JP4924619B2 - 帯域補正装置 - Google Patents

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Description

この発明は、帯域制限された信号の周波数特性を補正する信号補正装置に関する。
近年、普及しているVOIP技術は、音声信号をIPパケット化することにより、データ及び音声を統合し、ネットワークコストや通信コストを下げることで普及してきた。
また、伝統的な公衆電話網(PSTN)は、音声信号をいかに中継するかを主眼に置いており、3.4KHz以下の帯域で通信していた。網設計も、チャネル当たりの帯域が3.4KHzで設計されており、ディジタル伝送網においても、8KHzサンプリングによる64Kb/sの通信単位を基本としていた。
一方、近年のブロードバンド化の急速な拡大により、ネットワーク側の伝送設備がブローバンド化対応になっただけでなく、加入者線までも、ADSLや光などによってブローバンド回線に拡大されつつあり、エンドツーエンドで広帯域な音声通信が可能になった。その結果、高品質な音声通信が望まれるに至っている。
しかし、IPネットワーク用の電話機(IP専用電話機)ではない既存の通常の電話機においては、4KHz以下に帯域制限する送話特性及び受話特性(例えばアッテネータによる)を有しており、伝送路がIPネットワークのように4KHz以上の帯域信号を許容していても、伝送路が一般の公衆電話網の場合と同程度の音声品質しか達成することができない。
かかる問題を解決して、既存の電話機などが広帯域信号を共用しているIPネットワーク等の伝送路を利用した場合においても、高音声品質のメリットを得られるようにすべく、送話信号及び受話信号の周波数特性を補正して通話帯域を拡張する方法が検討されている。
特開2002−82685号公報
しかし、特開2002−82685号のように、低域信号を用いて本来存在しないような高域信号を作成する場合、図14〜16に示すように、原音声に比べて作成された音声は非常に不自然なものになる。 一方、帯域拡張しない信号は、通常より低い低域側と、高域側には音声信号は微少量しか残っておらず、話者には聞き取ることができないので、音質は悪いものとなる。 簡単には各々の帯域に残る微少な信号を増幅するとよいが、そのような単純な帯域拡張は低域と高域の成分を再増幅して可聴レベルまで持ち上げることで実現するため、成分の増幅はダイレクトに振幅の増幅に反映されてしまい、ディジタル信号処理の領域での最大、最小値の制限を越える可能性がある。
図3は、従来の帯域拡張の手順を示したものである。
図3の(1)は、300Hz〜3.4KHzに帯域制限された入力信号を示す。図3の(2)は帯域拡張を行う補正フィルタの特性を示す図である。300Hz〜3.4KHzについては、フィルタによる増幅倍を1として増幅は行わず、0Hz〜300Hzおよび3.4KHz〜8KHzについては、図3の(2)に示す特性で各々の周波数帯域を増幅する。図3の(3)は、図3の(1)の入力信号を図3の(2)の補正フィルタで増幅した結果を示すもので、補正の結果、出力信号は、0Hz〜8KHzの周波数でフラットな特性を有する。
しかし、一方で、フィルタの特性全体を表わすインパルス応答は+30dBの増幅量を持っており(高域単独最大では+40dB)、μ−lowを用いた場合、−27dBm0以上の大きさを持つ信号が入力されると、たちまち信号の瞬時値が最大値に達してクリッピングされてしまう。この点は、図3の(1)に示す入力信号は理想的なものである場合は、あまり問題とはならないが、図4の(1)に示すように300Hz〜3.4KHzの帯域外に電気的なノイズがある場合は、このノイズも+30dB〜+40dBの増幅を受けてしまう。例えば、−50dBm0の基板ノイズがあると仮定すると、増幅された基板ノイズは−20〜−10dBm0に達してしまう。
かかる課題を解決するために、本発明は、入力信号の帯域拡張を制御する帯域補正装置において、帯域制限された入力信号の周波数帯域を低域および高域の2つの周波数帯域に分割する直交ミラーフィルタと、直交ミラーフィルタで帯域分割された低域側又は高域側の出力のレベルを補正することで帯域拡張する補正手段と、補正手段の振幅補正量を制御するゲイン制御手段と、補正手段の出力のレベルがディジタル信号処理の領域での最大値又は最小値の制限を越えないように監視し、補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅監視信号をゲイン制御手段に出力する振幅観測手段とを有し、ゲイン制御手段は補正手段の出力のレベルが制限値を越えた場合には振幅観測手段から出力される振幅観測信号にしたがって補正手段の振幅補正量を減ずる。
本発明によれば、狭い帯域の信号を、ディジタル増幅の過程で過増幅することなく、広帯域信号に補正し、高品位な通信を提供することができる。
(1)第1の実施形態
ディジタル信号処理の領域での最大、最小値の制限を越えないようにするためには、図1に示すように、補正フィルタの出力を監視し、フィルタの係数を小さくすることで、帯域拡張の程度を制御する方法が考えられる。
以下、本発明による帯域補正装置の第1の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(1−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の音声帯域補正装置の構成を示すブロック図である。
音声帯域補正装置1は、補正フィルタ10、係数制御部11およびレベル検出部12から構成される。
補正フィルタ10は、アナログフィルタまたはディジタルフィルタで構成されており、図示しない電話機から入力された音声信号(ファクシミリ信号等の音声以外の信号を含むものとする)の周波数特性を音声帯域の全体に渡ってフラットにする補正を行うものである。
係数制御部11は、補正フィルタ10の出力が制限値を越えた場合に、レベル検出部12から出力される検出信号にしたがって、補正フィルタ10の係数を変更する。補正フィルタ10の出力が制限値以下になった場合には、もとの係数に戻すとも可能であり、また、制限値への近づき具合に応じて徐々に係数を変更することも可能である。具体的には、例えば、補正フィルタの増幅率をあらかじめ定めた量(例えば上述した全体で30dBの増幅)にしておき、レベル検出部12から出力される検出信号にしたがって、増幅率を1dBずつ下降されるようにする。あらかじめ定める倍率及び下降の際の倍率刻み幅などは、これに限定するものではない。
レベル検出部12は、補正フィルタ10の出力を監視し、係数制御部11に補正された出力のレベルの変動状況を示す検出信号を出力するものである。具体的には、補正フィルタの出力値が、例えば、ディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、-32767)を示すかどうかで判断する。他にもあらかじめ定めた値、例えば+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
(1−2)第1の実施形態の動作
以下、図4および5を用いて第1の実施形態の動作を説明する。
まず、図5の(1)に示す300Hz〜3.4KHzに帯域制限され、帯域外に電気的なノイズを含む信号が補正フィルタ10に入力される。入力信号は、当初、図4の(2)の特性を有するフィルタにより増幅される。増幅された信号は、補正フィルタ10からレベル検出部12に入力される。そしてレベル検出部12は、増幅された信号のレベルを監視し、信号レベルが最大値(例えば、16bitの入力信号の場合は、32768)に近づくか、または越えたことを検出した場合は、レベル検出信号を係数制御部11に出力する。レベル検出部12からのレベル検出信号を受信した係数制御部11は、図5の(2)に示すように、補正フィルタ10の係数値を下げる制御を行う。この制御により、入力信号は、ノイズレベルを押さえて増幅される。
補正フィルタ10の係数の制御は、入力信号のノイズの混入具合を予測して、予め係数値を変更しておいても良い。具体的には、例えば、補正フィルタの増幅率をあらかじめ定めた特性、即ち、当初は図4の(2)の特性にしておき、レベル検出部12から出力される検出信号にしたがって、図5の(2)に示すA、B、Cの増幅率を1dBずつ下降させる。当初の特性及び下降の際の倍率刻み幅等はこれに限定するものではない。
(1−3)第1の実施形態の効果
以上説明した第1の実施形態によれば、狭い帯域の信号を、ディジタル増幅の過程で過増幅することなく、広帯域信号に補正し、高品位な通話を提供することができる。
(2)第2の実施形態
次に、本発明による帯域補正装置の第2の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(2−1)第2の実施形態の構成
ディジタル信号処理の領域での最大、最小値の制限を越えないようにするためには、図2に示すように、フィルタの係数を制御するのではなく、補正フィルタの入力に振幅制御手段を接続し、信号の振幅を予め制御することも考えられる。
図2は、第2の実施形態の音声帯域補正装置の構成を示すブロック図である。
音声帯域補正装置1は、補正フィルタ10、レベル検出部12、振幅制御部13および振幅変更部14から構成される。
補正フィルタ10は、アナログフィルタまたはディジタルフィルタで構成されており、図示しない電話機から入力された音声信号(ファクシミリ信号等の音声以外の信号を含むものとする)の周波数特性を音声帯域の全体に渡ってフラットにする補正を行うものである。
レベル検出部12は、補正フィルタ10の出力を監視し、係数制御部11に補正された出力のレベルの変動状況を示す検出信号を出力するものである。具体的には、補正フィルタの出力値が、例えば、ディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、−32767)を示すかどうかで判断する。他にもあらかじめ定めた値、例えば+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
振幅制御部13は、補正フィルタ10の出力が制限値を越えた場合に、レベル検出部12から出力される検出信号にしたがって、振幅変更部14の振幅変更を制御する。補正フィルタ10の出力が制限値以下になった場合には、もとの振幅値に戻すとも可能であり、また、制限値への近づき具合に応じて徐々に振幅値を変更することも可能である。具体的には、本発明では第1の実施例と同様、補正フィルタの出力値が、例えば、ディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、−32767)を示すかどうかで判断したが、他にもあらかじめ定めた値、例えば、+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
振幅変更部14は、入力信号の振幅を変更するもので、振幅制御部13からの振幅倍率にしたがって、入力信号の振幅値を増減させるものである。
(2−2)第2の実施形態の動作
以下、図4および5を用いて第2の実施形態の動作を説明する。
まず、図5の(1)に示す信号、即ち300Hz〜3.4KHzに帯域制限され、帯域外に電気的なノイズを含む信号が補正フィルタ10に入力される。入力信号は、当初、図4の(2)の特性を有するフィルタにより増幅される。増幅された信号は、補正フィルタ10からレベル検出部12に入力される。そしてレベル検出部12は、増幅された信号のレベルを監視し、信号レベルが最大値(例えば、16bitの入力信号の場合は、32768)に近づくか、または越えたことを検出した場合は、レベル検出信号を振幅制御部13に出力する。レベル検出部12からのレベル検出信号を受信した振幅制御部13は、図5の(2)に示すように、振幅変更部14の振幅値を下げる制御を行う。初期状態では振幅変更部14はないも同じであり、振幅の変更を行わない。 本実施の形態では、補正フィルタを図4の(2)に示すような特性かつ、全体の特性を表わすインパルス応答のゲインが30dBであるような補正フィルタを用いたがこれに限定するものではない。 また、振幅制御部13はレベル検出信号に応じて1dBずつゲインを下降させるようにしても良いが、これに限定するものではない。この制御により、入力信号は、ノイズレベルを押さえて増幅される。
(2−3)第2の実施形態の効果
以上説明した第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、狭い帯域の信号をより自然に広帯域信号に拡張でき、フィルタの特性を時間固定とすることができる。また、 時間経過と共に変動させるのは単純な増幅機能を持つ振幅制御部13であるので、ソフトウェアの複雑さが解消され、ソフトウェアの規模を小さくすることができる。
(3)第3の実施形態
次に、本発明による信号補正装置の第3の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第1および2の実施形態では、補正フィルタ10の出力を監視して、補正フィルタ10の係数または振幅変更部14を制御をすることで出力信号が最大値に達することを回避しようとするものであるが、補正フィルタ10のゲインを単に減じた場合、入力信号の300Hz〜3.4KHzの帯域のレベルまで下げることとなる。よって、補正フィルタ10を通過した音は小さくなってしまい、また、信号が最大値に達するたびに、臨場感の急激な変化が繰り返されるおそれがある。また、上述の電気的ノイズの周波数特性は、例えば、50Hz〜60Hzであることがよく知られている。
第3の実施形態は、フィルタを分割して各々の帯域の増幅量を調整しようとするものである。
(3−1)第3の実施形態の構成
図7は、第3の実施形態の帯域補正装置の構成を示す図である。
図7において、第3の実施形態の帯域補正装置2は、フィルタ21、フィルタ22、フィルタ23、振幅観測部24、振幅観測部25、係数更新部26、係数更新部27、積算器28、29および加算器30から構成される。
フィルタ21は、0Hz〜300Hzの低域増幅専用フィルタであり、高域周波数成分のカットおよび低域信号の増幅を行う。
フィルタ22は、300Hz〜3.4KHzの中間帯域用のフィルタであり、入力信号の帯域を制限すると共に、低域信号および高域信号との遅延調整のために用いられる。
フィルタ23は、3.4KHz〜8KHzの高域増幅専用のフィルタであり、低域周波数成分のカットおよび高域信号の増幅を行う。
振幅観測部24は、フィルタ21の出力を監視し、係数更新部26に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号を出力するものである。本実施形態ではフィルタの出力値が、例えば、ディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、−32767)を示すかどうかで判断したが、他にもあらかじめ定めた値、例えば、+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
振幅観測部25は、フィルタ23の出力を監視し、係数更新部27に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号を出力するものである。検出は振幅観測部24と同様に行う。
係数更新部26は、初期状態では何も更新しない。乗算器28は、初期状態では実質的に機能しないからである。 そして、係数更新部26は、振幅観測部24から出力される振幅観測信号にしたがって乗算器28の係数を変更する。例えば、乗算器28に対して1dBずつゲインを下げるように係数を更新することができるが、これに限定するものではない。
係数更新部27も同様に、初期状態では何も更新しない。 乗算器29は、初期状態では実質的に機能しないからである。 そして、係数更新部27は、振幅観測部25から出力される振幅観測信号にしたがって乗算器28の係数を変更する。例えば、乗算器29に対して1dBずつゲインを下げるようにすることができるが、これに限定するものではない。
乗算器28は、入力信号と係数更新部26から出力される係数を乗算して、乗算結果をフィルタ21に入力する。
乗算器29は、入力信号と係数更新部27から出力される係数を乗算して、乗算結果をフィルタ23に入力する。
加算器30は、フィルタ21、フィルタ22およびフィルタ23の出力を加算し、分割した各帯域(0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHz)を合成する加算器である。
(3−2)第3の実施形態の動作
以下、図6を用いて第3の実施形態の動作を説明する。
図6の(1)に示すように、300Hz〜3.4KHzに帯域制限された信号が入力されると、各フィルタ21、22および23により、0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHzの各帯域に帯域分割される。
図6の(2)に示すように、フィルタ21により高域をカットされた低域信号(0Hz〜300Hz)は、振幅観測部24で監視され、係数更新部26に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号が出力される。フィルタ21の出力が制限値を越えた場合、係数更新部26は、振幅観測部24から出力される振幅観測信号にしたがって、乗算器28に入力する係数を制御する。
図6の(3)に示すように、フィルタ22により300Hz〜3.4KHzに帯域制限された信号は、低域信号および高域信号との遅延を調整するため、遅延が付与される。これは、フィルタ22を通過する信号のレベルを小さくしないためであり、また、音の臨場感を損なわないためである。
図6の(4)に示すように、フィルタ23により低域をカットされた高域信号(3.4KHz〜8KHz)は、振幅観測部25で監視され、係数更新部27に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号が出力される。フィルタ23の出力が制限値を越えた場合、係数更新部27は、振幅観測部25から出力される振幅観測信号にしたがって、乗算器29に入力する係数を制御する。
フィルタ21、フィルタ22およびフィルタ23の出力は、加算器30で加算され、分割した各帯域(0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHz)が合成される。
以上の処理により低域だけを補正した結果、信号が過度に大きい振幅を持つようであれば、ゲインを小さくすることもできる。 これは、高域についても同様である。 中間域はもともと帯域制限を受けていない信号なので、レベルを変動させないためにも透過させることが望ましく、ゲインは1.0に固定すればよい。
図4の(1)に示したようなノイズが存在した場合は、フィルタ21、フィルタ23のゲインを減少させればよい。中間帯域のゲインは1.0のままなので、ボリウム自体は大きな変動を与えない。 ノイズの影響が小さい通常音声の場合は、フィルタ21およびフィルタ23の入力は非常に小さいものであり、各々のゲインをそのまま乗算しても1.0を超えることはない。 また、フィルタ21およびフィルタ23の出力の大きさに応じて、元の信号の振幅にゲイン(<1.0)を加えてもよい。
(3−3)第3の実施形態の効果
以上説明した第3の実施形態によれば、各々の周波数領域で自動的に周波数の増幅率が決定されるので、第2の実施形態と異なり、背景ノイズの周波数特性に偏りがあり、例えば、低域だけに局在する場合に、高域はその影響を受けずに帯域拡張ができ、自然な音質で音声帯域の拡張が可能である。かかる効果は、高域に関しても同様である。
(4)第4の実施形態
第3の実施形態では、フィルタ21、フィルタ23のゲインが−から+まで巾広くなり、設計が困難になる場合が考えられる。この場合は、FIRフィルタで、低域、高域をあらかじめ帯域分離し、第3の実施形態と同様にフィルタを用いて処理することにより、設計の困難性を解消することができる。
以下、本発明による信号補正装置の第4の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(4−1)第4の実施形態の構成
図8は、第4の実施形態の帯域補正装置の構成を示す図である。
図8において、第4の実施形態の音声帯域補正装置3は、低域フィルタ31、中間フィルタ32、高域フィルタ33、フィルタ34、フィルタ35、フィルタ36、振幅観測部37、振幅観測部38、係数更新部39、係数更新部40、積算器41、積算器42および加算器43から構成される。
低域フィルタ31は、例えば、FIRフィルタで構成され、3.4KHz〜8KHzの高域周波数成分のカットを行う。
中間フィルタ32は、300Hz〜3.4KHzの中間帯域用のフィルタであり、入力信号の帯域を制限すると共に、低域信号および高域信号との遅延調整のために用いられる。また、フィルタ35の遅延も合わせて調整することも可能である。
高域フィルタ33は、例えば、FIRフィルタで構成され、0Hz〜300Hzの低域周波数成分のカットを行う。
フィルタ34は、0Hz〜300Hzの低域信号の増幅を行う。
フィルタ35は、300Hz〜3.4KHzの中間帯域用のフィルタであり、入力信号の帯域を制限すると共に、低域信号および高域信号との遅延調整のために用いられる。また、中間フィルタ32の遅延も合わせて調整することも可能である。
フィルタ36は、3.4KHz〜8KHzの高域信号の増幅を行う。
振幅観測部37は、フィルタ34の出力を監視し、係数更新部39に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号を出力するものである。本実施形態では、補正フィルタ34の出力値が、たとえばディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、−32767)を示すかどうかで判断したが、他にもあらかじめ定めた値、例えば+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
振幅観測部38は、フィルタ36の出力を監視し、係数更新部40に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号を出力するものである。本実施形態では、補正フィルタ36の出力値が、例えば、ディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、−32767)を示すかどうかで判断したが、他にもあらかじめ定めた値、例えば+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
係数更新部39は、初期状態では係数更新を行わない。そして、振幅観測部37から出力される振幅観測信号で過大増幅を観測した場合は、乗算器41に対し、振幅減衰をする為の係数を出力する。 係数は1以下であり、かつ0より大きい。 例えば、振幅観測部37から出力される振幅観測信号で過大増幅を観測するたびに、係数を1dBずつ小さくするようにしてもよいが、1dBに限定するものではない。
係数更新部40も同様に、初期状態では係数更新は行わない。そして、振幅観測部38から出力される振幅観測信号で過大増幅を観測した場合は、乗算器42に対し、振幅減衰をする為の係数を出力する。 係数は1以下であり、かつ0より大きい。 例えば、振幅観測部38から出力される振幅観測信号で過大増幅を観測するたびに、係数を1dBずつ小さくするようにしてもよいが、1dBに限定するものではない。
乗算器41は、低域フィルタ31の出力と係数更新部39から出力される係数を乗算して、乗算結果をフィルタ34に出力する。
乗算器42は、高域フィルタ33の出力と係数更新部40から出力される係数を乗算して、乗算結果をフィルタ36に出力する。
加算器43は、フィルタ34、フィルタ35およびフィルタ36の出力を加算し、分割した各帯域(0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHz)を合成する加算器である。
(4−2)第4の実施形態の動作
次に、第4の実施形態の動作を説明する。
300Hz〜3.4KHzに帯域制限された信号が入力されると、低域フィルタ31、中間フィルタ32および高域フィルタ33により、0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHzの各帯域に帯域分割される。
フィルタ34により高域をカットされた低域信号(0Hz〜300Hz)は、フィルタ34で増幅される。この増幅された信号は、振幅観測部37で監視され、係数更新部39に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号が出力される。フィルタ34の出力が制限値を越えた場合、係数更新部39は、振幅観測部37から出力される振幅観測信号にしたがって、乗算器41に入力する係数を制御する。
中間フィルタにより300Hz〜3.4KHzに帯域制限された入力信号は、低域フィルタの出力および高域フィルタの出力との遅延を調整するため、遅延が付加される。これは、フィルタ35から出力される信号のレベルを小さくしないためであり、また、音の臨場感を損なわないためである。
フィルタ33により低域をカットされた高域信号(3.4KHz〜8KHz)は、フィルタ36で増幅される。この増幅された信号は、振幅観測部38で監視され、係数更新部40に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号が出力される。フィルタ36の出力が制限値を越えた場合、係数更新部40は、振幅観測部38から出力される振幅観測信号にしたがって、乗算器42に入力する係数を制御する。
フィルタ34、35および36の出力は、加算器43で加算され、分割した各帯域(0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHz)が合成される。
(4−3)第4の実施形態の効果
以上説明した第4の実施形態によれば、各周波数領域を分割する3つのフィルタと、各々のフィルタ出力を補正する、補正フィルタを分離することにしたので、各補正フィルタは概ね+だけのゲインを考慮すればよくなり、ディジタル増幅においては限られた+、―の量子化数(刻みの数)をより細やかに設計でき、音感を損なわない自然な信号補正が可能となる。
(5)第5の実施形態
第5の実施形態は、ITU−T勧告G.722で用いられている、直交ミラーフィルタ(Quadrature Mirror Filter:QMF)によって入力信号を2分割して各々の帯域を補正する場合の音声帯域補正装置に関する。
ITU−T勧告G.722は、各種の高音質音声用として使用されるオーディオ(50Hz〜7KHz)符号化システムについて規定されている。この符号化システムは、64Kbit/sのビット速度内において帯域分割適応差分パルス符号変調(SB−ADPCM)を用いる。SB−ADPCM技術では、周波数帯域は、QMFを用いて2つの帯域(高域および低域)に分割され、各帯域内の信号はADPCMを用いて符号化される。
以下、本発明による信号補正装置の第5の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(5−1)第5の実施形態の構成
図11は、第5の実施形態の帯域補正装置の構成を示す図である。
図11において、第5の実施形態の音声帯域補正装置5は、QMF51、QMF52、QMF53、QMF54、低域補正部55、高域補正部56、低域振幅観測部57、高域振幅観測部58、低域ゲイン制御部59および高域ゲイン制御部60から構成される。
QMF51およびQMF52は、直線位相非巡回型ディジタルフィルタで構成されており、周波数帯域0Hz〜8KHzを2つの帯域(低域:0Hz〜4KHz、高域:4KHz〜8KHz)に分割する。各フィルタへの入力は16KHzで標本化されている。低域および高域の出力はそれぞれ8KHzで標本化されている。
QMF53およびQMF54は、直線位相非巡回形ディジタルフィルタであり、図示しない低域および高域のSB−ADPCM復号器のそれぞれの出力を補間して、8kHz標本化信号を16kHz標本化信号に変換し、16KHzで標本化された出力を作り出す。
低域補正部55は、例えばFIRフィルタで構成され、0kHz〜4kHzの低域信号を増幅する。例えば、図3の(2)に示す領域A、領域Bを補正するフィルタの合成特性を持つフィルタとすればよく、具体的には図6の(2)及び図6の(3)を合成することで実現できるが、これに限定するものではない。
高域補正部56は、例えばFIRフィルタで構成され、4KHz〜8KHzの低域信号を増幅する。例えば、図6の(4)に示すフィルタをそのまま用いれば良いが、これに限定するものではない。
低域振幅観測部57は、低域補正部55の出力を監視し、低域ゲイン制御部59に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅監視信号を出力するものである。本実施形態では、低域信号補正部55の出力値が、例えば、ディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、−32767)を示すかどうかで判断するが、他にもあらかじめ定めた値、例えば、+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
高域振幅観測部58は、高域信号補正部56の出力を監視し、高域ゲイン制御部60に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅監視信号を出力するものである。本実施形態では、高域信号補正部56の出力値が、例えば、ディジタル信号で、16bitディジタル表現限界値(+32768、−32767)を示すかどうかで判断するが、他にもあらかじめ定めた値、例えば、+16384、−16384を超過したかどうかを判断してもよく、所望のレベルに達したかどうかを判定できればどのような方法であってもよい。
低域ゲイン制御部59は、初期状態では制御を行わない。低域補正部55はあらかじめ定めたフィルタ特性、即ち、図6の(2)、図6の(3)の合成特性である。低域補正部55の出力が制限値を越えた場合は、低域振幅観測部57から出力される振幅観測信号にしたがって、例えば、低域補正部55の振幅補正量を1dB減ずるようにする。また、図6の(2)の部分だけを1dB減ずるようにしてもよい。 あらかじめ設定するフィルタ特性は、図6の(2)、14の合成特性に限定するものではない。
高域ゲイン制御部60は、初期状態では制御を行わない。高域ゲイン制御部60はあらかじめ定めたフィルタ特性、即ち、図6の(4)の特性である。高域信号補正部56の出力が制限値を越えた場合には高域振幅観測部58から出力される振幅観測信号にしたがって、高域信号補正部56の振幅補正量を1dB減ずるようにしたが、これに限定するものではない。
(5−2)第5の実施形態の動作
次に、第5の実施形態の動作を説明する。
16KHzで標本化された周波数帯域0Hz〜8KHzの入力信号は、QMF51により高域周波数帯域を制限され、周波数帯域0Hz〜4KHzの8KHzで標本化された信号が低域補正部55に入力される。
高域周波数帯域が制限された周波数帯域0Hz〜4KHzの信号は、低域補正部55により増幅される。
この増幅された信号は、低域振幅観測部57で監視され、低域ゲイン制御部59に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号が出力される。
低域補正部55の出力が制限値を越えた場合、低域ゲイン制御部59は、低域振幅観測部57から出力される振幅観測信号にしたがって、低域補正部55の入力信号の帯域の補正量を制御する。
低域補正部55の出力は、QMF53により、図示しない低域のSB−ADPCM復号器の出力を補間して、8kHz標本化信号を16kHz標本化信号に変換し、16KHzで標本化された信号を出力する。
高域側についても同様に、16KHzで標本化された周波数帯域0Hz〜8KHzの入力信号は、QMF52により低域周波数帯域を制限され、周波数帯域4KHz〜8KHzの8KHzで標本化された信号を高域補正部56に出力される。
低域周波数帯域を制限された周波数帯域4KHz〜8KHzの信号は、低域補正部56により増幅される。
この増幅された信号は、高域振幅観測部58で監視され、高域ゲイン制御部60に補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅観測信号が出力される。
高域補正部56の出力が制限値を越えた場合、高域ゲイン制御部60は、高域振幅観測部58から出力される振幅観測信号にしたがって、高域補正部56の入力信号の帯域の補正量を制御する。
高域補正部56の出力は、QMF54により、図示しない高域のSB−ADPCM復号器の出力を補間して、8kHz標本化信号を16kHz標本化信号に変換し、16KHzで標本化された信号を出力する。
また、QMF51と低域補正部55との間にフィルタを設けて、QMF51の出力のうち、0Hz〜340Hzについては低域補正部55で帯域を補正し、340Hz〜4KHzについては帯域を補正せずに出力することも可能である。具体的な動作は第3の実施形態と同様である。
(5−3)第5の実施形態の効果
以上説明した第5の実施形態によれば、周波数分割フィルタではなくQMFフィルタを用いた場合でも音声拡張を実現できる。つまり、伝走路が広帯域向け専用の信号を用いる場合でも、従来電話の音質を向上することができる。 また、周波数の補正を低域部分と、高域部分にまとめたので、例えば、規格適合上、G.722QMFフィルタ等を使用せざるを得ない場合であっても、従来の電話機の音質を自然な音声帯域拡張を行うことで高品位な通話が可能となる。
(6)第6の実施形態
第6の実施形態は、第4の実施形態と同様に、例えばFIRフィルタで、低域、高域をあらかじめ帯域分離し、各帯域毎に振幅を補正することを前提とするが、本実施形態では、帯域毎に分割した各信号をディジタル信号処理の領域でディジタル信号の最大値まで振幅を増幅し、アナログ信号に変換した後、各帯域の信号を加算するものである。
これは加算値の限界がないアナログ信号処理の領域では、加算値の限界がないことを利用することで可能となる。
以下、本発明による信号補正装置の第6の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(6−1)第6の実施形態の構成
図12は、第6の実施形態の音声帯域補正装置の構成を示す図である。
図12において、第6の実施形態の帯域補正装置7は、低域フィルタ71、中間フィルタ72、高域フィルタ73、フィルタ74、フィルタ75、フィルタ76、D/A変換器77、78および79から構成される。
低域フィルタ71は、例えばFIRフィルタで構成され、3.4KHz〜8KHzの高域周波数成分のカットを行う。
中間フィルタ72は、300Hz〜3.4KHzの中間帯域用のフィルタであり、入力信号の帯域を制限すると共に、低域信号および高域信号との遅延調整のために用いられる。また、フィルタ75の遅延も合わせて調整することも可能である。
高域フィルタ73は、例えばFIRフィルタで構成され、0Hz〜300Hzの低域周波数成分のカットを行う。
フィルタ74は、0Hz〜300Hzの低域信号の増幅を行う。
フィルタ75は、300Hz〜3.4KHzの中間帯域用のフィルタであり、入力信号の帯域を制限すると共に、低域信号および高域信号との遅延調整のために用いられる。また、中間フィルタ72の遅延も合わせて調整することも可能である。
フィルタ76は、3.4KHz〜8KHzの高域信号の増幅を行う。
D/A変換器77、78および79は、各帯域のディジタル信号をアナログ信号に変換する変換器である。
(6−2)第6の実施形態の動作
次に、第6の実施形態の動作を説明する。
300Hz〜3.4KHzに帯域制限された信号が入力されると、低域フィルタ71、中間フィルタ72および高域フィルタ73により、0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHzの各帯域に帯域分割される。
低域フィルタ71により高域をカットされた低域信号(0Hz〜300Hz)は、フィルタ74で増幅される。この増幅された信号は、D/A変換器77で、ディジタル信号からアナログ信号に変換される。
中間フィルタにより300Hz〜3.4KHzに帯域制限された入力信号は、低域フィルタ71の出力および高域フィルタ73の出力との遅延を調整するため、遅延が付加される。この遅延が付加された信号は、D/A変換器78で、ディジタル信号からアナログ信号に変換される。
高域フィルタ73により低域をカットされた高域信号(3.4KHz〜8KHz)は、フィルタ76で増幅される。この増幅された信号は、D/A変換器79で、ディジタル信号からアナログ信号に変換される。
D/A変換器77、78および79の出力は、加算され、分割した各帯域(0Hz〜300Hz、300Hz〜3.4KHzおよび3.4KHz〜8KHz)が合成される。
(6−3)第6の実施形態の効果
以上説明した第6の実施形態によれば、3つのDA変換器で各々別にDA変換した後、信号を加算合成するようにしたので、例えば、各々の周波数領域でディジタル信号として最大値にまで増幅する場合であっても、その後加算に上限のないアナログの信号の形で加算を行うようにしたので、加算合成の結果で振幅が非常に大きくなる場合でも、ディジタル加算の制限を受けない、自然な音質を確保したまま音声帯域拡張が可能となる。
(7)第7の実施形態
第7の実施形態は、第5の実施形態で説明したITU−T勧告G.722を使用する装置に第6の実施形態を適用するものである。
以下、本発明による信号補正装置の第7の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(7−1)第7の実施形態の構成
図13は、第7の実施形態の音声帯域補正装置の構成を示す図である。
図13において、第7の実施形態の帯域補正装置8は、QMF81、QMF82、低域補正部83、高域補正部84、QMF85、高域D/A変換器86、位相・遅延補償部87、周波数シフト部88および低域D/A変換器89から構成される。
QMF81、QMF82は、直線位相非巡回型ディジタルフィルタで構成されており、周波数帯域0Hz〜8KHzを2つの帯域(低域:0Hz〜4KHz、高域:4KHz〜8KHz)に分割する。各フィルタへの入力は16KHzで標本化され、低域および高域の出力はそれぞれ8KHzで標本化されている。
低域信号補正部83は、例えば、図3の(2)に示す領域A、領域Bを補正するフィルタの合成特性を持つフィルタとすればよく、具体的には図6の(2)及び図6の(3)を合成することで実現できるが、これに限定するものではない。
高域補正部84は、例えば、図6の(4)に示すフィルタをそのまま用いれば良いが、これに限定するものではない。
QMF85は、低域補正部83の出力のうち、例えば0Hz〜340Hzについては位相・遅延補償部87に送出し、340Hz〜4KHzについては帯域を補正せずに出力することも可能である。これは、第3の実施形態と同様に、補正フィルタの設計を容易にするためである。
また、低域においては、QMF85で既に0Hz〜4KHzの信号を入手しているので、高域補正経路での位相、遅延さえ一致できれば、装置規模を小さくするため、QMF85を設けないで、そのままにする構成とすることも可能である。QMF85は0Hz〜4KHzから0Kz〜4KHzへの変換を受け持つ機能であり、事実上周波数の変換は行っていないからである。
高域D/A変換器86は、高域補正部84から出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換する。
位相・遅延補償部87は、周波数シフト部88より高域信号が周波数シフトにより、位相遅れ等が生じた場合に位相等の補償を行う。周波数シフトにより、遅延や位相の変化が生じない場合は、位相・遅延補償部87を設けない構成とすることも可能である。位相、遅延保証の為に遅延レジスタを用いたが、両者の保証ができれば、何であっても良く。これに限定するものではない。
周波数シフト部88は、高域D/A変換器86でディジタル/アナログ変換された高域補正部出力を周波数シフトする。QMFの信号は、16KHzサンプリングの信号のうち、4KHz〜8KHzの信号を低域方向に周波数シフトしたと同等であり、最終的に再び4KHz〜8KHzの信号に戻す必要がある。 本発明では高域への周波数シフトとして、4KHz正弦波との乗算を用いたがこれに限定するものではない。
低域D/A変換器89は、位相・遅延補償部87から出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換する。
(7−2)第7の実施形態の動作
次に、第7の実施形態の動作を説明する。
低域側については、16KHzで標本化された周波数帯域0Hz〜8KHzの入力信号は、QMF81により高域周波数帯域を制限され、周波数帯域0Hz〜4KHzの8KHzで標本化された信号が低域補正部83に出力される。
高域周波数帯域を制限された周波数帯域0Hz〜4KHzの信号は、低域補正部83により増幅される。
増幅された信号はQMF85で、低域補正部83の出力のうち、例えば0Hz〜340Hzについては位相・遅延補償部87に送出し、340Hz〜4KHzについては帯域を補正せずに出力する。
この増幅および帯域制限された信号は、位相・遅延補償部87で、高域信号の周波数シフトにより、位相遅れ等が生じた場合に位相等の補償を行う。
位相等の保証が行われた信号は、高域D/A変換器89により、ディジタル信号からアナログ信号に変換される。
高域側については、16KHzで標本化された周波数帯域0Hz〜8KHzの入力信号は、QMF82により低域周波数帯域を制限され、周波数帯域4KHz〜8KHzの8KHzで標本化された信号が高域補正部84に出力される。
低域周波数帯域を制限された周波数帯域4KHz〜8KHzの信号は、高域補正部84により増幅される。
この増幅された信号は、高域D/A変換器86により、ディジタル信号からアナログ信号に変換される。
アナログ信号に変換されたD/A変換器86の出力は、周波数シフト部88で周波数シフトされる。
(7−3)第7の実施形態の効果
以上説明した第7の実施形態によれば、第5の実施形態に加え、第6の実施形態のように、例えば、各々の周波数領域でディジタル信号として最大値にまで増幅する場合であっても、その後加算に上限のないアナログの信号の形で加算を行うようにしたので、加算合成の結果で振幅が非常に大きくなる場合でも、ディジタル加算の制限を受けない、自然な音質を確保したまま音声帯域拡張が可能となる。
(8)他の実施形態
上記各実施形態の説明においても、種々の変形実施形態について言及したが、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
図7では、振幅観測部24および振幅観測部25は、フィルタ21の出力およびフィルタ25の出力をそれぞれ監視しているが、図9に示すように、振幅観測部を加算器30の出力に接続し、観測結果を係数更新部24および係数更新部25の双方に供給する構成としても良い。
同様に、図8では、振幅観測部37および振幅観測部38は、フィルタ34の出力およびフィルタ36の出力をそれぞれ監視しているが、図10に示すように、振幅観測部を加算器43の出力に接続し、観測結果を係数更新部39および係数更新部40の双方に供給する構成としても良い。
第1の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 第2の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の帯域補正を示す図である。 第2の実施形態の帯域補正示す図である。 第2の実施形態の雑音を考慮した帯域補正示す図である。 第3の実施形態の帯域補正を示す図である。 第3の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 他の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 他の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 第5の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 第6の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 第7の実施形態の全体構成を示すブロック図である。 原音声の周波数特性を示す図である。 電話帯域に制限された音声の周波数特性を示す図である。 従来技術で作成された音声の周波数特性を示す図である。
1、2…音声帯域補正装置、10…補正フィルタ、11…係数制御部、12…レベル検出部、13…振幅制御部、21、22、23…フィルタ、24、25…振幅観測部、26、27…係数更新部、28、29…乗算器、30…加算器。

Claims (1)

  1. 入力信号の帯域拡張を制御する帯域補正装置において、
    帯域制限された入力信号の周波数帯域を低域および高域の2つの周波数帯域に分割する直交ミラーフィルタと、
    前記直交ミラーフィルタで帯域分割された低域側又は高域側の出力のレベルを補正することで帯域拡張する補正手段と、
    前記補正手段の振幅補正量を制御するゲイン制御手段と、
    前記補正手段の出力のレベルがディジタル信号処理の領域での最大値又は最小値の制限を越えないように監視し、補正された出力の振幅の変動状況を示す振幅監視信号を前記ゲイン制御手段に出力する振幅観測手段とを有し、
    前記ゲイン制御手段は前記補正手段の出力のレベルが制限値を越えた場合には前記振幅観測手段から出力される振幅観測信号にしたがって前記補正手段の振幅補正量を減ずることを特徴とする帯域補正装置。
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