JP4922878B2 - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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本発明は、ガスタービン燃焼器に関する。
近年、ガスタービン発電プラントに対する高出力化・高効率化が要求される機運の中、ガスタービン燃焼器から排出される燃焼ガス温度は年々上昇する傾向にある。燃焼ガスが高温化するとガスタービン排ガス中の窒素酸化物(以下、NOxと記載する)排出量も高くなる。ガスタービン燃焼器では、地球環境保全の観点からNOx排出量を低減することが大きな課題である。
このような背景から、燃焼空気中に燃料ノズルから燃料を噴出し、予め燃料と燃焼空気とを予混合器で均一に混合させて燃焼室で燃焼させることにより、局所的な高温燃焼ガスの発生を防止してNOx排出量を低減する予混合燃焼方式がガスタービン燃焼器に採用されている。しかし、予混合燃焼方式の課題として燃料と燃焼空気を混合させる予混合器に火炎が逆流する逆火が生じる可能性がある。予混合器に火炎が逆流すると予混合器が焼損し、下流側のタービンにもダメージを及ぼすため予混合器への火炎の逆流は回避しなければならない。このような背景から逆火の発生を抑制する燃焼器構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のガスタービン燃焼器によれば、燃料と燃焼空気とが供給される燃焼室を備え、燃焼室壁面に複数の空気孔を設けた盤状部材を配置するとともに、それぞれの空気孔に燃料を噴出する燃料ノズルを配置する。空気孔内の予混合流路で燃料流を中心としてその外周側に燃焼空気流を形成することで、混合距離を短くでき、NOx排出量を低減することが可能となる。
特開2003−148734号公報
しかしながら、環境規制はさらに厳しくなる傾向にあり、さらなる低NOx化を実現させる必要がある。その場合、燃焼器構造が複雑になりコストの増加が考えられる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、NOx排出量を更に低減したガスタービン燃焼器を提供することにある。
本発明は、前記多孔板のうち前記燃料ノズルと対向する位置に空気孔を設けた第1の多孔板と、該第1の多孔板と間隙を介して下流側に設けられた第2の多孔板とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、NOx排出量を更に低減したガスタービン燃焼器を提供することが可能である。
本発明の実施の形態では、燃料ノズルと空気孔を、燃料流の外周側を空気流が包み込むように配置するとともに、それらを多数に分散する。そのため、複数の燃料ノズルと第1の多孔板によって多孔同軸噴流とし、その多孔同軸噴流を第2の多孔板の壁面部に衝突させて拡散させ、燃料と燃焼空気の混合度を促進させ、第2の多孔板の下流では燃料と燃焼空気が適度な混合比となるようにして燃焼させる。このため、更なる低NOx燃焼が可能となる。
以下、本発明を用いたガスタービン燃焼器の実施例について図面を参照し説明する。
本発明の実施例1について、以下に説明する。図2は、ガスタービンプラントの全体構成を示す概略構成図である。図2に示すように、ガスタービンプラントは、主として、空気を圧縮して高圧の燃焼空気13を生成する圧縮機1と、この圧縮機1から導入される燃焼空気13と燃料を混合して燃焼ガス14を生成する燃焼器3と、この燃焼器3で生成された燃焼ガス14が導入されるタービン2とを備える。なお、圧縮機1とタービン2の軸は連結されている。
上記燃焼器3は、燃焼ガス14を生成する内筒4と、燃料を噴出する複数の燃料ノズル5と、燃焼空気13と燃料を混合させる第1の多孔板6及び第2の多孔板7と、点火栓8とを外筒9とエンドカバー10で密閉した圧力容器である。
燃焼器3の上流側には、エンドカバー10が配置される。燃焼ガス14の流れる方向を下流方向と定義する。エンドカバー10には、燃料を燃料ノズルに分配する燃料マニホールド15が形成される。燃料マニホールド15を形成するエンドカバー10の下流側壁面から突起状の燃料ノズル5が複数形成されており、燃料マニホールド15の燃料が燃料ノズル5から噴出する。燃料ノズル5の下流には、燃料ノズル5から噴出した燃料と燃焼空気13を1次混合させるために、多数の空気孔が形成された第1の多孔板6が設置される。さらに、第1の多孔板6の下流には燃料と燃焼空気13を2次混合させるため、多数の空気孔が形成された第2の多孔板7が設置されている。
このように構成された本実施例により、圧縮機1からの燃焼空気13は、外筒9と内筒4で構成される環状の空気流路を通過した後、内筒4に設けられた冷却孔から燃焼室4aに流入すると共に、内筒4の上流端に設置された第1の多孔板6の空気孔から第2の多孔板7を介して燃焼室4aに導入される。燃焼室4aに供給された空気は燃料と混合し、この混合ガスが燃焼室4aで点火栓8により点火されて燃焼する。燃焼によって生成した燃焼ガス14はトランジションピース11を介してタービン2に供給されてタービン2を駆動する。これにより、タービン2に連結された発電機12を駆動して発電する。
燃料供給系統16は、燃料タンク,圧力調節器,燃料遮断弁,燃料流量計などによる燃料供給装置17,燃料供給装置17の下流に設置され燃料ノズル5へ燃料を供給する燃料配管18を備える。このように構成されたガスタービン燃焼器において、実施例1の目的は、燃料ノズル5の下流に位置し、燃料と燃焼空気を混合するための多孔板を流れ方向に複数枚配置して、燃料と燃焼空気との混合を促進させ、燃焼ガス中のNOx排出量を低減させることにある。
図1は、燃焼器3のエンドカバー10,燃料ノズル5,第1の多孔板6,第2の多孔板7の構造を説明する部分拡大図である。図3は多孔板の断面構造図(a)と第2の多孔板7の下流側から見た正面図(b)であり、図4は燃料と燃焼空気の混合メカニズムを説明するために燃料ノズル5,第1の多孔板6,第2の多孔板7を拡大した部分拡大図である。
図1に示す複数の燃料ノズル5は、パイプ状に形成され、その一方はエンドカバーに形成された燃料マニホールド15に接続され、他方は第1の多孔板6に形成した複数の空気孔19に対向して開口されている。第1の多孔板6の下流位置には間隙Gを隔てて、複数の空気孔20が形成された第2の多孔板7が設置されている。第2の多孔板7の外周部には、内筒4の上流端に設置された燃焼空気シール部材21を覆うカバー部材22が形成され、内筒4と第2の多孔板7の接続部から漏洩する燃焼空気量を低減する。
また、第2の多孔板7は、内筒4の内部に生成される燃焼ガスからの輻射熱によって過熱されるため、第2の多孔板7を冷却するための冷却孔23が第2の多孔板7の空気孔20間に形成されている。
また、燃料と燃焼空気を混合させる多孔板を燃焼器3の軸方向に2枚配置するとともに、第2の多孔板7に形成する空気孔20の形成位置を、第1の多孔板6に形成した空気孔19に対し、多孔板の径方向に距離Hだけ偏心させたものである。
図3には第2の多孔板7を燃焼室4aの下流から見た第2の多孔板7の正面図を示す。実施例1では空気孔19(点線)と空気孔20が重ならないように互いの空気孔が形成されている。また、第2の多孔板7には第1の多孔板6に形成された空気孔19の中心軸の延長上に冷却孔23が形成されている。
図4は燃料ノズル5と第1の多孔板6に形成した空気孔19及び第2の多孔板7に形成した空気孔20の部分を示す拡大図である。実施例1では燃料ノズル5の噴出軸上に第1の多孔板6に形成した空気孔19が設置されているため、燃料ノズル5から噴出した燃料流は空気孔19の内部で燃焼空気流に包み囲まれる状態となる。燃料ノズル5を多数に分散して配置しているため、燃料ノズル5の1本当たりから噴出する燃料流量が低減する。このため、空気孔19の内部では燃料ノズル5から噴出した少量の燃料に対する燃焼空気流量の割合が増加する。従って、空気孔19の内部で燃料と燃焼空気の1次混合が促進される。第1の多孔板6の下流には距離Gを隔てて第2の多孔板7が配置されており、第2の多孔板7の空気孔20は第1の多孔板6に形成した空気孔19との位相を異ならしめている。そのため、第1の多孔板6の空気孔19内部で1次混合した燃料と燃料空気は、第2の多孔板7の壁面24に衝突し拡散するため、燃料と燃焼空気の接触面積が急増し2次混合する。2次混合した燃料と燃焼空気は第2の多孔板7に形成された空気孔20を通過する際に、空気孔20内部に形成される小さな渦によって3次混合する。また、空気孔20から燃焼室4aに噴出する際に発生する渦によって燃料と燃焼空気が4次混合するため、燃料と燃焼空気の混合が促進し、燃焼ガス中のNOx排出量を大幅に低減することが可能となる。
実施例1のような構成の場合、第2の多孔板7は内筒4の内部に生成される燃焼ガス14の輻射熱によって加熱されるため、多孔板の冷却が必要な場合がある。多孔板を冷却する場合、多孔板に冷却孔を形成して冷却する方法が一般的でコスト低減にも有利である。しかし、1枚の多孔板のみで構成した燃焼器にこの冷却方法を適用した場合、冷却孔から燃焼空気の一部が燃焼室4aに噴出する。そのため、空気孔から燃料と共に燃焼室に流入する燃焼空気流量の低下に伴い燃料濃度が高くなるため、燃焼ガス中のNOx排出量が増加する課題があった。
しかし、実施例1では内筒4の燃焼室4aに面する第2の多孔板7の冷却孔23から噴出する気体は、第2の多孔板7の上流側で十分に混合された燃料と燃焼空気の混合気である。そのため、第2の多孔板7の空気孔20から燃焼室4aに噴出する混合気全体の燃料濃度を、1枚の多孔板を使用した場合に比べ低下させることが可能となり、燃焼ガス中のNOx排出量を低減することが可能となる。このことから、冷却孔23は空気孔19の中心軸から多少ずれていても前述の効果を得ることが可能である。
さらに、実施例1では燃焼空気より低温の燃料と燃焼空気が混合したことによる低温の混合気が、燃焼ガスによって過熱される第2の多孔板7の壁面に急速に衝突するため、第2の多孔板7の冷却が促進され第2の多孔板7の信頼性が向上する。また、冷却孔23の直径は、コスト増加と第2の多孔板7の信頼性が低下しない範囲で、小径で多数形成するほど、第2の多孔板7の冷却効果を向上させることが可能である。
実施例1における燃料と燃焼空気の混合メカニズムは、燃料ノズル5から噴出した燃料と第1の多孔板6の空気孔19から流入した燃焼空気が、第2の多孔板7の空気孔20を介して燃焼室4aに噴出するまでの流動状態によって決まると考えられる。燃料と燃焼空気の流動状態に影響を及ぼすものとして、第1の多孔板6と第2の多孔板7に形成する空気孔19,20の個数,孔径や空気孔の開口面積比,多孔板の軸方向厚さ,第1の多孔板6と第2の多孔板7の軸方向間隙G、第1の多孔板6と第2の多孔板7に形成する空気孔19,20の偏心距離Hなどがある。これらのパラメータは本発明を適用する燃焼器の目的や燃焼条件などによって検討されるものである。
図5(a)及び図5(b)には、第1の多孔板6の空気孔径D1と、第2の多孔板7の空気孔径D2の大小関係を示す。図5(a)はD1>D2を、図5(b)はD1<D2の例である。
図5(a)のように上流側の第1の多孔板6の空気孔19より、下流側の第2の多孔板7の空気孔20の孔径を小さくした場合、空気孔19から噴出した燃料と燃焼空気の混合気が第2の多孔板7に衝突して拡散する。そして、空気孔20より燃焼室4aに噴出する際、空気孔20の個数が多く混合気がより分散して燃焼室4aに噴出するため、燃料と燃焼空気の混合がより促進し排気ガス中のNOx排出量を低減することが可能となる。第2の多孔板7の空気孔20を小径多数とすることでNOx排出量の低減が期待できる。NOx排出性能よりコストが優先される場合には、第1の多孔板6の空気孔19と、それに対応して設置されている燃料ノズル5の個数を削減することが可能となるため、コスト低減に有利である。
図5(b)にはD1<D2とした場合の例を示す。空気孔20の孔径D2を空気19の孔径D1より大きくすると、第1の多孔板6に形成した空気孔19より第2の多孔板7に形成する空気孔20の個数が低減するためコスト低減に有利となる。しかし、空気孔20の孔径D2を大きくすると空気孔19から噴出した混合気が第2の多孔板7の壁面に衝突せずに燃焼室4aへ直接流下する割合が多くなり、燃料と燃焼空気の混合の促進効果が低減するため、空気孔20の孔径D2は空気孔19の孔径D1より同等以下にするのが望ましいと考えられる。
図5(c)及び図5(d)には、第1の多孔板6と第2の多孔板7との軸方向間隙Gが異なる例を示す。図5(c)に示すように第1の多孔板6と第2の多孔板7の間隙Gが狭い場合には、空気孔19から噴出した燃料と燃焼空気の混合気の噴流速度が減衰しないまま第2の多孔板7の壁面に衝突するため、衝突による拡散効果が増加し混合が促進する。図5(d)に示すように間隙Gが大きい場合には、空気孔19から噴出した混合気が第2の多孔板7に衝突するまでの滞留時間が増加するため、燃料と燃焼空気の混合が促進し、何れの場合でも排気ガス中のNOx排出量を低減する効果が期待できる。但し、間隙Gを短くし過ぎると圧力損失が増加し、タービン全体の性能が低下する。また、間隙Gを長くし過ぎると間隙部の流速が低下するため、間隙Gに火炎が逆流しやすくなる。そのため、間隙Gは圧力損失の増加や火炎逆流を抑制する目的で、空気孔19を通過する混合気の流速と同程度の流速になるように設定することが望ましい。
図5(e)及び図5(f)には、第1の多孔板6に形成した空気孔19と、第2の多孔板7に形成した空気孔20の偏心距離Hが異なる例を示す。図5(e)に示すように空気孔19,20の軸中心の偏心距離Hが大きく、燃焼室4aの下流から見たときに空気孔19と20が重ならないように配置した場合、空気孔19より噴出した混合気のほぼ全量が第2の多孔板7の壁面24に衝突するため、衝突による拡散効果が最大限に発揮され、燃料と燃焼空気の混合が促進する。
図5(f)に示すように偏心距離Hが小さく、燃焼室4aの下流から見たときに空気孔19と20が重なるように配置した場合、空気孔19から噴出した混合気の一部は第2の多孔板7の壁面24に衝突しないまま空気孔20から燃焼室4aへ流下する成分が生じる。そのため、一部の混合気が第2の多孔板7に衝突することによる混合の促進効果は低減するが、空気孔20の入口部に発生する剥離渦の効果によって混合が促進すると考えられ、排気ガス中のNOx排出量を低減させる効果が期待できる。
また、燃料と燃焼空気の混合状態に影響を及ぼすものとして第2の多孔板7に形成する空気孔の形状がある。図1から図5に示した第2の多孔板7の空気孔の形状は円筒形状であるが、図6(a)に示すように下流側に向かって孔径が縮小する円錐形状にすると混合特性や燃焼特性に新たな効果が発生する。
図6(a)の例では第1の多孔板6の隣接する空気孔19a,19bから噴出した燃料と燃焼空気の混合気が第2の多孔板7の空気孔27に流入する。その際、空気孔27の入口部の孔径が空気孔19の孔径より大きく形成されているため、混合気が第2の多孔板7の壁面に衝突し拡散する割合が少なくなり、衝突拡散による混合促進効果は低減すると考えられる。但し、空気孔19a,19bからの混合気が空気孔27の内部で衝突し合うため、燃料と燃焼空気の混合が促進する。さらに、第1の多孔板6と第2の多孔板7の間隙部に大きな渦が発生しなくなり、燃焼室4aに形成された火炎が逆流した場合でも、火炎が間隙部に停滞する可能性が低く燃焼器が焼損するポテンシャルが低減し、信頼性が向上する。
さらに、図6(b)は第2の多孔板に形成する空気孔28を円錐形状とし、その出口部に多数の小径の空気孔29を形成したものである。空気孔28内部での混合に加え、出口が多数の小径孔29に形成されているため混合気がより分散し排気ガス中のNOx排出量を低減できる可能性がある。
以上のように、第1の多孔板6,第2の多孔板7の構造やそれぞれに形成する空気孔の数や形状は燃焼器の構成や目的、あるいは燃料の種類に応じて柔軟に、しかも比較的簡単な構造で対応できる点で優れている。
また、上記の考え方を応用して、図9のように燃料ノズルと内筒との間に設ける多孔板を複数枚(例えば3枚の多孔板6a,6b,7)で使用することも、もちろん可能である。
実施例2について、図7を参照して説明する。実施例2では、図7に示すように燃料ノズル5の下流に位置する第1の多孔板30の外周部に、内筒4の上流端に設置された燃焼空気シール部材21を覆うカバー部材32が形成されている。第1の多孔板30の下流側には第1の多孔板30に形成したカバー部材32の内径より小さい外径の第2の多孔板31を設置し、第1の多孔板30のカバー部材32との間に間隙が形成される。実施例2では、第1の多孔板30に形成する空気孔33の位置を基準として、第2の多孔板31に形成する空気孔34の位置を周方向に移動した例である。第1の多孔板30と第2の多孔板31に形成する空気孔33,34を周方向にずらして形成しているため、第1の多孔板30の空気孔33から噴出した燃料と燃焼空気の混合気は、第2の多孔板31の壁面に衝突し、衝突による拡散効果によって混合が促進し、排気ガス中のNOx排出量の低減が期待できる。
また、実施例2では第1の多孔板30と第2の多孔板31に形成する空気孔の孔径、個数などの仕様を同一とし、第2の多孔板31を第1の多孔板30に対して周方向にずらして取付ける方法とした。第1の多孔板30と第2の多孔板31の空気孔仕様が同一であるため、製作コストが低減することが期待できる。
さらに、実施例2では第2の多孔板31が燃焼室4aに生成される燃焼ガスによって加熱され、第2の多孔板31が熱膨張しても、第2の多孔板31の外周側部と第1の多孔板32に形成したカバー部材32の間に間隙が形成されている。そのため、カバー部材32に拘束されることはなく、熱変形を回避することが可能である。
燃料と燃焼空気の混合を促進させる方法として、第1の多孔板30,第2の多孔板31の板厚さを増加させることが考えられる。但し、板厚さを増加するとコストが増加すること、特に、第2の多孔板31の板厚さを増加すると熱応力が増加するなどの課題がある。そのため、本発明による実施例では燃料と燃焼空気の混合が更に促進され排気ガス中のNOx排出量を低減することが期待できるため、多孔板の板厚さを薄くできコスト低減が可能となる。
また、燃焼条件によっては第2の多孔板31が高温に過熱されるため、第2の多孔板31は第1の多孔板30への着脱可能な構造とし、第2の多孔板を耐熱合金で製作したり、熱遮蔽シールド材を塗布したりすることなどが可能となり、燃焼条件によって柔軟に対応できる構造である点で優れている。
実施例3について、図8を参照して説明する。実施例3では、燃料ノズルが中央の燃料ノズル35と周囲の燃料ノズル36に分割して形成されている。これら燃料ノズル35及び燃料ノズル36の下流側には夫々に対向する空気孔37及び空気孔38が形成された第1の多孔板39が設置される。第1の多孔板39の下流側には、第1の多孔板39に形成された空気孔37及び空気孔38と異なる位置に形成された空気孔40及び空気孔41を有する第2の多孔板42が設置されている。また、燃料ノズル35に燃料を供給する燃料供給系43及び燃料ノズル36に燃料を供給する燃料供給系44が設置される。
実施例3では、実施例1,2と同様に第1の多孔板39に形成した空気孔37,38と第2の多孔板42に形成した空気孔40,41の位置が夫々異なっているため、燃料ノズルから噴出した燃料は第1の多孔板で、燃料流を燃焼空気流が囲むような形態となり、燃料と燃焼空気の接触面積が増加して混合が促進する。さらに、燃料と燃焼空気は第1の多孔板の下流に配置された第2の多孔板の壁面に衝突し拡散して混合度合いが促進されるため、ほぼ完全予混合状態にまで設定することが可能となる。燃焼条件によっては第2の多孔板42が燃焼室4aに生成される火炎によって過熱されるが、実施例3では第1の多孔板39から噴出した低温の混合気が第2の多孔板42に衝突するため、第2の多孔板42は冷却される効果が期待できる。
また、実施例3では中央の燃料ノズル35に対応する第2の多孔板42に形成した空気孔40には燃焼室4aの中心軸に対して軸周りの旋回がかかるように適当な旋回角が付与されている。このように空気孔40に旋回角を設けることにより、空気孔40から噴出した混合気の旋回による安定な再循環領域が形成され、燃焼を安定化することができる。
また、実施例3ではガスタービンの負荷条件に対して顕著な効果が期待できる。図8に示す燃料供給系43及び燃料供給系44を利用し燃料流量を調整してガスタービンの種々の負荷条件に対応できる。
つまり、ガスタービン負荷の小さい条件では、全空気流量に対する燃料流量が小さくなるが、その場合には中央の燃料ノズル35のみから燃料を供給し、中央領域での燃料濃度を火炎が安定に形成される濃度以上に保つように運用することができる。また、ガスタービンの負荷の大きい条件では、中央の燃料ノズル35と周囲の燃料ノズル36の両方から燃料を供給して全体として低NOx燃焼を行うことができる。また、中間的な負荷においては、中央の燃料ノズル35から噴出する燃料量を空気孔37から流れる空気流量に対して当量比が1を越えるような設定として、周囲の空気を燃焼に使う拡散的な運用をすることも可能である。
従って、種々のガスタービン負荷に応じて、火炎の安定化や低NOx燃焼に寄与できる。
排気ガス中のNOx排出量を低減する燃焼装置に広く適用できる。
実施例1における燃料ノズル、多孔板部分の部分拡大図である。 実施例1におけるガスタービンの全体構成を表す図である。 実施例1における多孔板部分の断面図と正面図である。 実施例1における燃料と燃焼空気の混合メカニズムの説明図。 多孔板と燃料ノズルとの配置を種々変更した場合の比較図である。 実施例1における多孔板の構造を表す図である。 実施例2におけるバーナの詳細構造を表す図である。 実施例3におけるバーナの詳細構造を表す図である。 実施例1におけるバーナ(変形例)の詳細構造を表す図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 タービン
3 燃焼器
4 内筒
4a 燃焼室
5 燃料ノズル
6 第1の多孔板
7 第2の多孔板
8 点火栓
9 外筒
10 エンドカバー
11 トラジションピース
12 発電機
13 燃焼空気
14 燃焼ガス
15 マニホールド
16 燃料供給系統
17 燃料供給装置
18 燃料配管

Claims (2)

  1. 燃焼空気と燃料を混合させ燃焼ガスを生成する燃焼室を区画する内筒と、該内筒の上流位置にあって燃料を噴出する複数の燃料ノズルと、該燃料ノズルと前記内筒との間に複数の空気孔を設けた多孔板を設置したガスタービン燃焼器であって、
    前記多孔板は、
    前記燃料ノズルと対向する位置に複数の空気孔を設け、前記燃焼空気と燃料とを1次混合させる第1の多孔板と、
    該第1の多孔板と間隙を介して下流側に配置され、前記1次混合された燃焼空気と燃料の混合気を2次混合させる複数の空気孔を設けた第2の多孔板とを備え
    前記第1の多孔板に配置された空気孔の中心軸と前記第2の多孔板に配置された空気孔の中心軸にずれが生じていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 燃焼空気と燃料を混合させ燃焼ガスを生成する燃焼室を区画する内筒と、該内筒の上流位置にあって燃料を噴出する複数の燃料ノズルと、該燃料ノズルと前記内筒との間に複数の空気孔を設けた多孔板を設置したガスタービン燃焼器であって、
    前記多孔板は、
    前記燃料ノズルと対向する位置に複数の空気孔を設け、前記燃焼空気と燃料とを1次混合させる第1の多孔板と、
    該第1の多孔板と間隙を介して下流側に配置され、前記1次混合された燃焼空気と燃料の混合気を2次混合させる複数の空気孔を設けた第2の多孔板とを備え
    前記第1の多孔板内の空気孔を介して噴出した燃料と燃焼空気の予混合気が前記第2の多孔板の壁面と衝突し、前記第2の多孔板の空気孔から前記燃焼室に噴出するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
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