上記目的を達成するための第1の発明に係る産業車両の管理装置は、産業車両に備えられる管理装置であって、前記産業車両の運転動作状態を検出するための動作検出手段と、前記動作検出手段によって検出された検出値に基づいて、前記産業車両の所定の動作の動作量を検知する動作量検知手段と、前記動作量検知手段によって検知された前記動作量を指標する複数のレベル値のうち当該動作量が対応するレベル値を検知するレベル値検知手段と、時間計測手段と前記時間計測手段で計測される所定の単位時間毎に、前記レベル値検知手段によって当該単位時間内に検知された前記レベル値のうちの最大の値である最大レベル値を検知する最大レベル値検知手段と、前記最大レベル値検知手段によって検知された前記単位時間毎の前記最大レベル値を記憶するための最大レベル値記憶手段と、を備えていることを特徴とする。
この構成によると、産業車両の所定の動作の動作量が、管理に際して把握の容易な指標となるレベル値として検知されることになる。さらに、そのレベル値は、最終的には単位時間毎の最大レベル値として記憶されるため、管理に有効な重要なデータを効率よく収集することができる。そして、このように収集されたデータは、産業車両の運転状況を管理するにあたっての種々の判断をする際に活用することができる。例えば、管理者が、データが収集された産業車両を運転している運転者に対してそのデータに基づいて運転の仕方の指導を行うこともできる。また、所定のレベル値を閾値としてそのレベル値以上となる運転動作を規制するように管理したい場合に、どのレベル値を閾値として設定したらよいかという判断をするためのデータとして活用するなど、種々の用途に用いることができる。
したがって、本発明の構成によると、産業車両の運転がどのように行われているかについてより的確に把握する観点からの効率の良いデータ収集と管理を可能にする、産業車両の管理装置を得ることができる。
また、第2の発明に係る産業車両の管理装置は、第1の発明において、前記動作量検知手段によって検知される前記動作量として、前記産業車両の旋回動作時の旋回加速度と、前記産業車両の加速度と、前記産業車両の減速度と、前記産業車両が外部に衝突した際の衝撃値と、のうちの少なくともいずれか1つが含まれていることを特徴とする。
この構成によると、旋回動作、加速動作、減速動作、衝突動作、のうちの少なくともいずれかの動作の動作量をレベル値化して把握することができる。これにより、産業車両の運転がどのように行われているかをより的確に把握して管理することができる。また、旋回動作に対応したレベル値が所定のレベル値を超える場合を急旋回動作として急旋回動作発生回数等で管理することもできる。さらに、急加速動作や急減速動作、急激な衝突動作についても同様に管理することができる。
また、第3の発明に係る産業車両の管理装置は、第2の発明において、前記旋回加速度として、前記産業車両の速度と当該車両の角速度との積を検知することを特徴とする。
この構成によると、産業車両の速度と角速度との積を検知することで、産業車両の旋回動作の動作量である旋回加速度を容易に検知することができる。従って、どのようなレベル値の旋回動作が発生していたを的確に把握し、その発生状況を管理することができる。
この構成によると、産業車両の加速度を検知することで衝突動作の動作量である衝撃値を容易に検知することができる。従って、どのようなレベル値の衝突動作が発生していたかを的確に把握し、その発生状況を管理することができる。
また、第5の発明に係る産業車両の管理装置は、第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記レベル値検知手段で検知された前記レベル値を表示する表示手段をさらに備えていることを特徴とする。
また、第6の発明に係る産業車両の管理装置は、第1乃至第5の発明のいずれかにおいて、前記レベル値検知手段で検知される前記レベル値と比較するための入力された所定の閾値を記憶する閾値記憶手段と、前記レベル値検知手段で検知された前記レベル値が前記閾値記憶手段で記憶された前記閾値以上であるかどうかを判定する閾値判定手段と、前記閾値判定手段にて前記レベル値が前記閾値以上であると判定された場合に前記産業車両を運転している運転者に対して報知する報知手段と、をさらに備えていることを特徴とする。
この構成によると、産業車両において、所定の閾値以上のレベル値の動作が行われた場合には、その産業車両の運転者に対してそのことが例えばブザーやLED表示などによって構成される報知手段によって警報として報知されることになる。このため、運転者は、所定の閾値以上のレベル値の運転を行っていることを速やかに把握することができ、これにより、警報が発せられることのないように自らの運転操作をすぐに変更するといった処置をとることもできる。
また、第7の発明に係る産業車両の管理システムは、第1乃至第5の発明のいずれかの管理装置を備える管理システムであって、前記管理装置の前記最大レベル値記憶手段に記憶された内容に基づいて前記最大レベル値の発生度数を集計するための集計手段と、前記集計手段での集計結果に基づいて前記最大レベル値の発生度数がディスプレイに表示されるように制御するための表示制御手段と、を有している端末装置を備えていることを特徴とする。
この構成によると、産業車両の運転がどのように行われているかについてより的確に把握する観点からの効率の良いデータを管理装置にて収集することができる。そして、端末装置において、その収集したデータに基づいて、最大レベル値の発生度数を集計してディスプレイに表示することができるため、産業車両の運転状況を容易に且つ的確に把握することができる。
また、第8の発明に係る産業車両の管理システムは、第6の発明の管理装置を備える管理システムであって、前記管理装置の前記最大レベル値記憶手段に記憶された内容に基づいて前記最大レベル値の発生度数を集計するための集計手段と、前記集計手段での集計結果に基づいて前記最大レベル値の発生度数がディスプレイに表示されるように制御するための表示制御手段と、前記集計手段での集計結果に基づいて、前記最大レベル値における値の大きい方からその発生度数を積算したときにその積算値が前記最大レベル値の発生度数の合計値に対して所定の割合以上となるもののうち最も値の大きい前記最大レベル値を前記所定の閾値として判断する閾値判断手段と、を有している端末装置を備えていることを特徴とする。
この構成によると、産業車両の運転がどのように行われているかについてより的確に把握する観点からの効率の良いデータを管理装置にて収集することができる。そして、端末装置において、その収集したデータに基づいて、最大レベル値の発生度数を集計してディスプレイに表示することができるため、産業車両の運転状況を容易に且つ的確に把握することができる。さらに、所定のレベル値を閾値としてそのレベル値以上となる運転動作を規制するように管理したい場合に、閾値の判断が自動的に行われることになるため、閾値の設定を容易に行うことができる。
また、第9の発明に係る産業車両の管理システムは、第7の発明において、前記表示制御手段は、度数が最も多い前記最大レベル値の発生度数、または、発生度数がゼロでない前記最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい前記最大レベル値の発生度数が、ディスプレイにて区別されて表示されるように制御することを特徴とする。
この構成によると、度数が最も多い最大レベル値の発生度数、または、発生度数がゼロでない最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい最大レベル値の発生度数が、ディスプレイ上にて他の最大レベル値の発生度数から区別されて表示されることになる。このため、所定のレベル値を閾値としてそのレベル値以上となる運転動作を規制するように管理したい場合に、区別されたそれらの表示を参考にしながら容易に閾値を判断することができる。
また、第10の発明に係る産業車両の管理システムは、第7の発明において、前記表示制御手段は、度数が最も多い前記最大レベル値の発生度数、および、発生度数がゼロでない前記最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい前記最大レベル値の発生度数が、ディスプレイにてそれぞれ区別されて表示されるように制御することを特徴とする。
この構成によると、度数が最も多い最大レベル値の発生度数、および、発生度数がゼロでない最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい最大レベル値の発生度数が、ディスプレイ上にて他の最大レベル値の発生度数から区別されて表示されることになる。このため、所定のレベル値を閾値としてそのレベル値以上となる運転動作を規制するように管理したい場合に、区別されたそれらの表示を参考にしながら、度数が最も多いところとレベル値の値が最も大きいところとの間のところで閾値を設定するようにするなど、容易に閾値を判断することができる。
また、第11の発明に係る産業車両の管理システムは、第7乃至第10の発明のいずれかにおいて、前記集計手段は、前記管理装置の前記最大レベル値記憶手段に記憶された内容に基づいて前記最大レベル値の発生度数を前記単位時間よりも長時間である所定の単位期間毎に集計し、前記表示制御手段は、前記集計手段での集計結果に基づいて、前記単位期間毎の前記最大レベル値の発生度数の推移がディスプレイに表示されるように制御することを特徴とする。
この構成によると、所定の単位期間毎の最大レベル値の発生度数の推移がディスプレイにおいて表示されることになるため、産業車両の運転状況が時間とともにどのように変化しているかを容易且つ的確に把握することができる。
また、第12の発明に係る産業車両の管理システムは、第7乃至第10の発明のいずれかにおいて、前記管理装置を複数備え、前記集計手段は、複数の前記管理装置における前記各最大レベル値記憶手段に記憶された内容に基づいて前記最大レベル値の発生度数を前記管理装置毎に集計し、前記表示制御手段は、前記集計手段での集計結果に基づいて、前記管理装置毎の前記最大レベル値の発生度数がディスプレイに表示されるように制御することを特徴とする。
この構成によると、複数の産業車両にそれぞれ備えられた管理装置毎の最大レベル値の発生度数がディスプレイ上に表示されることになるため、産業車両毎の運転状況を容易且つ的確に把握することができる。
この構成によると、前述した第1乃至第6の発明の管理装置と同様の効果を奏することができ、産業車両の運転がどのように行われているかをより的確に把握する観点からの効率の良いデータ収集と管理を可能にする産業車両を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。まず、本実施形態に係る産業車両及び産業車両の管理装置の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る産業車両の例示であるフォークリフト1の側面図であり、図2は、フォークリフト(産業車両)1に備えられる所定の機器や管理装置30を示す概略構成図である。
図1及び図2に示すように、フォークリフト1は、前輪駆動・後輪操舵の四輪車である。フォークリフト1には、左右一対のアウタマスト2とその間に昇降可能にインナマスト3とが設けられている。インナマスト3には、その上部に図示されないスプロケットに掛装された図示されないチェーンを介してフォーク4が昇降可能に吊り下げられている。アウタマスト2は、フォークリフト1の車体である車体フレーム1aに対して、ティルトシリンダ5を介して傾動可能に連結されている。フォーク4は、リフトシリンダ6が駆動されてインナマスト3が上下動することにより昇降するようになっている。
前輪7は、フォークリフト1の左右に設けられ、デフリングギヤ8及び図示されない変速機を介してエンジン9と作動連結され、エンジン9の動力によって駆動される。そして、車体フレーム1aの後下部には、車軸としてのリアアクスル10が車幅方向へ延びた状態でセンタピン10aを中心に上下方向に揺動可能に支持されている。後輪11は、走行輪としてフォークリフト1の左右に設けられ、リアアクスル10に配設された図示されないステアリングシリンダの左右一対のピストンロッドに操向可能に作動連結されハンドル12の操作によってステアリングシリンダが駆動されることにより操舵される。
図2に示すように、フォークリフト1には、ヨーレートセンサ21、車速センサ22、加速度センサ23、揚高センサ24・25、圧力センサ26等が設けられている。これらのセンサ21〜26は、当該フォークリフト1の運転動作状態を検出するために設けられたものであり、各センサ21〜26は管理装置30と接続されている。これにより、各センサ21〜26からの出力は、管理装置30内の動作検出手段によってそれぞれ検出される。
ヨーレートセンサ21は、例えばジャイロスコープからなり、車体のヨーレート(角速度)Y(rad/sec)を検出可能な所定の向きに保持され、管理装置30と共に車体前部に組み付けられている。ジャイロスコープは圧電式ジャイロスコープ、ガスレート式ジャイロスコープ、光学式ジャイロスコープ等のどの方式のものを用いてもよい。
車速センサ22は、デフリングギヤ8の回転速度を検出してフォークリフト1の車両の速度(車速)Vを間接的に検出する。また、加速度センサ23は、衝突時のフォークリフト1の加速度Aを検出するため、後部車体フレームに組みつけられている。
2個の揚高センサ24、25は、アウタマスト2の所定の高さにそれぞれ取り付けられている。揚高センサ24、25は、例えばリミットスイッチからなり、それぞれ、フォーク4の揚高が所定高さ未満でオフし、フォーク4の揚高が所定高さ以上でオンするようになっており、これらのオン・オフの組み合わせからフォーク4の揚高を検出している。例えば、揚高センサ24、25がともにオフのときは低揚高、センサ24がオンでセンサ25がオフのときは中揚高、センサ24、25がともにオンのときは高揚高、とそれぞれ検出することができる。
圧力センサ26は、リフトシリンダ6の底部に取り付けられ、そのシリンダ内の油圧を検出する。リフトシリンダ6の油圧がフォーク4に積載された荷の荷重(荷の重量)と比例関係にあることから、圧力センサ26により荷重(荷積載重量)を間接的に検出している。
次に、フォークリフト1の管理装置30(本実施形態に係る産業車両の管理装置)の電気的構成について、図3に示すブロック図に基づいて説明する。管理装置30には、CPU(中央処理装置)31、ROM(読取専用メモリ)32、RAM(読取書込可能メモリ)33、リアルタイムクロックIC34、バックアップ電池35、車速検出インターフェース(車速検出I/F)36、ヨーレート検出インターフェース(ヨーレート検出I/F)37、衝突検出インターフェース(衝突検出I/F)39、周辺I/O40、通信インターフェース(通信I/F)41、LED(Light Emitting Diode)42、ブザー43等が備えられている。
CPU31には、車速センサ22からの出力が車速検出インターフェース36を介して入力される。また、CPU31には、ヨーレートセンサ21からの出力がヨーレート検出I/F37を介して入力される。また、CPU31には、加速度センサ23からの出力が衝突検出I/F39を介して入力される。
ROM32には、管理装置30としての処理をするためのプログラムが記憶されており、適宜CPU31により読み出されて実行される。また、RAM33は、管理装置30としての処理をするためのプログラムの実行により生成されるデータを記憶する。尚、RAM33にはバックアップ電池35が接続されて電源供給遮断時にバックアップ電池35から電源供給されるに様になっており、記憶されているデータが損失されないようになっている。
リアルタイムクロックIC34は、CPU31に接続されており、時刻に関するデータが入力され、時間を計測する。尚、リアルタイムクロックIC34にはバックアップ電池35が接続されており、電源供給遮断時にバックアップ電池35から電源供給されるようになっている。
通信インターフェース41は、管理装置30としての処理をするためのプログラムの実行により生成されるデータを外部に接続された端末装置60に対して出力し、また、端末装置60から送信されたデータを受信する。尚、通信インターフェース41は、無線通信のものであっても、有線通信のものであってもよい。
周辺I/O40はCPU31に接続されており、この周辺I/O40にLED42およびブザー43がそれぞれ接続されている。管理装置30としての処理をするためのプログラムの実行に伴って、LED42が点灯(発光)する制御が行われ、ブザー43が音を発する制御が行われる。
管理装置30内には、上述したハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述の各部(44〜53)が構築される。
図4は、管理装置30の構成を示す機能ブロック図である。本図に示すように、管理装置30は、動作検出部(動作検出手段)44と、動作量検知部(動作量検出手段)45と、レベル値検知部(レベル値検知手段)46と、最大レベル値検知部(最大レベル値検知手段)47と、記憶部48と、閾値判定部(閾値判定手段)49と、時間計測部(時間計測手段)50と、通信部51と、報知部(報知手段)52と、表示部(表示手段)53とを備えている。
動作検出部44は、フォークリフト1の運転動作状態を検出するものであり、前述した、ヨーレート検出I/F37、車速検出I/F36、衝突検出I/F39により構成される。これにより、動作検出部44では、ヨーレート検出I/F37でヨーレートYが、車速検出I/F36で車速Vが、衝突検出I/F39で衝撃値(本実施形態では加速度A)が、それぞれ検出される。
動作量検知部45は、動作検出部44によって検出された検出値に基づいて、フォークリフト1の所定の動作の動作量を検知する。この動作量検知部45は、旋回加速度検知部45a、加速度検知部45b、減速度検知部45c、衝撃値検知部45dを備えて構成されている。
旋回加速度検知部45aは、動作量検知部45にて検知される動作量の1つとして、フォークリフト1の旋回動作時の旋回加速度を検知する。旋回動作時の旋回加速度(旋回時にフォークリフト1の機台横方向に作用する遠心加速度)は、ヨーレート検出I/F37で検出されたヨーレートYと車速検出I/F36で検出された車速Vとの積Y・Vとして算出され、検知される(即ち、旋回加速度として、車速Vと角速度であるヨーレートYとの積が検知される)。
加速度検知部45bは、動作量検知部45にて検知される動作量の1つとして、フォークリフト1の加速度を検知する。この加速度、すなわち、加速動作の動作量は、車速検出I/F36を介して検出される車速Vの一定時間間隔の差分値を算出することで検知される。また、減速度検知部45cは、動作量検知部45にて検知される動作量の1つとして、フォークリフト1の減速度を検知する。この減速度、すなわち、減速動作の動作量は、車速検出I/F36を介して検出される速度の一定時間間隔の差分値を算出することで検知される。なお、時間については、後述の時間計測部50にて計測される。
衝撃値検知部45dは、動作量検知部45にて検知される動作量の1つとして、フォークリフト1が外部に衝突した際の衝撃値を検知する。この衝撃値としては、加速度センサ23および衝突検出I/F39を介して入力されるフォークリフト1の加速度Aが検知される。なお、衝撃値の検知においては、例えば、検知された加速度Aの大きさが所定の下限値以上である場合に衝突動作が発生したと判断し、その下限値を超える加速度Aを衝撃値として検知することができる。
なお、上述した各検知部(45a〜45d)は、必ずしも全て備えられているものでなくてもよく、各検知部(45a〜45d)のうち少なくともいずれか1つを備えていればよい。
レベル値検知部46は、動作量検知部45によって検知された動作量(旋回加速度、加速度、減速度、衝撃値)をそれぞれ指標する複数のレベル値のうちその検知された動作量が対応するレベル値を検知する。このレベル値としては、例えば、動作量が最も小さい範囲のレベル値を「1(レベル1)」とし、動作量の値が大きくなるごとに適宜動作量の範囲を区切ってクラス分けをし、そのクラス毎に順番にレベル値を「1(レベル1)」、「2(レベル2)」、「3(レベル3)」、・・・などと設定してもよい。なお、レベル値の個数は適宜設定してよく、例えば10段階などに適宜設定することができる。
また、レベル値検知部46は、旋回加速度レベル値検知部46a、加速度レベル値検知部46b、減速度レベル値検知部46c、衝撃レベル値検知部46dを備えて構成されている。旋回加速度レベル値検知部46aは、旋回加速度検知部45aで検知された旋回加速度を指標する複数のレベル値(例えば、「1」から「10」)のうちその検知された旋回加速度が対応するレベル値を検知する。加速度レベル値検知部46bは、加速度検知部45bで検知された加速度を指標する複数のレベル値(例えば、「1」から「10」)のうちその検知された加速度が対応するレベル値を検知する。減速度レベル値検知部46cは、減速度検知部45cで検知された減速度を指標する複数のレベル値(例えば、「1」から「10」)のうちその検知された減速度が対応するレベル値を検知する。衝撃レベル値検知部46dは、衝撃値検知部45dで検知された衝撃値を指標する複数のレベル値(例えば、「1」から「10」)のうちその検知された衝撃値が対応するレベル値を検知する。
なお、レベル値検知部46においては、揚高や荷積載荷重に応じてさらに細分化して複数のレベル値を検知するように各レベル検知部(46a〜46d)を構成することもできる。例えば、揚高センサ24・25での検出結果に基づいて低揚高・中揚高・高揚高の3段階の揚高を検知し、これらの各揚高に対応してレベル値を個別に検知するように構成することもできる。
時間計測部50は、リアルタイムクロックIC34で構成される。時間計測部50で計測された時刻データは、最大レベル値検知部47や動作量検知部45に出力される。
最大レベル値検知部47は、時間計測部50で計測される時刻データに基づいて検出される所定の単位時間毎に、レベル値検知部46によってその単位時間内に検知されたレベル値のうち最大の値である最大レベル値を検知する。この単位時間としては、例えば1分間などに適宜設定することができる。単位時間を1分間と設定した場合には、1分間の間にレベル値検知部46で検知されるレベル値のうち最大の値が最大レベル値として検知される。例えば、ある1分間の間に「1」、「2」、「3」の3種類のレベル値が検知されていれば、その1分間における最大レベル値として「3」が検知されることになる。
また、最大レベル値検知部47は、旋回加速度最大レベル値検知部47a、加速度最大レベル値検知部47b、減速度最大レベル値検知部47c、衝撃最大レベル値検知部47dを備えて構成されている。旋回加速度最大レベル値検知部47aは、単位時間毎に、旋回加速度レベル値検知部46bで検知された旋回加速度のレベル値のうちの最大の値を最大レベル値として検知する。加速度最大レベル値検知部47bは、単位時間毎に、加速度レベル値検知部46bで検知された加速度のレベル値のうちの最大の値を最大レベル値として検知する。減速度最大レベル値検知部47cは、単位時間毎に、減速度レベル値検知部46cで検知された減速度のレベル値のうちの最大の値を最大レベル値として検知する。衝撃最大レベル値検知部47dは、単位時間毎に、衝撃レベル値検知部46dで検知された衝撃値のレベル値のうちの最大の値を最大レベル値として検知する。
記憶部48は、RAM33によって構成され、最大レベル値記憶部(最大レベル値記憶手段)48a、閾値記憶部(閾値記憶手段)48bなどを備えて構成されている。最大レベル値記憶部48aは、最大レベル値検知部47によって検知された単位時間毎の最大レベル値を記憶する。すなわち、最大レベル値記憶部48aでは、単位時間毎の旋回加速度最大レベル値、加速度最大レベル値、減速度最大レベル値、および衝撃最大レベル値が記憶される。
また、閾値記憶部48bは、レベル値検知部48bで検知されるレベル値と比較するための入力された所定の閾値を記憶する。すなわち、この閾値記憶部48bでは、旋回加速度レベル値の閾値、加速度レベル値の閾値、減速度レベル値の閾値、衝撃レベル値の閾値がそれぞれ記憶される。なお、閾値は、後述する端末装置60において決定され、その決定された閾値が通信部51を介して管理装置30において入力されて閾値記憶部48bに記憶されることになる。また、閾値記憶部48bにおいては、1つのレベル値に対して複数種類の閾値を記憶させることができる。
図5は、記憶部48に記憶されるデータのイメージを例示的に説明する図である。図5に示す記憶データのイメージは、記憶部48に記憶する方法の一例である。なお、図4ではレベル値検知部46で検知されるレベル値として4つのレベル値(旋回加速度レベル値、加速度レベル値、減速度レベル値、衝撃レベル値)を検知する場合を例にとって説明したが、図5では、その4つのレベル値のうちのいずれか2つのレベル値を検知する場合を例にとって説明している。すなわち、図5に示す信号1および信号2は、旋回加速度レベル値、加速度レベル値、減速度レベル値、衝撃レベル値のうちのいずれかにそれぞれ対応している。
図5に示すように、予め割り付けられた所定のRAM番地にそれぞれ対応するデータが記憶されることになる。RAM33におけるRAM番地がX番地からX+3番地の箇所については、閾値記憶部48bを構成しており、信号1のカウント閾値、信号2のカウント閾値、信号1のLED・ブザー切替閾値、信号2のLED・ブザー切替閾値、のそれぞれのデータが記憶されている。ここで、信号1または信号2のカウント閾値は、単位時間の間にレベル値検知部46にて検知される信号1または信号2の値が閾値以上となった発生回数を算出するように管理装置30を構成した場合に、その回数算出の際に用いるための閾値である。図5では、信号1および信号2のカウント閾値として「5」が記憶されている場合を例示している。また、信号1または信号2のLED・ブザー切替閾値は、レベル検知部46にて検知されるレベル値の値が閾値以上となったときにLED42およびブザー43を作動させる場合において基準となる閾値である。このLED・ブザー切替閾値については、後述する。
また、図5に示すように、RAM33におけるRAM番地がX+4番地以降の箇所については、単位時間が1分間である場合におけるその単位時間毎の最大レベル値を記憶する最大レベル値記憶部48aを含む記憶部48を構成している。なお、図5では、2006年3月28日9時12分以降における1分間毎の最大レベル値に関するデータが記憶されている場合を例示している。例えば、X+4番地からX+9番地においては、2006年3月28日9時12分になってから9時13分になるまでの1分間についてのデータであることが記憶されている。また、X+10番地およびX+11番地には、2006年3月28日9時12分の1分間における信号1および信号2の最大レベル値である「8」、「9」がそれぞれ記憶されている。また、X+12番地およびX+13番地には、2006年3月28日9時12分の1分間における信号1および信号2としてのレベル値がカウント閾値以上となった発生回数が記憶されている。なお、X+14番地以降については、同様に、2006年3月28日9時13分以降の1分間毎の最大レベル値等に関するデータが記憶されている。
通信部51は、通信I/F41によって構成され、記憶部48に記憶されたデータを端末装置60に送信するとともに、端末装置60から送信されたデータも受信する。なお、記憶部48は、端末装置60にデータを送信することでRAM33からデータを消去し、新たなデータを記憶するようにしてもよい。または、送信の有無に関わらずRAM33の記憶番地がオーバーフローしたときは先頭番地に戻りデータを上書き記録していき、端末装置60からの要求に応じたデータのみを、記憶部48から検索し、送信するようにしても良い。なお、本実施形態では、通信部51を備えている管理装置30を例にとって説明しているが、通信部51は必ずしもなくてもよく、持ち運び可能な外部メモリを介して管理装置30と端末装置60との間でデータのやりとりをするものであってもよい。
閾値判定部49は、レベル値検知部46で検知されたレベル値が閾値記憶部48bで記憶された閾値以上であるかどうかを判定する。レベル値検知部46にて4つのレベル値(旋回加速度レベル値、加速度レベル値、減速度レベル値、衝撃レベル値)が検知される場合であれば、その4つのレベル値ごとに閾値以上であるかどうかを判定する。そして、閾値判定部49では、図5にて説明したLED・ブザー切替閾値に基づいてその閾値以上であるかどうかを判定する。また、図5に示すように、信号1および信号2のLED・ブザー切替閾値としては、「4」と「8」の2つの値が記憶されており、閾値判定部49では、これらの2つの閾値に応じて、2段階に閾値を判定するようになっている。
報知部52は、ブザー43を備えて構成されており、閾値判定部49にてレベル値が閾値(LED・ブザー切替閾値)以上であると判定された場合にフォークリフト1を運転している運転者に対してブザー43を作動させて音を発生させることでレベル値が閾値以上となっていることを報知する。上述のように、閾値判定部49にて「4」と「8」の2段階のLED・ブザー切替閾値に対して判定が行われる場合には、報知部52では、2段階の閾値に対応してそれぞれ異なった音色パターンの音をブザー43から発生させて報知するようになっている。例えば、閾値判定部49にてレベル値が「4」以上(ただし、「7」以下)と判定されたときには報知部52ではブザー43から「ピー、ピー」という間欠音を発生させ、レベル値が「8」以上と判定されたときには「ピー」という連続音を発生させるようになっている。
表示部53は、LED42を備えて構成されており、レベル値検知部46で検知されたレベル値を表示する。図6は、表示部53における表示パネル54の例を示したものである。図6に示す表示パネル54は、1つのレベル値に対応したものであり、選択的に所望のレベル値を表示するように構成してもよいし、表示パネル54を複数設けて複数のレベル値を表示するように構成してもよい。。この表示パネル54には、「1」から「10」までの10段階の各レベル値に対応して点灯するLED42が配設されている。また、表示部53では、LED・ブザー切替閾値に対応してレベル値ごとのLED42の点灯色が変更されるようになっている。すなわち、閾値記憶部48bにて「4」と「8」の2段階のLED・ブザー切替閾値が記憶されている場合には、図6に示すように、レベル値検知部46で検知されたレベル値が、「1」から「3」の場合、「4」から「7」の場合、「8」から「10」の場合で、それぞれLED42の点灯色が変更されるようになっている。また、表示パネル54においては、LED42の点灯色やブザー43の音色パターンとLED・ブザー切替閾値との関係を運転者が理解し易いように常時明示しておくための閾値表示部分54a・54bが設けられている。
次に、本実施形態に係る産業車両の管理システムである、フォークリフト1の管理システム100について説明する。図3および図7に示すように、管理システム100は、端末装置60と、フォークリフト1に備えられている前述の管理装置30と、を備えて構成されている。なお、図3および図7では、管理装置30が1台の場合を例示しているが、管理システム100においては、複数のフォークリフト1にそれぞれ備えられる管理装置30が複数備えられているものであってもよい。
図7のブロック図に示すように、端末装置60は、コンピュータ61、ディスプレイ62、キーボード等で構成される操作手段63を備えて構成されている。コンピュータ61は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等により構成することができ、CPU(中央処理装置)64、入出力インターフェース(入出力I/F)65、ROM(読取専用メモリ)66、RAM(読取書込可能メモリ)67、HD(ハードディスク)68、通信インターフェース(通信I/F)69などを備えて構成されている。HD68には、本実施形態に係る端末装置60としての処理をするためのプログラムが記憶されており、適宜CPU65により読み出されて実行される。また、RAM67は、本実施形態に係る端末装置60としての処理をするためのプログラムの実行により生成されるデータを記憶する。また、通信I/F69は、管理装置30との間でデータを送受信する。
図8は、端末装置60の構成を示す機能ブロック図である。端末装置60内には、上述したハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされることによって、図8に示すような各部(70〜74)が構築される。すなわち、端末装置60のコンピュータ61は、集計部(集計手段)70と、表示制御部(表示制御手段)71と、閾値判断部(閾値判断手段)72と、記憶部73と、通信部74とを備えている。
記憶部73は、RAM67によって構成されており、後述の集計部70によって生成されたデータ等が記憶される。通信部74は、通信I/F69を備えて構成されており、最大レベル値等に関するデータを管理装置30から受信するとともに、閾値等に関するデータを管理装置30に送信する。
集計部70は、管理装置30の最大レベル値記憶部48aに記憶された最大レベル値についての通信部74を介して受信したデータ(最大レベル値記憶部48aの記憶内容)に基づいてその発生度数を集計する。そして、この集計部70では、管理装置30にて最大レベル値を検知して記憶する際の単位時間(例えば1分間)よりも長時間である所定の単位期間毎(例えば単位時間である1分間よりも長い1時間毎)に最大レベル値の発生度数を集計するようになっている。
表示制御部71は、集計部70での集計結果に基づいて最大レベル値の発生度数がディスプレイ62にグラフィック表示されるように制御する。そして、この表示制御部71では、上述の単位期間(例えば1時間)毎の最大レベル値の発生度数の推移がディスプレイ62に表示されるように制御するようになっている。図9は、表示制御部71の制御に基づいてディスプレイ62の所定の画面に表示された例を示したものである。図9の例は、特定の日の特定のフォークリフト1における最大レベル値の発生度数を3次元表示の棒グラフで示した例であり、「1」から「10」までの最大レベル値の単位期間(1時間)毎の発生度数を表示したものである。この図9に示すように、表示制御部71での制御に基づいて、単位期間毎の最大レベル値の発生度数の数位がディスプレイ62の画面に表示されることになる。管理者は、このようにディスプレイ62に表示された結果を見ることで、フォークリフト1の運転がどのように行われているかを的確に把握することができる。
図8のブロック図に示す閾値判断部72は、集計部70での集計結果に基づいて、最大レベル値における値の大きい方からその発生度数を積算したときにその積算値が最大レベル値の発生度数の合計値に対して所定の割合以上となるもののうち最も値の大きい最大レベル値を、管理装置30の閾値判定部49で判定に用いられる閾値(LED・ブザー切替閾値)として判断する。例えば、最大レベル値が「1」から「10」までのときは、値の大きい方の最大レベル値である「10」から最大レベル値の発生度数を積算することになる。そして、その積算値が最大レベル値の発生度数の合計値(「1」から「10」までの全ての発生度数の合計値)に対して所定の割合(例えば、10%)以上となる最大レベル値のうち最も値の大きいものを上記閾値として判断するようになっている。例えば、最大レベル値の発生度数を「10」から「9」まで積算した積算値の合計値に対する割合が10%未満で、「10」から「8」まで積算した積算値に合計値に対する割合が10%以上であれば、その場合は、最大レベル値「8」が上記閾値として判断されることになる。なお、上記の所定の割合は、操作部63からの操作に基づいて、任意に設定することができるようにしてもよい。また、1つのレベル値に対してLED・ブザー切替閾値を複数設定する場合であれば、上記の所定の割合を複数設定し、それぞれの割合に対応する閾値をそれぞれ判断するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る管理装置30によると、フォークリフト1の所定の動作の動作量が、管理に際して把握の容易な指標となるレベル値として検知されることになる。さらに、そのレベル値は、最終的には単位時間毎の最大レベル値として記憶されるため、管理に有効な重要なデータを効率よく収集することができる。そして、このように収集されたデータは、フォークリフト1の運転状況を管理するにあたっての種々の判断をする際に活用することができる。例えば、管理者が、データが収集されたフォークリフト1を運転している運転者に対してそのデータに基づいて運転の仕方の指導を行うこともできる。また、管理装置30に報知部52を設けることなどによって、所定のレベル値を閾値としてそのレベル値以上となる運転動作を規制するように管理したい場合に、どのレベル値を閾値として設定したらよいかという判断をするためのデータとして活用するなど、種々の用途に用いることができる。
したがって、管理装置30によると、フォークリフト1の運転がどのように行われているかについてより的確に把握する観点からの効率の良いデータ収集と管理を可能にすることができる。
また、管理装置30によると、旋回動作、加速動作、減速動作、衝突動作のうちの少なくともいずれかの動作の動作量をレベル値化して把握することができる。これにより、フォークリフト1の運転がどのように行われているかについてより的確に把握して管理することができる。また、旋回動作に対応したレベル値が所定のレベル値を超える場合を急旋回動作として管理することもできる。さらに、急加速動作、急減速動作、衝突動作についても同様に管理することができる。
また、管理装置30には表示部53が設けられていることで、フォークリフト1の運転者は、表示部53に表示されたレベル値を確認することで、自らの運転状況を容易に把握することができる。また、管理装置30に閾値判定部49や報知部52が設けられていることで、フォークリフト1において、所定の閾値以上のレベル値の動作が行われた場合には、そのフォークリフト1の運転者に対してそのことが警報として報知されることになる。このため、運転者は、所定の閾値以上のレベル値の運転を行っていることを速やかに把握することができ、これにより、警報が発せられることのないように自らの運転操作をすぐに変更するといった処置をとることもできる。
また、本実施形態に係る管理システム100によると、フォークリフト1の運転がどのように行われているかをより的確に把握する観点からの効率の良いデータを管理装置30にて収集することができる。そして、端末装置60において、その収集したデータに基づいて、最大レベル値の発生度数を集計してディスプレイ62に表示することができるため、フォークリフト1の運転状況を容易に且つ的確に把握することができる。さらに、所定のレベル値を閾値としてそのレベル値以上となる運転動作を規制するように管理したい場合に、閾値の判断が端末装置60において自動的に行われることになるため、閾値の設定を容易に行うことができる。
また、管理システム100によると、所定の単位期間毎の最大レベル値の発生度数の推移がディスプレイ62において表示されることになるため、フォークリフト1の運転状況が時間とともにどのように変化しているかを容易且つ的確に把握することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のような発明を実施することもできる。
(1)本実施形態に係る管理システムでは、閾値判断部を有する端末装置を備えるものを説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。例えば、閾値判断部が設けられておらず、管理者が閾値の判断を行いやすいように表示する機能を表示制御部に備えているものであってもよい。例えば、端末装置の表示制御部は、度数が最も多い最大レベル値の発生度数、および、発生度数がゼロでない最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい最大レベル値の発生度数が、ディスプレイの画面にてそれぞれ他の最大レベル値の発生度数に対して区別されて表示されるように制御するものであってもよい。図10は、この変形例に係る表示制御部の制御に基づいてディスプレイの所定の画面に表示された例を示したものである。図10の例は、特定の日の特定のフォークリフト1における所定の単位時間(この場合は1分)毎の最大レベル値の発生度数をマトリックス表示で示した例であり、「1」から「10」までの最大レベル値の所定の単位期間(この場合は1時間)毎の発生度数を表示したものである。この図10中に示すように、度数が最も多い最大レベルの発生度数を示す「発生度数最多レベル」の表示と、発生度数がゼロでない最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい最大レベル値の発生度数を示す「最大レベル」の表示とが、表示制御部による制御に基づいてディスプレイにおいてそれぞれ他の最大レベルの発生度数の表示から区別されて表示されるものであってもよい。
この変形例に係る管理システムによると、度数が最も多い最大レベル値の発生度数、および、発生度数がゼロでない最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい最大レベル値の発生度数が、ディスプレイ上にて他の最大レベル値の発生度数から区別されて表示されることになる。このため、管理者は、所定のレベル値を閾値としてそのレベル値以上となる運転動作を規制するように管理したい場合に、区別されたそれらの表示を参考にしながら、度数が最も多いところとレベル値の値が最も大きいところとの間のところで閾値を設定するようにするなど、容易に閾値を判断することができる。
なお、上述の変形例に限らず、度数が最も多い最大レベル値の発生度数、または、発生度数がゼロでない最大レベル値であってレベル値の値が最も大きい最大レベル値の発生度数のいずれか一方が、ディスプレイにて区別されて表示されるように制御する表示制御部を有する端末装置を備える管理システムであってもよい。この管理システムにおいても、管理者は、区別されたそれらの表示を参考にしながら容易に閾値を判断することができる。
(2)管理装置を複数備える管理システムであってもよい。この場合、端末装置における集計部(集計手段)は、複数の管理装置における各最大レベル記憶部(最大レベル記憶手段)に記憶された内容に基づいて最大レベル値の発生度数を管理装置毎に集計するように構成してもよい。そして、端末装置における表示制御部(表示制御手段)は、集計部での集計結果に基づいて、管理装置毎の最大レベル値の発生度数がディスプレイに表示されるように制御するように構成してもよい。
図11は、この変形例に係る端末装置の表示制御部の制御に基づいてディスプレイの所定の画面に表示された例を示したものである。図11の例は、特定の日(3月28日)の複数のフォークリフト(機台A、機台B)における最大レベル値の発生度数をマトリックス表示と棒グラフ表示で示した例であり、「1」から「10」までの最大レベル値の発生度数を管理装置毎、すなわち、各管理装置が備えられるフォークリフト毎に表示したものである。この図11中に示すように、管理装置毎の最大レベル値の発生度数、すなわち、フォークリフト毎の最大レベル値の発生度数がディスプレイに表示されるものであってもよい。
この変形例に係る管理システムによると、管理者は、フォークリフト毎の運転状況を容易且つ的確に把握することができる。
(3)図12に示すように、走行荷役コントローラ82と組み合わされる管理装置80であってもよく、また、管理装置80と走行荷役コントローラ82とが組み合わされて構成される管理装置84であってもよい。この走行荷役コントローラ82は、走行及び荷役を制御するためにフォークリフトに備えられているものである。この走行荷役コントローラ82は、車速V、ヨーレートY等の走行荷役に関するデータを保有している。そのため、走行荷役コントローラ82の通信インターフェース(通信I/F)83と、管理装置80の通信インターフェース(通信I/F)81とを接続し、走行荷役コントローラ82の走行荷役に関するデータを管理装置80のCPU31に読み込ませる構成とすることができる。なお、図12に示す変形例において本実施形態と同様の要素については図3と同様の符号を付して説明を割愛する。
(4)管理装置は、作業者のID番号が入力可能に構成され、このID番号を最大レベル値に関するデータと対応付けて記憶するものであってもよい。この場合、作業者毎に、フォークリフトの所定の動作についての最大レベル値の発生度数を把握することができる。