JP4939582B2 - 低温流体用昇圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、低温流体用昇圧ポンプに関するものであり、特に、低温の流体を圧縮して昇圧させる低温流体用昇圧ポンプに関するものである。
従来、低温(例えば、−253℃から−100℃)の流体(例えば、水素や窒素、LNG等)を圧縮して昇圧させる低温流体用昇圧ポンプとしては、ピストンの外周面にピストンリングを有するものが知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
遠藤拓也ほか著、「新エネルギー自動車」、山海堂、1995年1月、p.221−222
しかしながら、このような従来の低温流体用昇圧ポンプでは、気密性を保つために、ピストンリングの外周面がシリンダの内周面に押しつけられながら摺動するようになっており、これらピストンリングとシリンダとの摩擦により発熱し、その熱により低温流体が温められて気化してしまい、ポンプ効率が低下してしまうといった問題点があった。特に、高圧を得ようとする場合には、ピストンリングの内周面側に流れ込んだ高圧の低温流体が、ピストンリングの外周面をシリンダの内周面にさらに強く押しつけられるように作用するため、これらピストンリングとシリンダとの摩擦が激しくなり、摩擦による発熱が著しく増加してしまうといった問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ピストンリングがシリンダの内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を低減させることができる低温流体用昇圧ポンプを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による低温流体用昇圧ポンプは、外周面に複数本のリング溝が形成されたピストンと、前記リング溝内に配置される複数本のピストンリングと、これらピストンおよびピストンリングをその内部に形成されたシリンダ内に収容するシリンダブロックとを備えた低温流体用昇圧ポンプであって、前記ピストンリングが、低温流体を圧縮する前記ピストンの一端面側から前記ピストンの他面側にかけて、その漏れ抵抗が徐々に大きくなるように構成されており、各ピストンリングにおける漏れ抵抗は、各ピストンリングの半径方向内側に配置されたバックアップリングとの組み合わせで調整されている。
このような低温流体用昇圧ポンプによれば、低温流体を圧縮するピストンの一端面(図9において下側の端面)に最も近いところに位置するピストンリングの漏れ抵抗が最も小さくなり、このピストンリングの一端面(図9において下側の端面)側の圧力P1’と、他端面(図9において上側の端面)側の圧力P2’との差が、従来のものよりも大幅に低減されることとなるので、このピストンリングの外周面をシリンダの内周面に押し付ける面圧を低減させることができ、ピストンリングがシリンダの内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を大幅に低減させることができる。
また、このように、ピストンリングおよびシリンダ(すなわち、シリンダブロック)の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
本発明によれば、ピストンリングがシリンダの内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を低減させることができるという効果を奏する。
本発明によるピストンリングの第1参考実施形態を示す図であって、ピストンリングの一部を切開した斜視図である。 本発明によるピストンリングの第2参考実施形態を示す図であって、ピストンリングの一部を切開した斜視図である。 本発明によるピストンリングの第3参考実施形態を示す図であって、ピストンリングの一部を切開した斜視図である。 本発明によるピストンリングの第4参考実施形態を示す図であって、ピストンリングの一部を切開した斜視図である。 本発明によるピストンリングの第5参考実施形態を示す図であって、ピストンリングの一部を切開した斜視図である。 本発明によるピストンリングの第6参考実施形態を示す図であって、ピストンリングの一部を切開した斜視図である。 本発明によるピストンリングの第7参考実施形態を示す図であって、ピストンリングの一部を切開した斜視図である。 本発明に係る低温流体用昇圧ポンプと、従来の低温流体用昇圧ポンプとを比較するための図であって、(a)はピストンリングの位置と漏れ抵抗との関係を示すグラフ、(b)はピストンリングの位置と圧力との関係を示すグラフである。 本発明による低温流体用昇圧ポンプの概略縦断面図である。
以下、本発明による低温流体用昇圧ポンプのピストンリング(以下、「ピストンリング」という。)第1参考実施形態について、図1および図9を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るピストンリングの一部を切開した斜視図であり、図9は、本発明によるピストンリングを具備した低温流体用昇圧ポンプの概略縦断面図である。
図9に示すように、低温流体用昇圧ポンプ1は、図示しない駆動部と、この駆動部により駆動されるポンプ部2とを主たる要素として構成されたものである。
ポンプ部2は、ピストン3と、ピストンロッド4と、シリンダブロック5とを備えたものである。
ピストン3は、例えば、銅からなる、シリンダブロック5の内部に形成されたシリンダ6内に往復動可能に収容された概略円筒状を呈する部材であり、その一端面(図9において下側の端面)により低温流体(例えば、液体水素、液体窒素、液化炭酸ガス、液化天然ガス、液化プロパンガス等)が圧縮され得るようになっている。
また、ピストン3の外周面(すなわち、シリンダ6の内周面(シリンダ壁)と対向する面)には、周方向に沿って複数本(本実施形態では3本)のリング溝7が形成されているとともに、これらリング溝7内には、ピストンリング8がそれぞれ配置されている。
ピストンロッド4は、断面視円形を呈する概略棒状の部材であり、その一端部は、ピストン3の他端面中央部に連結されているとともに、その他端部は、図示しない駆動部の動力伝達部に接続されている。
動力伝達部は、駆動源からの動力によりピストンロッド4を、例えば、2mmのストロークで上下方向に直線的に往復動させるものである(図1中の実線矢印参照)。
シリンダブロック5は、その内部に概略中空円筒状のシリンダ6を有する部材である。シリンダ6の底面(図9において下側の面)には、大気圧状態の低温流体が流入する流体流入口9と、ピストン3の一端面により圧縮された(40MPa程度に昇圧された)低温流体が流出する流体流出口10とが設けられている。これら流体流入口9および流体流出口10には配管11がそれぞれ接続されており、流体流入口9の上流側近傍および流体流出口10の下流側近傍に位置する配管11にはそれぞれ逆止弁(チェック弁)12,13が設けられている。
また、シリンダ6の上面(図9において上側の面)には、ピストンロッド4が貫通する貫通穴14が設けられているとともに、ピストンロッド4と貫通穴14との間にはシール15が設けられている。
以上の構成により、低温流体用昇圧ポンプ1では、駆動源からの動力により上下方向へ直線的に往復動するピストンロッド4により、このピストンロッド4の一端部に接続されたピストン3がシリンダ6内を往復動し、流体流入口9からシリンダ6内に吸入された低温流体が、ピストン3の一端面により圧縮されて、所望の圧力(例えば、1.3MPa程度)に加圧(昇圧)された後、流体流出口10からシリンダブロック5の外部に導き出されるようになっている。
つぎに、ピストンリング8ついて、図1を用いてさらに詳しく説明する。
ピストンリング8は、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)からなり、その外周面には、周方向に沿って複数本(本実施形態では3本)の周溝8aが設けられている。これら周溝8aは、例えば、ピストンリング8の高さ方向(図1において上下方向)における中間点から一側(図1において上側)にかけて、所定深さだけ彫り込まれるように形成されている。
なお、図1中の符号8bは、ピストンリング8の合口(段付合口)を示している。
本実施形態によるピストンリング8によれば、その外周面に複数本の周溝8aが設けられているので、ピストンリング8の外周面とシリンダ6の内周面との接触面積を低減させることができ、ピストンリング8がシリンダ6の内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を低減させることができる。
また、このようなピストンリング8を備えた低温流体用昇圧ポンプ1によれば、ピストンリング8およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
さらに、ピストンリング8の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング8の他側(図1において下側)から一側(図1において上側)に向かって、低温流体の一部が通過していくこととなるので、ピストンリング8およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱をさらに抑制することができて、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)をさらに抑制することができ、ポンプ効率をさらに向上させることができる。
さらにまた、ピストンリング8の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング8の他側(図1において下側)から一側(図1において上側)に向かって漏れていく低温流体は、周溝8aが設けられていない狭い部分と、周溝8aが設けられている広い部分とを交互に通過していくことになる。周溝8aが設けられていない狭い部分では、圧力が低下し、速度が増加する。周溝8aが設けられている広い部分では、渦流れが起こり、速度が減少する。これにより、ピストンリング8の外周面とシリンダ6の内周面との間を通過していく低温流体の圧力は、徐々に低下させられることになる。すなわち、ラビリンス(labyrinth)効果を得ることができる。
さらにまた、周溝8aの断面形状、配置、数等を変更するだけで、ピストンリング8の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング8の他側(図1において下側)から一側(図1において上側)に向かって通過していく低温流体の量を容易に調整することができる。
本発明によるピストンリングの第2参考実施形態を、図2を用いて説明する。
本実施形態におけるピストンリング20は、その外周面に周溝8aが形成された周溝加工部21と、この周溝加工部21が取り付けられることにより一本のピストンリング20を形成するピストンリング本体22とを備えているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。
なお、前述した第1参考実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、ここではそれらについての説明は省略する。
周溝加工部21は、(加工性に優れた)金属からなり、その外周面には、周方向に沿って複数本(本実施形態では3本)の周溝8aが設けられている。また、周溝加工部21の外周面(少なくともシリンダ6の内周面と接触する部分)には、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)あるいは金属(例えば、二硫化モリブデン)によるコーティングが施されている。
ピストンリング本体22は、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)からなり、その周縁部には、ピストンリング20の高さ方向における中間点から一側(図2において上側)にかけて、周溝加工部21を受け入れる(取り付ける)ための段部22aが設けられている。
本実施形態によるピストンリング20によれば、周溝加工部21と、ピストンリング本体22とが別部材とされ、周溝加工部21が、樹脂よりも加工性に優れた(富んだ)金属により作製されることとなるので、ピストンリング20の生産性を向上させることができて、製造コストの低減化を図ることができる。
その他の作用効果は、前述した第1参考実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明によるピストンリングの第3参考実施形態を、図3を用いて説明する。
本実施形態におけるピストンリング30は、周溝8aの代わりに縦溝30aが形成されているという点で前述した第1参考実施形態のものと異なる。
ピストンリング30は、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)からなり、その外周面には、高さ方向(図3において上下方向)に沿って複数本の縦溝30aが設けられている。これら縦溝30aは、例えば、ピストンリング30の高さ方向における中間点から一側(図3において上側)にかけて、所定深さだけ彫り込まれるように形成されている。
なお、図3においては、ピストンリング30の合口(段付合口)を省略し、図示していない。
本実施形態によるピストンリング30によれば、その外周面に複数本の縦溝30aが設けられているので、ピストンリング30の外周面とシリンダ6の内周面との接触面積を低減させることができ、ピストンリング30がシリンダ6の内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を低減させることができる。
また、これら縦溝30aは、周溝8aを加工するよりも容易に加工することができるので、ピストンリング30の生産性をさらに向上させることができて、製造コストの低減化をさらに図ることができる。
さらに、このようなピストンリング30を備えた低温流体用昇圧ポンプ1によれば、ピストンリング30およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
さらにまた、ピストンリング30の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング30の他側(図3において下側)から一側(図3において上側)に向かって、低温流体の(極)一部が通過していくこととなるので、ピストンリング30およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱をさらに抑制することができて、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)をさらに抑制することができ、ポンプ効率をさらに向上させることができる。
さらにまた、縦溝30aの断面形状、配置、数等を変更するだけで、ピストンリング30の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング30の他側(図3において下側)から一側(図3において上側)に向かって通過していく低温流体の量を容易に調整することができる。
本発明によるピストンリングの第4参考実施形態を、図4を用いて説明する。
本実施形態におけるピストンリング40は、縦溝30aの代わりに斜め溝40aが形成されているという点で前述した第3参考実施形態のものと異なる。
ピストンリング40は、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)からなり、その外周面には、高さ方向(図4において上下方向)に沿って複数本の斜め溝40aが設けられている。これら斜め溝40aは、例えば、ピストンリング40の高さ方向における中間点から一側(図4において上側)にかけて、所定深さだけ彫り込まれるように形成されている。
なお、図4においては、ピストンリング40の合口(段付合口)を省略し、図示していない。
本実施形態によるピストンリング40によれば、その外周面に複数本の斜め溝40aが設けられているので、ピストンリング40の外周面とシリンダ6の内周面との接触面積を低減させることができ、ピストンリング40がシリンダ6の内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を低減させることができる。
また、これら斜め溝40aは、周溝8aを加工するよりも容易に加工することができるので、ピストンリング40の生産性を向上させることができて、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、このようなピストンリング40を備えた低温流体用昇圧ポンプ1によれば、ピストンリング40およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
さらにまた、ピストンリング40の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング40の他側(図4において下側)から一側(図4において上側)に向かって、低温流体の(極)一部が通過していくこととなるので、ピストンリング40およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱をさらに抑制することができて、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)をさらに抑制することができ、ポンプ効率をさらに向上させることができる。
さらにまた、ピストンリング40の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング40の他側から一側に向かって進む低温流体の流れを阻害するように斜め溝40aが設けられているので、ピストンリング40の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング40の他側から一側に向かって進む低温流体の流動抵抗を、縦溝30aのものよりも増加させることができる。
さらにまた、斜め溝40aの断面形状、配置(角度)、数等を変更するだけで、ピストンリング40の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング40の他側(図4において下側)から一側(図4において上側)に向かって通過していく低温流体の量を容易に調整することができる。
本発明によるピストンリングの第5参考実施形態を、図5を用いて説明する。
本実施形態におけるピストンリング50は、斜め溝40aの代わりに反転溝50aが形成されているという点で前述した第4参考実施形態のものと異なる。
ピストンリング50は、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)からなり、その外周面には、高さ方向(図5において上下方向)に沿って複数本の反転溝50aが設けられている。これら斜め溝50aは、例えば、ピストンリング50の高さ方向における中間点から一側(図5において上側)にかけて、一方向に(図5において左上から右下に向かって)所定深さだけ彫り込まれるように形成されており、ピストンリング50の高さ方向における中間点から他側(図5において下側)にかけて、他方向に(図5において左下から右上に向かって)所定深さだけ彫り込まれるように形成されている。
なお、図5においては、ピストンリング50の合口(段付合口)を省略し、図示していない。
本実施形態によるピストンリング50によれば、その外周面に複数本の反転溝50aが設けられているので、ピストンリング50の外周面とシリンダ6の内周面との接触面積を低減させることができ、ピストンリング50がシリンダ6の内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を低減させることができる。
また、これら反転溝50aは、周溝8aを加工するよりも容易に加工することができるので、ピストンリング50の生産性を向上させることができて、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、このようなピストンリング50を備えた低温流体用昇圧ポンプ1によれば、ピストンリング50およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
さらにまた、ピストンリング50の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング50の他側(図5において下側)から一側(図5において上側)に向かって、低温流体の(極)一部が通過していくこととなるので、ピストンリング50およびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱をさらに抑制することができて、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)をさらに抑制することができ、ポンプ効率をさらに向上させることができる。
さらにまた、ピストンリング50の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング50の他側から一側に向かって進む低温流体の流れを阻害するように反転溝50aが設けられているので、ピストンリング50の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング50の他側から一側に向かって進む低温流体の流動抵抗を、斜め溝40aのものよりも増加させることができる。
さらにまた、反転溝50aの断面形状、配置(角度)、数等を変更するだけで、ピストンリング50の外周面とシリンダ6の内周面との間を、ピストンリング50の他側(図5において下側)から一側(図5において上側)に向かって通過していく低温流体の量を容易に調整することができる。
本発明によるピストンリングの第6参考実施形態を、図6を用いて説明する。
本実施形態におけるピストンリング60は、その内部に熱伝導率の高い材料61が包含されているという点で前述した実施形態のものと異なる。
ピストンリング60は、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)からなり、その内部には、図6中に黒点(ドット)で示すように、熱伝導率の高い材料(例えば、粉末状の銅等)61が、例えば、60wt%程度包含(含浸)されている。また、この熱伝導率の高い材料61は、図6に示すように、半径方向内側の一面側(図6において上側)により多く分布するように配置されている。
なお、図6における符号62は、バックアップリングを示している。
本実施形態によるピストンリング60によれば、このピストンリング60に生じた熱(すなわち、ピストンリング60がシリンダ6の内壁面に沿って摺動することにより発生した摩擦熱)が、ピストンリング60の内部に包含された熱伝導率の高い材料61を介して、熱容量の大きいピストン3に伝達されることとなるので、ピストンリング60の温度上昇を低減させることができる。
また、このようなピストンリング60を備えた低温流体用昇圧ポンプ1によれば、ピストンリング60の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
本発明によるピストンリングの第7参考実施形態を、図7を用いて説明する。
本実施形態におけるピストンリング70は、その内部に包含された熱伝導率の高い材料61を、半径方向内側の一面側(図6において上側)により多く分布するように配置させる代わりに、伝熱材71が設けられているという点で前述した実施形態のものと異なる。
ピストンリング70は、樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン)からなり、その内部には、図7中に黒点(ドット)で示すように、熱伝導率の高い材料(例えば、粉末状の銅等)61が、例えば、60wt%程度包含(含浸)されている。また、この熱伝導率の高い材料61は、図7に示すように、全体にわたって略均一になるように配置されている。
なお、図7における符号62は、バックアップリングを示している。
伝熱材71は、熱伝導率の高い材料(例えば、銅やインジウム等)から作り出された平面視輪状の板状部材であり、ピストンリング70の、半径方向内側の一面側(図7において上側)に密着して配置されている。
本実施形態によるピストンリング70によれば、このピストンリング70に生じた熱(すなわち、ピストンリング70がシリンダ6の内壁面に沿って摺動することにより発生した摩擦熱)が、ピストンリング70の内部に包含された熱伝導率の高い材料61および伝熱材71を介して、熱容量の大きいピストン3に伝達されることとなるので、ピストンリング70の温度上昇を低減させることができる。
また、このようなピストンリング70を備えた低温流体用昇圧ポンプ1によれば、ピストンリング70の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
つぎに、本発明による低温流体用昇圧ポンプの一実施形態について、図8および図9を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプと、従来の低温流体用昇圧ポンプとを比較するための図であって、(a)はピストンリングの位置と漏れ抵抗との関係を示すグラフ、(b)はピストンリングの位置と圧力との関係を示すグラフである。
図9に示す低温流体用昇圧ポンプ1については、先に詳しく述べたので、ここではその説明を省略する。
さて、図8中における第1のピストンリング、第2のピストンリング、および第3のピストンリングはそれぞれ、図9中において、ピストン3の一端面(図9において下側の端面)側に位置するピストンリング、中間に位置するピストンリング、ピストン3の他端面(図9において上側の端面)側に位置するピストンリングのことである。
本実施形態に係る低温流体用昇圧ポンプでは、図8(a)に示すように、第1のピストンリングにおける漏れ抵抗が最も小さくなり、第2のピストンリング、第3のピストンリングにいくに従って漏れ抵抗が徐々に大きくなるように構成されている。これにより、図8(b)に示すように、第1のピストンリングの一端面(図9において下側の端面)側の圧力P1’が最も大きくなり、第1のピストンリングの他端面(図9において上側の端面)側の圧力P2’、第2のピストンリングの他端面(図9において上側の端面)側の圧力P3’、第3のピストンリングの他端面(図9において上側の端面)側の圧力P4’が順次小さくなるようになっている。
各ピストンリングにおける漏れ抵抗は、例えば、各ピストンリングの半径方向内側に配置されたバックアップリングとの組み合わせで調整することが可能である。
また、各ピストンリングにおける漏れ抵抗は、第1のピストンリングとして、例えば、段付合口(ステップ合口)等の漏れ抵抗の小さいものを使用し、第3のピストンリングとして、例えば、二重段付合口(ダブルアングル合口)等の漏れ抵抗の大きいものを使用し、第2のピストンリングとして、これら第1のピストンリングと第3のピストンリングとの略中間程度の漏れ抵抗を有するものを使用して調整することもできる。
さらに、第1のピストンリング、第2のピストンリング、および第3のピストンリングが、同じ形状の合口、例えば、段付合口(ステップ合口)を有するものである場合には、合口の開き具合が、第1のピストンリングにおいて最も開き気味になり、第3のピストンリングにおいて最も閉じ気味になるようにして、各ピストンリングにおける漏れ抵抗を調整することも可能である。
本実施形態による低温流体用昇圧ポンプ1によれば、低温流体を圧縮するピストン3の一端面(図9において下側の端面)に最も近いところに位置するピストンリングの漏れ抵抗が最も小さくなり、このピストンリングの一端面(図9において下側の端面)側の圧力P1’と、他端面(図9において上側の端面)側の圧力P2’との差が、従来のものよりも大幅に低減されることとなるので、このピストンリングの外周面をシリンダ6の内周面に押し付ける面圧を低減させることができ、ピストンリングがシリンダ6の内壁面に沿って摺動することにより発生する摩擦熱を大幅に低減させることができる。
また、このように、ピストンリングおよびシリンダ6(すなわち、シリンダブロック5)の発熱が抑制されることとなるので、シリンダ6内に吸入された(流入した)低温流体の蒸発(気化)を抑制することができ、ポンプ効率を向上させることができる。
1 低温流体用昇圧ポンプ
3 ピストン
5 シリンダ
6 シリンダブロック
7 リング溝
8 ピストンリング
8a 周溝
20 ピストンリング
21 周溝加工部
22 ピストンリング本体
30 ピストンリング
30a 縦溝
40 ピストンリング
40a 斜め溝
50 ピストンリング
50a 反転溝
60 ピストンリング
61 熱伝導率の高い材料
70 ピストンリング
71 伝熱材

Claims (1)

  1. 外周面に複数本のリング溝が形成されたピストンと、前記リング溝内に配置される複数本のピストンリングと、これらピストンおよびピストンリングをその内部に形成されたシリンダ内に収容するシリンダブロックとを備えた低温流体用昇圧ポンプであって、
    前記ピストンリングが、低温流体を圧縮する前記ピストンの一端面側から前記ピストンの他面側にかけて、その漏れ抵抗が徐々に大きくなるように構成されており、
    各ピストンリングにおける漏れ抵抗は、各ピストンリングの半径方向内側に配置されたバックアップリングとの組み合わせで調整されていることを特徴とする低温流体用昇圧ポンプ。
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