JP4933977B2 - アンテナ装置および非接触型情報記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は電波を送信あるいは受信するアンテナ装置に関し、特に、非接触型情報記憶装置に好適に用いることができるアンテナ装置に関する。
近年、物品の管理や人の入退出管理等に、電波を用いて非接触で情報を読み取ることができる非接触型ICタグ(「RFIDタグ」、「ICタグ」等と呼ばれこともある)が用いられている。この非接触型ICタグは、処理回路(CPU)と、記憶回路と、送受信回路と、アンテナが一体に成形されている。非接触型ICタグは、ラベル形状、タグ形状、カード形状等の種々の形状に形成可能である。非接触型ICタグの処理回路は、アンテナで受信した電波に送信要求情報が含まれている場合には、記憶回路に書き込まれている情報(例えば、物品や人を識別する識別情報)を含む電波をアンテナから送信する。これにより、非接触型情報読取装置は、非接触型ICタグの記憶回路に書き込まれている情報を非接触で読み取ることができる。
非接触型ICタグの記憶回路に書き込まれている情報を読み取ることができる距離(通信可能距離)は、非接触型ICタグの後方(非接触型情報読取装置と反対側)に存在する物体(人体や金属)の影響によって短くなる。そこで、非接触ICタグの後方に存在する物体によって通信可能距離が短くなるのを防止するために、非接触型ICタグのアンテナの後方(非接触型ICタグのアンテナと物体との間)に反射部材を設け、非接触型情報読取装置から送信された電波を反射部材で反射させた後の反射波をアンテナに集中させる技術を用いることが特許文献1に開示されている。
特開2005−128906号公報
特許文献1に記載されている非接触型ICタグが、非接触型情報読取装置から送信された電波を受信する状態を図19に示す。なお、一般的に、送信部材(送信アンテナ)から送信された電波は受信部材(受信暗転)にほぼ平行に入射するものとみなすことができる。図19では、y軸方向に平行に伝播する電波R1、R2を例示的に示している。
図19に示すように、非接触型ICタグのアンテナは、反射部材で反射していない電波(直接波)R1と、電波R2が反射部材で1回反射した後の反射波(一次反射波)R2aを受信し、直接波R1と一次反射波R2aを合成する。
直接波R1と一次反射波R2aを合成した合成波の波高値(受信レベル)は、アンテナで直接波R1を受信した時の受信電波の位相とアンテナで一次反射波R2aを受信した時の受信電波の位相との位相差に対応する。アンテナで直接波R1を受信した時の受信電波の位相は、直接波R1の伝播距離(非接触型情報読取装置のアンテナから非接触型ICタグのアンテナまでの伝播距離)に対応する。また、アンテナで一次反射波R2aを受信した時の受信電波の位相は、一次反射波R2aの伝播距離(非接触型情報読取装置のアンテナから反射部材を介する非接触型ICタグのアンテナまでの伝播距離)に対応する位相差と、反射部材での反射による位相差の和である。一般的に、反射部材での反射による位相差(入射波と反射波の位相差)は、180°である。
ここで、185°の位相差を有する2つの電波を合成した合成波の波高値を図20に示す。図20において、破線は、第1の電波[sin(x)]の波高値を示し、一点鎖線は、第1の電波と185°の位相差を有する第2の電波[sin(x−185°)]の波高値を示し、実線は、合成波[sin(x)+sin(x−185°)]の波高値を示している。図20に示されているように、180°に近い位相差を有する2つの電波を合成した合成波の波高値は非常に小さい。
非接触型ICタグのアンテナで直接波R1と一次反射波R2aを受信する場合、アンテナで受信した直接波R1と一次反射波R2aを合成した合成波の波高値が小さいと、非接触型ICタグの記憶回路に書き込まれている情報を読み取ることができる距離(通信可能距離)が短くなる。このため、従来では、アンテナでの合成波の波高値(受信レベル)を高くして通信可能距離を長くするために、アンテナで受信する直接波R1の伝播距離と一次反射波R2aの伝播距離との伝播距離差に対応する位相差、すなわち、アンテナと反射部材との間の距離を調整している。このように、アンテナと反射部材との間の距離を調整する手法を用いる場合、アンテナと反射部材との間の距離が[λ/4](λ:非接触型情報読取装置から送信される電波の波長)付近では大きいが、[λ/4]以下になると小さくなる。したがって、従来の技術では、アンテナと反射部材との間の距離を短縮するのに限界がある。また、アンテナと反射部材との間の距離の短縮化に限界があるため、非接触型ICタグの小型化にも限界がある。特に、波長が長い電波を使用する場合には、アンテナと反射部材との間の距離の短縮化が要望される。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、アンテナと反射部材との間の距離を短縮しながら通信可能距離を長くすることができるアンテナ装置を提供し、また、小型化が可能で通信可能距離が長い非接触型情報記憶装置を提供することを目的とする。
本発明の第1発明は、請求項1に記載された構成を備えるアンテナ装置である。
本発明は、アンテナと反射部材を備えている。アンテナとしては、公知の種々の構成のアンテナを用いることができる。
反射部材は、平面形状に形成された第1の反射面と第2の反射面を有している。第1の反射面と第2の反射面は、180°以下の接続角度で接続されている。第1および第2の反射面は、電波を反射可能な種々の材料によって形成することができる。例えば、銀、アルミニウム、銅等の金属で形成された部材の表面を第1および第2の反射面として用いることができる。あるいは、樹脂等で形成された部材の表面に銀、アルミニウム、銅等の金属被膜を形成し、金属被膜の表面を第1および第2の反射面として用いることができる。金属性の部材や樹脂性の部材等の形状は適宜選択可能であるが、好適には板状に形成される。
「平面形状に形成された反射面」は、部材の加工精度や被膜成形精度等によって定まる面粗度を有する平面に形成された反射面を意味する。「第1の反射面と第2の反射面が180°以下の接続角度で接続されている」構成は、典型的には、第1の反射面と第2の反射面との接続部が直線(略直線を含む)であり、接続部を中心とする第1の反射面と第2の反射面の角度が180°以下である構成が対応する。
そして、アンテナは、当該アンテナで電波を受信可能な方向のうちの少なくとも一つの方向に平行に電波が伝播する時に、第1の反射面あるいは第2の反射面で反射していない電波(直接波)と、第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波を受信し、第1の反射面あるいは第2の反射面の一方の反射面で反射した後の一次反射波を受信しないように配置されている。アンテナが直接波と二次反射波を受信し、一次反射波を受信しないようにアンテナを配置する配置態様としては、典型的には、反射部材に対するアンテナの配置状態(配置位置や配置方向)を設定する態様が用いられる。反射部材に対するアンテナの配置状態は、主に、第1の反射面と第2の反射面の大きさ、第1の反射面と第2の反射面の接続角度によって決定される。「一次反射波」は、1回反射した後の反射波を意味し、「二次反射波」は、2回反射した後の反射波を意味する。
「アンテナで電波を受信可能な方向のうちの少なくとも一つの方向」は、アンテナに対する相対的な方向を表している。このため、「アンテナで電波を受信可能な方向のうちの少なくとも一つの方向に電波が伝播する時」は、例えば、電波を送信する送信部材(送信アンテナ)に対するアンテナ(アンテナ装置)の配置状態(配置位置や配置角度)あるいはアンテナ(アンテナ装置)に対する送信部材(送信アンテナ)の配置状態(配置位置や配置角度)が所定の状態となった時が対応する。なお、伝播方向が異なる複数の電波を受信可能なアンテナを用いる場合には、アンテナを反射部材に対して配置した状態において、複数の伝播方向に対して、アンテナが直接波と二次反射波を受信することが可能である。
電波が第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射することにより発生する位相差は、第1の反射面での反射により発生する位相差と第2の反射面での反射により発生する位相差の和(=180°+180°=360°)である。このため、アンテナで、第1の反射面あるいは第2の反射面で反射していない電波(直接波)と、第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波を受信する場合には、アンテナで受信した直接波と二次反射波の位相差は、送信部材(送信アンテナ)から第1の反射面と第2の反射面を介さないアンテナまでの伝播距離と、送信部材(送信アンテナ)から第1の反射面と第2の反射面を介するアンテナまでの伝播距離との伝播距離差に対応する。伝播距離差に対応する位相差は、伝播距離差が小さいほど(アンテナと反射部材との間の距離が短いほど)小さくなる。したがって、アンテナと反射部材を近くに配置するほど、アンテナで受信した直接波と二次反射波の位相差(波形のずれ)が小さくなって、アンテナで受信した直接波と二次反射波を合成した合成波の波高値(受信レベル)が大きくなり、通信可能距離が長くなる。なお、アンテナで受信した直接波と、当該直接波と位相が[360°±伝播距離差に対応する位相差]異なる二次反射波を合成した合成波からでも、十分な検出精度で情報を検出(復調)することができる。
本発明では、アンテナで電波を受信可能な方向のうちの少なくとも一つの方向に平行に電波が伝播する時に、アンテナは、第1の反射面あるいは第2の反射面で反射していない電波(直接波)と、第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波を受信し、第1の反射面あるいは第2の反射面で反射した後の一次反射波を受信しない。このように、直接波と、2回の反射によって直接波と360°の位相差を有する二次反射波をアンテナで受信し、1回の反射によって直接波と180°の位相差を有する一次反射波をアンテナで受信しないため、アンテナで合成される合成波の波高値(受信レベル)を大きくすることができる。しかも、合成波の波高値(受信レベル)は、アンテナと反射部材との間の距離が短いほど大きくなる。したがって、アンテナと反射部材との間の距離を短縮しながら、通信可能距離を長くすることができる。また、アンテナと反射部材との間の距離の短縮化によって、アンテナ装置の小型化も可能となる。
本発明は、電波を受信する受信アンテナ装置として好適に用いることができる。
本発明の第2発明は、請求項2に記載された構成を備えるアンテナ装置である。
本発明では、アンテナは、少なくとも一つの方向に平行に伝播する電波(直接波)を受信した時の受信電波の位相角度と、少なくとも一つの方向に平行に伝播する電波が第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波を受信した時の受信電波の位相角度との位相角度差が[π/2]以内となるように配置されている。アンテナで直接波を受信した時の受信電波の位相とアンテナで二次反射波を受信した時の受信電波の位相との位相差が[π/2]以内となるようにアンテナを配置する配置態様としては、典型的には、反射部材に対するアンテナの配置状態(配置位置や配置方向)を設定する態様が用いられる。
なお、アンテナで直接波を受信した時の受信電波の位相とアンテナで二次反射波を受信した時の受信電波の位相との位相角度差が[π/2]以内であることは、アンテナで受信した直接波の伝播経路の距離とアンテナで受信した二次反射波の伝播経路の距離との伝播距離差が[λ/4](λ:電波の波長)以内であることと等価である。したがって、アンテナで直接波を受信した時の受信電波の位相とアンテナで二次反射波を受信した時の受信電波の位相との位相角度差が[π/2]以内となるようにアンテナを配置する構成には、アンテナで受信した直接波の伝播経路の距離とアンテナで受信した二次反射波の伝播経路の距離との伝播距離差が[λ/4]以内となるようにアンテナを配置する構成が包含される。
本発明では、アンテナで受信される直接波の伝播経路の距離とアンテナで受信される二次反射波の伝播経路の距離との伝播距離差に対応する位相角度差の増加、すなわち、アンテナで合成された合成波の波高値の低減を抑制することができる。これにより、アンテナで二次反射波を受信することによって通信可能距離を長くする効果を有効に利用することができる。
本発明の第3発明は、請求項3に記載された構成を備えるアンテナ装置である。
本発明は、アンテナと反射部材を備えている。アンテナとしては、公知の種々の構成のアンテナを用いることができる。
反射部材は、平面形状に形成された第1の反射面と第2の反射面を有している。第1の反射面と第2の反射面は、180°以下の接続角度で接続されている。第1および第2の反射面は、前記した方法で形成することができる。
そして、アンテナは、アンテナから送信された電波が第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波のうちの少なくとも一つの二次反射波の伝播方向が、アンテナから電波を送信可能な方向のうちの少なくとも一つの方向と平行になり、また、アンテナに対して当該少なくとも一つの方向に位置する受信部材が、アンテナから送信された電波が第1の反射面あるいは第2の反射面の一方の反射面で反射した後の一次反射波を受信しないように配置されている。少なくとも一つの二次反射波の伝播方向がアンテナから電波を送信可能な方向のうちの少なくとも一つの方向と平行になり、また、アンテナに対して当該少なくとも一つの方向に位置する受信部材が、アンテナから送信された電波が第1の反射面あるいは第2の反射面の一方の反射面で反射した後の一次反射波を受信しないようにアンテナを配置する配置態様としては、典型的には、反射部材に対するアンテナの配置状態(配置位置や配置方向)を設定する態様が用いられる。
なお、アンテナを反射部材に対して配置した状態において、二次反射波の異なる伝播方向に対して、二次反射波の伝播方向がアンテナから電波を送信可能な方向のうちの一つの方向と平行となることがある。
前述したように、電波が第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射することにより発生する位相差は、第1の反射面での反射により発生する位相差と第2の反射面での反射により発生する位相差の和(=180°+180°=360°)である。このため、受信部材(受信アンテナ)で受信した、アンテナから送信された電波(直接波)と、アンテナから送信された電波(直接波)を第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射させた後の二次反射波の位相差は、アンテナから第1の反射面と第2の反射面を介さない受信部材(受信アンテナ)までの伝播距離と、アンテナから第1の反射面と第2の反射面を介する受信部材(受信アンテナ)までの伝播距離との伝播距離差に対応する。この伝播距離差に対応する位相差は、伝播距離差が小さいほど小さくなる。また、伝播距離差は、アンテナと反射部材との間の距離を短くするほど小さくなる。したがって、アンテナと反射部材を近くに配置するほど、受信部材(受信アンテナ)で受信した直接波と二次反射波の位相差(波形のずれ)が小さくなって、受信部材で受信した直接波と二次反射波を合成した合成波の波高値(受信レベル)が大きくなり、通信可能距離が長くなる。
また、アンテナに対して少なくとも一つの方向に位置する受信部材(受信アンテナ)で直接波と二次反射波を受信している時には、第1の反射面あるいは第2の反射面で反射した後の一次反射波を受信しないようにアンテナが配置されるため、アンテナと反射部材の間の距離を短縮しながら通信可能距離を長くすることができる。
本発明では、アンテナに対して少なくとも一つの方向に位置する受信部材(受信アンテナ)は、少なくとも一つの方向に平行に伝播する直接波と二次反射波を受信し、一次反射波を受信しないため、合成波の波高値(受信レベル)が大きくなる。しかも、合成波の波高値(受信レベル)は、アンテナと反射部材との間の距離が短いほど大きくなる。したがって、アンテナと反射部材との間の距離を短縮しながら、通信可能距離を長くすることができる。また、アンテナと反射部材との間の距離の短縮化によって、アンテナ装置の小型化も可能となる。
本発明は、電波を送信する送信アンテナ装置として好適に用いることができる。
本発明の第4発明は、請求項4に記載された構成を備えるアンテナ装置である。
アンテナの後方に人体や金属等の物体が存在する場合には、アンテナの後方に存在する物体がアンテナでの電波の受信動作やアンテナからの電波の送信動作に影響を及ぼす虞がある。
本発明では、アンテナは、アンテナから少なくとも一つの方向に平行に引いた線が第1の反射面あるいは第2の反射面の一方の反射面と交差するように配置されている。
アンテナの配置態様としては、アンテナから複数の方向に引いた線が第1の反射面あるいは第2の反射面と交差するようにアンテナを配置する配置態様や、アンテナから少なくとも一つの方向に平行に引いた線が第1の反射面あるいは第2の反射面と交差するが、他の方向に平行に引いた線の少なくとも一部は第1の反射面および第2の反射面と交差しないようにアンテナを配置する配置態様を用いることができる。
本発明では、少なくとも一つの方向に伝播する電波をアンテナで受信する際あるいはアンテナに対して少なくとも一つの方向に存在する受信部材(受信アンテナ)に電波を送信する際に、アンテナの後方に存在する物体(例えば、人体や金属)による影響を防止することができる。
本発明は、電波を受信する受信アンテナ装置あるいは電波を送信する送信アンテナ装置あるいは電波を送受信する送受信アンテナ装置として用いることができる。
本発明の第5発明は、請求項5に記載された構成を備えるアンテナ装置である。
アンテナから第1の反射面に直角に引いた線(垂線)が第1の反射面と交差する場合には、アンテナから送信された電波(直接波)の一部が第1の反射面で反射し、一次反射波がアンテナ方向に伝播する。この一次反射波は、直接波と180°の位相差を有しているため、アンテナから送信される電波(直接波)の波高値が一次反射波によって小さくなり、通信可能距離が短くなる虞がある。アンテナから第2の反射面に直角に引いた線(垂線)が第2の反射面と交差する場合も、同様に、通信可能距離が短くなる虞がある。
本発明では、アンテナは、アンテナから第1の反射面に直角に引いた線が第1の反射面と交差しないとともに、アンテナから第2の反射面に直角に引いた線が第2の反射面と交差しないように配置されている。
本発明は、アンテナから送信された電波が第1の反射面あるいは第2の反射面で反射した後の一次反射波がアンテナの方向に伝播されるのを防止している。これにより、アンテナから送信される電波の波高値が一次反射波によって小さくなるのを防止することができ、通信可能距離の低下を防止することができる。
本発明は、電波を送信する送信アンテナ装置あるいは電波を送受信する送受信アンテナ装置として好適に用いることができる。
本発明の第6発明は、請求項6に記載された構成を備えるアンテナ装置である。
本発明では、第1の反射面と第2の反射面が90°の接続角度で接続されている。なお、90°には、略90°(85°〜95°)が含まれる。
第1の反射面と第2の反射面を90°(略90°を含む)の接続角度で接続することにより、前述した条件が満足されるアンテナの配置領域を容易に判別することができる。これにより、反射部材に対してアンテナを配置する配置作業を容易に行うことができる。
本発明の第7発明は、請求項7に記載された構成を備える非接触型情報記憶装置である。
本発明は、処理回路と、記憶回路と、送信回路、受信回路および送受信回路のうちの少なくとも1つと、アンテナ装置を備えている。そして、アンテナ装置として前述したアンテナ装置のいずれかを用いている。
本発明では、アンテナと反射部材との間の距離を短縮しながら通信可能距離を短くすることができる。また、アンテナと反射部材との間の距離の短縮化にともなって、非接触型情報記憶装置を小型化することができる。
本発明の第8発明は、請求項8に記載された構成を備える非接触型情報記憶装置である。
本発明では、処理回路と、記憶回路と、送信回路、受信回路および送受信回路のうちの少なくとも1つと、アンテナ装置を構成するアンテナが一体成形されている。そして、一体成形された成形体に、アンテナ装置を構成する反射部材が取り付けられている。
本発明では、一体成形された成形体として市販の非接触型ICタグ、RFIDタグ、ICタグ等を用いることができる。これにより、非接触型情報記憶装置を安価に、簡単に構成することができる。
請求項1〜6に記載のアンテナ装置を用いることにより、アンテナ素子と反射部材との間の距離を短縮しながら通信可能距離を長くすることができる。また、請求項7または8に記載の非接触型情報記憶装置を用いることにより、小型で、通信可能距離が長い非接触型情報記憶装置を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。本実施の形態は、公知の非接触型ICタグ(RFIDタグあるいはICタグ等とも呼ばれている)を用いて本発明の非接触型情報記憶装置を構成したものである。なお、以下では、非接触型ICタグ、RFIDタグ、ICタグ等を総称して「非接触型ICタグ」という。
先ず、非接触ICタグ10と非接触型情報読取装置80の一例を図1に示す。図1に示す非接触型ICタグ10と非接触型情報読取装置80は、例えば、UHF帯の電波を用いて通信を行う。
非接触型ICタグ10は、ICチップ20とアンテナ30が一体に成形されている。非接触型ICタグ10は、ラベル形状、タグ形状、カード形状等の種々の形状に成形可能である。図1に示されている非接触型ICタグ10は、ICチップ20とフィルム状のアンテナ30を樹脂によってシート状に一体成形されている。ICチップ20には、CPUにより構成される処理回路21、ROMやRAMにより構成される記憶回路、情報を含む電波をアンテナ30から送信あるいはアンテナ30で受信した電波から情報を検出(復調)するための送受信回路23が設けられている。非接触型ICタグの各回路に電源を供給する手法としては、電池等の内蔵電源から供給する手法やアンテナ30で受信した電波を電源に変換して供給する手法等を用いることができる。
非接触型情報読取装置60は、CPUにより構成される処理回路81、ROMやRAMにより構成される記憶回路82、送受信回路83、アンテナ84を備えている。
非接触型ICタグ10と非接触型情報読取装置80の動作は公知であるため、簡単に説明する。
非接触型情報読取装置80の処理回路81は、送信要求情報を含む電波をアンテナ84から送信する送信動作と、アンテナ84で受信した電波に含まれている情報を検出する受信動作を繰り返しあるいは間欠的に行う。
非接触型ICタグ10の処理回路21は、アンテナ30で受信した電波に含まれている情報を検出する受信動作を間欠的に実行する。あるいは、アンテナ30で電波を受信した場合に受信動作を実行する。非接触型ICタグ10が非接触型情報読取装置80との通信が可能な通信可能範囲内に存在すると、処理回路21は、受信した電波に送信要求情報が含まれていることを検出する。これにより、記憶回路23に書き込まれている情報(例えば、物品を識別する物品識別情報や個人を識別する個人識別情報)を含む電波をアンテナ30から送信する。
非接触型情報読取装置80の処理回路81は、アンテナ84で受信した電波に非接触型ICタグ10に書き込まれている情報が含まれていることを検出すると、検出した情報に基づいて適宜の処理を行う。例えば、物品の搬出や人の入室等を管理している管理装置に、検出した情報(物品識別情報や個人識別情報)を送信する。
前述したように、非接触型ICタグ10の後方に物体(人体や金属等)が存在すると、非接触型ICタグ10の記憶回路22に書き込まれている情報を非接触型情報読取装置80で読み取ることができる距離(通信可能距離)が短くなる。この非接触型ICタグ10の後方に存在する物体(人体や金属等)によって通信可能距離が短くなるのを防止する手法としては、非接触型ICタグ10の後方、すなわち、非接触型ICタグ10(詳しくは、非接触型ICタグ10のアンテナ30)と物体との間に反射部材を設ける手法を用いることができる。ここで、非接触型ICタグ10のアンテナ30が、アンテナ30の後方に配置されている反射部材で反射していない電波(「直接波」という)と反射部材で1回反射した後の反射波(「一次反射波」という)を受信して合成する場合には、合成波の波高値を高くして通信可能距離を短くするために、アンテナと反射部材との間の距離を[λ/4](λ:非接触型情報読取装置から送信される電波の波長)付近に調整する必要がある。この場合、アンテナと反射部材との間の距離を短縮するのに限界がある。
本発明者らは、非接触型ICタグ10の記憶回路22に書き込まれている情報を読み取ることができる距離(通信可能距離)を長くすることができるとともに、非接触型ICタグ10と非接触型ICタグ10の後方(非接触型ICタグ10と物体との間)に配置される反射部材との間の距離を短縮することができる手法について種々検討した結果、非接触型ICタグ10のアンテナ30が、反射部材で2回反射した後の反射波(「二次反射波」という)を受信するように構成することによって、通信可能距離を長くすることができるとともに、アンテナ30と反射部材との間の距離を短縮することができることを見出した。
アンテナ30が二次反射波を受信する状態を図10に示す。図10では、非接触型情報読取装置80(アンテナ84)から送信され、y軸方向に平行に伝播する電波R1、R2を例示的に示している。
図19に示されているように、直接波R2は、反射部材40の第1の反射面41Aで反射して反射波(一次反射波)R2aとなり、さらに、反射部材40の第2の反射面42Aで反射して反射波(二次反射波)R2bとなってアンテナ20の方向に伝播する。すなわち、アンテナ30は、直接波R1と、直接波R2が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波R2bを受信する。電波を2回反射させた場合、2回の反射による位相差は、各反射による位相差の和(=180°+180°=360°)となる。これにより、アンテナ30で直接波R1と二次反射波R2bを受信する場合には、アンテナ30で直接波R1を受信した時の受信電波の位相とアンテナ30で二次反射波R2bを受信した時の受信電波の位相との位相差は、アンテナ30で受信した直接波R1の伝播距離とアンテナ30で受信した二次反射波R2bの伝播距離との伝播距離差に対応する位相差となる。直接波R1の伝播距離は、非接触型情報読取装置80のアンテナ84から送信された電波が、第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aを介さないでアンテナ30に到達する伝播経路の伝播距離である。二次反射波R2bの伝播距離は、非接触型情報読取装置80のアンテナ84から送信された電波が、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aを介してアンテナ30に到達する伝播経路の伝播距離である。
このように、アンテナ30で二次反射波を受信するように構成することにより、反射による位相差に起因する合成波の波高値(受信レベル)の低下を防止することができる。
また、アンテナ30で受信する直接波R1の伝播距離とアンテナ30で受信する二次反射波R2bの伝播距離との伝播距離差は、アンテナ30と反射部材40(第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42A)との間の距離に依存する。すなわち、アンテナ30で受信する直接波R1の伝播距離とアンテナ30で受信する二次反射波R2bの伝播距離との伝播距離差は、アンテナ30と反射部材40との間の距離が短いほど短くなる。このため、アンテナ30で直接波R1と二次反射波R2bを受信する場合には、アンテナ30で直接波R1を受信した時の受信電波の位相とアンテナ30で二次反射波R2bを受信した時の受信電波の位相との位相差は、非接触型ICタグ10のアンテナ30と反射部材40との間の距離が短いほど小さくなる。
ここで、15°(=360°+15°)の位相差を有する2つの電波を合成した合成波の波高値を図11に示す。図11において、破線は、第1の電波[sin(x)]の波高値を示し、一点鎖線は、第1の電波と15°の位相差を有する第2の電波[sin(x−15°)]の波高値を示し、実線は、合成波[sin(x)+sin(x−15°)]の波高値を示している。図11に示されているように、0°あるいは360°に近い位相差を有する2つの電波を合成した合成波の波高値は非常に大きい。
以上のように、アンテナで二次反射波を受信するように構成することにより、アンテナでの合成波の波高値を高め、通信可能距離を長くすることができる。また、アンテナと反射部材との間の距離も短縮することができる。
なお、アンテナで二次反射波とともに一次反射波を受信するように構成する場合には、一次反射波によって合成波の波高値が小さくなる。このため、アンテナで二次反射波を受信し、一次反射を受信しないように構成するのが好ましいが、合成波の波高値が一定値以上となるように一次反射波を受信するように構成してもよい。
次に、本発明の非接触型情報記憶装置の一実施の形態の概略構成を図2に示す。本実施の形態は、図1に示されている非接触型ICタグ10に、反射部材40を取り付けて構成されている。なお、説明を簡略化するために、図2では、非接触型ICタグ10のアンテナ30をロッドアンテナで表し、非接触型ICタグ10の処理回路21、記憶回路22、送受信回路23の図示は省略している。また、図2では、説明を簡略化するために、反射部材40の接続部40Aの長さ方向(アンテナ30の長さ方向)をz軸に平行とし、接続部40Aの長さ方向に直角な断面(図2のIII−III線断面)を[x軸−y軸]平面に平行な面として、左右方向をx軸に平行に設定し、上下方向をy軸に平行に設定している。そして、非接触型情報記憶装置の周囲では、y軸に平行な方向に電波が伝播するものとしている。勿論、非接触型情報読取装置80(アンテナ84)に対する非接触型情報記憶装置の配置状態(配置位置や配置角度)によって、非接触型情報記憶装置の周囲における電波の伝播方向は変化する。
非接触型ICタグ10に反射部材40を取り付けることにより、処理回路、記憶回路、送受信回路、アンテナとして、市販の非接触型ICタグ10に一体成形されている処理回路、記憶回路、送受信回路、アンテナを用いることができるため、本発明の非接触型情報記憶装置を簡単に構成することができる。また、アンテナを反射部材に取り付ける作業も容易となる。
アンテナ30は、本発明のアンテナ装置の「アンテナ」あるいは本発明の非接触型情報記憶装置の「アンテナ」に対応する。反射部材40は、本発明のアンテナ装置の「反射部材」あるいは本発明の非接触型情報記憶装置の「反射部材」に対応する。また、処理回路21、記憶回路22、送受信回路23は、それぞれ本発明の非接触型情報記憶装置の「処理回路」、「記憶回路」、「送受信回路」に対応する。
反射部材40は、第1の反射部材41と第2の反射部材42を有している。第1の反射部材41と第2の反射部材42は、別体に形成してもよいが、一体に形成するのが好ましい。第1の反射部材41の一方側の面には第1の反射面41Aが形成され、第2の反射部材42の一方側の面には第2の反射面42Aが形成される。第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aは、平面形状に形成されている。本実施の形態では、第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aは、アンテナ30の長さ方向(長手方向)に長い長方形に形成されている。図2では、第1の反射面41Aは、長辺の長さ(z軸方向の長さ)がL、短辺の長さがMであり、第2の反射面42Aは、長辺の長さがL、短辺の長さがNである。本実施の形態では、(M<N)に設定されている。勿論、第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aの大きさや形状は適宜選択することができる。なお、第1の反射面41Aの短辺のx軸方向およびy軸方向の長さはMxおよびMyで表し、第2の反射面42Aの短辺のx軸方向及びy軸方向の長さはNxおよびNyで表している(例えば、図3参照)
また、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aは、接続部40Aを中心に接続角度θで接続されている。本実施の形態では、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aは、直線状の接続部40Aで接続されている。第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの接続角度θは、180°以下の範囲内の角度に設定される。すなわち、接続部材40の第1の反射面41Aと第2の反射面42Aは、接続部40Aの長さ方向に直角な断面(例えば、図2のIII−III線矢視図である図3)で見て、V字状に接続されている。
第1の反射面41Aと第2の反射面42Aは、電波を反射可能な種々の材料によって形成される。また、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの形成方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、銀、アルミニウム、銅等の金属によって板状(あるいはシート状)に形成され、接続角度θで接続されている第1および第2の金属板(あるいは金属シート)の互いに対向する面を、第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aとして用いることができる。あるいは、樹脂によって板状(あるいはシート状)に形成され、接続角度θで接続されている第1及び第2の樹脂板(あるいは樹脂シート)の互いに対向する面に銀、アルミニウム、銅等の金属被膜を形成し、形成した金属被膜それぞれの表面を第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aとして用いることができる。
なお、「平面形状の反射面」は、部材の加工精度や被膜成形精度等によって定まる面粗度を有する平らな反射面を意味する。
アンテナ30(あるいは非接触型ICタグ10)は、反射部材40の第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aに対向する側(第1の反射面41Aと第2の反射面42Aで挟まれる側)に配置される。なお、図2には図示を省略しているが、アンテナ30(非接触型ICタグ10)を反射部材40に取り付ける取り付け部材が設けられている。アンテナ30(非接触型ICタグ10)を反射部材40に取り付ける取り付け部材としては、種々の構成の取り付け部材を用いることができる。本実施の形態の非接触型情報記憶装置は、アンテナ30と物体(人体や金属)との間に反射部材40が配置されるように、人が携帯し、あるいは、物品に取り付けられる。
前述したように、アンテナ30の後方に物体(人体や金属等)が存在すると、アンテナの後方に存在する物体の影響によって通信可能距離が短くなる虞がある。また、本実施の形態では、少なくとも、y軸に平行な方向に電波が伝播する時に、アンテナで直接波と二次反射波を受信するように構成している。したがって、少なくとも、y軸方向に平行に見た時に、アンテナ30と物体の間が反射部材40で遮蔽されるように(すなわち、アンテナ30からy軸方向に平行に引いた線が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aと交差するように)、反射部材40の大きさや、アンテナ30(非接触型ICタグ10)に対する反射部材40の配置状態が設定される。例えば、反射部材40のz軸方向の長さ(接続部40Aの長さ方向の長さ方向の一方側の端部40aと他方側の端部40bの間の長さ)Lが、アンテナ30のz軸方向の長さ(長さ方向の一方側の端部30aと他方側の端部30bの間の長さ)Kより大きくなり、反射部材40のx軸方向の長さ(=Mx+Ny)が、アンテナ30のx軸方向の長さJより大きくなるように、反射部材40が形成されている。
以上のような構成を備える本実施の形態の非接触型情報記憶装置において、非接触型情報読取装置80(アンテナ84)から送信された電波をアンテナ30で受信する際に、アンテナ30が二次反射波を受信し、一次反射波を受信しない領域について説明する。
先ず、アンテナ30が一次反射波を受信しない領域について、図3〜図5を用いて説明する。図3〜図5は、図2のIII−III線断面図(x軸-y軸平面に平行な断面図)である。また、図3〜図5では、アンテナ30の周囲では、y軸に平行な方向に電波が伝播するものとしている。また、図3〜図5では、説明を簡略化するために、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの接続部40Aを座標(0,0)に設定し、また、送信部材(送信アンテナ)から送信される電波がy軸に平行に伝播するものとしている。後述する他の図面も同様に設定されている。
なお、以下で説明する、y軸に平行な伝播方向が本発明の「少なくとも一つの方向」に対応する。
図3では、接続角度θが、[90°<θ<180°]の範囲内に設定され、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの接続部40Aからy軸に平行に引いた線p1と第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aとの間の角度θ1およびθ2が、[0°<θ1<90°]、[0°<θ2<90°]の範囲内に設定されている。図4では、接続角度θが90°に設定され、角度θ1およびθ2が45°に設定されている。図5では、接続角度θが、[0°<θ<90°]の範囲内に設定されている。
接続部40Aの長さ方向に直角な断面で見て、図3に示す形状を有する反射部材40を使用する場合には、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波と第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域が存在する。
第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の第1の境界は、電波A1が第1の反射面41Aの端部41aで反射した後の反射波A2の伝播方向である。第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の第2の境界は、電波P1が第1の反射面41Aの接続部40Aで反射した後の反射波P2の伝播方向である。すなわち、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向である線a2より大きい領域と、反射波P2の伝播方向である線p2より小さい領域である。
第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の第1の境界は、電波B1が第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波B2の伝播方向である。第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の第2の境界は、電波P1が第2の反射面41Aの接続部40Aで反射した後の反射波P3の伝播方向である。すなわち、第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波B2の伝播方向である線b2より大きい領域と、反射波P3の伝播方向である線p3より小さい領域である。
なお、前述したように、本実施の形態では、少なくとも、y軸方向に平行に見た時に、アンテナ30と人体や金属等の物体との間が反射部材40で遮蔽されるように、アンテナ30が反射部材40に対して配置される。すなわち、アンテナ30は、第1の反射面41Aの端部41aからy軸に平行に引いた線a1と、第2の反射面42Aからy軸に平行に引いた線b1の間の領域に配置される。すなわち、xの座標値が、(Mx=M・sinθ1)より小さく、(Nx=N・sinθ2)より大きい領域に配置される。
したがって、図3に示す反射部材40を使用する場合には、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、線a1、a2、b1、b2により囲まれる領域Q1と、線a1、a2、p3により囲まれる領域Q2と、線b1、b2、p2により囲まれる領域Q3である。
なお、図3に示す各線は、以下のように表される。
電波A1の伝播方向を示す線a1は、[1式]で表される。
Figure 0004933977
[1式]
反射波A2の伝播方向を示す線a2は、[2式]で表される。
Figure 0004933977
[2式]
電波B1の伝播方向を示す線b1は、[3式]で表される。
Figure 0004933977
[3式]
反射波B2の伝播方向を示す線b2は、[4式]で表される。
Figure 0004933977
[4式]
反射波P2の伝播方向を示す線p2は、[5式]で表される。
Figure 0004933977
[5式]
反射波P3の伝播方向を示す線p3は、[6式]で表される。
Figure 0004933977
[6式]
接続部40Aの長さ方向に直角な断面で見て、図4に示す形状を有する反射部材40を使用する場合には、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波と第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域が存在する。
第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波A1が第1の反射面41Aの端部41aで反射した後の反射波A2の伝播方向である。すなわち、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向である線a2より大きい領域である。
第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波B1が第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波B2の伝播方向である。すなわち、第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波B2の伝播方向である線b2より大きい領域である。
したがって、図4に示す反射部材40を使用する場合には、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、線a1、b1、b2により囲まれる領域Q1である。
なお、図4に示す各線は、以下のように表される。
電波A1の伝播方向を示す線a1は、[7式]で表される。
Figure 0004933977
[7式]
電波B1の伝播方向を示す線b1は、[8式]で表される。
Figure 0004933977
[8式]
反射波B2の伝播方向を示す線b2は、[9式]で表される。
Figure 0004933977
[9式]
接続部40Aの長さ方向に直角な断面で見て、図5に示す形状を有する反射部材40を使用する場合には、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波と第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域が存在する。
第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波A1が第1の反射面41Aの端部41aで反射した後の反射波A2の伝播方向である。すなわち、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向である線a2より大きい領域である。
第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波B1が第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波B2の伝播方向である。すなわち、第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波B2の伝播方向である線b2より大きい領域である。
したがって、図5に示す反射部材40を使用する場合には、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、線a1、a2、b1、b2により囲まれる領域Q1である。
なお、図5に示す各線は、以下のように表される。
電波A1の伝播方向を示す線a1は[1式]で表され、電波B1の伝播方向を示す線b1は[3式]で表される。
反射波A2の伝播方向を示す線a2は、[10式]で表される。
Figure 0004933977
[10式]
反射波B2の伝播方向を示す線b2は、[11式]で表される。
Figure 0004933977
[11式]
次に、アンテナ30が二次反射を受信する領域について、図6により説明する。
y軸に平行に伝播する電波A1が第1の反射面41Aで反射した後の反射波A2の傾きは、−(2・θ1−90°)である。y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射するためには、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aで反射した後の反射波の伝播方向を示す線が第2の反射面と交差する必要がある。ここで、第2の反射面42Aの傾きは、−(90°−θ2)で表される。したがって、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射するためには、[(90°−θ2)>(2・θ1−90°)]を満足する必要がある。
同様に、y軸に平行に伝播する電波が第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射するためには、[(90°−θ1)>(2・θ2−90°)]を満足する必要がある。
図6に示す反射部材40において、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の二次反射波を受信する領域の第1の境界は、電波C1が第1の反射面41Aで反射した後の反射波C2が第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波C3の伝播方向である。y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の二次反射波を受信する領域の第2の境界は、電波P1が第1の反射面41Aの接続部40Aおよび第2の反射面42Aの接続部40Aで反射した後の反射波P2の伝播方向である。反射波P2の伝播方向は、反射波C3の伝播方向と平行である。すなわち、第1の反射面41Aで反射した、さらに第2の反射面42Aで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波P2の伝播方向である線p2より小さく、且つ、反射波C3の伝播方向である線c3より大きい領域である。
また、y軸に平行に伝播する電波が第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の二次反射波を受信する領域の第1の境界は、電波D1が第2の反射面42Aで反射した後の反射波D2が第1の反射面41Aの端部41aで反射した後の反射波D3の伝播方向である。y軸に平行に伝播する電波が第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の二次反射波を受信する領域の第2の境界は、電波P1が第2の反射面42Aの接続部40Aおよび第1の反射面41Aの接続部40Aで反射した後の反射波P3の伝播方向である。反射波P3の伝播方向は、反射波D3の伝播方向と平行である。すなわち、第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波P3の伝播方向である線p3より小さく、且つ、反射波D3の伝播方向である線d3より大きい領域である。
したがって、図6に示す反射部材40を使用する場合には、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、線b1、p2、第2の反射面42Aを表す線42qにより囲まれる領域R1と、線a1、p3、第1の反射面41Aを表す線41qにより囲まれる領域R2である。
なお、図6に示す各線は、以下のように表される。
電波A1の伝播方向を示す線a1は[1式]で表され、電波B1の伝播方向を示す線bは[3式]で表される。
反射波P2の伝播方向を示す線p2は、[12式]で表される。
Figure 0004933977
[12式]
反射波P3の伝播方向を示す線p3は、[13式]で表される。
Figure 0004933977
[13式]
第1の反射面41Aを示す線41qは、[14式]で表される。
Figure 0004933977
[14式]
第2の反射面42Aを示す線42qは、[15式]で表される。
Figure 0004933977
[15式]
本実施の形態の非接触型情報記憶装置において、非接触型情報読取装置80(アンテナ84)から送信された電波をアンテナ30で受信する際に、アンテナ30が二次反射波を受信し、一次反射波を受信しない領域は、前述した、アンテナ30が一次反射波を受信しない領域とアンテナ30が二次反射波を受信する領域が重なっている領域である。
アンテナ30が二次反射を受信し、一次反射波を受信しない領域について、図7〜図9を用いて説明する。
図7では、接続角度θが、[90°<θ<180°]の範囲内に設定され、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの接続部40Aからy軸に平行に引いた線p1と第1の反射面41Aおよび第2の反射面42Aとの間の角度θ1およびθ2が、[0°<θ1<90°]、[0°<θ2<90°]の範囲内に設定されている。図8では、接続角度θが90°に設定され、角度θ1およびθ2が45°に設定されている。図9では、接続角度θが、[0°<θ<90°]の範囲内に設定されている。
図7に示す反射部材40を使用する場合、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界と、第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域の境界によって定まる。第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波A1が第1の反射面41Aの端部41aで反射した後の反射波A2の伝播方向を示す線a2である。第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波B1が第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波B2の伝播方向を示す線b2である。第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域の境界は、第1の反射面41Aの端部41aからy軸に平行に引いた線a1と、第2の反射面42Aからy軸に平行に引いた線b1である。すなわち、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向を示す線a2および反射波B2の伝播方向を示す線b2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、線b1より大きい領域Q1である。
また、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の二次反射波を受信する領域の境界と、第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の二次反射を受信する領域の境界と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域の境界によって定まる。第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の二次反射を受信する領域の境界は、電波P1が第1の反射面41Aの接続部40Aおよび第2の反射面42Aの接続部40Aで反射した後の反射波P2の伝播方向を示す線p2である。線p2は、第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の反射波の伝播方向を示す線(例えば、反射波C3の伝播方向を示す線c2)と平行である。第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の二次反射を受信する領域の境界は、電波P1が第2の反射面42Aの接続部40Aおよび第1の反射面41Aの接続部40Aで反射した後の反射波P3の伝播方向を示す線p3である。線p3は、第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の反射波の伝播方向を示す線(例えば、反射波D3の伝播方向を示す線d2)と平行である。すなわち、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波P2の伝播方向を示す線p2より小さく、xの座標値が、線b1より大きい領域R1と、yの座標値が、反射波P3の伝播方向を示す線p3より小さく、xの座標値が、線a1より小さい領域R2である。
したがって、図7に示す反射部材40を使用する場合、二次反射波を受信し、一次反射はを受信しない領域は、領域Q1と領域R1が重なっている領域W1である。領域W1は、線a2、b2、p2、b1で囲まれている。
なお、図7に示す各線を表す式は、前述したとおりである。
図8に示す反射部材40を使用する場合、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、端部41a、42aのうちyの座標値が大きい(物体からの距離が長い)方の端部で反射した後の反射波の伝播方向を示す線(図8に示す反射部材40では、第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波B2の伝播方向を示す線b2)と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域の境界を示す線a1、b1によって定まる。すなわち、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波B2の伝播方向を示す線b2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、線b1より大きい領域Q1である。
また、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、端部41a、42aのうちyの座標値が小さい(物体からの距離が短い)方の端部で反射した後の反射波(一次反射)の伝播方向を示す線と、この反射波がさらに反射した後の反射波(二次反射波)の伝播方向を示す線(図8に示す反射部材40では、第1の反射面41Aの端部41aで反射した反射波A2の伝播方向を示す線a2と、反射波A2がさらに第2の反射面42Aで反射した後の反射波A3の伝播方向を示す線b2)と、端部41a、42aのうちyの座標値が小さい方の端部の配置位置を示す線(図8に示す反射部材40では、第1の反射面41Aの端部41aの配置位置を示す線a1)によって定まる。すなわち、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向を示す線a2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、反射波A3の伝播方向を示す線a3より大きい領域R1である。
したがって、図8に示す反射部材40を使用する場合、二次反射波を受信し、一次反射を受信しない領域は、領域Q1と領域R1が重なっている領域W1である。領域W1は、線a1、a3、b2で囲まれている。
なお、図8に示す線a2は、[16式]で表される。
Figure 0004933977
[16式]
線a3は、[17式]で表される。
Figure 0004933977
[17式]
線a1、b1、b2を表す式は、前述したとおりである。
図9に示す反射部材40を使用する場合、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界と、第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域の境界によって定まる。第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波A1が第1の反射面41Aの端部41aで反射した後の反射波A2の伝播方向を示す線a2である。第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信する領域の境界は、電波B1が第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波B2の伝播方向を示す線b2である。すなわち、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向を示す線a2および反射波B2の伝播方向を示す線b2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、線b1より大きい領域Q1である。
また、y軸に平行に伝播する電波が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の二次反射波を受信する領域の境界と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の反射波(三次反射波)を受信する領域の境界と、第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の二次反射を受信する領域の境界と、第2の反射面42Aと第1の反射面41Aそれぞれで反射し、さらに第2の反射面で反射した後の反射波(三次反射波)を受信する領域の境界と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域の境界によって定まる。
第1の反射面41Aで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の二次反射を受信する領域の境界は、電波A1が第1の反射面41Aの接続部40aで反射し(反射波A2)、さらに第2の反射面42Aで反射した後の反射波A3の伝播方向を示す線a3である。第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の三次反射波(3回反射した反射波)を受信する領域の境界は、電波E1が第1の反射面41Aで反射した後(反射波E2)第2の反射面42Aで反射し(反射波E3)、さらに第1の反射面41Aの端部41aで反射した後の反射波E4の伝播方向を示す線e4と平行であり、第1の反射面41Aの接続部40Aを通る線e5である。第2の反射面42Aで反射し、さらに第1の反射面41Aで反射した後の二次反射を受信する領域の境界は、電波B1が第2の反射面42Aの接続部40bで反射し(反射波B2)、さらに第1の反射面41Aで反射した後の反射波B3の伝播方向を示す線b3である。第2の反射面42Aと第1の反射面41Aそれぞれで反射し、さらに第2の反射面42Aで反射した後の三次反射波を受信する領域の境界は、電波F1が第2の反射面42Aで反射した後(反射波F2)第1の反射面41Aで反射し(反射波F3)、さらに第2の反射面42Aの端部42aで反射した後の反射波F4の伝播方向を示す線f4と平行であり、第2の反射面42Aの接続部40Aを通る線f5である。すなわち、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波A3の伝播方向を示す線a3および反射波B3の伝播方向を示す線b3より小さく、線e5および線f5より大きく、xの座標値が、a1より小さく、線b1より大きい領域R1である。
したがって、図9に示す反射部材40を使用する場合、二次反射波を受信し、一次反射を受信しない領域は、領域Q1と領域R1が重なっている領域W1である。領域W1は、線a1、a2、a3、b1、b2、b3、e5、f5で囲まれている。
なお、図9に示す線a3は、[18式]で表される。
Figure 0004933977
X1は、線a3がy軸と交わる点のy軸の座標値。 [18式]
線b3は、[19式]で表される。
Figure 0004933977
X2は、線b3がy軸と交わる点のy軸の座標値。 [19式]
線e5は、[20式]で表される。
Figure 0004933977
[20式]
線f5は、[21式]で表される。
Figure 0004933977
[21式]
線a1、a2、b1、b2を表す式は、前述したとおりである。
以上のようにして定めた領域W1にアンテナ30を配置することにより、y軸に平行に伝播する電波(少なくとも一つの方向に伝播する電波)が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信し、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しないようにアンテナを配置することができる。
例えば、図10に示すようにアンテナ30を配置する。この場合、伝播経路b1に沿って伝播する電波R1(直接波)は、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射することなくアンテナ30で受信される。また、伝播経路a1に沿って伝播する電波r2(直接波)は、第1の反射面41Aで反射した後一次反射波R2aとして伝播する。そして、一次反射波R2aは、第2の反射面42Aで反射した後二次反射波R2bとして伝播し、アンテナ30で受信される。2回の反射による位相差は360°であるため、アンテナ30で受信した直接波R1と二次反射波R2bを合成した合成波の波高値は、アンテナ30で受信した直接波R1と二次反射波R2bの伝播距離差に依存する。
ここで、アンテナ30で受信する直接波と二次反射波の伝播経路を図12により説明する。図12では、アンテナ30は、直接波R1と、直接波R2が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波R2(3)を受信する。また、図12では、接続角度θが[90°<θ<180°]の範囲内に設定され、角度θ1およびθ2が、[0°<θ1<90°]、[0°<θ2<90°]の範囲内に設定されている。
いま、y軸に平行に伝播する電波R1、R2は同じ伝播経路を伝播してくるものとし、アンテナ30の中心点をz0(x0,y0)、電波R2が伝播する伝播経路上の、点z0とy座標が同じである点をz1(x1,y0)、第1の反射面41A上の反射点をz2(x1,y2)、第2の反射面42A上の反射点をz3(x3,y3)とする。
この場合、アンテナ30で受信する直接波R1と二次反射波R2(3)の伝播距離差は、点z1と点z2の間の伝播経路1の伝播距離1、点z2とz3の間の伝播経路2の伝播距離2、点z2と点z0の間の伝播経路3の伝播距離3の和である。なお、図7で説明したように、伝播経路1の傾きは[−tan(2・θ1−90°)]であり、伝播経路3の傾きは[−tan(90°−θ4)=−tan(2・θ1+2・θ2−270°)]である。
伝播経路1〜伝播経路3の伝播距離1〜伝播距離3は、点z0〜z3の座標を用いて以下のように表される。
Figure 0004933977
アンテナで合成する合成波の波高値を高めるには、直接波と二次反射波の伝播距離差(直接波と二次反射波の位相差)を「0」にするのが好ましいが、本実施の形態では、アンテナで二次反射波を受信するように構成しているため、直接波と二次反射波の伝播距離差(伝播経路1〜3の伝播距離1〜3の和)(直接波と二次反射波の位相差)を「0」にすることができない。
そこで、アンテナで合成される合成波の波高値を適切な範囲内とすることができる有効伝播距離差について検討する。
位相差△θを有する2つの電波を合成した合成波は、以下のように表される。
Figure 0004933977
この合成波の波高値は、
Figure 0004933977
で表される。
一般的に、有効限界は、[−3db](=1/2)を基準に設定される。本実施の形態では、合成波の波高値が、直接波の波高値の最大値から最大値の半分(1/2)の半分(1/2)低下した値に近い値であって、三角関数で扱い易い値、
Figure 0004933977
に低下する条件を有効限界として設定している。
すなわち、
Figure 0004933977
を満足する位相差△θを有効限界位相差△sとしている。この場合、有効限界位相差△θsは、90°である。
なお、伝播距離は、電波の波長λを用いて、以下の式により位相角(ラジアン)で表すことができる。
Figure 0004933977
したがって、有効限界位相差△θsを用いて、以下の式により有効伝播距離差を表すことができる。
Figure 0004933977
すなわち、90°の有効限界位相差△θsは、(λ/4)の有効電波距離差に対応する。
以上のことから、アンテナ30で受信する直接波と二次反射波の位相差が90°以内となるように[−90°≦位相差≦90°]、あるいは、アンテナで受信する直接波と二次反射の伝播距離差が(λ/4)以内、すなわち、
Figure 0004933977
となるように、アンテナ30を配置することにより、アンテナで合成する合成波の波高値を適切な範囲内とすることができる。
以上では、アンテナ30で電波を受信する受信アンテナとして用いた場合について説明したが、本実施の形態のアンテナ3は、電波を送信する送信アンテナとして用いることもできる。
以下に、アンテナ30から電波を送信する場合について、図13により説明する。
アンテナ30の後方に、180度以下の接続角度で接続されている第1の反射面41Aと第2の反射面42Aを有する反射部材40に配置することにより、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波のうちの少なくとも一つの二次反射波の伝播方向を、アンテナから送信される電波の伝播方向の少なくとも一つの方向と平行に設定することができる。
例えば、図13に示されているように、アンテナ30から送信された電波S2が、第2の反射面42Aに入射し、一次反射波S2aとして伝播する。そして、一次反射波S2aが、第1の反射面41Aに入射し、二次反射波S2bとしてy軸に平行な方向に伝播する。この場合、アンテナ30に対してy軸方向に存在する受信部材(例えば、非接触型情報読取装置80アンテナ84)はアンテナ30から送信された電波のうちy軸方向に伝播する電波S1(直接波)と、電波S2が第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後y軸方向に伝播する二次反射波S2bを受信し、受信した直接波S1と二次反射波S2bを合成する。二次反射波の反射により位相差は360°であるため、合成波の波高値は、直接波S1のみを受信する時より高くなる。したがって、通信可能距離が長くなる。
ここで、アンテナ30が反射部材40に対して図17に示されているように配置されている場合を考える。図17では、アンテナ30から第1の反射面41Aに直角に引いた線(垂線)が第1の反射面41Aと交差し、また、アンテナ30から第2の反射面42Aに直角に引いた線(垂線)が第2の反射面42Aと交差するように、アンテナ30が反射部材40に対して配置されている。
このような配置状態でアンテナ30から電波が送信されると、アンテナ30から送信される電波のうち、第1の反射面41Aに直角な方向に平行に伝播する電波T2が第1の反射面41Aで反射する。この時、電波T2は、第1の反射面41Aに対して直角(入射角度=0°)に入射するため、反射波(一次反射波)は、第1の反射面41Aに直角な方向、すなわち、アンテナ30の方向に伝播する。アンテナ30から送信される電波のうち、第2の反射面42Aに直角な方向に平行に伝播する電波T3についても同様に、一次反射波が、第2の反射面42Aに直角な方向、すなわち、アンテナ30の方向に伝播する。前述したように、一次反射波は、反射による位相差が180°である。このため、アンテナ30から送信される電波T1の波高値が、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波によって小さくなり、通信可能距離が短くなる。
そこで、本実施の形態では、図13に示すように、アンテナ30から第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aに直角に引いた線(垂線)が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aと交差しないようにアンテナ30を配置している。
すなわち、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域にアンテナ30を配置している。アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域と、アンテナ30から送信された電波が第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域を有している。アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域の境界は、第1の反射面41Aの端部41aから、第1の反射面41Aに直角に引いた線g1によって決定される。また、アンテナ30から送信された電波が第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域の境界は、第2の反射面42Aの端部42aから、第2の反射面42Aに直角に引いた線h1によって決定される。すなわち、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、yの座標値が、線gおよび線h1より高い領域V1である。
このように、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域にアンテナ30を配置した場合、非接触型情報記憶装置から、少なくとも一つの方向に平行に直接波と二次反射波が伝播する。例えば、図13に示すように、アンテナ30から送信された電波の一部S1は、y軸の方向に平行に伝播する。また、アンテナ30から送信された電波のうちの一部S2は、第2の反射面42Aと第1の反射面41Aそれぞれで反射された後に二次反射波S2bとしてy軸の方向に平行に伝播する。
本実施の形態のアンテナ30を受信アンテナおよび送信アンテナとして用いる場合の、アンテナ30の反射部材40に対する配置領域について図14〜図16を用いて説明する。図14〜図16では、アンテナ30で電波を受信する際に、アンテナ30が一次反射波を受信しないで二次反射波を受信し、アンテナ30から電波を送信する際に、一次反射波を受信しない領域にアンテナ30を配置している。すなわち、アンテナ30が電波を受信する際に、アンテナ30が一次反射波を受信しない領域と、アンテナ30が二次反射波を受信する領域と、アンテナ30が電波を送信する際に、アンテナ30が一次反射波を受信しない領域が重なった領域にアンテナを配置している。
図14では、接続角度θが、[90°<θ<180°]の範囲内に設定され、角度θ1およびθ2が、[0°<θ1<90°]、[0°<θ2<90°]の範囲内に設定されている。図15では、接続角度θが90°に設定され、角度θ1およびθ2が45°に設定されている。図16では、接続角度θが、[0°<θ<90°]の範囲内に設定されている。
図14に示す反射部材40を使用してアンテナ30で電波を受信する場合には、前述したように、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向を示す線a2および反射波B2の伝播方向を示す線b2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、線b1より大きい領域Q1である。また、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波P2の伝播方向を示す線p2より小さく、xの座標値が、線b1より大きい領域R1と、yの座標値が、反射波P3の伝播方向を示す線p3より小さく、xの座標値が、線a1より小さい領域R2である。
一方、図14に示す反射部材40を使用してアンテナ30から電波を送信する場合、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、第1の反射面41Aの端部41aから、第1の反射面41Aに直角に引いたい線g1と、第1の反射面41Aの接続部40Aから、第1の反射面41Aに直角に引いた線g2と、第2の反射面42Aの端部42aから、第2の反射面42Aに直角に引いた線h1と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域を示す線a1、b1によって決定される。すなわち、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、yの座標値が、線g1および線h1より高い領域V1と、yの座標値が、線g2より小さく、線h1より大きく、xの座標値が、線bより大きい領域V2である。
したがって、図14に示す反射部材40を使用する場合、受信時に、一次反射波を受信しないで、二次反射波を受信し、送信時に、一次反射波を受信しない領域は、領域Q1と領域R1と領域V2が重なっている領域W1である。領域W1は、線a2、b1、g2、h1で囲まれている。
図15に示す反射部材40を使用してアンテナ30で電波を受信する場合には、前述したように、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波B2の伝播方向を示す線b2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、線b1より大きい領域Q1である。また、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向を示す線a2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、反射波A3の伝播方向を示す線a3より大きい領域R1である。
一方、図15に示す反射部材40を使用してアンテナ30から電波を送信する場合、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、第1の反射面41Aの端部41aから、第1の反射面41Aに直角に引いた線g1と、第2の反射面42Aの端部42aから、第2の反射面42Aに直角に引いた線h1と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域を示す線a1、b1によって決定される。すなわち、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、yの座標値が、線g1および線h1より高い領域V1V2である。
したがって、図15に示す反射部材40を使用する場合、受信時に、一次反射波を受信しないで、二次反射波を受信し、送信時に、一次反射波を受信しない領域は、領域Q1と領域R1と領域V1が重なっている領域W1である。領域W1は、線a3、g1、h1で囲まれている。
図16に示す反射部材40を使用してアンテナ30で電波を受信する場合には、前述したように、第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波を受信しない領域は、yの座標値が、反射波A2の伝播方向を示す線a2および反射波B2の伝播方向を示す線b2より大きく、xの座標値が、線a1より小さく、線b1より大きい領域Q1である。また、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aそれぞれで反射した後の二次反射波を受信する領域は、yの座標値が、反射波A3の伝播方向を示す線a3および反射波B3の伝播方向を示す線b3より小さく、線e5および線f5より大きく、xの座標値が、a1より小さく、線b1より大きい領域R1である。
一方、図16に示す反射部材40を使用してアンテナ30から電波を送信する場合、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、第1の反射面41Aの端部41aから、第1の反射面41Aに直角に引いたい線g1と、第2の反射面42Aの端部42aから、第2の反射面42Aに直角に引いた線h1と、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの配置領域を示す線a1、b1によって決定される。すなわち、アンテナ30から送信された電波が第1の反射面41Aあるいは第2の反射面42Aで反射した後の一次反射波がアンテナ30の方向に伝播しない領域は、yの座標値が、線g1および線h1より高い領域V1である。
したがって、図16に示す反射部材40を使用する場合、受信時に、一次反射波を受信しないで、二次反射波を受信し、送信時に、一次反射波を受信しない領域は、領域Q1と領域R1と領域V1が重なっている領域W1である。領域W1は、線b1、b3、g1、h1で囲まれている。
以上では、非接触型情報読取装置から送信された、送信要求情報を含む電波(情報を書き込む場合には、非接触型情報書込装置から送信された、書き込み要求情報を含む電波)を受信し、また、記憶回路に書き込まれている情報を含む電波を送信する、アンテナと反射部材により構成されるアンテナ装置を有する非接触型情報記憶装置について説明したが、本発明は、アンテナと反射部材により構成されるアンテナ装置として構成することもできる。
例えば、電波を送信および受信するアンテナ装置(送受信用のアンテナ装置)として構成することができる。この場合には、電波の受信時には、送信部材(例えば、送信側アンテナ)から送信された電波が、アンテナに対して少なくとも一つの方向に伝播する時に、直接波と、第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波がアンテナで受信され、電波の送信時には、アンテナから送信された電波が第1の反射面と第2の反射面の一方で反射した後の一次反射波をアンテナで受信せず、また、アンテナから送信された電波が第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波の伝播方向が、アンテナから送信された電波の伝播方向のうちの少なくとも一つの伝播方向と同じになるように構成する。なお、電波の受信時には、アンテナで合成される合成波の波高値が適切な範囲内となるように構成すればよいが、アンテナが、直接波と二次反射波を受信し、一次反射波を受信しないように(最適には、奇数次反射波を受信しないように)構成するのが好ましい。また、電波の送信時には、アンテナに対して少なくとも一つの方向に位置する受信部材(例えば、受信アンテナ)で合成される合成波の波高値が適切な範囲内となるように構成すればよいが、アンテナに対して少なくとも一つの方向に位置する受信部材が、アンテナから送信された電波(直接波)と二次反射波を受信し、一次反射波(最適には、奇数次反射波)を受信しないように構成するのが好ましい。
あるいは、電波を受信するアンテナ装置(受信用のアンテナ装置)として構成することができる。この場合には、送信部材(例えば、送信側アンテナ)から送信された電波が、アンテナに対して少なくとも一つの方向に伝播する時に、直接波と、第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波がアンテナで受信されるように構成する。なお、アンテナで合成される合成波の波高値が適切な範囲内となるように構成すればよいが、アンテナが、直接波と二次反射波を受信し、一次反射波を受信しないように(最適には、奇数次反射波を受信しないように)構成するのが好ましい。
あるいは、電波を送信するアンテナ装置(送信用のアンテナ装置)として構成することができる。この場合には、アンテナから送信された電波が第1の反射面と第2の反射面の一方で反射した後の一次反射波をアンテナで受信せず、また、アンテナから送信された電波が第1の反射面と第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波の伝播方向が、アンテナから送信された電波の伝播方向のうちの少なくとも一つの伝播方向と同じになるように構成する。なお、アンテナに対して少なくとも一つの方向に位置する受信部材(例えば、受信アンテナ)で合成される合成波の波高値が適切な範囲内となるように構成すればよいが、アンテナに対して少なくとも一つの方向に位置する受信部材が、アンテナから送信された電波(直接波)と二次反射波を受信し、一次反射波(最適には、奇数次反射波)を受信しないように構成するのが好ましい。
なお、前述した、アンテナ(あるいは受信部材)で合成される合成波の波高値の低下を防止するための、アンテナと反射部材との間の距離を設定する手法も適宜組み合わせて用いることができる。
このように構成されたアンテナ装置は、送信回路や受信回路等の種々の回路に接続される。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されない、
非接触型ICタグ10に反射部材40を取り付けて本発明の非接触型情報記憶装置を構成したが、本発明の非接触型情報記憶装置を構成する方法はこれに限定されない。例えば、別体に形成されている処理回路、記憶回路、送受信回路、アンテナ、反射部材を組み付けて構成することもできる。
本発明の非接触型情報記憶装置で用いるアンテナとしては、種々の構成や形状のアンテナを用いることができる。
本発明の非接触型情報紀記憶装置で用いる電波は、適宜の帯域の周波数を有する電波を用いることができる。
本発明の非接触型情報記憶装置に用いる反射部材の形状や構成は、適宜変更可能である。例えば、第1の反射面や第2の反射面の形状や大きさ、第1の反射面と第2の反射面の接続角度は適宜変更可能である。
実施の形態で説明した各領域(例えば、受信時に一次反射波を受信しない領域、受信時に二次反射を受信する領域、受信時に三次反射波を受信する領域、送信時に一次反射を受信しない領域等)や各領域の境界を示す線を表す式等、第1の反射面41Aと第2の反射面42Aの形状や接続角度θ(あるいは、θ1とθ2)、少なくとも一つの伝播方向等の種々の条件によって決定される。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
反射部材に対するアンテナの配置状態(配置位置や配置角度等)は、電波を受信する時には、アンテナに対して少なくとも一つの方向に平行に電波が伝播する場合にアンテナで直接波と二次反射を受信することができ、電波を送信する時には、アンテナに対して少なくとも一つの方向に平行に直接波と二次反射波が伝播すればよい。勿論、反射部材に対してアンテナが配置された状態で、アンテナに対して複数の方向に平行に電波が伝播する場合にアンテナで直接波と二次反射波を受信してもよいし、また、アンテナに対して複数の方向に平行に直接波と二次反射波が伝播してもよい。
アンテナに対して少なくとも一つの方向に電波が伝播する場合に、一次反射波を受信しないで、直接反射波と二次反射波を受信するようにアンテナを反射部材に対して配置する配置態様を用いたが、アンテナを反射部材に対して配置する配置態様としては、アンテナで合成される合成波の波高値を適切な範囲内(例えば、直接波の波高値の約70%以上)に設定することができればこの配置態様に限定されない。例えば、一次反射波等の他の反射波の受信を許容する配置態様を用いてもよいし、直接波と一次反射波や二次反射波との伝播距離差(アンテナと反射部材との間の距離)と一次反射波の受信を適切に組み合わせる配置態様を用いてもよい。
非接触型ICタグと非接触型情報読取装置の一例を示す図である。 本発明の非接触型情報記憶装置の一実施の形態の概略構成を示す図である。 [接続角度θ>90°]の状態で、アンテナが一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 [接続角度θ=90°]の状態で、アンテナが一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 [接続角度θ<90°]の状態で、アンテナが一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 アンテナが二次反射波を受信する領域を説明する図である。 [接続角度θ>90°]の状態で、アンテナが二次反射波を受信し、一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 [接続角度θ=90°]の状態で、アンテナが二次反射波を受信し、一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 [接続角度θ<90°]の状態で、アンテナが二次反射波を受信し、一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 アンテナが直接波と二次反射波を受信する状態を説明する図である。 直接波と二次反射波を合成した合成波の波高値を示す図である。 アンテナで受信する直接波と二次反射波の伝播経路を説明する図である。 送信時に、アンテナが一次反射波を受信しない領域を説明する図である。 [接続角度θ>90°]の状態で、受信時にアンテナが一次反射波を受信しないで二次反射波を受信し、送信時にアンテナが一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 [接続角度θ=90°]の状態で、受信時にアンテナが一次反射波を受信しないで二次反射波を受信し、送信時にアンテナが一次反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 [接続角度θ<90°]の状態で、受信時にアンテナが一次反射波を受信しないで二次反射波を受信し、送信時にアンテナが一時反射波を受信しない領域の一例を説明する図である。 送信時に、アンテナが一次反射波を受信する状態を説明する図である。 アンテナから送信された電波と二次反射波の伝播経路を説明する図である。 アンテナが直接波と一次反射波を受信する状態を説明する図である。 直接波と一次反射波を合成した合成波の波高値を示す図である。
符号の説明
10 非接触型ICタグ
20 ICチップ
21、81 処理回路(CPU)
22、82 記憶回路
23、83 送受信回路
30、84 アンテナ
30a、30b アンテナの長さ方向の端部
40 反射部材
40A 接続部
40a、40b 接続部の長さ方向の端部
41 第1の反射部材
41A 第1の反射面
41a 第1の反射面の端部
42 第2の反射部材
42A 第2の反射面
42a 第2の反射面の端部
80 非接触型情報読取装置

Claims (8)

  1. アンテナと、反射部材を備えるアンテナ装置であって、
    前記反射部材は、180度以下の接続角度で接続されている、平面形状の第1および第2の反射面を有し、
    前記アンテナは、少なくとも一つの方向に平行に伝播する電波と、前記少なくとも一つの方向に平行に伝播する電波が前記第1の反射面と前記第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波を受信し、前記少なくとも一つの方向に平行に伝播する電波が前記第1の反射面あるいは前記第2の反射面の一方の反射面で反射した後の一次反射波を受信しないように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置であって、前記アンテナは、前記少なくとも一つの方向に平行に伝播する電波を受信した時の受信電波の位相角度と、前記少なくとも一つの方向に平行に伝播する電波が前記第1の反射面と前記第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波を受信した時の受信電波の位相角度との位相角度差が[π/2]以内となるように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
  3. アンテナと反射部材を備えるアンテナ装置であって、
    前記反射部材は、180度以下の接続角度で接続されている、平面形状の第1および第2の反射面を有し、
    前記アンテナは、前記アンテナから送信された電波が前記第1の反射面と前記第2の反射面それぞれで反射した後の二次反射波のうちの少なくとも一つの二次反射波の伝播方向が、前記アンテナから電波を送信可能な方向のうちの少なくとも一つの方向と平行になり、また、前記アンテナに対して前記少なくとも一つの方向に位置する受信部材が、前記アンテナから送信された電波が前記第1の反射面あるいは前記第2の反射面の一方の反射面で反射した後の一次反射波を受信しないように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置であって、前記アンテナは、前記アンテナから前記少なくとも一つの方向に平行に引いた線が前記第1の反射面あるいは前記第2の反射面の一方の反射面と交差するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ装置であって、前記アンテナは、前記アンテナから前記第1の反射面に直角に引いた線が前記第1の反射面と交差しないとともに、前記アンテナから前記第2の反射面に直角に引いた線が前記第2の反射面と交差しないように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアンテナ装置であって、前記第1の反射面と前記第2の反射面は、90°の接続角度で接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  7. 処理回路と、記憶回路と、送信回路、受信回路および送受信回路のうちの少なくとも1つと、アンテナ装置を備える非接触型情報記憶装置であって、前記アンテナ装置として請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナ装置を用いていることを特徴とする非接触型情報記憶装置。
  8. 請求項7に記載の非接触型情報記憶装置であって、前記処理回路と、前記記憶回路と、前記送信回路、前記受信回路および前記送受信回路のうちの少なくとも1つと、前記アンテナ装置を構成するアンテナは、一体成形されており、当該一体成形された成形体に、前記アンテナ装置を構成する反射部材が取り付けられていることを特徴とする非接触型情報記憶装置。
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