JP4932663B2 - 二重らせん分子からなる人工二重らせん高分子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二重らせん構造を有する高分子を製造する方法に関する。詳しくは、二重らせん分子を出発物質又は経由物質として、これらを重合することにより相補的な人工二重らせん高分子を製造する方法に関する。
核酸に代表される二重らせん高分子、特に相補的二重らせん高分子は、かつて自然界においてのみ、その美しい姿を見ることができ、人工的に合成することは化学者の夢であった。
これまでに二重らせん構造を有する多くの低分子化合物が、配位結合(非特許文献1)、水素結合(非特許文献2)やπ−πスタッキング(非特許文献3)を利用して合成されてきた。しかし、これらは核酸に見られるような選択的な相互作用により生成する相補的な二重らせん構造ではなく、一重鎖が絡まり合って二重鎖になっているにすぎない。また低分子化合物であり、成形体としてそのまま工業的に利用することは難しい。
また、金属錯体により1本鎖DNAをスタッキングさせ相補的な二重らせんとする方法(非特許文献4)や、相補的な塩基を側鎖に有するポリペプチドから形成される相補的な二重らせん(非特許文献5)が知られているが、これらはいずれも既存の天然高分子であるDNAやポリペプチドの一重鎖を二重らせんにする研究であって、完全に人工的に合成された非天然高分子に関するものではない。
ようやく最近になって、多中良栄らは、キラルなアミジンとカルボキシル基をもつメタ−ターフェニル誘導体が、有機溶媒中でアミジニウム−カルボキシレート塩橋を介して、一方向巻きの二重鎖型会合体を形成することを明らかにしている(非特許文献6)。また、池田将らは、キラルなアミジン及びカルボキシル基を有するメタ−ターフェニル誘導体を配位結合で連結させ、二重鎖らせん構造を有する超分子ポリマーを合成した(非特許文献7)。さらに、本発明者らは、キラルなアミジンを有するメタ−ターフェニル誘導体を単位構造に持つ共役ポリマーと、カルボキシル基を有するメタ−ターフェニル誘導体を単位構造に持つ共役ポリマーとを有機溶媒中で混合すると、塩橋の形成を駆動力として人工的な二重らせん高分子が得られることを見出し特許出願してきた(特許文献1)。
特願2007−61115号 J.-M. Lehn et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 2565 (1987). J.-M. Lehn et al. Nature, 407, 721. (2000). I. Huc Eur. J. Org. Chem. , 17.(2004). M. Shionoya et al. Science , 299, 1212.(2003). P. E. Nielsen et al. Science 254, 1497.(1991). Y. Tanaka, et al. Angew. Chem., Int. Ed., 44, 3867-3870(2005). M. Ikeda, et al. J. Am. Chem. Soc., 128, 6806-6807 (2006).
アミジニウム−カルボキシレート塩橋を配位結合で連結させることにより二重らせん構造を有する超分子ポリマーを製造する方法(非特許文献7参照)で製造されたポリマーは、所謂、超分子と言われる会合体で、熱その他環境の変化に対し不安定であり、優れた方法ではあるもののこの方法で製造されたポリマーを工業的に利用するには制限があると言わざるを得ない。一方、光学活性なアミジン基を有する高分子鎖とカルボキシル基を有する高分子鎖を有機溶媒中で混合することで、より強固で安定な二重らせんポリマーを製造する方法(特許文献1参照)で製造されたポリマーは、相補鎖の鎖長は完全に一致しておらず、1本ずつの相補鎖から二重鎖を形成させる際には結合にあずからない余分のアミジン基又はカルボキシル基が存在する。それゆえ、一組の二重らせんの形成と同時に、別の二重らせん間でコンプレックスを形成することが避けられず、高純度の二重らせん高分子、二重らせん超分子を製造することは困難であった。
本発明は、これらの点を改善して分子構造的に不揃いな部分を無くし、ほぼ完全に構造的に揃った相補的人工二重らせん高分子を製造する方法を提供する。
従来は、高分子の合成に当たり、その分子の長さ、すなわち分子量を正確に制御することは困難であった。リビング重合法が発明され、この問題は大幅に改善されたものの、1組の相補的高分子の各々の長さを正確に揃えることは不可能に近い。本発明者らは、この点を解決する方法について鋭意研究を続けてきた結果、モノマー分子を予め会合させて二重らせん構造とした後に、これを重合させることにより相補的高分子の各々の長さをほぼ正確に揃えることができることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、2種類の異なる分子を会合させて相補的な二重らせん構造を有する会合体を予め形成させた後、これらを重合させることにより、相補的な人工の二重鎖らせん高分子を製造する方法に関する。
より詳細には、本発明は次の(1)〜(21)のとおりである。
(1)2種類の異なる分子を会合させて相補的な二重らせん構造を有する会合体を予め形成させた後、これらを重合させることにより、相補的な人工の二重鎖らせん高分子を製造する方法。
(2)会合が塩橋によるものである前記(1)に記載の方法。
(3)相補的な二重らせん構造を有する会合体が、アミジン基を有する分子とカルボキシル基を有する分子の会合体である前記(1)又は(2)に記載の相補的な人工の二重らせん高分子を製造する方法。
(4)相補的二重らせん構造を有する会合体が、キラルなアミジン基を有する分子とカルボキシル基を有する分子の会合体である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の相補的な人工の二重らせん高分子を製造する方法。
(5)相補的二重らせん構造を有する会合体が、アミジン基とカルボキシル基とを有するメタ−ターフェニル誘導体からなる会合体である前記(2)〜(4)のいずれかに記載の相補的な人工の二重らせん高分子を製造する方法。
(6)メタ−ターフェニル誘導体の末端にアセチレン結合を有することを特徴とする前記(5)に記載の方法。
(7)メタ−ターフェニル1単位当たり1つ以上の炭化水素基を有する前記(5)又は(6)に記載の方法。
(8)メタ−ターフェニル1単位当たり2つ以上の炭化水素基を有する前記(5)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)炭化水素基の炭素数が2以上である前記(7)又は(8)に記載の方法。
(10)予め形成する二重鎖会合体の一方の分子である、カルボキシル基を有する分子のカルボキシル基が主鎖に直接結合している前記(3)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)予め形成する二重鎖会合体の一方の分子であるアミジン基を有する分子のアミジン基が、窒素に直接結合するフェニルエチル基、シクロヘキシ基、又はイソプロピル基のいずれかの置換基を有するアミジン基である前記(3)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(12)重合が、極性の低い溶媒中で重合するものである前記(1)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)極性の低い溶媒が、クロロホルム、塩化エチレン、トルエン、若しくはベンゼンのいずれか、又は、これらの混合物である前記(12)に記載の方法。
(14)極性の低い溶媒が、クロロホルム又は塩化エチレンである前記(12)又は(13)に記載の方法。
(15)重合が、80℃以下で重合することを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)重合が、25℃以下で重合することを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(17)重合が、金属を含有する触媒を用いて重合することを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の方法。
(18)重合が、触媒としてヨウ化銅又は燐が配位したパラジウムを用いて重合することを特徴とする前記(1)〜(17)に記載のいずれかの方法。
(19)重合が、弱塩基性のアミンの存在下で行われるものである前記(1)〜(18)のいずれかに記載の方法。
(20)弱塩基性のアミンが、テトラメチルエチレンジアミンである前記(19)に記載の方法。
(21)重合が、グレーサー(Glaser)カップリング法により重合するものである前記(1)〜(20)のいずれかに記載の方法。
本発明により、数年前からようやく製造が可能になった相補的人工二重らせん高分子や超分子の長さを正確に制御することができると共に、二重らせん分子どうしが凝集したり、枝分かれした分子が発生することを実質的に皆無にできる。その結果、構造の揃った相補的人工二重らせん高分子が容易に得られ、これらを利用した医療、医薬への応用も急速、且つ広範囲に広がることが期待できる。
本発明の方法の大要は、予め二重鎖型会合体を形成させておき、これをモノマーとして重合することで、相補的な官能基を余らせることなく、従って、相補鎖の長さが揃った二重らせん高分子を得ることができ、本発明を完成することができた。以下、予め形成させた低分子量の二重鎖型会合体を二重鎖モノマーと呼ぶことにする。
以下、詳細に説明する。
二重鎖モノマーの合成に用いる原料は、最終的に目的とする相補的な二重鎖らせん高分子を得るに必用な化合物であれば何でも良く、例えば、キラルなアミジンとカルボキシル基をもつメタ−ターフェニル誘導体やパラフェニレン誘導体が用いられる。好ましいモノマーの例としては,ターフェニル誘導体をはじめとするオリゴフェニレン誘導体、さらに好ましくはジアセチレン結合で連結されたメタ−ターフェニル誘導体が選択される。特に好ましくは、末端にアセチレン結合を持ちジアセチレン結合で連結されたメタ−ターフェニル誘導体、オリゴフェニレン、ジアセチレンが用いられる。
二重鎖モノマーとしては、その側鎖として炭化水素基を持ち得るが、その炭化水素基の長さは、少なくともメタ−ターフェニル誘導体1つ当たり、炭素数2以上の炭化水素基が1本以上あることが望ましく、炭素数6以上の炭化水素基が1本以上あることは更に望ましい。これは後の重合反応時の溶解度を保つのが容易になるからである。二重鎖モノマーは、メタ−ターフェニル基のそれぞれのベンゼン環にそれぞれ1本の合計2本の炭化水素基を有し各々が炭素数2以上であることが望ましく、炭素数6以上であることが更に望ましい。更に好ましくは、これらの2本以上の炭化水素基を有し、各々炭素数8以上であること。特に好ましくは炭素数10以上、長いほど良い。メチレン基は直鎖でも分岐型でも良く官能基を備えても良いが、好ましくは官能基の無い直鎖状である。
本発明の好ましい二重鎖モノマーを形成させるための単位構造の1つであり、相補的1本鎖高分子の一方を形成するカルボキシル基を有するメタ−ターフェニル誘導体としては、主鎖らせん構造を形成し易い剛直な構造であることが望ましい。特に好ましくは、カルボキシル基が主鎖に直接導入されている次の一般式(1)、
[式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜30の飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。]
で表されるメタ−ターフェニル誘導体が挙げられる。
本発明の好ましい二重鎖モノマーを形成させるためのもう1つの単位構造であり、相補的高分子のもう一方を形成するアミジン基を有するメタ−ターフェニル誘導体もまた主鎖らせん構造を形成し易い剛直な構造であることが望ましい。特に好ましくは、置換基を有してもよいアミジン基が主鎖に直接導入されている次の一般式(2)、
[式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜30の飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜40の炭化水素基を表す。]
で表されるメタ−ターフェニル誘導体が挙げられる。
一般式(1)及び(2)で表されるメタ−ターフェニル誘導体は、両末端にエチニル基を持ち、中央部のフェニル基のオルト位にカルボキシル基又はアミジン基が結合しているために回転障害が生じて軸不斉となりキラリティーを有するものである。
炭素数1〜40の炭化水素基で置換されていてもよいアミジン基は酸性のカルボキシル基と共に相互に塩を形成して両者で塩による「塩橋」を形成するという相互作用を有している。
また、アミジン基の2個の窒素原子は、それぞれRで示される炭素数1〜40、好ましくは6〜40の炭化水素基で置換されていてもよい。炭化水素基としては、炭素数1〜40、好ましくは炭素数6〜40、炭素数6〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基;炭素数2〜40、好ましくは炭素数6〜40、炭素数6〜20の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;炭素数2〜40、好ましくは炭素数6〜40、炭素数6〜20の直鎖状又は分枝状のアルキニル基;炭素数3〜40、好ましくは炭素数6〜40、炭素数6〜20の飽和又は不飽和の単環式、多環式又は縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6〜40、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基(アリール基)に、前記した炭素数1〜40のアルキル基が結合した、炭素数7〜40、好ましくは炭素数7〜20、炭素数7〜15のアラルキル基(炭素環式芳香脂肪族基)などが挙げられる。好ましいアミジン基の窒素原子における置換基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基などの炭素数7〜40、好ましくは炭素数7〜20、炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられる。より好ましいアミジン基の窒素原子における置換基としては、例えば、フェニルエチル基や、シクロヘキシル基、イソプロピル基等が挙げられる。一般的には、嵩高いフェニルエチル基を持つことが特に好ましい。
前記した一般式(1)で表されるメタ−ターフェニル誘導体の基R、及び一般式(2)で表されるメタ−ターフェニル誘導体の基Rにおける、炭素数1〜30の飽和又は不飽和の炭化水素基としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数6〜30、炭素数6〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基;炭素数2〜30、好ましくは炭素数6〜30、炭素数6〜20の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;炭素数2〜30、好ましくは炭素数6〜30、炭素数6〜20の直鎖状又は分枝状のアルキニル基;炭素数3〜30、好ましくは炭素数6〜30、炭素数6〜20の飽和又は不飽和の単環式、多環式又は縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基;炭素数6〜30、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基(アリール基)に、前記した炭素数1〜30のアルキル基が結合した、炭素数7〜30、好ましくは炭素数7〜20、炭素数7〜15のアラルキル基(炭素環式芳香脂肪族基)などが挙げられる。好ましい基Rとしては、水素原子、炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状のアルキル基、又は炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状のアルキニル基が挙げられる。
本発明における好ましい一般式(1)で表されるメタ−ターフェニル誘導体としては、次の式(3)、
で表されるメタ−ターフェニル誘導体(以下、(R)−1という。)が挙げられる。
また、本発明における好ましい一般式(2)で表されるメタ−ターフェニル誘導体としては、次の式(4)、
で表されるメタ−ターフェニル誘導体(以下、(R)−2という。)が挙げられる。
式(3)で表される(R)−1、及び式(4)で表される(R)−2は、中性域のpHで室温付近のような穏やかな条件の溶液中では、アミジニウム−カルボキシレート塩橋で会合体を形成して次の式(5)、
で表される二重鎖らせんモノマー(以下、(R)−1・2という。)を形成する。
二重鎖モノマーの合成は、一般に知られた方法のいずれを選択しても構わない。一般的には、水素イオン濃度が大小極端に偏った溶液中や高温条件下では生成した二重鎖モノマーが解離しやすいため、穏やかな条件が選択される。例えば、二重鎖らせん分子(例えば、(R)−1・2)はアミジニウム−カルボキシレート塩橋で会合体を形成しており、酸性条件、強塩基性条件下や、高温条件下では相補鎖(R)−1及び(R)−2は解離する。よって(R)−1・2を二重鎖モノマーとして重合するためには、温和な条件で重合する必要がある。このような穏和な条件を満たすものとして、グレーサー(Glaser)カップリング反応があげられる。
Glaserカップリング反応は、末端エチニル基をカップリングさせる反応であって、触媒として少量のヨウ化銅を用い、テトラメチルエチレンジアミン存在下、室温で末端アセチレン誘導体からジアセチレン誘導体を生成する反応である。
本発明の方法において、原料化合物として前記した(R)−1及び(R)−2を用いてGlaserカップリング反応を利用した場合の反応式の例を次の反応式、
[式中、nは重合体の繰り返し数を示す。]
で示す。式中のTMEDAは、テトラメチルエチレンジアミンを示す。
次に二重鎖モノマーから高分子や超分子を製造する方法について述べる。
二重鎖モノマーから高分子や超分子を製造するには、反応中に、二重鎖モノマーが解離しないような条件が必要である。二重鎖モノマーが解離しない条件として、極性の低い溶媒で重合することが望ましい。好ましくはクロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒や、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶媒である。特に好ましくは、クロロホルム、塩化メチレンである。
また、二重鎖モノマーが解離しない条件として、低温で重合することが望ましい。好ましくは80℃以下であり、さらに好ましくは25℃以下である。二重鎖モノマーが解離しない条件での重合を行うに当たり、用いる触媒は水素結合を阻害しないものが好ましい。さらに好ましくは、水素結合を阻害しない金属触媒である。特に好ましくは、ヨウ化銅やホスフィンを配位子に有するパラジウムである。用いる添加剤についても同様に、二重鎖モノマーが解離しない、水素結合を阻害しないようなものが好ましい。さらに好ましくは、弱塩基性のアミン類である。特に好ましくは、テトラメチルエチレンジアミン等の窒素に直接水素原子が結合しないアミンである。
得られた高分子の精製方法としては、二重鎖ポリマーが解離しないような条件が必要である。二重鎖ポリマーが解離しない方法として、反応溶液をそのまま、貧溶媒に投入し、一気にポリマーを析出させる方法が好ましい。用いる貧溶媒は、反応混合物中の触媒や添加剤を溶かし、二重鎖ポリマーが溶けないものであれば何でも良い。好ましくは、ヘキサン、アセトニトリル、メタノールが選択される。
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例を示す。本発明は、以下に記載する実施例により限定されるものではない。
(1)相補的な二重鎖モノマー((R)−1・2)の製造。
アミジン鎖を有する(R)−2(89mg,0.085mmol)、カルボン酸鎖を有する(R)−1(73mg,0.085mmol)をクロロホルム中で混合し、溶媒を減圧留去して、相補的な二重鎖モノマー(R)−1・2を定量的に得た(162mg,0.085mmol,収率100% )。
(2)二重鎖らせん高分子の製造
窒素雰囲気下、前記(1)で製造した(R)−1・2(32mg,0.017mmol)とヨウ化銅(I)(1.1mg,0,006mmol)を塩化メチレン(0.30mL)中で混合し、そこにテトラメチレンエチレンジアミン(9.0mL,0.060mmol)を加えて、室温で36時間撹拌した。反応溶液を過剰のアセトニトリルに投入し、生じた沈殿を遠心分離により回収した。回収したポリマーをクロロホルムに溶解させ、メタノールにより再沈殿させ、生じた沈殿を遠心分離して回収した(21mg,0.011mmol,収率66%)。
図1に原料の(R)−1・2(図1の(a)、CDCl、0.65mM、50℃)及び生成物のポリマー(図1の(b)、CDCl、0.65mM、50℃)のH−NMRのチャートを示す。図1の左上は、δ2〜4.5の部分を拡大表示したものである。
図2に生成物のポリマーの円二色性分散(以下、CDと略記)(図2の上段、CHCl、0.1mM、25℃)、及び紫外可視近赤外分光スペクトル(以下、UV−Visと略記)(図2の下段、CHCl、0.1mM、25℃)のチャートを示す。図2中の青色がモノマー(R)−1・2を示し、赤色はポリマー6を示す。
反応後、メタノール不溶部として得られた生成物のH−NMRスペクトルでは、モノマーのアセチレンプロトンのピークが消失しており、このことより重合の進行を確認した(図1参照)。また、塩橋形成時に見られるNHプロトン及び、アミジン基のメチンプロトンのシグナルが観測され、生成ポリマーが反応前の会合体を維持した二重鎖構造を有していることが示された。また、生成したポリマーの円二色性分散(以下、CDと略記)、及び紫外可視近赤外分光スペクトル(以下、UV−Visと略記)は、二重らせんモノマーとは異なるパターンを示し、ジアセチレン結合の吸収領域に強いコットン効果が観測された(図2参照)。この結果から、生成ポリマーが一方向巻きに偏った二重らせん構造を採っていることが確認できた。
(1)相補的な二重鎖モノマー((R)−1・2)の製造。
アミジン鎖を有する(R)−1(25mg,0.023mmol)をベンゼンに溶解させ、そこにカルボン酸鎖を有する(R)−2(20mg,0.023mmol)をベンゼンに溶解させたものを混合し、凍結乾燥させて、相補的な二重鎖モノマー(R)−1・2を定量的に得た(45mg,0.023mmol,収率100% )。
(2)二重鎖らせん高分子の製造
前記(1)で製造した(R)−1・2(32mg,0.017mmol)、ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウムジクロライド(1.1mg,0.0016mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.3mg,0.0016mmol)をトルエン(0.22mL)中で混合し、そこにトリエチルアミン(22mL)を加えて、室温で30分撹拌した。反応溶液を過剰のアセトニトリルに投入し、生じた沈殿を遠心分離により回収した。回収したポリマーをクロロホルムに溶解させ、メタノールに再沈殿させ、生じた沈殿を遠心分離して回収した。
図3に原料の(R)−1・2(図3の下段)及び生成物のポリマー6(図3の上段)のサイズ排除クロマトグラフィー(以下SECと略記)(JAIGEL−1H:カラム20φ、600mm;JAIGEL−2H:カラム20φ、600mm;溶媒CHCl、流速3.8mL/分)の結果を示す。
実施例1と同様に、H−NMRスペクトルでは、モノマーのアセチレンプロトンのピークが消失しており、このことより重合の進行を確認した。また、塩橋形成時に見られるNHプロトン及び、アミジン基のメチンプロトンのシグナルが観測され、生成ポリマーが反応前の会合体を維持した二重鎖構造を有していることが示された。生成ポリマーをクロロホルムに溶解させ、孔径0.45μMのメンブレンフィルター(Whatman社製 25 mm GD/X disposable syringe filter)でろ過実験を行ったが、ろ過前後で吸収スペクトルの変化がなかった。この結果より、二重鎖の組み違えにより生成すると考えられる分子サイズの大きな架橋体等ではなく、鎖長の揃った二重らせんが生成していることが示唆された。また、生成ポリマーをサイズ排除クロマトグラフィー(以下SECと略記)で分析したところ、超高分子量であると考えられる架橋体に帰するピークは観測されず、鎖長の揃った二重らせんが生成していることが明らかとなった(図3参照)。更にろ過前後の溶液の動的光散乱(以下、DLSと略記する)による測定を試みたが、超高分子を示すような散乱は見られなかった。CD及び紫外可視近赤外分光スペクトルは、二重らせんモノマーとは異なるパターンを示し、ジアセチレン結合の吸収領域に強いコットン効果が、実施例1と同様に観測された。この結果から、生成ポリマーが一方向巻きに偏った二重らせん構造を採っていることが確認できた。
比較例1
互いに相補的な関係にあるアミジンポリマー(高分子−A)とカルボン酸ポリマー(高分子−C)をそれぞれ別々に合成し、続いて両者を混合して二重鎖らせん高分子(高分子−P)を得た。
(1)カルボキシル基を有する一重鎖らせん高分子(高分子−C)の製造。
アルゴン雰囲気下、シュレンク管に2’−カルボキシ−4,4”−ビス(エチニル)−5’−(1−オクチニル)−1,1’:3’1”−ターフェニル(4)(100mg,0.189mmol)、1,4−ジヨード、2,5−ジオクチルベンゼン(105mg,0.189mmol),ヨー化第2銅(3.6mg,0.0189mmol),及びテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(22.0mg,0.0189mmol)を入れ、脱気したジ−イソ−プロピルアミンとトルエンの混合溶媒(容積比で3対7、3.8mL)を加えて60℃で12時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣を少量のクロロホルムに溶解させ、その溶液をジエチルエーテルに加え、生じた高分子−Cを回収した(70mg,0.0846mmol,収率45% )。
H−NMR及び13C−NMRにより分子構造を確認した。また、メチルエステル化した後、ゲル浸透性クロマトグラフィ(以下、GPCと略記)によりり分子量を求め、数平均分子量24,000、重量平均分子量83,000を得た。更に、元素分析の結果、計算通りの原子比であることが確かめられた。
(2)アミジン基を含有する一重鎖らせん高分子(高分子−A)の製造。
アルゴン雰囲気下、シュレンク管に2’−[N,N’−ジ(1−フェニルエチルアミジノ)]−4,4”−ビス(エチニル)−1,1’:3’1”−ターフェニル (5)(30.0mg,0.0697mmol),1,4−ジヨード、2,5−ジオクチルベンゼン(38.6mg,0.0697mmol),ヨー化第2銅(0.65mg,0.0035mmol),及びテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(2.01mg,0.00174mmol)を入れ、脱気したジ−イソ−プロピルアミンとテトラヒドロフランの混合溶媒(容積比で3/7,2.8mL)を加えて60℃で12時間撹拌した。反応溶媒をアセトニトリルに加え、生じた沈殿を回収した。その沈殿をクロロホルムに溶解させ、1モル濃度の塩酸水溶液を加え、生じた高分子Aを回収した(37.0mg,0.0508mmol,収率73%)。
H−NMR及び13C−NMRにより分子構造を確認した。また、GPCにより分子量を求め、数平均分子量38,000、重量平均分子量72,000を得た。
(3)二重鎖らせん高分子(高分子−P)の製造
高分子−A(1.48mg,0,0018mg)と高分子−C(1.30mg,0,0018mg)をテトラヒドロフラン(18mL)中で混合し、溶媒を減圧留去し、二重鎖らせん高分子を定量的に得た。
得られた二本鎖らせん高分子(高分子−P)を濃度0.1mmol/Lとなるようにテトラヒドロフラン−トルエン混合溶媒に溶かし、それを孔径0.45、0.20、0.02μMのメンブレンフィルターで順次ろ過した。次の表1に示すように、高分子−A、高分子−C単独の場合とは異なり、二本鎖らせん高分子はメンブレンフィルターに一部分ろ取された。
また、トルエン−THF混合溶媒中で0.45mmのメンブレンフィルターで濾過した後、高分子−Pの動的光散乱(以下、DLSと略称)を測定した結果を図4に示す。
つまり二本鎖らせん高分子はメンブレンフィルターの孔径より大きな会合体であると考えられる。さらに動的光散乱(以下、DLSと略称)により分子サイズを精査した結果、直径が107±34nmであった(図4参照)。高分子A、高分子C単独での直径は、分子量より推定すると数nmほどであり、二本鎖らせん高分子は非常に大きな会合体を形成していることが示された。鎖長の異なる高分子Aと高分子Cは、鎖長の違いによって会合にあずからなかった結合部位により、分子サイズの大きな二次コンプレックスを形成していると考えられる。
本発明の完成により、人工的に所望の組成、所望の構造の二重らせん高分子が容易に合成できるようになり、反応温度等を厳しく制限される酵素反応から脱却して種々の過酷な条件下での人工二重鎖らせん高分子の入手が可能になった。その結果、医学、工学の分野での大きな貢献が期待できる。
更に、例えば、HPLCのキラル検知・分取カラム、キラル蛍光センサー等の他、分子レベルでの混合が可能になる特徴を生かし、従来は酵素反応などの生体反応以外にはなし得なかった生物化学的な反応を低温域あるいは高温域で実施するなども可能になり、遺伝子情報に類似の情報伝達や増殖に似た自発反応の誘起も可能になる。また、安定な二重鎖構造とすることで、二重らせんポリマーからなるフィルムの弾性率や耐熱性、熱物性等の飛躍的な向上が期待できる。
図1は、原料の(R)−1・2(図1の(a),CDCl,0.65mM、50℃)及び本発明のポリマー(図1の(b)、CDCl、0.65mM、50℃)のH−NMRのチャートを示す。図1の左上は、δ2〜4.5の部分を拡大表示したものである。 図2は、原料(R)−1・2及び生成物のポリマーの円二色性分散(以下、CDと略記)(図2の上段、CHCl、0.1mM、25℃)、及び紫外可視近赤外分光スペクトル(以下、UV−Visと略記)(図2の下段、CHCl、0.1mM、25℃)のチャートを示す。図2中の青色がモノマー(R)−1・2を示し、赤色はポリマー6を示す。 図3は、原料の(R)−1・2(図3の下段)及び本発明のポリマー6(図3の上段)のサイズ排除クロマトグラフィー(以下SECと略記)(JAIGEL−1H:カラム20φ、600mm;JAIGEL−2H:カラム20φ、600mm;溶媒CHCl、流速3.8mL/分)の結果を示す。 図4は、トルエン−THF混合溶媒中で0.45mmのメンブレンフィルターで濾過した後、高分子−Pの動的光散乱(以下、DLSと略称)を測定した結果を示す。

Claims (15)

  1. キラルなアミジン基を有し末端にアセチレン結合を有するメタ−ターフェニル誘導体とカルボキシル基を有し末端にアセチレン結合を有するメタ−ターフェニル誘導体とを塩橋により会合させて相補的な二重らせん構造を有する会合体を予め形成させた後、これらを重合させることにより、相補的な人工の二重鎖らせん高分子を製造する方法。
  2. メタ−ターフェニル1単位当たり1つ以上の炭化水素基を有する請求項に記載の方法。
  3. メタ−ターフェニル1単位当たり2つ以上の炭化水素基を有する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 炭化水素基の炭素数が2以上である請求項2又は3に記載の方法。
  5. 予め形成する二重鎖会合体の一方の分子である、カルボキシル基を有する分子のカルボキシル基が主鎖に直接結合している請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 予め形成する二重鎖会合体の一方の分子であるアミジン基を有する分子のアミジン基が、窒素に直接結合するフェニルエチル基、シクロヘキシ基、又はイソプロピル基のいずれかの置換基を有するアミジン基である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 重合が、クロロホルム、塩化エチレン、トルエン、若しくはベンゼンのいずれか、又は、これらの混合物中で重合するものである請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 極性の低い溶媒が、クロロホルム又は塩化エチレンである請求項に記載の方法。
  9. 重合が、80℃以下で重合することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  10. 重合が、25℃以下で重合することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  11. 重合が、金属を含有する触媒を用いて重合することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 重合が、触媒としてヨウ化銅または燐が配位したパラジウムを用いて重合することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 重合が、弱塩基性のアミンの存在下で行われるものである請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 弱塩基性のアミンが、テトラメチルエチレンジアミンである請求項13に記載の方法。
  15. 重合が、グレーサー(Glaser)カップリング法により重合するものである請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
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