JP4915328B2 - 化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料 - Google Patents

化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP4915328B2
JP4915328B2 JP2007268896A JP2007268896A JP4915328B2 JP 4915328 B2 JP4915328 B2 JP 4915328B2 JP 2007268896 A JP2007268896 A JP 2007268896A JP 2007268896 A JP2007268896 A JP 2007268896A JP 4915328 B2 JP4915328 B2 JP 4915328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
cosmetic
glycol
acid
application
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007268896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009096750A (ja
Inventor
和晃 脇田
洋二 手塚
圭一 円山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP2007268896A priority Critical patent/JP4915328B2/ja
Publication of JP2009096750A publication Critical patent/JP2009096750A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4915328B2 publication Critical patent/JP4915328B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は化粧料用油剤およびこれを含む化粧料に関する。
化粧料には、皮膚や毛髪に滑らかさやしっとり感を付与するために油剤が汎用されている。また、油剤は皮膚に密着した油膜を形成することで、経皮水分蒸散を抑制し、皮膚のかさつきや小じわの原因となる皮膚乾燥状態の改善にも有効である。また、油剤が形成する膜はメイクアップ化粧料の下地膜としても有用であり、下地膜が皮膚の動きに追随できず動いてしまったり(ヨレたり)、崩れたりすることを防止するためには、肌との密着性の高い下地膜を形成することが重要である。
肌への密着性が高く、経皮水分蒸散を抑制する油剤としては、ワセリン、ミツロウ、シア脂などの閉塞性が高く、性状がペースト〜固体状の油剤が優れているが、これらの油剤を用いる場合には、油っぽく、べたべたするなどの不快な感触を与える欠点があった。また、動植物由来の油剤は、保存安定性が悪く、経時で臭いや色相が悪化する場合があった。
これらの問題点を解決するために、適度な親水性を有する両親媒性の油剤が提案されてきた。エチレンオキシドやプロピレンオキシドで修飾したポリアルキレングリコール誘導体は、適度な親水性を有することから、油っぽさやべたつきを抑制できることが知られている。例えば、二価カルボン酸とポリアルキレングリコールとのオリゴマーエステルを含むことを特徴とする化粧料(例えば、特許文献1)、ポリグリセリンに対してアルキレンオキシドと脂肪酸を反応して得られるエステル油剤(例えば、特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、特許文献1、2では、べたつきのなさや肌なじみの良さ、保湿性については優れているが、肌への密着感が得られず、経皮水分蒸散の抑制効果についても不十分であった。
一方、エチレンオキシドやプロピレンオキシド誘導体以外にもテトラヒドロフランとアルキレンオキシドのコポリマーおよびその誘導体(特許文献3)、モノテトラメチレングリコールあるいはポリテトラメチレングリコールとアルキレンオキシドのブロックコポリマーの誘導体(特許文献4、5)である界面活性剤が提案されている。
特許文献3では、具体例としてテトラヒドロフランとアルキレンオキシドのランダムポリマーが開示されているが、例示の化合物では、無機粉体の分散性および油分との相溶性に優れているものの、使用感や経皮水分蒸散の抑制効果の点で不十分であった。特許文献4、5では、水での洗い流しが良好、洗浄後の保湿性を持続するなどに優れるものの、肌への密着感や、経皮水分蒸散の抑制効果の点では不十分であった。
このように、閉塞性の高い油剤のもつ優れた肌への密着感および経皮水分蒸散の抑制効果と、アルキレンオキシド誘導体のもつ塗布時ののびの良さ、塗布後のべたつきのなさといった使用性を両立する化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料は開発されていなかった。
特開2007−45776号公報 特開2005−97139号公報 特開2003−400345号公報 特開2007−91697号公報 特開2007−91698号公報
本発明の目的は、塗布時ののびや肌への密着感が良好で、塗布後のべたつきがなく、なおかつ経皮水分の蒸散抑制効果に優れたポリアルキレングリコール誘導体からなる化粧料用油剤およびこれを含む化粧料を提供することである。
すなわち、本発明は以下に示されるものである。
(1) 下記の式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体からなる化粧料用基剤。
RO−(CHCHCHCHO)n−R ・・・(1)
(式中、RとRは同一または異なってもよい水素原子、炭素数12〜20の脂肪酸残基であり、RおよびRに占める炭素数12〜20の脂肪酸残基の割合は0.55〜0.95である。nは、オキシテトラメチレン基の平均付加モル数で、3≦n≦30である。)
(2) 前記の化粧料用油剤を含む化粧料。
本発明の化粧料用油剤は、塗布時ののびや肌への密着感が良好で、塗布後のべたつきがなく、なおかつ経皮水分蒸散の抑制効果に優れるポリアルキレングリコール誘導体であり、それを含む化粧料も非常に有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体において、RとRは同一または異なってもよい水素原子、炭素数12〜20の脂肪酸残基である。RおよびRに占める炭素数12〜20の脂肪酸残基の割合は0.55〜0.95であり、好ましくは0.65〜0.85であり、より好ましくは0.70〜0.80である。0.55未満であると、塗布後のべたつき感を生じ、肌への密着感や経皮水分蒸散の抑制効果が不十分であり、0.95を超えると塗布時ののびが悪くなる。
およびRである炭素数12〜20の脂肪酸残基は、好ましくは炭素数が14〜18の脂肪酸残基であり、さらに好ましくは炭素数16の脂肪酸残基である。炭素数が12未満であると、肌への密着感や経皮水分蒸散の抑制効果が不十分であり、炭素数20を超えると、塗布時ののびが悪くなる。
脂肪酸残基としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸、およびヒドロキシル基置換脂肪酸の残基でもよいが、肌への密着感が得られる点で飽和脂肪酸の残基がより好ましい。
脂肪酸の種類としては、ラウリン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いても良い。好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸であり、特に好ましくはパルミチン酸である。
オキシテトラメチレン基は、塗布時ののびや肌への密着感を得るための必須成分であり、nはオキシテトラメチレン基の平均付加モル数で3≦n≦30であり、好ましくは、4≦n≦20、さらに好ましくは6≦n≦12である。nが3未満であると、塗布時ののびが悪く、肌への密着感が得られず、nが30超えるポリテトラメチレングリコールは工業的に入手困難である。
また、オキシテトラメチレン基が重合したポリオキシテトラメチレンユニットに対して、単量体であるモノテトラメチレングリコールおよび二量体であるジテトラメチレングリコールの含有量は合計で30重量%未満であることが好ましく、より好ましくは3重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満である。ポリオキシテトラメチレンユニットに含まれるモノテトラメチレングリコールおよびジテトラメチレングリコールの含有量の合計が30重量%以上の場合、塗布時ののびが悪くなる傾向にあり、肌への密着感が得られにくい。オキシテトラメチレンユニット中のモノテトラメチレングリコールおよびジテトラメチレングリコールの含有量は、エステル化前の段階で150℃以上、30mmHg以下で1時間以上減圧処理することで、減少させることが可能である。
ポリオキシテトラメチレンユニットに含まれるモノテトラメチレングリコールおよびジテトラメチレングリコールの含有量は以下の方法で定量することができる。本発明のポリアルキレングリコール誘導体をアルカリ加水分解した後、加水分解物をヘキサンで抽出すると、分解した脂肪酸を含むヘキサン相とポリテトラメチレングリコール相、および水相に分相できる。次に、ポリテトラメチレングリコール相と水相を回収し、脱水、ろ過してポリテトラメチレングリコール相を得る。これをガスクロマトグラフィー測定で得られるピーク面積からモノテトラメチレングリコールおよびジテトラメチレングリコールの含有量を算出する。
オキシテトラメチレンユニットは、原料のオキシテトラメチレングリコールを示す。
本発明の式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、ポリテトラメチレングリコールと脂肪酸とのエステル化反応や、脂肪酸エステルとのエステル交換反応で得ることができる。
本発明の化粧料用油剤の化粧料中への配合量は、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜40重量%、特に好ましくは1〜20重量%配合される。
また、本発明の油剤は、水溶性高分子を併用することにより、肌への密着感をさらに高めることができる。水溶性高分子は、天然高分子と合成高分子に大別できる。天然系高分子は単糖がグリコシド結合によって連結した多糖類と、アミノ酸がペプチド結合で連結したポリペプチドに分類される。合成高分子は一般にビニル化合物等の単量体(モノマー)を重合したものを指すが、多糖類を化学修飾したものもある。具体的な化合物としては、例えば、アラビアガム、カラーギナン、グアガム、ローストビーンガム、ペクチン、トラガント、デンプン、キサンタンガム、デキストリン、フルクタン、プルラン、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムが、ポリペプチドとして、ゼラチン、コラーゲン、ポリグルタミン酸ナトリウム等の多糖類、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、カチオン化セルロース、アルギン酸プロピレングリコール、カチオン化グアガム等の合成高分子が挙げられる。
その中でも、肌への密着感を考慮するとヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンおよびメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体が好ましく、特に好ましくはメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体である(重量平均分子量:10万〜80万)。また、水溶性高分子の化粧料中への配合量は特には限定されないが、通常は0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜4重量%、より好ましくは0.1〜3重量%配合される。
本発明の化粧料においては、さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料、医薬部外品、医薬品に一般的に用いられている各種成分を配合することができる。例えば、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸およびこれらのトリグリセライド、エステル油、動植物油脂、シリコーン、ビタミン類、紫外線吸収剤、酸化防止剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、金属イオン封鎖剤、エタノール、増粘剤、防腐剤、色素、顔料、香料などが挙げられる。
また、本発明の化粧料用油剤を配合してなる形態は、特に限定されず、油中水型または水中油型の乳化化粧料、油性化粧料のいずれでもよく、シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔剤、化粧水、乳液、スキンクリーム、メーク落とし、口紅などさまざまな形態で使用されるが、特に乳液、スキンクリーム、口紅等での使用が好ましい。
実施例により本発明を具体的に説明する。水酸基価(OHV)およびエステル価(EV)は、日本工業規格(JIS)記載の方法に準拠して測定した(水酸基価;JIS K−1557 6.4、エステル価;JIS K−0070 3.1およびJIS K−0070 4.1)。また、RおよびRに占める炭素数12〜20の脂肪酸残基の割合をエステル化率とし、以下に示す方法にて算出した。
エステル化率=[エステル化物のEV/(エステル化物のEV+エステル化物のOHV)]
<化合物1の合成例> ポリテトラメチレングリコール(8.6モル)のパルミチン酸エステル[エステル化率=0.75]
ポリテトラメチレングリコール(n=8.6、水酸基価=180.3、原料名;PTG650 保土ヶ谷化学工業(株)製)622gとパルミチン酸(NAA-160 日油(株)製)385gを200℃にて10時間反応させ、ポリテトラメチレングリコールのパルミチン酸エステルを958g得た。エステル価は85.2、水酸基価は28.4であることから、エステル化率は0.75であった。
合成例に準じて、表1に示す化合物2〜4(本発明のポリアルキレングリコール誘導体)、および化合物5〜9(比較物質)を合成した。
Figure 0004915328
<化合物10の合成例> ラウリルアルコールのテトラヒドロフラン(THF)6.5モル/プロピレンオキシド(PO)10.0モルランダム付加物
オートクレーブにラウリルアルコール186gとテトラヒドロフラン(THF)468gおよび触媒としてBF・THFを7.9g仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した。次に滴下装置によりプロピレンオキシド(PO)580gを35〜50℃で10時間かけて滴下した。その後、50℃で5時間熟成し、冷却した。さらに48%NaOH水溶液を4.8g添加した後、吸着処理剤(協和化学工業(株)製:キョーワード600およびキョーワード1000)で処理し、ろ過し、減圧下(−0.095MPa(ゲージ圧))、130℃で減圧脱水し、ラウリルアルコールのTHF6.5モル/PO10.0モルランダム付加物1,230gを得た。
<化合物11の合成例>トリオキシテトラメチレン(3.2モル)/ポリオキシエチレン(20.0モル)ブロック共重合体のイソステアリン酸エステル
トリテトラメチレングリコール(n=3.2;PTG250 保土ヶ谷化学工業(株)製)250gと触媒として水酸化カリウム2.4gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら150℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置によりエチレンオキシド970gを滴下させ、1時間攪拌した。その後、オートクレーブにより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するために、減圧下(−0.095MPa(ゲージ圧))、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するためにろ過を行い、トリオキシテトラメチレン(3.2モル)/ポリオキシエチレン(20.0モル)共重合体(1160g)を得た。
得られたトリオキシテトラメチレン(3.2モル)/ポリオキシエチレン(20.0モル)共重合体500gとイソステアリン酸(EMERSOL874 コグニスジャパン(株)製)250gを200℃にて10時間反応させ、トリオキシテトラメチレン(3.2モル)/ポリオキシエチレン(20.0モル)ブロック共重合体のイソステアリン酸エステルを690g得た。エステル価は95.0、水酸基価は5.0であることから、エステル化率は0.95であった。
<ポリオキシテトラメチレンユニットに含まれるモノテトラメチレングリコールおよびジテトラメチレングリコールの定量>
化合物1のポリアルキレングリコール誘導体100gに2N水酸化ナトリウム水溶液を100g加え、ジムロート冷却管を装備した四つ口フラスコで80℃、6時間反応させて、脂肪酸とポリテトラメチレングリコールに加水分解した。得られた加水分解物を分液ロートに移し、これにヘキサン100mLを加え、室温で十分に振とうした。これを2時間静置すると、ヘキサン相、ポリテトラメチレングリコール相および水相に分相したので、ポリテトラメチレン相と水相を茄子型フラスコに回収した。回収物の水分を除去するために、窒素気流下、110℃、常圧で1時間、さらに減圧下(−0.095MPa(ゲージ圧))、110℃で1時間処理を行い、ろ過してポリテトラメチレングリコール61gを得た。得られたポリテトラメチレングリコールの水酸基価が180.2であることから、加水分解反応および脂肪酸の分離ができていることを確認した。
(ガスクロマトグラフィーの測定条件)
標準溶液の調製:モノテトラメチレングリコールをメタノールで希釈し、0.25w/v%、0.5w/v、1.0w/v%、2.0w/v%のメタノール溶液を調製した(検量線作成用)。ジテトラメチレングリコールに関しても、同様に検量線作成用の標準溶液を調製した。
試料溶液の調製:前処理した測定対象試料1gを10mLのメタノールに希釈し、10w/v%のメタノール溶液を調製した。
カラム :DB−1(J &W製)(長さ30mm×内径0.25mm 膜圧0.25μm)
キャリアーガス :ヘリウムガス
注入口温度 :300℃
検出器温度 :300℃
スプリット比 :「100 : 1」
カラム温度 :100℃(5分) → 10℃/分で昇温 → 300℃(10分)
検出器 :水素炎イオン化型検出器
上記の条件でガスクロマトグラフィー分析を行い、予め作成しておいた検量線から、ポリテトラメチレングリコールに含まれるモノテトラメチレングリコールおよびジテトラメチレングリコールの含有量を測定した。
<実施例1〜5および比較例1〜8>
表3に示すように(a)成分として本発明の化合物1〜4、(a´)成分として化合物5〜11およびワセリンを用いて、共通添加成分として表2に示す成分を選定し、下記の調製方法によりスキンクリームを調製した。
Figure 0004915328
<調製方法>
油相と水相を80℃にて別途溶解させた。完全に溶解したことを確認した後、水相を油相に徐々に添加した。その後、ホモミキサー(回転数;6000rpm)を使用して、80℃にて5分間乳化を行った。続いて、40℃まで攪拌しながら冷却してスキンクリームを得た。
<評価方法>
A「塗布時ののび」について
20名の専門パネラーによる使用感テストを行い、スキンクリームと手の甲に塗布した際ののびについて、パネラー各人が下記絶対評価にて4段階に評価し評点を付けた。そして、試料ごとにパネラー全員の評点を合計し、30点以上を合格とした。ただし、3名以上のパネラーが0点の評点を付けた場合は不合格とした。
<絶対評価基準>
(評点) : (評価)
3 : 塗布時ののびが良好
2 : 塗布時の伸びがやや良好
1 : 塗布時の伸びがやや悪い
0 : 塗布時ののびが非常に悪い
B「塗布後のべたつきのなさ」について
20名の専門パネラーによる使用感テストを行い、スキンクリームを手の甲に塗布し、十分肌になじませてから三分間経過後のべたつきのなさについて、パネラー各人が下記絶対評価にて4段階に評価し評点を付けた。そして、試料ごとにパネラー全員の評点を合計し、30点以上を合格とした。ただし、3名以上のパネラーが0点の評点を付けた場合は不合格とした。
<絶対評価基準>
(評点) : (評価)
3 : 塗布後の肌のべたつきがほとんどない
2 : 塗布後の肌のべたつきがあまりない
1 : 塗布時の肌にべたつきを感じる
0 : 塗布時の肌が非常にべたつく
C「肌への密着感」について
「肌への密着感」については、20名の専門パネラーが、各実施例および比較例のスキンクリームを塗布後、その上からファンデーションにより化粧をし、5時間後における状態を下記のように4段階で評価した。そして、試料ごとにパネラー全員の評点を合計し、30点以上を合格とした。ただし、3名以上のパネラーが0点の評点を付けた場合は不合格とした。
(評点) : (評価)
3:肌にスキンクリームが均一に密着する感じが得られ、化粧崩れやヨレを全く生じない。
2:肌にスキンクリームがやや均一に密着する感じが得られ、化粧崩れやヨレがあまり生じない。
1:肌にスキンクリームが均一に密着する感じがあまり得られず、化粧崩れやヨレを生じる。
0:肌にスキンクリームが均一に密着する感じが全く得られず、顕著に化粧崩れやヨレが生じる。
D「経皮水分の蒸散抑制効果」について
「経皮水分の蒸散抑制効果」については、10名の被験者に対し、前腕内側部の試料塗布前後での経皮水分蒸散量をEvaporimeter EP1((株)ヤヨイ社製)を用いて測定し、下記の式から経皮水分蒸散量の変化率を算出した。
[経皮水分蒸散量の変化率(%)]=[(試料塗布後の経皮水分蒸散量―試料塗布前の経皮水分蒸散量)/試料塗布前の経皮水分蒸散量]×100
尚、測定は、室温25℃、湿度40%の恒温恒湿室において行い、体温を安定させるため、被験者を恒温恒湿室内で30分以上待機させた後測定を行った。
試料ごとに被験者全員の経皮水分蒸散量変化率の平均値を算出し、下記4段階評定基準により判定した。(変化率が小さいほうが経皮水分蒸散の抑制効果に優れており、評価が高い)。
(4段階判定基準)
(経皮水分蒸散量変化率の平均値): (判定)
−15%未満 : 非常に良い(◎)
−15%以上 −5%未満 : 良好(〇)
−5%以上 0%未満 : やや不良(△)
0%以上 : 不良(×)
Figure 0004915328
実施例1〜5より、本発明の油剤を含む化粧料は、いずれの試料においても塗布時ののびや肌への密着感が良好で、塗布後のべたつきがなく、なおかつ経皮水分蒸散の抑制効果に優れていた。
一方、比較例1〜6では十分な効果が得られていない。比較例1では、脂肪酸の種類が炭素数12未満の酢酸であるため、肌への密着感、経皮水分蒸散抑制効果において不十分であった。比較例2では、脂肪酸の種類が炭素数20を超えるベヘニン酸であるため、塗布時ののびが悪かった。比較例3では、オキシテトラメチレン基の平均付加モル数nが3未満であるため、塗布時ののびが悪く、肌への密着感が不十分であった。比較例4では、エステル化率が0.55未満であるため、肌への密着感、経皮水分蒸散抑制効果が不十分であり、塗布後のべたつき感が強かった。比較例5では、エステル化率が0.95を超えているため、塗布時ののびが悪かった。比較例6では、THFとPOをランダム共重合しているため、塗布時ののびが悪く、肌への密着感、経皮水分蒸散抑制効果が不十分であり、塗布後のべたつき感が強かった。比較例7では、トリテトラメチレングリコールにエチレンオキサイドを付加した後、脂肪酸とエステル化しているため、肌への密着感、経皮水分蒸散抑制効果が不十分であった。比較例8では、本発明以外の油剤を使用しているため、塗布時ののびが悪く、塗布後のべたつき感が強かった。

Claims (2)

  1. 下記の式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体からなる化粧料用油剤。
    RO−(CHCHCHCHO)n−R ・・・(1)
    (式中、RとRは同一または異なってもよい水素原子、炭素数12〜20の脂肪酸残基であり、RおよびRに占める炭素数12〜20の脂肪酸残基の割合は0.55〜0.95である。nは、オキシテトラメチレン基の平均付加モル数で、3≦n≦30である。)
  2. 請求項1に記載の化粧料用油剤を含む化粧料。
JP2007268896A 2007-10-16 2007-10-16 化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料 Active JP4915328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268896A JP4915328B2 (ja) 2007-10-16 2007-10-16 化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268896A JP4915328B2 (ja) 2007-10-16 2007-10-16 化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009096750A JP2009096750A (ja) 2009-05-07
JP4915328B2 true JP4915328B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=40700085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007268896A Active JP4915328B2 (ja) 2007-10-16 2007-10-16 化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4915328B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5176827B2 (ja) * 2008-09-26 2013-04-03 日油株式会社 洗浄剤組成物
JP5674089B2 (ja) * 2010-03-25 2015-02-25 日油株式会社 毛髪化粧料
JP5760436B2 (ja) * 2010-12-28 2015-08-12 日油株式会社 毛髪化粧料
JP6079123B2 (ja) * 2012-10-12 2017-02-15 日油株式会社 カラートリートメント

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4951921B2 (ja) * 2005-09-30 2012-06-13 日油株式会社 化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料
JP4951920B2 (ja) * 2005-09-30 2012-06-13 日油株式会社 化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料
JP4692300B2 (ja) * 2006-01-26 2011-06-01 日油株式会社 毛髪用洗浄剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009096750A (ja) 2009-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4736112B2 (ja) 化粧料用基材およびそれを配合してなる化粧料
KR20160065954A (ko) 디히드록시알킬 치환된 폴리갈락토만난, 및 그의 제조 및 사용 방법
JPWO2006038724A1 (ja) 化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料
JP2007223930A (ja) 毛髪化粧料
JP2015526465A (ja) 分枝ポリマー型乳化剤
JPWO2005044216A1 (ja) 皮膚外用剤
JP2007269723A (ja) 化粧料
JP4915328B2 (ja) 化粧料用油剤およびそれを配合してなる化粧料
TW200817040A (en) Emulsion composition with good feeling of use
JP4760489B2 (ja) 化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料
JP5255749B2 (ja) 化粧品用抱水性油性原料及び化粧品
JP6977190B1 (ja) ポリグリセリン脂肪酸エステル、感触調整剤及び化粧料
JP4915378B2 (ja) 毛髪化粧料
JP6001406B2 (ja) 毛髪化粧料
JP2003026548A (ja) 毛髪処理剤組成物
JP5689323B2 (ja) 化粧料
JP2006257188A (ja) 水性ポリマー組成物分散物
JP4951920B2 (ja) 化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料
JP2005089487A (ja) 混合脂肪酸エステル化物及びこれを含有する毛髪化粧料
JP6172507B2 (ja) アシルカルボキシメチルセルロース、及びアシルカルボキシメチルセルロースを含有する化粧料
WO2020066893A1 (ja) グリセリルエーテル含有組成物の製造方法およびグリセリルエーテル含有組成物
JP4700319B2 (ja) ワックス状脂肪酸エステル及びこれを含有する毛髪化粧料組成物
JP6835302B2 (ja) カチオン性共重合体組成物、両性共重合体組成物、該カチオン性共重合体組成物または/および該両性共重合体組成物を含有する化粧料および芳香剤
JP5686938B2 (ja) 油性皮膚洗浄料
JP2010121099A (ja) 表面処理粉体及びその製造方法並びにそれを含有する化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120109

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4915328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250