JP4929993B2 - 制御通信装置および制御通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遠隔制御用の制御通信装置および制御通信方法に関するものである。
従来のネットワークを介した通信において、無視できなかった遅延時間に関し、近年ではリアルタイム性が格段に良くなったので、制御通信に適用することが検討されている。
図9は従来の制御通信装置E′でありIPネットワーク(以下、「ネットワーク」、「フィールドネットワーク」または「インターネット」ともいう)10を介した遠隔通信を示す説明図である。図9に示すように制御通信装置E′はネットワーク10を経由して入力パケット9を受信することが可能である。受信した制御信号はノード処理6を経て制御出力7が得られ、制御出力7はバルブの開閉等を始めとするプロセス制御に供与される。なお、各図において、処理機能、処理ステップおよび信号(以下、「経路等」ともいう)の区別を明確にしない便宜的な表記を含み、同一内容には同一符号を付して説明の重複を避ける。
図10はVNet制御情報のネットワークシーケンス図である。これはCENTUM(中小規模プラント向け統合生産制御装置)で使われている制御ネットワーク10を示している。各制御情報は、一定の制御周期に同期してネットワーク10上を伝播する。したがって、正常動作時は、制御信号が制御周期を逸脱して不規則に遅延することはない。ここで、何らかの異常により通信が途絶した場合、適当な回数だけリトライする。それでもなお、通信が途絶状態である場合には故障と判断する。図10では、送信元ステーションから相手先ステーションまで制御情報を送信し、通信に支障なく受信される<正常送信例>と、通信エラーを含んで再送信することにより所望の通信を達成した<再送例>と、を示している。
まず、図10における<正常送信例>を説明する。送信元ステーションにおいて、送信要求があれば、そのときの正常通信経路をネットワークステータステーブルから選択し、自ステーションのIPレイヤーへ送信情報を受け渡す。IPレイヤーは、送信情報を必要に応じて1つ以上のフラグメントに分割した後、順番に相手先ステーションの1系インターフェースへ送信する。図10はフラグメント分割数が2である例を示す。
相手先ステーションの1系インターフェースによって受信されたフラグメント1、フラグメント2は、相手先ステーションのIPレイヤーによって結合され、上位レイヤーへ受け渡される。これによって、相手先ステーションは受信完了状態となり、逆の経路に対してVRP応答がなされる。送信元ステーションは、このVRP応答の受信によって送受信完了状態となる。
つぎに、図10における<再送例>を説明する。送信元ステーションにおいて、送信要求があり、フラグメント1はインターフェース1系を経て相手先ステーションに正常に届く。ここまでは、<正常送信例>と同等である。
フラグメント1の送信後のフラグメント2の送信において、インターフェース1系を経た後、ネットワーク10の不具合等により通信エラーとなれば、相手先ステーションはフラグメント2を受信できないため受信未完了状態が続く。送信元ステーションは相手先ステーションからの応答が確認できないため、所定時間経過後に無応答タイムアウトとなる。フラグメント1,フラグメント2が共に正常に相手先ステーションに届いた場合でも、相手先からの応答で通信エラーが発生した場合には送信元ステーションから見て無応答タイムアウトとなる。
送信元ステーションは、無応答タイムアウトが所定時間または所定回数続いた場合、インターフェース1系に異常が発生したとみなしインターフェースを2系に切り替える。以降は、インターフェース2系を使ってフラグメント1,フラグメント2の送信を試みる。その送信情報は、インターフェース2系を経由して相手先ステーションによって受信され、相手先ステーションは、インターフェース2系を経由して応答データを返す。送信元ステーションは、インターフェース2系からの応答の受信によって正常な送信が完了したことを知り、送信完了状態となる。
図9に示した制御通信装置E′により、IPネットワーク10を経由して受信した制御信号をノード処理して制御出力する動作において、図10に示したように、所定時間の情報欠落(無応答タイムアウト)があれば、通信障害とみなすので、連続的なプロセス制御への適用時に支障をきたすことは免れなかった。
一方、プロセス制御等を始めとする工業用途の要求と、オープン化の要求を同時に満足する通信のため、実時間性、高信頼性を実現するクリティカルな通信を行う高優先度通信手段と、オープンな標準プロトコルの通信を行う低優先度通信手段を同一の通信局に並存させる制御通信装置が知られている(例えば、特許文献1)。
他方、実時間性に加えてスケーラビリテイ、フレキシビリティの面で工業用途の要求を満たすため、標準プロトコルに従って通信をする通信局に対して、通信帯域を時分割して多重通信を行わせる制御通信装置である。通信サイクルを時間スロットに分割し、各時間スロットに対して通信局の組と通信手段の種類を割り当てて通信を行う制御通信装置も知られている(例えば、特許文献2)。
特許第3651612号公報(段落0010〜0012、図1) 特開2005−184616号公報(段落0011〜0013、図1)
しかしながら、制御通信では情報欠落をなくす必要上、小さなパケットごとに優先制御すると、ネットワークを維持する環境に対してノイズ負担を与えることになり、他の通信に迷惑を及ぼすという欠点があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、以下のことを可能にした制御通信装置および制御通信方法を提供することを目的とする。
1)常にある程度の不規則な遅延やパケットの欠落が発生するIPネットワークを前提とし、一定周期で伝送される制御情報のなかで、重要な情報に限定して優先制御する。
2)そうすることにより、情報欠落を嫌う制御通信にもTCP/IP標準ネットワークを適用可能とする。
3)ルータを含め、ネットワーク環境は標準を前提とすることにより、末端のノードだけで処理可能とする。
本発明に係る制御通信装置および制御通信方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。第1の発明は、IPネットワークを介して受信した入力パケットをノード処理して制御出力する制御通信装置であって、前記入力パケットの順序および時刻を比較検証するクロックと、過去に入力した制御値に基づいて現在値を予測した予測値を生成する予測値作成機能と、前記入力パケットの到着が予定時刻から遅れた場合に前記予測値作成機能が生成した予測値を前記入力パケットに代えて選択する入力値選択機能と、前記予測値および前記入力パケットに基づいて必要な誤差補正値を生成する補正値生成機能と、前記誤差補正値を使って前記ノード処理に供与する入力値を補正する誤差補正機能と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、IPネットワークを介して受信した入力パケットをノード処理して制御出力する制御通信方法であって、時系列情報が埋め込まれている入力パケットをIPネットワーク経由で受信する入力パケット受信ステップと、前記入力パケットの到着が予定時刻から遅れたか否かをクロックにより比較検証する遅延検証ステップと、前記遅延検証ステップの検証結果がYesの場合に、過去に入力した制御値に基づいて生成した現在値の予測値を前記入力パケットに代えて選択し、該予測値および前記入力パケットに基づいて必要な誤差補正値を生成し、該誤差補正値を使って前記ノード処理に供与する入力値を補正する誤差補正ステップと、前記遅延検証ステップの検証結果がNoの場合に前記入力パケットをノード処理するノード処理ステップと、前記ノード処理された信号を制御出力する制御出力ステップと、を有すること特徴とする。
本発明による制御通信装置および制御通信方法によれば、以下に示す効果が得られる。
1)IPネットワークに通信障害が生ずる可能性を前提とし、その可能性を織り込んだ上で、IPネットワークを制御通信に使用することが可能となる。
2)したがって、制御命令の順番、時系列を狂わせることが許されないプロセス制御に係る遠隔制御通信であっても、一般的なルータを用いる汎用的なTCP/IP標準ネットワークを介在した遠隔通信により、実用レベルの制御精度を確保することが可能である。
3)特に、制御信号をトータル時間で積分すれば、直流的な狂いのない良好な結果をもたらすことが可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る制御通信装置(以下、「本装置」ともいう)Eを示すブロック図である。図1に示す本装置Eは、クロック1、予測値作成機能2、入力値選択機能3、補正値生成機能4、誤差補正機能5、ノード処理6、制御出力7の機能または経路等を備え、IPネットワーク10と接続されて入力パケット9を受信することが可能である。
クロック1は入力パケット9の順序や時刻を比較検証するために本装置Eの内部で保有する時計機能である。予測値作成機能2は過去に入力した制御値から現在値の予測値を生成する機能である。入力値選択機能3は入力パケット9の到着が予定時刻から遅れた場合、予測値作成機能2が生成した予測値を代替値として選択するための切り替え機能であって、予測値を使う場合には補正値生成機能4に予測値を渡す。
補正値生成機能4は受信した入力パケット9と、入力値選択機能3から渡された予測値を用いて、必要な誤差補正値を生成する。誤差補正機能5は補正値生成機能4が生成した補正値を使ってノード処理6に供する入力値を補正する。
本装置Eは、IPネットワーク10に不規則な遅延やIPパケットの欠落が生ずる可能性を前提とし、その可能性を織り込んで使用される。そして、IPネットワーク10を経由して受信した制御信号は適切に誤差補正され通常のルータ8等によるノード処理6の後、制御出力7から出力される。
ここで、ある時、情報が届かなかった場合に欠損した過去の情報は、つぎの情報から予測値作成機能2により推定される。予測値作成機能2が作成した推定値は入力値選択機能3により、IPネットワーク10から受信した制御信号と比較され、適切と判断された方の制御信号が採用されるが、間違っていれば補正される。なお、制御信号に関し、図2,図4,図5,図7において、制御情報(プロセス値)発信値として図示している。
一方、入力値選択機能3が適切と判断して採用した方の制御信号は、補正値生成機能4と誤差補正機能5にそれぞれ入力され、補正値生成機能4により生成された補正値を、誤差補正機能5により反映される。誤差補正機能5により誤差補正された制御信号は、ノード処理6された後に制御出力7される。制御出力7は、図示せぬプラントを構成するバルブ等を遠隔制御するのに好適である。
本装置Eでは、IPネットワーク10の通信障害等により、伝送された制御信号の前後の順番が逆転して届いた場合(図5の519参照)、何れかを捨てる判断まで含めた補正をするほか、直線補完して得られた推定値と入力値との乖離が大きければ、推定値までも捨てるように判断する。なお、伝送される制御情報には、順番の情報、すなわち相対的時系列情報が埋め込まれているため、伝送後に制御命令の順番が逆転するミスは生じない。結果的に、本装置Eによる制御出力7に直流的な狂いが生じない。
図2は本装置Eにおける同期型の制御通信のタイムチャートである。図2に示す横軸の1目盛は制御周期Tを表している。また、制御情報の発信値(以下、「プロセス値」ともいう)201〜206および制御出力値211〜216に示す各縦棒の長さは、それぞれのアナログ的な大きさを示している。
これらの発信値201〜206をノード処理し、所定時間だけ遅延しながらも順番の狂いを生じることなく、発信値に対する高忠実度の制御出力値211〜216を被制御機器(図示せず)に供給することが可能である。ここで、発信値201→制御出力値211,・・・,発信値206→制御出力値216に示すそれぞれのアナログ値および相互間の時系列が忠実に再現される。このような忠実度の再現性は、図10に示したシーケンス図において、送信要求から送信完了までの間に通信エラーが発生しなかった場合(図10上部)、ノイズキャンセルその他の操作することなく得られる現象である。
図3は本装置Eにおける遅延発生の説明図である。図3に示すように、制御情報(プロセス値)の発信→ネットワーク10→ルータ8→ネットワーク10→ルータ8→ネットワーク10→制御出力→との通信経路の中で、ネットワーク遅延+ルータ遅延による遅延が加算され、ノード処理を経て制御出力が被制御機器へと供給される。
詳しくは、インターネット等で周知であるように、通信経路の途中にルータ8を含む標準的なIPネットワーク10は、通信経路をネットワーク10が自立的に決定する。そのため、通信経路や伝送負荷に依存して管理困難(不規則)な遅延が発生する。このことがIPネットワーク10の用途が制約される原因となり、制御装置等のタイミングクリティカルな用途に対して、機能または性能上の制限を受けることを示している。
本発明では、プロセス値のように時系列に沿って変化するアナログ制御情報を一定周期でサンプリングしながらネットワーク10上の他のノードへ伝達することを例示して説明する。ここで仮に、制御専用ネットワークを用いるのであれば、受信側において、最新の制御情報を一定周期で受信することが継続的に保証される。しかし、情報伝達の際に、不規則な遅延が存在するネットワーク10において、受信側は遅延により制御信号の順番が入れ替わることにより、本来の受信タイミングで受信できない弊害が発生する。なお、ここでいうアナログ制御情報における受信タイミングは、相対時系列、すなわち順番を問題にしている。一方、絶対時間に関しては、必ず所定の遅延時間が含まれることが織り込み済みである。
図4は本装置Eにおいて、ネットワーク遅延がある同期型制御通信のタイムチャートである。図4により、制御信号に対するネットワーク遅延の弊害を説明する。制御情報(プロセス値)発信値401〜406は、ネットワーク遅延後に各受信値411〜416となり、ノード処理による遅延も加算されて制御出力値421〜426となる。ここで、発信値403,405が届かなかった場合には、それぞれ、ひとつ前の発信値402,404を使うとした場合、所定周期T毎にノード処理される同期型制御通信は、制御出力値421〜426であり忠実度の低い結果となる。そうすると、図4の下部に示すように、あるべき制御出力との差433,435を生じる。
図4に示すような、制御信号に対するネットワーク遅延の弊害は、汎用ネットワーク10を介しての制御通信において、ネットワーク負荷変動や、環境変化による不規則な遅延時間の発生が不可避であることに起因している。特に、発信値405がネットワーク遅延後の受信値415となる場合、制御周期Tより遅れているので、発信値405,406が受信値416,415と順番逆転して受信されたならば、その害は著しい。
図4による説明からもわかるように、近年のネッワークに適応した標準IP技術を用い、かつ制御専用ネットワークではなく、汎用のIPネットワーク10を介した制御通信を試みた場合、ネットワーク負荷変動や、環境変化による不規則な遅延時間の発生が不可避である。
それらの不規則な遅延は、IPネットワーク10の標準規格に基づく本質的な特性が要因となっている。したがって、標準規格の範囲でこれらの遅延の不規則性をなくすことはできない。したがって不規則な遅延時間は、特にアナログ制御において、制御信号に対する除去できないノイズとなり、制御装置の精度や安定性に対してマイナスに作用する。
しかしながら、高精度や高安定性を要求される制御通信であっても、コストダウンや機能アップを目的として、専用線以外のネットワークインフラを使うことが可能ならば相当の効果を期待できる。それを実現するためには、制御信号に対する除去できないノイズをキャンセルまたは低減し、かつ遅延時間の限度を保証することが必要である。
すなわち、ネットワーク10の遅延時間が同期制御系の制御周期Tを越えた場合でも、正常な定常動作中であるとみなし、遅れに起因するノイズをキャンセルすることによって、制御動作の安定性を増すことを目的とする。
図5は図4に示した場合のネットワーク遅延補償のタイムチャートである。ネットワーク10上を伝送される制御信号には、その時間順序、または相対時系列を示す時系列情報が付加されている。それにより、ネットワーク遅延によって順番が逆転した場合でも正しい時系列の把握が可能となる。
制御情報の発信元からは、一定の制御周期Tでプロセス値501,504,507,512,515を出力する。ここで、プロセス値501のようにネットワーク遅延の影響が少ない場合、そのプロセス値501はノード処理502を経て制御出力値503を得る。
ところが、プロセス値507のようにネットワーク10の不規則遅延を受けて大きく遅れた場合、期待する時間内にノード値が伝わらない。そのため、本来、プロセス値507を入力値とすれば、それがノード処理を経て出力されるべき時刻になっても、制御出力値509を算出できない。従来、このような場合には、制御出力値509を間引くか、あるいはプロセス値507に代えてプロセス値504を使うことによって制御出力値509を得ていた。
本発明では、制御出力値509を得るために、プロセス値504およびそれ以前のプロセス値を使ってプロセス値507を予測し、プロセス値507の代わりに予測値を使って制御出力値509を計算する。
プロセス値507の予測方法として、簡便には、プロセス値501とプロセス値504の2個のデータからの線形補間のアルゴリズムを用いて行う。それより高度な方法として、プロセス値507より以前のデータを含む3個以上のプロセス値から、線形予測等のアルゴリズムを用いて行う方法でも構わない。
さらに、制御出力値509を出力した後にプロセス値507の遅延した値、すなわちプロセス値511を受信した場合には、既にプロセス値507の予測値とプロセス値507の実値との差を評価することができる。そうすれば、つぎの同期出力時に予測値と実値との差を補償値として正規の値に加えることで最終的な誤差を少なくする。図5下部に示した誤差510,514,518は、あるべき制御出力値との差である。
このように、ネットワーク10の遅延時間が同期制御系の制御周期(ノード処理の間隔)を越えた場合にも、所定の許容遅延限度内であれば正常動作とみなし、遅れに起因するノイズをキャンセルすることによって制御動作の安定性を確保する。ただし、ネットワーク10の遅延時間が予め定められた許容遅延限度を超えた場合には、値を補償するのではなく故障と判断する。
図6は本装置Eにおいて、ネットワーク10の不規則な遅延から生ずる誤差の低減効果に関する周波数特性グラフである。図6の横軸は制御頻度を意味する周波数、縦軸は誤差を低減するフィルターとしてのゲインを表している。詳しくは、本発明を適用しない場合のフィルターゲインを1としたときの効果を表しており、フィルターゲインが0の場合に最大効果、すなわちネットワーク10の不規則な遅延から生ずる誤差に対する低減効果が最大になることを意味している。
図6から読み取れるように周波数0、すなわち直流的な制御状態で、本装置Eは最高の効果を発揮できる。具体的には、制御アルゴリズムとしてPIDを使った場合、特に周波数の高い成分を使わない積分主体のアルゴリズムの場合に、本装置Eは顕著な効果を発揮する。
図7は本装置Eにおいて、ネットワーク遅延がある非同期制御通信補償のタイムチャートである。非同期型の制御ネットワーク10の場合、ネットワーク10につながる複数のノードは、それぞれ独立に動作し、共通の制御周期Tによる統一動作ではない。したがって、各ノードはプロセス値を入力した後、自立的に処理を開始して制御出力する。
ここでも、ネットワーク10上を伝送される各制御信号には、そのネットワーク遅延を含まない相対時刻を示す時系列情報が付加されているので、ネットワーク遅延によって到着時刻がずれた場合でも、遅延を含まない時刻により時系列を取得することができる。
図7において、制御情報の発信元からは、相対時刻とともに、プロセス値701,705,711を出力する。そうすると、プロセス値701は標準的なネットワーク遅延の後にプロセス値702のノード処理によって制御出力値704へ変換される。
ここで、プロセス値705の遅延時間が、プロセス値701の標準的な遅延時間より大きい場合を例示する。この時、遅れのために本来のプロセス値705から得られるべき標準的なタイミングでは対応する制御値を得ることができない。そこで、本発明ではプロセス値705の入力が遅れた場合、プロセス値705以前の情報からプロセス値705の値を予想し、その予想値によって制御出力値707を生成する。
また、既に制御出力値707を得るために利用したプロセス値705の予想値と、プロセス値705そのものとを比較し、その差分による制御出力への補償出力を制御出力値710として出力する。以下、同様に予想値による制御出力値714と、予想と現実との差分による補償出力を制御出力値715に示している。なお、図7に示した例において、予測値を得る方法として線形補完による方法を示しているが、図5に示した同期型の例と同様に線形予測等のアルゴリズムを採用しても構わない。
図8は本装置Eの基本動作を示すフローチャートである。図8に示すように、本装置Eによる制御通信方法は、IPネットワーク10を介して受信した入力パケット9をノード処理(S4)して制御出力(S5)するIPネットワーク10の制御通信方法である。まず、入力パケット受信ステップ(S1)により、IPネットワーク10経由で入力パケット9を受信(S1)する。以下、「ステップ」という文言は省略することがあり、特に図8では記載していない。
ついで、遅延検証ステップ(S2)により入力パケット9の到着が予定時刻から遅れたか否かをクロック1により比較検証する。この遅延検証ステップ(S2)の検証結果が遅れたとしてYesの場合は誤差補正ステップ(S3)により入力パケット9を誤差補正する。一方、遅延検証ステップ(S2)の検証結果が遅れていないとしてNoの場合はノード処理ステップ(S4)により入力パケット9をノード処理する。ノード処理済みの信号は制御出力ステップ(S5)により制御出力されてプロセス制御に用いられる。
このような制御通信装置および制御通信方法によれば、IPネットワーク10に通信障害が生ずる可能性を前提とし、その可能性を織り込んで使用することが可能である。具体的には、IPネットワーク10を経由して受信した制御信号を、適切に誤差補正(S3)しながらノード処理(S4)して制御出力(S5)する。つまり、通信障害等により、予定時刻に情報が届かなかった場合、欠損した過去の情報は、つぎの情報から予測値作成機能2により推定される。そして、予測値作成機能2が推定した推定値は入力値選択機能3により、IPネットワーク10から受信した制御信号と比較され、適切と判断された方の制御信号が採用されるが、間違っていれば補正される。
ここで、入力値選択機能3が適切と判断して採用した方の制御信号は、補正値生成機能4と誤差補正機能5にそれぞれ入力され、補正値生成機能4により生成された補正値を、誤差補正機能5により反映される。誤差補正機能5により誤差補正(S3)された制御信号は、ノード処理(S4)された後に制御出力(S5)される。
つまり、IPネットワークの通信障害等により、伝送された制御信号が前後の順番を逆転して届いた場合に、どちらかを捨てる判断まで含めた補正がなされるほか、直線補完して推定値を算出する。その推定値と遅れた信号との乖離が大きければ、推定値も捨てる判断する。なお、伝送される制御情報には、順番の情報、すなわち時系列情報が埋め込まれているため、伝送後に制御命令の順番が逆転するミスは生じない。結果的に、本装置Eによる制御出力に直流的な狂いは生じない。
さらに、ネットワーク10の遅延時間が同期制御系の制御周期Tを越えた場合にも、所定の許容遅延限度内であれば正常動作とみなし、遅れに起因するノイズをキャンセルすることによって制御動作の安定性を確保する。
また、制御命令の順番、時系列を狂わせることが許されないプロセス制御に係る遠隔制御通信を、一般的なルータ8を介在して通信する汎用的なIPネットワーク10を用いて、実用レベルの通信精度を確保することが可能である。しかも、特殊なルータを必要とせず、ネットワーク環境に依存せずに、自前のノード処理(S4)だけで足りる。そして制御出力(S5)された各値503,506,509,513,517(図5)を、トータル時間によって積分すれば、直流的な狂いのない良好な結果をもたらすことが可能である。
また、ネットワーク10の不具合により、たまたま遅れた場合の欠損データ507、そして前後入れ違いに届いたデータ519、あるいは届かなかったデータに対しては、あらかじめ各データに埋め込まれている順番情報や時系列情報に基づいて、誤差補正の必要があれば前のデータ504,512から推定し、送信されたデータを高忠実度で再現することが可能である。
つまり、プラント等のプロセス制御(アナログ制御)は途絶えることなく継続する必要があるので、何らかの原因により制御信号が途絶えても、所定時間内の情報欠損であれば、時系列情報に沿って通信を継続していることに等しい効果が得られる。また、別の観点による本発明の技術思想は、制御量が大きく変化した場合にだけ優先制御するが、そうでない普段は、優先制御せずに誤差補正の必要があれば、前のデータから推定することにより簡便廉価に遠隔制御する制御通信装置および制御通信方法であると考えられる。
本発明に係る制御通信装置および制御通信方法によれば、ネットワーク10経由で相手先ステーションまで送信された制御情報が、実質上支障なく受信される。したがって、本発明はロングアーム(ビルオートメーション)、石油化学、鉄鋼、紙パルプ、食品、薬品、電力等の幅広い分野のプラント制御に好適であり、係る遠隔操作をインターネット10で簡素かつ安価に行うことも可能である。特に、データ相関が担保されて制御量の予測が可能なアナログ制御(プロセス制御)に好適である。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。
本装置Eを示すブロック図である。 本装置Eにおける同期型の制御通信のタイムチャートである。 本装置Eにおける遅延発生の説明図である。 本装置Eにおいて、ネットワーク遅延がある同期型制御通信のタイムチャートである。 図4に示した場合のネットワーク遅延補償のタイムチャートである。 本装置において、ネットワークの不規則な遅延から生ずる誤差の低減効果に関する周波数特性グラフである。 本装置において、ネットワーク遅延がある非同期制御通信補償のタイムチャートである。 本装置の基本動作を示すフローチャートである。 従来の制御通信装置でありIPネットワークを介した遠隔動作を示す説明図である。 VNet制御情報のネットワークシーケンス図である。
符号の説明
1 クロック
2 予測値作成機能
3 入力値選択機能
4 補正値生成機能
5 誤差補正機能
6 ノード処理
7 制御出力
10 IPネットワーク
504,512 (過去に入力した)制御値
508,516 (現在値を予測した)予測値
E 制御通信装置(本装置)
S1 入力パケット受信ステップ
S2 遅延検証ステップ
S3 誤差補正ステップ
S4 ノード処理ステップ
S5 制御出力ステップ

Claims (2)

  1. IPネットワークを介して受信した入力パケットをノード処理して制御出力する制御通信装置であって、
    前記入力パケットの順序および時刻を比較検証するクロックと、
    過去に入力した制御値に基づいて現在値を予測した予測値を生成する予測値作成機能と、
    前記入力パケットの到着が予定時刻から遅れた場合に前記予測値作成機能が生成した予測値を前記入力パケットに代えて選択する入力値選択機能と、
    前記予測値および前記入力パケットに基づいて必要な誤差補正値を生成する補正値生成機能と、
    前記誤差補正値を使って前記ノード処理に供与する入力値を補正する誤差補正機能と、を備えたことを特徴とする制御通信装置。
  2. IPネットワークを介して受信した入力パケットをノード処理して制御出力する制御通信方法であって、
    時系列情報が埋め込まれている入力パケットをIPネットワーク経由で受信する入力パケット受信ステップと、
    前記入力パケットの到着が予定時刻から遅れたか否かをクロックにより比較検証する遅延検証ステップと、
    前記遅延検証ステップの検証結果がYesの場合に、過去に入力した制御値に基づいて生成した現在値の予測値を前記入力パケットに代えて選択し、該予測値および前記入力パケットに基づいて必要な誤差補正値を生成し、該誤差補正値を使って前記ノード処理に供与する入力値を補正する誤差補正ステップと、
    前記遅延検証ステップの検証結果がNoの場合に前記入力パケットをノード処理するノード処理ステップと、
    前記ノード処理された信号を制御出力する制御出力ステップと、を有すること特徴とする制御通信方法。
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