JP4939488B2 - 蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁装置および燃料噴射弁構造 - Google Patents
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Description
図7において、燃料噴射弁は符号100で示され、次のように構成されている。
先端部に燃料を噴射する噴孔4を備えたノズル1は、内周に針弁2が往復摺動可能に嵌合されており、無噴射時には、該針弁2の先端部が該ノズル1のシート部5aに当接して、高圧燃料が燃料溜め5に貯留されている。
前記ノズル1は、噴射弁本体7内に収納され、ノズル支持リング3を噴射弁本体7下部のネジ7aにねじ込むことにより、スペーサ6と共同にて噴射弁本体7に固定されている。
該噴射弁本体7内においては、2つの燃料通路14a及び14bに分岐され、その一方である燃料通路14aは針弁2が臨む燃料溜め5に連通されている。
またその他方である燃料通路14bは、オリフィス13を通して制御室32に連通されている。該制御室32は、前記針弁ばね押え8の上部8bに臨んで形成され、上部はオリフィス10を経て制御弁9に連通している。
これにより、前記燃料通路14aを通して燃料溜め5内に送られていた高圧燃料の圧力は、前記のように燃料通路14bがオープンになっているため、該高圧燃料の圧力が針弁2の下側から作用して、該針弁2をシート部5aから上方に離間させて該針弁2を開弁させる。
そして、燃料溜め5内の高圧燃料は前記シート部5aを通して前記ノズル1の噴孔4から、エンジンの燃焼室内に噴射せしめられる。
かかる発明は、燃料噴射に起因して降下したが脈動状態にあるコモンレール圧力の平均値を、燃料噴射後の正味のコモンレール圧力として算出し、燃料噴射量を正確に求めるように構成されている。
図4(D)に示すように、インレットコネクタ11の燃料入口通路12内の圧力Pは、燃料通路14bに連通する制御室32内の制御用の燃料がリークライン16に排出されることによる圧力降下A1が生ずる。
そして、その後、燃料通路14aを通して燃料溜め5内に送られていた高圧燃料の噴射によって、インレットコネクタ11の内部圧力Pは、圧力降下A2が生ずる。
従って、図7に示される燃料噴射弁100においては、前記圧力降下A1と圧力降下A2とが重畳(A1+A2)して発生するため、燃料噴射の平均有効圧力Ps(B)が低下するとともに、内部圧力脈動(振幅Mb)も大きくなる。
インレットコネクタの内部圧力の低下を極力少なくし、燃料の噴射の平均有効圧力を上昇させ、内部圧力脈動を小さくして燃料噴射性能を向上した蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁装置を提供することを目的とする。
噴射時には、図4(C)に示すように、前記制御弁が上昇して第2の蓄圧器と前記制御燃料路とを連通する第2の燃料路が開放し、つまりこの時には第2の蓄圧器と噴射燃料路とを連通させる第1の燃料路とは関係なく第2の燃料路が開放することとなるので、つまり従来技術とは異なり、第2の燃料路の開放が第1の燃料路と関係なく行われるので、第2の燃料路の開放による、インレットコネクタ内部の第1の燃料路側のノズルの噴孔から高圧燃料を燃焼室内に噴射せしめる圧力に何ら影響しない。よって、インレットコネクタ内部の燃料噴射圧力の圧力降下A1は発生しないこととなる。
インレットコネクタに設けた2つの燃料路のうち、いずれか一方をインレットコネクタの中心に設けて前記噴射燃料路(または制御燃料路)に連通し、他方を前記インレットコネクタ内に該インレットコネクタの中心に対して環状に形成された環状通路に開口して該環状通路を他方の前記制御燃料路(または噴射燃料路)に連通するように構成することにより、蓄圧器にそれぞれ接続される互いに独立した2つの燃料路を、インレットコネクタの中心に設けた燃料路を噴射燃料路(または制御燃料路)に連通しておけば、他の燃料路は環状通路に円周方向のどの位置でも開口可能となっているので前記制御燃料路(または噴射燃料路)の通路に自在に連通することができる。
従って、インレットコネクタの組み付けが、相手側に規制されずに自由にねじ込み可能となり組立て性が向上する。
尚、前記2つの燃料路のうち、前記括弧印のように一方を制御燃料路に、他方を噴射燃料路に連通してもよい。
第2の蓄圧器側に燃料とは異なる制御油を自由に用いることができるとともに、かかる第2の蓄圧器側によって高圧燃料噴射の制御が、第1の蓄圧器に関係なく独立して自由に行うことができ、高圧燃料噴射の制御の自由度が向上する燃料噴射弁装置を得ることができる。
図1は本発明の第1実施例に係る蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁の軸心線に沿う断面図である。
図1において、本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁100は、次のように構成されている。
先端部に燃料を噴射する噴孔4を備えたノズル1は、内周に針弁2が往復摺動可能に嵌合されており、無噴射時には、該針弁2の先端部が該ノズル1のシート部5aに当接することにより、高圧燃料が燃料溜め5に貯溜されている。
前記ノズル1は、噴射弁本体7内に収納され、ノズル支持リング3を噴射弁本体7下部のネジ7aにねじ込むことにより、スペーサ6と共同にて噴射弁本体7に固定されている。
また、前記制御室32は前記針弁ばね押え8の上端部8cに臨んで形成されるとともに、オリフィス13を通して後述する制御燃料路22に連通している。
以上の構成は、図7に示す従来技術と同様である。
該インレットコネクタ23には、第1の燃料路21aと第2の燃料路22aとが、それぞれ流体密に且つ独立して形成されている。
前記第1の燃料路21aの入口側は継手24a及び入口管24を介して蓄圧器28に接続され、第2の燃料路22aの入口側は継手25a及び入口管25を介して蓄圧器28に接続されている。
一方、前記第1の燃料路21aの出口側は、噴射弁本体7内の噴射燃料路21に合致するように接続され、該噴射燃料路21は前記燃料溜め5内に接続されている。また前記第2の燃料路22aの出口側は噴射弁本体7内の前記制御燃料路22に合致するように接続されている。
これにより、前記噴射燃料路21を通して燃料溜め5内に送られていた高圧燃料の圧力が、前記のように制御室32がオープンになっているため、針弁2を上部から押し付けていた制御室32内の高圧燃料がリークライン16に排出される。これにより、高圧燃料の圧力が針弁2の下側から作用して、該針弁2をシート部5aから上方に離間させて該針弁2を開弁させる。そして、燃料溜め5内の高圧燃料は前記シート部5aを通して前記ノズル1の噴孔4から、エンジンの燃焼室内に噴射せしめられる。
図5の場合には、針弁2の開弁時間が長いため、従来技術も本実施例の場合も、図5(C)、(D)に示すように燃料の噴射の平均有効圧力Ps(A)、Ps(B)が初期圧力P0とほぼ同等になる。
また、A1+A2>A、C1>Cであり、つまり、振幅Ma=A+C、振幅Mb=A1+A2+C1は、Mb>Maとなり、内部圧力脈動を抑制することができることを示している。
図2は本発明の第2実施例に係る蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁の軸心線に沿う要部断面図である。
この第2実施例においては、インレットコネクタ33に、入口端が前記蓄圧器28にそれぞれ接続される互いに独立した2つの燃料路つまり第1の燃料路21a及び第2の燃料路22aを設け、前記第1の燃料路21aの入口側は継手24a及び入口管24を介して蓄圧器28に接続され、第2の燃料路22aの入口側は継手25a及び入口管25を介して蓄圧器28に接続されている。
そして、該環状通路32aを前記制御弁9に連通する制御燃料路22に連通するように構成している。
また、前記とは逆に、第2の燃料路22aをインレットコネクタ33の中心33aに設けて制御燃料路22に連通させ、第1の燃料路21aを環状に形成された環状通路32aに連通するように開口して前記噴射燃料路21に連通させてもよい。
その他の構成は前記第1実施例(図1)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
これによって、インレットコネクタ33の中心33aに設けた第1の燃料路21aを噴射燃料路21(または制御弁9に通ずる制御燃料路22)に連通しておけば、他の第2の燃料路22aは環状通路32aに円周方向のどの位置でも開口可能となっているので前記制御燃料路22(または噴射燃料路21)の通路に自在に連通することができる。
従って、インレットコネクタ33の組み付けが、相手側に規制されずに自由にねじ込み可能となり組立て性が向上する。
尚、前記2つの燃料路(第1の燃料路21a及び第2の燃料路22a)のうち、一方を制御燃料路22に、他方を噴射燃料路21に連通してもよく、同様の作用効果が得られる。
図6は本発明の第3実施例に係る蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁の軸心線に沿う断面図である。
この第3実施例においては、高圧燃料用の第1の蓄圧器28aと、制御燃料用の第2の蓄圧器28bとを別々に設置している。
即ち、第1の蓄圧器28aに蓄圧された高圧燃料を燃料溜め5に導入する噴射燃料路21を設け、該第1の蓄圧器28aとは別系統の、燃料入口28cを備えた蓄圧器28bに蓄圧された制御燃料が導入され該制御燃料により該針弁2を前記ノズルのシート部5aに押付ける制御室32とを備えている。
以上の説明では、第2の蓄圧器28bに封入する液体として燃料を封入する説明をしたが、燃焼室内に噴射する燃料とは異なる種類の燃料であってもよく、さらに潤滑油のようなオイルであってもよく、同様の作用を得ることができる。
2 針弁
4 噴孔
5 燃料溜め
5a シート部
7 噴射弁本体
8 針弁ばね押え
9 制御弁
9a 針弁ばね
15s ソレノイド弁装置
15 ソレノイドコイル
16 リークライン
21a 第1の燃料路
22a 第2の燃料路
21 噴射燃料路
22 制御燃料路
23、33 インレットコネクタ
24、25 入口管
28 蓄圧器
28a 第1の蓄圧器
28b 第2の蓄圧器
30 高圧ポンプ
32 制御室
32a 環状通路
33a インレットコネクタの中心
100 燃料噴射弁
Claims (2)
- 噴孔が形成されたノズルと、該ノズルの内周に往復摺動可能に嵌合され先端部が該ノズルのシート部に当接する針弁と、蓄圧器に蓄圧された高圧燃料を燃料溜めに導入する噴射燃料路と、制御燃料が導入され該制御燃料圧により該針弁を前記ノズルのシート部に押付ける制御室と、蓄圧器に蓄圧された高圧燃料を前記制御室に導入する制御燃料路と、電磁弁で構成されるとともに前記制御室と外部との間を開閉し前記制御室と外部とを連通したとき前記針弁を前記燃料溜め内の高圧燃料により前記ノズルのシート部から開放してリフトさせる制御弁とを備え、
前記制御弁の開放により前記針弁がリフトされて前記燃料溜め内の高圧燃料を前記シート部を通して前記ノズルの噴孔から燃焼室内に噴射せしめるように構成された蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁構造において、
第1の蓄圧器と前記噴射燃料路を連通させる第1の燃料路と、第2の蓄圧器と前記制御燃料路とを連通する第2の燃料路とをそれぞれ流体密に且つ独立して形成し、
第1の蓄圧器に蓄圧された高圧燃料を前記第1の燃料路を介して燃料溜めに導入し、該第1の蓄圧器とは別系統の第2の蓄圧器に蓄圧された高圧燃料を前記第2の燃料路を介して前記制御室に導入するように構成し、
さらに、噴射弁本体に取り付けられるインレットコネクタに、入口端が前記蓄圧器にそれぞれ接続される互いに独立した2つの前記燃料路を設け、前記2つの燃料路のいずれか一方を前記インレットコネクタの中心に設けて前記噴射燃料路または前記制御燃料路のいずれか一方に連通し、前記2つの燃料路の他方を前記インレットコネクタ内に該インレットコネクタの中心から一定距離隔てた位置に設け、該他方の燃料通路の開口端を噴射弁本体に形成された環状通路に開口して、該環状通路を前記噴射燃料路または前記制御燃料路の他方に連通するように構成されるとともに、前記第2の蓄圧器に蓄圧される高圧燃料が制御弁を作動せしめるだけに用いられる制御油からなることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁構造。 - 噴孔が形成されたノズルと、該ノズルの内周に往復摺動可能に嵌合され先端部が該ノズルのシート部に当接する針弁と、第1の蓄圧器に蓄圧された高圧燃料を燃料溜めに導入する噴射燃料路とを備えた蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁装置において、
前記第1の蓄圧器とは別系統の第2の蓄圧器に蓄圧された制御燃料が制御燃料路を介して導入され該制御燃料圧により該針弁を前記ノズルのシート部に押付ける制御室と、電磁弁で構成されるとともに前記制御室と外部との間を開閉し前記制御室と外部とを連通したとき前記針弁を前記燃料溜め内の高圧燃料により前記ノズルのシート部から開放してリフトさせる制御弁とを有し、前記制御弁の開放により前記針弁がリフトされて前記燃料溜め内の高圧燃料を前記シート部を通して前記ノズルの噴孔から燃焼室内に噴射せしめるように構成され、
さらに、噴射弁本体に取り付けられるインレットコネクタに、入口端が前記蓄圧器にそれぞれ接続される互いに独立した2つの前記燃料路を設け、前記2つの燃料路のいずれか一方を前記インレットコネクタの中心に設けて前記噴射燃料路または前記制御燃料路のいずれか一方に連通し、前記2つの燃料路の他方を前記インレットコネクタ内に該インレットコネクタの中心から一定距離隔てた位置に設け、該他方の燃料通路の開口端を噴射弁本体に形成された環状通路に開口して、該環状通路を前記噴射燃料路または前記制御燃料路の他方に連通するように構成されるとともに、前記第2の蓄圧器に蓄圧される高圧燃料が制御弁を作動せしめるだけに用いられる制御油からなることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁装置。
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