出し(S4)、知識情報にある押出機の押出量演算式を読み出す(S5)。
さらに、使用する押出機の選択を行うために、使用する押出機の厚み方向の押出比率を入力(S6)して、使用する押出機の必要押出機量の演算を行うために、押出量演算式「必要押出量×各押出機の押出比率」より「各押出機の必要押出量」を算出する(S7)。
次いで、基本押出量と必要押出量と対比してスクリュ回転数を樹脂特性データベースの押出量D/Bより読み出し、スクリュ回転数とする(S8)。スクリュ回転数の設定終了。
図5に示す実施形態では、押出機のバレル温度を設定する場合について説明する。
押出機のバレル温度の設定は、先ず、使用する中空成形機の機種の選択を行うために、使用する成形機の機種名および製造メーカの製造番号を入力(S1)して、押出機データベースの押出機D/Bより押出機の台数、押出機スクリュの口径、およびバレルの温度調節点数を読み出す(S2)。
続いて、使用する原料樹脂の選択を行うために、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名、およびグレードを入力(S3)し、そして、これらが適合するバレル(ヒーターゾーン)温度を樹脂特性データベースの成形温度D/Bより読み出し、バレル(ヒーターゾーン)温度とする(S4)。バレル温度の設定終了。
図6に示す実施形態では、クロスヘッドダイのダイ温度を設定する場合について説明する。
押出機のクロスヘッドダイ温度の設定は、先ず、使用する中空成形機の機種の選択を行うために、使用する成形機の機種名および製造メーカの製造番号を入力(S1)して、押出機データベースの押出機D/Bより押出機の台数、押出機スクリュの口径、およびクロスヘッドダイの温度調節点数を読み出す(S2)。
続いて、使用する原料樹脂の選択を行うために、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名、およびグレードを入力(S3)し、そして、これらが適合するクロスヘッドダイ(ヒーターゾーン)温度を樹脂特性データベースの成形温度D/Bより読み出し、クロスヘッドダイ(ヒーターゾーン)温度とする(S4)。クロスヘッドダイ温度の設定終了。
図7に示す実施形態では、パリソンの肉厚制御に用いるパリソンプロファイルを設定する場合について説明する。
パリソンプロファイルの設定は、先ず、コンピュータ(処理装置)に、中空成形品の重量、余剰樹脂部(バリ)の重量、中空成形品の容量、層構成などの成形品構成を入力し(S1)、次いで、使用する原料樹脂名、グレードなどの使用樹脂を入力し(S2)、次ぎに、中空成形品の外郭形状をCADデータで取り込み、またはコンピュータ(処理装置)画面内で外郭形状を作図(入力)する(S3)。
続いて、知識情報にあるパリソン肉厚制御用プロファイルの設定演算式を読み出し(S4)、コンピュータ(処理装置)で余剰樹脂部(バリ)が付着した中空成形品を長さ方向で所定(n個)数、例えば50に分割(S5)する。
さらに、中空成形品の分割位置における肉厚断面積(A1)を算出し(S6)、算出した肉厚断面積(A1)をパリソン断面積スウェル(SW)で除して分割された各位置におけるクロスヘッドダイのスリット断面積(A2)を下記の数式1で、算出(S7)する。そして、クロスヘッドダイのスリット断面積が算出したスリット断面積(A2)と同じとなるコア(あるいはダイ)位置(H)を算出し(S8)、コア位置(H)(あるいはダイ位置)をプロファイルの補正を考慮した所定の比率、コア位置(あるいはダイ位置)の最大値(Max)と最小値(Min)を求めて分割位置でのコア位置(あるいはダイ位置)をX(20)%〜Z(80)%間に当て嵌めて位置割合値(PH)を下記の数式2で求める(S9)。この位置割合値(PH)より、コア位置(H)(あるいはダイ位置)がダイ・コアの基準位置から最下位となる最小値(0%)を下記の数式3で算出する(S10)。なお、基準値より最下位となる最小値(0%)をウエイト値とする。また、位置割合値(PH)より、コア位置(H)(あるいはダイ位置)がダイ・コアの基準位置から最上位となる最大値(100%)を下記の数式4で算出し、さらに、最大値(100%)と最小値(0%)の差を、最大値−最小値で算出する(S10)。なお、最大値(100%)から最小値(0%)を減じた値をスパン値とする。求めた最小値と最大値の間で移動するコア位置(H)(あるいはダイ位置)を算出・補間してプロファイルを作成する(S11)。パリソンプロファイルの設定終了。そして、このパリソンプロファイルでパリソンの肉厚制御を行う。
[数1]
A1×1/SW
[数2]
(Max−Min)×1/(X―Z)
[数3]
Min−PH×Z
[数4]
Max+PH×Z
図8に示す実施形態では、型締装置の型締力を設定する場合について説明する。
型締装置の型締力の設定は、先ず、成形する中空成形品の選択を行うために、肩部のバリ(余剰樹脂部)の長さ、取手部のバリの長さ、底部のバリの長さなどをコンピュータ(処理装置)に手入力し、または中空成形品の投影面積を中空成形品の外郭形状でCADデータで取り込み、バリ(余剰樹脂部)を切断する切断刃の選択を行うために、刃厚を入力(S2)し、使用する原料樹脂の選択を行うために、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名、およびグレードを入力(S3)する。なお、ステップ1(S1)の中空成形品の投影面積は、中空成形品の形状をCADから入力した場合には自動演算される。
続いて、押出機データベースの押出機D/Bより中空成形品の取り数および押出機番号を読み出す(S4)。さらに、樹脂特性データベースの樹脂物性D/Bより押出機番号に対応する原料樹脂の型締力定数を読み出す。(S5)
次いで、知識情報にある上記数式5にて表されるバリ長さ演算式を読み出し、バリ長さ演算式より「バリ長さ」を算出する(S6)。
さらに、知識情報にある上記数式6にて表される型締力A演算式を読み出し、型締力A演算式より「型締力A」を算出する(S7)。
さらに次いで、知識情報にある上記数式7にて表される型締力B演算式を読み出し、型締力B演算式より「型締力B」を算出する(S8)。
さらに続けて、知識情報にある上記数式8にて表される型締力演算式を読み出し、型締力演算式より型締力(F)を算出する(S9)。
この型締力より型締装置のボールネジのリードに基づいて、型締装置の型締動作を行うサーボモータにかけるトルク(T)を、上記数式9にて表される演算式算出する(S10)。型締力の設定終了。
図9に示す実施形態では、エア吹込ノズルの打込力を設定する場合について説明する。
なお、ここで、打込力は、カッティングプレートの上面からカッティングスリーブ(カッティングプレートに当接して上部バリを切断する働きをする個所)がカッティングプレートの傾斜状カット面に当接する位置(点)までの距離に、この位置(点)から上部バリを切断するための点までの距離(押込高さ)を加算した打込高さ、この打込高さの分だけカッティングスリーブを押し下げられるようにして上部バリを切断するに要する力をいう。
エア吹込ノズルの打込力(打込高さ)の設定は、先ず、知識情報にある打込力(打込高さ)設定のための設定演算式を読み出す(S1)。
次いで、中空成形品の口栓部の口径および原料樹脂の種類を入力する(S2)。
次ぎに、打込力(Fkgt)が上記数式10で、算出される(S3)。
続いて、トルク値(Tkgcm)が上記数式11で、算出される(S4)。
さらに次いで、トルク値(T)と定格トルク(Tm)との比(X)を、上記数式12で、求める(S5)。
さらに続けて、サーボモータを低速で駆動させてエア吹込ノズルを低速で下降させ、エア吹込ノズルのカッティングスリーブが成形金型のカウンタープレートに当たった後さらに下降指令を出し、トルクをサーボモータに接続したサーボアンプで検出し、検出されたトルクが、設定したトルク値(Tkgcm)になった時点の位置を記憶させ、この位置が必要な打込力となる(S6)。 打込力の設定終了。
図10に示す実施形態では、ブロー成形に関する成形サイクル時間を設定する場合について説明する。
成形サイクル時間は、冷却時間(成形金型・中空成形品の冷却)、放出時間(エアの排出)、動作時間(成形金型等の動作)と、待ち時間(機器類の動作待ち)を合計したもので、詳細には図11に示すように例えばパリソンに挿入し、エアーの吹き込みを終了したエアーノズルのジャンプから次のジャンプまでをいう。
なお、図11はブロー成形の成形サイクル時間と中空成形機の動作時間の関係を示すものである。
なお、図11の中空成形機の動作時間内の「エア吹込待ち」の右欄にある、「ノズル下降待ち・ノズル下降」は、左欄にある「エア吹込待ち」とは無関係に「エア吹込待ち」付近の時間で行われるエア吹込ノズルの動作であり、中空成形機の動作時間には含まれない。
冷却時間の算出は、冷却水による中空成形品の外表面からの冷却過程と吹込エアによる中空成形品の内表面からの冷却過程の非定常伝熱を、入力されたパリソン成形データ、成形金型データ、原料樹脂データ、成形金型データに基づいて、知識情報より読み出した成形サイクル時間設定演算式を用いて数値・解析する手法で行なう。
先ず、成形されるパリソンの成形温度、中空成形品の取出温度、冷却水温度、冷却水量、エア循環の有無などのパリソン成形データを入力(S1)し、使用する原料樹脂の種類、グレードなどの原料樹脂データを入力(S2)し、ブロー成形する中空成形品の形状、寸法、重量などの中空成形品データを入力(S3)し、使用する成形金型の材質、冷却孔径、型内面から冷却孔までの距離、型内面と冷却孔との面積比などの成形金型データを入力(S4)する。
次ぎに、入力したパリソン成形データの冷却水量および成形金型データの冷却孔径より冷却水側および吹込エア側の伝熱係数を算出(S5)する。
続いて、樹脂特性データベースから入力された原料樹脂データに対応する原料樹脂の比熱、熱伝導率、密度など原料樹脂の諸情報を読み出(S6)し、さらに、成形金型データベースから入力された金型の材質に対応する金型の比熱、熱伝導率、密度など成形金型の諸情報を読み出す(S7)。
読み出(S6)した原料樹脂データに対応する原料樹脂の比熱、熱伝導率、密度など原料樹脂の諸情報、および読み出(S7)した金型の材質に対応する金型の比熱、熱伝導率、密度など成形金型の諸情報から、中空成形品壁内部の温度の経時変化、成形金型壁内部の温度の経時変化を数値解析で算出(S8)し、さらに中空成形品壁内部の温度を数値解析で算出(S9)する。
前記中空成形品壁内部の温度の経時変化の計算過程において、成形される中空成形品目標取出温度まで冷却するに要する時間を、数値解析で算出する(S10)。これを冷却時間とする。なお、算出した冷却時間の所定割合、例えば10%を放出時間として記憶する。
中空成形機データベースより中空成形機が有する動作時間を読み出し(S11)、待ち時間を読み出し(S12)、先に算出・記憶してある放出時間を読み出し(S13)、前記の冷却時間に、これら動作時間、待ち時間、放出時間を加算する(S14)。これを成形サイクル時間とする。
さらに次いで、冷却水による成形金型の冷却と成形金型の内表面のエアによる冷却の過程を数値解析し、成形金型の温度の経時変化を算出し(S15)、成形サイクル完了時の成形金型の温度(E)を算出(S18)する。
前記(S18)で算出した成形金型の温度(E)を、次ぎに成形する(成形サイクル)成形金型の初期温度(S)とし、この(S15)算出された成形金型の温度(E)が成形金型の初期温度(S)と一致するまで繰り返し演算して、計算を終了する。(S19)
この時点(S10)での冷却時間を、連続運転における冷却時間とする。
また、この時点(S14)での成形サイクル時間を、連続運転における成形サイクル時間とする。成形サイクル時間の設定終了。
中空成形機における中空成形品のブロー成形条件の設定方法が上記のようにしてあるので、コンピュータに、使用する原料樹脂に関する情報、使用する押出機に関する情報、使用するエア吹込装置に関する情報、使用する成形金型に関する情報、必要な設定演算式に関する情報などの諸情報を記憶させ、入力した中空成形品データ、原料樹脂データ、中空成形機データ、成形金型データなどの諸データに適合する押出条件、型締条件、吹込条件などのブロー成形条件、換言すると原料樹脂の押出・パリソンの形成過程、パリソン金型収納過程、ブロー成形過程における最適なブロー成形条件が容易に設定され、操作者が行うブロー成形条件の設定作業を軽減でき、また誤りがなく最適なブロー成形条件を設定でき、ブロー成形における中空成形品の品質の均質化や品質の向上に寄与できるとともに、生産性と運転操作性が増すものである。
さらには、成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型などの諸データを選択して入力することで、それに適合する押出機のスクリュー回転数、押出機のバレルの温度条件、クロスヘッドダイの温度条件、筒状パリソンのプロファイルなどの押出条件、型締装置の型締力の型締条件、吹込ノズルの打込力の吹込条件、ブロー成形の成形サイクル時間などのブロー成形条件が容易に必要に応じて演算・出力して設定できるものである。
また、ブロー成形条件の設定方法を有する中空成形機が上記のようにしてあるので、使用する原料樹脂に関する情報、使用する押出機に関する情報、使用するエア吹込装置に関する情報、使用する成形金型に関する情報、必要な設定演算式に関する情報などの諸情報を記憶する内部あるいは外部の記憶手段と、中空成形品データ、原料樹脂データ、中空成形機データ、成形金型データなどの諸データを手入力あるいはCAD入力する入力手段と、入力された諸データに基づいて中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを備え、入力された成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型などの諸データに適合する、原料樹脂の押出・パリソンの形成過程、パリソン金型収納過程、ブロー成形過程における最適なブロー成形条件を選択・検索・演算・出力して容易に設定され、熟練度の低い操作者であっても、成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型などの諸データを入力することで、これに適合する成形条件をきわめて容易かつ確実に設定でき、設定作業に伴う原料樹脂などの資源の節減やエネルギの損失を図れ、設定時間の短縮、中空成形機の稼働率の向上や安全性の向上につながるものである。
以上、中空成形機におけるブロー成形条件の設定方法を個別に設定する方法を説明したが、図12に示すトータル的なシステムを用いてブロー成形条件の設定方法について具体的に説明する。
図12に示し前記したように、ノート型PC(処理装置)を用いて、そのPCの記憶装置に諸情報を記憶させ、PCに付属のキーボード(入力装置)で諸データを入力し、記憶装置に記憶されたデータベースの諸情報を読み出して、そのPCで必要に応じて選択・検索・演算してブロー成形条件を設定し、そのブロー成形条件をカード型記録媒体に出力・記憶させるとともに、その記録媒体を中空成形機の制御部に挿入して、この記録媒体で制御装置(シーケンサ)を介して単数、あるいは複数の中空成形機を制御・管理するものである。
これは、例えば図13に示す、製品構成、製品形状、原料樹脂、成形金型、ダイ・コア形状などの諸データを入力し、記憶装置に記憶されたデータベースとしての原料樹脂D/B、樹脂物性D/B、押出量D/B、待タイマ用D/B、動作時間用D/Bなどの諸情報を読み出して、入力された中空成形品データ、原料樹脂データ、中空成形機データ、成形金型データなどの諸データに適合する押出条件、型締条件、吹込条件などのブロー成形条件を設定、具体的には成形機種、製品構成、成形金型、ダイ・コア形状などの諸データで演算可能なパリソンプロファイル条件、スクリュー回転数、冷却時間、サーボ動作条件、タイマ(時間)条件、成形温度、型締力、打込力などをまとめて演算(集合演算)させてこれを設定し、設定したブロー成形条件をカード型記録媒体に出力・保存して、これにより制御装置(シーケンサ)を介して中空成形機を制御・管理するものである。
本発明のブロー成形条件を設定する方法について、図14を用いて要点を中心に説明する。
先ず、図12に示すトータル的なシステムを立ち上げ、(但し、中空成形機は除く)図14に示す、「操作の選択」の表示画面(1)において、「成形機の呼称登録」をポインティングし、「成形機の呼称登録」の表示画面(図示せず)で成形機メーカの製造番号に対応する操作者会社の登録名称を入力して使用する中空成形機を特定・登録する。
次に、表示画面(1)で「成形条件の算出」をポインティングし、表示される「入力の開始」「成形機の選択」、「製品の概要(成形品の構成)」などの表示画面(いずれも図示せず)で各々必要な項目を入力する。
続いて、「原料樹脂の選択」の表示画面(2)において、原料名・メーカ名・グレードなどを使用する押出機毎に入力し、次の「製品形状の入力」の表示画面(3)で「製品形状の定義」をポインティングし、表示画面(4)でCAD図によって「製品の形状」を入力、「ダイ・コアの計算」の表示画面(5)で、「ダイ・コアの形状・寸法」などを入力し、次いで、表示される「型締力用バリ確認」「外形線抽出」などの表示画面(いずれも図示せず)で各々必要な項目を入力して、表示画面(6)に示す「パリソンのプロファイル」を作成する。
なお、「製品の形状」は手入力によって行ってもよい。
さらに続けて、再び戻った「製品形状の入力」の表示画面(3)で「次へ」をポインティングし、「演算項目の選択」の表示画面(7)で、項目の先頭部にある枠内のチェックのうち、不要なものを外す。表示画面の右端欄で確認し、「完了」の文字が表示されたものは、集合演算により入力が完了し、「完了」の文字が表示されていないものは未入力である。
ここで、入力が完了していない、例えば「型締力」の「入力定義」をポインティングし、「型締力の入力」の表示画面(8)で「バリの長さ、製品形状のデータやバリ喰い切り刃の厚さなど」を入力する。
また、例えば「スクリュ回転」の「入力定義」をポインティングし、「製品情報の入力」の表示画面(9)で「製品構成のデータ」を、続いて表示される「製品概要の入力」の表示画面(図示せず)で「製品形状のデータ(製品重量・製品高さ・口部直径・底バリ幅など)」を入力し、続く「金型情報の入力」の表示画面(10)で「成形金型のデータ」を入力する。
以下、必要に応じて入力が必要な項目に対して表示画面(7)で「入力定義」のポインテイングの操作を行い、表示される表示画面に従って必要なデータを入力する。
入力作業が終われば、例えばその表示画面(10)にある「完了」をポインテイングすると「入力終了」の表示画面(11)に進む。この表示画面(11)で、「成形条件の計算実行」にチェックを入れ、「次へ」をポインテングすると、入力したデータに基づいて演算され、「演算結果保存の指定」の表示画面(12)で各々必要な項目を入力して成形条件の演算、設定結果や入力したデータ類を保存し、終了する。また、同表示画面(11)で「入力処理の終了」にチェックを入れ、「次へ」をポインテイングすると表示画面(1)へ戻り終了する。
ここで、数値結果の確認や数値結果の変更などを行う必要が有れば、表示画面(12)で「次へ」をポインティングして、「演算結果の確認」の表示画面(13)で、例えば、「パリソンコントロールプロファイル」の先頭部の「空欄」にチェックを入れ、「結果確認」をポインティングし、「パリソンコントロールプロファイル」の表示画面(14)で、その「結果」を確認する。
以下、必要に応じて確認が必要な項目に対して同様の操作を行い、その「結果」を確認する。また、数値変更を行う場合には、該当する表示画面、例えば表示画面(14)で、その数値を変更する。
なお、項目の先頭部の「空欄」にチェックを入れ、「結果確認」が反転(文字が現出)しない場合は、入力が完了していないので、表示画面(7)に戻り、前記の操作を行い必要なデータを入力する。
確認あるいは変更が全て終了すれば、例えば、表示画面「パリソンコントロールプロファイル」(13)にある「完了」をポインティングする。これにより表示画面(7)に戻り、次の操作に備える。
前記は、表示画面(3)で、「製品形状の定義」をポインティングし、表示画面に従ってた操作について説明したが、表示画面(3)で、「次へ」をポインティングし、表示画面(7)に従って操作を行い、各項目について入力操作を行っても良い。なお、この場合でも、その入力によって関連する項目が同時に入力が完了するのは、前記と同様である。
成形サイクル時間は、前記の通り、冷却時間、放出時間、動作時間と待ち時間を合計したものであって、上記により算出された冷却時間に、その冷却時間の所定割合より算出・記憶した放出時間および待タイマ用D/B、動作時間用D/Bより読み出した待ち時間、動作時間を加算して算出されるものである。なお、放出時間、動作時間や待ち時間についても、諸情報と諸データの関係や演算式を設定することで算出・記憶できるものである。
ここで、集合演算は、目的とする「算出項目」を演算するために「所定データ」を入力すると、その「所定データ」に関連する他の「算出項目」に必要な「所定データ」も同時に入力されること、あるいはこの入力データに基づいて「算出項目」が演算されることであって、例えば、「スクリュー回転数」を演算するために「原料樹脂の選択」の表示画面で、原料名・グレードなどの「所定データ」を入力すると、この「原料樹脂の選択」に関連する「冷却時間」「型締力」「打込力」などの「算出項目」においても原料名・グレードなどの「所定データ」が同時にまとめて入力されて、あるいはこの入力データに基づいて「算出項目」が演算されて、「冷却時間」「型締力」「打込力」などの「算出項目」においては、改めて「所定データ」を入力する必要がない、あるいは「所定データ」に基づくいて演算をする必要がないものである。
さらに、「スクリュー回転数」を演算するために「原料樹脂の選択」の次ぎの「製品構成」に続く「製品形状」の表示画面で、製品重量・口部直径・底バリ幅・製品高さなどの「所定データ」を入力すると、「スクリュー回転数」は無論のこと「冷却時間」「待ちタイマ設定」「型締力」が同時にまとめて入力される、あるいはこの入力データに基づいて「算出項目」が演算される。
さらにまた、「スクリュー回転数」を演算するために「製品形状」に続く「金型情報の入力」の表示画面で、パリソン温度他温度関係、喰い切り刃厚、金型材質、冷却水温度他冷却水関係などの「所定データ」を入力すると、「スクリュー回転数」は無論のこと「冷却時間」「待ちタイマ設定」が同時にまとめて入力される、あるいはこの入力データに基づいて「算出項目」が演算される。
なお、「スクリュー回転数」で例示したが、「待ちタイマ設定」に必要な「所定データ」を入力、あるいは「型締力」に必要な「所定データ」を入力しても同様である。
その他、目的とする「演算項目」を先ず入力として良いものである。
このように、集合演算は、目的とする「算出項目」を演算するために「所定データ」を入力すると、その「所定データ」に関連する他の「算出項目」に必要な「所定データ」も同時に入力されること、あるいはこの入力データに基づいて「算出項目」が演算されることであるので、ブロー成形条件の個々に諸データに入力するのと違い、集合して演算されて、入力が減じられ、誤りなく、容易にブロー成形条件が設定され、設定時間を短縮でき、操作者が行うブロー成形条件の設定作業を軽減させるとともに、中空成形機の生産性と運転操作性が向上するものである。
中空成形機における中空成形品のブロー成形条件の設定方法が上記のようにしてあるので、コンピュータに、使用する原料樹脂に関する情報、使用する押出機に関する情報、使用するエア吹込装置に関する情報、使用する成形金型に関する情報、必要な設定演算式に関する情報などの諸情報を記憶させ、入力された中空成形品データ、原料樹脂データ、中空成形機データ、成形金型データなどの諸データに適合する押出条件、型締条件、吹込条件などのブロー成形条件を設定するに際して、入力された成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型などの諸データで演算可能なブロー成形条件をまとめて演算(集合演算)でき、ブロー成形条件の個々に諸データに入力するのと違い、集合して演算されて、入力が減じられ、誤りなく、容易にブロー成形条件が設定され、設定時間を短縮でき、操作者が行うブロー成形条件の設定作業を軽減させるとともに、中空成形機の生産性と運転操作性が向上するものである。
その他、操作者は、ブロー成形条件の設定作業の負担が軽減される分、中空成形機の操作に集中でき、ブロー成形における中空成形品の品質の均質化や向上に寄与でき、また、経験の浅い操作者でも簡便・容易に、確実に所望のブロー成形条件を設定できるものである。
また、ブロー成形条件設定システムを有する中空成形機が上記のようにしてあるので、使用する原料樹脂に関する情報、使用する押出機に関する情報、使用するエア吹込装置に関する情報、使用する成形金型に関する情報、必要な設定演算式に関する情報などの諸情報を記憶する内部あるいは外部の記憶手段と、中空成形品データ、原料樹脂データ、中空成形機データ、成形金型データなどの諸データを手入力あるいはCAD入力する入力手段と、入力された諸データに基づいて中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを備え、入力された成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型などの諸データに適合する、原料樹脂の押出・パリソンの形成過程、パリソン金型収納過程、ブロー成形過程における最適なブロー成形条件を選択・検索・演算・出力して容易に設定され、熟練度の低い操作者であっても、成形される中空成形品、使用する原料樹脂、中空成形機、成形金型などの諸データを入力することで、これに適合する成形条件をきわめて容易かつ確実に設定でき、設定作業に伴う原料樹脂などの資源の節減やエネルギの損失を図れ、設定時間の短縮、中空成形機の稼働率の向上や安全性の向上につながるものである。
しかも、設定されたブロー成形条件の全部または一部を保存するカード型記録媒体を備えたので、カード型の外部記憶媒体を使用し、任意のコンピュータ上でブロー成形条件を設定ができ、中空成形機体が稼働状態でもブロー成形条件を設定することができ、中空成形機の段取効率や稼働率が向上するものである。
さらに、コンピュータがある任意の場所でブロー成形条件を設定ができ、設定に必要な諸データの参照等の作業が行い易くなり、ブロー成形条件の設定作業の誤り等が防止することができる。その上、複数の中空成形機に対応することができ、操作者による誤りが防止され、ブロー成形における中空成形品の品質の均質化や向上に寄与できるものである。
本発明の実施形態を示すシステム概略図。 Aは本発明に供される中空成形機の正面図、Bは同側面図、Cは型締装置拡大図である。 本発明の実施形態に供される制御装置の制御ブロック図 本発明の実施形態における処理手順の説明図。 本発明の実施形態における処理手順の説明図。 本発明の実施形態における処理手順の説明図。 本発明の実施形態における処理手順の説明図。 本発明の一実施形態の処理手順の説明図。 本発明の一実施形態の処理手順の説明図。 A、Bは本発明の一実施形態の処理手順の説明図。 本発明の成形サイクル時間を表す説明図。 本発明の実施形態におけるシステム概略図。 本発明のデータベース・入力データ・出力内容を表す説明図。 A〜Nは本発明の実施形態における処理手順の説明図。

Claims (8)

  1. 中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、
    料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、
    ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、
    記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、
    前記入力手段に入力した、使用する中空成形機の機種名及び製造メーカの製造番号によって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の台数並びに各押出機スクリュの口径及び各押出機の口金の層構成を読み出し、前記入力手段に入力した、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の基本押出量を読み出すとともに、前記知識情報から押出機の押出量演算式を読み出し、前記入力手段に入力した、使用する押出機の成形する成形品の層構成比率によって前記コンピュータが前記押出量演算式を用いて各押出機の必要押出量を算出し、前記基本押出量と前記必要押出量とを対比して前記樹脂特性データベースからスクリュ回転数を読み出してスクリュ回転数を設定することを特徴とする中空成形機
  2. 中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、
    料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、
    ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、
    記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、
    前記入力手段に入力した、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データによって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の台数、各押出機スクリュの口径及び各押出機のバレルの長手方向の温度調節点数を読み出し、次いで前記入力手段に入力した、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが前記樹脂特性データベースから適合するバレル温度を読み出してバレル温度を設定することを特徴とする中空成形機
  3. 中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、
    原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件並びに過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、
    ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式・温度条件等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、
    記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、
    前記入力手段に入力した、使用する中空成形機の機種名及び製造メーカの製造番号によって前記コンピュータが前記押出機データベースから押出機の台数、各押出機スクリュの口径及びクロスヘッドダイの長手方向の温度調節点数を読み出し、次いで前記入力手段に入力した、使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが前記樹脂特性データベースから適合するクロスヘッドダイ温度を読み出してクロスヘッドダイ温度を設定することを特徴とする中空成形機
  4. 中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、
    原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、
    ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、
    記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、
    前記入力手段に入力した、中空成形品の重量、バリの重量、中空成形品の容量及び層構成などの成形品構成、使用する原料樹脂の原料名並びにメーカ名及びグレード、中空成形品の外郭形状、によって前記コンピュータが、前記知識情報からパリソン肉厚制御用プロファイルの設定演算式を読み出してバリが付着した中空成形品を長手方向に所定数分割し、これら分割位置における肉厚断面積A1を求め、下記数式1にて表される前記分割された各位置におけるクロスヘッドダイのスリット断面積を算出し、クロスヘッドダイのスリット断面積が前記算出したスリット断面積と同じとなるコア又はダイの位置を求め、コア位置又はダイ位置の最大値Maxと最小値Minを求めて分割位置でのコア位置又はダイ位置を所定のXないしZのパーセンテージの間に当て嵌めて位置割合値PHを下記数式2から求め、該位置割合値PHからコア位置又はダイ位置がダイ・コアの基準位置から最下位となる最小値を下記数式3で算出し、前記位置割合値PHからコア位置又はダイ位置がダイ・コアの基準位置から最上位となる最大値を下記数式4で算出し、これら最大値と最小値の差を算出し、求めた最小値と最大値の間で移動するコア位置又はダイ位置からプロファイルを設定することを特徴とする中空成形機。
    [数1]
    A1×1/SW
    (式中、SWはパリソン断面積スウェルを示す。)
    [数2]
    (Max−Min)×1/(X―Z)
    [数3]Min−PH×Z
    [数4]Max+PH×Z
  5. 中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、
    原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、
    ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品デー、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式・温度条件等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、
    記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け
    前記入力手段に入力した、取手部を持つ有底中空成形品の肩部のバリの長さSB、前記取手部のバリの長さGB及び前記底部のバリの長さBBの選択する中空成形品データ又は前記入力手段が読み込んだ中空成形品の外郭形状のデータ、これらバリを切断する刃の厚さCT並びに使用する原料樹脂の原料名、メーカ名及びグレードによって前記コンピュータが、前記押出機データベースから中空成形品の取り数N及び押出機番号を読み出し、読み出した前記押出機番号に対応した原料樹脂の固有定数CCを前記樹脂特性データベースから読み出し、前記知識情報から下記数式5にて表されるバリ長さ演算式を読み出してバリ長さBLを算出し、次いで前記知識情報から下記数式6にて表わされる型締力Aの演算式を読み出して型締力Aを算出するとともに、前記知識情報から下記数式7にて表される型締力Bの演算式を読み出して型締力Bを算出し、前記知識情報から下記数式8にて表される型締力演算式から型締力を算出型締力Fを算出して、型締装置の型締力を設定することを特徴とする中空成形機。
    [数5]
    SB+GB+BB
    [数6]
    BL×N×CC×CT
    [数7]
    CL×N×BP
    (式中、CLは型面におけるキャビテイの縁全長、BPは吹込圧力を示す。)
    [数8]
    A+B
  6. 請求項5に記載の中空成形機において、
    前記知識情報から下記数式9にて表されるトルク値演算式を読み出して、前記型締装置の型締力発生ボールねじのトルク値Tを算出することを特徴とする中空成形機。
    [数9]
    (F×L)/2π×η×R
    (式中、Lは前記ボールねじのリードピッチ、ηは前記ボールねじの効率、Rは前記ボールねじを駆動する減速機付きのサーボモータの減速比を示す。)
  7. 中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機において、
    原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、
    ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、
    記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、
    前記コンピュータが、前記知識情報から下記数式10にて表されるエア吹込ノズルの打込力設定演算式を読み出し、該演算式から前記入力手段に入力した中空成形品の口栓部の外口径Dおよび原料樹脂の種類に基づく定数Aによって打込力Fを算出し、前記知識情報から下記数式11にて表されるトルク値演算式を読み出してエア吹込ノズルの昇降用ボールねじのトルク値Tを算出して、該位置を打込力として設定することを特徴とする中空成形機。
    [数10]
    Dπ×A×N
    (式中、Nは中空成形品の取り数を示す。)
    [数11]
    (F×L)/(2π×η)
    (式中、Lは昇降用ボールねじのリードピッチ、ηはボールねじの効率を示す。)
  8. 中空成形品のブロー成形に用いる諸情報に基づいて該中空成形品をブロー成形するための中空成形機であって、
    原料樹脂と温度条件や押出量等の関係を示す原料樹脂情報を記憶した樹脂特性データベースと、押出機の台数、押出機のスクリュや口金等の押出機に関する押出機情報を記憶した押出機データベースと、エア吹込装置に関する吹込情報を記憶した吹込装置データベースと、成形金型に関する金型情報を記憶した成形金型データベースと、前記中空成形機が具備する機器類の動作待ち時間に関する情報を記憶したデータベースと、前記機器類の動作時間データベースと、成形に使用する中空成形機の機種別・形式別の性能データ及び仕様データ並びに過去に設定したブロー条件及び過去に使用したブロー成形条件を記憶した諸事項データベースと、中空成形品毎の成形条件を設定するに必要な設定演算式を記憶した知識情報とを備えた記憶手段と、
    ブロー成形する成形品の形状・寸法・重量・層構成等の中空成形品データ、使用する原料樹脂の種類・グレード・物理的性質等の原料樹脂データ、使用する中空成形機の機種・形式等の中空成形機データ、使用する成形金型の成形金型データ等の諸データを入力する入力手段と、
    記憶した諸情報に基づいて入力された諸データに適合する中空成形機におけるブロー成形条件を設定するコンピュータとを設け、
    前記入力手段に入力した、成形されるパリソンの成形温度、中空成形品の取出温度、金型の冷却水温度、該冷却水の水量、エア循環の有無等のパリソン成形データ、使用する原料樹脂の種類、グレード等の原料樹脂データ、ブロー成形する成形品の形状、寸法、重量等の中空成形品データ並びに使用する成形金型の材質、冷却孔径、型内面から冷却孔までの距離、型内面と冷却孔との面積比等の成形金型データによって前記コンピュータが、パリソン成形データの冷却水量並びに成形金型の冷却孔径から冷却水側及び吹込エア側の伝熱係数を求め、前記樹脂特性データベースから入力された原料樹脂データに対応する原料樹脂の比熱、熱伝導率、密度等の原料樹脂の諸情報を読み出すとともに、前記成形金型データベースから入力された金型の材質に対応する金型の比熱、熱伝導率、密度等の成形金型の諸情報を読み出し、読み出した原料樹脂データに対応する原料樹脂の比熱、熱伝導率、密度等の原料樹脂の諸情報及び読み出した金型の材質に対応する金型の比熱、熱伝導率、密度等の成形金型の諸情報から、中空成形品内壁の温度の経時変化、成形金型壁内部の温度の経時変化を求めるとともに中空成形品壁内部の温度を求め、成形される中空成形品目標取出温度まで冷却するに要する時間を求めて冷却時間とするとともに、算出した冷却時間の所定割合を放出時間とし、前記中空成形機データベースから中空成形機が有する前記エア吹込装置の動作時間を読み出し、前記中空成形機自体の待ち時間を読み出し、前記放出時間を見出してこれら時間を前記冷却時間に加算して成形サイクル時間と設定し、次いで冷却水による成形金型の冷却と成形金型の内表面のエアによる冷却の過程を求めて成形金型の温度の経時変化を求め、成形サイクル完了時の成形金型の温度を求め、前記算出した成形金型の温度を次に成形する成形金型の初期温度とし、該算出された成形金型の温度が成形金型の初期温度と一致するまで繰り返し演算して一致した時点にて終了して該時点での冷却時間を連続運転における冷却時間とし、該時点での成形サイクル時間を連続運転における成形サイクル時間として設定することを特徴とする中空成形機。
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