JP4477039B2 - ガスタービンエンジンの燃焼装置 - Google Patents

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本発明は、拡散燃焼方式と希薄予混合気燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式の燃料噴射構造を有するガスタービンエンジンの燃焼装置に関する。
ガスタービンエンジンにおいては、環境保全への配慮から、燃焼により排出される排ガスの組成に関して厳しい環境基準が設けられており、窒素酸化物(以下、N0X という)などの有害物質を低減することが求められている。一方、大型のガスタービンや航空機用エンジンでは、低燃費化および高出力化の要請から、圧力比が高く設定される傾向にあり、それに伴って燃焼装置入口における高温・高圧化が進んでおり、この燃焼装置の入口温度の高温化によって燃焼温度が高くなり易いことから、N0X をむしろ増加させる要因になることが懸念されている。
そこで、近年では、N0X 発生量を効果的に低減できる希薄予混合気燃焼方式と、着火性能および保炎性能に優れた拡散燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式が提案されている。希薄予混合気燃焼方式は、空気と燃料を予め混合して燃料濃度を均一化した混合気として燃焼させるため、局所的に火炎温度が高温となる燃焼領域が存在せず、かつ燃料の希薄化により全体的にも火炎温度を低くできることから、N0X 発生量を効果的に低減できる利点がある反面、大量の空気と燃料とを均一に混合することから、燃焼領域の局所燃料濃度が非常に薄くなってしまい、特に低負荷時での燃焼安定性が低下する課題がある。一方、拡散燃焼方式は、燃料と空気とを拡散・混合しながら燃焼させることから、低負荷時にも吹き消えが起こり難く、保炎性能が優れている利点がある。したがって、複合燃焼方式は、始動時および低負荷時に拡散燃焼により燃焼安定性を保持できるとともに、高負荷時に希薄予混合気燃焼によりN0X 発生量の低減を図れる。
前記複合燃焼方式による燃焼装置は、燃焼室内に拡散燃焼方式による拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴射部と、前記燃焼室内に希薄予混合気燃焼方式による予混合燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部とを備えている。この燃焼装置は、始動時や低負荷時に燃料噴射部のみから燃料を供給し、高負荷時に燃料噴射部に加え予混合気供給部からも燃料を供給するようになっている(特許文献1,2)。
特開2002−115847号公報 特開2002−139221号公報
ところで、圧縮機から供給される高温・高圧の圧縮空気が環状のディフューザから約100m/secの流速で環状の燃焼筒の上流側に導入されるが、従来の拡散燃焼方式では、その圧縮空気の15%程度が軸流スワーラを介して燃焼室内に取り入れられるだけであるが、上述の複合燃焼方式では、導入された圧縮空気のうちの50%〜70%が燃料噴射ユニットを介して燃焼室内に取り入れられため、燃料噴射ユニットの外側の予混合気供給部には外径の大きい軸流スワーラが用いられている。燃焼筒の上流側を覆うカウルには、上述の外径の大きい軸流スワーラに対応した径の円形の開口が形成されており、この開口を通して圧縮空気を燃料噴射ユニットに導くようになっている。前記円形の開口は、従来の拡散燃焼方式の場合、ディフューザの開口部流路高さの1.2〜2倍程度の直径に設定されているが、複合燃焼方式の場合、ディフューザの開口部流路高さの3〜4倍もの大きな直径に設定される。
しかしながら、環状のディフューザからカウルの上流側に導入された高温・高圧の圧縮空気は、ディフューザの開口部流路高さ、すなわち燃焼装置への空気導入口の径方向寸法に対応する幅で環状の帯状に分布する高動圧領域を形成し、この高動圧領域はカウルの大きな径を有する各開口の中心部分のみに対向する。そのため、予混合気供給部の軸流スワーラには、カウルの開口におけるガスタービン径方向の中央部分を通過した高動圧の圧縮空気が流入する部分と高動圧でない圧縮空気が流入する部分とが生じてしまい、軸流スワーラを通過する空気流量の配分が不均一になる。
このように軸流スワーラを不均一な流量配分で空気が通過すると、予混合気供給部の予混合通路内において燃料と空気との配合むらが生じるために、燃焼室内の火炎温度が不均一な分布となり、高温の火炎部におけるNOx発生量の増加、ライナ上のホットスポットの発生によるライナの寿命低下や燃焼器の出口温度分布の不均一によるタービンの寿命低下といった悪影響を招く。また、軸流スワーラから導出される空気の速度分布にむらが発生すると、燃焼室内に良好な逆流領域を形成することができないので,良好な着火性や安定燃焼の妨げとなり、かつ燃焼効率の低下を招く。
上述の問題を解消するために、カウルをディフューザに対し大きく離間して設置したり、ディフューザの開口部流路高さを大きくすることが考えられるが、この何れの手段を用いた場合にも、燃焼器の軸方向長さが大きくなって燃焼器が大型化するので、採用するのが困難である。
本発明は、拡散燃焼方式および希薄予混合気燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式において、環状のスワーラに流入した空気を周方向全体において均一な速度分布にしたうえで燃料と混合することにより、燃焼室の火炎温度の分布を均一化することができるタービンエンジンの燃焼装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るガスタービンエンジンの燃焼装置は、燃焼室を形成する環状の燃焼筒と、前記燃焼室内に予混合気燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部を有し前記燃焼筒の周方向に並んだ複数の燃料噴射ユニットと、前記予混合気供給部に燃料を供給する燃料供給ユニットと、前記燃焼筒と同心状であって前記燃料噴射ユニットの上流側に圧縮機からの圧縮空気を導入する環状の空気導入口とを備え、前記燃料噴射ユニットがその空気取入口に固定された空気旋回用のスワーラを有し、前記スワーラの周方向に並んだ複数の羽根が、前記空気導入口に対向する環状の高動圧領域において、この領域外よりも前縁部の周方向幅が大きく設定されている。
この構成によれば、スワーラにおける高動圧領域に対向している領域では羽根の前縁部の周方向幅が大きく設定されているので、羽根間に形成される空気流路は、羽根の周方向幅が大きくなった分だけ流入口の開口面積が小さくなって、空気流路内に取り込まれる空気量が少なくなる。したがって、スワーラにおける高動圧領域に含まれる部分では、スワーラを通過する空気量の増大が抑制される。一方、スワーラにおける動圧の低い空気が流入する空気流路では、羽根の前縁部の周方向幅が小さく設定されていることから、流入口の開口面積が大きくなるので、これの内部を通る空気量は多くなる。これにより、環状のスワーラの羽根間の各空気流路には同程度の空気量が取り込まれることになり、その結果、空気がスワーラの周方向全体にわたりほぼ均一な流速となって流出口から流出する。
そのため、予混合気供給部では、周方向の全体にわたり燃料と空気との混合濃度が均一化される結果、燃焼室内の火炎温度も均一になるので、高温の火炎に起因するNOxの発生量を抑制することができ、燃焼室を構成するライナの壁面上のホットスポット発生が防止されてライナの十分な寿命を確保することができる。また、燃焼器の出口温度分布の均一化にともなってタービンの十分な寿命も確保ることができる。さらに、予混合気供給部から供給される混合気の速度分布が均一化されるので、燃焼室内に良好な逆流領域を安定に形成できることから、安定燃焼性、良好な着火性および高い燃焼効率を確保することができる。
本発明において、さらに、前記燃料噴射ユニットは、前記燃焼室内に拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴射部を備え、この燃料噴射部が環状の前記予混合気供給部の中心部に同心状に配置され、前記燃料供給ユニットは、主要部が前記空気取入口の上流側に配置され、前記空気取入口と同心の環状のメイン燃料供給部と、これの中心部に位置し前記燃料噴射部にパイロット燃料を供給するパイロット燃料供給部とを有している構成とすることができる。これにより、燃料噴射部と予混合気供給部とを適切に配置して燃料噴射ユニットを小型化できる。
本発明において、前記羽根の前縁部の周方向幅は、前記環状の高動圧領域の径方向中央部で最大であり、前記高動圧領域から最も遠い遠隔領域で最小であり、これら領域の間の中間領域で徐々に変化していることが好ましい。これにより、環状のスワーラに周方向に沿って配設された各羽根の前縁部は、スワーラに流入する空気の速度分布に対応した周方向幅となり、スワーラの周方向全体にわたって、スワーラが流出する空気の流速を一層均一化することができる。
本発明において、前記羽根の前縁部の周方向幅の最大値は最小値の1.2〜8倍に設定することが好ましい。より好ましくは、2〜7倍の範囲内である。高動圧領域はガスタービン周方向に沿った環状の帯状の配置で発生し、スワーラに流入する空気は、一般に、前記高動圧領域に含まれる部分で流速が大きく、高動圧領域から最も遠い部分の流速に対し1.3〜3倍程度となる。この流速をスワーラ出口で均一化するには、羽根の前縁部の周方向幅の最大値と最小値を上記のとおり設定するのが好ましい。例えば、羽根の周方向幅は、加工上の制約から最小値は1mm前後、重量軽減要求から最大値は6mm前後となる。
本発明のガスタービンエンジンの燃焼装置によれば、スワーラにおける高動圧領域内の羽根の前縁部の周方向幅を大きく設定したので、環状のスワーラ内部を通過した空気を、その周方向全体にわたりほぼ均一な流速で流出させることができる結果、環状の予混合気供給部の周方向の全体にわたり燃料と空気との混合濃度が均一化された予混合気が生成されるので、燃焼室内の火炎温度も均一化されてNOxの発生量を抑制でき、燃焼室を構成するライナの十分な寿命を確保することができる。また、燃焼器の出口温度分布の均一化にともなってタービンの十分な寿命も確保でき、燃焼室内に良好な逆流領域を安定に形成して、安定燃焼性、良好な着火性および高い燃焼効率を確保することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼装置を構成する燃焼器1の頭部を示している。この燃焼器1は、ガスタービンエンジンの図示しない圧縮機から供給される圧縮空気に燃料を混合して生成した混合気を燃焼させて、その燃焼により発生する高温・高圧の燃焼ガスをタービンに送ってタービンを駆動するものである。
燃焼器1はアニュラー型であり、環状のアウタケーシング7の内側に環状のインナケーシング8が同心状に配置されて、ガスタービン軸心(回転軸心)と同心の環状の内部空間を有する燃焼装置ハウジング6を構成している。この燃焼装置ハウジング6の環状の内部空間には、環状のアウタライナ10の内側に環状のインナライナ11が同心状に配置されてなる燃焼筒9が、燃焼装置ハウジング6と同心円状に配置されている。燃焼筒9は内部に環状の燃焼室12を形成しており、この燃焼筒9の頂壁9aに、燃焼室12内に燃料を噴射する複数(この実施形態では14個)の燃料噴射ユニット2が、燃焼筒9と同心の単一の円上に等間隔に配設されている。各燃料噴射ユニット2は、燃料噴射部(パイロット燃料噴射ノズル)3と、この燃料噴射部3の外周を囲むように燃料噴射部3と同心状に設けられた予混合気供給部(メイン燃料噴射ノズル)4とを備えている。燃料噴射部3および予混合気供給部4の詳細については後述する。
アウタケーシング7およびアウタライナ10を貫通して、着火を行うための2つの点火栓13が、燃焼筒9の径方向を向き、かつ先端が燃料噴射ユニット2に相対向する配置で設けられている。したがって、この燃焼器1では、2つの点火栓13に対向する2つの燃料噴射ユニット2からの可燃混合気が先ず着火され、この燃焼による火炎が、隣接する各燃料噴射ユニット2からの可燃混合気に次々に火移りしながら伝播して、全ての燃料噴射ユニット2からの可燃混合気に着火される。
図2は図1のII−II線に沿った拡大縦断面図である。前記燃焼装置ハウジング6の環状の内部空間には、圧縮機から送給される圧縮空気CAが環状のディフューザ14の内部通路を介してこれの下流端の空気導入口14aから導入され、この導入された圧縮空気CAは、燃焼筒9の上流端部を覆うカウル27に設けた開口27aを介して燃料噴射ユニット2に供給されるとともに、カウル27によって燃焼筒9の外側に導かれて、燃焼筒9のアウタライナ10およびインナライナ11にそれぞれ複数形成された希釈用空気導入口17から燃焼室12内に供給される。
燃料配管ユニット18は、前記燃料噴射部3に拡散燃焼のための燃料を供給する第1燃料供給系統F1および前記予混合気供給部4に希薄予混合燃焼のための燃料を供給する第2燃料供給系統F2を備えており、アウタケーシング7に支持されている。この燃料配管ユニット18に接続された燃料供給ユニット20が、燃料配管ユニット18からの燃料Fを燃料噴射ユニット2に供給する。この燃料供給ユニット20は、カウル27の開口27aを貫通するように配置されており、その詳細については後述する。燃料噴射ユニット2はその外周部に設けたフランジ5Aと、アウタライナ10に設けた支持体5Bとを介してアウタライナ10に支持され、このアウタライナ10が、ライナ固定ピンPでアウタケーシング7に支持されている。燃焼筒9の下流端部にはタービンの第1段ノズルTNが接続される。
前記燃料噴射部3は燃料噴射ユニット2の中央部に設けられている。この燃料噴射部3は、内外二重の環状の空気旋回用スワーラ33と拡散ノズル32とを有しており、燃料配管ユニット18の第1燃料供給系統F1から送給されて燃料供給ユニット20のパイロット燃料供給部31の燃料噴射孔から噴射された燃料Fを、スワーラ33を通過した圧縮空気CAにより微粒子化したのち、拡散ノズル32を経て燃焼室12内に噴霧することにより、拡散燃焼領域50を形成する。この燃料噴射部3の外周を囲む形で、環状の前記予混合気供給部4が設けられている。この予混合気供給部4は、予混合通路42と内外二重の環状の空気旋回用スワーラ43とを有し、燃料配管ユニット18の第2燃料供給系統F2から送給されて燃料供給ユニット20における環状のメイン燃料供給部41に周方向に等間隔で配置された燃料噴射孔から予混合通路42に噴射された燃料Fに、スワーラ43を通過した圧縮空気CAを混合して予混合気を生成し、これを燃焼室12内に噴射して予混合燃焼領域51を形成する。
燃料噴射部3および予混合気供給部4は、各々の環状の空気取入口に固定された内外二重のスワーラ33,43を通して圧縮空気CAを内部に取り入れる。前記燃料供給ユニット20は、パイロット燃料供給部31とメイン燃料供給部41とがユニット基体19に連結された構成を有している。この燃料供給ユニット20は、燃料噴射部3に対し、パイロット燃料供給部31を環状のスワーラ33内に嵌入し、かつメイン燃料供給部41を環状のスワーラ43内に嵌入した状態で、所定本数のピン(図示せず)の嵌め合いにより相互に留められている。
燃料噴射部3には、全負荷領域において第1燃料供給系統F1から燃料Fが供給される。予混合気供給部4には、全負荷に対し例えば70%以上の高負荷時、および高負荷時と低負荷時の間にある、例えば全負荷の40〜70%の中負荷時において、第2燃料供給系統F2から燃料Fが供給される。なお、予混合気供給部4は、全負荷に対し40%以下の低負荷時において、燃料Fが供給されないことから、スワーラ43を通して圧縮空気CAのみを燃焼室12に供給する。
図3は上記燃焼器1を構成するカウル27、燃料供給ユニット20および燃料噴射ユニット2の相対関係を示す斜視図である。燃料供給ユニット20は、予混合気供給部4の内外二重のスワーラ43と同心の環状のメイン燃料供給部41が、前記スワーラ43に対し上流側(図の手前側)から内部に嵌入され、かつメイン燃料供給部41の中心部に位置するパイロット燃料供給部31が、図2の燃料噴射部3の内外二重のスワーラ33に、これの上流側から内部に嵌入されて、燃料噴射ユニット2に連結されている。スワーラ43の入口43aが予混合気供給部4の空気取入口を形成し、スワーラ33の入口33aが燃料噴射部3の空気取入口を形成している。燃料供給ユニット20のメイン燃料供給部41を除いた主要部は、これら空気取入口の上流側に位置している。
また、前記カウル27は、燃料供給ユニット2における燃料噴射部3および予混合気供給部4の各々のスワーラ33,43に対し上流側に離間して配置されている。このカウル27に、圧縮空気CAを燃料噴射ユニット2に導入するための開口27aが、このユニット2の軸方向から見て円形状に形成されている。
図4は図3のA方向(図2の燃料噴射ユニット2の軸方向)矢視図であり、前記カウル27の開口27aは、予混合気供給部4の内外二重のスワーラ43の外径よりも大きな直径の円形である。図2のディフューザ14の出口である空気導入孔14aはガスタービン軸心と同心の環状であり、この空気導入孔14aから流速の大きい圧縮空気CAが流出するので、図4に示すように、空気導入口14aの開口部流路高さ(径方向寸法)に対応する幅Wで帯状にガスタービン周方向Qに環状に分布する高動圧領域HAが生じ、この高動圧領域HAは、開口27aにおけるガスタービン径方向Rの中心部分、つまり予混合気供給部4の内外二重のスワーラ43におけるガスタービン径方向Rの中心部分を通る。例えば、外径Dの環状スワーラ43の中心部分を、幅Wが約0.4Dの高動圧領域HAが通っている。
したがって、予混合気供給部4のスワーラ43において、高動圧領域HAに入る部分には高い動圧の圧縮空気CAが流入し、かつ高動圧領域HA以外の部分には低い動圧の圧縮空気CAが流入する。すなわち、スワーラ43には、圧縮空気CAが場所的に不均一な流速分布で流入する。この燃焼装置では、圧縮空気CAが場所的に流速が不均一な分布で流入することによる不具合の発生を防止するように図っており、この点について、以下に説明する。
図5(a)は図4から予混合気供給部4の内外二重のスワーラ43のみを抽出して示した拡大図であり、(b)はスワーラ43に流入する圧縮空気CAのガスタービン径方向Rにおける流速の分布図であり、(a)のスワーラ43の位置に対応付けて図示してある。(b)に示すように、スワーラ43における高動圧領域HAにおいて流入する圧縮空気CAの流速をVとすると、スワーラ43のガスタービン径方向Rの両端部分、つまり高動圧領域HAから最も遠い部分に流入する圧縮空気CAの流速は約0.5Vである。
このように、スワーラ43には流速が場所的に不均一な分布で圧縮空気CAが流入する。これに対して、図5(a)に示すように、スワーラ43は、これの周方向に等間隔で並んだ複数の羽根48の前縁部(図の手前側の縁部)の周方向幅が、流入する圧縮空気CAの流速分布に対応して異なる値に設定されている。すなわち、環状の高動圧領域HAの中央部の領域、つまりスワーラ43のガスタービン径方向Rの中央部の領域に位置する羽根48Aが最大の周方向幅VWHに設定され、高動圧領域HAから最も遠い遠隔領域LA、つまりスワーラ43のガスタービン径方向Rの両端側の領域に位置する羽根48Bが最小の周方向幅VWLに設定され、これら二つの領域HA,LAの間の中間領域MAに位置する羽根48Cの周方向幅は、前記最大値VWHから最小値VWLまで徐々に小さく変化する値VWMに設定されている。
スワーラ43に流入する圧縮空気CAの流速分布は、最大流速Vと最小流速の比が、通常、1.3〜3倍である。図5(b)に示す流速分布では、この比が2倍であり、これに対応して、高動圧領域HAの中央部の羽根48Aの周方向幅VWHは、遠隔領域LAにある羽根48Bの周方向幅VWLの3倍に設定されている。中間領域MAの羽根48Cの周方向幅VWMは、VWLとVWHの中間値に設定されている。これにより、スワーラ43の各羽根48のそれぞれの周方向幅VWは、流入する圧縮空気CAの流速分布により対応した値となる。
前記空気流路49の開口幅IWの寸法は、スワーラ43の周長と羽根枚数の関係で決まるが、最小周方向幅VWLが加工上の制約から1mm前後である場合、開口幅IWは8〜12mmとなるのが一般的である。つまり、IW=8〜12VWLである。これを考慮すると、スワーラ43の出口の流速分布を均一化するには、高動圧領域HAの中央部の羽根48Aの周方向幅VWHを、遠隔領域LAにある羽根48Bの周方向幅VWLの1.2〜8倍に設定するのが好ましい。より好ましくは、2〜7倍である。例えば、羽根の周方向幅は、前記のとおり加工上の制約から最小値は1mm前後、重量軽減要求から最大値は6mm前後となる。なお、各羽根48の前縁部は空気抵抗を抑制するために丸味を持つように整形されている。
図6(a)は予混合気供給部4におけるメイン燃料供給部41と内外二重のうちの内側のスワーラ43を示す拡大断面図、同図(b)は(a)のスワーラ43における高動圧領域HAに入る部分の展開断面図である。図6(a)に示すように、メイン燃料供給部41の通路を通って供給された燃料Fは、その通路壁に設けられた燃料噴射孔44および予混合通路42の内周壁に設けられた燃料導入孔47を通りスワーラ43の下流に導入されて、スワーラ43からの圧縮空気CAの旋回気流により微粒化され、図2の予混合通路42内で燃料Fと圧縮空気CAとが十分に混合された予混合気が生成され、この予混合気が燃焼室12内に供給される。なお、この実施形態において、径方向に開口した燃料噴射孔44および燃料導入孔47からなる燃料供給孔部52は、複数が周方向に等間隔で設けられており、各燃料供給孔部52を通る燃料Fの供給量は全て同一に設定されている。燃料供給孔部52の数量は任意であるが、この実施形態では羽根48の枚数の1/2に設定されている。
図5(a)の各羽根48の前縁部の周方向幅は、流入する圧縮空気CAの流速が高くなるのに伴って大きい値に設定されているが、図6(b)に示すように、各羽根48の後縁(図の右端縁)の周方向幅は、何れも小さな一定値に設定されている。したがって、羽根48の各間にそれぞれ形成される空気流路49の流入口49aの開口幅IWは、高動圧領域HAに入る部分において最も小さく、高動圧領域HAから離れる領域に向かうに従って徐々に大きくなる。これに対し、各空気流路49の流出口49bの開口幅OWは全て同一値である。
そのため、流速が最も大きい圧縮空気CA、つまり動圧が最も高い圧縮空気CAが流入する空気流路49では、最も大きな周方向幅VWHを有する羽根48Aによって開口面積が最も小さい流入口49aが形成されているので、流入空気量が抑制される。ここで、空気流路49の流出口49bの開口幅をOWとしたとき、空気流路49内、つまり羽根間の流れを剥離のリスクが少ない加速流れとするために、羽根幅VWを考慮した実質の空気流路49の入口幅(IW−VW)を、
(IW−VW)=OW
とするのが望ましい。ここで、流出口49bの開口幅OWは、スワーラ43の軸心に対する43Cに対する羽根48の翼弦線55の角度をαとすると、OW=cosα×IWである。
したがって、開口面積が最も小さい流入口49aが形成されている部分(高動圧領域)では、他の部分よりも流れの加速が小さくなるように、空気流路49の入口幅(IW−VW)と流出口49bの開口幅OWとの関係を設定することにより、各空気流路49の流出口49bからそれぞれ流出する圧縮空気CAは、図6(b)に矢印の長さで流速を模式的に示すように、その全てがほぼ均一な流速となる。また、各空気流路49の流出口49bの開口幅OWは上述のように全て同一に設定されているから、各空気流路49の流出口49bから流出する圧縮空気CAの流量も全てほぼ同一となる。これに対し、上述のように各燃料噴射孔44および燃料導入孔47を通る燃料Fの供給量は全てほぼ同一に設定されている。
したがって、予混合通路42では、予混合気供給部4の周方向の全体にわたり均一化された混合率で圧縮空気CAと燃料Fとが混合される。そのため、図6(b)に横平行線の間隔の大小で混合濃度(空燃比)を模式的に示しているように、予混合通路42内で生成される予混合気は、予混合気供給部4の周方向の全体にわたり一定の混合濃度となり、この予混合気が図2の環状の燃焼室12内に供給される。その結果、燃焼室12内の火炎温度も均一となるので、高温の火炎に起因するNOxの発生量を抑制することができ、燃焼室12を構成するライナ10,11の壁面は、温度分布の不均一に伴うホットスポットが発生しないことから損傷を受けることがなく、ライナ10,11の十分な寿命を確保することができる。また、燃焼器2の出口温度分布も均一化されるから、タービンの第1ノズルTNは、焼損や高い熱応力の発生が抑制されて十分な寿命を確保できる。さらに、予混合気供給部4から供給される混合気の速度分布が均一化されるので、燃焼室12内に良好な逆流領域を安定に形成できることから、安定燃焼性、良好な着火性および高い燃焼効率を確保することができる。
なお、この実施形態では、図6(b)に示すように、前縁部が幅広の直線状の羽根48を例示して説明したが、羽根48は翼形の断面形状としてもよく、上述したのと同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼装置を示す概略正面図である。 図1のII−II線に沿った拡大断面図である。 同上の燃焼装置の要部構成を示す斜視図である。 図3のA方向矢視図である (a)は図4のスワーラのみを示した拡大図、(b)スワーラに流入する圧縮空気の流速の分布図である。 (a)は予混合気供給部のメイン燃料供給部と内側のスワーラを示す拡大断面図、(b)は(a)のスワーラにおける高動圧領域に入る部分の展開断面図である。
符号の説明
2 燃料噴射ユニット
3 燃料噴射部
4 予混合気供給部
9 燃焼筒
12 燃焼室
14a 空気導入口
20 燃料供給ユニット
31 パイロット燃料供給部
41 メイン燃料供給部
43 スワーラ
48(48A,48B,48C) 羽根
50 拡散燃焼領域
51 予混合気燃焼領域
F 燃料
CA 圧縮空気
HA 高動圧領域
VWH,VWL,VWM 周方向幅
LA 遠隔領域
MA 中間領域

Claims (4)

  1. 燃焼室を形成する環状の燃焼筒と、
    前記燃焼室内に予混合気燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部を有し、前記燃焼筒の周方向に並んだ複数の燃料噴射ユニットと、
    前記予混合気供給部に燃料を供給する燃料供給ユニットと、
    前記燃焼筒と同心状であって、前記燃料噴射ユニットの上流側に圧縮機からの圧縮空気を導入する環状の空気導入口とを備え、
    前記燃料噴射ユニットは、その空気取入口に固定された空気旋回用のスワーラを有し、 前記スワーラの周方向に並んだ複数の羽根は、前記空気導入口に対向する環状の高動圧領域において、この領域外よりも前縁部の周方向幅が大きく設定されているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  2. 請求項1において、さらに、前記燃料噴射ユニットは、前記燃焼室内に拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴射部を備え、この燃料噴射部が環状の前記予混合気供給部の中心部に同心状に配置され、前記燃料供給ユニットは、主要部が前記空気取入口の上流側に配置され、前記空気取入口と同心の環状のメイン燃料供給部と、これの中心部に位置し前記燃料噴射部にパイロット燃料を供給するパイロット燃料供給部とを有しているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  3. 請求項1または2において、前記羽根の前縁部の周方向幅は、前記環状の高動圧領域の径方向中央部で最大であり、前記高動圧領域から最も遠い遠隔領域で最小であり、これら領域の間の中間領域で徐々に変化しているガスタービンエンジンの燃焼装置。
  4. 請求項1、2または3において、前記羽根の前縁部の周方向幅の最大値は最小値の1.2〜8倍であるガスタービンエンジンの燃焼装置。
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