JP4940256B2 - エアゾール製品用の噴射部材 - Google Patents

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Description

本発明はエアゾール製品用の噴射部材に関する。さらに詳しくは、不要になったエアゾール製品を廃棄する際、エアゾール容器内に残っているエアゾール組成物を簡単な方法により確実に外部へ全量排出することができるエアゾール製品用の噴射部材に関する。
エアゾール容器は、耐圧容器と、その開口部に取付けられたエアゾールバルブとからなり、容器内に内容物として有効成分を含む原液と、液化石油ガスやジメチルエーテルなどの可燃性の液化ガスなどの噴射剤を充填し、さらに噴射部材を装着してエアゾール製品となる。
エアゾール製品は常温で0.2〜0.6MPa程度の圧力があり、噴射部材を押し下げるなどの噴射操作によりバルブを開放すると容器内部のエアゾール組成物は外部に噴射される。
現在、不要になったエアゾール製品は消費者により容器内にエアゾール組成物が残っていない状態(空の状態)にしてもらい不燃性のゴミとして回収されているが、回収する際にパッカー車などの回収車内でエアゾール製品が圧縮されて容器が破裂し、火災を起こす事故が発生している。エアゾール製品には、使い切ってから廃棄するように注意書きや表示を設けているが、依然として容器内部にエアゾール組成物が残ったままの状態で廃棄されていることがあり、火災事故を引き起こしやすくなっている。
しかし、消費者が使用目的とは別に自発的に容器内が空になるまで噴射操作を行うことは手間である。特に多くのエアゾール製品は、指で噴射部材の押しボタンを押し下げて噴射操作を行うが、完全に噴射が終了するまで噴射部材を押し続ける必要があり、手間がかかる。
このような問題に対して、エアゾール容器内に残っているエアゾール組成物を排出しやすくする手段として、たとえば押しボタンなどを取り外し、排出具をバルブに直接取り付け、バルブを常時開放状態とする排出機構が知られている(特許文献1、2、3、4参照)。そして、このような機構を有するものであって、エアゾール製品の通常の使用を妨げないように、上述の排出具がエアゾール製品のキャップに取り付けられているものを特許文献1は開示しており、特許文献1のキャップを耐圧容器の底部に取り付けられているものを特許文献3は開示している。また、特許文献4は押しボタンを取り外し、押しボタンを反転させてキャップの内部に装着し、キャップをカバー部材に装着することでバルブを開放状態にするものを開示している。
また、押しボタンなどの噴射部材を取り付けたまま排出具を取り付け、バルブを常時開放状態とする排出機構が知られている。特許文献5は、キャップの天面に押しボタンを押し下げる突起と、カバー部材にキャップを装着するための係合突起とが設けられており、キャップを反転させ、キャップの上面をカバー部材に取り付けることにより、押しボタンを押し下げ、バルブを常時開放状態とするものを開示している。また、特許文献6、7はキャップの天面の一部を折り曲げる、あるいは押し下げた状態で容器に装着することにより、押しボタンを押し下げ、バルブを常時開放状態とするものを開示している。
さらに、押しボタンとカバー部材またはキャップとを用いバルブを常時開放状態とすることができる排出機構が知られている。特許文献8は、押しボタンに取り付けられた回動突起を上方に立ち上げ、キャップを容器に取り付けることにより、その回動突起がキャップ天面と当接し、押しボタンが押し下げられるものを開示している。特許文献9は、押しボタンを回転して押しボタンの突起をカバー部材に係合させ、押しボタンを押し下げ位置に保持するものを開示している。特許文献10は、押しボタンを押し下げた状態で押しボタン後部のレバーを摘んで回し、レバーをカバー部材の溝に係合させるものを開示している。また、特許文献11は、押しボタンを押し下げた後、押しボタン後部の回動レバーを回すことにより回動レバーをカバー部材に係合させるものを開示している。
そして、特許文献12は押しボタンとカバー部材とからなる噴射部材であって、押しボタンを押し下げた後、押しボタンの上面とカバー部材との間に平板を挟むことによって、ボタンを常時押し下げ状態とすることができるものを開示している。
特開2001−180773号公報 特開2002−12276号公報 特開2000−177786号公報 特開平9−40045号公報 特開2002−2838号公報 特開2000−191062号公報 特開2002−53187号公報 特開2000−191060号公報 特開2002−193362号公報 特開2001−301853号公報 特開2003−12061号公報 特開2001−31158号公報
本発明は、押しボタンとカバー部材とからなる噴射部材であって、硬貨などのコインを用いて、簡単な方法でエアゾール容器内に残っているエアゾール組成物を確実に全量排出することができるエアゾール製品用の噴射部材を提供することを目的としている。
本発明のエアゾール製品用の噴射部材は、耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着したエアゾール容器に装着される噴射部材であって、エアゾールバルブのステムに装着され、上下動可能な押しボタンと、エアゾール容器の頭部に装着されるカバー部材とからなり、前記押しボタンは、前方に噴射孔を有し、前記カバー部材が、エアゾール容器に装着される装着部と、その装着部から上方に延び、押しボタンの両側面を覆う一対の側壁部を有し、前記装着部のやや上方にスリットが形成されており、前記それぞれの側壁部の内面に内向きに突出する突出部が形成されており、前記突出部の下面が押しボタンの上面とほぼ同じ高さになるように構成されており、前記突出部と押しボタンの上面との間にコインを挿入して、エアゾールバルブを開放位置で保持することができ、前記一対の側壁部の間の前方が、前記噴射孔から噴射されたエアゾール組成物が通るように開放されており、前記一対の側壁部の間の後方が、前記押しボタンを押し下げるための指を挿入できるように、かつ、挿入されたコインを後方へ引き抜くことができるように開放されており、前記スリットに、引き抜いたコインを差し込み、差し込んだコインの後端を持ち上げることによりコインがバルブに当接して支点となり、テコの原理によりカバー部材をエアゾール容器から取り外すことができることを特徴としている。
このような噴射部材において、前記カバー部材が突出部と押しボタンの上面との間にコインを挿入したときにコインの先端を係止する係止部を有するものが好ましい。また、前記突部が、側壁部の内面に対して傾斜した天面を有する突起上部と、押しボタンの天面に対して平行な下面を有する突起下部とから構成されているものが好ましい。さらに、前記突部の下面が押しボタンの上面に対して平行となっているものが好ましい。そして、コインは直径20〜30mm、厚さ1〜3mmのものが好ましい。
本発明のエアゾール製品の噴射部材は、それぞれの側壁部の内面に内向きに突出する突出部が形成されており、前記突出部の下面が押しボタンの上面とほぼ同じ高さになるように構成されており、前記突出部と押しボタンの上面との間にコインを挿入して、エアゾールバルブを開放位置で保持されるため、日常生活で使用する硬貨などのコインを用いることでエアゾールバルブの開放を容易に行うことができ、エアゾール製品使用後の内容物の排出が容易である。そのため、エアゾール製品の廃棄が容易になる。
また、前記一対の側壁部の間の前方が、前記噴射孔から噴射されたエアゾール組成物が通るように開放され、前記一対の側壁部の間の後方が、前記押しボタンを押し下げるための指を挿入できるように、かつ、挿入されたコインを後方へ引き抜くことができるように開放されているため、内容物の排出後のコインの引抜が容易であり、エアゾール製品の廃棄が容易である。
さらに、装着部のやや上方にスリットが形成されているため、排出処理した上記コインを用いてカバー部材をエアゾール容器から取り外すことができ、分別廃棄しやすい。
前記カバー部材が、突出部と押しボタンの上面との間にコインを挿入したときにコインの先端を係止する係止部を有する場合、挿入したコインを水平状態にしっかり保持できる。
また、前記突部が、側壁部の内面に対して傾斜した天面を有する突起上部と、押しボタンの天面に対して平行な下面を有する突起下部とから構成されている場合、エアゾールバルブを開放位置で保持するためのコインの挿入と同時に、押しボタンの押し下げが容易にできる。
さらに、前記突部の下面が押しボタンの上面に対して平行となっている場合も、挿入したコインをしっかり保持できる。
前記コインが直径20〜30mm、厚さ1〜3mmである場合、あらかじめエアゾール製品に付属品としてコインを備えなくてもよく、また、使用者がコインを紛失しても代用品を容易に入手することができ、排出処理することができる。
本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す側面図である。 図2a、図2b、図2c、図2dは図1に用いられている噴射部材を示す正面図、背面図、側面図、平面図である。 図3aは図1に用いられている噴射部材を示す側面断面図、図3bは図1に用いられている噴射部材にコインを取り付けたときの状態を示す側面断面図である。 図4aは本発明の範囲外の噴射部材の形態にコインを取り付ける直前の状態を示す側面断面図であり、図4bは図4aの噴射部材にコインを取り付けたときの状態を示す側面断面図である。 図5aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す側面断面図であり、図5bは図5aの噴射部材にコインを取り付ける直前の状態を示す側面断面図であり、図5cは図5aの噴射部材にコインを取り付けたときの状態を示す側面断面図である。 図6aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す側面断面図であり、図6bは図6aの噴射部材にコインを取り付ける直前の状態を示す側面断面図であり、図6cは図6aの噴射部材にコインを取り付けたときの状態を示す側面断面図である。 図7aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す側面断面図であり、図7bは図7aの噴射部材にコインを取り付ける直前の状態を示す側面断面図であり、図7cは図7aの噴射部材にコインを取り付けたときの状態を示す側面断面図である。 図8aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す側面断面図であり、図8b、図8dは図8aの噴射部材に用いられるキャップの実施形態を示す側面断面図であり、図8cは図8aの噴射部材に用いられる押しボタンの実施形態を示す側面図であり、図8eは図8dのキャップの正面図である。 図9aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す正面図であり、図9bは図9aの押しボタンを示す斜視図であり、図9cは図9aにコインを取り付けたときの状態を示す正面図である。 図10aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す斜視図であり、図10bは図10aの噴射部材を取り付けたエアゾール製品の他の実施形態を示す側面図である。 図11aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す斜視図であり、図11bは図11aの噴射部材の側面図である。 図12aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す斜視図であり、図12bは図12aの噴射部材の側面図である。 図13aは本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す斜視図であり、図13bは図13aの噴射部材の噴射部材本体とキャップとを装着させる前を示す正面図であり、図13cは図13aの噴射部材の側面図である。 本発明の範囲外の噴射部材の形態を示す側面断面図である。 図15aは図14の噴射部材にコインを取り付けたときの側面断面図であり、図15bおよび図15cはその噴射部材にコインを取り付けたときの背面図、平面図である。 図16aは本発明の噴射部材のさらに他の実施形態を示す側面断面図であり、図16bはその平面図、図16cはその噴射部材の一部斜視図であり、図16d、図16eはその噴射部材に用いられる突起の側面図であり、図16fはその噴射部材に用いられる突起の他の実施形態を示す一部斜視図である。 図17a、図17bは図16aの噴射部材にコインを取り付ける手段を示す側面断面図であり、図17cはその噴射部材を取り外す手段を示す側面断面図である。 図18a、図18b、図18c、図18dは本発明の噴射部材のさらに他の実施形態を示す正面図、背面図、側面断面図、平面図である。
次に本発明のエアゾール製品に用いられる噴射部材の実施形態を図面を用いて説明する。
図1に示すエアゾール製品10は、耐圧容器11と、その耐圧容器の開口部に固着したエアゾールバルブ12(以下、バルブ)とからなるエアゾール容器13と、エアゾール容器の頭部に装着した噴射部材14と、エアゾール容器内部に充填されているエアゾール組成物Aとからなる。
耐圧容器11は、従来公知のものであり、ブリキ、錫−ニッケル系鋼板(TNS)などの金属板を円筒状にした胴部11bに、底部11aと目金11cとを二重巻き締めにより固着した3ピース缶であり、目金の上端開口にはビード部11dを形成している。なお、耐圧容器11として、例えば、アルミニウム、ブリキ等の金属板をインパクト加工または絞り加工などによって有底筒状に形成し、さらにネッキング加工、カーリング加工によって肩部、ビード部を形成したものを用いても良い。また、合成樹脂や耐圧ガラスなど、耐圧性を有する他の材質のものであってもよい。
バルブ12も従来公知のものであり、耐圧容器11のビード部11dに固定されるマウンティングカップ19と、そのマウンティングカップの中央に保持される筒状のハウジング20と、そのハウジング内に上下移動自在に収容され、スプリングにより常時上向きに付勢されているステム21と、ステム21がスプリングの反発力により上向きに付勢されている状態でステムのステム孔を覆いエアゾール容器内部を密封するステムラバー(図示せず)と、前記ハウジングの下端から耐圧容器本体の底部に延びているディップチューブ22とからなる。
噴射部材14は、エアゾール容器の頭部(マウンティングカップのカール部分)に装着されるカバー部材24と、ステムの上部に装着される押しボタン25とからなる。前記カバー部材24は、図2a〜図2d、図3a、図3bに示すように、マウンティングカップのカール部分に装着するため装着部27と、押しボタン25の両側面を覆う一対の側壁部24aとを備えている。前記側壁部24aは、押しボタン25の両側面を覆うように装着部27から上方に延びており側壁部24aの天面は押しボタンの天面25aよりも高い位置にある。該側壁部24aにより、未使用時は押しボタン25にモノが当たって不意にエアゾール組成物が噴射するなどの誤作動を防止できると共に、通常の使用においては指で、また排出操作のときはコインを用いて押しボタン25を垂直下方へ押し下げることが容易にでき、バルブを確実に開放することができる。また、図2bに示すように、側壁部24aの後部には水平方向に延びるスリット30が形成されている。このスリット30の幅は1〜3mm、好ましくは1〜2.5mmであり、スリット30の下面30aは、押しボタン25を押し下げていない状態に置いて、押しボタンの天面25aよりも下方にある。
カバー部材24の噴射孔側(前面)は押しボタン25が押し下げられた状態でも噴射孔36が露出するように窪んでおり、カバー部材24の後部側は、押しボタンの頭部を指で押し下げられるように窪んでいる。
前記押しボタン25は、ステム21に装着するためのステム装着部35と、エアゾール組成物を外部(大気)に噴射するための噴射孔36と、ステム装着部35と噴射孔36とをつなぐ通路37とを有する(図3a参照)。
コイン16は、図2dの想像線で示すように薄厚の円板であり、その大きさは直径が20〜30mm、厚さが1〜3mmであり、硬貨やメダルなどを用いることができる。コインは、銅、亜鉛、すず、ニッケル、アルミニウムおよびこれらの混合物(合金)などの金属からなるものが好ましく、ポリアセタールやポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステルなどの合成樹脂製のカバー部材よりも硬度が高いため、コインを挿入しやすく、またコインを引き抜きやすい。また、コイン16の厚さは前記スリット30の幅より若干大きいものが好ましい。これにより、コイン16をスリット30に嵌入すると、コインとスリットとの間の摩擦により、コイン16は外れにくくなる。また、このコイン16は、日常生活で使用している硬貨を用いることができるため、付属のコインを紛失してもこれらの硬貨を用いて排出操作を行うことができる。また、この実施形態ではコイン16をエアゾール製品に備えたものを開示しているが、硬貨等の日常品を用いることができるため、エアゾール製品の付属品として設けなくてもよい。
このような噴射部材14を取り付けたエアゾール製品10は、通常の使用に置いては、押しボタンの天面25aを指で押し下げることにより、押しボタンと共にステムが押し下げられてバルブのステム孔が開放される。このときエアゾール容器内部と大気とが連通し、エアゾール容器内部のエアゾール組成物がディップチューブを通ってハウジング内部に供給され、さらにステム孔、押しボタンの通路を経由して噴射孔から大気中へ噴射される。
また、エアゾール製品が不要になり廃棄したいときには、指などで押しボタンの天面25aを押し下げ、この状態でコイン16をスリット30に挿入する。このとき、押しボタンの天面25aはコイン16の下面と当接するため、指を離しても押しボタン25は上昇せずにエアゾールバルブが開放している位置で維持される(図3b参照)。コイン16を挿入している間はエアゾール製品は大気と連通した開放状態が維持されるため、エアゾール容器内部に残っているエアゾール組成物を全量排出することができる。なお、スリット30に挿入したコイン16には、スプリングの反発力が押しボタン25を介して容器の軸方向上向きに加わるため、コイン16とスリット30との間の半径方向の摩擦力は一層高くなり、コイン16は外れにくくなる。エアゾール製品から排出が停止すると、コイン16を引き抜くことでコイン16を回収することができる。なおコイン16をつけたまま廃棄した場合は、エアゾール製品を回収する人が排出処理を行ったエアゾール製品であることを認識することができるため、さらに好ましい。この場合、耐圧容器と同じ材質のコインを用いることが、リサイクルしやすい点から好ましい。
図4aには、図1の噴射部材14の代わりに用いることができる噴射部材40を示す。この噴射部材40は押しボタン41の上面後部がテーパー状に形成されており、他の構成については図2の噴射部材14と実質的に同じである。この押しボタン41は、上面後部の端部42がカバー部材24に形成されたスリット30の下面30aより下方に形成されており、この端部42からボタンの上面前部43に向かってテーパー状(傾斜面44)に形成されている。この実施形態では傾斜面44から上面前部43までが当接部となる。
このように構成されているため、エアゾール製品を廃棄する際には、消費者がコイン16をスリット30に合せて嵌入して押し込むと、コイン16が押しボタンの傾斜面44と当接して押しボタン41に容器軸線の下方への力が加わり、押しボタン41が降下する。そして、図4bのようにコイン16をスリット30の奥まで押し込むことにより、コイン16はボタンの上面前部43と当接し、ボタンは押し下げられた状態となり、バルブの開放位置で維持される。またこの場合も、コイン16はボタン41を介してスプリングによる垂直上向きの力を受けるため、コイン16とスリット30との間の水平方向の摩擦力が増大し、一層外れにくくなる。
図5aに示す噴射部材45は、カバー部材46のスリット47の上面47aがカバー部材46の上面から下方に傾斜して延び、途中で水平方向前側に折れ曲がっている逆「く」の字状に形成されており、カバー部材46のスリット47の下面47bがカバー部材の後部側面から前方に水平に形成されており、その途中に凹部48が形成されている。つまり、スリット47は挿入部49aと、係止部49bとから構成されている。その他の構成については実質的に図2に示す噴射部材14と同じである。
このように構成されているため、次のようにコイン16を噴射部材45に嵌入する。始めに、コイン16を上面47aに合せて挿入部49aに挿入し、コインの挿入方向に力を加えて押しボタン25の上面(当接部)を押し下げてエアゾールバルブを開放する。そして、コイン16の先端(下端)が凹部48と当接したところで、図5bの矢印のようにコイン16を水平方向に倒す。最後にコイン16を係止部49bに押し込む(図5c参照)。これにより、コインが係止部49bで係止され、押しボタンはエアゾールバルブの開放位置で維持される。この噴射部材45も押しボタンを押す操作を行うことなく、押しボタンを押し下げ、そして、その状態で保持する。この噴射部材45において、凹部48は無くても良い。しかし、凹部48を形成したほうが、コインをスムーズに嵌入することができる。
図6aに示す噴射部材55は、カバー部材56のスリット57の上面57aが、カバー部材の側部から前方に水平に延び、途中で上方に傾斜している「く」の字状に形成されており、カバー部材56のスリットの下面57bは上面57aの前方の傾斜面と平行に形成されている。そして、スリット57も挿入部58aと、係止部58bとから構成されている。他の構成については実質的に図2に示す噴射部材14と同じである。
このように構成されているため、次のようにしてコイン16を噴射部材55に嵌入する。始めにコイン16を水平に押しボタン60の上面60a(当接部)に合わせながらスリットの下面57bと当接するまで挿入する(図6b参照)。ここで、図6bの矢印のように、上面57aの折れ曲がり部62を軸として、コイン16を下方に回動させる。これにより、押しボタン60は下方に押し下げられてバルブを開放する。この状態で、コイン16をスリット57の係止部58bまで押し込むことにより、押しボタン60を押し下げた状態で保持する。このときもやはり、コイン16は押しボタン60を介してスプリングの反発力を容器の軸上方向に受けるため、外れにくい。このものは、コイン16をスリット57に挿入する際には、押しボタン60を押し下げないため、コイン16をスリット57に挿入しやすい。また、スリット57に挿入した後、てこの原理を用いてコイン16を押し下げるため、コインの回動、つまり、押しボタン60の押し下げが非常に楽になる。つまり容易にエアゾール容器に残ったエアゾール組成物の排出操作を行うことができる。
図7aに示す噴射部材65は、カバー部材66のスリット67が斜めに形成されており、スリット67の幅がコイン16の厚さより若干小さく形成されている。また、押しボタン68の後部には段部69が形成されている。他の構成は図2の噴射部材14と実質的に同じである。
このように構成されているため、コイン16を斜めにしてスリット67に嵌入する。ここでコイン16の先端(下端)と押しボタンの段部69(当接部)とを当接させスリット67の奥まで嵌入することにより、押しボタン68を押し下げた状態で保持することができる(図7b、図7c参照)。また、コイン16は押しボタン68を介してスプリングの反発力を容器の軸上方向に受けるが、コイン16の厚さがスリット67の幅より若干大きいため、コイン16とスリット67との間の摩擦力がコインの外れを防止する。この実施形態では、スリット67の下端が押しボタンの段部69より下方になるように形成されているが、スリットに挿入したコインの下端が押しボタンの段部より下方であれば良い。このスリットと押しボタンの位置関係はカバー部材やコイン等の大きさまたは構造によって決められる。
また図8aに示す噴射部材70のように、カバー部材71のスリット72をカバー部材の軸方向あるいは垂直方向に設けても良い。他の構成は図7aの噴射部材65と同じである。これにより、スリット72にコイン16を縦にして挿入することにより、コイン16の下端が押しボタンの天面(当接部)と当接し、エアゾール容器に残ったエアゾール組成物の排出することができる。
また、このような噴射部材70を用いるとき、図8bに示すようにコイン16を縦にして係止することができるキャップ75を用いることができる。このキャップ75にはその天面にコイン16を嵌入することができるコイン係合部76が形成されている。そして、このコイン係合部76の幅はコインの厚さより若干小さいものが好ましい。また、キャップの天面には外気と連通する連通孔77が形成されている。このようにコイン16を係止した状態のキャップ75をカバー部材71に取り付けることにより、コイン16がカバー部材71のスリット72に嵌入され、押しボタンを押し下げることができる。これにより、キャップを取り付けた状態でエアゾール組成物を排出することができるため、排出されたエアゾール組成物はキャップ内に残留し、使用者に排出したエアゾール組成物が付着する、使用者が排出したエアゾール組成物を吸引するなどのおそれがなく好ましい。このとき、噴射ガスは連通孔77を通じて外気に排出されるため、キャップは暴発しない。また、カップ内にティッシュペーパーやスポンジ、吸水性樹脂などの液体吸収剤を収納して排出操作を行うと原液がキャップから溢れることがなく好ましい。
このようにスリットをカバー部材の軸方向あるいは垂直方向に設けた場合、図8cに示す押しボタン70aを用いても良い。この押しボタン70aはカバー部材のスリットによって導かれるコインに対応するように、天面の左右方向に溝73が形成されているものである。これにより、コイン16との当接を確実にする。この溝73も、カバー部材のスリットと同様に、幅がコインの厚さより若干小さく形成することにより、コインとの当接(嵌入)が堅固になる。
さらに図8dに示すようなキャップ80を用いても良い。このキャップ80は、キャップの上面80aにコイン16を嵌入することができる嵌入孔81が形成されている。そして、嵌入孔81の両端部82の幅が若干狭くなっている(図8e参照)。このものも嵌入孔81にコイン16を嵌入し、噴射部材70のカバー部材にキャップ80を取り付けることにより押しボタンを押し下げてエアゾール組成物を排出することができる。また、嵌入孔81の両端部82が若干狭くなっているため、コイン16を嵌入孔81に嵌入しても、その嵌入孔の両端部82がキャップ80内と外気との間を連通するため、特に、他の連通孔を形成しなくても、キャップが暴発しない。
また、このようなキャップを使用する場合、コインの固定はキャップでもって行うことができるため、噴射部材のスリット67の幅はコイン16を挿入できれば特に限定されるものではない。
図9に示す噴射部材85は、カバー部材86にスリットが形成されていないものであり、一対の側壁部86aと、下部に係合突起86bを有する従来公知のカバー部材86と、天面の前後方向に溝88が形成されている押しボタン87と、コイン16を係止する嵌入孔81が形成されている図8dのキャップ80を備えている。
噴射部材85はこのように構成されているため、コインを一対の側壁部86aの間から、コインの下端を押しボタンの天面に形成された溝88に嵌入する。このとき、押しボタン87はまだ押し下げられていない。この後、キャップ80をカバー部材86に被せる。これにより、コインの上端とキャップの嵌入孔81が当接し、さらに、キャップ80を押し下げることにより、押しボタン87はコインによって押し下げられる。そして、キャップ80の下端がカバー部材の係合突起86bと係合することにより、キャップ80はカバー部材86に固定される。この実施形態ではカバー部材にスリットを設けていないが押しボタンに形成されている溝88(係止部)と、キャップに形成されている嵌入孔81(係止部)によりコインを固定するため、コインがぶれたりせず、確実に押しボタンを押し下げることができる。また、この噴射部材85も、キャップを取付けて排出操作を行うため、エアゾール組成物が拡散せず好ましい。
また、キャップとして図8dのキャップ80を用いたが、図8bのキャップ75を用いても良い。また、本実施形態では押しボタンのコイン係止部として溝を用い、キャップの係止部としてスリットを用いたが、押しボタンの天面とキャップの天面との間でコインを係止することができれば、これらは特に限定されるものではない。
図10aに示す噴射部材90は、ステムの上部に装着されるレバー式の押しボタン91と、エアゾール容器101の頭部に装着されるカバー部材92とからなる。また、エアゾール容器101にエアゾール組成物Aを充填し、噴射部材90をエアゾール容器101に取り付けることにより図10bに示すエアゾール製品102となる。
押しボタン91は、一端に形成された噴射孔93と、その噴射孔93と連通しており、他端に形成されたステム係合部94とを備えたL字円筒型の押しボタン本体95と、その押しボタン本体から前方(噴射孔側)下方に突出して形成されているレバー96と、その押しボタン本体から後方に突出して形成されており、端部が係合ピンであるヒンジ97とから構成される。
カバー部材92は、装着部98と、押しボタン91の両側面を覆う一対の側壁部99a、99bと、ヒンジ97の係合ピンと係合するヒンジ係合部100とから構成される。また、カバー部材92の両側壁部の前部(噴射孔側)には、約1.0〜3.0mmのスリット103が、前側が開口するように水平方向に形成されている。
このように構成された噴射部材の押しボタン91のステム係合部94をステムに、そして、押しボタン91のヒンジ97をカバー部材92のヒンジ係合部100に取付けたとき、レバー96は側壁部99a、99bから前方に突出するように配置され、さらに、スリット103の下底の高さは、押しボタン91の上面より低い位置に配置される。
このような噴射部材90を取付けたエアゾール製品102を使用するときは、エアゾール製品の頭部(噴射部材90とエアゾール容器101の頭部)を把持し、そして、押しボタン91のレバー96を人差し指または中指で引くことにより、押しボタン91がヒンジ97の後端を中心として下向きに揺動してステムを下方に押し下げ、エアゾール製品のバルブのステム孔が開放されてエアゾール組成物が噴射される。
そして、エアゾール製品102を廃棄したいときは、押しボタン91を押し下げた状態(レバーを引いた状態)でコインをスリット103に挿入する。これにより、スリット103に挿入されたコインが押しボタン91の押しボタン本体95の上面と当接し、レバー96から指を離しても押しボタン91が押し下げられた状態に維持される。そのため、エアゾール製品102は開放状態で維持され、エアゾール組成物の全量を排出することができる。
このようなレバー式の押しボタン91は、押しボタン91の押し下げ操作が容易であり、コインの挿入も容易に行うことができ、好ましい。
図11a、図11bに示す噴射部材105は、スリット106a、106bがカバー部材92の側壁部99と、押しボタン91のレバー96に形成されているものであり、他の構成は実質的に図10の噴射部材90と変わらない。
側壁部のスリット106aは、水平方向に側壁部99a、99bの前部に形成されており、レバーのスリット106bは、水平方向に押しボタン91のレバー96の前側に形成されている。これらのスリット106a、106bはレバー96を引いて押しボタン91を押し下げたとき、互いに重なるように配置されている。これにより、押しボタン91を押し下げたときに、両方のスリット106a、106bにコインを同時に挿入することができる。それにより、レバー96から指を離してもエアゾール製品を開放状態に維持する。
図12a、図12bに示す噴射部材110は、スリット111が、カバー部材92の側壁部99の上部に上端からエアゾール製品の軸方向下向き形成されているものであり、他の構成は実質的に図10の噴射部材90と同じである。
スリット111を側壁部99の上部に形成することにより、コインを挿入すると同時に押しボタンを押し下げ、図8aの噴射部材70のようにスリットとコインが係合し、エアゾール製品を開放状態に維持する。
図13aに示す噴射部材115は、レバー式の押しボタン116とカバー部材117とを備えた噴射部材本体118(図13b参照)と、その噴射部材本体118に被せるキャップ119とかなる。
この噴射部材本体118は、カバー部材117の両側壁部120に係合溝121が形成されており、他の構成はスリットを有さない図10aの噴射部材90と実質的に同じものである。
キャップ119は、直方体であり少なくとも前面119a、両側面119b、および上面119cを有するものであり、上面119cにはキャップ119を噴射部材本体118に装着したとき、カバー部材117の側壁部120の間にその側壁部120と平行になるように形成されたスリット123を備えている。また、キャップ両側面119bの下端には、係合溝121と係合する係合突起124が形成されている。さらに、噴射孔122と対向するキャップ119の前面119aに、噴射孔122より排出される内容物が飛散しないようにスポンジ等の吸収体125が備えられている。
このように噴射部材本体118およびキャップ119は構成されているため、コイン126をスリット123に嵌入するように内部に配置したキャップ119を、噴射部材本体118の上方から挿入することにより装着する。この装着方法によりキャップ内面に配置したコインを落とすことなくキャップを装着できる。また、キャップ装着と同時にカバー部材の両側壁120の間に配置されたコイン126が押しボタン116を押し下げる(図13c参照)。さらに、噴射部材本体118の係合溝121とキャップの係合突起124とが係合するため、この噴射部材115が装着されたエアゾール製品は開放状態に維持され、エアゾール容器内に残っている内容物を全量排出することができる。この実施形態では排出される内容物が、キャップ内部の吸収体により吸収されるため、使用者に内容物が付着する、あるいは使用者が内容物を吸引することを防止でき、安全に排出することができる。
また、噴射部材本体118とキャップ119の係合手段として、カバー部材の側壁部とキャップの側面にそれぞれスライド溝と突起を設け、キャップを噴射部材本体の前方から挿入するスライド嵌合にしてもよい。
図14の噴射部材130は、バルブのステムに装着される押しボタン131と、その押しボタンを覆うようにエアゾール容器に装着されたカバー部材132とから構成される。
押しボタン131は、噴射ノズル(ロングノズル)133と、その噴射ノズルを結合しバルブのステムに装着された押しボタン本体134とからなる。
噴射ノズル133は、押しボタン本体134の係合部135と係合する基端部136と、基端部に装着され内部に噴射通路(第1通路137)を有するノズル部138と、ノズル部の先端に装着され噴射孔139を有する噴射部140とから構成されている。基端部136は半球状ないし半円柱状であり、押しボタン本体134の係合部135との係合個所を軸として90度回動できるように構成されている。さらに基端部136には、第1通路137と独立し、かつ、第1通路の軸方向と垂直に延びる第2通路141が形成されており、第2通路の先端には噴射孔142を有するチップ143が装着されている。
押しボタン本体134は、噴射ノズル133と係合する係合部135と、ステムに装着されるステム装着部144と、係合部とステム装着部とを連通するL字型通路145とから構成されている。
カバー部材132は、エアゾール容器の巻締部に装着される円筒状の装着部146と、押しボタンのほぼ全体を覆うカバー部149と、装着部の後方上端と薄肉部150で連結され押しボタンを押し下げるための操作部151とから構成されている。また、カバー部149は装着部の後方上部に形成された上部開口部147と、前方に形成された前方開口部148とを有している。さらに、カバー部の天面152の一部に係止部153が形成されており、この係止部の下面153aが操作部の天面151aと同じ高さ、あるいは操作部の天面151aより若干低くなるように構成されている。
このように構成される噴射部材130は、通常の使用においては、上部開口部147に指を挿入して操作部151を操作すると、押しボタン131が押し下げられてバルブが開放され、エアゾール容器内部のエアゾール組成物がステムを経由してL字型通路145に流出する。このとき噴射ノズルが図14のようにエアゾール容器の軸線と平行である場合は、エアゾール組成物はL字型通路145から第2通路141を通り、チップ143の噴射孔142から外部に噴射される。一方、噴射ノズルを90度回動してエアゾール容器の軸と垂直にした場合は、エアゾール組成物はL字型通路145から第1通路137を通り、噴射部140の噴射孔139から外部に噴射される。
また、エアゾール製品が不要になり廃棄したい場合には、カバー部の上部開口部147からコイン16を入れ、操作部151を押し下げながら係止部の下面153aと操作部の天面151aとの間にコイン16を挿入する(図15a〜c参照)。挿入したコイン16はバルブスプリングの反発力が下方から加わった状態で係止部下面153aに当接するため、しっかりと保持される。これにより押しボタン131を押し下げた状態、つまりエアゾール容器内部と大気とを連通させた状態で保持することができ、エアゾール容器内部に残存していたエアゾール組成物を全量排出することができる。なお、この実施の形態では操作部151はカバー部149と薄肉部150で連結しているが、押しボタン131と一体にしても良い。
図16a、図16bの噴射部材160は、エアゾール容器に装着する装着部161およびその装着部から上方に延びている一対の側壁部162を備えているカバー部材163と、エアゾール組成物を三方向に同時に噴射する3つの噴射孔164a、164b、164cを有する噴射ノズル164を装着した押しボタン165とから構成されている。側壁部162の内面には図16bの二点鎖線で示すように、エアゾール容器の中心軸(ステム)を含む面上に、内向きに突出する突起(突出部)166が2ヶ所形成されており、側壁部の噴射孔側の上部には係止段部(係止部)167が形成されている。突起166は、側壁部の内面に対して傾斜した天面を有する突起上部166aと押しボタンの天面に対して平行な下面を有する突起下部166bとから構成されている(図16c〜図16e参照)。また押しボタンの天面には、円弧状の側壁165bがその両側端に突出して設けられており、押しボタンを押し下げていない状態では側壁165bの上端は突起の下面166bと同じ、または下面166bよりも上方にあるのが好ましい。さらに、突起の下面166bと係止段部の下面167aとは、挿入したコインを水平状態にしてしっかり保持できるように同じ高さであることが好ましい。なお押しボタンの天面165aにはエアゾール組成物の種類や噴射方向を示す表示、たとえばマークや点字などを設けても良い。
このように構成される噴射部材160は、通常の使用においては、押しボタンの天面165aを指で押し下げるとバルブが開放され、エアゾール容器内部のエアゾール組成物がステム、押しボタン内の通路を通り、3つの噴射孔164a、164b、164cからそれぞれ上斜め方向、水平方向、下斜め方向に噴射される。噴射された粒子は噴射のエネルギーが3方向に分散されるため遠方には到達しないが、近距離で広範囲に拡散する。また噴射された粒子はヘアスプレーや空間用殺虫剤などのように微細な粒子径ではないため、床面に噴射しても跳ね返りが無く、たとえば、カーペットや畳などに噴射するエアゾール製品に好適に用いることができる。
また、エアゾール製品が不要になり廃棄したい場合には、先ず図17aのように側壁部上部の係止段部167と側壁部内面の突起上部166aとの間に斜め上方からコイン16を挿入する。このときコインは先端16aが側壁部の内壁に当接するまで挿入するのが好ましい。次いで図17aの状態からコイン16が斜め上方を向いている後端16bを下方に押し下げると、コインの先端16aと側壁部の内壁との当接部付近を軸として、コイン16は突起上部166aの斜面に沿って下方に移動し、さらに突起を乗り越え、コインの上面が突起下面166bに係止される(図17b参照)。これにより、押しボタンはバルブが開放される位置まで押し下げられる。このときコイン16は係止段部の下面167aおよび突起の下面166bと押しボタンの側壁165bとの間で保持され、エアゾール容器内部と大気とを連通させた状態で保持することができ、エアゾール容器内部に残存していたエアゾール組成物を全量排出することができる。
さらに、この噴射部材160はカバー部材の装着部161のやや上方にスリット168を設けている。このスリット168はカバー部材163の取り外し手段であり、スリット168にコイン16を差し込み、コインの後端16bを図17cの矢印の方向に持ち上げることにより、コインがバルブに当接して支点となり、テコの原理を利用してカバー部材をエアゾール容器から取り外すことができる。これにより、エアゾール容器内のエアゾール組成物をコインを用いて排出処理した後、引き続きコインを用いて合成樹脂製のカバー部材を金属製のエアゾール容器から取り外すことができ分別廃棄しやすくなる。
図16fにこの噴射部材160に用いられる突出部の他の形態を示す。この突出部169は、突出部上部169aと突出部下部169bとから構成されている。この突出部上部169aの上端が側壁部162と連結しており、その上端から側壁部の内側方向に傾斜しながら突出している。また、突出部下部169bは、突出部上部の下端から垂直方向下に延びている。さらに、側壁部162の突出部169との連結部(突出部上部の上端)から下方はスリットが形成されている。このように構成されているため、図17aのようにコインを斜め挿入して、コインの後端付近をコインが平行となるように押し下げると突出部は下方にたわみ、突出部169自体が板バネとして作用する。そのため、図17aの状態から図17bの状態に操作するとき、一層滑らかに操作することができる。
図18aの噴射部材170は、エアゾール容器の頭部に装着されるカバー部材171と、ステムに装着される押しボタン172とからなり、前記カバー部材は装着部173と、その装着部から上方に延びている一対の側壁部174a、174bと、装着部の後方上部にスリット176を備えている(図16b)。この両側壁部174a、174bの内面には、図16の噴射部材160と同じように内側に向かって突出する突起175が形成されており、また、側壁部の噴射孔側の上部にはやや下方に延びる係止段部177が形成されている。なお突起175は、エアゾール容器の中心軸から後方に2ヶ所設けられている。押しボタン172も図16の噴射部材160と同じように、天面172aの両側端に円弧状の側壁172bが突出しており、押しボタンを押し下げていない状態では側壁172bの上端は突起の下面175bよりも上方にある(図18c)。また押しボタンの天面172aにエアゾール組成物の種類や噴射方向を示す表示、たとえばマークや点字などを設けても良い。
このように構成される噴射部材170は、通常の使用においては、押しボタンの天面172aを指で押し下げるとバルブが開放され、エアゾール容器内部のエアゾール組成物がステム、押しボタン内の通路を通り、噴射孔から噴射される。この実施の形態では1つの噴射孔からエアゾール組成物を噴射するため、噴射された粒子は遠方に到達しやすく、空間に噴射する殺虫剤などのエアゾール製品に好適に用いられる。
また、エアゾール製品が不要になり廃棄したい場合には、図17aと同じように、側壁部上部の係止段部177と側壁部内面の突起上面175aとの間に斜め上方からコイン16を挿入する。次いでコインの後端16bを下方に押し下げると、コイン16は突起上面175aの斜面に沿って下方に移動し、さらに突起を乗り越えることにより、コイン上面が突起下面175bより係止され、バルブが開放される位置で保持される。このときコイン16は係止段部の下面177aおよび突起の下面175bと押しボタンの側壁172bとの間で保持され、エアゾール容器内部と大気とを連通させた状態で保持することができ、エアゾール容器内部に残存していたエアゾール組成物を全量排出することができる。さらに、カバー部材のスリット176にコイン16を差し込み、コインの後端を持ち上げることにより、テコの原理を利用してカバー部材をエアゾール容器から取り外すことができる。
A エアゾール組成物
10 エアゾール製品
11 耐圧容器
11a 底部
11b 胴部
11c 目金
11d ビード部
12 バルブ
13 エアゾール容器
14 噴射部材
16 コイン
19 マウンティングカップ
20 ハウジング
21 ステム
22 ディップチューブ
24 カバー部材
24a 側壁部
25 押しボタン
25a 押しボタンの天面
27 装着部
30 スリット
30a スリットの下面
35 ステム装着部
36 噴射孔
37 通路
40 噴射部材
41 押しボタン
42 押しボタン上面後部の端部
43 押しボタン上面前部
44 傾斜面
45 噴射部材
46 カバー部材
47 スリット
47a スリットの上面
47b スリットの下面
48 凹部
49a 挿入部
49b 係止部
55 噴射部材
56 カバー部材
57 スリット
57a 上面
57b 下面
58a 挿入部
58b 係止部
60 押しボタン
60a 上面
62 折れ曲がり部
65 噴射部材
66 カバー部材
67 スリット
68 押しボタン
69 段部
70 噴射部材
70a 押しボタン
71 カバー部材
72 スリット
73 溝
75 キャップ
76 コイン係合部
77 連通孔
80 キャップ
80a キャップの上面
81 嵌入孔
82 両端部
85 噴射部材
86 カバー部材
86a 側壁部
86b 係合突起
87 押しボタン
88 溝
90 噴射部材
91 押しボタン
92 カバー部材
93 噴射孔
94 ステム係合部
95 押しボタン本体
96 レバー
97 ヒンジ
98 装着部
99a、99b 側壁部
100 ヒンジ係合部
101 エアゾール容器
102 エアゾール製品
103 スリット
105 噴射部材
106a、106b スリット
110 噴射部材
111 スリット
115 噴射部材
116 押しボタン
117 カバー部材
118 噴射部材本体
119 キャップ
120 側壁部
121 係合溝
122 噴射孔
123 スリット
124 係合突起
125 吸収体
126 コイン
130 噴射部材
131 押しボタン
132 カバー部材
133 噴射ノズル
134 押しボタン本体
135 係合部
136 基端部
137 第1通路
138 ノズル部
139 噴射孔
140 噴射部
141 第2通路
142 噴射孔
143 チップ
144 ステム装着部
145 L字型通路
146 装着部
147 上部開口部
148 前方開口部
149 カバー部
150 薄肉部
151 操作部
151a 操作部の天面
152 カバー部材の天面
153 係止部
153a 係止部の下面
160 噴射部材
161 装着部
162 側壁部
163 カバー部材
164 噴射ノズル
164a、b、c 噴射孔
165 押しボタン
165a 押しボタンの天面
165b 円弧状の側壁
166 突起
166a 突起上部
166b 突起下部
167 係止段部
167a 係止段部の下面
168 スリット
169 突出部
169a 突出部上部
169b 突出部下部
170 噴射部材
171 カバー部材
172 押しボタン
172a 押しボタンの天面
172b 側壁
173 装着部
174a、b 側壁部
175 突起
175b 突起下面
176 スリット
177 係止段部
177a 係止段部の下面

Claims (5)

  1. 耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着したエアゾール容器に装着される噴射部材であって、
    エアゾールバルブのステムに装着され、上下動可能な押しボタンと、
    エアゾール容器の頭部に装着されるカバー部材とからなり、
    前記押しボタンは、前方に噴射孔を有し、
    前記カバー部材が、エアゾール容器に装着される装着部と、その装着部から上方に延び、押しボタンの両側面を覆う一対の側壁部を有し、
    前記装着部のやや上方にスリットが形成されており、
    前記それぞれの側壁部の内面に内向きに突出する突出部が形成されており、
    前記突出部の下面が押しボタンの上面とほぼ同じ高さになるように構成されており、
    前記突出部と押しボタンの上面との間にコインを挿入して、エアゾールバルブを開放位置で保持することができ、
    前記一対の側壁部の間の前方が、前記噴射孔から噴射されたエアゾール組成物が通るように開放されており、
    前記一対の側壁部の間の後方が、前記押しボタンを押し下げるための指を挿入できるように、かつ、挿入されたコインを後方へ引き抜くことができるように開放されており、
    前記スリットに、引き抜いたコインを差し込み、差し込んだコインの後端を持ち上げることによりコインがバルブに当接して支点となり、テコの原理によりカバー部材をエアゾール容器から取り外すことができる、噴射部材。
  2. 前記カバー部材が、突出部と押しボタンの上面との間にコインを挿入したときにコインの先端を係止する係止部を有する、請求項1記載の噴射部材。
  3. 前記突部が、側壁部の内面に対して傾斜した天面を有する突起上部と、押しボタンの天面に対して平行な下面を有する突起下部とから構成されている、請求項1記載の噴射部材。
  4. 前記突部の下面が押しボタンの上面に対して平行となっている、請求項1記載の噴射部材。
  5. 前記コインが直径20〜30mm、厚さ1〜3mmである、請求項1記載の噴射部材。
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