以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図5に、本発明の光ファイバ無線アクセスシステムの第一の実施形態を示す。本実施形態の光ファイバ無線アクセスシステムは、図1に示すように、中央局10と基地局20-1,20-2,20-3,…,20-n(nは自然数。以下、適宜、単に基地局20と表記する)との間の通信を制御するシステムであって、中央局10に設置される中央局装置11と、各基地局20に一つずつ設置される基地局装置21と、基地局20寄りに設置されて基地局装置21と光ファイバによって接続される分波器31及び合波器32’を備えるリモートノード30と、中央局装置11と分波器31とを接続するダウンリンク光ファイバ40と、中央局装置11と合波器32’とを接続するアップリンク光ファイバ40'とを有する。
中央局10に設置される中央局装置11には、外部ネットワーク50が接続され、外部ネットワーク50によって伝送される信号51が入力される。なお、外部ネットワーク50は電気信号を双方向に伝送する通信ネットワークであり、例えばインターネットである。
また、基地局20の通信圏域内に存在する無線端末(図示省略)と当該基地局20の基地局装置21との間では無線電気信号(電波)による双方向の通信が行われる。
そして、本発明の光ファイバ無線アクセスシステムは、中央局装置11と複数の基地局装置21とが光ファイバ40,40'で接続され光電波融合技術を用いて信号の伝送を行う光ファイバ無線アクセスシステムであって、光ファイバ40,40'によって伝送する光波41d,41u’を波長分割多重するための分波器31及び合波器32’を備えるリモートノード30を中央局装置11と基地局装置21との間の光ファイバ40,40'上に有すると共に、中央局装置11が、中央局装置11から基地局装置21へのダウンリンク用の光41を生成する光源であって基地局装置21の数よりも少ない数の第一の光源12-1,12-2,…,12-kと、基地局装置21から中央局装置11へのアップリンク用の光41’を生成する光源であって基地局装置21の数よりも少ない数の第二の光源12'-1,12'-2,…,12'-kと、中央局装置11に接続する外部ネットワーク50から中央局装置11に入力される信号51によってダウンリンク用の光41を変調させる中央局光変調器13-1,13-2,…,13-kとを有し、さらに、基地局装置21が無線端末から基地局装置21に入力される信号53r’によってアップリンク用の光41’を変調させる基地局光変調器24’を有し、無線端末が通信圏域内に存在し通信を必要とすると判別された基地局装置21と中央局装置11との間のみで、第一の光源12-1,12-2,…,12-kによって生成されるダウンリンク用の光41を中央局光変調器13-1,13-2,…,13-kによって外部ネットワーク50から入力される信号51に基づいて変調して得られる光信号41mをリモートノード30を介して基地局装置21に伝送すると共に、第二の光源12'-1,12'-2,…,12'-kによって生成されるアップリンク用の光41’を基地局装置21に伝送し基地局光変調器24’によって無線端末から入力される信号53r’に基づいて変調して得られる光信号41m’をリモートノード30を介して中央局装置11に伝送するようにしている。
さらに、本実施形態では、基地局装置21毎に光の波長が割り当てられ、第一の光源12-1,12-2,…,12-kは基地局装置21毎に割り当てられた波長のダウンリンク用の光41を生成する波長可変光源であると共に第二の光源12'-1,12'-2,…,12'-kは基地局装置21毎に割り当てられた波長のアップリンク用の光41’を生成する波長可変光源であり、第一のサーチ用光源12-0及び第二のサーチ用光源12'-0によって生成される光16及び光16’の波長を基地局装置21毎に割り当てられた波長に切り替えながら基地局装置21のそれぞれに無線端末の存在確認用の光信号16m及び無線端末からの応答光信号16m’のための光16’を中央局装置11から送出すると共に無線端末からの応答信号54’を中央局装置11の応答信号受信装置52'-0で受信することによって無線端末が通信圏域内に存在し通信を必要とするか否かを基地局装置21毎に判別するようにしている。
まず、外部ネットワーク50にアクセスしている端末から基地局20-1,20-2,…,20-nの通信圏域内に存在する無線端末への通信の場合であって中央局10から基地局20-1,20-2,…,20-nへの信号の伝送即ちダウンリンクに係る構成について説明する。
中央局装置11は、本実施形態では、図2に示すように、ダウンリンクに係る構成として、無線信号送信装置52と、第一の波長可変光源12-1,12-2,12-3,…,12-k(kは自然数。以下、適宜、単に第一の波長可変光源12と表記する)と、中央局光変調器13-1,13-2,13-3,…,13-k(以下、適宜、単に中央局光変調器13と表記する)と、合波器14とを備える。さらに、本実施形態では、中央局装置11はサーチ信号送信装置52-0と第一のサーチ用光源12-0と光変調器13-0とを有する。
無線信号送信装置52は、外部ネットワーク50から入力される信号51を基地局装置21から放射する無線信号53に変換するものである。
第一の波長可変光源12は、波長λ1,λ2,λ3,…,λnの少なくともn種類、即ち基地局20の数以上の種類の波長のダウンリンク用光41を出力する光源である。
そして、本実施形態では、第一の波長可変光源12が出力可能なダウンリンク用光41の各波長λ1,λ2,λ3,…,λnは各基地局20に一つずつ予め割り当てられる。本実施形態では、基地局20-1に対して波長λ1が割り当てられ、基地局20-2に対して波長λ2が割り当てられ、以降同様にして、基地局20-nに対して波長λnが割り当てられる。
本発明では、中央局装置11内に、中央局装置11と関連付けられている全ての基地局装置21の数よりも少ない数の第一の波長可変光源12が設けられる。すなわち、本実施形態においては、中央局装置11内に設けられる第一の波長可変光源12の数であるkと基地局20の数であって基地局装置21の数であるnとの間にはk<nの関係が成り立つ。
第一の波長可変光源12としては、具体的には例えば、複数のDFB−LD(Distributed Feedback Laser Diodeの略)を集積して必要な波長のLDのみを発振させるアレイ集積型や、屈折率のキャリア依存性を用いた電流制御型や、屈折率の温度依存性を用いた温度制御型や、半導体増幅器と波長可変外部共振器型や、SC(Super Continuumの略)光源と波長フィルタなどが用いられる。
中央局光変調器13は、第一の波長可変光源12によって生成されて中央局光変調器13に入力されるダウンリンク用光41の光強度を無線信号53の電圧変化によって変化させて変調してダウンリンク光信号41mとして出力する。なお、ダウンリンク光信号41mは波長λ1,λ2,λ3,…,λnを有する。
中央局光変調器13としては、具体的には例えば、LNM(LiNbO3 Modulatorの略)やEAM(Electro−Absorption Modulatorの略)などが用いられる。なお、中央局光変調器13は、各第一の波長可変光源12に一つずつ設けられる。すなわち、本発明では、中央局光変調器13の数も基地局20の数よりも少ない。
サーチ信号送信装置52-0は、各基地局20の通信圏域内に無線端末が存在するか否かを確認するための存在確認用無線信号54を出力するものである。
第一のサーチ用光源12-0は、第一の波長可変光源12によって生成されるダウンリンク用光41の波長であって基地局装置21毎に割り当てられた波長λ1,λ2,λ3,…,λnのサーチ用光16を順番に繰り返し生成して出力し続ける光源である。
光変調器13-0は、第一のサーチ用光源12-0によって生成されて光変調器13-0に入力されるサーチ用光16をサーチ信号送信装置52‐0から出力される無線端末の存在確認のための存在確認用無線信号54によって変調してサーチ用光信号16mとして出力する。光変調器13-0としては、具体的には例えば、LNMやEAMなどが用いられる。なお、サーチ用光信号16mは波長λ1,λ2,λ3,…,λnを有する。
サーチ用光信号16mは、基地局20のうち通信圏域内に無線端末が存在し通信を必要とする基地局装置21がどれかを判断するための信号である。具体的には、サーチ用光信号16mは、無線端末へ向けた存在確認用の信号であり、基地局20のアンテナ23を介して無線端末へ送出される。
本発明は、サーチ用光信号16mを用いるという特有の構成を採ることによって、中央局装置11と関連付けられている全ての基地局装置21の数よりも少ない数の光源で中央局装置11と全ての基地局装置21との間の通信を可能にするものである。
中央局装置11に設置される第一の波長可変光源12の数は、実際には、当該中央局装置11との間で通信が同時に行われ得る基地局装置21の数を考慮して設定される。例えば、基地局装置21単独での通信圏域の広さに基づいてある地域全体に通信サービスを漏れなく提供するために基地局20が多数設置されていながら当該地域内に存在する無線端末の数が少ないので中央局装置11との間で通信が同時に行われる基地局装置21の数が少ない場合には、通信が同時に行われ得る基地局装置21の最大数の見込みを行い、基地局装置21の数の半分程度の第一の波長可変光源12を設置するようにしたり3分の1程度の第一の波長可変光源12を設置するようにしたりすることが考えられる。
なお、本実施形態では、サーチ用光信号16mの生成専用のサーチ信号送信装置52-0と第一のサーチ用光源12-0と光変調器13-0とを有するようにしているが、この構成に限られるものではなく、無線信号送信装置52にサーチ信号送信装置52-0の機能を併せて持たせ、第一の波長可変光源12に第一のサーチ用光源12-0の機能を併せて持たせ、さらに、中央局光変調器13に光変調器13-0の機能を併せて持たせる構成とすることも可能である。さらに、複数個の第一の波長可変光源12等を同時に第一のサーチ用光源12-0等として利用することも可能であり、この場合には基地局20毎の無線端末のサーチ時間間隔を短縮することができる。
合波器14は、光変調器13-0から伝送される波長λ1,λ2,…,λnのサーチ用光信号16m並びに中央局光変調器13から伝送される波長の異なる(即ち波長λ1,λ2,…,λnの)複数のダウンリンク光信号41mを合波してダウンリンク光波41dとしてダウンリンク光ファイバ40に出力する。
合波器14としては、具体的には例えば、波長分割多重通信の波長多重・分離に用いられる受動デバイスであって平面光波回路技術によりケイ素(Si)基板上のガラス膜内にモノリシック集積された入出力導波路及びアレイ状の導波路等から構成されるアレイ導波路回折格子や、光スターカプラなどが用いられる。
ダウンリンク光ファイバ40は一芯の光ファイバケーブルである。そして、本発明では、ダウンリンク光ファイバ40において、光ファイバを用いて無線信号をアナログ伝送する技術である光電波融合通信が行われると共に、一本の光ファイバ中に異なる波長の光信号を伝送することによって伝送容量を増大させる技術である波長分割多重通信が行われる。なお、光電波融合通信並びに波長分割多重通信自体は周知の技術であるのでここでは詳細については省略する。
次に、リモートノード30は、図3に示すように、ダウンリンクに係る構成として、ダウンリンク光ファイバ40と接続する分波器31を備える。
分波器31は、ダウンリンク光ファイバ40によって伝送されるダウンリンク光波41dから波長λ1,λ2,λ3,…,λn毎のサーチ用光信号16mとダウンリンク光信号41mとを分波すると共に、分波した各光信号16m,41mをそれぞれの波長λ1,λ2,λ3,…,λnに従って各波長λ1,λ2,λ3,…,λnが割り当てられた基地局20-1,20-2,…,20-nの基地局装置21に出力する。分波器31としては、例えばアレイ導波路回折格子やインターリーバなどが用いられる。
次に、基地局装置21は、図3に示すように、ダウンリンクに係る構成として光検波器22とアンテナ23とを備える。
光検波器22は、分波器31から伝送されたダウンリンク光信号41mを電気信号に変換して無線信号53として若しくはサーチ用光信号16mを電気信号に変換して存在確認用無線信号54としてアンテナ23に出力する。光検波器22は光電気変換器であって、具体的には例えばフォトダイオードが用いられる。なお、出力電力が十分で無い場合には増幅器を付加することが好ましい。
アンテナ23は、光検波器22から伝送された電気信号である無線信号53若しくは存在確認用無線信号54を無線電気信号(電波)53r,54rとして空間に放射する。そして、この放射された無線電気信号53r,54rを基地局20の通信圏域内に存在する無線端末が受信する。
次に、各基地局20-1,20-2,…,20-nの通信圏域内に存在する無線端末から外部ネットワーク50にアクセスしている端末への通信の場合であって基地局20から中央局10への信号の伝送即ちアップリンクに係る構成について説明する。
中央局装置11は、本実施形態では、図4に示すように、アップリンクに係る構成として、第二の波長可変光源12'-1,12'-2,12'-3,…,12'-k(以下、適宜、単に第二の波長可変光源12’と表記する)と、合波器14と、分波器17’と、波長可変フィルタ18'-1,18'-2,18'-3,…,18'-k(以下、適宜、単に波長可変フィルタ18’と表記する)と、光検波器19'-1,19'-2,19'-3,…,19'-k(以下、適宜、単に光検波器19’と表記する)と、無線信号受信装置52’とを備える。さらに、本実施形態では、中央局装置11は第二のサーチ用光源12'-0と波長可変フィルタ18'-0と光検波器19'-0と応答信号受信装置52'-0とを有する。
第二の波長可変光源12’は、波長λ1’,λ2’,λ3’,…,λn’の少なくともn種類、即ち基地局20の数以上の種類の波長のアップリンク用光41’を出力する光源である。このアップリンク用光41’は基地局装置21に供給され、基地局装置21において通信のアップリンクの光信号の生成に用いられる。
第二の波長可変光源12’としては、第一の波長可変光源12と同様に、例えばアレイ集積型や電流制御型や温度制御型や半導体増幅器と波長可変外部共振器型やSC光源と波長フィルタなどが用いられる。
本実施形態では、第二の波長可変光源12’が出力可能なアップリンク用光41’の各波長λ1’,λ2’,λ3’,…,λn’は各基地局20に一つずつ予め割り当てられる。本実施形態では、基地局20-1に対して波長λ1’が割り当てられ、基地局20-2に対して波長λ2’が割り当てられ、以降同様にして、基地局20-nに対して波長λn’が割り当てられる。
本発明では、中央局装置11内に、ダウンリンク用の第一の波長可変光源12と同じ数のアップリンク用の第二の波長可変光源12’が設けられる。すなわち、本発明では、アップリンク用の光源である第二の波長可変光源12’の数も基地局20の数よりも少ない。したがって、本発明では、中央局装置11内に当該中央局装置11と関連付けられている基地局装置21と同じ数のダウンリンク用光源を設置すると共に全ての基地局装置21にアップリンク用光源を設置する従来の場合と比べて光源の数を大幅に削減することができる。
第二のサーチ用光源12'-0は、第二の波長可変光源12’によって生成されるアップリンク用光41’の波長であって基地局装置21毎に割り当てられた波長λ1’,λ2’,λ3’,…,λn’のサーチ応答用光16’を順番に繰り返し生成して出力し続ける光源である。
サーチ応答用光16’は、無線電気信号54rとして基地局装置21のアンテナ23から空間に放射された存在確認用無線信号54即ちサーチ用光信号16mに応答した無線端末であって基地局20の通信圏域内に存在する無線端末の応答信号を基地局20から中央局10へ送り返すための光で、各基地局20の基地局装置21のうち通信圏域内に無線端末が存在して通信の信号を必要とするものがどれかを判断するためのものである。
なお、ダウンリンクに係る構成の場合と同様に、第二の波長可変光源12’に第二のサーチ用光源12'-0の機能を併せて持たせる構成とすることも可能である。さらに、複数個の第二の波長可変光源12’を同時に第二のサーチ用光源12'-0として利用することも可能であり、この場合には基地局20毎の無線端末の応答信号の送信間隔を短縮することができる。
合波器14は、第二のサーチ用光源12'-0によって生成され伝送される波長λ1’,λ2’,…,λn’のサーチ応答用光16’、及び、第二の波長可変光源12’によって生成され伝送される波長の異なる(即ち波長λ1’,λ2’,…,λn’の)複数のアップリンク用光41’を合波してダウンリンク光ファイバ40に出力する。
ここで、合波器14はアップリンクとダウンリンクとで共用の装置である。すなわち、合波器14は、複数の波長のサーチ用光信号16m及びダウンリンク光信号41m並びに複数の波長のサーチ応答用光16’及びアップリンク用光41’を合波してダウンリンク光波41dとしてダウンリンク用ファイバ40に出力する。
次に、リモートノード30の分波器31は、図5に示すように、アップリンクに係る働きとして、ダウンリンク光ファイバ40によって伝送されるダウンリンク光波41dから波長λ1’,λ2’,λ3’,…,λn’毎のサーチ応答用光16’とアップリンク用光41’とを分波すると共に、分波した各光16’,41’をそれぞれの波長λ1’,λ2’,λ3’,…,λn’に従って各波長λ1’,λ2’,λ3’,…,λn’が割り当てられた基地局20-1,20-2,…,20-nの基地局装置21に出力する。なお、分波器31はアップリンクとダウンリンクとで共用の装置である。
次に、基地局装置21は、図5に示すように、アップリンクに係る構成として、アンテナ23と基地局光変調器24’とを備える。
アンテナ23はアップリンクとダウンリンクとで共用の装置である。アンテナ23は、基地局20の通信圏域内に存在する無線端末から発信される通信の無線電気信号(電波)53r’を受信して通信信号53’として若しくは存在確認の応答の無線電気信号54r’を受信して応答信号54’として基地局光変調器24’に対して出力する。
基地局光変調器24’は、中央局装置11の第二の波長可変光源12’によって生成されて合波器14とダウンリンク光ファイバ40とリモートノード30の分波器31とを介して基地局光変調器24’に入力される波長λ1’,λ2’,…,λn’のアップリンク用光41’の光強度を通信信号53’の電圧変化によって変調して波長λ1’,λ2’,…,λn’のアップリンク光信号41m’として出力すると共に、中央局装置11の第二のサーチ用光源12'-0によって生成されて合波器14とダウンリンク光ファイバ40とリモートノード30の分波器31とを介して基地局光変調器24’に入力される波長λ1’,λ2’,…,λn’のサーチ応答用光16’の光強度を応答信号54’の電圧変化によって変調して波長λ1’,λ2’,…,λn’のサーチ応答光信号16m’として出力する。基地局光変調器24’としては、中央局光変調器13と同様に、例えばLNMやEAMなどが用いられる。
次に、リモートノード30は、図5に示すように、アップリンクに係る構成として、各基地局20-1,20-2,…,20-nの基地局装置21の基地局光変調器24’と光ファイバによって接続された合波器32’を更に備える。
合波器32’は、各基地局装置21の基地局光変調器24’から伝送される波長λ1’,λ2’,…,λn’のサーチ応答光信号16m’並びにアップリンク光信号41m’を合波してアップリンク光波41u’としてアップリンク光ファイバ40’に出力する。合波器32’としては、合波器14と同様に、例えばアレイ導波路回折格子や光スターカプラなどが用いられる。
アップリンク光ファイバ40'は一芯の光ファイバケーブルである。そして、本発明では、アップリンク光ファイバ40'においてもダウンリンク光ファイバ40と同様に光電波融合通信が行われると共に波長分割多重通信が行われる。
アップリンク光波41u’は、図4に示すように、アップリンク光ファイバ40'を介して中央局装置11の分波器17’に入力される。
中央局装置11の分波器17’は、アップリンク光ファイバ40'によって伝送されるアップリンク光波41u’をアップリンク光波41u’のまま分岐して波長可変フィルタ18’に出力する。分波器17’としては、例えば光カプラなどが用いられる。
波長可変フィルタ18'-0は、分波器17’によって分岐されて波長可変フィルタ18'-0に入力されるアップリンク光波41u’に合波されている波長λ1’,λ2’,…,λn’の光信号のうち、未だ通信回線が確立されていない基地局20-1,20-2,20-3,…,20-nの基地局装置21に割り当てられている波長λ1’,λ2’,…,λn’のサーチ応答光信号16m’のみを透過させ出力する。
光検波器19'-0は、波長可変フィルタ18'-0から伝送されたサーチ応答光信号16m’を電気信号に変換して応答信号54’として応答信号受信装置52'-0に出力する。光検波器19'-0は、光検波器22と同様に、例えばフォトダイオードが用いられる。
応答信号受信装置52'-0は、光検波器19'-0から伝送される応答信号54’の波長λ1’,λ2’,…,λn’に基づいて、基地局20-1,20-2,20-3,…,20-nのうち通信回線を確立させる基地局20を判断する。
波長可変フィルタ18’は、分波器17’によって分岐されて波長可変フィルタ18’に入力されるアップリンク光波41u’に合波されている波長λ1’,λ2’,…,λn’のアップリンク光信号41m’のうち、通信回線が確立されている基地局20-1,20-2,20-3,…,20-nの基地局装置21に割り当てられている波長λ1’,λ2’,…,λn’であるとして各波長可変フィルタ18'-1,18'-2,…,18'-kに割り当てられている波長λ1’,λ2’,…,λn’のアップリンク光信号41m’のみを透過させ出力する。
光検波器19’は、波長可変フィルタ18’から伝送されたアップリンク光信号41m’を電気信号に変換してデータ信号53’として無線信号受信装置52’に出力する。光検波器19’は、光検波器22と同様に、例えばフォトダイオードが用いられる。なお、出力電力が十分で無い場合には増幅器を付加することが好ましい。
無線信号受信装置52’は、無線端末から発信され基地局装置21が受信した通信の無線電気信号53r’が変換された通信信号53’を外部ネットワーク50へ出力するための信号形式に変換するものである。無線信号受信装置52’は、光検波器19’から伝送された通信信号53’を外部ネットワーク50に適した信号形式に変換して信号51’として外部ネットワーク50に出力する。
以上のように構成された光ファイバ無線アクセスシステムによる外部ネットワーク50側の端末と基地局20側の無線端末との間の通信方法について説明する。
まず、第一のサーチ用光源12-0が、基地局装置21毎に予め割り当てられた波長λ1,λ2,λ3,…,λnに順に波長を変えながらサーチ用光16を出力する。このサーチ用光16はサーチ信号送信装置52-0によって出力された存在確認用無線信号54によって光変調器13-0において変調されてサーチ用光信号16mとして合波器14に入力される。
サーチ用光信号16mは、合波器14とダウンリンク光ファイバ40とリモートノード30の分波器31とを介して基地局20に伝送され、基地局装置21において光検波器22によって存在確認用無線信号54に変換されてアンテナ23から空間に放射される。
基地局装置21から存在確認用の無線電気信号54rを受信した無線端末は、当該信号を受信したことを示す存在確認の応答の無線電気信号54r’を基地局装置21に向けて返信する。この無線電気信号54r’はアンテナ23を介して応答信号54’として基地局光変調器24’に入力される。
一方、第二のサーチ用光源12'-0が、基地局装置21毎に予め割り当てられた波長λ1’,λ2’,λ3’,…,λn’に順に波長を変えながらサーチ応答用光16’を出力する。このサーチ応答用光16’は合波器14とダウンリンク光ファイバ40とリモートノード30の分波器31とを介して基地局20に伝送されて基地局装置21の基地局光変調器24’に入力される。
そして、基地局光変調器24’においてサーチ応答用光16’が応答信号54’によって変調されてサーチ応答光信号16m’としてリモートノード30の合波器32’に入力される。
サーチ応答光信号16m’は、合波器32’とアップリンク光ファイバ40’と分波器17’と波長可変フィルタ18'-0とを介して中央局装置11の光検波器19'-0に入力され、応答信号54’に変換されて応答信号受信装置52'-0に入力される。
応答信号54’が入力されることによって、応答信号受信装置52'-0は、無線端末が通信圏域内に存在する基地局20-1,20-2,20-3,…,20-nを認識、すなわち、無線端末が通信圏域内に存在して通信を必要とする基地局装置21を特定する。そして、第一の波長可変光源12の波長が当該基地局装置21に割り当てられている波長λ1,λ2,…,λnに固定されると共に第二の波長可変光源12’の波長が当該基地局装置21に割り当てられている波長λ1’,λ2’,…,λn’に固定されて無線端末が通信圏域内に存在する基地局装置21と中央局装置11との間の通信回線が確立される。
なお、無線端末が通信圏域内に存在して基地局装置21と中央局装置11との間で通信回線が確立するために、当該基地局装置21に割り当てられている波長λ1’,λ2’,…,λn’に対応した波長が通過できるように波長可変フィルタ18'-1,18'-2,…,18'-kのいずれかが制御される。
なお、無線端末が基地局装置21の通信圏域の外に出ることによって通信の接続状態が解除された場合には、第一の波長可変光源12及び第二の波長可変光源12’並びに波長可変フィルタ18’への波長の割り当ては解除される。
上述の処理によって通信回線が確立された状態において、外部ネットワーク50側の端末から基地局20側の無線端末への通信即ちダウンリンクとして、中央局装置11の第一の波長可変光源12が、前述の処理によって割り当てられた波長のダウンリンク用光41を出力する。また、外部ネットワーク50から入力された外部ネットワーク50側の端末からの信号51が無線信号送信装置52によって無線信号53に変換されて中央局光変調器13に入力される。
そして、ダウンリンク用光41は、中央局光変調器13に入力され、無線信号53によって変調されてダウンリンク光信号41mとして合波器14に入力される。
ダウンリンク光信号41mは、合波器14によって合波されダウンリンク光波41dになってダウンリンク光ファイバ40によってリモートノード30の分波器31に伝送される。ダウンリンク光波41dは分波器31によって分波されダウンリンク光信号41mになって基地局装置21の光検波器22に伝送される。
さらに、ダウンリンク光信号41mは、光検波器22によって無線信号53に変換され、アンテナ23によって無線電気信号53rとして空間に放射される。これにより、外部ネットワーク50側の端末から発信された信号51が基地局20側の無線端末に伝送される。
続いて、基地局20側の無線端末から外部ネットワーク50側の端末への通信即ちアップリンクとして、中央局装置11の第二の波長可変光源12’が、前述の処理によって割り当てられた波長のアップリンク用光41’を出力する。アップリンク用光41’は合波器14によって合波されダウンリンク光波41dになってダウンリンク光ファイバ40によってリモートノード30の分波器31に伝送される。そして、ダウンリンク光波41dが分波器31によって分波されアップリンク用光41’になって基地局装置21の基地局光変調器24’に伝送される。
また、アンテナ23から入力された基地局20側の無線端末からの通信の無線電気信号53r’がアンテナ23によって通信信号53’に変換される。
そして、アップリンク用光41’は、基地局光変調器24’において通信信号53’によって変調されてアップリンク光信号41m’としてリモートノード30の合波器32’に伝送される。
アップリンク光信号41m’は合波器32’によって合波されアップリンク光波41u’になってアップリンク光ファイバ40'によって中央局装置11の分波器17’に伝送される。アップリンク光波41u’は分波器17’によって分岐され波長可変フィルタ18’に伝送され、前述の処理によって割り当てられた波長のアップリンク光信号41m’のみが抽出される。
そして、アップリンク光信号41m’は光検波器19’によって通信信号53’に変換され、無線信号受信装置52’を介して信号51’として外部ネットワーク50に出力される。これにより、基地局20側の無線端末から発信された通信の無線電気信号53r’が外部ネットワーク50側の端末に伝送される。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、中央局10に設置される中央局装置11に、電気信号を伝送する通信ネットワークである外部ネットワーク50が接続され、この外部ネットワーク50を介して伝送される電気信号51が中央局装置11に入力される場合を前提とした例について説明したが、この例に限られるものではなく、中央局装置11に電波送受信用アンテナが接続されて当該アンテナが受信した無線電気信号が中央局装置11に無線信号として入力されると共に当該アンテナから無線電気信号が発信される場合にも本発明を適用することが可能である。
また、本実施形態では、中央局10とリモートノード30との間に二本の光ファイバケーブルを備えるようにしているが、この構成に限られるものではなく、サーキュレータを用いることによって中央局10とリモートノード30との間の光ファイバケーブルを一本の構成にすることも可能である。
具体的には、図6に示す第一の実施形態の概略全体構成に対し、図7に示すように、中央局10の中央局装置11とリモートノード30の分波器31との間の光ファイバに対して中央局10寄りの位置及びリモートノード30寄りの位置の二箇所にサーキュレータ43を設けることにより、光ファイバケーブルを一本の構成にすることが可能である。
また、図8に示すように、中央局10の中央局装置11とリモートノード30の分波器31との間の光ファイバに対して中央局10寄りの位置にサーキュレータ43を設けると共に、リモートノード30の分波器31と基地局20との間にサーキュレータ43を設けることにより、光ファイバケーブルを一本の構成にすることが可能である。この場合には、リモートノード30のアップリンク用の分波器31を合波器としても利用することができる。
上述のようにサーキュレータ43を利用することによって、光ファイバケーブルの敷設コストを抑えることが可能となり、システム構築並びにメンテナンス等にかかるコストを低減させることができるという効果を発揮する。
次に、図9から図12を用いて、本発明の光ファイバ無線アクセスシステムの第二の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第二の実施形態において上述の第一の実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
この光ファイバ無線アクセスシステムは、中央局装置11と複数の基地局装置21とが光ファイバ40,40'で接続され光電波融合技術を用いて信号の伝送を行う光ファイバ無線アクセスシステムであって、光ファイバ40,40'によって伝送する光波41d,41u’を波長分割多重するための分波器31及び合波器32’を備えるリモートノード30を中央局装置11と基地局装置21との間の光ファイバ40,40'上に有すると共に、中央局装置11が、中央局装置11から基地局装置21へのダウンリンク用の光41を生成する光源であって基地局装置21の数よりも少ない数の第一の光源15-1,15-2,…,15-kと、基地局装置21から中央局装置11へのアップリンク用の光41’を生成する光源であって基地局装置21の数よりも少ない数の第二の光源15'-1,15'-2,…,15'-kと、中央局装置11に接続する外部ネットワーク50から中央局装置11に入力される信号51によってダウンリンク用の光41を変調させる中央局光変調器13-1,13-2,…,13-kとを有し、さらに、基地局装置21が無線端末から基地局装置21に入力される信号53r’によってアップリンク用の光41’を変調させる基地局光変調器24’を有し、無線端末が通信圏域内に存在し通信を必要とすると判別された基地局装置21と中央局装置11との間のみで、第一の光源15-1,15-2,…,15-kによって生成されるダウンリンク用の光41を中央局光変調器13-1,13-2,…,13-kによって外部ネットワーク50から入力される信号51に基づいて変調して得られる光信号41mをリモートノード30を介して基地局装置21に伝送すると共に、第二の光源15'-1,15'-2,…,15'-kによって生成されるアップリンク用の光41’を基地局装置21に伝送し基地局光変調器24’によって無線端末から入力される信号53r’に基づいて変調して得られる光信号41m’をリモートノード30を介して中央局装置11に伝送するようにしている。
さらに、本実施形態では、リモートノード30が複数の基地局装置21の中から特定の基地局装置21を選択して光波を伝送する光スイッチ45を更に有すると共に中央局装置11がスイッチ制御器46とスイッチ制御用光源47とを更に有し、スイッチ制御器46とスイッチ制御用光源47とによって光スイッチ45にスイッチ制御信号48mを伝送して基地局装置21を選択しながら無線端末の存在確認用の光信号44m及び無線端末からの応答光信号44m’のための光44’を中央局装置11から送出すると共に無線端末からの応答信号54’を中央局装置11の応答信号受信装置52'-0で受信することによって無線端末が通信圏域内に存在し通信を必要とするか否かを基地局装置21毎に判別するようにしている。
そして、第二の実施形態の場合は、第一の実施形態における波長可変光源である第一のサーチ用光源12-0及び第二のサーチ用光源12'-0の代わりに、波長固定光源である第一のサーチ用光源15-0及び第二のサーチ用光源15'-0を用いる。本実施形態では、第一のサーチ用光源15-0が生成する光44の波長をλ0とし、第二のサーチ用光源15'-0が生成する光44’の波長をλ0'とする。
さらに、第二の実施形態の場合は、第一の実施形態における第一の波長可変光源12及び第二の波長可変光源12’の代わりに相互に出力波長が異なる波長固定光源である第一の光源15-1,15-2,15-3,…,15-k及び第二の光源15'-1,15'-2,15'-3,…,15'-kを有する。本実施形態では、第一の光源15-1が生成する光41の波長をλ1とし、第一の光源15-2が生成する光41の波長をλ2とし、以降同様にして第一の光源15-kが生成する光41の波長をλkとする。また、第二の光源15'-1が生成する光41’の波長をλ1'とし、第二の光源15'-2が生成する光41’の波長をλ2'とし、以降同様にして第二の光源15'-kが生成する光41’の波長をλk'とする。
このように、第二の実施形態の場合は、光源15-0及び15'-0並びに15及び15’はいずれも相互に出力波長が異なる波長固定光源であり、この点が波長可変光源を用いる第一の実施形態と異なる。そして、本実施形態においても、中央局装置11内に設置される第一の光源15の数は中央局装置11と関連付けられている全ての基地局装置21の数よりも少なく、第二の光源15’の数も中央局装置11と関連付けられている全ての基地局装置21の数よりも少ない。
そして、第二の実施形態では、スイッチ制御用光源47によって生成される光をスイッチ制御機46から出力される制御信号49によって変調してスイッチ制御信号48mを生成し、この信号48mをリモートノード30の光スイッチ45に伝送してこれを制御し、中央局装置11から出力された信号を送出する基地局21を選択する。なお、この実施形態の場合は、スイッチ制御機46から出力される制御信号49によってスイッチ制御用光源47が直接駆動されてスイッチ制御信号48mが生成される。
スイッチ制御信号48mは、リモートノード30の分波器31により波長ごとに分離されたダウンリンク光信号41mとアップリンク用光41’をいずれの基地局装置21に送出するかを光スイッチ45に指示するものである。なお、スイッチ制御信号48mは光として光スイッチ45に送出するのではなく、光スイッチ45の制御信号として光スイッチ45に出力する。
光スイッチ45は、入力されたスイッチ制御信号48mに従い、ダウンリンク光ファイバ40によって伝送されて分波器31から出力される無線端末の存在確認用の光信号44m及びダウンリンク光信号41m並びに無線端末からの返信のための光44’及びアップリンク用光41’をいずれかの基地局20の基地局装置21に対して出力する。
また、この実施形態の場合は、中央局装置11の分波器17’として、アレイ導波路回折格子、又は、光カプラと波長可変フィルタとが用いられる。
なお、本実施形態では、無線端末の存在確認用の光信号44mの生成専用の第一のサーチ用光源15-0並びに無線端末からの返信のための光44’の生成専用の第二のサーチ用光源15'-0を有するようにしているが、この構成に限られるものではなく、光スイッチ45を制御することによって第一の光源15及び第二の光源15’に第一のサーチ用光源15-0及び第二のサーチ用光源15'-0の機能を併せて持たせる構成とすることも可能である。この場合は、第一の光源15から出力されるダウンリンク用光41が無線端末の存在確認用の光信号44mに変調されてリモートノード30に伝送されると共に、第二の光源15’から出力されるアップリンク用光41’がリモートノード30に伝送される。そして、リモートノード30の光スイッチ45において光信号44m及び光41’を送出する基地局20を順に変え、通信が必要な無線端末が通信圏域内に存在する基地局20を探索する。存在確認用の無線電気信号54rを受信した無線端末は当該信号54rを受信したことを示す存在確認の応答の無線電気信号54r’を基地局20に向けて出力する。応答信号54’はアップリンクによって中央局10の中央局装置11に届けられる。中央局装置11は応答信号を復調して無線端末が通信圏域内に存在する基地局20を認識し、第一の光源15及び第二の光源15’に基づく光信号44m及び光41’が当該基地局20に接続される状態を光スイッチ45が保持することで無線端末が通信圏域内に存在する基地局装置21と中央局装置11との間の通信回線を確立する。さらに、複数個の第一の光源15及び第二の光源15’を同時にサーチ用光源として利用することも可能であり、この場合には基地局20毎のサーチ時間間隔を短縮することができる。
なお、上述の第一及び第二の実施形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、ミリ波帯もしくはマイクロ波帯で変調した光信号と無変調光搬送波成分を用いて光自己ヘテロダイン検波を行う技術を導入することにより、マイクロ波帯とミリ波帯の無線周波数変換を光領域で行うことが可能となり、中央局の周波数変換のための電気部品を削減することができる。
以上述べた本発明の光ファイバ無線アクセスシステムによれば、中央局装置11内に当該中央局装置11と関連付けられている基地局装置21と同じ数のダウンリンク用光源を設置すると共に全ての基地局装置21にアップリンク用光源を設置する従来の場合と比べて光源の数を大幅に削減することができる。
さらに、本発明によれば、リモートノード30並びに各基地局20は光源や複雑な制御系を備える必要がなく簡易な構成とすることができる。したがって、基地局20と無線端末との間で送受信される電波の送受信可能範囲が狭い範囲に限られる場合であっても、基地局20を設置する障害が小さくなり、漏れのないサービスを提供することが可能になる。具体的には、基地局20と無線端末との間の通信においてミリ波帯(即ち60GHz帯)の電波を使う場合には送受信可能範囲が狭く基地局20の通信圏域が半径10m程度であってカバーできる面積が非常に小さくなるので多数の基地局が必要となり、本発明は特に効果を発揮する。