JP4926606B2 - サーフフィン - Google Patents

Description

本発明は、サーフィンにおいて使用されるサーフボードの底面に取り付けられる可動式のサーフフィンに関する。

サーフィンは、近年わが国でも盛んに行われるようになった海洋レジャーのひとつである。サーフィンには人がボードの上に乗る通常のもののほかに帆を使用するウインドサーフィン、抱きかかえて使用するボディーサーフィンなどがあるが、サーフボードを使用するという点においてはいずれも同じである。
図７に示すように、サーフボード１には海中に没する底面の後端寄りの位置に、操舵性を高めるためのサーフフィン３が取り付けられている。固定で取り付けられているものもあるが、破損、摩耗等による交換や、あるいは目的によって大きさを変える等のさまざまな理由から固定部材２を介して着脱可能に取り付けられ、しかもその位置を微妙に調整できるものが多い。本明細書では以下これを「可動式」と呼ぶ。

サーフィン先進国である米国の特許文献１は、このような可動式（adjustable）サーフボードのフィン固定構造に関するもので、固定部材の溝とフィンの底部との双方に勾配を設け、フィンの底部部材の前後にねじを設けて固定部材に対して締め付けて位置を固定することが記載されている。
これと類似ではあるがねじを１か所のみとし、もう１か所はピンによる支点としたものも市販されている。図面によりこれを簡単に説明する。

図８は可動式のサーフフィンの取り付け部分を示すサーフボードの長手方向部分断面図、図９は直角方向部分断面図、図１０はサーフフィンの要部を示す斜視図で、１はサーフボード、２はサーフフィンを固定する固定部材、３はサーフフィン、３１はサーフフィン３の固定部材２への挿入部分３４の後端付近に設けられた支点、３２は同じく挿入部分の前方端部に設けられた固定ねじ、３３はナットである。

また図１１は固定部材２付近を示すサーフボード１の部分斜視図で、２１は長手方向の縦溝、２２は縦溝２１の側壁に形成された横溝、２３は縦溝２１の中央付近に設けられた切欠きである。
このサーフフィン３をサーフボード１に取り付けるには、サーフフィン３の支点３１を固定部材２の切欠き２３から内部に挿入し、サーフフィン３を移動させて今度は同じ切欠きからナット３３を挿入する。ついでさらにサーフフィン３を前後に移動させて位置を決め、固定ねじ３２を締め付けてその位置に固定する。支点３１およびナット３３はサーフフィン３とともに横溝２２内を移動する。

サーフボード１やサーフフィン３は、持ち歩き性や使用時の浮力、すなわち重量や比重、強度との兼ね合いからＦＲＰやＡＢＳ樹脂等の軽くて丈夫な材料が使用される。
米国特許第３，５６４，６３２号公報

しかし図９からも想像できるように、サーフフィン３の着脱をくり返していると固定部材２、あるいはサーフフィン３の挿入部３４が摩耗したり変形したりして、隙間が生じたりぐらつきが認められるようになり、操舵性のみならず安全性にも問題を生じる。
本発明は、このような取り付け不安定を起こすことなく強固に固定することのできるサーフフィンを実現することを目的とする。

本発明は、サーフボードの底面に埋め込まれた溝状の固定部材に挿入して固定する可動式のサーフフィンであって、挿入部の厚みが変更可能となっていることを特徴とするサーフフィンであり、前記挿入部が弾性材であり、厚み方向に２枚に分割され、押しねじが前記挿入部の分割された一方の側に分割された他方に向けて設けられ、前記分割された２枚の隙間が押しねじを押し込むことで変更可能となっている前記のサーフフィンであるか、あるいは前記挿入部に雌ねじ加工が施され、または挿入部に雌ねじが埋め込まれ、前記挿入部に厚み方向に複数の調整ねじが取り付けられ、ねじの回転によって厚み方向のねじ高さが変更可能となっている前記のサーフフィンである。

本発明によれば、サーフフィン３の挿入部の嵌合状態を調整できるのでくり返し着脱してもがたや隙間のない強固な取り付け状態を維持することができ、操舵性や安全性が向上するという、すぐれた効果を奏する。

本発明は、サーフボードの底面に埋め込まれた溝状の固定部材に挿入して固定する可動式のサーフフィンである。前後方向の位置の調整が可能であるばかりでなく、挿入部分の厚みが変更可能となっていることにより、固定部材の溝が変形したり摩耗していても、常に挿入部を密着させることができるので、がたつきが発生しない。

本発明の第１の実施例を図１ないし図３により説明する。図１はこの実施例のサーフフィン３Ａの要部を示す正面図、図２は図１のＡＡ断面による断面図で、各符号はこれまでに説明したもののほか、３５は厚み方向に２枚に分割された挿入部３４の隙間（スリット）、３６は挿入部３４に前後方向に複数箇所取り付けられた押しねじである。
この実施例のサーフフィン３は、少なくとも挿入部３４がＡＢＳ樹脂等の弾性材で作られており、厚み方向に２枚に分割されている。押しねじ３６は分割された一方の側に、他方に向けて複数箇所設けられており、このねじを押し込むことによってこの挿入前の状態での挿入部３４の厚みを挿入する縦溝２１の幅よりも若干大きく設定し、嵌合の際の変形量を規制して適当な締め代で強固に嵌合させることができる。

固定部材２の縦溝２１に摩耗や変形が認められたら、これに対応するように該当する位置の押しねじ３６を調整して嵌合した際の締め代が適正値となるよう、挿入部３４の厚みを変化させればよい。
図３はこのサーフフィン３Ａを固定部材２に取り付けた状態を示す断面図である。
なお押しねじ３６を設ける代わりに、スリット３５内にウレタンシート等の弾性材を挿入して挿入部の弾性を補強し、補強された弾性力により強固に嵌合させるようにしてもよい。さらにウレタンシート等を使用せず、挿入部の材料の弾性変形そのものにより厚みを変化させて嵌合させるようにしてもよい。

本発明の第２の実施例を図４ないし図６により説明する。図４はこの実施例のサーフフィン３Ｂの要部を示す正面図、図５は図４のＢＢ断面による断面図で、各符号はこれまでに説明したもののほか、３７は挿入部３４に前後方向に複数箇所取り付けられた大径の調整ねじである。
この実施例のサーフフィン３は、少なくとも挿入部３４が雌ねじが加工できる程度の強度を有する材料で作られているか、挿入部３４に強度のある雌ねじが埋め込まれている。調整ねじ３７を押し込んで表面から突出させると、挿入部３４の見かけ上の厚みを増大させることができる。したがって固定部材２の縦溝２１に摩耗や変形が認められたら、これに対応するように該当する位置の調整ねじ３７を押し出して挿入部３４の厚みを変化させればよい。なお、調整ねじ３７の突出している側ではサーフフィン３の挿入部３４は固定部材２の縦溝２１の側壁に接触せず、調整ねじ３７の先端のみが接触することになるので、接触面積を大きくするために調整ねじ３７はできるだけ大径とすることが望ましい。

図６はこのサーフフィン３Ｂを固定部材２に取り付けた状態を示す断面図である。

本発明の第１の実施例のサーフフィンの要部を示す正面図である。 図１のＡＡ断面による断面図である。 第１の実施例のサーフフィンを固定部材に取り付けた状態を示す断面図である。 本発明の第２の実施例のサーフフィンの要部を示す正面図である。 図４におけるＢＢ断面による断面図である。 第２の実施例のサーフフィンを固定部材に取り付けた状態を示す断面図である。 本発明に係わるサーフボードを示す斜視図である。 従来の技術におけるサーフフィンの取り付け構造を示すサーフボードの長手方向部分断面図である。 同じく直角方向部分断面図である。 従来の技術におけるサーフフィンの要部を示す斜視図である。 本発明に係わる固定部材付近を示すサーフボードの部分斜視図である。

符号の説明

１ サーフボード
２ 固定部材
３ サーフフィン
２１ 縦溝
２２ 横溝
２３ 切欠き
３１ 支点
３２ 固定ねじ
３３ ナット
３４ 挿入部
３５ 隙間（スリット）
３６ 押しねじ
３７ 調整ねじ

Claims (2)

1. サーフボード（１）の底面に埋め込まれた溝状の固定部材（２）に挿入して固定する可動式のサーフフィン（３）であって、挿入部（３４）に雌ねじ加工が施され、または挿入部（３４）に雌ねじが埋め込まれ、前記挿入部（３４）に厚み方向に複数の調整ねじ（３７）が取り付けられ、ねじの回転によって厚み方向のねじ高さを変更可能とすることによって前記挿入部（３４）の厚みが変更可能となっていることを特徴とするサーフフィン。
2. サーフボード（１）の底面に埋め込まれた溝状の固定部材（２）に挿入して固定する可動式のサーフフィン（３）であって、挿入部（３４）が弾性材であり、厚み方向に２枚に分割され、押しねじ（３６）が前記挿入部（３４）の分割された一方の側に分割された他方に向けて設けられ、押しねじ（３６）を押し込み前記分割された２枚の隙間（３５）を変更可能とすることによって前記挿入部（３４）の厚みが変更可能となっていることを特徴とするサーフフィン。
   

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