JP4927225B1 - Sf6ガス回収装置及びsf6ガス回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間同等の時間以内がよいとする要求を達成できるように、SF6ガス封入機器の回収時間を短縮できる経済的なSF6ガス回収装置を提供する。
【解決手段】本実施例のSF6ガス回収装置100は、SF6ガス10が封入されているSF6ガス封入機器1から回収ホース6を介し、真空ポンプ3及び圧縮機4の組み合わせを用いてSF6ガス回収タンク5にSF6ガス10を回収するように構成されている。また、本実施例のSF6ガス回収装置100には、真空ポンプが後段真空ポンプ3とこの後段真空ポンプ3の前段のSF6ガス封入機器1とを結ぶ回収ホース6に前段真空ポンプ2が設けられている。この前段真空ポンプ2の排気圧力は、SF6ガス封入機器1から排出されるSF6ガス10の粘性状態を後段真空ポンプ3が運転可能な所定の粘性状態となるように制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、SF6ガス封入機器のSF6ガス回収に用いるSF6ガス回収装置及びSF6ガス回収方法に関する。
従来、高電圧を有する受変電設備に用いられるガス遮断器等のガス絶縁電気機器は、小型化の要請から機器内に電気絶縁効果のある絶縁ガスを封入した構成が適用されている。
この絶縁ガスとしては、取り扱いが容易であり、しかも絶縁性能が優れている六フッ化硫黄ガス(以下、SF6ガスと略称する。)が用いられており、受変電設備に用いられるガス遮断器、変圧器及び加速器等の電気機器内に封入されて用いられている。以下、このようなSF6ガスを用いた機器をSF6ガス封入機器と称する。
しかしながら、上記のSF6ガスは、地球温暖化係数が炭酸ガスの23900倍相当とされており、大気に放出された際には地球温暖化に寄与してしまうため、環境保全を主目的として、SF6ガス封入機器の点検時または撤去時には、使用済SF6ガスを大気に放出させずに回収をする等の対策を講じることが求められてきた。
以上の理由により、SF6ガス封入機器内に封入されたSF6ガスは、機器内部の解放点検毎や機器更新時の撤去作業毎に、機器内に封入されたSF6ガス容量の99%を回収することが義務付けられており、この場合このSF6ガス回収を速やかに行うことが要求されている。この際、SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間は、1時間以内が好ましいとされている。
このSF6ガスの回収は、SF6ガス封入機器に回収ホースを介して接続するSF6ガス回収装置によって行われる。また、このSF6ガス回収装置は、SF6ガス使用機器内のSF6ガス圧力が大気圧力以上である状態の場合は、付属の真空回収ポンプは使用しないでSF6ガス回収装置の圧縮機のみでSF6ガス回収装置に接続したSF6ガス回収タンクに充填する。
また、SF6ガス封入機器内のSF6ガス圧力が大気圧力以下である状態の場合は、機器内は負圧状態となるため、SF6ガス回収装置は付属の真空回収ポンプを経由し、圧縮機を介してSF6ガス回収装置に接続したSF6ガス回収タンクに加圧して充填する。圧縮機の大気圧以上の回収のみでは充分な回収率が達成できず、特に大気圧前後の低い圧力で封入されたSF6ガス封入機器内での真空状態に近い状態下でのSF6ガスの回収には、真空回収ポンプの使用が不可欠となる。
また、SF6ガス封入機器内のSF6ガスは、0.1〜0.6MPa(100〜600kPa)の圧力で充填されており、SF6ガス封入機器内のSF6ガス容量の99%を回収するためには、SF6ガス封入機器内の圧力が1〜5kPaとなるまでの回収が必要となる。
これは即ち、圧力範囲が加圧状態である0.1〜1MPaから、真空状態に近い略0〜0.1MPaまでのSF6ガスの回収を意味する。また、これは即ち、大気圧の1/100〜1/20のまでのSF6ガスの回収が必要となる。以下、この真空状態に近い圧力の範囲である略0〜0.1MPaを真空状態圧力と称し、この圧力下にある雰囲気状態を真空状態と称する。
ここで、上記の真空状態圧力までSF6ガスを回収するためには、使用するSF6ガス回収機器やホ-ス等も上記の加圧状態から真空状態での使用圧に耐えるものが要求される。
しかしながら、市販品の機器やホースには、加圧状態での使用に耐えるものは多いものの、真空状態での使用に耐えるものは少ない。また、逆に真空状態での使用に耐えるものは、加圧状態での使用に耐えないものが主であり、上記の加圧状態から真空状態までの連続的に圧力が変化する条件での使用に耐えるものは少ない。
また、回収ホースにおいては、口径、長さ等で上記の条件を満たす市販品の種類は制限されてしまう。特に、口径の大きな機器ほど、加圧状態での使用条件と真空状態での使用条件を満たす仕様がそれぞれ異なるため、設計圧力の対応が難しくなり、加圧状態下及び真空状態下での兼用に耐えるものが著しく少なくなってしまう。
上記の問題を解決するために、加圧状態下及び真空状態下での兼用に耐えるものであって、SF6ガス回収圧力の圧損を少なくできる口径の大きい回収ホースを用いて速やかにSF6ガスを回収する等の対策がとられる。
しかしながら、口径の大きい回収ホースは、厚肉で重量物となり、搬入、設置や接続作業等のハンドリングが困難となるため、SF6ガス回収作業の作業効率が著しく低下する問題がある。以下、回収ホースの搬入、設置や接続等の作業をハンドリングと総称する。
例えば、ホース内径φ50mmの市販のホースを回収ホースとして用いる場合、このホース重量は300mで630kgと重量物となる。この場合は、ホースを10m(21kg)毎に切断して30分割することでハンドリングが容易となるが、各分割したホースどうしの接続作業時に、接続箇所毎に気密検査を実施しなければならず、時間を多く要してしまい、SF6ガス回収作業の効率は著しく低下してしまう。従って、このような口径の大きい回収ホースでは、搬入及び設置を容易にすることができない。
このように、口径の大きい回収ホースを用いる場合は、SF6ガス封入機器の停止時間を短縮することができず、SF6ガス封入機器の更新時や点検時等での実用に不適である。
また、口径の大きい回収ホースを用いずに、高いSF6ガス回収能力を有する真空回収ポンプを用いることも考えられるが、この場合は真空回収ポンプも大型となり、SF6ガス封入機器の近傍までに搬入するには、建屋構造、通路幅や階段等の制限があり搬入が困難となってしまう。
また、大きな真空ポンプをもった回収装置を用いても、回収ホースの口径が小さいと、
回収ポンプのホ−スの回収時の圧力損失が大きくなり、このような大きな回収装置を用いても、回収時間の短縮には結びつかない。
本発明の目的は、SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間以内であることが望ましいとする要求を達成できるように、SF6ガス封入機器の回収時間を短縮できる経済的なSF6ガス回収装置を提供することにある。
本発明の目的は、また、上記同様にSF6ガス封入機器の回収時間を短縮でき、かつ搬入及び設置が容易にできる回収ホースを用いることができて装置の小型化を達成できる経済的なSF6ガス回収装置を提供することにある。
本発明の目的は、また、SF6ガス回収能力の高い大型の装置を用いずに、SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間以内であることが望ましいとする要求を達成できるように、SF6ガス使用機器内のSF6ガスの回収時間を短縮することができるSF6ガス回収方法を提供することにある。
本発明のSF6ガス回収装置は、SF6ガスが絶縁ガスとして封入されているSF6ガス封入機器から回収ホースを介し、真空ポンプ及び圧縮機の組み合わせを用いてSF6ガス回収タンクに前記SF6ガスを回収するSF6ガス回収装置において、前記真空ポンプが、後段真空ポンプと該後段真空ポンプの前段の前記SF6ガス封入機器とを結ぶ前記回収ホースに設けられた、前記SF6ガス封入機器から排出される回収SF6ガスの粘性状態が後段真空ポンプが運転可能な所定の粘性状態になるように排気圧力が制御される前段真空ポンプとから構成されることを特徴としている。
本発明のSF6ガス回収装置は、また、前記前段真空ポンプが、前記SF6ガス封入機器の近傍に配設され、その配設距離は、前記前段真空ポンプから前記後段真空ポンプまでの配設距離に比べて1/2以下とされることを特徴としている。
本発明のSF6ガス回収装置は、また、前記SF6ガス封入機器の近傍に配設される前記前段真空ポンプの配設距離は、前記前段真空ポンプから前記後段真空ポンプまでの配設距離に比べて1/5以下とされることを特徴としている。
本発明のSF6ガス回収装置は、また、前記後段真空ポンプの下流側の回収ホースに設けた調整弁もしくは前記圧縮機の上流側の回収ホースに設けた戻し弁、もしくはこれらの双方によって前記前段真空ポンプの排気圧力が制御されることを特徴としている。
本発明のSF6ガス回収装置は、また、前記回収ホースは、そのホース内径が20mm以上〜32mm未満とされることを特徴としている。
本発明のSF6ガス回収装置は、また、前記回収ホースは、そのホース内径が20mmまたは25mmとされることを特徴としている。
本発明のSF6ガス回収装置は、また、前記回収ホースは、そのホース内径が25mmとされることを特徴としている。
また、本発明のSF6ガス回収方法は、上記のSF6ガス回収装置を用いて前記SF6ガス封入機器からSF6ガスを1時間以内で回収するようにしたことを特徴としている。
本発明のSF6ガス回収装置は、上述のように構成したので、SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間同等の時間以内であることが望ましいとする要求を達成できるように、SF6ガス封入機器の回収時間を短縮できる経済的なSF6ガス回収装置を提供することができる。
本発明のSF6ガス回収装置は、上述のように構成したので、SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間同等の時間以内であることが望ましいとする要求を達成できるように、SF6ガス封入機器の回収時間を短縮でき、かつ搬入及び設置が容易にできる回収ホースを用いることができて装置の小型化を達成できる経済的なSF6ガス回収装置を提供することができる。
また、本発明のSF6ガス回収方法は、上述のように構成したので、SF6ガス回収能力の高い大型の装置を用いずにSF6ガス使用機器内のSF6ガスの回収時間を短縮することができるSF6ガス回収方法を提供することができる。
本発明の実施例であるSF6ガス回収装置の概略を示す図である。 真空ポンプが1段構成であるSF6ガス回収装置によるSF6ガスの回収時間とその関係を示す図である。 図1のSF6ガス回収装置によるSF6ガスの回収時間を表で示す図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。尚、以下説明する本発明の実施例で用いる真空ポンプは、SF6ガス封入機器内の圧力が上記真空状態になるまでのSF6ガスの回収を行うものとする。また、本発明の実施例では、SF6ガス封入機器側を上流側、SF6ガス回収タンク側を下流側と称する。
図1は、本実施例のSF6ガス回収装置の概要を示している。本実施例のSF6ガス回収装置100の基本構成は、絶縁ガスとなるSF6ガスが封入されているSF6ガス封入機器1、真空ポンプ3、圧縮機4そしてSF6ガス回収タンク5とから構成されている。
また、これらSF6ガス封入機器1、真空ポンプ3、圧縮機4そしてSF6ガス回収タンク5間は、それぞれ回収ホース6、7が接続され、SF6ガス封入機器から回収されるSF6ガス10はこれら回収ホース6、7を介してSF6ガス回収タンク5へ回収されるようになっている。
この際、このSF6ガス10は、真空ポンプ3及び圧縮機4の組み合わせを用いることによってSF6ガス回収タンク5に回収されるようになっている。なお、真空ポンプ3は、圧縮機4の上流側に接続される。以下、本実施例のSF6ガス回収装置100の詳細構成について説明する。
SF6ガス封入機器1は、機器内に電気絶縁効果のある絶縁ガスとしてSF6ガス10を封入し小型化された構成となっており、高電圧を有する受変電設備に用いられるガス遮断器、変圧器及び加速器等のガス絶縁電気機器として適用されているものである。
また、圧縮機4は、上流側に調整弁11が設けられる。この調整弁11の調節によって、圧縮機4の上流側のSF6ガスの流量を調節することができる。また、上記のようにSF6ガスの流量を調節のために、図示しないSF6ガス封入機器1のSF6ガスの排出口及びSF6ガス回収タンク5の充填口にそれぞれ弁1A、5Aが設けられる。
また、同様の理由で、真空ポンプ3の上流側及び下流側には、それぞれ弁3A,3Bが設けられる。更に、真空ポンプの下流側と上流側には、それぞれを接続する配管13が設けられて真空ポンプの下流側を流れるSF6ガスが上流側に戻せるようになっており、この上流側に戻すSF6ガスの流量は配管13に接続された戻し弁12によって調節されるようになっている。
SF6ガス封入機器1内のSF6ガス10の回収は、具体的には、SF6ガス封入機器1内のSF6ガス10の圧力が大気圧力以上である状態の場合は、真空ポンプ3は使用せずに圧縮機4のみでSF6ガス封入機器1内のSF6ガス10の回収を行い、圧縮機4に接続したSF6ガス回収タンク5に回収したSF6ガスを充填する。
また、SF6ガス封入機器1内のSF6ガス10の圧力が大気圧力以下である状態の場合は、SF6ガス封入機器1内は負圧状態となるため、真空ポンプ3を経由してSF6ガス10の回収を行い、圧縮機4を介してSF6ガス回収タンク5に回収したSF6ガスを加圧して充填する。
回収ホース6は、SF6ガス封入機器1と後述するガス回収装置このSF6ガス封入機器1と後述する真空ポンプ3及び圧縮機4間に接続され、回収ホース6内部を通してSF6ガス封入機器1から排出されるSF6ガス10を真空ポンプ3及び圧縮機4側へ送出するようになっている。
また、この回収ホース6は、例えば市販のもので内径φ50mm(外径φ61mm)、2.1kg/mのホースを用いる場合は、300mの長さで630kgと重量物となり、この回収ホース6のハンドリングが困難となり、その結果10m(25kg)毎で分割・接続作業が必要とされ、回収ホース6の接続部毎における気密検査等の手間がかかり効率的でなく実用的ではない。
ここで、回収ホース6は、運搬、設置のハンドリングを考慮にして、約20kg/本の重量(以下、ホースユニットと称する。)にすることが必要とされ、また、敷設、収納のハンドリング施工上、ホースユニットの長さは50m以下が必要とされている。また、これらホースユニットの回収ホースの接続本数は、接続部のガス気密性を確保するために10本以下とすることが望ましい。
本実施例で用いる回収ホース6は、後述する真空ポンプの構成により、例えば内径φ25mm(外径φ33mm)、0.6kg/mのゴムホースが用いることができる。この場合は、長さが50mで30kgであり、ホース長を200m要する場合でも上記長さが50mのものを4本接続することで重量物とならず、気密検査の手間もかからずハンドリングも効率的にできる。
また、上記の内径φ25mm(外径φ33mm)、0.6kg/mのゴムホースは、加圧状態から真空状態までの圧力範囲において、内径φ50、φ28mmのものに比べて後述するように使用性能が高いことが分かっており、本実施例で用いる回収ホース6として好適である。
また、上記回収ホース6の材質としては、加圧状態から真空状態の圧力範囲においての使用ができるものであれば、ポリ塩化ビニル製やポリウレタン製等の市販品のエアホースを用いることもできる。
ここで、加圧状態とは、SF6ガス封入機器内のSF6ガスが大気圧と等しい圧力雰囲気即ち101.3kPaの圧力雰囲気にある状態をいい、真空状態とは、SF6ガス封入機器内のSF6ガスが1〜5kPaの圧力雰囲気にある状態をいう。また、SF6ガス封入機器内が真空状態になるまでのSF6ガスの回収は、SF6ガス封入機器内のSF6ガス容量の99%の回収を意味する。
この際、圧縮機4とSF6ガス回収タンク5の接続は、回収ホース7によってなされる。この回収ホース7は、SF6ガス回収タンク5へ充填するSF6ガスを加圧する必要あるため、上記の回収ホース6とは異なり高圧に耐えることができる市販品の高圧ホースが用いられる。
これに対し、SF6ガス封入機器内のSF6ガス圧力が大気圧力以下である状態の場合は、機器内は負圧状態となるため、SF6ガス回収装置は付属の真空回収ポンプの使用を経由し、圧縮機を介してSF6ガス回収装置に接続したSF6ガス回収タンクに加圧して充填する。
本実施例のSF6ガス回収装置100は、更に、真空ポンプが、後段真空ポンプ3と、この後段真空ポンプ3の前段のSF6ガス封入機器1とを結ぶ回収ホース6に前段真空ポンプ2が設けられている。
この前段真空ポンプ2は、排気圧力が、SF6ガス封入機器1から排出される回収SF6ガス10の粘性状態は後段真空ポンプ3が運転可能な所定の粘性状態になるように排気圧力が制御されるようになっている。また、前段真空ポンプ2と後段真空ポンプ3は、図1に示す如く、それぞれが直列に接続される。以下、上記のSF6ガス回収装置100の詳細構成について説明する。
前段真空ポンプ2の上流側及び下流側は、上述の真空ポンプ3同様に、上流側及び下流側のSF6ガスの流量を調節するための弁2A,2Bがそれぞれ設けられる。また、この前段真空ポンプ2の下流側即ち排気側には、制御手段20が設けられる。
この制御手段20は、前段真空ポンプ2の排気側を流れるSF6ガスの圧力(以下、前段真空ポンプの排気圧力と称する。)の大きさに応じて、圧縮機4の調整弁11又は後段真空ポンプ3の戻し弁12の開閉量を制御して後段真空ポンプ3及び圧縮機側のSF6ガスの流量を調整し、以って前段真空ポンプ2の排気圧力を制御するように構成されている。
この制御手段20は、具体的には、PICのような演算素子を用いて、前段真空ポンプ2の排気圧力を電気信号に変換して検出し、この電気信号に応じて制御信号を生成し、この制御信号は通信手段21を介して圧縮機の調整弁11又は後段真空ポンプ3の戻し弁12へと伝送し、この伝送された制御信号に基づいてそれぞれの弁11、12の開閉量を制御して後段真空ポンプ3及び圧縮機4側のSF6ガスの流量を制御するようになっている。
ここで、真空ポンプを上記のように前段真空ポンプ2と後段真空ポンプ3とで直列に構成した場合は、真空ポンプの構造上、前段真空ポンプ2の排気側を真空状態即ち負圧状態にすると、前段真空ポンプ2の排気側が真空となる。
この状態で後段真空ポンプ3の運転をすると、前段真空ポンプ2の排気側での真空断熱作用により、前段真空ポンプ2と後段真空ポンプ3中にこの真空断熱作用に基づく固有の摩擦や振動による熱が発生し、これにより真空ポンプの機械的な歪みが起きてしまい、前段真空ポンプ2と後段真空ポンプ3の運転が不可能になる問題があった。従って、従来は上記のように直列に構成した各真空ポンプは、前段真空ポンプ2の排気側が負圧下になる状態での運転は一切できないとされてきた。
しかしながら、出願人による鋭意検討の結果、前段真空ポンプ2の排気側のSF6ガスが30〜100kPaで粘性状態となることを利用し、前段真空ポンプ2の排気側のSF6ガスを30〜100kPaの範囲に制御することにより、前段真空ポンプ2と後段真空ポンプ3中に上記の真空断熱作用が生じず、直列に構成した各真空ポンプであっても各真空ポンプの運転が十分に実施できることが導き出された。即ち、出願人は、前段真空ポンプ2の排気圧力を30〜100kPaの範囲に制御して、SF6ガス封入機器1から排出される回収SF6ガス10を粘性状態とすることで、後段真空ポンプ3が運転可能となることを見つけ出した。
本実施例のSF6ガス回収装置100は、上記制御手段20によって、前段真空ポンプ6の排気圧力が30〜100kPaの範囲で制御される。具体的には、前段真空ポンプ2の上記の所定の排気圧力より低くなった時には、後段真空ポンプ3の戻し弁12の開閉量が制御されて前段真空ポンプ2の所定の排気圧力に保つことができる。
即ち、前段真空ポンプ2は、排気圧力が大気圧以下の排気圧力を含む圧力になるように設定されることとなる。これは、本実施例のSF6ガス回収装置100が特徴とする構成であり、従来のSF6ガス回収装置とは明らかに異なるものである。
本実施例のSF6ガス回収装置100は、また、制御手段20は、前段真空ポンプ2の排気圧力を戻し弁のみで所定の圧力に保持できないときには、圧縮機の調整弁11を制御することにより、前段真空ポンプ2の排気圧力を所定の圧力に保つことができる。
本実施例のSF6ガス回収装置100は、以上のように、後段真空ポンプ3の下流側の回収ホースに設けた戻し弁12もしくは圧縮機4の上流側の回収ホースに設けた調整弁11、もしくはこれらの双方によって前段真空ポンプ2の排気圧力が制御されることを特徴としている。
また、SF6封入機器1、前段真空ポンプ2、後段真空ポンプ3それぞれの配設距離について、例えばSF6封入機器1と前段真空ポンプ2の配設距離が100mを超す距離になると、SF6封入機器1と前段真空ポンプ2間に接続した回収ホース6の真空状態下でのガス回収抵抗が著しく大きくなり、SF6ガス10の回収時間が大幅に増加し作業が困難となってしまう。
これに対し、前段真空ポンプ2をSF6ガス封入機器1の近傍に配設することで、前段真空ポンプによるSF6ガスの回収が速やかに行えるので、前段真空ポンプの排気側のSF6ガスを前段真空ポンプの排気側のSF6ガスを30〜100kPaの範囲に制御することが速やかに行える。
以上のことを鑑みて、本実施例のSF6ガス回収装置100は、前段真空ポンプ2の配設位置から後段真空ポンプ3までの配設位置までの距離に比べて1/2以下とすること、即ち、例えばSF6封入機器1と後段真空ポンプ3の配設距離が300mの場合は、SF6ガス封入機器1と前段真空ポンプ2の配設距離を150m以下とし、前段真空ポンプ2から後段真空ポンプ3までの配設距離は150m〜300m未満とするとよい。
より望ましくは、本実施例のSF6ガス回収装置100は、前段真空ポンプ2の配設位置から後段真空ポンプ3までの配設位置までの距離に比べて1/5以下とすること、即ち、例えばSF6封入機器1と後段真空ポンプ3の配設距離が300mの場合は、SF6ガス封入機器1と前段真空ポンプ2の配設距離を50m以下とし、前段真空ポンプ2から後段真空ポンプ3までの配設距離は250m〜300m未満とするとよい。:拝承
次に、本実施例のSF6ガス回収方法について、上述の実施例のSF6ガス回収装置を用いた場合について以下説明する。
本実施例のSF6ガス回収方法は、真空ポンプが、後段真空ポンプ3と、この後段真空ポンプ3の前段のSF6ガス封入機器1とを結ぶ回収ホース6に設けられた前段真空ポンプ2が、SF6ガス封入機器1から排出するSF6ガス10の粘性状態が所定の粘性状態になるように所定の排気圧力に制御して、後段真空ポンプ3に送出する。
具体的には、まず、SF6ガス封入機器1が設置されている現地に、SF6ガス回収装置100が、速やかに回収ホース6のハンドリングが行われることで速やかに設置される。この際、回収ホース6は、適宜ユニットホースを複数本接続して、接続部の気密検査を実施する。
前段真空ポンプ2、後段真空ポンプ3と圧縮機4の運転の開始に伴ってSF6ガス封入機器1内のSF6ガスのSF6ガス回収を開始してSF6ガス回収タンクへ回収したSF6ガスを充填していく。ここで、回収したSF6ガスは、圧縮機4にて加圧されてからSF6ガス回収タンク5に充填される。
また、SF6ガス封入機器1内のSF6ガス中に、前段真空ポンプ2の排気圧力は、制御手段20によって後段真空ポンプ3の戻し弁12や圧縮機4の上流側の調節弁11の開閉量が制御されることにより所定の排気圧力に保たれる。
即ち、上記のSF6ガス回収の際、上述したように後段真空ポンプ3の下流側の回収ホースに設けた戻し弁12もしくは圧縮機4の上流側の回収ホースに設けた調整弁11、もしくはこれらの双方11、12によって前段真空ポンプ2の排気圧力が制御される。
次に、前段真空ポンプ2の排気圧力が所定の圧力に保たれたままで、後段真空ポンプ3によって、SF6ガス封入機器1内のSF6ガス10が真空状態となるまで回収される。
SF6ガス封入機器1内のSF6ガス10が真空状態となった際、前段真空ポンプ2の弁2A、2Bを閉じることにより、前段真空ポンプ2と後段真空ポンプ3間回収ホース6内のSF6ガスは、後段真空ポンプ3により上記の真空状態となるまで回収される。
そして、回収したSF6ガスをSF6ガス回収タンク5にすべて充填した時点で、前段真空ポンプ2、後段真空ポンプ3と圧縮機4の運転を停止する。以上のようにして、SF6ガス回収装置100は、運転が停止された後は速やかに回収ホース6、7の撤去作業が行われることによって速やかに撤去される。
以上のように、本実施例のSF6ガス回収方法は、上述の本実施例のSF6ガス回収装置を用いて、前記SF6ガス封入機器からSF6ガスを1時間以内で回収するようにしたことを特徴としている。
次に、上述の本実施例のSF6ガス回収装置又はSF6ガス回収方法によるSF6ガスの回収時間を図2、図3に示す。ここで、図2は、真空ポンプを1段構成とし、回収ホースは市販されている大きさのものであって、ホース内径は15mm、20mm、25mm、32mm、50mm、またホース長さは100m、150m、300m、SF6ガス封入機器の容積は5000l、真空ポンプの排気能力は500l/min、真空ポンプの排気圧力は2kPaとした場合のSF6ガスの回収時間を示す。
ここで、図2に示すように、真空ポンプを1段構成とした従来構成であるSF6ガス回収装置によるSF6ガスの回収時間によれば、ホース内径が15mm、20mm、32mmの場合は、SF6ガスの回収時間はいずれのホース長さにおいても1時間以上経過しており、これらの条件ではSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間以内であることが望ましいとする要求を達成することができない。
また、ホース内径が32mm、ホース長さが100mである場合のSF6ガスの回収時間は56分となっており、この条件ではSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間以内であることが望ましいとする要求はほぼ達成している。また、ホース内径が32mm、ホース長さが150m、300である場合のSF6ガスの回収時間は、それぞれ64分、88分となっており、一時間以内ではないもののこの条件での使用は可能とされる。
また、ホース内径が50mmの場合は、ホース長さが300mの長さとなってもSF6ガスの回収時間は59分となっており、SF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間以内であることが望ましいとする要求はほぼ達成している。
次に、ホースのハンドリング性について、回収ホース内径が15mm、20mm、25mmの場合は、ユニットホースの接続数も少なくホース重量も軽量であるのでハンドリング性は優れる。これに対し、回収ホース内径25mm、32mmの場合には、ホース長さが長くなるに従ってホースが重量物となってしまい、ユニットホースの接続数も多くなりホースのハンドリング性が悪くなってしまう。
以上のSF6ガス回収時間とホースのハンドリング性を鑑みて、真空ポンプを1段構成とした従来構成であるSF6ガス回収装置では、ホース内径32mmを採用した時と同等のSF6ガスの回収時間であって、ホース内径32mm未満としてホースのハンドリング性を向上させることが求められる。
以下、本実施例のSF6ガス回収装置又はSF6ガス回収方法において、上述のようにSF6ガス回収時間を含むSF6ガス封入機器の運転停止時間を1時間同等の時間以内にでき、ホースのハンドリング性の向上を図ることのできるホース内径の回収ホースを用いて、SF6ガスの回収時間をより短縮できかつホースのハンドリングを容易にするという課題を解決する手段について説明する。
本実施例のSF6ガス回収装置又はSF6ガス回収方法によるSF6ガス回収時間とホースのハンドリング性についての評価について、図2、図3を用いて説明する。図2は、上記の真空ポンプを1段構成としたSF6ガス回収装置を用いたSF6ガスの回収時間に加えて、回収作業時間の評価と、ホースのハンドリング性の評価を示しており、さらに真空ポンプを本実施例の真空ポンプ2段とした場合の推定評価を記号で示している。これら評価の記号標記について、◎は実用上好適、○は実用上使用可能、△は実用上使用可能であるものの好ましくない、×は実用上使用不可能であることを示している。また、回収作業時間の評価はSF6ガス封入機器の停止時間も考慮して評価している。
図2に示した評価によれば、真空ポンプが1段構成であるSF6ガス回収装置は、図2に示したいずれの条件においても、ホースのハンドリング性と回収作業時間が両方とも◎または○ではない、即ちホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間の要求かつホースのハンドリング性をよくすることを達成することができない。
また、図3は、上述の真空ポンプが1段構成であるSF6ガス回収装置を用いた場合のSF6ガスの回収時間の一部と真空ポンプを2段構成としている上述の本実施例のSF6ガス回収装置を用いた場合のSF6ガスの回収時間を示す。以下、図3に示す値について詳述する。
NO.1からNO.5については、真空ポンプを1段構成とし、SF6ガス封入機器の容積は5000l、ポンプ排気能力は500l/min、各回収ホース内径は15mm、20mm、25mm、32mm、50mm、ホース長さは300m、SF6ガス封入機器内の最終圧力は2kPaとしている。即ち、NO.1からNO.5の各値は、図2のNO.3、NO.6、NO.9、NO.12、NO.15の各値とそれぞれ同値である。
また、NO.6からNO.11については、NO.6が前段真空ポンプ、NO.7からNO.11が後段真空ポンプによる値を示しており、SF6ガス封入機器の容積は5000l、各ポンプ排気能力は500l/min、各回収ホースの内径は25mm、SF6ガス封入機器から前段真空ポンプまでのホース長さは10m、前段真空ポンプから後段真空ポンプまでのホース長さは290m、SF6ガス封入機器内の最終圧力は2kPa、そして前段真空ポンプの排気圧力は35kPa〜80kPaとしている。
また、NO.12からNO.15については、NO.12が前段真空ポンプ、NO.13からNO.15が後段真空ポンプによる値を示しており、SF6ガス封入機器の容積は5000l、前段真空ポンプの排気能力は1000l/min、後段真空ポンプの排気能力は500l/min、各回収ホースの内径は25mm、SF6ガス封入機器から前段真空ポンプまでのホース長さは10m、前段真空ポンプから後段真空ポンプまでのホース長さは290m、SF6ガス封入機器内の最終圧力は2kPa、そして前段真空ポンプの排気圧力は56kPa〜80kPaとしている。
また、NO.16からNO.22については、NO.16が前段真空ポンプ、NO.17からNO.22が後段真空ポンプによる値を示しており、SF6ガス封入機器の容積は5000l、各ポンプの排気能力は500l/min、各回収ホースの内径は25mm、SF6ガス封入機器から前段真空ポンプまでのホース長さは50m、前段真空ポンプから後段真空ポンプまでのホース長さは250m、SF6ガス封入機器内の最終圧力は2kPa、そして前段真空ポンプの排気圧力は30kPa〜80kPaとしている。
また、NO.23からNO.30については、NO.23が前段真空ポンプ、NO.24からNO.30が後段真空ポンプによる値を示しており、SF6ガス封入機器の容積は5000l、前段真空ポンプの排気能力は500/min、後段真空ポンプの排気能力はNO.24からNO.26では500l/min、NO.27からNO.30では250l/min、ガス封入機器から前段真空ポンプまでの回収ホースの内径は32mm、前段真空ポンプから後段真空ポンプまでの回収ホースの内径は25mm、SF6ガス封入機器から前段真空ポンプまでのホース長さは10m、前段真空ポンプから後段真空ポンプまでのホース長さは290m、SF6ガス封入機器内の最終圧力は2kPa、そして前段真空ポンプの排気圧力はNO.24からNO.26では60kPa〜80kPa、NO.27からNO.30では50kPa〜80kPaで制御している。
また、NO.31からNO.38については、NO.31又は32が前段真空ポンプ、NO.33からNO.38が後段真空ポンプによる値を示しており、SF6ガス封入機器の容積は5000l、前段真空ポンプの排気能力は500/min、後段真空ポンプの排気能力は500l/min、ガス封入機器から前段真空ポンプまでの回収ホースの内径は、NO.31の前段真空ポンプを用いる場合は32mm、NO.32の前段真空ポンプを用いる場合は20mm、前段真空ポンプから後段真空ポンプまでの回収ホースの内径は20mm、SF6ガス封入機器から前段真空ポンプまでのホース長さは、NO.31の前段真空ポンプを用いる場合は100m、NO.32の前段真空ポンプを用いる場合は10m、前段真空ポンプから後段真空ポンプまでのホース長さは90m、SF6ガス封入機器内の最終圧力は2kPa、そして前段真空ポンプの排気圧力は60kPa〜80kPaで制御している。
また、図3は、以上の条件によるホースのハンドリング性の評価と回収作業時間の評価を図2同様に示している。この評価によれば、図3に示した真空ポンプを2段構成とした本実施例の構成では、ホース内径が20mm、25mmの場合は、ホースのハンドリング性と回収作業時間が両方とも◎である、即ちホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間の要求かつホースのハンドリング性を良くすることを達成することができる。
また、図3において、真空ポンプが1段構成である場合と真空ポンプを2段構成としている本実施例の構成である場合のSF6ガス回収装置によるSF6ガスの回収時間は、回収ホースの内径が25mmの場合についてそれぞれ比較すると、真空ポンプが1段構成の場合は、SF6ガスの回収時間は約2時間半程度かかるが、上述の本実施例のように真空ポンプを2段構成とし、前段真空ポンプの排気圧力を上述のように粘性状態となるように制御した場合は、SF6ガスの回収時間を1時間以内に短縮することができることを示している。
また、図3において、回収ホースの内径が20mm、回収ホース長さが100mの場合についてそれぞれ比較すると、真空ポンプが1段構成の場合は、SF6ガスの回収時間は約2時間程度かかるが、上述の本実施例のように真空ポンプを2段構成とし、前段真空ポンプの排気圧力を上述のように粘性状態となるように制御した場合は、SF6ガスの回収時間を1時間以内に短縮することができることを示している。
以上の図3についての結果を用い、回収ホースの内径が15mm、20mm、32mm、50mmの場合についての真空ポンプを2段構成とした本実施例の比較評価を図2に示している。
以下、推定評価内容について詳述する。なお、比較評価については、上述したようにホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間が望ましいことを鑑みて、図2に示す回収ホースが32mm、ホース長さが100m、150m、300mである場合の回収時間56分、64分、88分を目安とし、また図3に示すホース内径が25mmである場合に短縮された回収時間も目安として行っている。
まず、回収ホースの内径が15mmである場合について、図2によれば、真空ポンプが1段構成である場合において、回収時間はホース長さが100mであっても257分も要しており、またホース長さを長くすると回収時間が著しく増大している。これにより、真空ポンプを本実施例のごとく2段構成としても、ホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間に短縮することが困難であり、短縮された回収時間が実用上困難であると推定されることから、ホース長さが100m、150m、300mいずれの場合も回収作業時間の評価は×と推定している。
回収ホースの内径が20mmである場合について、図2によれば、真空ポンプが1段構成である場合において、回収時間はホース長さが100mの時に121分、150mの時に162分、300mの時に284分要している。これにより、真空ポンプを本実施例のごとく2段構成とすれば、ホース長さが100mの場合は、図3のNO.32からNO.38の回収時間からも分かるように、回収時間をホース内径が32mmを採用した場合よりも回収時間を短縮することができるので、回収作業時間の評価は◎としている。また、ホース長さが150m、300mの場合は、回収時間をホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間に短縮することは困難だが、短縮された回収時間が実用上適用できると推定されることから回収作業時間の評価は△とそれぞれ推定している。
回収ホースの内径が32mm、50mmである場合について、図2に示す回収時間によれば、真空ポンプを本実施例のごとく2段構成とすれば、ホース長さが100m、150mいずれの場合においても、回収時間をホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間に短縮することが可能となり、短縮された回収時間が実用上好適となると推定されることから回収作業時間の評価はいずれにおいても◎と推定している。
しかしながら、回収ホースの内径が32mm、50mmである場合について、ホースのハンドリング性についての評価が△または×である。このように、本実施例のSF6ガス回収装置において回収ホースの内径が32mm、50mmである場合は、ホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間を含むSF6ガス封入機器の運転停止時間の要求は達成することができる。
以上の推定評価結果により、本実施例で用いる回収ホースは、ホース内径が32mmを採用した場合と同等の回収時間を含むSF6ガス封入機器の運転停止時間の要求を達成でき、ハンドリング性の向上が図れるものとして、ホース内径を20mm以上〜32mm未満とすることが望ましい。
また、図2の真空ポンプを2段構成とした本実施例の推定評価によれば、ホース内径が20mmまたは25mmとすることがより望ましい。これは、1段構成での回収時間の評価が×であることに対して、真空ポンプを本実施例のごとく2段構成とすることで回収時間の評価が△、○又は◎となり、上述の本実施例での使用による効果を奏することができるためである。
また、更に、ホース内径は25mmとすることが最も望ましい。これは、1段構成での回収時間の評価が×であることに対して、真空ポンプを本実施例のごとく2段構成とすることで回収時間の評価がホース長さ100m、150m、300mのいずれの場合においても◎となり、上述の本実施例での使用による効果をより奏することができる。即ち、ホース内径が25mmとすることは、本実施例での使用において最も好適となる。
本実施例のSF6ガス回収装置によれば、上述のように、後段真空ポンプとSF6ガス封入機器とを結ぶ回収ホースに、後段真空ポンプが運転できるような所定の排気圧力になるように制御される前段真空ポンプを備えたので、SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間同等の時間以内であることが望ましいとする要求を達成できるように、SF6ガス封入機器の回収時間を短縮できる経済的なSF6ガス回収装置を提供することができる。
本実施例のSF6ガス回収装置によれば、また、上述のように構成したので、SF6ガスの回収時間を含めたSF6ガス封入機器の運転停止時間が1時間同等の時間以内であることが望ましいとする要求を達成できるように、SF6ガス封入機器の回収時間を短縮でき、かつ搬入及び設置が容易にできる回収ホースを用いることができて装置の小型化を達成できる経済的なSF6ガス回収装置を提供することができる。
また、本実施例のSF6ガス回収方法によれば、上述のように、後段真空ポンプとSF6ガス封入機器とを結ぶ回収ホースに設けられた前段真空ポンプが、SF6ガス封入機器から排出する回収SF6のガスの粘性状態は後段真空ポンプが運転できるような所定の粘性状態になるように排気圧力を制御するようにしたので、SF6ガス回収能力の高い大型の装置を用いずにSF6ガス使用機器内のSF6ガスの回収時間を短縮することができるSF6ガス回収方法を提供することができる。
また、本実施例のSF6ガス回収装置は、前段真空ポンプ及び制御手段を装置31内に含み、後段真空ポンプと圧縮機を装置32に含んだ構成しても良い。この場合は、各装置内を流れる回収したSF6ガスは、各装置31、装置32内部に設けた配管を通して流れ、これらの配管は上流側及び下流側の回収ホースとそれぞれ接続される。
また、本実施例のSF6ガス回収装置又はSF6ガス回収方法は、上述の実施例の構成に限定されるものではなく、本実施例の効果を奏することができる範囲において、別の構成を適用することもできる。
例えば、制御手段は、前段真空ポンプの排気圧力を上述の所定の圧力に制御できるものであれば、上述の実施例と別の構成を用いても良い。また、真空ポンプも本実施例の効果を奏することができる範囲において、別の排気能力を持つものを用いてもよい。また、回収ホースの内径も、上述したホース内径20mmから32mm未満の範囲において、20mm、25mm、32mm以外のものも用いてもよい。
また、本実施例のSF6ガス回収方法によれば、ホース内径が20mmでホース長さが150m、300mの場合において、上述のように短縮された回収時間が実用上適用できると推定されることから、短縮されたSF6ガス回収時間が例えば90分程度であってもSF6ガス回収時間の短縮は達成され、十分に適用できるものとなる。
1…SF6ガス封入機器、2…前段真空ポンプ、3…後段真空ポンプ(真空ポンプ)、4…圧縮機、5…SF6ガス回収タンク、6、7…回収ホース、10…SF6ガス、11…調整弁、12…戻し弁、13…配管、20…制御手段、100…SF6ガス回収装置。

Claims (8)

  1. SF6ガスが絶縁ガスとして封入されているSF6ガス封入機器から回収ホースを介し、真空ポンプ及び圧縮機の組み合わせを用いてSF6ガス回収タンクに前記SF6ガスを回収するSF6ガス回収装置において、
    前記真空ポンプが、後段真空ポンプと該後段真空ポンプの前段の前記SF6ガス封入機器とを結ぶ前記回収ホースに設けられた、前記SF6ガス封入機器から排出される回収SF6ガスの粘性状態が後段真空ポンプが運転可能な所定の粘性状態になるように排気圧力が制御される前段真空ポンプとから構成されること
    を特徴とするSF6ガス回収装置。
  2. 請求項1において、前記前段真空ポンプが、前記SF6ガス封入機器の近傍に配設され、その配設距離は、前記前段真空ポンプから前記後段真空ポンプまでの配設距離に比べて1/2以下とされることを特徴とするSF6ガス回収装置。
  3. 請求項1において、前記SF6ガス封入機器の近傍に配設される前記前段真空ポンプの配設距離は、前記前段真空ポンプから前記後段真空ポンプまでの配設距離に比べて1/5以下とされることを特徴とするSF6ガス回収装置。
  4. 請求項1において、前記後段真空ポンプの下流側の回収ホースに設けた調整弁もしくは前記圧縮機の上流側の回収ホースに設けた戻し弁、もしくはこれらの双方によって前記前段真空ポンプの排気圧力が制御されることを特徴とするSF6ガス回収装置。
  5. 請求項1から4のいずれかにおいて、前記回収ホースは、そのホース内径が20mm以上〜32mm未満とされることを特徴とするSF6ガス回収装置。
  6. 請求項5において、前記回収ホースは、そのホース内径が20mmまたは25mmとされることを特徴とするSF6ガス回収装置。
  7. 請求項6において、前記回収ホースは、そのホース内径が25mmとされることを特徴とするSF6ガス回収装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載したSF6ガス回収装置を用いて、前記SF6ガス封入機器からSF6ガスを1時間以内で回収するようにしたことを特徴とするSF6ガス回収方法。
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