JP4935981B2 - レーザスキャニング装置 - Google Patents
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Description
また、fθレンズを使用せずに、ダイナミックフォーカスレンズを使用してフォーカス位置を制御することでリニアリティ歪みをなくし、ピンクッション歪みによる誤差は、照射面上の座標に対するガルバノメータスキャナ回転角を幾何学的な計算により求め、補正を行っているものもある(例えば、非特許文献1参照)。
図7は3軸を備えたシステムの例であり、3個のサーボアンプを有する。4はX軸ガルバノメータスキャナであり、Xミラー7を装着している。5はY軸ガルバノメータスキャナであり、Yミラー8を装着している。6はZ軸であり、第1レンズ9のレーザ12方向の位置を変化させるために使用する。ここで第1レンズ9はダイナミックフォーカスレンズである。
次に、Inverse Kinematics(逆運動学)105で照射面上の座標を各ガルバノメータスキャナの回転角に変換する。Inverse Kinematics105は照射面上の座標に対するガルバノメータスキャナ回転角を幾何学的な計算から求める処理であり(計算方法は例えば、非特許文献1参照)、補正位置111を入力とし、回転角112を出力する。回転角112は、通信手段あるいはアナログ線を通じてサーボアンプ3へ指令として送られる。
X軸ガルバノメータスキャナ4を正方向に回転したときにレーザ照射点が動く方向を座標軸MXとし、Y軸ガルバノメータスキャナ5を正方向に回転したときにレーザ照射点が動く方向を座標軸MYとし、座標軸MXとMYとで右手系を成す方向にとった座標軸をMZとする照射面13上の直交座標系を機械座標系801とする。図9のような場合に、機械座標系801上で、座標軸MXに平行な線と座標軸MYに平行な線からなる格子を描き、これを補正量を計測するための補正格子802とする。
この機械座標系はガルバノメータスキャナの取り付け位置などのメカ的な要因によって決定される。よって、機械座標系が誤差測定用カメラの可動範囲から外れてしまうほど理想座標系に対して大きく並進あるいは回転していると、カメラの可動範囲から外れた領域については誤差の計測をすることができず、そのためレーザ照射面の全領域に渡って誤差の計測をして補正量を求めることができないという問題があった。
また、機械座標系と機械の正面を基準にして決められる仕様座標系の座標軸方向とが異なるような場合は、X、Yという座標系の座標軸の名称と、X軸ガルバノメータスキャナ、Y軸ガルバノメータスキャナなどという駆動軸の名称とが一致しなくなる。よって、補正量のX成分、Y成分とスキャンプログラムに記述するレーザの移動方向との関係に混乱を生じやすいというような問題もあった。
また、図12は機械仕様として機械の正面を基準にして決められる座標系の例であり、作業者1101が機械正面に立ったところを示している。図12の機械仕様によって決まる座標系1102は照射面13上にあり、作業者1101が機械正面に立ったときに作業者の右手方向にX、レーザ照射方向に対向する方向をZとし、YはXとZとで右手系を成す方向にとった座標系と定義するものとする。図12の場合には、レーザ照射点を座標軸X方向に動かす場合にはY軸ガルバノメータスキャナを正方向に動かす必要がある。また、補正格子を描いて誤差を測定する場面では、X方向の誤差、Y方向の誤差という名称が、照射面上の座標系のことか、ガルバノメータスキャナのことか分かりにくく作業者が混乱する。
請求項1に記載の発明は、サーボアンプによって各々制御される複数のガルバノメータスキャナと、予め設定されたプログラムに従って前記サーボアンプに指令を出力し、前記複数のガルバノメータスキャナを制御するコントローラと、を有し、レーザ光源から照射されるレーザ光を前記複数のガルバノメータスキャナにより照射面に走査させるレーザスキャニング装置において、前記コントローラは、誤差測定用カメラのXY方向の移動方向に平行な座標軸を持つように設定された基準座標系のX方向の補正量および前記基準座標系のY方向の補正量をレーザ走査範囲を格子状に区切った交点ごとに設定された補正量のテーブルと、前記複数のガルバノメータスキャナを含む光学系の取り付け位置に依存して決定される機械座標系に対する並進量および回転量によって表され、前記基準座標系から前記機械座標系への変換行列を求める座標系設定手段と、前記プログラムに基づいて、目標位置を出力するプログラム解析手段と、前記目標位置を入力とし、前記目標位置間の補間処理を行い補間位置を出力し、前記補間位置に前記補正量のテーブルから求められる補正量を加算して補正する補正量加算手段と、前記補正量加算手段が出力する前記基準座標系に基づく位置を前記変換行列に基づいて前記機械座標系に基づく位置へと変換する座標変換手段と、前記座標変換手段が出力する位置を前記複数のガルバノメータスキャナそれぞれの回転角度へ変換し前記サーボアンプに動作指令を出力する逆運動学手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によると、基準座標系に対して任意の並進、回転をしたユーザ座標系を補正量を変更せずに設定することができる。
スキャニングを制御するコントローラ1では、補正量加算を含む図1の処理を実行して各スキャナの回転角指令を作成する。図1において、プログラム解析処理102は、図7のホストPC2から送り込まれコントローラ1の二次記憶装置(図示せず)などに記憶されたスキャンプログラム108を読み込み、スキャンプログラム108に記述された目標位置109を出力する。補間処理103は、目標位置109を入力とし、目標位置間の補間計算を行い補間位置110を出力する。補正量加算処理104は、補間位置110を入力とし、補正テーブルを参照して補間位置110に補正値を加算した結果である補正位置111を出力する。
座標変換処理113は補正位置111を入力とし、座標系設定値保存手段114から後述する基準座標系設定値を参照して補正位置111に対して基準座標に基づく位置から機械座標に基づく位置へと座標変換を行う。Inverse Kinematics処理105は、機械座標に基づく値に変換された補正位置を入力とし、逆運動学演算により補正位置に対応する各ガルバノメータスキャナの回転角112を出力する。回転角112は各サーボアンプ3へ指令される。
まず、基準座標系を設定するための座標系設定処理について説明する。例として、照射面13上に図2に示すような基準座標系201を設定するものとする。
基準座標系201の位置は、できるだけ誤差測定用カメラのX、Y移動方向に平行な座標軸を持つ理想座標系に一致するようにし、基準座標系201の座標軸の方向は、機械の仕様から決まる座標系1102(図12)に合わせる。ただし、実際には基準座標系と理想座標系とを厳密に一致させることはできず、誤差が出ることになる。
基準座標系設定値は、機械座標系801を基準とした際の並進量と回転量とで表現する。
機械座標系MX方向の並進量をshiftx、MY方向の並進量をshifty、MZ方向の並進量をshiftzとし、MX軸まわりの回転量をRoll、MY軸まわりの回転量をPitch、MZ軸まわりの回転をYawとし、列ベクトルの形で表現すると、図2の基準座標系の設定値は例えば次の式(1)のように書ける。なお、式(1)の数値は一例である。
従来の手法(図10)では座標系の並進、回転の分も含めた補正量で補正するようになっていたが、本実施例では基準座標系設定値により、まず理想座標に近づけてから理想座標との誤差を計測していることになる。また、従来の方法である図9における機械座標系上に補正格子を描いて計測する方法では、機械座標系801のMX方向と仕様座標系1102のX方向は異なっているが、本実施例の方法では基準座標系上で補正格子を描いて計測できるため、指令位置と補正量はともに基準座標系に基づく値であり、X、Y方向が仕様座標系1102とも一致していて混乱を生じることがない。
スキャニングを制御するコントローラ1では、補正を含む図4の処理を実行して各スキャナの回転角指令を作成する。図4において、プログラム解析処理102は、図7のホストPC2から送り込まれコントローラ1の二次記憶装置(図示せず)などに記憶されたスキャンプログラム108を読み込み、スキャンプログラム108に記述された目標位置109を出力する。補間処理103は、目標位置109を入力とし、目標位置間の補間計算を行い補間位置110を出力する。
座標変換処理A(116)は補間位置110を入力とし、座標系設定値保存手段114から後述するユーザ座標系設定値を参照して補間位置110に対してユーザ座標に基づく位置から基準座標に基づく位置へと座標変換を行う。補正量加算処理104は、基準座標に基づく補間位置を入力とし、補正テーブルを参照して基準座標に基づく補間位置に補正値を加算した結果である補正位置111を出力する。座標変換処理B(117)は補正位置111を入力とし、座標系設定値保存手段114から基準座標系設定値を参照して補正位置111に対して基準座標に基づく位置から機械座標に基づく位置へと座標変換を行う。
Inverse Kinematics処理105は、機械座標に基づく値に変換された補正位置を入力とし、逆運動学演算により補正位置に対応する各ガルバノメータスキャナの回転角112を出力する。回転角112は各サーボアンプ3へ指令される。
まず、ユーザ座標系を設定するための座標系設定処理について説明する。例として、照射面13上に図5に示すようなユーザ座標系501を設定するものとする。ユーザ座標系設定値は、基準座標系201を基準とした際の並進量と回転量とで表現する。基準座標系のX方向の並進をshiftx、Y方向の並進をshifty、Z方向の並進をshiftzとし、Xまわりの回転をRoll、Yまわりの回転をPitch、Zまわりの回転をYawとし、列ベクトルの形で表現すると、図5のように設定するユーザ座標系の設定値は次の式(4)のように書ける。なお、式(4)の数値は一例である。
基準座標系設定値もユーザ座標系設定値と同様に座標系設定値保存部114に保存される。
次に、指令に対する変換の動作について説明する。座標変換処理A(116)は、補間位置110(Xi、Yi)と座標変換行列BTUの各要素であるユーザ座標系設定値を入力とし、次の式(6)の計算を行って、(Xi、Yi)をユーザ座標系に基づく位置(UXc、UYc)から、基準座標系に基づく位置(BXc、BYc)に変換する。ただし、式(6)のUZcには0を入力する。
第2実施例をもとにして、スキャンプログラム108に記述するユーザ座標系設定の例を示す。本実施例におけるコントローラ1の内部ブロック図は図6で表される。ユーザ座標系設定値は、基準座標系201を基準とした際の並進量と回転量とで表現する。
スキャンプログラムではTRANSという命令を用いてユーザ座標系設定値を指定する。TRANSに続けて、基準座標系X方向の並進shiftx、Y方向の並進shifty、Z方向の並進shiftz、Xまわりの回転Roll、Yまわりの回転Pitch、Zまわりの回転Yawを次のように記述する。
TRANS shiftx shifty shiftz Roll Pitch Yaw
前述の式(4)での数値例を適用した具体例は次のようになる。
TRANS -50 -50 0 0 0 15
2 ホストPC
3 サーボアンプ
4 X軸ガルバノメータスキャナ
5 Y軸ガルバノメータスキャナ
6 Z軸ガルバノメータスキャナ
7 Xミラー
8 Yミラー
9 レンズ1
10 レンズ2
11 レンズ3(ダイナミックフォーカスレンズ)
12 レーザ
13 照射面
14 加工点
102 プログラム解析処理
103 補間処理
104 補正量加算処理
105 Inverse Kinematics(逆運動学)処理
108 スキャンプログラム
109 目標位置指令
110 補間位置指令
111 補正位置指令
112 回転角指令
113 座標変換処理
114 座標系設定値保存手段
115 座標系設定処理
116 座標変換処理A
117 座標変換処理B
201 基準座標系
202 基準座標系上の補正格子
301 基準座標系上の補正格子の描画点
501 ユーザ座標系
801 機械座標系
802 機械座標系上の補正格子
803 照射面上の理想座標系
901 機械座標系上の補正格子の描画点
902 理想座標
1001 誤差測定用カメラ可動範囲
1101 作業者
1102 仕様座標系
Claims (2)
- サーボアンプによって各々制御される複数のガルバノメータスキャナと、予め設定されたプログラムに従って前記サーボアンプに指令を出力し、前記複数のガルバノメータスキャナを制御するコントローラと、を有し、レーザ光源から照射されるレーザ光を前記複数のガルバノメータスキャナにより照射面に走査させるレーザスキャニング装置において、
前記コントローラは、
誤差測定用カメラのXY方向の移動方向に平行な座標軸を持つように設定された基準座標系のX方向の補正量および前記基準座標系のY方向の補正量をレーザ走査範囲を格子状に区切った交点ごとに設定された補正量のテーブルと、
前記複数のガルバノメータスキャナを含む光学系の取り付け位置に依存して決定される機械座標系に対する並進量および回転量によって表され、前記基準座標系から前記機械座標系への変換行列を求める座標系設定手段と、
前記プログラムに基づいて、目標位置を出力するプログラム解析手段と、
前記目標位置を入力とし、前記目標位置間の補間処理を行い補間位置を出力し、前記補間位置に前記補正量のテーブルから求められる補正量を加算して補正する補正量加算手段と、
前記補正量加算手段が出力する前記基準座標系に基づく位置を前記変換行列に基づいて前記機械座標系に基づく位置へと変換する座標変換手段と、
前記座標変換手段が出力する位置を前記複数のガルバノメータスキャナそれぞれの回転角度へ変換し前記サーボアンプに動作指令を出力する逆運動学手段と、を備える
ことを特徴とするレーザスキャニング装置。 - 前記コントローラは、
前記基準座標系に対する変換行列として表され、作業者により設定されるユーザ座標系を設定するユーザ座標系設定手段を有し、
前記プログラム解析手段は、前記プログラムによって指定された前記ユーザ座標系に基づく位置を前記ユーザ座標系設定手段により設定された変換行列によって前記基準座標系に基づく位置へと変換した目標位置を出力する
ことを特徴とする、請求項1記載のレーザスキャニング装置。
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