以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。前面板20はガラス製の前面基板21を有する。前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
背面板30はガラス製の背面基板31を有する。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板20と背面板30とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、例えばネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示され、パネル10は、画像表示を行う画像表示領域とそれ以外の非表示領域とに分けられる。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に延長されたn本(本実施の形態においては、n=1080)の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に延長されたm本(本実施の形態においては、m=5760)のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。なお、図1、図2に示したように、走査電極SCiと維持電極SUiとは互いに平行に対をなして形成されているために、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間に大きな電極間容量Cpが存在する。
図3は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1の構成を示す回路ブロック図である。図3において、プラズマディスプレイ装置1は、前述したパネル10と、画像信号処理回路41と、データ電極駆動回路42と、走査電極駆動回路43と、維持電極駆動回路44と、タイミング発生回路45と、各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)とを備えている。
前述した画像信号処理回路41は、入力された画像信号sigをサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。前述したタイミング発生回路45は水平同期信号H、垂直同期信号Vをもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。前述した走査電極駆動回路43は、タイミング信号にもとづき、維持期間においては維持パルスを発生させ、初期化期間においては傾斜波形電圧を発生させ、書込み期間においては走査パルスを発生させて各走査電極SC1〜SCnをそれぞれ駆動する。前述した維持電極駆動回路44は、タイミング信号にもとづき、維持期間において維持パルスを発生させて維持電極SU1〜SUnを駆動する。前述したデータ電極駆動回路42は、書込み期間において書込みパルスを発生させるための書込みパルス発生部46と、データ電極D1〜Dmのそれぞれに対して印加すべき書込みパルスを出力する書込みパルス出力部47とを有し、タイミング信号にもとづき、書込み期間において書込みパルスを発生させて各データ電極D1〜Dmを駆動する。
また、ここには図示していないが、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、データ電極駆動回路42を搭載したプリント基板間の接続不良を検知するための接続不良検知回路を有する。詳細については後述するが、本実施の形態では、この接続不良検知回路を、書込みパルス発生部46を搭載したプリント基板上に搭載し、書込みパルス発生部46を搭載したプリント基板と、書込みパルス出力部47を搭載したプリント基板との間に電気的な接続不良が発生したとき、その接続不良の発生を直ちに検知することができるようにしている。
次に、データ電極駆動回路42の詳細について説明する。
図4は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1のデータ電極駆動回路42の詳細を示す回路図である。データ電極駆動回路42は、書込みパルス発生部46と、書込みパルス出力部47とを有する。
書込みパルス発生部46は、電力回収部48とクランプ部49とを備え、電力回収部48は、電力回収用のコンデンサC1と、スイッチング素子Q1、Q2と、逆流防止用のダイオードD1、D2と、共振用のインダクタL1とを有し、クランプ部49は、スイッチング素子Q3、Q4を有する。そして、データ電極の電極容量と共振用のインダクタL1とを共振させてデータ電極に供給された電力を電力回収用のコンデンサC1に回収して書込みパルスを発生するとともに、発生させた書込みパルスを書込みパルス出力部47に出力する。
書込みパルス出力部47は、データ電極D1〜Dmのそれぞれに書込みパルスを出力するスイッチ部OUT1〜OUTmを備えている。スイッチ部OUT1〜OUTmのそれぞれは、書込みパルス発生部46から出力される書込みパルスをデータ電極D1〜Dmに出力するためのスイッチング素子QH1〜QHmと、データ電極D1〜Dmを接地するためのスイッチング素子QL1〜QLmとを有している。そして、タイミング発生回路45から出力されるタイミング信号および画像信号処理回路41から出力される画像データにもとづきそれらスイッチング素子を切換えて、書込みパルス発生部46から出力される書込みパルスを印加すべきデータ電極に出力する。
そして、本発明においては、書込みパルス発生部46と書込みパルス出力部47とは、別々のプリント基板上に搭載され、そしてそれらのプリント基板同士をコネクタと電気配線部材とにより電気的に接続して、データ電極D1〜Dmに駆動電圧を供給するデータ電極駆動回路を構成している。
また、後で詳細に説明するが、書込みパルス発生部46を搭載した主基板であるプリント基板上には接続不良検知回路を搭載し、書込みパルス発生部46を搭載した主基板であるプリント基板と書込みパルス出力部47を搭載した出力基板であるプリント基板との間に電気的な接続不良が発生したときに、そのことを直ちに検知できるように構成している。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の駆動電圧波形図である。図5には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち第1のサブフィールド(第1SF)および第2のサブフィールド(第2SF)の駆動電圧波形を示しているが、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形もほぼ同様な形態である。
まず、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、パネル10を駆動する方法としてサブフィールド法を用いている。これは、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドで各放電セルの発光、非発光を制御することにより階調表示を行う方法である。そして、サブフィールドのそれぞれは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
初期化期間では放電セルで初期化放電を行い、続く書込み動作のために必要な壁電荷を形成する。書込み期間では、走査電極SC1〜SCnに順次走査パルスを印加するとともにデータ電極D1〜Dmには表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加して書込み放電を行い、選択的な壁電荷形成を行う。続く維持期間では発光させるべき表示輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間に印加し、書込み放電による壁電荷形成を行った放電セルを選択的に放電、発光させる。
図5において、第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜Dmおよび維持電極SU1〜SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上部および維持電極SU1〜SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上部の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜SUnに正の電圧Ve1を印加する。走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。
以上により、初期化動作が終了する。なお、1フィールドを構成するサブフィールドのうちのいくつかのサブフィールドでは初期化期間の前半部を省略してもよく、その場合には、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化動作が行われる。図5には、第1SFの初期化期間では前半部および後半部を有する初期化動作、第2SF以降のサブフィールドの初期化期間では後半部のみを有する初期化動作を行う駆動電圧波形を示した。
続く書込み期間では、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。
次に、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加する。そして、書込みパルス出力部47のスイッチ部OUT1〜OUTmのうち、1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(Dkは、D1〜Dmのうち画像データにもとづき選択されるデータ電極)に対応するスイッチ部OUTkのスイッチング素子QHkを導通(以下、スイッチング素子を導通させる動作を「オン」、遮断させる動作を「オフ」と記す)させるとともに、スイッチ部OUTkを除くスイッチ部OUT1〜OUTmのスイッチング素子QL1〜QLmをオンにする。これにより、1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dkと書込みパルス発生部46とが電気的に接続され、データ電極Dkを除くデータ電極D1〜Dmは接地される。
同時に、書込みパルス発生部46のスイッチング素子Q1をオンにする。すると電力回収用のコンデンサC1から、スイッチング素子Q1とダイオードD1とインダクタL1と、データ電極Dkに対応するスイッチング素子QHkとを介してデータ電極Dkに電流が流れ始め、データ電極Dkの電圧が上がり始める。そして、データ電極Dkの電圧がVd付近まで上昇したときスイッチング素子Q3をオンにする。するとデータ電極Dkはスイッチング素子QHkおよびスイッチング素子Q3を通して電源電圧Vdにクランプされる。こうしてデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
その後、スイッチング素子Q3をオフにして、スイッチング素子Q2をオンにする。するとデータ電極Dk側の電荷は、スイッチング素子QHkと、インダクタL1とダイオードD2とスイッチング素子Q2とを通してコンデンサC1に流れ始め、データ電極Dkの電圧が下がり始める。これにより、データ電極Dkに供給された電力は電力回収用のコンデンサC1に回収され、次の書込みパルスの発生に利用される。そして、データ電極Dkの電圧が0(V)付近まで低下したときスイッチング素子Q4をオンにする。するとデータ電極Dkはスイッチング素子QHkとスイッチング素子Q4とを通して0(V)にクランプされる。なお、スイッチング素子Q1はスイッチング素子Q3をオンにした後から、スイッチング素子Q2をオンにするまでの間にオフにし、スイッチング素子Q2はスイッチング素子Q4をオンにした後から、次のスイッチング素子Q1をオンにするまでの間にオフにし、スイッチング素子Q4はスイッチング素子Q1をオンにする直前にオフにする。
このようにして、データ電極Dkに正の書込みパルスが印加され、1行目の書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、維持電極SU1〜SUnに0(V)を印加するとともに走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差は、維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。
そしてこの放電により、走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜SCnに0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに正の維持パルス電圧Vsを印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。
以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間の最後には、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間にいわゆる細幅パルス状の電位差を与えて、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁電圧を減らしている。こうして維持期間における維持動作が終了する。
ところで、書込み期間において、発光させるべき放電セルで書込み放電を安定して発生させるためには、通常百数十(V)以上の振幅で立上り時間が1μsec以下の急峻な形状を持つ書込みパルスをデータ電極Dkに印加する必要がある。このため、パネル10には瞬間的に大きな電流が流れるが、この電流は表示画面の面積に比例して増大する。そして、例えば、全ての放電セルのうちの大部分で書込み放電を発生させるような場合、表示画面サイズが50インチのパネルでは、データ電極D1〜Dmに総和で100(A)を超える電流が瞬間的に流れるが、表示画面サイズが103インチの大型のパネル10では、データ電極D1〜Dmに流れる電流の総和は、瞬間的に400(A)を超える非常に大きなものとなる。また、103インチのような大型のパネルではデータ電極D1〜Dmを複数に分割、例えば4分割して駆動するように構成するが、このような場合、書込みパルス発生部46を搭載したプリント基板と書込みパルス出力部47を搭載したプリント基板との間には瞬間的に100(A)を超える電流が流れることになる。したがって、書込みパルス発生部46を搭載したプリント基板と書込みパルス出力部47を搭載したプリント基板との電気的な接続が確実になされていることが重要であり、もしこれらのプリント基板間に接続不良が発生した場合には、例えば、プラズマディスプレイ装置を安全に停止させた後、接続不良が発生した箇所を正しく接続し直す等の対応を速やかにとる必要がある。
本発明においては、書込みパルス発生部46を搭載したプリント基板に接続不良検知回路を搭載することで、書込みパルス発生部46を搭載したプリント基板と書込みパルス出力部47を搭載したプリント基板との間に電気的な接続不良が発生したときに、そのことを直ちに検知できるように構成している点に特徴を有する。
図6は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の各駆動回路を搭載したプリント基板の配置の一例を示す平面図である。
本実施の形態においては、図6に示すように、走査電極駆動回路43は、3枚の走査電極駆動用のプリント基板431に分割して搭載した構成としている。また、維持電極駆動回路44は、3枚の維持電極駆動用のプリント基板441に分割して搭載した構成としている。
また、データ電極駆動回路42は、書込みパルス発生部46を主基板である4枚の書込みパルス発生用のプリント基板461にそれぞれ搭載し、書込みパルス出力部47を構成するスイッチ部OUT1〜OUTmを出力基板である12枚の書込みパルス出力用のプリント基板471に分割して搭載している。なお、図6に示す配置例は、単なる一例に過ぎず、プリント基板の枚数や各プリント基板に搭載する駆動回路の構成等は、プラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて適宜変更すればよい。
さらに、前記走査電極駆動用プリント基板431には、走査電極駆動用プリント基板431同士を互いに電気的に接続するためのコネクタ432と、パネル10の走査電極SC1〜SCnに接続したフレキシブル配線板(以下、「FPC」という)50を接続するためのコネクタ433とを搭載しており、走査電極駆動回路43から出力される駆動電圧は、コネクタ433およびコネクタ433に接続されたFPC50を介して、各走査電極SC1〜SCnに印加される。
また、維持電極駆動用プリント基板441には、維持電極駆動用プリント基板441同士を互いに電気的に接続するためのコネクタ442と、パネル10の維持電極に接続したFPC50を接続するためのコネクタ443とを搭載しており、維持電極駆動回路44から出力される駆動電圧は、コネクタ443およびコネクタ443に接続されたFPC50を介して、各維持電極SU1〜SUnに印加される。
また、書込みパルス発生用プリント基板461および書込みパルス出力用プリント基板471には、書込みパルス発生用プリント基板461と書込みパルス出力用プリント基板471とを互いに電気的に接続するためのコネクタであるブリッジコネクタ462、472を搭載している。このとき、1枚の書込みパルス発生用プリント基板461には、3枚の書込みパルス出力用プリント基板471が接続されるように、書込みパルス発生用プリント基板461にはブリッジコネクタ462を3個搭載し、書込みパルス出力用プリント基板471にはブリッジコネクタ472をそれぞれ1個ずつ搭載している。
また、書込みパルス出力用プリント基板471には、パネル10のデータ電極に接続したFPC50を接続するためのコネクタ473を搭載しており、これにより、書込みパルス発生部46から出力される駆動電圧は、書込みパルス出力部47を搭載した出力基板である書込みパルス出力用プリント基板471、FPC50を介して、データ電極Dkに印加される。
さらに、本実施の形態では、隣り合う書込みパルス出力用プリント基板471同士を互いに電気的に接続するためのブリッジコネクタ474を搭載し、ブリッジコネクタ474を介して隣り合う書込みパルス出力用プリント基板471同士を接続することで、書込み動作に際して流れる電流ができるだけ分散するように構成している。
ここで、図6には図示していないが、各コネクタ間は電気配線部材により電気的に接続されている。
図7に書込みパルス発生用プリント基板461と書込みパルス出力用プリント基板471との接続の様子を示している。
前述したように、表示画面サイズが103インチの大型のパネル10の場合、全ての放電セルのうちの大部分で書込み放電を発生させるような場合、データ電極D1〜Dmに流れる電流の総和は、瞬間的に400(A)を超える非常に大きなものとなる。したがって、4枚の書込みパルス発生用プリント基板461から12枚の書込みパルス出力用プリント基板471を介してデータ電極D1〜Dmに電力を供給する構成では、書込みパルス発生用プリント基板461と書込みパルス出力用プリント基板471との間に、最大で100(A)を超える電流が瞬間的に流れることになる。そこで、本実施の形態では、書込みパルス発生用プリント基板461と書込みパルス出力用プリント基板471との接続には、大電流を流すことが可能な電気配線部材であるハーネス51を用いている。また、書込みパルス出力用プリント基板471同士は、ブリッジコネクタ474間をFPC52によって接続することで、書込みパルス出力用プリント基板471同士を互いに電気的に接続している。
図8は、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置において、書込みパルス発生部46から出力される電力の供給の様子を示す概略図である。
図8の破線に示すように、書込み動作に際して書込みパルス発生部46から出力される電力は、書込みパルス発生用プリント基板461から、書込みパルス発生用プリント基板461に搭載された各ブリッジコネクタ462および各ハーネス51を介して書込みパルス出力用プリント基板471のそれぞれに供給され、さらに、書込みパルス出力部47を構成するスイッチ部のスイッチング素子を介してデータ電極に供給される。
このとき、本実施の形態においては、書込みパルス出力用プリント基板471同士をFPC52によって電気的に接続しているので、このFPC52を介して、書込みパルス出力用プリント基板471間にも電流が流れる。したがって、本実施の形態では、書込み期間において発生する大電流を、書込みパルス発生用プリント基板461と各書込みパルス発生用プリント基板461とをつなぐハーネス51のみならず、隣接する書込みパルス発生用プリント基板461同士をつなぐFPC52をも介して、書込みパルス発生部46から書込みパルス出力部47へ、その電流経路を分散して流すことができる。例えば、ある書込みパルス出力用プリント基板471に搭載された書込みパルス出力部47に集中して電力を供給しなければならないような場合であっても、その書込みパルス出力用プリント基板471に接続されたハーネス51だけでなく、隣接する書込みパルス出力用プリント基板471およびその書込みパルス出力用プリント基板471に接続されたハーネス51をも介して、その書込みパルス出力用プリント基板471に必要な電力を供給することができる。これにより、書込み動作に際して流れる電流を分散させ、書込みパルスが供給される経路におけるインピーダンスを低減して、ジュール熱による発熱や無効に消費される電力を低減することができる。
そのため、対応するブリッジコネクタ462、472間がハーネス51によって確実に接続され、かつ対応するブリッジコネクタ474間がFPC52によって確実に接続されて、書込みパルス発生用プリント基板461および書込みパルス出力用プリント基板471の各プリント基板間の電気的な接続が確実になされていることが重要である。
本発明においては、書込みパルス発生用プリント基板461に、書込みパルス発生用プリント基板461と書込みパルス出力用プリント基板471との接続不良を検知する接続不良検知回路53を搭載するとともに、図8に実線で示すように、接続不良検知回路53を書込みパルス発生用プリント基板461上のブリッジコネクタ462の電極端子の1つに電気的に接続し、その電極端子に対応する書込みパルス出力用プリント基板471上のブリッジコネクタ472の電極端子を接地する構成としている。これにより、例えばブリッジコネクタ462からハーネス51が外れる等して、書込みパルス発生用プリント基板461と書込みパルス出力用プリント基板471との間に電気的な接続不良が発生したときに、それを直ちに検知することが可能となる。次に、この構成について説明する。
図9は、本発明の一実施の形態における接続不良検知回路53の一例を示す回路図である。
図9に示すように、書込みパルス発生用プリント基板461において、各ブリッジコネクタ462は、その電極端子の1つを接続不良検知回路53に接続し、残りの電極端子を書込みパルス発生部46に接続する。また、書込みパルス出力用プリント基板471において、ブリッジコネクタ472は、ハーネス51を介して接続不良検知回路53に接続される電極端子を接地し、残りの電極端子を書込みパルス出力部47に接続するとともに、ブリッジコネクタ474に接続する。そして、対応するブリッジコネクタ462、472同士をハーネス51によって接続するとともに対応するブリッジコネクタ474同士をFPC52によって接続する。これにより、各プリント基板は互いに電気的に接続され、書込みパルス発生部46から出力される書込みパルスはその電流経路が分散されて各書込みパルス出力用プリント基板471上の書込みパルス出力部47に供給され、かつ接続不良検知回路53へは接地電位が入力される。
接続不良検知回路53は、電源電圧V1を抵抗分割する抵抗R10a、R20aと、抵抗R10aと比べて抵抗値が非常に小さく、一方を抵抗R10a、R20aの抵抗分割点に接続したノイズ低減用のダンピング抵抗R30aと、一方を抵抗R10a、R20aの抵抗分割点に接続し他方を接地したノイズ平滑用のコンデンサC10aと、アノードを抵抗R10a、R20aの抵抗分割点に接続した逆流防止用のダイオードD10aとを有する。そして、ダンピング抵抗R30aの他方は、接続不良検知回路53の入力端子の1つとなり、前述したブリッジコネクタ462の電極端子の1つに接続される。
また、接続不良検知回路53は、抵抗分割用の抵抗R10b、R20bと、ダンピング抵抗R30bと、ノイズ平滑用のコンデンサC10bと、逆流防止用のダイオードD10bとを備えた前述と同様の構成の回路、および抵抗分割用の抵抗R10c、R20cと、ダンピング抵抗R30cと、ノイズ平滑用のコンデンサC10cと、逆流防止用のダイオードD10cとを備えた前述と同様の構成の回路を有し、ダンピング抵抗R30b、R30cは、残りのブリッジコネクタ462の電極端子の1つにそれぞれ接続される。ダイオードD10a、D10b、D10cのカソードは互いに接続されて接続不良検知回路53の出力端子となり、例えばプルダウン用の抵抗R40を介して接地される。
このような構成の接続不良検知回路53においては、各ハーネス51が対応するブリッジコネクタ462、472同士をそれぞれ正常に接続していれば、抵抗R10a、R20aの抵抗分割点、抵抗R10b、R20bの抵抗分割点、抵抗R10c、R20cの抵抗分割点は、図9に示すようにダンピング抵抗R30a、R30b、R30cを介して接地されるので、ダイオードD10a、D10b、D10cのアノードは接地電位に準ずる非常に低い電位となり、接続不良検知回路53の出力信号は「データLo」(ここでは、実質的に接地電位に等しい電位)となる。
一方、ハーネス51の1つに、対応するブリッジコネクタ462、472からハーネス51が外れる等の接続不良が発生すると、接続不良検知回路53に接続された電極端子の1つは電気的に開放された状態となる。例えば、図面中最も上に示されたハーネス51が接続不良を起こすと、ダンピング抵抗R30aに接続された電極端子は電気的に開放された状態となる。これにより、ダイオードD10aのアノードの電位は、電源電圧V1を抵抗R10a、R20aで抵抗分割した電位となり、カソードの電位はアノードの電位にもとづく電位となる。このとき、抵抗R10b、R20bの抵抗分割点、および抵抗R10c、R20cの抵抗分割点はダンピング抵抗R30b、R30cを介して接地されたままであるが、逆流防止用のダイオードD10b、D10cの働きによりダイオードD10aのカソードの電位が引き下げられることはない。そして、接続不良検知回路53の出力信号は、「データHi」(電源電圧V1を抵抗R10a、R20aで抵抗分割した電位にもとづく電位)となる。
このように、本実施の形態では、全てのハーネス51が対応するブリッジコネクタ462、472に正しく接続されていれば、接続不良検知回路53からは「データLo」が出力され、ハーネス51のいずれかに接続不良が発生すれば、接続不良検知回路53から直ちに「データHi」が出力されるので、ハーネス51に関する接続不良が発生したときに、それを直ちに検知することができるようになる。したがって、例えば、接続不良検知回路53の出力信号を、プラズマディスプレイ装置の動作を制御するマイクロコンピュータに入力し、装置全体の動作の制御に使用するように構成することにより、ハーネス51に関する接続不良が発生したときに、プラズマディスプレイ装置を安全にかつ速やかに停止させる等の対応をとることが可能となる。
なお、本実施の形態では、電源電圧V1を5(V)、抵抗R10a、R10b、R10cを2.2kΩ、抵抗R20a、R20b、R20cを22kΩ、ダンピング抵抗R30a、R30b、R30cを220Ω、コンデンサC10a、C10b、C10cを0.1μFとし、「データHi」が約3.3(V)となるようにしているが、これらの値は単なる一例に過ぎず、プラズマディスプレイ装置の仕様に合わせて最適な値に設定することが望ましい。
図10は、本発明の接続不良検知回路53の他の例を示す回路図である。なお、図10においては、1つのブリッジコネクタ462に対応する接続不良検知回路のみを示している。
図10に示すように、本実施の形態における接続不良検知回路53は、一方を電源電圧V2に接続した抵抗R11と、一方を抵抗R11の他方に接続し他方を接地した第1のコンデンサであるノイズ平滑用のコンデンサC11と、抵抗R11と比べて抵抗値が非常に小さく、一方を抵抗R11とコンデンサC11との接続点に接続したノイズ低減用のダンピング抵抗R31と、アノードを抵抗R11とコンデンサC11との接続点に接続して抵抗R31に並列に接続したダイオードD31と、カソードを抵抗R11とコンデンサC11との接続点に接続したツェナーダイオードD21と、一方をツェナーダイオードD21のアノードに接続し他方を接地した第2のコンデンサであるノイズ平滑用のコンデンサC21と、アノードをツェナーダイオードD21のアノードに接続した逆流防止用のダイオードD11とを有する。そして、ダンピング抵抗R31とダイオードD31のカソードとの接続点が接続不良検知回路53の入力端子の1つとなり、前述したブリッジコネクタ462の電極端子の1つに接続される。
また、ここには図示していないが、接続不良検知回路53は、前述と同様の構成の回路をブリッジコネクタ462と同数設けられている。そして、逆流防止用のダイオードD11のカソード同士が互いに接続されて接続不良検知回路53の出力端子となり、例えばプルダウン用の抵抗R40を介して接地される。
このような構成の接続不良検知回路53においては、全てのハーネス51が正常に接続されていれば、抵抗R11とコンデンサC11との接続点は、図10に示すようにダンピング抵抗R31とダイオードD31との並列回路を介して接地されるので、ツェナーダイオードD21のカソードは接地電位に準ずる非常に低い電位となる。したがって、ダイオードD11のアノードは実質的に接地電位に等しい電位となり、接続不良検知回路53の出力信号は「データLo」となる。
なお、このとき、ダンピング抵抗R31、ダイオードD31、コンデンサC11およびツェナーダイオードD21、コンデンサC21の働きによりダイオードD11のアノードにおけるノイズを大幅に低減することができる。具体的には、接地電位から正の電位に変位するノイズが電極端子に混入した場合には、そのノイズによる正のエネルギーはダンピング抵抗R31を介してコンデンサC11に充電され、また、接地電位から負の電位に変位するノイズが電極端子に混入した場合には、その負のエネルギーを打ち消す正のエネルギーがコンデンサC11から出力されダイオードD31を介して電極端子に供給される。これにより、抵抗R11とコンデンサC11との接続点におけるノイズが低減される。さらに、ダイオードD11のアノードにおいては、抵抗R11とコンデンサC11との接続点に残った微小なノイズがツェナーダイオードD21の働きにより遮断され、かつコンデンサC21の働きによりノイズが平滑化されるので、大幅にノイズが低減される。これにより、接続不良検知回路53の出力端子からはノイズが大幅に低減された信号(データLo)が出力される。
一方、ハーネス51が接続不良を起こすと、ダンピング抵抗R31とダイオードD31との並列回路は電気的に開放された状態となる。これにより、抵抗R11とコンデンサC11との接続点の電位は上昇し、ツェナーダイオードD21が導通して、接続不良検知回路53の出力信号は「データHi」となる。
以上述べたように、本実施の形態では、全てのハーネス51が対応するブリッジコネクタ462、472に正しく接続されていれば、接続不良検知回路53からは「データLo」が出力され、ハーネス51のいずれかに接続不良が発生すれば、接続不良検知回路53から直ちに「データHi」が出力される。加えて、前述したように接続不良検知回路53にはノイズを低減するための回路を加えた構成としているので、ノイズによる影響を大幅に低減して、ハーネス51の接続不良を検知することができる。
なお、本実施の形態では、電源電圧V2を15(V)、抵抗R11を4.7kΩ、ダンピング抵抗R31を330Ω、コンデンサC11を1μF、コンデンサC21を1μF、ツェナーダイオードD21のツェナー電圧Vzを5.8(V)とし、「データHi」が約3.3(V)となるようにしているが、これらの値は単なる一例に過ぎず、プラズマディスプレイ装置の仕様に合わせて最適な値に設定することが望ましい。
なお、本発明の実施の形態では、ハーネス51に関する接続不良を検知したときに接続不良検知回路から「データHi」を出力させる構成を説明したが、接続不良検知回路から出力される信号の極性が逆になるように構成することも可能である。また、接続不良検知回路を図9、図10に示した構成に限定するものではなく、その他の構成を用いて同様の動作を行うようにしてもよい。