JP4922741B2 - 揺動型歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジングに固定された歯数n1 の第1歯車と、出力軸に取付けられた歯数n4 の第4歯車とを、入力軸との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車および歯数n3 の第3歯車を一体に設けた回転体を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、第3歯車が第4歯車と噛み合うように前記入力軸の傾斜部で軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点とが一致する点を原点とするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、第1、第2歯車の噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置いてなる揺動型歯車装置に関する。
従来より、揺動運動を行ういわゆる揺動型歯車装置を用いた減速歯車装置の原理が知られていた。この揺動型歯車装置は、4つの歯車のみで大減速比を得ることが可能であり、様々な利点を有するものである。しかしながら、揺動型歯車装置はその歯形を高精度かつ低コストでの生産が困難な球面インボリュート歯形とする必要があり、実用化には至らなかった。本発明者はこの球面インボリュート歯形に替えて、一方の歯車の歯形を、歯すじ方向において歯幅および歯たけが等しいいわゆる等高歯とし、他方の歯形を該等高歯の歯形を創成転写し、さらに該等高歯を、ローラ状のコロを凸状歯として用いることにより、揺動型歯車装置の実用化を可能とした。なお、揺動型歯車装置の詳細については、特公平7-56324 号公報(特許文献1)に開示されている。
図13には、本発明者による揺動型歯車装置の要部断面が示されている。揺動型歯車装置は、入力軸1と出力軸2との間を、第1〜第4歯車A 〜A で連結し、これらの歯車によって減速を行っている。この第1〜第4歯車A〜Aは傘歯車である。そして、第1歯車A はハウジング6に一体的に固定されている。また、第2歯車A および第3歯車A は1つの回転体3に設けられ、回転体3は入力軸1の傾斜部1aで回転自在に支承されている。このように回転体3を傾斜支持すると、入力軸1の回転に伴って回転体3に揺動運動を発生させることができる。また、各歯車の噛み合い部にコロが介在されこのコロの転動により噛み合い摩擦を吸収している。
図14に示すように、コロ4aは、第1歯車A(第4歯車A )に形成された凹溝4bによって転動自在に支持されている。そして、凹溝4bから突出するコロ4aによって、半円筒状の凸状歯4を形成している。また、第2歯車A (第3歯車A )にも半円弧状凹溝を形成し、凹状歯5として構成する。そして、回転体3が矢印Bで示す方向に揺動運動を行うと、第2歯車A (第3歯車A )は矢印Cで示す方向に移動し、各凹状歯5と凸状歯4とを噛み合わせていく。この際に、各凹状歯と凸状歯との間に生ずる摺動を、コロ4aの転動で吸収している。したがって、バックラッシの設定をなくし、かつ、歯同士に意図的に予圧を付与しても、歯同士の噛み合いによる発熱を回避することが可能となる。
特公平7−56324号公報
上記の揺動型歯車装置は、上記凸状歯を凹溝とコロとで構成、すなわち、噛み合い部にコロを介在させることにより、原理的には噛み合い部の摩擦抵抗が低減されることになり、伝達効率を高めることが可能となる。しかしながら、揺動型歯車装置において、第1歯車Aと第2歯車Aの噛み合いが、第2歯車Aが第1歯車Aに対して面ぶれ運動を行いながら噛み合いが行われるため、噛み合い始めから噛み合い離脱の間、各歯車の母線が互いに交差することになり、相互に噛み合い干渉部が生じる。それ故、凸状歯および凹状歯の両者をともに単純な形状にすることはできず、一方を任意の単純な形状にすれば、他方はそれに適切に噛み合うように干渉部を取り除いた複雑な形状にする必要がある。
したがって、他方の歯形を一方の歯形に創成転写することで適切な歯形とすることが可能であるが、複雑な創成加工機を用いる必要があり、加工上課題がある。歯すじ長さが短ければ、単純な直線の組み合わせ加工で創成歯に近似する近似歯形とすることも可能であるが、歯すじ長さが長い場合には、母線相互の角度は一定でも歯すじ方向端部での変位量が大きくなり干渉除去部の幅が大きくなるので単純な直線の組み合わせでは加工工程が極めて複雑になり、加工精度の自由度をいかに高くするかが重要となる。
また、干渉除去部の幅が大きくなると、コロとの噛み合い角度範囲、特に噛み合い始め位置および噛み合い離脱位置におけるコロとの接触角が大きくなり、その分アキシャル方向の分力が大きくなり伝達効率の低下につながる。本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、加工精度の自由度を確保するとともに伝達効率の高い揺動型歯車装置を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明の請求項1に係わる手段は、ハウジングに固定された歯数n1 の第1歯車とを、出力軸に取付けられた歯数n4 の第4歯車とを、入力軸との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車および歯数n3 の第3歯車を一体に設けた回転体を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、第3歯車が第4歯車と噛み合うように前記入力軸の傾斜部で軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点とが一致する点を原点とするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、第1、第2歯車の噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置いてなる揺動型歯車装置であって、
上記第1ないし第4歯車が傘歯車として構成され、
該第1ないし第4歯車の互いに噛み合い対峙する歯車のうち第1歯車および第4歯車が、ピッチ円錐上において等間隔で歯車中心から放射方向に伸びる断面半円状の凹溝と、該凹溝内に転動自在に配置される円柱状のコロとで凸状歯として構成され、上記第1歯車および第4歯車とそれぞれ噛み合う第2および第3歯車が、該凸状歯の歯すじ長さより短い歯すじ長さでかつ該凸状歯の歯形を創成転写した創成歯形もしくは近似創成歯形として形成された凹状歯として構成され、
上記凹状歯が、その開口部が基準ピッチ円直径をはさんで歯すじ方向外方および歯すじ方向内方に拡大する鼓形状に形成されていることを特徴とする
以上のように、歯すじ方向に断面が一様の円柱状のコロと凹溝とで構成され十分な長さを有する凸状歯を比較的配置上の自由度のある第1歯車、第4歯車側に配置固定したことによって、他方の対峙歯車としての第2および第3歯車の歯形すなわち凹状歯の歯すじ方向長さを短くすることができ、その分、第2および第3歯車のコロとの間の干渉幅が小さくなり、加工上の自由度が拡大するだけでなくその歯形の寸法精度が多少低くても必要な噛み合い精度を確保することができる。しかも、歯すじ方向の組み立て精度が多少のずれがあっても噛み合い歯車としての一方の歯形が歯すじ方向に断面一様の円柱状のコロであることで、歯すじ方向の位置が多少ずれても噛み合い精度への影響は少なくその自由度が拡大することになる。したがって、加工精度および位置決め精度の自由度の確保が可能となり、もって、揺動型歯車装置としての生産性の向上と伝達効率の向上とを同時に達成することが可能となる。
請求項にかかわる手段は、請求項1において、上記基準ピッチ円直径が、歯すじ方向中央をはさんで内外にそれぞれ歯すじ長さの30%の範囲に設定されていることを特徴とする。基準ピッチ円直径が30%以上内外にずれると、上記干渉除去幅が一方において大きくなるので、伝達効率の悪化につながり、好ましくない。
請求項にかかわる手段は、請求項1において、上記基準ピッチ円直径が、上記凹状歯の干渉除去部の幅が歯すじ方向両端においてほぼ等しくなるように歯すじ方向中央より外方に設定されていることを特徴とする。この構成によれば、干渉除去幅を最小にすることが可能となり、伝達効率の向上はもちろんのこと、特別な創成加工機を用いなくても従来の直線加工機での加工も可能となり、生産性が極めて向上する。
本発明は、揺動型歯車装置としての小型高出力という本来の特徴を損なうことなく、加工精度の自由度の確保と位置決め精度の自由度の確保とを両立でき、噛み合い精度が高く伝達効率の高い揺動型歯車装置を提供することができる。
以下本発明の実施例を図1〜10に基づいて説明する。なお、上記従来例と同一ないし相当部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。本発明にかかわる揺動型歯車装置は、ハウジング6に固定された歯数n1 の第1歯車Aと、出力軸2に取付けられた歯数n4 の第4歯車Aとを、入力軸1との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車Aおよび歯数n3 の第3歯車Aを一体に設けた回転体3を、第2歯車Aが第1歯車Aと噛み合い、第3歯車Aが第4歯車Aと噛み合うように前記入力軸1の傾斜部1aで軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点が一致する点Oを原点とするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯Gを配置し、かつ、第1、第2歯車Aの噛み合い点と第4、第3歯車Aの噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置くことによって構成される。
上記揺動型歯車装置は、より具体的には、歯数の異なる4つの歯車として、第1〜第4歯車A1 〜A を有している。各歯車は傘歯車である。このうち第1歯車A は、ハウジング6に一体的に固定され、回転をしない固定歯車である。第2歯車A 、第3歯車A は、入力軸1によって軸支される回転体3に形成されている。また、第4歯車A4 は出力軸2に設けられ、ハウジング6により回転自在に支持されている。そして、第1歯車A と第2歯車A 、第3歯車A と第4歯車A4 とがそれぞれ噛み合っている。
回転体3は、入力軸1の軸芯Gに対して所定の角度をなす軸芯Hを有する傾斜部1aによって支持されている。入力軸1自体も、ハウジング6によって回動自在に支持されている。入力軸1が回転すると、傾斜部1aが首を振るような運動をし、これに軸支される回転体3は、揺動運動をする。この、回転体3の揺動運動に伴い、第2歯車A を第1歯車A に、また、第3歯車A を第4歯車A4 にそれぞれ噛み合わせていく。すると、第2歯車A は、1周期の揺動運動(入力軸1の1回転)当り、第1歯車A との歯数差に相当する分だけ第1歯車A に対して回転する。すなわち、第1歯車A と、第2歯車A との間で、1段階の減速がなされる。
ここで、第1歯車A の歯数を 100、第2歯車A の歯数を 101とした場合を考える。入力軸1が1回正回転すると、第1歯車A に対して第2歯車A は1/100 だけ正回転する。第2歯車A の運動は、第3歯車A3 に直接伝わり、第3歯車A3 と第4歯車A4 との間でも、同様の噛み合いを行う。よって、第3歯車A3 と第4歯車A4 との間でも、1段階の減速がなされる。すなわち、入力軸1の回転運動が出力軸2に伝達される際に、第1、第2歯車A1 ,A2 と、第3、第4歯車A3 ,A4 とで、2段階の減速作用が行われることになる。
上記揺動型歯車装置の減速比をR(入力軸1が1回転したときの出力軸2の回転数)とすると、R=1−(n4 ×n2 )/(n3 ×n1 ) ……(i)
ここで、n1 :第1歯車A の歯数,n2 :第2歯車A の歯数,n3 :第3歯車A3 の歯数,n4 :第4歯車A4 の歯数とし、n1 =1000,n2 =1001,n3 =1000,n4 =999とすると、減速比R=1/ 100万(正回転)となる。このように、揺動型歯車装置は、僅か4枚の歯車で大きな減速比を得ることができるものである。
なお、前述のごとく、第1歯車A の歯数と第2歯車A の歯数差が1の場合には、揺動運動が1周期進むと、第1歯車A と第2歯車A との間で、噛み合う歯は1つずれる。また、同歯数差が2の場合は、揺動運動が1周期進むと、第1歯車A と第2歯車A との間で、噛み合う歯は2つずれる。同様にして、歯数差がnの場合には、噛み合う歯はn個ずれることになる。このことは、第3、第4歯車A3 ,A4 の関係においても同じである。
続いて、揺動型歯車装置の歯形を求める手法について、以下に説明する。ここで、図1に示す揺動型歯車装置の各傘歯車の歯形を求める手法を示す展開図を図4に、その要部拡大図を図5に示す。なお、各歯車A1,A2 ,A3 ,A4 は摸式的にピッチ円錐で示している。
ここでは、第1歯車A1 、第2歯車A2 の各ピッチ円(基準ピッチ円直径位置)を通る共通球面Cir1と、第3歯車A3 、第4歯車A4 の各ピッチ円を通る共通球面Cir2とを考える。そして、各共通球面の中心点を一致させ、該一致点を点Oとする。さらに、点Oを原点とするXY座標を考える。このXY座標のX軸上に入力軸1の軸芯Gを配置する。また、第1、第2歯車A ,A2 の噛み合い点をC1 、第3、第4歯車A3 ,A4 の噛み合い点をC2 とする。そして、噛み合い点C1,C2 を、第1象限と第3象限若しくは第2象限と第4象限に置く。
また、入力軸1の軸芯Gと傾斜部1aの軸芯Hとがなす角度をθ、第1歯車A1 の背円錐とピッチ円錐の中心線とでなす角度をθ1 、第2歯車A2 の背円錐とピッチ円錐の中心線とでなす角度をθ2 とすると、θ1 +θ2 =θである。なお、θ1 ,θ2 のいずれか一方の角度を零とすることも可能であり、この場合は、前記角度を零とした方の歯車が冠歯車となる。同様にして、第3、第4歯車A3 ,A4 の背円錐と各ピッチ円錐の中心線とでなす角度は、第3歯車A3 はθ3 、第4歯車A4 はθ4 かつθ3 +θ4 =θである。
また、第1〜第4歯車の歯数をそれぞれn1 ,n2 ,n3 ,n4 とし、n1 ,n2 の値、n3 ,n4 の値は互いに異なるものとする。ここで、第1〜第4歯車A1 〜A4 の各ピッチ円錐の頂点O1 ,O2 ,O3 ,O4 から、各背円錐の頂点D1 ,D2 ,D3 ,D4 までの距離D1 O1 ,D2 O2 ,D3 O3 ,D4 O4 を、ピッチ円半径とする円筒歯車ER1 ,ER2 ,ER3 ,ER4 を考える。そして、このピッチ円上に形成されるインボリュート歯形若しくは任意の歯形を想定し、これを第1〜第4歯車A1 〜A4 の相当円筒歯車とする。ここで、該相当円筒歯車の相当歯数をZ1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 とすると、
Z1 =n1 /Sinθ1 ……(ii)
Z2 =n2 /Sinθ2 ……(iii )
Z3 =n3 /Sinθ3 ……(iv)
Z4 =n4 /Sinθ4 ……(v)
と表すことができる。
したがって、本発明にかかわる歯形は、上記式(ii),(iii )で得られる関係を基礎に相当円筒歯車において、第1歯車A1 に等高歯の歯形を形成し、さらに、第2歯車A2 に該歯形を創成転写する。第3、第4歯車A3 ,A4 も同様にして形成する。すなわち、第1〜第4歯車A〜Aは2対の等高歯歯車対が形成されることになり、従来の球面インボリュウト歯形に比べて加工精度の自由度の高い揺動型歯車装置が得られることになる。さらに、第1〜第4歯車A〜Aの歯形についてより具体的に説明する。
図1に示す本発明にかかわる揺動型歯車装置は、その一例として第1歯車Aと第2歯車Aとの間において、第2歯車Aの歯数を第1歯車Aの歯数より1枚多く設定し、また第3歯車Aと第4歯車Aとの間において第3歯車Aが第4歯車Aの歯数より1枚多く設定し、第1歯車A、第2歯車A間における1段の減速と、第3、第4歯車A,A間の減速とで2段階の減速を行うように設定されている。したがって、第2歯車Aおよび第3歯車Aは、第1歯車Aおよび第4歯車Aに対し、1歯相当分基準ピッチ円直径が大きく設定されている。また第1ないし第4歯車の基準ピッチ円直径は、歯すじ方向中央に設定されている。
このように設定された、第1歯車Aおよび第4歯車Aは、ピッチ円錐上において、等間隔で歯車中心から放射方向に伸びかつ母線に対し平行に所定の幅で伸びる断面半円状の凹溝4bと、この凹溝4b内に転動自在に配置される所定直径の円柱状のコロ4aとで等高歯としの凸状歯4として構成されている。また、上記第2および第3歯車は上記凸状歯4の歯形を創成転写した創成歯形もしくは近似創成歯形として形成されている。なお、本実施例において第1、第4歯車と第2、第3歯車とは、それぞれ歯数が相違するだけで歯形形状および基本構造を同じくしているので、以下の説明は、凸状歯としての第1歯車と凹状歯としての第2歯車について説明する。
上記凸状歯4は、歯すじ長さが凹状歯5の歯すじ長さより長く設定されている。その長さは、第2歯車Aの揺動運動に伴う噛み合い始め位置から噛み合い離脱位置の間で、第2歯車Aの凹状歯開口部における干渉除去幅が歯すじ方向両端で最大となるように、有効噛み合い長さが長く設定されている。また、凸状歯4を構成するコロ4aは第1歯車Aの母材に固定手段としてのリテーナ7,8によって歯すじ方向両端において係止する必要があるので、上記凸状歯4の長さはコロ4aの係止分の寸法を考慮してさらに長く設定されている。つまり、凸状歯4を構成するコロ4aの歯すじ長さは、凹状歯5の歯すじ長さに対して、有効歯すじ長さの差分とリテーナ係止分の長さが加算された寸法として設定されている。またコロ4aの外径は、歯すじ方向全域において同一直径となっている。
ところで、コロ4aと凹溝4bとで構成される凸状歯4の場合、コロ4aの直径が噛み合い強度および騒音に大きく影響する。径が大きくなれば噛み合い強度は増すが騒音は大きくなり、小さければその逆になる。したがって、同一の減速比のもとで、噛み合い強度を重視する場合には最小歯数に設定してコロ4aの直径を大きくすればよく、騒音の減少を重視する場合には、歯数を増やし、コロ4aの直径を小さくすればよい。
上記凸状歯4として構成されるコロ4aは、第1、第4歯車の歯数と同数備え、その軸方向(歯すじ方向)の両端部において外側リテーナ7、内側リテーナ8によって位置決め保持されている。各リテーナ7,8はリング状に形成されており、軸方向内端には第1、第4歯車Aの係止溝9と係合する環状の係止爪7a,8aがそれぞれ形成されている。軸方向の外端には、コロ4aの軸端部を保持する環状の係止爪7b,8bがそれぞれ形成されている。このリテーナ7,8はポリアミド系あるいはポリイミド系の樹脂にて形成され、自身が所定の外力の作用により変形が可能で、各歯車の噛み合い時にコロ4aに軸方向内方に摩擦力が作用するが、この力に対し、コロ4aの変位を弾性的に許容するように構成されている。
この場合、内側リテーナの弾性特性としては、コロ4aに作用する力にもよるが、内側リテーナ8の外周面の一部の弾性変形によるものでもよく、リテーナ全体が弾性変形するものであってもよく、要するに噛み合い時の弾性変形と非噛み合い時の復元性とを備えていればよい。また、リテーナは周方向に等間隔で切欠部10が設けられており、この切欠部10も内側リテーナ8の弾性変形を許容するに有効な手段といえる。この切欠部10はコロ4aを歯車に対して組み付け保持する際、歯車の内周面に対し先端部をすぼめて挿入できるので組み付け性の向上にも貢献する。切欠部10は、図2に示すように非開放部側が円弧状に形成されており、リテーナの変形に伴う切欠部10の特定部分に対する応力集中を防ぐことが可能とある。
また、上記のような回転体3の揺動運動すなわち第2および第3歯車の揺動運動は、傾斜部1aの回転に伴って入力軸の軸芯Gと傾斜部1aの軸芯Hの交点Oを中心とした円弧上(共通球面Cir1)を移動しながら揺動運動が行われるので、その噛み合い時において、凸状歯4を構成するコロ4aに対し、その歯すじ方向(歯車の軸心方向)に摩擦力が作用するが、この力によってコロ4aの軸方向内端部と当接する内側リテーナ8が弾性変形しコロ4aが歯すじ方向に移動することになるので、コロ4aの端面とリテーナ8外周面との間の摩擦力が大幅に低減され、もってコロ4aの転動抵抗が大幅に軽減されることになる。この状態から非噛み合い状態に移行すると、コロ4aに作用する歯すじ方向の摩擦力がなくなるので、コロ4aはリテーナの弾性復元力により所定の位置に復帰する。
以上のように構成される凸状歯4としてのコロ4aを支持する凹溝4bは、ピッチ円錐面上において、歯すじ方向全域において断面一様、つまり同一幅、同一深さのいわゆる等高歯として形成され、上記コロ4aを歯すじ方向において摺動可能でかつ回転方向に傾動不能に密接支持するように構成されている。
その断面形状としては、図6に示すように、凹状歯5の断面形状と同様に多重円弧にて形成されている。具体的にはコロ4aの半径に対し1より大きい半径rを持つ2つの円弧でもって、その円弧中心をコロ4a中心に対してオフセットさせて形成されている。それ故、凹溝4bおよび凹状歯5の開口部近くには、二つの接触点P、Pが形成され、コロ4aとの間で45度より小さい所定の(たとえば15度)の接触角αが得られるとともに、この接触点P、Pから溝底に向かってコロ4aの外周から徐々に離間することで溝底近辺に所定のオイル溜り4d,5bが形成されることになる。なお、接触角αとは、凸状歯4aと凹状歯5の噛み合いにおいて互いの母線が重なり合う最大噛み合い位置における角度をいう。
したがって、円柱状のコロ4aは歯すじ方向の全域において、凹溝4bの接触点P、Pの2点にて確実に支持され、コロ4aの支持剛性が高められ、コロ4aの凹溝4b内における回転方向の傾動が確実に阻止され、結果、コロ4aと凹溝4bとが強固に結合され、実質的に一体的な凸状歯4が構成されることになる。
また、凹溝4bにおける接触点P、P2点による支持は、加工精度の自由度拡大に対しても重要な意味を持つ。つまり、コロ4aとの接触が全面当たりの場合、その精度如何によりコロ4aとの接触が部分当りとなりコロ4aの位置決めが不正確になる可能性があるが、上述のように2点当りの場合、位置決め精度上の自由度が高く、コロ4aの支持剛性を比較的安定的に確保することが可能となる。
また、上述のように凹溝4bおよび凹状歯5の断面を多重円弧で形成し、接触点P、Pを開口部近くに設定することで、その接触角αを小さくすることができ、特に凹状歯5において、伝達効率の向上および歯車各部の耐久性の向上に大きく貢献する。
つまり、第1歯車Aおよび第2歯車Aの噛み合いが生じているときには図6の凹状歯5の接触点Pではコロ4aに対し荷重Pがかかる。この荷重Pは第1、第2歯車A、Aのピッチ円錐と平行な方向の分力である回転伝達力Tと、同じくピッチ円錐と垂直な方向の分力であるアキシャル力Fとに成分を分けて考えることができる。このアキシャル力が大きくなれば逆に回転伝達力が小さくなる。しかもアキシャル力は、第2歯車Aが形成される回転体3に曲げ力として作用し回転体3を支障するベアリングに悪影響を与え歯車装置としての耐久性を損なうことになる。したがって、接触角αを小さくすれば、アキシャル力が小さくなり、伝達効率の向上および耐久性の向上がともに可能となる。
なお、凸状歯を構成する凹溝4bにおいては、このアキシャル力は第1歯車が固定されるハウジング6にて受けることになるので、上述の耐久性には影響を与えることはない。
ところで、凹状歯において接触角を小さくすれば上述のようにアキシャル力が小さくなり、連携する回転体3および同ベアリングに対する曲げ力(ねじり力)を小さくすることが可能であるが、むやみに小さくし過ぎると凹状歯5はもちろんのこと凹溝4bの歯の耐久性にとって不利になる場合がある。すなわち、接触角αが小さくなれば荷重Pの作用方向が隣り合う凹溝4b、凹状歯5の歯底より歯先方向に作用することになり、凹溝4b間および凹状歯5間のランド部4c、5aに歯底を起点に曲げ荷重として作用し、高荷重の作用によりランド部4c、5aが損傷するなどの問題が生じる可能性がある。
特に、コロの直径を大きくし、ランド部4c,5aの回転方向の幅を小さくした場合、その内径側が特に薄くなるのでこの部分での損傷が生じる可能性がある。
本実施態様においては、図9に示すように、接触角αは噛み合い時の荷重方向が、隣り合う凹溝4bおよび凹状歯5の歯底より内方(歯車母材側)に向かうように設定し、アキシャル荷重をむやみに大きくすることなくランド部4c,5aの耐久性を同時に満足するように構成されている。なお、本実施態様における噛み合い位置は、基準ピッチ円位置である。
また、上記のように凹溝4b,凹状歯5のそれぞれの歯底とコロ4aの間にはオイル溜り4d,5bが形成されており、コロ4aとの間の潤滑が適正に行われる。なお、凹溝4bの断面形状を多重円弧にて形成されているが、図8に示すように単一円弧で形成すれば、コロ4aの接触面が面接触となるので、コロ4aの支持剛性をよりいっそう高めることができ、コロ4aの傾動を確実に防止することができる。この場合、噛み合い離脱を繰り返す凹状歯5は、噛み合い精度を確保する意味において図6と同様に2点当りとなるように多重円弧で形成されている。
また、凹溝4bの深さLは、コロ4aの半径に対しできるだけ深い方がコロ4aの支持剛性を高める上では好ましいが、その端面ランド部4cは上記凹状歯5の端面ランド部5aと対峙し両者間には噛み合い時の干渉を避けるために所定の間隙を形成する必要があり、むやみに深くすることはできない。図6に示す実施態様においては、凹状歯5の深さLと同じで、かつコロ4aの半径より若干短く設定されている。
この凹溝4bの深さに関し、図7に示す別の実施態様では、凸状歯4の凹溝4bの深さLと凹状歯5の深さLは、凹状歯5が相対的に深く、凹溝4bが浅く形成されている。このように、凹状歯5を深くすることで開口部における強度を確保した上で接触角αをより小さくすることが可能となる。反面、凹溝4bが浅くなることでコロ4aの支持剛性には不利となるが、本実施態様においては、その断面をコロとの接触が全面あたりとなるように単一円弧で形成し支持剛性の悪化を補うように構成されている。なお、図6〜図8に示す実施例はいずれの場合も、ランド部4c,5a間には相互干渉を防止するための最小の間隙が設けられている。
次に第2歯車Aに形成される凹状歯5の歯形について詳細に説明する。凹状歯5は、先に概略説明したように、第1歯車Aとしての凸状歯4を創成転写することによって形成される。創成転写(加工)方法としては、本発明者が先の特許出願(特開平10−235519号)に詳細に開示しているように、ワークを保持する保持手段を本発明が対象とするいわゆる揺動型歯車装置を介して駆動するように構成し、ワークおよび保持手段を揺動運動させながらワークと対を成すカッターホイルを歯すじ方向に移動させることにより、凸状歯4と干渉する干渉除去部が除去されて適切な歯形として創成転写が可能となる。
このような手法にて創成転写される凹状歯5の形状について以下詳細に説明する。図10は、第1歯車と第2歯車の噛み合いにあたって、第1歯車の凸状歯としての等高歯に対し、第2歯車の凹状歯を同一深さ、同一幅の等高凹歯(干渉状況を説明する上での仮想形状)とし、第2歯車が矢印方向に揺動運動する際、凸状等高歯としてのコロ4aと等高凹歯としての凹状歯5の関係を2次元的に示す模式図である。この場合、第2歯車の歯数が第1歯車の歯数より多く設定され、その基準ピッチ円直径は歯数差分大きく設定されるとともに歯すじ方向中央に設定される。また、第1歯車の中心は入出力軸の軸芯Gを中心とし、第2歯車は傾斜部の軸芯H上の中心を持ち、中心Hは中心Gの周りを偏心回転する。
したがって、第2歯車が矢印方向に揺動運動つまり偏心運動すると、等高歯としての凹状歯とコロとは所定の角度範囲Eにおいて噛み合いが行われることになる。この場合、コロと凹状歯とは母線M、Mに対して歯すじ方向に同一幅(同一径)に形成されているので、母線が重なる最大噛み合い位置W位置においては適正な噛み合いとなるが、その前後の噛み合い角度位置では、母線が互いに交差し、凹状歯5にはコロ4aとの干渉が生じる。
この母線の交差は、噛み合い始め位置Wおよび噛み合い離脱位置Wとで最大となり、しかも交差方向が最大噛み合い位置を基点に前後で逆の傾きとなるので、その干渉部(図中斜線付与部)は噛み合い始め位置Wから最大噛み合い位置Wまでの角度範囲では基準ピッチ円直径(PCD)外側では凹状歯5の反回転方向側で発生し、基準ピッチ円直径内側では回転方向側に発生する。また、最大噛み合い位置Wから噛み合い離脱位置Wまでの角度範囲では、基準ピッチ円直径の外側と内側では、上記とは逆の方向に干渉部が発生する。よって、凹状歯5の開口部には、噛み合い始め位置から噛み合い離脱位置の噛み合い範囲において、基準ピッチ円直径を基点に内外に拡大する鼓形状の干渉部が生まれる。
この干渉部は、歯筋長さが長くなるほど歯すじ方向端部での干渉幅が大きくなり、また歯すじ長さが一定でも基準ピッチ円直径の設定位置によっても大きく影響を受ける。たとえば、基準ピッチ円直径を歯すじ方向内端および外端に設定した場合には、基準ピッチ円直径から一方の端部までの距離が大きくなるので、基準ピッチ円直径を起点に歯すじ方向他端に向かっていわゆるラッパ状に広がりきわめて大きい干渉部が発生することになる。
したがって、凹状歯は上述の創成加工機によってその干渉部が除去されることにより所定の噛み合い範囲における適正な噛み合いが得られることになるが、干渉部除去後の歯形は伝達効率および加工精度の自由度に対しても大きく影響することになるので、干渉幅を支配する凹状歯の歯すじ長さおよび基準ピッチ円直径の設定を干渉幅が最小になるように考慮する必要がある。つまり、干渉幅が大きくなると、コロ4aとの噛み合い角度範囲、特に噛み合い始め位置および噛み合い離脱位置におけるコロとの接触角が大きくなり、その分アキシャル方向の分力が大きくなり伝達効率の低下につながる。
また、この干渉幅の拡大は、加工形態の自由度および加工精度の自由度にも影響を与える。つまり、上述のように創成加工機を用いて加工を行えば、精度の確保は可能であるが、特別な加工機を新たに用意する必要があり、従来の直線的加工機で加工するにはあまりにも複雑な加工工程が必要となり、精度の確保と生産性の自由度の両立が困難になる。したがって、本実施態様においては、凹状歯の歯すじ長さを凸状歯より大幅に短く設定し、かつ基準ピッチ円直径を歯すじ中央に設定しているので、その干渉部を最小にすることができ、精度の確保と生産性の自由度確保の両立を図ることができる。
図11は、図10で明らかになった干渉部を除去した状態の凹状歯の歯形を示すもので、上記噛み合い範囲において最大噛み合い位置を含む前後5つの噛み合い位置での干渉部の除去状態を示す。
図中、歯底から開口端にかけて描かれている三角形状のエリアは、上記角度位置ごとに発生する干渉部が除去された干渉除去部が示されている。すなわち、第1エリアEは噛み合い始め位置における干渉除去部に相当するエリアで、基準ピッチ円直径PCD1をはさんで回転方向側と半回転方向側にそれぞれ位置する。第2エリアEは、噛み合い始め位置Wと最大噛み合い位置Wの間の中間角度位置での干渉除去部に相当するエリアを示す。第3および第4エリアE、Eは最大噛み合い位置Wから噛み合い離脱方向での上記と同様の干渉除去エリアを示す。なお、エリアEは干渉が発生しない非干渉除去部で、最大噛み合い位置Wでコロが接触するエリアを示す。
この図から明らかなように、上記各干渉除去部は、基準ピッチ円直径を基点に半径方向内外(歯すじ方向内外)に向かってそれぞれ拡大するが、基準ピッチ円直径が中央にあることと歯すじ長さが短いこととでその拡大率は比較的小さく保たれる。なお、図11に示す上述の干渉除去部を示すエリアは連続した回転の元では連続した曲面となり、エリアを画成する線は存在しないが説明の都合上上記の角度位置ごとの除去エリアを示した。
以上の説明で明らかなように、歯すじ長さの短縮と歯すじ中央部への基準ピッチ円直径の設定により歯すじ方向両端部における干渉除去部の拡大率を比較的小さくすることができ、その分、噛み合い始め位置および噛み合い離脱位置におけるコロとの接触角が小さくなり伝達効率が向上する。その意味において、基準ピッチ円直径の設定は、歯すじ方向中央を基点に歯すじ方向内方あるいは外方おいてそれぞれ歯すじ長さの30%の範囲であることが望ましく、それ以上中心からずれると一端部における干渉除去部の拡大率がおおきくなり過ぎるので好ましくない。より好ましくは両端の干渉除去部がほぼ等しくなるように基準ピッチ円直径を設定する必要がある。
その意味において基準ピッチ円直径の位置は、歯すじ中央より若干外方に配置する必要がある。つまり、基準ピッチ円直径を歯すじ方向中心に設定した場合半径方向内端と外端とではモジュウルに差があり、この点に起因して内端と外端の間に干渉幅の差が生じ、外端が内端より大きくなる傾向がある。図11は、基準ピッチ円直径を凹状歯の歯すじ方向中央に設定した場合(PCD1)と、中央より半径方向外方に設定した場合(基準ピッチ円直径PCD2)において開口部の内端および外端の開口幅の関係を示すもので、この図から明らかなように、PCD1の場合は、半径方向外端の幅Hは内端の幅Hより広く、また、PCD2の場合はその開口幅は、外端側が縮小し内端側が拡大しH´,H´となり、その結果、両者はほぼ等しい開口幅となる。それ故、基準ピッチ円直径を中央より外方に設定することにより干渉幅を等しくすることができる。なお、図12は、基準ピッチ円直径(PCD)位置における断面図で、点線は歯すじ外端部を示し、一点差線は歯すじ内端を示す。
以上の説明で明らかなように、上記実施態様の揺動型歯車装置は、設計自由度の高い第1歯車を歯すじ長さの長い凸状歯として構成し、設計自由度の低い第2歯車を歯すじ長さの短い凹状歯として構成することにより揺動型歯車装置の小型化を図り、また、歯すじ長さの長い凸状歯を加工の容易な等高歯とし、歯すじ長さの短い凹状歯を上記凸状歯を創成転写した創成歯あるいは近似創成歯とするとともにその基準ピッチ円直径を歯すじ方向中央部付近に設定することにより、加工精度の自由度の拡大を図り、さらに上記凸状歯を構成するコロを、歯すじ方向全域で一様な断面の凹溝でもって回転方向に傾動不能に支持しコロの支持剛性高め、凸状歯を構成するコロと凹溝とが強固に結合され実質的に一体化された凸状歯とすることで、位置決め精度の自由度の向上を図るようになされている。よって、上記実施態様の揺動型歯車装置においては、加工精度の自由度の拡大と位置決め精度の自由度の拡大とで噛み合い精度を高めることができ、生産性を損なうことなく伝達効率を向上させることが可能となる。
本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明に係わる揺動歯車装置の断面図。 本発明に係わる揺動歯車装置の要部の断面図。 本発明に係わる揺動歯車装置の要部の正面図。 本発明に係わる揺動歯車装置の相当平歯車への展開説明図。 図4の要部の拡大図。 本発明に係わる揺動歯車装置の第1実施態様の歯形の断面。 本発明に係わる揺動歯車装置の第2実施態様の同上図。 本発明に係わる揺動歯車装置の第3実施態様の同上図。 本発明に係わる揺動歯車装置の第4実施態様の同上図。 本発明に係わる揺動歯車装置の凸状歯と凹状歯の関係を示す模式図。 本発明に係わる揺動歯車装置の凹状歯の拡大斜視図。 図11の断面図。 従来の揺動型歯車装置の断面図 従来の揺動型歯車装置の噛み合い部の説明図。
1 入力軸
1a 傾斜部
2 出力軸
3 回転体3
4 凸状歯
4a コロ
4b 凹溝
5 凹状歯
6 ハウジング
7 外側リテーナ
8 内側リテーナ

Claims (3)

  1. ハウジングに固定された歯数n1 の第1歯車と、出力軸に取付けられた歯数n4 の第4歯車とを、入力軸との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2歯車および歯数n3 の第3歯車を一体に設けた回転体を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、第3歯車が第4歯車と噛み合うように前記入力軸の傾斜部で軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点と、前記第3、第4歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点とが一致する点を原点とするXY座標のX軸上に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、第1、第2歯車の噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置いてなる揺動型歯車装置であって、
    上記第1ないし第4歯車が傘歯車として構成され、
    該第1ないし第4歯車の互いに噛み合い対峙する歯車のうち第1歯車および第4歯車が、ピッチ円錐上において等間隔で歯車中心から放射方向に伸びる断面半円状の凹溝と、該凹溝内に転動自在に配置される円柱状のコロとで凸状歯として構成され、上記第1歯車および第4歯車とそれぞれ噛み合う第2および第3歯車が、該凸状歯の歯すじ長さより短い歯すじ長さでかつ該凸状歯の歯形を創成転写した創成歯形もしくは近似創成歯形として形成された凹状歯として構成され、
    上記凹状歯が、その開口部が基準ピッチ円直径をはさんで歯すじ方向外方および歯すじ方向内方に拡大する鼓形状に形成されていることを特徴とする揺動型歯車装置。
  2. 上記基準ピッチ円直径が、歯筋方向中央をはさんで内外にそれぞれ歯すじ長さの30%の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動型歯車装置。
  3. 上記基準ピッチ円直径が、上記凹状歯の干渉除去部の幅が歯すじ方向両端においてほぼ等しくなるように歯すじ方向中央より外方に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動型歯車装置。
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