JP4914472B2 - 電子同調マグネトロン - Google Patents

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    • H01J25/587Multi-cavity magnetrons

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Description

本発明は、マイクロ波を発振する電子同調マグネトロン、特に簡単な構造で、発振周波数を外部からの電気信号により変化させるためのマグネトロンの構成に関する。
図11には、従来からのマグネトロンの基本構造が示されており、マグネトロンは、中心にカソード1が配置され、その外側にカソード1と同心状にアノードシェル2が設けられると共に、その内部空間を周方向にて複数個に分割するように複数個のアノードベーン3が配置される。即ち、このアノードベーン3は、カソード1に対して正の電極となると同時に、発振周波数を決定づける共振器としての役割を果たすため、アノードシェル2の内壁と共に共振空胴を形成する。
また、マグネトロンのπモード発振が最も安定となるように、ストラップ4と呼ばれる線状の金属導体を用い、上記のように複数個に分割した共振空胴の仕切りとしてのアノードベーン3が1つ置きに接続される。このような構造のマグネトロンでは、その発振周波数は共振空胴のリアクタンスと、ストラップ4によって構成されるリアクタンスによって決定されることになる。
上述のように、図11のマグネトロンの構成では、発振周波数が機械的構造により決定されるため、発振周波数を変更するには機械的構造から決定されるリアクタンスを変更しなければ発振周波数の変更が行えなかった。一般的な実用化可能な周波数同調手段としては、下記非特許文献1のp.562に示される原理に基づいたものがあり、これは、金属を共振空胴に挿入して共振空胴のリアクタンスを変えることにより、周波数を変更するものである。即ち、共振空胴の内部に金属を挿入することにより、共振器のインダクタンスが増加し、特に共振空胴の仕切りであるアノードベーン3の先端付近に挿入すれば、キャパシタンスが増加することになり、この結果、発振周波数が高くなる。
また、機械的同調の手段としては、上記の共振空胴以外にも、ストラップ4やアノードベーン3に金属を近づけて行う方法が、下記非特許文献1のp.569〜572に示されている。
さらに、下記特許文献1に示されるように、管球の外側に、孔(またはスリット)を介して外部共振空胴(または外部空間)を設け、この外部共振空胴内に配置した金属板(または可動金属片)の位置を機械的に動かして調整することにより、管球の外から共振空胴のリアクタンスを変化させ、これによって発振周波数をコントロールする方式のものがある。
特開2006−100066号公報 特開昭50−133763号公報 国際公開第92/020088号パンフレット
「MICROWAVE MAGNETRON」MLT Radiation Laboratory Series p.562,P.569〜572
しかしながら、上記特許文献1では、周波数の可変を行う手段として機械的な可動部を利用しており、真空とされる外部共振空胴内に可動部を設けるという製作上の困難さがある。しかも、可動部を持つ機械式の周波数可変手段では、レスポンスが遅いため、ゆっくりした周波数変化をさせる場合は問題ないが、1パルス内で周波数を変化させる場合のように速い変化、例えば数百ナノセコンド等での周波数変化を実現することは不可能である。
一方、電子同調マグネトロンの例として、特許文献2および特許文献3に示されるように、スイッチ素子を同軸型マグネトロンの管球内に配置し、外部からの信号により共振空胴内部に配置されたスイッチ素子の導通状態を可変とし、上記共振空胴のリアククンスを変えることにより周波数を変化させる方法が開示されている。
しかしながら、これらの特許文献2および3では、真空となる管球内部に複雑なスイッチ素子等を入れて製造する必要があり、製造上の困難さやコストに関しての問題がある。マグネトロンのような真空管では、ガスの発生により真空度が劣化すると簡単に特性が変わってしまうため、高い真空度を維持する必要がある。従って、ガスの発生し易い材料が使用できず、また接合も高い温度でのロウ付けとなるため、スイッチ素子を半導体とした場合等ではこれを管球内に納めることは難しかった。
なお、特許文献2においては、「外部の円形電気モード空胴が排気されているが、これは必要条件ではない。」、「ある実施例においては、セラミック円筒のような習慣的な気密電磁波透過性の筐体は、共振器14の内側で内壁の外側に位置される。したがって、共振器は排気されない。」の記載があり、大気側にリアクタンス負荷を用意してもかまわないことになり、上記の製造上の困難性やガス発生の問題は生じない。
しかしながら、特許文献2の記載の発明では、共振周波数を合成して決定するためのリアクティブ負荷素子が複数必要であり、一つの負荷素子のリアクタンス変化が全体の周波数変化に及ぼす影響は、少なくなる欠点があった。これは、通常のスイッチ素子が本来の共振空胴または共振空胴に結合された共振器の一部しかリアクタンスを変化させることができないためであり、周波数可変範囲を拡大させるには、高価なスイッチ素子を多く使う必要が生じる。
特許文献2の図1に示される円形電気モードマグネトロンの共振回路を図12に示す。図12に示すように、矢車共振器と円形モード共振器は、多数の箇所(図1では10箇所)で結合しており、それぞれのリアクタンスが相互に影響し合って合成され、共振周波数が決定されている。
また、円形モード共振器のリアクタンスを変化させるには、大きく広い範囲の共振器のリアクタンスに影響を与えるための必要があり、リアクティブな負荷素子を全周にわたり、多数設けないと、所望する量の周波数変化はえられなかった。スイッチ素子は通常、静電容量を持つために、バイアス電圧に対してレスポンスを悪化させるという問題があり、複数のスイッチ素子18aを使用した場合に、その容量は大きくなって高速のレスポンスが要求されるパルス内での周波数可変に使用することができない。
一方、上記のように合成共振空胴としてマグネトロンの共振器の一部とした部分にスイッチ素子を挿入することから、高周波的な抵抗値がマグネトロンの共振インピーダンスに大きく作用し、共振のQ値を低下させるという基本特性への影響が発生する。特許文献2の図8に示されるように、出力の電場RF信号のレベルが周波数に対して大きく変化している。そのため、ダイオード(スイッチ素子)を非導通状態から十分な導通状態に迅速に切り替える必要があった。これでは、導通状態と不導通状態の中間のバイアス状態、つまり中間の周波数では使用できないことになる。このようなQ値の大幅な変化は、ペクトラム特性を劣化させてしまう問題を引き起こすことになり、解決しなければならない問題であった。
また、マグネトロンの信頼性品質において、管球内にスイッチ素子を配置するとマグネトロンの劣化時や、特別に早い立ち上がりの陽極電圧パルスを印加したような場合に、たとえ電界最小、磁界最大の位置の近傍に配直しても、高い電界が発生しスイッチ素子の耐電力破壊が発生する場合があった。Q値とは,Q=f0/(f2−f1)で定義される共振回路の質を表す無次元数である。f0、f1、f2は、それぞれ出力ピークでの共振周波数、共振ピークの左側において振動エネルギーが共振ピークの半値となる周波数、共振ピークの右側において出力ピークの半値となる周波数である。この値が大きいほど、マグネトロンにおいて発振周波数が安定であることを意味する。
また、周波数同調の必要性に言及すると、マグネトロンのドリフトに対する安定性確保というパッシブな理由と、変調をかけたいというアクティブな理由がある。マグネトロンの発振周波数のドリフトとしては、カレントプッシング(current pushing)特性と呼ばれ、陽極電流の大小により変化する場合があった。この周波数のドリフトは、流す陽極電流の大小によりカソードを飛び出す電子の量が変わり、空間電荷が変化することも原因の一つとなって起こると考えられる。
さらに、マグネトロンでは、その搭載場所の周囲の温度やマグネトロン自身の発生する熱により共振空胴が熱膨張を起こす場合がある。この場合には、昇温すると発振周波数が下がり、冷却されると上がるという現象を起こす。
このように、マグネトロンは、発振周波数が変化する要因を持っているため、同調がずれる可能性があり、発振周波数の可変制御を安定して行うことが望まれる。
また、レーダー等でマグネトロンを用いて変調されたマイクロ波信号を発振し、物標からの反射波を解析した場合、含まれる情報量は多大となり、レーダーの探索性能は格段に向上する。この領域は、現在変調が容易なソリッドステートでカバーしようと研究されている。しかしながら、ソリッドステートで高い出力を効率よく発振できる素子は、出現していない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動部を持つ機械式手段によらず、簡単な構造で、外部からの電気信号により所望の周波数の高出力マイクロ波が極めて速いレスポンスで得られ、またスイッチ素子を管球内部に配置することなく、広い可変範周の発振周波数を得ることができ、生産性を阻害することもなく、通常のアノード共振器の外側に複雑な形状の円筒モード共振器を設けることを必要としない、低価格で信頼性の高いマグネトロンを提供することにある。
本発明は、円筒状アノードシェルの内周側に複数個に分割された共振空胴を形成するアノードと、該アノードシェルの中心部にその円筒軸方向に沿って設けられたカソードと、該アノードシェルの共振空胴内に高周波的に結合して設けられた同軸中心導体を有する真空構造体を備え、該同軸中心導体は前記真空構造体の壁面に形成される貫通孔を通して前記真空構造体から外部に引き出されると共に、前記共振空胴の真空保持できるように、該同軸中心導体と前記真空構造体の壁面との間に介装された誘電体部によって該貫通孔が塞がれ、前記誘電体部から外部に引き出された前記同軸中心導体または該同軸中心導体に接続された導体からなる外部導体の端部または側面に、直列的または並列的にスイッチ素子が接続され、該スイッチ素子を介して前記アノードシェルの電位との間にバイアス電圧が印加される構造であり、該バイアス電圧の供給によるバイアス電流を調整することにより、発振周波数を連続的に調整することを特徴とするものである。
前記スイッチ素子が、前記外部導体に対して直角方向に配置して前記外部導体の側面に接続されることが好ましい。
前記外部導体および前記スイッチ素子が同軸外部導体によって覆われる構造とし、該スイッチ素子の端部が前記同軸外部導体に接触することなく、前記同軸外部導体外部に導体により導き出されてなることが好ましい。
本発明の構成によれば、例えばPINダイオードからなるスイッチ素子がアノードシェル(共振空胴)の外側へ配置され、外部からの電気信号により周波数を自由に可変して電子同調マグネトロンを使用することができる。
また、本発明の構成によれば、同軸によりマグネトロンの空胴共振器と外部が結合されるため、同軸中心導体にスイッチ素子を取り付けてバイアスを加えることによりスイッチ素子の高周波的な導通状態が変化し、スイッチ素子の導通状態の変化に対して大きく変化するためリアクタンスが変わることになる。そのためマグネトロンの共振周波数が影響を受けて変化することになる。
本発明の電子同調マグネトロンによれば、可動部を持つ機械式手段によらず、簡単な構造で、外部からの電気信号により所望の周波数の高出力マイクロ波を極めて速いレスポンスで得ることができる。また、スイッチ素子を管球内部に配置することなく、広い可変範囲の発振周波数を得ることができ、生産性を阻害することもなく、低価格で信頼性の高いマグネトロンが提供できるという効果がある。また、マグネトロンの周波数ドリフトへの対策、混信防止のための周波数選択が容易となり、パルスに変調をかけることにより低出力で多くの圧縮情報が得られると共に、占有周波数帯域幅の狭小化等が可能になるという効果もある。
以上説明したように、実施例の電子同調マグネトロンは、スイッチ素子部を管球の外部に設けていることから、真空管としての製作上の制限が無く、特別に高価な同軸型マグネトロンや、古い設計のリアクティブな負荷構造物や外部共振空胴を持つマグネトロンをベースに設計する必要がなく、従来の簡単な構成のマグネトロンを充分利用可能となる。また、上述したように、周波数を外部からの信号で自由に広い範囲で可変して使用できるマイクロ波の発振源を供給できることになり、マグネトロンの周波数ドリフトへの対策、混信防止のための周波数選択が容易になるという利点がある。
第1実施例の電子同調マグネトロンの構成を示す上面図と斜視図である。 第2実施例の電子同調マグネトロンの構成を示す上面図と斜視図である。 第3爽施例の電子同調マグネトロンの構成を示す上面図と斜視図である。 第4実施例の電子同調マグネトロンの構成を示す上面図と斜視図である 第5実施例の電子同調マグネトロンの同軸中心導体とべーンの接合部の図である。 第6実施例の電子同調マグネトロンの構成を示す上面図と斜視図である。 第7実施例の電子同調マグネトロンの構成を示す図である。 第8実施例の電子同調マグネトロンの構成を示す図である。 第9実施例の電子同調マグネトロンの構成を示す図である。 バラクタダイオード使用時のバイアス電圧と発振周波数を示すグラフである。 従来のマグネトロンの構成を示す図である。 従来のマグネトロンの説明図である。 本発明のマグネトロンの説明図である。 本発明のマグネトロンの説明図である。 本発明によるスイッチ素子としてPINダイオードを使用したときのバイアス電流と結合度との関係を示すグラフである 本発明によるスイッチ素子としてバラクダイオードを使用したときのバイアス電圧と結合度との関係を示すグラフである。
図1および図2には、本発明の第1実施例に係る電子同調マグネトロンの構成が示されている。図1において、マグネトロンは、図11に示した基本構造と同様に、円筒状アノードシェル2の内周側に複数個に分割された共振空胴を形成するアノードと、該アノードシェル2の中心部にその円筒軸方向に沿って設けられたカソード1と、該アノードシェル2の共振空胴内に接続され高周波的に結合された同軸中心導体を有する真空構造体(以下、マグネトロン管球ともいう)を備えている。すなわち、本発明の第1実施例に係る電子同調マグネトロンは、中心にカソード1が配置され、その外側にカソード1と同心状にアノードシェル2が設けられると共に、このアノードシェル2内の空間を周方向にて複数個に分割するように複数個のアノードベーン3が配置される。このアノードベーン3は、カソード1に対して正の電極となると同時に、アノードシェル2の内壁と共に共振空胴(共振器)を形成し、アノードとして機能する。また、マグネトロンのπモード発振が最も安定となるように、線状金属導体からなるストラップ4によって、上記分割の共振空胴を仕切るアノードベーン3が1つ置きに接線される。
そして、第1実施例では、貫通孔21を介して同軸中心導体14をアノードシェルの共振空胴内に挿入したものである。図1に示されるように、例えば中心導体として機能するアノードシェル2の壁面の内側に形成された貫通孔21の外側に、この貫通孔21を塞ぐ誘電体部25が設けられている。そして、この誘電体部25は、例えばセラミックまたはガラス等の誘電体からなり、マグネトロン管球の真空を保持する状態で取り付けられる。そして、このアノードシェル2内において、同軸中心導体の端部は、アノードベーン3に接続され共振空胴内のリアクタンスと結合し誘電体部25を貫通して外部に導き出し、外部導体34を介してスイッチ素子18に接続される。すなわち、誘電体部25は同軸中心導体14とアノードシェル3との間に介挿され、同軸構造の絶縁用誘電体の役割を果たしている。このスイッチ素子18の他端には、バイアス電圧が印加されることになる。つまり、バイアスのもう一方の端子は、アノードシェル2と同電位の点とすることによりバイアス電流は、スイッチ素子18、外部導体34、同軸中心導体14、アノードベーン3、アノードシェル2の順で直流的に流れる。なお、スイッチ素子18にPINダイオードを用いる場合極性があるため電流の方向が決まるが、スイッチ素子18の取付る方向により、その極性に合わせてバイアス電圧を印加する。またスイッチ素子18をバラクタダイオードに置き換えるとバイアス方向が逆になる。
このような第1実施例の構成によれば、スイッチ素子18とアノードシェル2の間にバイアスが供給されバイアス電流を調整するとスイッチ素子18のRF抵抗や容量が変化し、マグネトロンの共振空胴と外部の結合が変化し発振周波数が変化することになる。
このように本発明では、限定された位置で、同軸中心導体により共振空胴とが密に結合することになる。そのため、この密に結合した同軸部のインピーダンス、容量、導通状態を変化させて、効果的に共振空胴の共振周波数を変化させることができる。この状態を図13に示す。図13では、同軸中心導体14に結合されたスイッチ素子18をバイアス電流/電圧によりそのインピーダンス、容量、導通状態を変化させている。スイッチ素子18をPINダイオードとした場合には、バイアス電流を流すことにより導通状態から非導通状態となり、インピーダンスが大きく変化する。図12に示す従来例では、スイッチ素子18aを負荷構造物に内包し、このリアクティブな負荷構造物のリアクタンスを変化させていたが、スイッチ素子としてPINダイオードを用いると、リアクタンスだけでなく、その内部抵抗も変化するため、マグネトロンの出力との結合度も変化してしまう。その結果、マグネトロンの出力変動、スペクトラムの悪化、プリング特性の劣化を招いてしまう。これに対し本発明では、スイッチ素子1つで、大きく周波数を変化させることができるため、スイッチ素子の内部抵抗は小さくなり、マグネトロンの出力との結合度の変化が抑えられる。つまり、本発明は、マグネトロンの出力変動、スペクトラムの悪化、プリング特性の劣化を招くことなく、周波数を変化させることができることになる。
さらに、スイッチ素子を導通状態と非導通状態の間の半導通状態で動作させるようにバイアス電流を流しても、安定した発振出力を得ることができる。
図2には、図1と同様の構成素子を用いてスイッチ素子18と外部導体34の位置関係を変えて外部導体34に対してスイッチ素子18を直角に配置した実施例を示す。同軸中心導体14によりカップリングされたRF回路に対して図1では、直列的に図2では並列的にスイッチ素子18が接続されることになる。何れの場合も、結合の状態や、外部導体34におけるショートの位置が変わるためにリアクタンスが変化しその結果、マグネトロンの発振周波数が変化する。
マグネトロン管球(すなわち、真空管)としての真空の封止は、誘電体部25とアノードシェル2を接合することにより保たれる。したがって、スイッチ素子18は、真空壁の外にありカバー35を含めて管球組立排気後に取り付ける事も可能となる。管球内部に入らないため、ガスの発生や、ロウ付け時の熱による素子の破壊等への特別な配慮が不要となる。
図3および図4には、本発明の第2実施例に係る電子同調マグネトロンの構成が示されている。図3において、図1と同様の構成に加えて同軸外部導体35を備えている。例えば共振空胴の壁面であるアノードシェル2に貫通孔21が形成され、この貫通孔21の外側に誘電体部25が真空保持するように取り付けられている。貫通孔21、および誘電体部25を同軸中心導体14が貫き高周波電界をアノードシェル3の外側に導き出し、導体34に接続されている。同軸中心導体14は、同軸外部導体35と対で同軸を構成する。導体34には、スイッチ素子18が取り付けられている。もちろん、同軸中心導体14を延長することにより、導体34の役割を行わせても構わない。このように同軸中心導体14を結合させて外部に引き出しているため、バイアス条件により、スイッチ素子18を含む同軸中心導体14のインピーダンス、容量、導通状態が変化し、マグネトロンの発振周波数に影響を与えることになる。したがって、同軸外部導体35の一部を通してスイッチ素子18にバイアスを加えれば、上述のようにアノードの共振周波数を可変にすることができる。なおスイッチ素子18をPINダイオードでなく、バラクタダイオードとすると、容量が変化することで、共振周波数を可変にすることができる。このような原理を用いた上で、スイッチ素子18の取付位置を選び実現が可能となる。取付位置の選択は、主に周波数可変量を適正化すること、マグネトロンとしての出力結合度に変化を与えにくいこと、形状のコンパクト化等を考慮して行うことができる。また、導体34は、同軸外部導体35の内壁に結合しても、直流的には問題がない。
図3および図4は、同軸外部導体35を延長することにより、同軸中心導体14で引き出されたマイクロ波が外部に漏洩しないようにしている。同軸外部導体35を延長することで、漏洩防止のシールド効果と、外部から金属や誘電体を同軸中心導体14やスイッチ素子18に近づけた場合の影響を低減するシールド効果を奏することが可能となる。
図5には、第3実施例のマグネトロンの構成が示されており、この第3実施例は、第1および第2の実施例における同軸中心導体14の先端部の形状を示したものである。図5に示すようにループ状であっても直接アノードベーン3やアノードシェル2の内壁に接続しても、高周波的に結合が行われれば、問題ない。周波数可変量やそれ以外の特性を考慮してループ形状や接合の場所を選択して結合量を変化させればよい。
上述した第1実施例から第5実施例において、スイッチ素子18を例えばPINダイオードで構成することにより実現が可能であることを確認した。いずれも管球内部との結合度は、貫通孔21、11、同軸中心導体14の直径、ループのサイズ、アノードシェル2やアノードベーン3との接続位置により調整可能であるが、電界による破壊の発生もなく発振周波数の可変を行うことができた。
図6は、図3または図4の実施例にフィルタ16を取り付けた実施例となる。マグネトロンが発振した際に同軸中心導体14により結合されたマイクロ波電界が導体34および、スイッチ素子18を通じてバイアス回路に影響を与えないようにフィルタ16を取り付けている。このフィルタ16は、マグネトロンの発振周波数は遮断するが、バイアス電流のレスポンスを落とさないためにある程度の高い周波数を通過させる必要がある。例えば、マグネトロンの発振周波数に変調をかける場合、数ナノセコンドのレスポンスが必要となる。このレスポンスを周波数換算すると数百メガヘルツとなる。この周波数を通過できる様にフィルタ設計をしなくてはならない。図6に示すフィルタは、チョーク構造のフィルタであり、マグネトロンの発振周波数に合わせて設計を行えば、バイアス電流のレスポンスを損なうことはない。また、LやCを含むフィルタにおいても、発振周波数とレスポンスに必要な周波数を分離することは可能である。
以上の説明に於いて、スイッチ素子18に関する限定は行わないが、一般的にはPINダイオードがバイアス電流により素子のリアクタンスが変化することで利用可能となる。しかしながら、バイアス電流を流した際にリアクタンス分だけではなく内抵抗が変化することになる。しかしながら、上述のとおり、本発明によれば、結合度の変化が抑えられ、従来例に比べて有効性が高い。さらに結合度変化を押さえるために、スイッチ素子18をPINダイオードではなく、バラクタダイオード、バリキャップダイオード、可変容量ダイオードに変更すれば、結合度の変化は抑えられる。この点を図15および図16に示す。図15は本発明によるスイッチ素子としてPINダイオードを使用したときのバイアス電流と結合度との関係を示すグラフY1であり、図16は本発明によるスイッチ素子としてバラクダイオードを使用したときのバイアス電圧と結合度との関係を示すグラフY2である。これらのダイオードは、バイアス電圧を印加した際に抵抗の変化が小さく、リアクタンスの変化を大きくとれるためである。バイアス電圧を印加する極性は、図7に示す通りPINダイオードとは逆となる。
図8には、スイッチ素子18を並列に配した第8実施例を示す。特にバラクタダイオード等のように容量をバイアスにより変化する方式の場合、容量の可変範囲が広くなり、したがって、マグネトロンの発振周波数範囲を拡大できることになる。
図9は、良好な周波数可変特性を得るための第9実施例によるスイッチ素子18の取付位相を示したものである。
図10は、バラクタダイオードを使用した場合のバイアス電圧と発振周波数の関係を示す。
1 カソード
2 アノードシェル
3 アノードベーン
4 ストラップ
14 同軸中心導体
16 フィルタ
18 スイッチ素子
21 貫通孔
25 誘電体
34 導体
35 同軸外部導体

Claims (3)

  1. 円筒状アノードシェルの内周側に複数個に分割された共振空胴を形成するアノードと、該アノードシェルの中心部にその円筒軸方向に沿って設けられたカソードと、該アノードシェルの共振空胴内に高周波的に結合して設けられた同軸中心導体を有する真空構造体を備え、該同軸中心導体は前記真空構造体の壁面に形成される貫通孔を通して前記真空構造体から外部に引き出されると共に、前記共振空胴の真空保持できるように、該同軸中心導体と前記真空構造体の壁面との間に介装された誘電体部によって該貫通孔が塞がれ、
    前記誘電体部から外部に引き出された前記同軸中心導体または該同軸中心導体に接続された導体からなる外部導体の端部または側面に、直列的または並列的にスイッチ素子が接続され、該スイッチ素子を介して前記アノードシェルの電位との間にバイアス電圧が印加される構造であり、
    該バイアス電圧の供給によるバイアス電流を調整することにより、発振周波数を連続的に調整することを特徴とする電子同調マグネトロン。
  2. 前記スイッチ素子が、前記外部導体に対して直角方向に配置して前記外部導体の側面に接続されてなる請求項1記載の電子同調マグネトロン。
  3. 前記外部導体および前記スイッチ素子が同軸外部導体によって覆われる構造とし、該スイッチ素子の端部が前記同軸外部導体に接触することなく、前記同軸外部導体外部に導体により導き出されてなる請求項1または2記載の電子同調マグネトロン。
JP2009209214A 2009-09-10 2009-09-10 電子同調マグネトロン Active JP4914472B2 (ja)

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