JP4935820B2 - マルチキャリア方式で信号を送信するための装置及び方法 - Google Patents

マルチキャリア方式で信号を送信するための装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式等のマルチキャリア通信方式の技術分野に関連し、特に、ピーク電力の抑圧された信号を送受信するための装置及び方法に関する。
OFDM方式や OFDMA (Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式は、地上デジタルテレビ放送、ワイマックス(WiMAX: Worldwide Interoperability for Microwave Access)において既に採用され、第3.9/4世代携帯電話システムにおいても採用計画されている通信方式である。OFDM(A)方式で伝送される信号は、多数のサブキャリアの合成によって生成されるため、複数のサブキャリアの位相が一致すると、非常に高いピーク電力が生じてしまう。ピーク電力が高いと、送信側でそれだけ多くの送信電力(リソース)が用意されなければならなくなり、このことは特に移動端末で不利になる。受信側では高いピーク電力に相当する信号を正確に再現することが困難になり、誤り率が増えてしまう。一方、高いピーク電力を有する信号は帯域外に不要な輻射を生じて周辺帯域に大きな影響を与えるおそれもある。ピーク電力を抑圧するために様々な方式が提案されている。
OFDM信号のピーク電力を抑圧する従来の方式としては、「位相反転法」、「ひずみ法」、「符号化法」等が知られているが、それぞれ一長一短がある。中でも「位相反転法」は実装が簡単であり比較的効果的な手法として注目されている。具体的な「位相反転法」としては、「実数型ニューラルネットワーク」による最適化手法を利用することで、優れたピーク電力抑圧能力を発揮させることが期待される。この手法によれば、帯域外放射電力およびビット誤り率も共に改善される(例えば、特許文献1参照。)。
「位相反転法」では、(OFDM信号のピーク電力が抑圧されるように)各サブキャリアに与える位相を探索する問題を、組み合わせ最適化問題に置き換えて定式化する。このような「相互結合型(mutual-connected)実数ニューラルネットワーク」には、組み合わせ最適化問題の近似解法(ホップフィールドニューラルネットワーク(HNN: Hopfield Neural Network)による解法)を適用できることが知られており、「特許文献 1:マルチキャリア通信方式及びマルチキャリア通信装置」では、この方式を用いることにより、最適な位相反転量が決定されている。
以下、「位相反転法」を概説する。
OFDM(A)信号において、位相反転前の送信予定のN個のデータシンボル(N次元実ベクトル)をX=(X0,X1,…,XN-1)とする。各データシンボルに適用される位相反転量も、p=(p0,p1,...,pN-1)のように2値変数のN次元ベクトルで表現される。ただし、 pm=±1である(m=0,1,...,N-1)。
逆離散フーリエ変換(IDFT)後のN個のデータシンボルをY=(Y0,Y1,…,YN-1)とすると、Yは次のように表現される。
Figure 0004935820
ここで、n=0,1,...,N-1 であり、jは純虚数を表す。ピーク電力の大きさを評価するために、次式のようなピーク電力対平均電力比(PAPR:Peak-to-Average Power Ratio)が定義される。
Figure 0004935820
ここで、|・|は複素数としての絶対値、E{・}は平均値を表す。従って、E{|Yn2}はOFDM(A)信号の平均電力を表す。また、目的関数を
Figure 0004935820

と定義する。この目的関数の値を最小化することにより、各時刻の電力がほぼ平均電力E{‖Y‖2}に近づき、PAPRを減らすことができる。従って、ピーク電力を低減することは、この目的関数を最小化することと等価である。
従来の手法では、この最小化問題に対処するため、相互結合型の実数型ニューラルネットワークが使用される。このため、次式のように、複素数の実部と虚部を表す実数が用意され、目的関数J(p)が書き換えられる。
Figure 0004935820
しかしながらこの目的関数をそのまま最小化することは容易でない。このため、従来の手法では、上記の目的関数がpmに関する4次多項式に展開され、pm 2=pm 4=1の関係式を用いて、目的関数が書き直される。そのようにして、pmの2乗項と4乗項を定数項とみなした多項式を
Figure 0004935820
と再定義し、この多項式を改めて目的関数とする。このようにすると、HNNの手法を用いて所望の解に到達することができる。仮に、pmの2乗項と4乗項を定数に置換しないまま、一般的なpmの4次多項式を考えると、pmが±1以外の値をとる可能性が生じ、組み合わせ最適化として無意味な解(無効解)を出力してしまうおそれがある。
相互結合型実数型ニューラルネットワークを用いた最小化問題は次のように行われる。時刻tにおけるi番目の(i=0,1,...,N-1)の実数値内部関数と出力状態をそれぞれ、ui(t),xi(t)とする。出力関数と状態変更式は次のように定義される。
Figure 0004935820
ここで、εは正の定数である。出力関数は +1, -1の2値しか取れないことに注意を要する。この手法は、データシンボルを合成する際の位相を反転する又は維持することしかできない為、非常に粗い制御しかできない。また、十分な反復回数の計算を行えば、目的関数は適切な最適値に徐々に収束するのが通常的であるが、この手法では位相の反転前後で値の変化が大きい為に、少しの時間遅れに対しても大きな出力変化を伴うことがある。つまり、出力値が少しの時間遅れに対して連続的に変化しないことも少なくない。その結果、解の収束性、安定性、信頼性等が充分に確保されないおそれがある。また、目的関数J(p)をそのまま扱うのではなく、pmの2乗項と4乗項を定数にするように書き換えられた多項式を使用しなければならないので、シンボル数が増えれば増えるほど計算の手間が増え、極めて複雑な多項式となり、ハードウェアが複雑となり計算速度が遅くなってしまう。
特開2004-147126号公報
このように上記の位相反転法には様々な問題点がある。要するに、第一の問題点は、実数値ニューラルネットワークの活性化関数(pm)の値が +1または-1の2値しかとらず、位相を反転させるか、させないかという非常に粗い制御しかできないことである。従って、ピーク電力が真の極小値に達していない可能性が常に残り、特にサブキャリア数が少ないような場合は、ピーク電力を充分に抑圧できないかもしれない。
第2の問題点は、位相反転が正から負または負から正への大きな量の変化を伴うので、反復的な最適化アルゴリズムの状態更新の前後で目的関数値の急激な変化を引き起こし、計算の連続性、安定性、信頼性等を保ちにくくすることである。
第3の問題点は計算の複雑さである。位相回転量は本来、極座標による複素数で表現するのに適している。しかしながら上記の手法で使用されるニューラルネットワークは実数型であるため、この手法は1変数の極座標型複素数を実部と虚部という2つの実数変数を導入し、複雑な反復アルゴリズムを実行しなければならない。
また、この手法は複雑な目的関数(状態更新を伴う多項式)を使用するため、シンボル数(サブチャンネル数)が増加すればするほど、計算式が極めて複雑になり、計算速度が遅く、効率的な手法であるとは言えない。
本発明は上記の問題点の少なくとも1つを解決又は軽減するためになされたものであり、その課題は、マルチキャリア方式で伝送されるサブキャリア毎の信号成分各々に適切なウエイトを与え、送信信号のピーク電力対平均電力比(PAPR)を充分に抑圧することである。
本発明によれば、マルチキャリア方式で送信シンボルを送信する送信機が使用される。送信機は、N個のデータシンボル各々の位相回転量を調整する手段と、位相調整後のデータシンボルを逆フーリエ変換し、送信シンボルを生成する手段と、複素ニューラルネットワークを利用して前記位相回転量を決定する位相算出手段とを有する。前記位相算出手段は、仮決定された位相回転が適用されたN個の複素入力信号から、逆フーリエ変換後の1つの複素出力信号を導出し、該複素出力信号を次回の複素入力信号にするN個のニューロンと、複素出力信号から算出される目的関数の値に応じて位相回転量を更新する状態更新手段とを有する。
開示される発明による送信機は、
直交周波数分割多重(OFDM)方式で送信シンボルを送信する送信機であって、
N個のデータシンボル各々の位相回転量を調整する手段と、
位相調整後のデータシンボルを逆フーリエ変換し、送信シンボルを生成する手段と、
複素ニューラルネットワークを利用して前記位相回転量を決定する位相算出手段と、
を有し、前記位相算出手段は、仮決定された位相回転が適用されたN個の複素入力信号から、逆フーリエ変換後の1つの複素出力信号を導出し、該複素出力信号を次回の複素入力信号にするN個のニューロンと、
複素出力信号から算出される目的関数の値に応じて位相回転量を更新する状態更新手段と、
を有し、前記N個のデータシンボルに適用される位相回転量は(2π/N)の整数倍である、送信機である。
本発明の一実施例による送信機を示す図である。 本発明の一実施例による受信機を示す図である。 図1の位相回転量算出部で使用されるニューロネットワーク回路を示す図である。 本発明の一実施例による動作例を示すフローチャートである。 本発明の一実施例による別の動作例を示すフローチャートである。
符号の説明
11 ディジタル変調器
12 直並列変換部(S/P)
13 位相調整部
14 逆離散フーリエ変換部(IDFT)
15 並直列変換部(P/S)
16 ディジタルアナログ変換部(D/A)
17 無線送信部
18 最適位相回転量算出部
19 位相情報多重部
21 無線チャネル受信部
22 アナログディジタル変換部(A/D)
23 直並列変換部(S/P)
24 離散フーリエ変換部(DFT)
25 位相調整部
26 並直列変換部(P/S)
27ディジタル復調部
28 位相回転量復元部
本発明の一形態によれば、「複素型ニューラルネットワーク」、特に、「振幅―位相型(極座標型)の複素ニューラルネットワーク」をOFDMA信号のピーク電力を抑圧する手法に適応することで、論理演算速度と回路数を大幅に削減し、ピーク電力抑圧能力を大きく向上させることができる。
本発明の一形態によれば、位相は反転又は維持の2値ではなく、様々な値を取り得る複素数値で表現される。また、位相回転量θ=(θ01,...,θN-1)は、一組のシンボル数N(サブキャリア数)が増えれば増える程、出力値をきめ細かく制御することが可能である(θm=(2πnm/N))。このため、より適切な解に収束することが期待できる。
本発明の一形態によれば、「振幅―位相型(極座標型)複素ニューラルネットワーク」を導入することにより、ニューラルネットワーク回路構成が根本的に単純化され、位相反転だけではなく、様々な位相回転量を極座標形式の複素数によりそのまま取り扱うことが可能になり、簡易且つ高精度な最適化が実現される。
実数型ニューラルネットワークでは実部と虚部に相当する2変数を用いて演算を進める必要がある。しかし、複素ニューラルネットワークでは絶対値1の複素数入出力しか扱わなくてよいので、本手法では1変数の位相パラメータを考察すればよく、実装モデルを簡単に実現することができる。
また、本発明の一形態によれば、従来のようなpmの2次又は4次の項を1に置き換えた目的関数の多項式表現を導出する必要が無い。pmの2次及び4次の項を1に置き換えた目的関数は、シンボル数Nの大きさに依存して、極めて複雑な多項式になってしまうが、本手法ではそのような複雑な多項式を使用しなくて済むので、非常に簡単に計算を行うことができる。
本発明の一形態で利用可能な(相互結合型を含む)リカレント型の複素ニューロネットワークは、実数型ニューラルネットワークよりも安定性が高い為、従来法と比較して最適化計算速度が早く、回路規模を小さくし、効率良く最適化することができる。リカレント型の複素ニューラルネットワークについては、例えば、Akira Hirose and Hirofumi Onishi. "Proposal of relative-minimization learning for behavior stabilization of complex-valued recurrent neural networks" Neurocomputing, 24:163-171, 1999. に説明されている。
本発明の一形態では、「実数型ニューラルネットワーク」とは異なり、出力値が連続的な値をとるので、本手法は解の収束性や安定性等に優れ、最適化すべきピーク電力抑圧量に配慮しつつ反復回数を適切に調整することもできる。
図1は本発明の一実施例による送信機を示す。送信機はOFDM又はOFDMA方式で信号を送信する。送信機はOFDM(A)方式の通信システムで使用され、基地局(NodeB)に使用されてもよいし、ユーザ装置(UE)に使用されてもよい。図1には、ディジタル変調器11、直並列変換部(S/P)12、位相調整部13、逆離散フーリエ変換部(IDFT)14、並直列変換部(P/S)15、ディジタルアナログ変換部(D/A)16、無線送信部17、最適位相回転量算出部18及び位相情報多重部19が描かれている。
ディジタル変調器11は、送信するデータを、使用される変調方式に合わせてデータシンボルに変換する。変調方式は、QPSK、16QAM、64QAM等適切な如何なる方式が使用されてもよい。データシンボルは信号点配置図(constellation)上の点に対応し、複素数で表現される。
直並列変換部(S/P)12はデータシンボルの直列の信号系列を並列的な信号系列に変換する。図示の例では使用されるサブキャリア数Nに合わせて、N個の並列的なデータシンボルの系列が用意されている。ただし、一般的には、並列的な系列数は厳密にサブキャリア数に一致していなくてもよい。
位相調整部13は、制御信号に従って複素データシンボル(X0,X1,...,XN-1)の各々に位相回転(θ01,...,θN-1)を与える。位相回転量は重み係数、ウエイト等と言及されてもよい。後述されるように、この位相回転量は±1だけでなく、(2πn/N)ラジアンで表現される様々な値を取り得る。従って、あるデータシンボルXmは、位相調整後に、Xmexp(jθm)のように表現できる。Nはサブキャリア数に相当し、適切な如何なる値が使用されてもよいが、一例として、Nは1000程度に大きくてもよい。例えば、N=1000とすると、位相回転量は(2π/1000)ラジアン=0.36度の整数倍の値をとる。従って実質的には連続的に位相回転量を制御することができる。
逆離散フーリエ変換部(IDFT)14は、位相調整後のデータシンボルを逆離散フーリエ変換し、OFDM方式の変調を行う。
並直列変換部(P/S)15は、逆離散フーリエ変換後のN個のデータシンボルを直列的な信号系列に変換する。
ディジタルアナログ変換部(D/A)16は、ディジタル量で表現された値をアナログ量に変換する。
無線送信部17はアナログ量に変換された送信シンボルを無線伝送用に処理(例えば、周波数変換、帯域制限、電力増幅等を含む)し、無線送信する。
最適位相回転量算出部18は、送信シンボルに対するピーク電力対平均電力比(PAPR)が小さくなるように、各データシンボルに与える位相回転量を算出する。算出方法については後述される。
位相情報多重部19は、算出された位相回転量をパイロットデータシンボルと共に多重する。最適位相回転量算出部18で算出された位相回転量が何であるかを受信側に通知するためである。例えば、IEEE802.16 PHYや地上デジタルテレビDVB-Tにおいて、シンボルデータのセグメント構成において、位相回転量を通信する為のパイロットシンボルデータを付加する必要がある。位相情報多重部19は、位相回転量をそのパイロットデータ上に配置して、DA変換部16へ与える。
図2は本発明の一実施例による受信機を示す。受信機はOFDM(A)方式の通信システムで使用され、基地局(NodeB)に使用されてもよいし、ユーザ装置(UE)に使用されてもよい。図2には、無線チャネル受信部21、アナログディジタル変換部(A/D)22、直並列変換部(S/P)23、離散フーリエ変換部(DFT)24、位相調整部25、並直列変換部(P/S)26、ディジタル復調部27及び位相回転量復元部28が描かれている。
無線チャネル受信部21は、受信した無線信号をベースバンドのアナログ信号に変換するための処理(帯域制限、周波数変換、電力増幅等)を行う。
アナログディジタル変換部(A/D)はアナログ信号をディジタル信号に変換する。
直並列変換部(S/P)23は直列的なデータシンボルの信号系列を並列的なN個の信号系列に変換する。
離散フーリエ変換部(DFT)24はデータシンボルを離散フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行う。
位相調整部25は制御信号に従って、各データシンボルに対する位相を調整する。
並直列変換部(P/S)26は、並列的なデータシンボルの信号系列を直列的な信号系列に変換する。
ディジタル復調部27は、データシンボルを個々のデータに変換し、出力する。
位相回転量復元部28は、送信側から通知された位相回転量を示す制御情報を抽出し、それに従って、位相を調整するための制御信号を位相調整部25に出力する。
概して、送信されるデータは複素数で表現されるデータシンボルに変換される。個々のデータシンボルには或る位相回転が施され、その後にフーリエ変換され、無線送信される。どのような位相回転がなされたかは、パイロットデータシンボルと共に多重された制御情報等により受信側に通知される。受信側では受信されたデータシンボルがフーリエ変換され、位相回転が施される。この位相回転は送信側から通知された内容に従って行われる。位相回転後のデータシンボルは、データ復調され、以後送信データが復元される。送信側で各データシンボルに適切な位相回転が施されることで、送信シンボルのピーク電力対平均電力比(PAPR)は適切に抑制される。
次に、位相回転量をどのように決定するかが説明される。本実施例では、図1の送信機の最適位相回転量算出部18で、図3に示されるような相互結合型複素ニューロネットワーク回路が使用される。初期値Xm,内部ベクトルum及び出力Ym(m=0,...,N-1)はすべて複素数で表現される量である。初期値Xmは位相調整前のデータシンボル(S/P12の出力)に相当する。これらN個のデータシンボルの値(複素数)が、N個のニューロLSIの各々に与えられる。ニューロLSIの各々は、N個のデータシンボルから1つの出力を出力する(例えば、m番目のニューロLSIはN個の入力に基づいて1つのYmを出力する。)。この出力は、入力側に戻され、次回の入力として使用される。個々のニューロLSIはN入力1出力のニューロンを構成し、系全体ではN入力N出力のニューラルネットワークを構成している。ニューロLSIの各々では、そこに入力されたデータシンボルの各々に、仮決定されたウエイト(位相)が与えられ、重み付けされたデータシンボルの総和に基づいて、目的関数の値が算出される。本実施例では、重み付けされたデータシンボルの総和は、逆フーリエ変換されたデータシンボルに対応する。目的関数の値はJ(Yn(exp(jθm))で算出される。後述するようにこの目的関数は、J(Yn(pm))として算出された従来の目的関数と関数形が異なる。そして、後述の手法に従って状態が更新され、新たな位相回転量及び出力値が導出される。これを反復的に行うことで、最適な位相回転量が得られる。最終的に得られた位相回転量は、図1の位相調整部13に通知され、実際に送信される信号に適用される。
図4は本発明の一実施例で使用される動作例のフローチャートである。図示の動作は主に図1の最適位相回転量算出部18で使用され、特に図3のニューロLSIの動作に関連する。
ステップS1では入力情報(初期値)が設定される。この入力情報は、位相調整前のN個のデータシンボルにより与えられる。
ステップS2では各種の内部パラメータが初期化される。内部パラメータのうち代表的なものは、反復パラメータ(t=0)、N個のデータシンボル各々に適用される位相回転量である。
ステップS3では反復パラメータtの値が1つ増やされる(インクリメントされる)。
ステップS4では、ピーク電力対平均電力比PAPR及び目的関数Jが計算される。PAPRは次式に従って算出される。
Figure 0004935820
ここで、|・|は複素数としての絶対値、E{・}は平均値を表す。従って、E{|Yn2}はOFDM(A)信号の平均電力を表す。YnはIDFT後のデータシンボルのn番目の成分である。本実施例では、位相調整前の入力情報は、X=(X0,X1,...,XN-1)で表現され、位相回転量を表すベクトルは、θ=(θ01,...,θN-1)で表現される。従来とは異なり、位相回転量θmは2値だけでなく、(2πnm/N)ラジアンで表現される様々な値をとることができる(mもnmも0以上N-1以下の整数である。)。IDFT後のデータシンボルY=(Y1,Y2,...,YN-1)の各成分は次式のように表現される。
Figure 0004935820
但し、n=0,1,...,N-1であり、 jは純虚数を表す。
また、目的関数は、
Figure 0004935820
により定義される。簡明化のため、J(Yn(exp(jθm))がJ(θ)と略記されている。
この目的関数の値を最小化することにより、各時刻の電力がおおよその平均電力E{‖Y‖2}に近づき、PAPRが減少する。従って、ピーク電力を低減することは、この目的関数を最小化することと等価である。J(θ)はθの多項式関数ではなく、θは複素数の位相成分として取り扱われることに特に留意を要する。本実施例では複素ニューロネットワークを利用するので、従来のように実部及び虚部に分解する必要がなく、しかも複雑に展開された多項式を用意しなくて済む。
ステップS5では、以上の定式化を使って、複素ニューラルネットワーク(本実施例では、相互結合型複素ニューラルネットワーク)における状態更新が行われる。
時刻tにおける第i番目(i=0,1,...,N-1)の複素数値の内部関数と出力状態をそれぞれ、ui(t),xi(t)(図3のYiに相当する)とするとき、出力状態は、次式に従って更新される。
Figure 0004935820
上記の数式では、ui(t)は絶対値が1の複素数であり、xi(t)も絶対値が1の複素数になることが分かる。τは或る正の定数である。
ステップS6では状態更新により導出された位相回転量を、次回の計算に使用する位相回転量として仮決定する。
ステップS7では、仮に決定された位相回転量を使って、ピーク電力(PAPR)値が目標とする抑圧量を達成できているかどうかが判定される。PAPRが充分に抑圧されていなかったならばステップS3に戻り、同様の手順が反復される。
このように複素ニューラルネットワークを用いて反復的に状態更新を行い、上記の形式の偏微分方程式に従う目的関数の局所最適解を求めることについては、例えば次の論文を参照されたい。
(論文1): Akira Hirose and Hirofumi Onishi "Proposal of relative-minimization learning for behavior stabilization of complex-valued recurrent neural networks". Neurocomputing, 24:163-171,1999。
(論文2): Akira Hirose "Continuous complex-valued back-propagation learning.". Electronic Letters, 28(20):1854-1855, 1992。
ステップS8では、ステップS7でピーク電力対平均電力比PAPRが充分に抑圧されていた場合に、その位相回転量が実際の送信シンボルに使用される値として確定し、位相調整部13に通知される。こうしてフローは終了する。
なお、ステップS8では、ピーク電力対平均電力比PAPRが充分に小さくなっているか否かが確認されたが、代替的に又は付加的に、所定の回数だけ状態更新がなされたか否かが確認されてもよい(図5参照)。図4のフローは、PAPRが万一小さくならなかった場合に対処できないが、図5のフローはそのような場合でもフローを抜けることができる。図5に示されるような手法はリアルタイム性の強いデータ伝送に特に有利である。
このようにして決定された位相回転量θ=(θ01,...,θN-1)で各データシンボルが位相調整部13(図1)で重み付けされ、逆離散フーリエ変換され、無線送信される。また、決定された位相回転量θ=(θ01,...,θN-1)を示す情報も、説明済みの手法で受信側に通知される。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (4)

  1. 直交周波数分割多重(OFDM)方式で送信シンボルを送信する送信機であって、
    N個のデータシンボル各々の位相回転量を調整する手段と、
    位相調整後のデータシンボルを逆フーリエ変換し、送信シンボルを生成する手段と、
    複素ニューラルネットワークを利用して前記位相回転量を決定する位相算出手段と、
    を有し、前記位相算出手段は、仮決定された位相回転が適用されたN個の複素入力信号から、逆フーリエ変換後の1つの複素出力信号を導出し、該複素出力信号を次回の複素入力信号にするN個のニューロンと、
    複素出力信号から算出される目的関数の値に応じて位相回転量を更新する状態更新手段と、
    を有し、前記N個のデータシンボルに適用される位相回転量は(2π/N)の整数倍である、送信機。
  2. 前記状態更新手段が、次式に従って位相回転量を更新し、
    Figure 0004935820
    tは時間パラメータを表し、
    θi(t)はi番目のデータシンボルに適用される位相回転量を表し、
    J(θ)は目的関数を表し、
    τは正定数を表す、
    ことを特徴とする請求項1記載の送信機。
  3. 送信シンボル中のデータシンボルに適用された位相回転量を導出可能な制御情報が、前記送信シンボルに付随して送信される
    ことを特徴とする請求項1記載の送信機。
  4. 直交周波数分割多重(OFDM)方式で送信シンボルを送信するための方法であって、
    複素ニューラルネットワークを利用して位相回転量を決定する位相算出ステップと、
    N個のデータシンボル各々の位相回転量を調整するステップと、
    位相調整後のデータシンボルを逆フーリエ変換し、送信シンボルを生成するステップと、
    を有し、前記位相算出ステップは、N個のニューロンの各々で、仮決定された位相回転が適用されたN個の複素入力信号から、逆フーリエ変換後の1つの複素出力信号を導出するステップと、
    複素出力信号から目的関数の値を算出し、該値に応じて位相回転量を更新するステップと、
    を有し、導出された複素出力信号は次回の複素入力信号として各ニューロンで使用され、前記N個のデータシンボルに適用される位相回転量が、(2π/N)の整数倍である、方法。
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