JP4923112B2 - 1hnmr用外部標準物質 - Google Patents

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Description

本発明は、HNMR用外部標準物質、二重管構造を有するNMR試料管、HNMR用外部標準物質入りキャピラリー及び分析方法に関する。
従来、試料を定量分析する方法としては、HPLC、GC等が知られているが、NMRも用いられているようになってきている。
特許文献1には、酸素−17核を含有した化合物を定量する方法として、標準物質として、試料とは酸素−17核の共鳴周波数が異なる物質を用い、標準物質と試料とを同時にNMR測定する方法が開示されている。また、同軸二重試料管を用いて、内管に試料、外管に標準物質を入れて測定する方法が開示されている。
しかしながら、試料毎に、標準物質として、試料とは酸素−17核の共鳴周波数が異なる物質を選定しないと、NMRの定量性を確保することができないという問題がある。
特開2004−286712号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、試料毎に選定しなくても、HNMRの定量性を確保することが可能なHNMR用外部標準物質、該HNMR用外部標準物質が入れられているNMR試料管及びキャピラリー並びに該HNMR用外部標準物質を用いる分析方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、HNMR用外部標準物質において、トリアジン及びユウロピウム(III)を含み、該トリアジンの重クロロホルム中の HNMRの化学シフトが該ユウロピウム(III)により9.5ppm以上12ppm以下に移動していることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のHNMR用外部標準物質において、前記トリアジンに対する前記ユウロピウム(III)の当量比が0.02以上0.1以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、HNMR用外部標準物質において、トリメチルシリルエタンスルホンアミド及びプラセオジム(III)を含み、該トリメチルシリルエタンスルホンアミドの重クロロホルム中の HNMRの化学シフトが該プラセオジム(III)により−2ppm以上0ppm以下に移動していることを特徴とする。

請求項に記載の発明は、請求項に記載のHNMR用外部標準物質において、前記トリメチルシリルエタンスルホンアミドに対する前記プラセオジム(III)の当量比が0.1以上であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、二重管構造を有するNMR試料管であって、一端が閉じている第一の管の中に一端が閉じている第二の管が入れられている状態で、該第一の管と該第二の管の間が溶閉されており、該溶閉されている第一の管と第二の管の間に、請求項1乃至のいずれか一項に記載のHNMR用外部標準物質が入れられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、HNMR用外部標準物質入りキャピラリーにおいて、一端が閉じているキャピラリーが溶閉されており、該溶閉されているキャピラリーに、請求項1乃至のいずれか一項に記載のHNMR用外部標準物質が入れられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、分析方法において、請求項1乃至のいずれか一項に記載のHNMR用外部標準物質を用いて、試料のHNMRを測定する工程を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、分析方法において、請求項に記載のNMR試料管に試料を入れる工程と、該試料が入れられたNMR試料管を用いて、前記試料のHNMRを測定する工程を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、分析方法において、請求項に記載のHNMR用外部標準物質入りキャピラリー及び試料をNMR試料管に入れる工程と、該HNMR用外部標準物質入りキャピラリー及び試料が入れられたNMR試料管を用いて、前記試料のHNMRを測定する工程を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項乃至のいずれか一項に記載の分析方法において、前記試料のHNMRを測定することにより、前記試料を定量分析することを特徴とする。
本発明によれば、試料毎に選定しなくても、HNMRの定量性を確保することが可能なHNMR用外部標準物質、該HNMR用外部標準物質が入れられているNMR試料管及びキャピラリー並びに該HNMR用外部標準物質を用いる分析方法を提供できる。
本発明のNMR試料管の一例を示す図である。 本発明のHNMR用外部標準物質入りキャピラリーの一例を示す図である。 図2のHNMR用外部標準物質入りキャピラリーの変形例を示す図である。 実施例で得られた試料溶液のHNMRスペクトルである。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
本発明のHNMR用外部標準物質は、含窒素化合物又は含酸素化合物と、シフト試薬とを含む。
シフト試薬としては、ユーロピウムイオン、プラセオジムイオン、ジスプロシウムイオン、イッテルビウムイオン、ガドリニウムイオン、ホルミウムイオン、ランタンイオン等のランタノイドイオンが挙げられる。ユーロピウムイオン及びイッテルビウムイオンは、化合物のHNMRの化学シフトを低磁場側に移動させ、プラセオジムイオン及びジスプロシウムイオンは、化合物のHNMRの化学シフトを高磁場側に移動させる。
一般に、シフト試薬は、ニトリル、アミン、N−オキシド、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸、エポキシド等の含窒素化合物又は含酸素化合物と錯体を形成し、含窒素化合物又は含酸素化合物の化学シフトを変化させる。
含窒素化合物又は含酸素化合物としては、特に限定されないが、トリアジン、ベンゼントリカルボン酸、フェナジン、キノリン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、トリメチルシリルエタンスルホンアミド、トリメチルシリルメチルアルコール、トリメチルシリルメチルアミン、アセトン、アセチルアセトン、1,3−ジフェニル―1,3―プロパンジオン、ジピバロイルメタン、ヘプタフルオロジメチルオクタンジオン、デカフルオロヘプタンジオン、ジアセチル、アラニン、スチレンオキシド、エチレングリコール等が挙げられる。
一般に、化合物のHNMRの化学シフトは0〜9.5ppmに存在する。一方、シフト試薬を用いると、化合物のHNMRの化学シフトを0〜9.5ppmよりも低磁場側又は高磁場側に移動させることができる。このとき、本発明のHNMR用外部標準物質は、HNMRの化学シフトを0〜9.5ppmよりも低磁場側又は高磁場側に移動させることができる。その結果、NMR試料管の中で、本発明のHNMR用外部標準物質を試料と混合せずに分離した状態でHNMRを測定すると、シフト試薬は試料に作用しないため、本発明のHNMR用外部標準物質由来のピークを試料由来のピークと完全に分離することができる。
本発明のHNMR用外部標準物質のHNMRの化学シフトを9.5ppmよりも低磁場側に移動させるためには、例えば、トリアジン及びユウロピウム(III)を混合するとよい。
トリアジンの重クロロホルム中のHNMRの化学シフトは、9.2ppmに存在するため、外部標準物質として、トリアジンを用いて、HNMRを測定すると、HNMRスペクトルのトリアジンのピークと試料のピークが重なることがある。一方、トリアジンにユウロピウム(III)を添加すると、トリアジンのHNMRの化学シフトを9.5〜12ppmに移動させることができる。このとき、化合物のHNMRの化学シフトは、通常、0〜9.5ppmに存在するため、本発明のHNMR用外部標準物質は、試料毎に選定しなくても、HNMRの定量性を確保することができる。
このとき、トリアジンに対するユウロピウム(III)の当量比が0.02以上であることが好ましく、0.02〜0.1がさらに好ましい。トリアジンに対するユウロピウム(III)の当量比が0.02未満であると、トリアジンのHNMRの化学シフトが9.5ppmよりも低磁場側に移動しないことがある。また、トリアジンに対するユウロピウム(III)の当量比が0.1を超えると、信号の線幅が広がり、トリアジン由来のピークの正確な面積が求められなくなることがある。
一方、本発明のHNMR用外部標準物質のHNMRの化学シフトを0ppmよりも高磁場側に移動させるためには、例えば、トリメチルシリルエタンスルホンアミド及びプラセオジム(III)を混合するとよい。
トリメチルシリルエタンスルホンアミドの重クロロホルム中のHNMRの化学シフトは、0.06ppmに存在するため、外部標準物質として、トリメチルシリルエタンスルホンアミドを用いて、HNMRを測定すると、HNMRスペクトルのトリメチルシリルエタンスルホンアミドのピークと試料のピークが重なることがある。これに、プラセオジム(III)を添加すると、トリメチルシリルエタンスルホンアミドのHNMRの化学シフトを−2〜0ppmに移動させることができる。このとき、化合物のHNMRの化学シフトは、通常、0〜9.5ppmに存在するため、本発明のHNMR用外部標準物質は、試料毎に選定しなくても、HNMRの定量性を確保することができる。
このとき、トリメチルシリルエタンスルホンアミドに対するプラセオジム(III)の当量比が0.1以上であることが好ましい。トリメチルシリルエタンスルホンアミドに対するプラセオジム(III)の当量比が0.1未満であると、トリメチルシリルエタンスルホンアミドのHNMRの化学シフトが0ppmよりも高磁場側に移動しないことがある。
ユウロピウム(III)及びプラセオジム(III)としては、特に限定されないが、ユウロピウム(III)及びプラセオジム(III)のトリフルオロメチルヒドロキシメチレン−d−カンファアト錯体、ヘプタフルオロプロピルヒドロキシメチレン−d−カンファアト錯体、D,D−ジカンフォリルメタネート錯体、ヘプタフルオロジメチルオクタンジオナト錯体、ジピバロイルメタン錯体、テトラメチルヘプタンジオン錯体、デカフルオロヘプタンジオン錯体等が挙げられる。
図1に、本発明のNMR試料管の一例を示す。NMR試料管10は、同軸の円筒二重管構造を有し、外管11と内管12の間が溶閉されており、外管11と内管12の間には、重溶媒に溶解した外部標準物質13が入れられている。なお、外部標準物質13は、本発明のHNMR用外部標準物質である。
重溶媒としては、外部標準物質13を溶解させることが可能であれば、特に限定されないが、重クロロホルム、重アセトニトリル、重アセトン、重ベンゼン、重シクロヘキサン、重水、重ジクロロベンゼン、重ジエチルエーテル、重ジメチルホルムアミド、重ジメチルスルホキシド、重ジオキサン、重酢酸エチル、重エタノール、重メタノール、重ニトロベンゼン、重ピリジン、重テトラクロロエタン、重トルエン、重トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
NMR試料管10の長さは、通常、140〜220mmである。
外管11及び内管12を構成する材料としては、HNMRを測定する際に悪影響を及ぼさなければ、特に限定されないが、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
外管11の厚さは、通常、0.1〜0.4mmである。
内管12の厚さは、通常、0.1〜0.4mmである。
内管12の内径は、通常、1〜9.5mmである。
外管11の内径と内管12の外径の差は、通常、0.1〜8.2mmである。
外管11と内管12の間に入れられている外部標準物質13の量は、HNMRを測定する際に悪影響を及ぼさない範囲であれば、特に限定されない。
なお、NMR試料管10は、一端を閉じた管に外部標準物質13を入れた後、その中に、同軸になるように、一端を閉じた管を配置し、管と管の間を溶閉することにより、製造することができる。このとき、内管12の上部を外管11に接するまで均等に広げて溶閉すると、定量性が向上する。
次に、HNMRを測定することにより、試料を定量分析する方法について説明する。
まず、NMR試料管10のファクターを求める。具体的には、純度が既知のファクター用標準物質を重溶媒に溶解させたものを所定量内管12に入れ、脱着可能な栓をした後、HNMRを測定する。このとき、内管12に入れたファクター用標準物質の濃度をA[mol/L]、HNMRスペクトルにおける外部標準物質13の面積を1としたときのファクター用標準物質の1H分の面積をBとすると、F[mol/L]は、式
F=A/B・・・(1)
で表される。
ファクター用標準物質としては、特に限定されないが、フタル酸水素カリウム、エタノール等が挙げられる。
このとき、外部標準物質13のHNMRスペクトルのピークは、9.5ppmよりも低磁場側に存在するため、ファクター用標準物質のHNMRスペクトルのピークと重ならず、HNMRの定量性を確保することができる。
次に、試料中の化合物X(分子量M)の含有量を求める。具体的には、試料を重溶媒に溶解させたものを所定量内管12に入れ、脱着可能な栓をした後、HNMRを測定する。なお、試料が液体である場合は、重溶媒に溶解させずに、そのまま用いることもできる。このとき、内管12に入れた試料の濃度をA[g/L]、HNMRスペクトルにおける外部標準物質13の面積を1としたときの化合物の1H分の面積をBとすると、内管12に入れられた化合物Xの濃度C[g/L]は、式
=B×F×M・・・(2)
で表される。したがって、試料中の化合物Xの含有量D[質量%]は、
=(C/A)×100・・・(3)
で表される。
このとき、外部標準物質13のHNMRスペクトルのピークは、9.5ppmよりも低磁場側に存在するため、試料のNMRスペクトルのピークと重ならず、HNMRの定量性を確保することができる。
なお、試料に含まれる化合物X以外の成分の量も同時に求めてもよい。
また、外部標準物質13を用いて、試料のHNMRを測定する際には、NMR試料管10において、外管11と内管12の間が溶閉されておらず、外管11内に内管12を固定することが可能なものを用いてもよい(例えば、特開平1−302148号公報参照)。このとき、外部標準物質13は、外管11及び内管12のいずれに入れてもよいし、内管12が溶閉されていてもよい。
図2に、本発明のHNMR用外部標準物質入りキャピラリーの一例を示す。外部標準物質入りキャピラリー20は、溶閉されているキャピラリー21に、重溶媒に溶解した外部標準物質22が入れられている。なお、外部標準物質22は、本発明のHNMR用外部標準物質である。
キャピラリー21を構成する材料としては、HNMRを測定する際に悪影響を及ぼさなければ、特に限定されないが、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
キャピラリー21の長さは、通常、25〜220mmである。
キャピラリー21の厚さは、通常、0.1〜0.4mmである。
キャピラリー21の内径は、通常、0.5〜9.5mmである。
キャピラリー21に入れる外部標準物質22の量は、HNMRを測定する際に悪影響を及ぼさない範囲であれば、特に限定されない。
なお、外部標準物質入りキャピラリー20は、一端を閉じたキャピラリーに外部標準物質22を入れた後、キャピラリーを溶閉することにより、製造することができる。
また、図3に示すように、キャピラリー21にスペーサー23を取り付け、外部標準物質入りキャピラリー20'がNMR試料管と同軸になるように配置すると、定量性が向上する。このとき、キヤピラリー21の上部に糸24が付けられているため、NMR試料管から外部標準物質入りキャピラリー20'を容易に取り出すことができる。なお、糸24は、スペーサー23に付けられていてもよい。
次に、HNMRを測定することにより、試料を定量分析する方法について説明する。
まず、外部標準物質入りキャピラリー20のファクターを求める。具体的には、外部標準物質入りキャピラリー20と共に、純度が既知のファクター用標準物質を重溶媒に溶解させたものを所定量NMR試料管に入れ、脱着可能な栓をした後、HNMRを測定する。このとき、NMR試料管に入れたファクター用標準物質の濃度をA[mol/L]、HNMRスペクトルにおける外部標準物質22の面積を1としたときのファクター用標準物質の1H分の面積を、Bとすると、F[mol/L]は、式
F=A/B・・・(1)
で表される。
ファクター用標準物質としては、特に限定されないが、フタル酸水素カリウム、エタノール等が挙げられる。
このとき、外部標準物質22のHNMRスペクトルのピークは、9.5ppmよりも低磁場側に存在するため、ファクター用標準物質のHNMRスペクトルのピークと重ならず、HNMRの定量性を確保することができる。
次に、試料中の化合物X(分子量M)の含有量を求める。具体的には、外部標準物質入りキャピラリー20と共に、試料を重溶媒に溶解させたものを所定量NMR試料管に入れ、脱着可能な栓をした後、HNMRを測定する。なお、試料が液体である場合は、重溶媒に溶解させずに、そのまま用いることもできる。このとき、NMR試料管に入れた試料の濃度をA[g/L]、HNMRスペクトルにおける外部標準物質22の面積を1としたときの化合物の1H分の面積をBとすると、NMR試料管に入れられた化合物Xの濃度C[g/L]は、式
=B×F×M・・・(2)
で表される。したがって、試料中の化合物Xの含有量D[質量%]は、
=(C/A)×100・・・(3)
で表される。

このとき、外部標準物質22のHNMRスペクトルのピークは、9.5ppmよりも低磁場側に存在するため、試料のNMRスペクトルのピークと重ならず、HNMRの定量性を確保することができる。
なお、試料に含まれる化合物X以外の成分の量も同時に求めてもよい。
[ファクター用標準物質溶液の調製]
フタル酸水素カリウム(分子量204.2212)200.5mgを精密に量り、重水に溶解させ、正確に20mLとし、0.049089mol/Lのファクター用標準物質溶液を得た。
[ファクターの評価]
外管11と内管12の間に、重クロロホルムに溶解した外部標準物質13が入れられたNMR試料管10(図1参照)の内管12にファクター用標準物質溶液を適量入れ、脱着可能な栓をした。なお、トリアジンに対するユウロピウム(III)の当量比は、0.05である。次に、ECA−400(日本電子社製;400MHz)を用いて、パルス幅5.35マイクロ秒、繰り返し時間約60秒間、積算回数16回の条件で、HNMRを6回測定した。得られたHNMRスペクトルからBを得た(表1参照)。このとき、3個のNMR試料管1〜3を用いた。
Figure 0004923112
次に、式(1)を用いて、NMR試料管1〜3のファクターFを算出したところ、それぞれ0.14383[mol/L]、0.14959[mol/L]、0.14172[mol/L]となった。
[試料溶液の調製]
食品添加物を精密に量り、重クロロホルムに溶解させ、正確に2mLとし、試料溶液1〜3を得た(表2参照)。
Figure 0004923112
[食品添加物中のメタノールの残留量の評価]
ファクターを評価したNMR試料管1〜3の内管12に、それぞれ試料溶液1〜3を適量入れ、脱着可能な栓をした。次に、積算回数を64回に変更した以外は、ファクターの評価と同一の条件で、HNMRをそれぞれ3回測定した。得られたHNMRスペクトル(図4参照)のメタノールのメチル基由来のピークからBを得た(表3参照)。
Figure 0004923112
次に、式(2)及び(3)を用いて、食品添加物中のメタノール(分子量32.04)の残留量Dを算出した(表4参照)。
Figure 0004923112
なお、ガスクロマトグラフィーにより食品添加物中のメタノールの残留量を測定したところ、0.0697質量%であった。このことから、本実施例は、HNMRの定量性が確保されていることがわかる。
10 NMR試料管
11 外管
12 内管
13 外部標準物質
20、20' 外部標準物質入りキャピラリー
21 キャピラリー
22 外部標準物質
23 スペーサー
24 糸

Claims (10)

  1. トリアジン及びユウロピウム(III)を含み、
    該トリアジンの重クロロホルム中の HNMRの化学シフトが該ユウロピウム(III)により9.5ppm以上12ppm以下に移動していることを特徴とするHNMR用外部標準物質。
  2. 前記トリアジンに対する前記ユウロピウム(III)の当量比が0.02以上0.1以下であることを特徴とする請求項に記載のHNMR用外部標準物質。
  3. トリメチルシリルエタンスルホンアミド及びプラセオジム(III)を含み、
    該トリメチルシリルエタンスルホンアミドの重クロロホルム中の HNMRの化学シフトが該プラセオジム(III)により−2ppm以上0ppm以下に移動していることを特徴とするHNMR用外部標準物質。
  4. 前記トリメチルシリルエタンスルホンアミドに対する前記プラセオジム(III)の当量比が0.1以上であることを特徴とする請求項に記載のHNMR用外部標準物質。
  5. 二重管構造を有するNMR試料管であって、
    一端が閉じている第一の管の中に一端が閉じている第二の管が入れられている状態で、該第一の管と該第二の管の間が溶閉されており、
    該溶閉されている第一の管と第二の管の間に、請求項1乃至のいずれか一項に記載のHNMR用外部標準物質が入れられていることを特徴とするNMR試料管。
  6. 一端が閉じているキャピラリーが溶閉されており、
    該溶閉されているキャピラリーに、請求項1乃至のいずれか一項に記載のHNMR用外部標準物質が入れられていることを特徴とするHNMR用外部標準物質入りキャピラリー。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のHNMR用外部標準物質を用いて、試料のHNMRを測定する工程を有することを特徴とする分析方法。
  8. 請求項に記載のNMR試料管に試料を入れる工程と、
    該試料が入れられたNMR試料管を用いて、前記試料のHNMRを測定する工程を有することを特徴とする分析方法。
  9. 請求項に記載のHNMR用外部標準物質入りキャピラリー及び試料をNMR試料管に入れる工程と、
    HNMR用外部標準物質入りキャピラリー及び試料が入れられたNMR試料管を用いて、前記試料のHNMRを測定する工程を有することを特徴とする分析方法。
  10. 前記試料のHNMRを測定することにより、前記試料を定量分析することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の分析方法。
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