JP4925672B2 - 電動工具 - Google Patents
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Description
上記の問題に対して、特許文献1には、モータ電流を通電する回路上にシャント抵抗を設け、シャント抵抗によって測定したモータ電流が所定値を越えたときに、モータへの通電を制限する電動工具が開示されている。
本発明は、上記の問題を解決する。本発明では、モータ電流を通電する回路上にシャント抵抗等を設けることなく、モータに過大な電流が通電されることを防止することができる技術を提供する。
本発明によって具現化される電動工具では、電池電圧を測定し、測定した電池電圧に基づいて、電池からモータへの通電を制限する。それにより、シャント抵抗等を用いてモータ電流を測定することなく、モータ電流に応じて電池からモータへの通電を適切に制限することができる。
この電動工具によると、モータ電流を通電する回路上にシャント抵抗等を設けることなく、モータに過大な電流が通電されることを防止することができる。
それにより、モータ巻線を過熱してしまうような過大な電流がモータに通電されることを禁止することができ、モータ巻線の劣化や損傷を確実に防止することができる。
モータ巻線の温度上昇は、モータ電流の大きさと、そのモータ電流が維持される時間によって変化する。例えば、継続的に通電すればモータ巻線が過熱してしまうが、短時間に限って通電されるのであればモータ巻線が過熱しない程度の過大電流も存在する。このような過大電流に対して、直ちにモータへの通電を制限してしまうと、作業者による作業を頻繁に中断してしまい、作業能率を著しく低下させてしまうことがある。
この電動工具では、測定された電池電圧が第1所定値以下となっても、その状態が第1所定時間に亘って継続されない限りは、モータへの通電を制限しない。また、測定された電池電圧が前記第1所定値よりも小さい第2所定値以下であるときは、その状態が前記第1所定時間よりも短い第2所定時間に亘って継続した時点で、モータへの通電を制限する。それにより、短時間の通電であればモータ巻線を過熱しない程度の過大電流が、短時間に限って通電することを許容するとともに、長時間に亘って通電することは禁止することができる。モータ巻線の過熱を防止しつつ、モータへの通電を過剰に制限することが防止される。
それにより、短時間の通電であればモータ巻線を過熱しない程度の過大電流については、短時間に限って通電を許容する一方、短時間の通電であってもモータ巻線が過熱してしまう過大電流については、モータに通電することを禁止することができる。
この電動工具では、測定された電池電圧が第1所定値以下である状態が継続したときに、モータへの通電を制限するに先立って、報知動作が行われる。それにより、作業者は、モータへの通電が制限されるに先立って、モータに過大な電流が通電されていることを知ることできる。作業者は、例えば電動工具に加えている作業負荷を減少させ、モータ電流を許容レベルまで減少させることによって、モータ巻線が過熱することを防止しつつ、作業が中断されることを未然に防ぐことができる。
この電動工具では、電池電圧を測定し、測定した電池電圧に基づいて、作業者が知得可能な報知動作が行われる。それにより、シャント抵抗等を用いてモータ電流を測定することなく、モータ電流に応じて作業者に注意を促すことができる。作業者は、電動工具に加えている作業負荷を調整することによって、モータ電流を適切に調整することができる。
この電動工具によると、モータ電流を通電する回路上にシャント抵抗等を設けることなく、モータに過大な電流が通電されることを防止することができる。
(形態1) 電動工具は、電池とモータとを接続する回路上に介挿されている半導体スイッチと、その半導体スイッチをオン/オフさせる駆動手段を備えている。
(形態2) 電動工具は、測定された電池電圧が所定値以下であるのか否かを判定する手段を備えている。
(形態3) 電動工具は、測定された電池電圧が所定値以下である状態が継続している時間を計時する手段を備えている。
(形態4) 電動工具は、測定された電池電圧が所定値以下である状態が所定時間以上に亘って継続しているのか否かを判定する手段を備えている。
(形態5) 電動工具では、モータへの通電が制限される電流の制限値が、電池の放電率に応じて変化する。
図1は、実施例1の電動グラインダ10の構成を示している。本実施例の電動グラインダ10は、電池を電源に用いる手持ち式の電動グラインダである。図1に示すように、電動グラインダ10は、本体12と、本体12に対して回転可能に設けられている工具軸36と、工具軸36に相対回転不能に固定されている略円板状の砥石38と、本体12に脱着可能に取付けられている電池パック32を備えている。砥石38は、固定部材40によって工具軸36に着脱可能に固定されている。電池パック32は、その内部に二次電池32a(図2に図示されている)を有しており、外部の充電装置を用いて繰り返し充電される。二次電池32aには、例えばリチウムイオン二次電池を採用することができる。本実施例の電池パック32は、複数のリチウムイオン二次電池を備えており、その定格電圧は14.4ボルトとなっている。本体12には、作業者が操作するための運転スイッチ18と、作業者が視認可能な位置に設けられている警告ランプ14が設けられている。作業者は、運転スイッチ18を操作することによって、電動グラインダ10の運転/停止を切り換えることができる。警告ランプ14は、詳しくは後述するが、通常の動作状態では消灯しており、モータ電流が過大であるときには点灯するようになっている。作業者は、警告ランプ14が点灯することによって、電動グラインダ10に加えている作業負荷が過大であることを知ることができる。
本体12の内部には、工具軸36を回転させるモータ20と、モータ20によって回転させられる冷却ファン16と、モータ20の動作を制御するコントローラ30が内蔵されている。冷却ファン16は、回転することによってモータ20に送風し、モータ20のモータ巻線等を冷却する。冷却ファン16の回転数はモータ20の回転数に一致し、モータ20の回転数が大きいほど、冷却ファン16による冷却能力は高くなる。
モータ20は、運転スイッチ18を介してコントローラ30に接続されている。コントローラ30の内部では、モータ20と二次電池32aとを接続する回路上に、半導体スイッチ34が介挿されている。モータ20と二次電池32aは、運転スイッチ18と半導体スイッチ34が共にオン状態となることで、電気的に接続される。運転スイッチ18と半導体スイッチ34の少なくとも一方がオフ状態となると、モータ20と二次電池32aは電気的に遮断される。
電池電圧入力端子51には、二次電池32aの正極が接続されており、二次電池32aの正極電位が入力される。運転スイッチ検知端子52には、運転スイッチ18が接続されており、運転スイッチ18のオン/オフ状態に対応する信号(電圧)が入力される。
モータ駆動端子53は、半導体スイッチ34のゲートに接続されている。マイクロコンピュータ50は、モータ駆動端子53から半導体スイッチ34の駆動信号を出力し、半導体スイッチ34のオン/オフ動作を制御する。表示駆動端子55は、警告ランプ14に接続されている。マイクロコンピュータ50は、表示駆動端子55から警告ランプ14の駆動信号を出力し、警告ランプ14の点灯/消灯を制御する。
電圧測定部62は、電池電圧入力端子51に接続されており、二次電池32aの電圧を測定する。電圧測定部62は、少なくとも運転スイッチ18がオン状態である間、二次電池32aの電圧を測定し続ける。
電圧判定部64は、電圧測定部62で測定された電池電圧が、第1基準電圧V1以下であるのか否かを判定する。なお、本実施例では、第1基準電圧V1が11ボルトに設定されている。電圧判定部64は、電圧測定部62で測定された電池電圧が第1基準電圧V1以下であるときに、モータ駆動部66と表示駆動部68に過電流検出信号を与えるようになっている。
モータ駆動部66は、運転スイッチ18がオン状態であるときに、半導体スイッチ34をオンさせる駆動信号を出力する。モータ駆動部66が出力する駆動信号は、モータ駆動端子53から出力され、半導体スイッチ34に入力される。それにより、作業者が運転スイッチ18に加えた操作に追従してモータ20が駆動され、砥石38が回転する。また、モータ駆動部66は、運転スイッチ18がオン状態であっても、電圧判定部64から過電流検出信号が入力された場合には、駆動信号の出力を停止して半導体スイッチ34をオフさせる。即ち、電圧測定部62で測定された電池電圧が第1基準電圧V1以下であるときには、半導体スイッチ34がオフされてモータ20の駆動が中止される。
表示駆動部68は、電圧判定部64から過電流検出信号が入力されたときに、警告ランプ14を点灯させる駆動信号を出力する。表示駆動部68が出力する駆動信号は、表示駆動端子55から出力され、警告ランプ14に入力される。それにより、警告ランプ14は点灯する。即ち、電圧測定部62で測定された電池電圧が第1基準電圧V1以下であるときには、警告ランプ14が点灯する。
このように、マイクロコンピュータ50は、運転スイッチ18に加えられた操作に追従してモータ20を駆動する。このとき、マイクロコンピュータ50は、少なくとも運転スイッチ18がオン操作されている間、二次電池32aの電圧を監視し続ける。そして、マイクロコンピュータ50は、二次電池32aの電圧が第1基準電圧以下であるときに、半導体スイッチ34をオフさせて、モータ20への通電を遮断する。このとき同時に、警告ランプ14を点灯させる。
図3に、電動グラインダ10に加える作業負荷を変化させて、モータ20に通電されるモータ電流Cmと二次電池32aの出力電圧Vbとの関係を計測した結果を示す。図3に示すように、モータ電流Cmが小さいほど電池電圧Vbは高くなり、モータ電流Cmが大きいほど電池電圧Vbは低くなる。この現象は、二次電池32aに内在する内部抵抗Rに起因する。二次電池32aを含め、電池は内部抵抗を有しており、電池を流れる電流に応じて、電池電圧は変化する。即ち、よく知られているように、電池の起電力Eと、電池を流れる電流Cbと、電池の内部抵抗Rと、電池電圧Vbの間には、Vb=E−R・Cbの関係が成立する。電動グラインダ10では、モータ20に通電される電流Cmが、コントローラ30等に通電される電流に比して十分に大きいことから、二次電池32aを流れる電流とモータ20に通電される電流Cmが略等しくなる。従って、モータ20に通電されるモータ電流Cmと二次電池32aの出力電圧Vbとの間に、図3に示す関係が成立することとなる。従って、モータ20に通電されているモータ電流Cmは、例えばシャント抵抗等を用いることなく、電池電圧Vbを測定することによって把握することができる。そして、例えばモータ20にとって継続的に通電可能なモータ電流Cmの限界値がC1(以下、継続通電限界値C1という)であるとすれば、電池電圧Vbが第1基準電圧V1以下となることを禁止することによって、モータ20に過大なモータ電流が通電されてしまうことを防止することができる。
この電動グラインダ10によると、モータ20に過大な電流が通電されることが防止され、モータ巻線の絶縁低下や焼損等を防ぐことができる。
そのことから、図5に示すように、図3に示したモータ電流Cmと電池電圧Vbとの関係は、二次電池34aの放電率に応じて変化する。例えば二次電池34aの放電率が0パーセントであれば(図中A)、電池電圧VbがV1のときに、モータ電流Cmは継続通電限界値C1となる。一方、二次電池34aの放電率が80パーセントであれば(図中B)、電池電圧VbがV1のときに、モータ電流Cmは継続通電限界値C1よりも小さい値C0となる。そのことから、放電率が進行した状態の2次電池34aを用いる場合でも、モータ電流Cmは継続通電限界値C1よりも小さい値に制限され、モータ20に過大な電流が通電されることが防止される。
本実施例は、実施例1の電動グラインダ10において、マイクロコンピュータ50の構成を変更したものである。以下では、実施例1と相違する部分について詳細に説明するとともに、実施例1と同一の構成、機能については説明を省略し、重複説明を避けるように努める。
図6は、本実施例の電動グラインダ110の電気構成を模式的に示している。図6に示すように、本実施例のマイクロコンピュータ50は、実施例1と比較して、第1計時部72と第2計時部74をさらに備えている。また、電圧判定部64の動作が変更されている。これらの変更は、主に、マイクロコンピュータ50に記憶されているプログラムの変更によって行われている。
図7は、図3と同じく、モータ20に通電されているモータ電流Cmと電池電圧Vbとの関係を示している。図7に示すように、第1基準電圧V1は、継続通電制限値C1に対応する電池電圧Vbと等しくなるように設定されている。測定される電池電圧Vbが第1基準電圧V1以上であれば、モータ電流Cmは継続通電制限値C1以下となる。電池電圧Vbが第1基準電圧V1以上であれば、モータ電流Cmは継続通電制限値C1以下であり、モータ20のモータ巻線は過熱することがない。
第2基準電圧V2は、短期通電制限値C2に対応する電池電圧Vbと等しくなるように設定されている。短期通電制限値C2とは、継続的に通電したときにはモータ20のモータ巻線を過熱させてしまうが、短時間の通電であればモータ20のモータ巻線を過熱しない程度のモータ電流Cmの上限を意味する。測定される電池電圧Vbが第1基準電圧V1以下であっても、第2基準電圧V2以下であれば、モータ電流Cmは短期通電制限値C2以下であり、その状態が短時間である限りモータ巻線は過熱することがない。
第3基準電圧V3は、通電制限値C3に対応する電池電圧Vbと等しくなるように設定されている。通電制限値C3とは、短時間の通電であっても、モータ20のモータ巻線を過熱してしまうモータ電流Cmの下限を意味する。測定される電池電圧Vbが第2基準電圧V2以下であっても、第3基準電圧V3以上であれば、モータ電流Cmは通電制限値C3以下であり、その状態がより短時間である限りモータ巻線は過熱することがない。その一方において、モータ巻線の過熱を防止するためには、測定される電池電圧Vbが第3基準電圧V3以下となることを禁止する必要がある。
電圧判定部64は、測定された電池電圧Vbが第3基準電圧V3以下であるときに、モータ駆動部66と表示駆動部68の両者に過電流検出信号を直ちに与える。従って、図8に示すように、測定された電池電圧Vbが第3基準電圧V3以下であると、モータ20への通電が即時に遮断されるとともに、警告ランプ14が即時に点灯する。
電動グラインダ110では、測定された電池電圧Vbが第1基準電圧V1以下となる状態が第2規定時間(2秒間)よりも短い第1規定時間(0.5秒間)に亘って継続した場合は、警告ランプ14を点灯させる。また、測定された電池電圧Vbが第2基準電圧V2以下であれば、警告ランプ14を直ちに点灯させる。それにより、モータ20への通電を制限するに先立って、モータ電流Cmが過大であること、即ち、電動グラインダ110に加えている作業負荷が過大であることを、作業者に報知することができる。警告ランプ14の点灯を受けて、作業者は作業負荷を自ら低減させることができ、意図せず作業が中断されることを避けることができる。
電動グラインダ10は、電池電圧Vbに基づいてモータ20への通電を制限する機能と、電池電圧Vbに基づいて警告ランプ14を点灯する機能とを兼ね備える必要は必ずしもない。電池電圧Vbに基づいてモータ20への通電を制限する機能のみを備えるものであってもよいし、電池電圧Vbに基づいて警告ランプ14を点灯する機能のみを備えるものであってもよい。
例えば上記では、測定された電池電圧を各基準値と比較し、モータ電流が過大であると判定した場合に、モータへの通電を遮断する例について説明したが、モータ電流を低下させることができれば、モータへの通電を遮断する必要は必ずしもない。例えば半導体スイッチを断続的にオン/オフさせて、モータへの通電を所定の割合によって制限するようにしてもよい。
モータ電流Cmが過大であることを作業者に報知するためには、警告ランプ14を点灯させる手法に限られず、例えば警告音を発するなど、作業者が知得可能な報知動作行う報知器を採用することができる。
14・・警告ランプ
16・・ファン
18・・運転スイッチ
20・・モータ
30・・コントローラ
32・・電池パック
32a・・二次電池
34・・半導体スイッチ
38・・砥石(工具)
50・・マイクロコンピュータ
62・・電圧測定部
64・・電圧判定部
66・・モータ駆動部
68・・表示駆動部
Claims (6)
- 工具と、
工具を運動させるモータと、
モータに電力を供給する電池と、
電池電圧を測定する電圧測定手段と、
電圧測定手段で測定された電池電圧に基づいて、電池からモータへの通電を制限する制限手段と、
を備え、
前記制限手段は、測定された電池電圧が第1所定値以下である状態が第1所定時間に亘って継続したとき、及び、測定された電池電圧が前記第1所定値よりも小さい第2所定値以下である状態が前記第1所定時間よりも短い第2所定時間に亘って継続したときに、電池からモータへの通電を制限することを特徴とする電動工具。 - 前記制限手段は、測定された電池電圧が前記第2所定値よりも小さい第3所定値以下であるときは直ちに、電池からモータへの通電を制限することを特徴とする請求項1の電動工具。
- 前記電圧測定手段で測定された電池電圧が前記第1所定値以下であるときに、作業者が知得可能な報知動作を行う報知手段が付加されていることを特徴とする請求項1又は2の電動工具。
- 前記報知手段は、測定された電池電圧が前記第1所定値以下である状態が前記第1所定時間よりも短い第3所定時間に亘って継続したときに、前記報知動作を開始することを特徴とする請求項3の電動工具。
- 前記報知手段は、測定された電池電圧が前記第2所定値以下であるときは直ちに、前記報知動作を開始することを特徴とする請求項4の電動工具。
- 工具と、
工具を運動させる電動モータと、
電動モータに電力を供給する電池と、
電池電圧を測定する電圧測定手段と、
電圧測定手段で測定された電池電圧に基づいて、作業者が知得可能な報知動作を行う報知手段と、
を備え、
前記報知手段は、測定された電池電圧が第1所定値以下である状態が第3所定時間に亘って継続したとき、及び、測定された電池電圧が前記第1所定値よりも小さい第2所定値以下であるときは直ちに、前記報知動作を開始することを特徴とする電動工具。
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