本発明に係るシリンダ装置のストッパ機構について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1〜図3において、参照符号20は、本発明の第1の実施の形態に係るストッパ機構が適用されるシリンダ装置を示す。
このシリンダ装置20は、図1〜図3に示されるように、軸線方向に沿って長尺なシリンダチューブ(シリンダ本体)22と、前記シリンダチューブ22に取り付けられ、軸線方向に沿って進退自在なスライダ(変位部材)24と、前記シリンダチューブ22の端部にそれぞれ装着される一組のエンドブロック26a、26bと、前記シリンダチューブ22に装着される上ベルト28と下ベルト30(図7及び図8参照)を案内するベルト案内機構32(図3参照)と、前記スライダ24とシリンダチューブ22との間に設けられる複数の軸受82(図6参照)を保持する軸受保持部と、前記スライダ24をシリンダチューブ22に対してガイドさせるためのガイド機構34(図8参照)と、前記シリンダチューブ22に固定され、前記スライダ24の軸線方向に沿った変位動作を規制するストッパ機構36a、36bとを備えている。
シリンダチューブ22の内部には、図4及び図8に示されるように、軸線方向に沿って断面略菱形状のボア部38が形成され、前記シリンダチューブ22の上面には軸線方向に沿って開口したスリット40(図4参照)が形成されている。そして、前記スリット40を介してボア部38が外部と連通している。
シリンダチューブ22のスリット40には、該スリット40を上下両方向から塞ぐことによりシールする前記上ベルト28と下ベルト30が取り付けられている。上ベルト28は、例えば、金属製材料からシート状に形成されており、下ベルト30は、例えば、樹脂製材料から形成されている。
前記スリット40の両側には、図8に示されるように、軸線方向に沿って延在する取付溝42を介して一組の磁性体44(例えば、永久磁石)が装着され、前記磁性体44の磁力によって上ベルト28が吸引されてスリット40が上方より閉塞される。これにより、シリンダチューブ22の内部にスリット40を通じて外部から塵埃等が進入することが防止される。
そして、前記上ベルト28及び下ベルト30の両端部は、シリンダチューブ22の両端部にそれぞれ接続される一組のエンドブロック26a、26bにそれぞれ固定されている(図3参照)。
また、シリンダチューブ22のボア部38の近傍には、該ボア部38より所定間隔離間して軸線方向に沿って延在する一組のバイパス通路46a、46bが形成され、前記バイパス通路46a、46bには圧力流体が流通する集中配管(図示せず)が接続される。
一方、シリンダチューブ22の両側面には、軸線方向に沿って一組又は複数組のセンサ取付溝(取付溝)48a、48bが形成され、前記センサ取付溝48a、48bには、後述するピストン56a、56bの変位位置を検出するための位置検出センサ(図示せず)が装着される。また、前記センサ取付溝48a、48bの上部には、シリンダチューブ22の軸線と略直交する幅方向(矢印X方向)に突出した突出部49a、49bが形成され、前記突出部49a、49bに対してストッパ機構36a、36bを構成するロック部材(保持部)50a、50bがそれぞれ係合される(図10参照)。
シリンダチューブ22の上面には、前記スリット40から軸線と直交する幅方向(矢印X方向)に所定間隔離間し、上方に向かって所定高さだけ突出した一組のガイド部52a、52bが形成されている。このガイド部52a、52bは、シリンダチューブ22の軸線方向に沿って延在し、前記ガイド部52a、52bには、ガイド機構34を介してスライダ24が軸線方向に沿って変位自在に係合されている。
このガイド部52a、52bは、シリンダチューブ22のスリット40から離間する幅方向(矢印X方向)に所定角度だけ傾斜するように形成されると共に、前記ガイド部52a、52bの上面は略水平となるように形成されている。換言すると、一組のガイド部52a、52bは、スリット40を中心としてシリンダチューブ22の幅方向(矢印X方向)に略対称形状となるように形成されている。
そして、前記ガイド部52a、52bの外側となる外傾斜面(側面)54(図8参照)には、ガイド機構34を介してスライダ24が軸線方向に沿って変位自在に係合されている。
シリンダチューブ22のボア部38には、該ボア部38の断面形状に対応した一組のピストン56a、56bが進退自在に挿入されている。前記ピストン56a、56bの軸線方向に沿った一端部には、図5に示されるように、それぞれ突部58が形成され、前記突部58の周縁部には環状のシール部材60が装着されている。すなわち、ピストン56a、56bがシリンダチューブ22のボア部38に挿入された際、前記ピストン56a、56bとボア部38の内壁面との間がシール部材60によってシールされ、前記ボア部38の内部の気密が保持される。
また、ピストン56a、56bの突部58には、図3〜図5に示されるように、エンドブロック26a、26b側に向かって突出するようにシャフト部62が設けられている。
一方のピストン56aと他方のピストン56bとの間にはウェアリング64a、64bを介してピストンヨーク66が挟持され、前記ピストン56a、56bと一体的に連結されている。このピストンヨーク66は所定厚の板材をプレス成形することにより形成され、前記ピストン56a、56bの間に連結され、ボア部38の断面形状に対応して断面略菱形状に形成される挿通部68と、前記挿通部68の上方に略T字状に形成されるヨーク部70とを含む。
このピストンヨーク66は、図8に示されるように、挿通部68が前記ピストン56a、56bと同様にボア部38の内部に挿入され、前記挿通部68とヨーク部70との接続部位がスリット40に挿通されて前記ヨーク部70がシリンダチューブ22の上部側となるように設けられている。そして、前記ヨーク部70は、シリンダチューブ22の幅方向(矢印X方向)に所定幅で拡幅して形成され、前記ヨーク部70にはスライダ24が装着されている。
ヨーク部70の略中央部には、図5に示されるように、幅方向(矢印X方向)に沿って延在する係合溝72が形成され、略長方形状に形成される前記係合溝72には、略円盤状のカプラー74がその下面に装着された係合部材76を介して装着されている。
また、係合部材76は、カプラー74の下面にシリンダチューブ22の軸線と略直交するように2本のボルト78で装着されている。
断面略コ字状に形成されるスライダ24は、図6〜図8に示されるように、シリンダチューブ22と対向する下面側にカプラー挿入用凹部24aが形成され、前記カプラー挿入用凹部24aには、ピストンヨーク66に装着されたカプラー74が挿入される。なお、カプラー挿入用凹部24aの形状は、カプラー74の形状より半径方向に若干大きく形成されている。これにより、スライダ24が、カプラー74の上部に一体的に装着される。
この場合、スライダ24には、該スライダ24の幅方向(矢印X方向)に沿った両側部に鉛直下方向に向かって突出する一組の保持部80a、80bが形成され、前記保持部80a、80bは、その内部に設けられるガイド機構34を介してシリンダチューブ22のガイド部52a、52bに係合されている。
また、スライダ24の下面には、シリンダチューブ22のガイド部52a、52bと対向する位置に軸受82が保持される保持溝84が軸線方向に沿ってそれぞれ形成されている。前記保持溝84は、前記スライダ24の軸線方向に沿って延在するように形成されると共に、前記スライダ24の上面側に向かって断面略円弧状に窪んで形成されている前記スライダ24の軸線方向に沿った両端部には、前記保持溝84の深さよりさらに深く形成された深溝部86(図7参照)がそれぞれ形成されている。この保持溝84及び深溝部86が軸受82をスライダ24に対して保持する軸受保持部として機能している。
このように、スライダ24は、カプラー74及びピストンヨーク66を介してピストン56a、56bと一体的に装着された状態となるため、前記ピストン56a、56bの軸線方向に沿った変位作用下にスライダ24がガイド部52a、52bによるガイド作用下に軸線方向に沿って変位する。
一方、図6に示されるように、軸受82には、樹脂製材料から形成され、軸線方向に沿って延在する本体部の両端部に上方に向かって所定高さだけ突出した一組のフランジ部88が形成されている。
そして、保持溝84には、図6に示されるように、両端部に突出したフランジ部88を有する軸受82が装着され、前記フランジ部88が深溝部86に係合されている。その際、前記軸受82におけるフランジ部88の間の軸線方向に沿った距離寸法が、前記深溝部86間の軸線方向に沿った距離寸法より大きく形成されているため、前記軸受82が保持溝84の内部で軸線方向に沿って若干だけ変位可能となる。
すなわち、一組の軸受82が、シリンダチューブ22におけるガイド部52a、52bの上面55とスライダ24の下面との間に挟持されているため、前記スライダ24をガイド部52a、52bとの間の摺動面に沿って円滑に変位させることができる。
また、軸受82におけるフランジ部88の端面には、それぞれエンドブロック26a、26b側に向かって突出した凸部90が形成され、前記フランジ部88が深溝部86に係合された際にスライダ24の端面に形成された凹部92に係合される。そのため、保持溝84に装着された軸受82が、前記保持溝84より脱落することを防止できる。
一方、スライダ24の軸線方向に沿った両端面には、図1に示されるように、前記両端面を覆うようにそれぞれカバー部材94がボルト96を介して装着され、前記カバー部材94の略中央部には一組の係止部材98a、98bがそれぞれ設けられている。前記係止部材98a、98bは、カバー部材94の端面より若干だけエンドブロック26a、26b側に突出するように設けられている(図3参照)。すなわち、スライダ24がシリンダチューブ22に沿って軸線方向に変位し、該スライダ24に装着された係止部材98a、98bがストッパ機構36a、36bに当接する。
スライダ24における一方の保持部80aには、複数(例えば、3個)の貫通孔100が形成され、該貫通孔100には、ガイド機構34の第1軸受支持部材102(後述する)を固定するための固定ボルト104が挿通される。前記貫通孔100は、スライダ24の軸線方向に沿って所定間隔離間して形成されると共に、前記スライダ24をシリンダチューブ22に装着した際に、ガイド部52aの側面と略平行となるように所定角度傾斜して形成されている。
また、前記貫通孔100の近傍は、スライダ24の側面より所定深さだけ窪んで形成されているため、固定ボルト104を貫通孔100に挿通して前記ガイド機構34の第1軸受支持部材102を固定する際に、前記固定ボルト104がスライダ24の側面より突出することがない。
さらに、保持部80aには、図7に示されるように、前記貫通孔100が形成される部位より下方にプラグ106が螺合される複数のねじ孔108が所定間隔離間して形成されると共に、前記スライダ24をシリンダチューブ22に装着した際に、シリンダチューブ22のガイド部52aの側面に対して略直交するように所定角度傾斜して形成されている(図8参照)。すなわち、前記ねじ孔108は、前記貫通孔100と略直交するように形成されている。
エンドブロック26a、26bは、図1〜図3に示されるように、ボア部38の開口部を閉塞するようにシリンダチューブ22の両端部にそれぞれ設けられ、前記エンドブロック26a、26bに形成されたねじ装着孔110に装着されたねじ部材112がシリンダチューブ22のねじ穴114に螺合されることにより前記シリンダチューブ22に一体的に組み付けられる。
このエンドブロック26a、26bには、図3に示されるように、上ベルト28及び下ベルト30が挿入される孔部116が上部に形成され、前記孔部116に挿入されている固定部材118を介して上ベルト28及び下ベルト30の端部が2本の固定ねじ120によってそれぞれ固定されている。
エンドブロック26a、26bの側面には、図1及び図4に示されるように、切換弁(図示せず)を介して圧力流体供給源に接続される第1ポート122及び第2ポート124がそれぞれ形成され、前記圧力流体供給源から圧力流体(例えば、圧縮エア)が第1及び第2ポート122、124に対して選択的に供給される。
前記第1及び第2ポート122、124は、エンドブロック26a、26bの内部の図示しない通路、又は、シリンダチューブ22に設けられたバイパス通路46a、46bを通じてシリンダチューブ22内のシリンダ室126a、126b(図3参照)にそれぞれ連通している。このシリンダ室126a、126bは、ボア部38がエンドブロック26a、26bとピストン56a、56bとによって閉塞されることによりそれぞれ形成されている。
また、図1に示されるように、エンドブロック26a、26bの端面には外側ポート128が形成され、前記外側ポート128は、前記エンドブロック26a、26bの内部の図示しない通路、又は、シリンダチューブ22に設けられたバイパス通路46a、46bを通じてシリンダチューブ22内のシリンダ室126a、126bに連通している。なお、外側ポート128は、封止ねじ130が螺合されて塞がれている。
さらに、エンドブロック26a、26bには、図3に示されるように、シリンダチューブ22と対向する内壁面側にピストン56a、56bの変位速度を減速させるための減速機構132が設けられている。
この減速機構132は、ピストン56a、56bと対向するようにエンドブロック26a、26bに円筒体134が装着され、前記円筒体134の内部には軸線方向に沿って挿通孔136が形成されている。そして、挿通孔136の内周面には、環状溝を介して環状のチェックパッキン138が装着され、ピストン56a、56bの軸線方向に沿った変位作用下に前記挿通孔136の内部に前記ピストン56a、56bに連結されたシャフト部62が挿入される。その際、前記チェックパッキン138がシャフト部62の外周面を囲繞するように当接する。
これにより、シャフト部62が挿通孔136の内部に挿入された際、前記挿通孔136内の流体が、微小流路を有する図示しないバイパス流路を介して微小流量でシリンダ室126a、126b側へと排出されるため、前記ピストン56a、56bが変位する際の変位抵抗となり、それに伴って、前記ピストン56a、56bの変位速度を減速させることができる。すなわち、減速機構132は、ピストン56a、56bがエンドブロック26a、26bに近づくにつれて前記ピストン56a、56bの速度を減速させる速度制御機能を有している。
ベルト案内機構32は、図3及び図5に示されるように、ピストン56a、56bの上部に設けられる一組の案内部材140a、140bと、前記ピストン56a、56bにそれぞれ連結されるウェアリング64a、64bとからなり、前記案内部材140a、140b及びウェアリング64a、64bは、例えば、樹脂製材料から形成されている。この案内部材140a、140bは、図5に示されるように、断面略C字状に形成されるベルトセパレート部142と、前記ベルトセパレート部142の略中央から一端部側に向かって突出したベルト押え部144と、前記ベルトセパレート部142及びベルト押え部144の側方に突出して形成される第1爪部146及び第2爪部148とから構成されている。
また、ベルトセパレート部142とベルト押え部144との間には、上ベルト28が挿通される略矩形状のベルト挿通孔150が形成されている。なお、図3に示されるように、断面略C字状に形成されるベルトセパレート部142の湾曲形状は、上ベルト28及び下ベルト30の摺動抵抗が過大とならないような形状に形成される。
ベルトセパレート部142は、図3に示されるように、上下に引き離されて湾曲した上ベルト28及び下ベルト30の間に挟まれ、前記上ベルト28は、ベルトセパレート部142とスライダ24の間に形成された空間部に沿って案内され、前記下ベルト30はベルトセパレート部142とピストン56a、56bの間に形成された空間部に沿って案内されている。
ベルト押え部144は、下方側に向かって所定長だけ突出して形成される突起部152を有し、前記突起部152によって上ベルト28をシリンダチューブ22側に押圧することにより上ベルト28と下ベルト30とが近接する(図2参照)。
また、図5に示されるように、第1爪部146は、下方に向かって所定長だけ突出し、且つ、ベルトセパレート部142の両側に一組となるように形成されており、前記第1爪部146がピストンヨーク66におけるヨーク部70に形成される溝部154にそれぞれ装着される。そして、第2爪部148がヨーク部70の下面に装着されることにより、ピストンヨーク66と案内部材140a、140bとが一体的に強固に連結される。すなわち、スライダ24が移動する際に、ベルトセパレート部142は、上ベルト28と下ベルト30とを離間させるように作用し、ベルト押え部144は、上ベルト28と下ベルト30とを近接させるように作用する。
ウェアリング64a、64bは、図5に示されるように、ボア部38に対応した断面形状に形成され、その上面の略中央には切欠部156が形成されている。前記切欠部156の一端部側には、下ベルト30を案内する下ベルト案内部158が形成されており、前記下ベルト案内部158は、一端部側がウェアリング64a、64bの外周面と略均等の高さ方向の位置に形成され、他端側が下方に若干湾曲して形成される。
前記下ベルト案内部158の湾曲形状は、下ベルト30を案内する際に、下ベルト30の摺動抵抗が過大にならないような形状に形成される(図3参照)。
また、ウェアリング64a、64bの一端部に形成された孔部には磁石160が装着され、シリンダチューブ22のセンサ取付溝48a、48b(図1参照)に装着される図示しない位置検出センサによって、前記磁石160の磁界を検知することにより、ピストン56a、56bの位置が検出される。そして、前記ピストン56a、56bのピン孔部162にピン部材164をそれぞれ圧入することにより、2つのピストン56a、56bがウェアリング64a、64bを介してピストンヨーク66に対して互いに連結される。
ガイド機構34は、図6〜図8に示されるように、スライダ24の保持部80a、80bにシリンダチューブ22のガイド部52a、52bと対向するように設けられ、前記ガイド機構34は、一方の保持部80aにガイド部52aの側面と対向して設けられる第1軸受支持部材102と、他方の保持部80bにガイド部52bと対向して設けられる第2軸受支持部材166と、前記第1軸受支持部材102と保持部80aとの間に挟持される第1弾性部材168と、前記第2軸受支持部材166と保持部80bとの間に挟持される第2弾性部材170とを含む。
第1軸受支持部材102は、一方の保持部80aの内壁面に形成された装着溝172aに装着され、前記保持部80aに形成される貫通孔100を介して複数の固定ボルト104でスライダ24に固定されている。
この第1軸受支持部材102は、例えば、アルミニウム材料等の金属製材料から形成され、一方のガイド部52aの側面に対して略直交して当接するように配設されると共に、前記固定ボルト104が前記ガイド部52aの側面と略平行となるように第1軸受支持部材102に螺合されている。
また、第1軸受支持部材102には、ガイド部52aと対向する側面に軸受82が保持される保持溝174が軸線方向に沿って形成されている。この保持溝174は、スライダ24の下面に形成される保持溝84と略同一形状となるように断面略円弧状に窪んで形成され、前記第1軸受支持部材102の両端部に形成された深溝部176に軸受82のフランジ部88が係合されている。すなわち、軸受82は、第1軸受支持部材102とガイド部52aとの間に挟持されているため、前記スライダ24をガイド部52aとの間の摺動面に沿って円滑に変位させることができる。
さらに、フランジ部88の端面には、それぞれエンドブロック26a、26b側に向かって突出した凸部90が形成され、前記フランジ部88が深溝部176に係合された際に第1軸受支持部材102の端面に形成された凹部92に係合される。そのため、保持溝174に装着された軸受82が、前記保持溝174より脱落することを防止できる。
一方、第1軸受支持部材102には、図8に示されるように、固定ボルト104が螺合されるねじ孔108に臨み、スライダ24の保持部80aと当接する側面に所定深さだけ窪んだ装着穴178が形成され、前記装着穴178には第1弾性部材168が装着されている。
第1弾性部材168は、例えば、板ばね等のスプリングからなり、図6に示されるように、波状に複数箇所が折曲するように形成されている。そして、第1弾性部材168は、第1軸受支持部材102側に向かって凸状となる複数の部位(例えば、3箇所)が装着穴178の内壁面に当接すると共に、凹状となる複数の部位(例えば、4箇所)がスライダ24における装着溝172aの内壁面に当接している。すなわち、第1弾性部材168の弾発力は、前記第1軸受支持部材102とスライダ24の保持部80aとを離間する方向に向かって付勢している。
また、第1弾性部材168は、装着穴178の内壁面に当接した部位がスライダ24の保持部80aに螺合された複数(例えば、3本)のプラグ106によって押圧されている。前記プラグ106は、スライダ24の貫通孔100に対して略直交するようにねじ孔108に螺合されているため、前記第1弾性部材168がプラグ106の螺合作用下に第1軸受支持部材102側に向かって押圧されて保持される。
第2軸受支持部材166は、図6及び図8に示されるように、例えば、アルミニウム材料等の金属製材料から形成され、他方の保持部80bの内壁面に形成された装着溝172bに装着されている。そして、前記第2軸受支持部材166は、装着溝172bに装着される部位が略水平状に形成されると共に、他方のガイド部52b側となる部位が前記ガイド部52bの側面に対して略直交して当接するように形成されている。すなわち、第2軸受支持部材166は、前記ガイド部52bとスライダ24の保持部80bとの間に挟持されている。
前記第2軸受支持部材166には、ガイド部52bと対向する側面に軸受82が保持される保持溝180が軸線方向に沿って形成されている。この保持溝180は、スライダ24の下面に形成される保持溝84と略同一形状となるように断面略円弧状に窪んで形成され、前記第2軸受支持部材166の両端部に形成された深溝部182に軸受82のフランジ部88が係合されている。これにより、図8に示されるように、第2軸受支持部材166を介して軸受82をガイド部52bに対して略垂直に当接させた状態で挟持しているため、前記スライダ24をガイド部52bとの間の摺動面に沿って円滑に変位させることができる。
フランジ部88の端面には、それぞれエンドブロック26a、26b側に向かって突出した凸部90が形成され、前記フランジ部88が深溝部182に係合された際に第2軸受支持部材166の端面に形成された凹部92に係合される。そのため、保持溝180に装着された軸受82が、前記保持溝180より脱落することを防止できる。
第2軸受支持部材166と装着溝172bの内壁面との間には、図6及び図8に示されるように、略長方形状に形成されたプレート状の第2弾性部材170が挟持されている。この第2弾性部材170は、例えば、硬質のゴム製材料から形成され、その略中央部には長手方向に沿って所定長のスリット孔184が形成されている。そして、前記スリット孔184が第2軸受支持部材166の側面に形成された凸状の係合凸部186に係合されることにより、前記第2軸受支持部材166に対する第2弾性部材170の相対的な変位が規制される。
このように、第2軸受支持部材166とスライダ24との間に第2弾性部材170を設けることにより、前記第2弾性部材170の弾発力によって前記第2軸受支持部材166がガイド部52b側に向かって押圧されている。
なお、第2弾性部材170を設けることなく、第2軸受支持部材166と保持部80bの内壁面とを直接当接させるようにしてもよい。
ストッパ機構36a、36bは、図1〜図3に示されるように、シリンダチューブ22の上部側に設けられ、一方のエンドブロック26a側と、他方のエンドブロック26b側にそれぞれ設けられている。なお、ストッパ機構36a、36bは、それぞれ同一の構成要素からなるため、一方のストッパ機構36aについて以下に説明し、他方のストッパ機構36bについては同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このストッパ機構36aは、図9及び図10に示されるように、シリンダチューブ22のガイド部52a、52bに装着される断面略コ字状のストッパボディ(本体部)188と、前記ストッパボディ188の下部側に配設され、前記シリンダチューブ22における突出部49a、49bにそれぞれ係合される一組のロック部材50a、50bと、前記ストッパボディ188に対してロック部材50a、50bを連結する複数の連結ボルト(緊締部材)190と、前記ストッパボディ188に装着され、スライダ24の変位量を調整するストッパピン192と、前記スライダ24が前記ストッパピン192に当接する際の衝撃を緩衝するクッションダンパ194とからなる。
ストッパボディ188は、シリンダチューブ22の幅寸法(図10中、矢印X方向)より長尺に形成され、前記シリンダチューブ22におけるガイド部52a、52bの上部に略水平に装着されている。前記ストッパボディ188の幅方向に沿った両端部には、それぞれ下方に向かって所定長だけ突出した突出部196a、196bが形成されている。すなわち、前記突出部196a、196bは、シリンダチューブ22におけるガイド部52a、52bの側方となるように配設される。前記突出部196a、196bには、前記ストッパボディ188の上面より略鉛直方向に貫通した貫通孔198が形成され、前記貫通孔198はストッパボディ188の両端部にそれぞれ一組ずつ形成されている(図9参照)。
また、ストッパボディ188の略中央部には、シリンダチューブ22の軸線方向に沿って略水平方向に貫通し、ストッパピン192が螺合される第1ねじ孔200と、前記第1ねじ孔200から所定間隔離間し、クッションダンパ194が螺合される第2ねじ孔202とが形成されている。前記第1ねじ孔200と第2ねじ孔202は、ストッパボディ188がシリンダチューブ22に装着された際に、スライダ24における一組の係止部材98a、98bと対向する位置にそれぞれ形成されている。そして、ストッパボディ188の略中央部には、シリンダチューブ22側となる下方に向かって突出した膨出部203が形成され、前記膨出部203が一組のガイド部52aとガイド部52bとの間となるように配設される。
さらに、ストッパボディ188には、該ストッパボディ188の上面と第2ねじ孔202との間を切り欠いたスリット204が形成され、前記スリット204は、第2ねじ孔202から第1ねじ孔200より離間する方向に向かって略水平方向に延在した後に、前記第1ねじ孔200から離間する方向に所定角度して上方へと延在している。そして、ストッパボディ188の上部と下部とを所定間隔離間するように形成されている。すなわち、前記スリット204が接続された第2ねじ孔202は、該スリット204を介して半径方向に拡径・縮径自在に形成されている。
一方、ストッパボディ188には、前記スリット204の上部となる位置にボルト孔206が形成されると共に、前記ボルト孔206と対向するスリット204の下部側にはねじ孔208が形成され、前記ボルト孔206に挿入された調整ボルト210がスリット204を介してねじ孔208に螺合されている。すなわち、ねじ孔208に螺合された調整ボルト210を螺回することにより、ストッパボディ188の内部に形成されたスリット204の間隔を調整することができるため、前記第2ねじ孔202の内周径を拡径・縮径することが可能となる。なお、前記調整ボルト210は、その頭部がボルト孔206の内部に収納されるため、前記調整ボルト210がストッパボディ188の上面より突出することがない。
ロック部材50a、50bは、図10に示されるように、ストッパボディ188における一組の突出部196a、196bに対向する位置にそれぞれ配設され、前記突出部196a、196bと対向する端面にねじ孔212が形成されている。このねじ孔212は、ストッパボディ188の貫通孔198と対向する位置に形成され、前記貫通孔198に挿通された連結ボルト190がねじ孔212に螺合されることにより、前記ロック部材50a、50bがストッパボディ188に対して連結される。
また、ロック部材50a、50bの側面には、該側面より所定長だけ突出した係合突部214がそれぞれ形成され、前記係合突部214がシリンダチューブ22の両側面に形成された一組のセンサ取付溝48a、48bにそれぞれ挿入される。すなわち、前記係合突部214がシリンダチューブ22の突出部49a、49bに係合される。
すなわち、ロック部材50a、50bの係合突部214がそれぞれセンサ取付溝48a、48bに係合された状態で、前記ロック部材50a、50bがストッパボディ188の突出部196a、196bに連結されることにより、前記ストッパボディ188とロック部材50a、50bとがシリンダチューブ22のガイド部52a、52bに対して固定される。
図1、図2及び図9に示されるように、ストッパピン192は円柱状に形成され、外周面に刻設されたねじを介してストッパボディ188の第1ねじ孔200に螺合され、スライダ24のカバー部材94に設けられた一方の係止部材98aと対向するように配設される。そして、前記ストッパピン192の第1ねじ孔200に対するねじ込み量を増減させることにより、該ストッパピン192が軸線方向に沿って変位し、前記スライダ24の係止部材98aがストッパピン192の端部に当接することによって規制される前記スライダ24の変位量が調整される。また、ストッパピン192には、エンドブロック26a、26b側にロックナット216が螺合され、前記ロックナット216を螺回してストッパボディ188の端面へと当接させることにより、前記ストッパピン192の軸線方向に沿った変位が規制されたロック状態となる。
クッションダンパ194は、その外周面にねじが刻設された円柱状に形成され、ストッパボディ188の第2ねじ孔202に螺合されている。そして、第2ねじ孔202にクッションダンパ194が螺合された状態でストッパボディ188に螺合された調整ボルト210を締め付けることにより、ストッパボディ188のスリット204の間隔が狭くなり、それに伴って前記第2ねじ孔202の内周径が縮径する。これにより、前記第2ねじ孔202の内周面によってクッションダンパ194の外周面が所定圧力で押圧されるため、前記クッションダンパ194がストッパボディ188に対して強固に固定される。
また、クッションダンパ194には、その端部にスライダ24と対向するように突出したピン218が設けられ、前記ピン218は軸線方向に沿って進退自在に設けられている。前記ピン218には、クッションダンパ194の内部に設けられた図示しないばね部材若しくは油圧等を介してスライダ24に向かって突出する方向に弾発力が付勢されると共に、前記ピン218がスライダ24に設けられた他方の係止部材98bと対向する位置に配設されている。そして、クッションダンパ194のスライダ24側への突出量は、ピン218が設けられる端部がストッパピン192の端部と略同一平面上となるように設定されている(図2参照)。
すなわち、スライダ24が軸線方向に沿って変位して係止部材98bを介してクッションダンパ194のピン218に当接することにより、前記ピン218がその弾発力に抗してストッパボディ188側に向かって押し下げられるように変位するため、前記ストッパピン192に当接する際にスライダ24に付与される衝撃を緩和することができる。
なお、上述の説明では、シリンダ装置20に対して一組のストッパ機構36a、36bが設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ストッパ機構36a、36bを一方のエンドブロック26a側、又は、他方のエンドブロック26b側のいずれか一方のみに単一で設けるようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係るストッパ機構が適用されるシリンダ装置20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、シリンダチューブ22に対するストッパ機構36aの組み付け方法について説明する。
最初に、ストッパボディ188をシリンダチューブ22のガイド部52a、52bの上面55に配置すると共に、前記ストッパボディ188における突出部196a、196bの下部にロック部材50a、50bをそれぞれ配置する。この際、ロック部材50a、50bの係合突部214をシリンダチューブ22のセンサ取付溝48a、48bに対して側方から略直交するように挿入させると共に、前記ストッパボディ188の貫通孔198とロック部材50a、50bのねじ孔212とが同軸上となるように配設する。
そして、ストッパボディ188の貫通孔198に連結ボルト190を挿通し、前記連結ボルト190をロック部材50a、50bのねじ孔212に螺合することにより、前記ロック部材50a、50bがストッパボディ188に対して接近する方向に変位して一体的に連結される。その際、連結ボルト190によるストッパボディ188及びロック部材50a、50bへの締付力が、ストッパボディ188を介してガイド部52a、52bの上面55に鉛直下方向に付与されると共に、ロック部材50a、50bの係合突部214を介して突出部49a、49bの内壁面に対して鉛直上方向に付与される(図10参照)。そのため、ストッパボディ188とロック部材50a、50bとが前記ガイド部52a、52bの上面55とセンサ取付溝48a、48bとの間に係合されることにより、前記ストッパ機構36aがシリンダチューブ22に対して固定される。なお、他方のストッパ機構36bをシリンダチューブ22に対して固定する場合についても同様である。
このように、ストッパ機構36a、36bをシリンダチューブ22におけるガイド部52a、52bの上面55と該シリンダチューブ22の側面に形成されたセンサ取付溝48a、48bを介して装着することにより、連結ボルト190を螺回して前記ストッパ機構36a、36bを前記シリンダチューブ22に固定する際に、前記連結ボルト190の締付力が、前記ガイド部52a、52bの上面55及び突出部49a、49bの内壁面に対してそれぞれ略鉛直方向に付与される。すなわち、連結ボルト190による締付力は、シリンダチューブ22に対して相反する方向で略同軸上に付与されているため、前記ガイド部52a、52bの上面55に付与される締付力とセンサ取付溝48a、48b(突出部49a、49b)に付与される締付力とを互いに相殺させることができる。
これにより、連結ボルト190によってストッパボディ188をシリンダチューブ22へと固定する際に、連結ボルト190の締付力によるシリンダチューブ22の開口部に対する幅方向への変形が発生することがなく、前記ストッパ機構36a、36bを取り付ける際のシリンダチューブ22の変形を阻止することができる。その結果、前記ストッパ機構36a、36bを装着した場合においても、スライダ24をシリンダチューブ22に沿って円滑に変位させることができる。
また、シリンダチューブ22の変形を防止するために連結ボルト190の締付力を低下させる必要がないため、前記シリンダチューブ22に対してストッパ機構36a、36bを適正な締付力で確実且つ簡便に固定することが可能となる。
さらに、このストッパ機構36a、36bでは、ロック部材50a、50bをシリンダチューブ22に取り付ける際、図示しない位置検出センサを装着するためのセンサ取付溝48a、48bを利用しているため、前記ロック部材50a、50bを係合させる溝を別個に形成する必要がなく、前記シリンダチューブ22に対する製造コストの削減を図ることが可能となる。
次に、このようにストッパ機構36a、36bがシリンダチューブ22に対して装着されたシリンダ装置20の動作並びに作用効果について説明する。なお、スライダ24及びピストン56a、56bが、一方のエンドブロック26a側(矢印B方向)に変位し、一方のストッパ機構36aによって前記エンドブロック26a側(矢印B方向)への変位が規制されている状態を初期位置として説明する。
先ず、この初期位置において、エンドブロック26aの第1ポート122に圧力流体(例えば、圧縮エア)を供給することにより、前記圧力流体がエンドブロック26aの図示しない通路を介してシリンダチューブ22内の一方のシリンダ室126aに導入される。そして、前記圧力流体による押圧作用下にピストン56aが他方のエンドブロック26b側(矢印A方向)に押圧されることにより、ピストンヨーク66及びカプラー74を介して前記ピストン56aと一体的にスライダ24がガイド部52a、52bのガイド作用下に軸線方向に沿って変位する。なお、この場合、第2ポート124は大気開放状態としておく。
その際、案内部材140bのベルト押え部144と下ベルト案内部158によって閉じられていたスライダ24の右側の上ベルト28と下ベルト30がスライダ24の変位に伴ってベルトセパレート部142によって開かれる。また、反対に、案内部材140aのベルトセパレート部142によって開かれていたスライダ24の中央部近傍の上ベルト28と下ベルト30は、前記スライダ24の変位に伴ってベルト案内機構32のベルト押え部144及び下ベルト案内部158によって閉じられる。
すなわち、スライダ24は、上ベルト28及び下ベルト30によってスリット40をシールしてボア部38を閉塞した状態でシリンダチューブ22に沿って軸線方向(矢印A方向)に変位する。
そして、スライダ24がさらに他方のエンドブロック26b側(矢印A方向)へと変位し、ピストン56bの端部に設けられたシャフト部62が円筒体134の挿通孔136の内部に挿入されることにより、前記シャフト部62の外周面と挿通孔136に設けられたチェックパッキン138によって前記シャフト部62と挿通孔136との間を流通する流体の流量が遮断され、その流体の流路が図示しないバイパス流路のみに制限される。そのため、前記ピストン56a、56bの変位速度が低下しながら変位し、前記スライダ24の端面に装着されたカバー部材94の係止部材98bが、他方のストッパ機構36bにおけるクッションダンパ194のピン218に当接する。その結果、前記ピン218をその弾発力に抗して押し下げながらエンドブロック26b側に変位し、ストッパピン192の端部に一方の係止部材98aが当接することにより変位終端位置となる。
次に、図示しない切換弁を切り換えて第2ポート124に圧力流体を供給することにより、前記圧力流体がエンドブロック26bの図示しない通路を通じてシリンダチューブ22の他方のシリンダ室126bに導入される。そして、ピストン56bが、前記圧力流体による押圧作用下に一方のエンドブロック26a側(矢印B方向)に押圧され、前記ピストン56bと共にスライダ24が他方のストッパ機構36bより離間してシリンダチューブ22のガイド部52a、52bに沿って軸線方向(矢印B方向)に変位する。
その際、スライダ24が他方のエンドブロック26b側に変位する場合とは反対に、案内部材140aのベルト押え部144と下ベルト案内部158によって閉じられていた上ベルト28と下ベルト30が、前記案内部材140aのベルトセパレート部142によって開かれ、また、案内部材140bのベルトセパレート部142によって開かれていた上ベルト28と下ベルト30は、ベルト押え部144及び下ベルト案内部158によって閉じられる。
スライダ24がさらに一方のエンドブロック26a側(矢印B方向)へと変位し、ピストン56aに設けられたシャフト部62が円筒体134の挿通孔136に挿入されることにより、前記ピストン56a、56bの変位速度が低下しながら変位する。
そして、前記スライダ24が、その端面に装着されたカバー部材94の係止部材98bを介してストッパ機構36aにおけるクッションダンパ194のピン218に当接し、前記ピン218をその弾発力に抗して押し下げながらエンドブロック26a側に変位する。これにより、ストッパピン192の端部に一方の係止部材98aが当接してスライダ24が停止して初期位置へと復帰する。
また、ストッパ機構36a、36bにおけるロックナット216を螺回してストッパボディ188の端面より離間させた後に、ストッパピン192をストッパボディ188の第1ねじ孔200に沿って軸線方向に変位させることにより、前記ストッパピン192によって係止されるスライダ24の停止位置を変更することができる。これにより、スライダ24が軸線方向に沿って変位する際の変位量を所望の値に設定することが可能となる。
次に、第2の実施の形態に係るストッパ機構が適用されるシリンダ装置250を図11に示す。なお、以下に説明するストッパ機構が適用されるシリンダ装置250、300では、上述した第1の実施の形態に係るストッパ機構が適用されるシリンダ装置20と同一の構成要素に同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この第2の実施の形態に係るストッパ機構252では、ストッパボディ188aにおける膨出部254が、シリンダチューブ22におけるガイド部52a、52bの内傾斜面(上面)256にそれぞれ当接すると共に、一組のロック部材258a、258bに、前記ガイド部52a、52bの外傾斜面54に対向して所定角度傾斜した係合面260が形成され、前記係合面260を介して前記ロック部材258a、258bが前記外傾斜面54に当接している点で、第1の実施の形態に係るシリンダ装置20に適用されるストッパ機構と相違している。なお、この際、ストッパボディ188aの下面は、ガイド部52a、52bの上面55から所定間隔離間するように配設されている。
このストッパボディ188aの膨出部254は、ガイド部52a、52bの内傾斜面256に対向する側面が該内傾斜面256に対応した角度に傾斜して形成され、前記膨出部254の側面とガイド部52a、52bの内傾斜面256とが当接するように配設されている。また、ロック部材258a、258bの係合面260も同様に、ガイド部52a、52bの外傾斜面54に対応する角度にそれぞれ傾斜して形成されている。
また、ストッパボディ188aは、一組のロック部材258a、258bが連結される部位が略平面状に形成され、前記ストッパボディ188aの両端部には下方に向かって突出した爪部262が形成されている。前記爪部262は、ロック部材258a、258bの上面に係合されている。
このように第2の実施の形態に係るストッパ機構252において、前記ストッパボディ188aの膨出部254をシリンダチューブ22のガイド部52a、52bの内傾斜面256に当接させ、前記ストッパボディ188aに連結されるロック部材258a、258bを前記ガイド部52a、52bの外傾斜面54に当接させる。これにより、連結ボルト190を螺回して前記ストッパボディ188aを前記ガイド部52a、52bに固定する際に、前記ストッパボディ188aを介してガイド部52a、52bに付与される前記連結ボルト190の締付力が、前記ガイド部52a、52bの内傾斜面256に対して略直交するように付与される。一方、ロック部材258a、258bを介してガイド部52a、52bに付与される前記連結ボルト190の締付力は、前記ガイド部52a、52bの外傾斜面54に対して略直交するように付与される。なお、ガイド部52a、52bにおける内傾斜面256と外傾斜面54とは略平行に形成されている。
すなわち、連結ボルト190による締付力は、ガイド部52a、52bを内傾斜面256側と外傾斜面54側から挟み込むように付与されている。
これにより、連結ボルト190によってストッパボディ188aをシリンダチューブ22へと固定する際に、前記連結ボルト190からの締付力がガイド部52a、52bを中心として相対する方向から略同軸上に付与されているため、前記ガイド部52a、52bを含むシリンダチューブ22に対して変位力が発生することがない。換言すると、前記ガイド部52a、52bに対して締付力が相反する方向に付与されるため、前記締付力が互いに相殺される。
そのため、ストッパ機構252を取り付ける際のシリンダチューブ22の変形を阻止することができ、それに伴って、前記シリンダチューブ22に沿ってスライダ24を円滑に変位させることができる。
また、シリンダチューブ22の変形を防止するために連結ボルト190の締付力を低下させる必要がないため、前記シリンダチューブ22に対してストッパ機構252を適正な締付力で確実且つ簡便に固定することが可能となる。
さらに、このストッパ機構252では、ロック部材258a、258bをシリンダチューブ22に取り付ける際に、センサ取付溝48a、48bを利用していないため、前記センサ取付溝48a、48bに図示しない位置検出センサを取り付ける際に設置可能範囲を広く確保することができる。
さらにまた、シリンダチューブ22のガイド面に対してストッパボディ188aの膨出部254とロック部材258a、258bの係合面260とがそれぞれ面接触しているため、前記シリンダチューブ22、ストッパボディ188a及びロック部材258a、258bに寸法ばらつきが生じた場合でも、前記寸法ばらつきを好適に吸収することができ、前記ストッパ機構252をシリンダチューブ22に対して強固に固定することができる。
次に、第3の実施の形態に係るストッパ機構が適用されるシリンダ装置300を図12に示す。
この第3の実施の形態に係るストッパ機構が適用されるシリンダ装置300では、ストッパボディ306の膨出部310側となるシリンダチューブ302のガイド部304a、304bの内側面が、円弧状に窪んで形成されると共に、前記ストッパボディ306に連結されるロック部材308a、308bと対向するガイド部304a、304bの外側面が円弧状に窪んで形成されている点、ストッパ機構312におけるストッパボディ306の膨出部310が、前記ガイド部304a、304bの内円弧面(上面)314に向かって円弧状に膨出すると共に、前記ロック部材308a、308bの係合突部316がガイド部304a、304bの外円弧面(側面)318に向かって円弧状に膨出している点で、第1及び第2の実施の形態に係るシリンダ装置20、250に適用されるストッパ機構と相違している。なお、この際、ストッパボディ306の下面がガイド部304a、304bの上面55から所定間隔離間するように配設されている。
このように第3の実施の形態に係るストッパ機構312において、連結ボルト190を螺回してストッパボディ306をガイド部304a、304bに固定する際に、前記ストッパボディ306を介してガイド部304a、304bに付与される前記連結ボルト190の締付力が、前記ガイド部304a、304bの内円弧面314に対して略直交するように付与される。一方、ロック部材308a、308bを介してガイド部304a、304bに付与される前記連結ボルト190の締付力は、前記ガイド部304a、304bの外円弧面318に対して略直交するように付与されている。すなわち、連結ボルト190による締付力は、ガイド部304a、304bを内円弧面314側と外円弧面318側とから挟み込むように付与されている。
これにより、連結ボルト190によってストッパボディ306をシリンダチューブ302へと固定する際に、前記連結ボルト190からの締付力がガイド部304a、304bを中心として相対する方向から略同軸上に付与されるため、前記ガイド部304a、304bを含むシリンダチューブ302に対して変位力が発生することがなく、ストッパ機構312を取り付ける際のシリンダチューブ302の変形を阻止することができる。その結果、前記シリンダチューブ302に沿ってスライダ24を円滑に変位させることができる。
また、シリンダチューブ302の変形を防止するために連結ボルト190の締付力を低下させる必要がないため、前記シリンダチューブ302に対してストッパ機構312を適正な締付力で確実且つ簡便に固定することが可能となる。
また、このストッパ機構312では、ロック部材308a、308bをシリンダチューブ302に取り付ける際に、センサ取付溝48a、48bを利用していないため、前記センサ取付溝48a、48bに図示しない位置検出センサを取り付ける際にその設置可能範囲を広く確保することができる。
一方、上述した第1〜第3の実施の形態に係るストッパ機構36a、36b、252、312が適用されるシリンダ装置20、250、300では、前記シリンダチューブ22、302のスリット40を中心として該シリンダチューブ22、302の幅方向にストッパ機構36a、36b、252、312を対称形状としている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記スリット40を中心として左側を第1の実施の形態に係るストッパ機構36a、36bの形状とし、右側が第2の実施の形態に係るストッパ機構252の形状となるように組み合わせてもよいし、前記スリット40を中心として左側を第2の実施の形態に係るストッパ機構252の形状とし、右側が第3の実施の形態に係るストッパ機構312の形状となるように組み合わせるようにしてもよい。
なお、前記ストッパ機構36a、36b、252、312の配置はシリンダチューブ22、302に対して左右を逆にしてもよいし、第1〜第3の実施の形態に係るストッパ機構36a、36b、252、312の組み合わせであればどのような組み合わせでもよいのは勿論である。
また、上述した第1〜第3の実施の形態に係るストッパ機構36a、36b、252、312は、シリンダチューブ22の両側面にそれぞれ固定されるロック部材50a、50b、258a、258b、308a、308bと、前記ロック部材50a、50b、258a、258b、308a、308bが固定されるストッパボディ188、188a、306の突出部196a、196bを有する構成としているが、例えば、図13に示されるように、前記シリンダチューブ22におけるいずれか一方の側面のみで固定されるストッパ機構36cを採用するようにしてもよい。この場合、ストッパボディ320の端部には、下方に向かって突出した単一の突出部322が形成され、前記突出部322に対してセンサ取付溝48bに係合されたロック部材324が固定される。
これにより、ストッパ機構36cを、シリンダチューブ22の一方の側面側のみに設けられたストッパボディ320の突出部322とロック部材324とを介して前記シリンダチューブ22に対して強固に固定することができる。