JP4908812B2 - 溶融ポリマー用のヒダ付金属繊維フィルタ - Google Patents

溶融ポリマー用のヒダ付金属繊維フィルタ Download PDF

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Description

本発明は、濾過面に形成したヒダにより濾過面積を増大でき、溶融ポリマーの濾過処理に好適に使用されるヒダ付フィルタの改良に関する。
金属繊維フィルタは、高い強度と耐熱性及び耐食性を備え、また圧延加工、溶接加工などの機械加工が可能であり、種々形状、構造の多孔体に製造しうることから流体、粉体用などの濾過用部材として広く使用され、使用する設備、製品に応じて、リーフ形状、円筒形状、あるいはディスク形状などに形成されている。
ディスク形状、リーフ形状の金属繊維フィルタは、濾過面が平板状で高圧濾過が可能なことから主としてフィラメントを溶融紡糸する溶融ポリマーの場合に多用され、一方、円筒形状の金属繊維フィルタは構造簡単で比較的安価に実施できることから、例えば低粘性で低圧濾過される樹脂フィルム用の溶融ポリマー、その他水溶液用の被処理流体などを濾過する濾過部材として用いられている。しかし濾過能率の向上のため、その濾過面積の増大を図ることが望まれている。
ところで前記金属繊維フィルタでは、耐熱性、耐圧強度、耐食性などの要求特性に応じて、例えばステンレス鋼、ニッケル合金などの耐食性金属の金属繊維が選択され、これを所定の空孔特性を持つように繊維の径、目付け量、成形厚さなどの仕様が設定される。特に5mm程度以下の厚さのシート状とした濾材を用いるときには、各金属繊維は被処理流体の流れと直行する向きに配向されるとともに、各繊維同士はその接触部で強固に焼結されるものであることから、例えば被処理流体中で生じる偏析等によるゲル状物を細かく分断できる利点もあり、係る利点を理由の1つとして金属繊維フィルタが採用される。
金属繊維フィルタでは、濾過精度、効率などの濾過性能と、前記利点とのバランスが必要となり、金属繊維の構成(種類、太さ)、目付け、成形厚さ等の仕様とともに種類の異なる複数の濾材を積層した積層濾材として用いることも検討されている。
他方、金属繊維フィルタにおいて、前記のごとく濾過面積を増大することが望まれ、そのためにヒダを設けて濾過面積を増大する場合、該金属フィルタは、前記したように各金属繊維が焼結によって強固に結合され、その結合部のみで形状維持するものであることから、過度の変形を生じさせるときには、例えば図6(A)、(B)に示すように、該金属繊維濾材自体ひび割れ、クラックが生じ、金属繊維フィルタとしては使用しえなくなる。又このようなひび割れは図7において例示するような、胴部aとともに,そのヒダ付金属繊維フィルタの両端を絞る場合には、折曲がり部bを含むコーン状部c、特に先端側の細径部dに生じやすい。
又過度の加工を施したものは、例えば高圧の溶融ポリマーを濾過している使用の間において、時間の経過とともに係るひび割れ、クラックが発生する場合がある。したがって、金属繊維濾材を用いたヒダ付金属繊維フィルタに形成するには、変形に耐え得る加工限界の見極め、あるいは加工に耐え得る構造とすることが肝要となる。
このため、金属繊維濾材を用いた筒状のヒダ付金属繊維フィルタにおいて、繰り返しの濾過処理、逆洗処理によって発生する濾材外頂部でのひび割れを防止する手段として、ヒダ付された多孔質濾材の外面側には厚さの異なるくさび形スペーサーを、また内面側には同一厚さのシム形スペーサーをそれぞれ各ヒダ間に配置する提案がある(例えば特許文献1)。
またジクザグに折り曲げしたプリーツ形成の濾過装置について、該折曲がり頂部を熱処理や樹脂処理などによって補強し強度向上することで、折曲げした時生じる割れや亀裂を防止することの提案もある(例えば特許文献2)。
特公昭63−51049号公報 特開昭50−128868号公報
しかしながら、特許文献1のものは各ヒダの間にくさび形とシム形のスペーサーを各々配置すること、すなわち前記各スペーサーによって濾材にかかるダイヤフラム状運動を防ぎ、頂縁でのひび割れを防止するものとしているが、このようなスペーサーの併用は、各ヒダ部での濾過面が前記スペーサーとの面接触によって被処理流体の円滑な流れを阻害して圧力損失の上昇を招くばかりでなく、使用部品点数の増加、フィルタ製品としての重量化、さらに組立て製造工数の増加などの間題がある。
また特許文献2による濾過装置についても、濾材の各折曲げ頂部を予め熱処理や樹脂処理あるいは溶剤によって微孔を潰すことで強度向上を図るものとしているが、このような封孔処理は有効濾過面積を減少させる他、例えば熱処理によるものでは濾材の加熱部分だけが組織的に変化し、それに伴って組織変化した部分の耐食性や耐熱牲を低下させることともなる。したがって、この技術も本発明が対象とするような、粘性を有し高温濾過が必要となる溶融ポリマー用としては採用できないものである。
本発明は、このような従来技術における間題に鑑み、金属繊維不織布を用いるとともに、ヒダ形成による濾材表面のひび割れ、クラックの発生を抑え、かつ濾過特性に優れたヒダ付金属繊維フィルタの提供を目的にする。
請求項1に係る発明は、周囲の全面に軸方向にのびる成形ヒダを折曲げにより形成した筒状をなす金属製の多孔質濾材を有するヒダ付金属繊維フィルタであって、
金属繊維不織布からなる金属繊維層の1層又は重ね合わせた複数の前記金属繊維層を焼結し一体化することにより該金属繊維層が焼結された2層の焼結シート層を有する2枚以上の焼結メディアを具え、
かつ前記多孔質濾材はこの焼結メディアを、空間層を介在して重ね合わせた積層構造からなり、
かつ各焼結メディアを構成する各焼結シート層の金属繊維の繊維径d(μm)は4.5〜9.2の等価直径を有し、
前記焼結シート層の目付け量w(g/m2 は300〜400であり、
しかも、前記繊維径d、目付け量w及び該焼結メディアの密度比τの次式(1)による計算値(A)が、1423〜1664を満足するように調整したことを特徴とする溶融ポリマー用のヒダ付金属繊維フィルタである。
A=Σ(di×wi)×τ …(1)
(iは各焼結シート層を番号付けしたその番号を示す)。
請求項2に係る発明は、前記焼結シート層の焼結前の金属繊維が、ステンレス鋼であることを特徴とする。また、請求項3に係る発明は、前記焼結メディアが、濾過精度を担保する第1の焼結シート層と、該第1の焼結シートと一体をなしかつ粗な空孔の第2の焼結シート層とからなる複層体からなり、かつ前記多孔質濾材は、2枚の前記複層体からなる前記焼結メディアを、第1,又は第2の焼結シート層を互いに向き合わせてかつその間に空間層を介して線対称に重ね合わせることにより形成したこと、請求項4に係る発明は、前記多孔質濾材が、更にその両外面に該多孔性濾材を保護する保護メッシュを有することをそれぞれ特徴としている。
本発明は、前記のように、多孔質濾材が、焼結メディアを空間層を介して積層しているため、従来の全厚さに亘って一体な多孔質濾材とは異なり、厚さが小となり、しかも空間層での相対すべりを可能とすることにより、各焼結メディアは、その曲げ中立線から内外面までの距離を減じ、引張り応力、圧縮応力を減じることができる。ヒダ付け加工を行う場合にも、各焼結メディアは各々十分な保形強度を有し、かつ曲げ等の変形に対する自由度を大きく設定できる為、濾材全体を一体に焼結した従来の積層濾材に比して、クラックやひび割れ等の欠陥発生を防止することができる。
しかも、前記空間層は、流体の濾過処理特に高粘性ポリマー溶液を濾過する場合には、微細な上流側の濾過層で濾過された被処理流体が該空間層で面方向に流動しながら、さらに下流側の濾過層で濾過されることもでき、被処理流体は急、緩、急の流速で処理されることとなり、滞留を減じてゲル状物の発生を抑え、かつゲル状物の裁断に役立ち、濾過効率を高めることができる。
また請求項2〜4の構成による発明により、さらに濾過特性を高めることができる。
以下、本発明のヒダ付金属繊維フィルタ1を図面に基づき説明する。図1は、本発明のヒダ付金属繊維フィルタの一形態を例示する正面図、図2はその縦断面図、図3は図1のA−A断面における一部のヒダ部分を拡大して示す断面図である。なお、ヒダ数は全周に亘って形成され、ヒダ付金属繊維フィルタ1の使用目的等に応じて適宜に選定しうる。ヒダ付金属繊維フィルタ1は、本形態では、筒状の多孔質濾材2、該多孔質濾材2を内部で補強する補強筒4、及び一端に固着された流体流通用の口金部材10Aと、他端に設ける封止部材10Bとを含む端金具10を具える。又前記多孔質濾材2は、本形態では、軸線Xの方向と平行であって稜部3Aと谷部3Bからなるヒダ3を、周方向に一定間隔でかつ全周囲に亘って折り曲げることにより形成している。さらに本形態では、多孔質濾材2は胴部2Aの両端部に絞り加工によってヒダ3を押し潰した細径部2Bをコーン部2Cを介して形成している。
前記補強筒4は、多孔質濾材2が加圧されたときにも所定の筒形状を維持しうる耐圧性を具え、該多孔質濾材2の内周面に、前記一端では多孔質濾材2の端面から内方に控える控え部4aを、他端では多孔質濾材2の端面からややはみ出る突出部4bを有してほぼ連続して多孔質濾材2に挿入される。又補強筒4は本形態ではパンチングプレートを用いて形成した有孔体からなる。なお有孔体を形成できれば、例えば金網なども用いうる。
又前記口金部材10Aは、本形態では前記控え部4aに嵌合する後端部を有しかつ6角部10Aaと外ネジ部10Abとを一連に形成している。又前記補強筒4の内孔と略同形の貫通孔が形成され、該口金部材10Aは前記多孔質濾材2の一端にシール効果を有して溶着される。又前記封止部材10Bは前記補強筒4に、例えばその突出部4bに内挿される挿入部を有し、かつ多孔質濾材2の他端を封止して溶着される。なお溶着は例えばTIG溶接などを用いて、所定の濾過圧に耐え得る構造としている。
多孔質濾材2の前記ヒダ3は、多孔質濾材2の使用の目的に合わせた厚さ、空孔精度、形状、寸法などの全体構成を考慮して設定できる。通常、例えばヒダの形成ピッチP(前記隣合う稜部3Aの頂点間の直線距離)を5〜20mm,ヒダの高さH(稜部1Aの頂点と谷部1Bの最底点間の半径方向距離)を3〜30mm程度としている。このようなヒダ3が多孔質濾材2を波状に折り曲げすることにより形成される。なお多孔質濾材2は、内周面、又はヒダ3の先端を継ぐ外周面を横断面円形、乃至角状などの非円形に形成することもできる。
図3は、前記多孔質濾材2の胴部2Aの前記A−A線断面において一部のヒダ3を拡大して示し、被処理流体は、図3に矢印Yで示すように前記多孔質濾材2で濾過処理された後、補強筒4の孔部4Aを通り、前記口金部材10Aの端金具10をへて取り出される。
前記多孔質濾材2は、複数枚、本形態では、2枚の焼結メディア12、12…を用いて形成される。焼結メディア12は、図4(A)に示す場合には、金属繊維15を絡み合わせたウェブ状の金属繊維不織布からなりかつ重ね合わせた2層の金属繊維層17A、17Bを用いる。これを焼結し一体化して縮厚することにより、図4(B)に示すごとく、該金属繊維層17Aが焼結された第1の焼結シート層18Aと、他の金属繊維層17Bが焼結された第2の焼結シート層18Bとを具える一体な複層体である焼結メディア12が形成される。なお第1の焼結シート層18Aは、実質的な濾過精度を担保するように微細な空孔を密に配され、従って、金属繊維層17Aも第1の焼結シート層18Aを形成しうる仕様のウェブが用いられる。又第2の焼結シート層18Bは、該第1の焼結シート層18Aに比しては比較的粗大な空孔を有し、その金属繊維層17Bもその仕様に合わせて形成される。このように、第1の焼結シート層18Aと、第2の焼結シート層18Bとは予め一体に結合焼結されることにより、焼結メディア12は複合シートとして形成される。なお、焼結メディア12は、図4(C),(D)のように、1層の金属繊維層17を用いた焼結シート層18として形成することもできる。そのとき、焼結シート層18は、実質的な濾過精度を担保するように微細な空孔の第1の焼結シート層18Aとしても、第1の焼結シート層18Aに比しては比較的粗大な空孔を有する第2の焼結シート層18Bとしても構成しうる。
又本形態では、図4(E)に示すごとく、前記多孔質濾材2は、本形態では2枚の各複合シートからなる焼結メディア12,12を、前記密な第1の焼結シート層18Aを向き合わせて、即ち粗な第2の焼結シート18Bを外側とし、かつその間に空間層20を介在させて鏡像関係、すなわち表裏対称となるように重ね合わした積層構造体としている。又本形態では多孔質濾材2の内外面には、保護メッシュ22,23を添設している。
なお、前記多孔質濾材2は、各焼結メディア12,12が前記のように、前記空間層20を隔てることにより離間状態、すなわち無結合状態で配置されている。又前記空間層20は、必ずしも一定の均一幅さである必要はなく、0.5mm以下程度で隣合う焼結メディア12で変化することもできる。又一定部分を有することも、変化する部分を有することも、又部分的に重なる焼結メディア12が接することも包含できる。
本例のように、複合構造にした焼結メディア12の2枚を用いて、かつ粗な空孔の第2の焼結シート層18Bを各外側に向けることにより、該第2の焼結シート層18Bが被処理流体の流れの向きに拘わらず、第2の焼結シート層18Bが濾過する場合のプレフィルタとして機能し、事前に粗大粒子を捕獲しておくことにより多孔質濾材2としての濾過寿命を延長できる。なお焼結メディア12においてさらに中間の空孔径の層を付加するなど、種々の複合構造を採用できる。
前記焼結メディア12は、これを構成する焼結シート層18の各金属繊維層17における金属繊維15の繊維径d(μm)は4.5〜9.2であり、前記焼結シート層の目付け量w(g/m 2 )は300〜400であり、しかも、前記繊維径d(μm)と、各焼結シート層18の目付け量w(g/m2 )、及び該焼結メディア12における全金属繊維の密度比τとの関係について、次式を満足するものとしている。
A=Σ(di×wi)×τ=1423〜1664 …(1)
ここで、“i”は該焼結メディア12内の焼結シート層18毎の番号を示すものであって、該焼結メディア12が例えば図4(B)のように種類の異なる焼結シート層17からなる積層構造のものの場合の前記A値については、各層毎の金属繊維15の繊維径dとその目付け量Wとを掛けた値の合計値に、更に金属繊維の密度比を掛けることで求められ、本発明ではこの値は無名数として示す。
なお、金属繊維の繊維径dとは、その層を構成する金属繊維の任意横断面での直径(μm)を意味するものであり、その金属繊維の横断面形状が例えば角型や不定形状等の非円形の場合にあっては、各層から各々任意に抽出した例えば20点程度の金属繊維の任意横断面を測定した時の、最長寸法と最短寸法の平均値である等価直径が用いられる。また前記目付け量wについては、前記各金属繊維層17毎の1m2 当たりにおける質量(g)、すなわちg/m2 として示される。なお本発明においては、この焼結前の金属繊維層17の目付け量と、焼結後の焼結シート層の目付量とを同じとして扱う。さらに密度比τについては、JIS Z2500に定義されるように、該焼結メディアが密なものと仮定した場合の所定容積の質量を100として、その容積内に存在している前記金属繊維の全質量との比率で示すものとする。
また前記金属繊維については、ステンレス鋼、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)の他、ニッケル、チタン、コバルトベースの種々合金が選択される。特に多数本の線材を束としてまとめて線引き細径化したのち、各線を分離して線材を細径化するいわゆる集束繊維製造方法によるものでは、前記等価直径程度の微細繊維が可能で、柔軟性も有することからこれを例えば10〜100mm程度の繊維長さにしたものが用いられる。さらにカード機やエアーレイド方法での開繊を行なってウェブ状とした金属繊維不織布とし、該金属繊維不織布を用いて前記金属繊維層17を形成する。なお前記のように、金属繊維層17は所定空隙率(密度の逆数)になるように焼結することにより焼結シート層18が成形される。
また本発明では、前記したように関係式(1)について各メディア12の繊維径dと目付け量w、及び密度との関係を1423〜1664にしているこの値が1423未満のものでは、シート状の該メディア自体が膜状に薄いものとなって、いかにその複数枚を積層するとしても全体的に十分な剛性は得られず、この為、例えばヒダ部ではその形状維持が困難になるなど、濾過圧によって形状変化を生じ濾過性能を低下させることとなる。すなわち、所定の濾材形状やヒダ形状を適正に維持させる為には、各メディアには十分に形状保持強度を備えることが必要であるが、前記範囲下限以下の場合にはその達成が望めない。
一方、この値が1664を超える程大きくしたものでは、その全体厚さが増加して曲率径を小さくすることができず、この為例えば前記ヒダ付け加工を行なう場合は、最も強加工を受ける部分に割れなどの欠陥が生じ、本発明の達成が困難となる
なお前記保護メッシュ6は本発明では必ずしも必要とはしないが、該メッシュ6を併設したものでは前記ヒダ形状の保形性を高めるとともに、各ヒダが仮に密着した場合においても被処理流体の流路が確保できる利点があり、例えばステンレス鋼線でなる30〜100#程度に平織りしたメッシュが容易に適用できるが、それに限るものではなく種々構成のメッシュが採用できる。
本発明はこのように、多孔質濾材2を、2以上の焼結メディアをその間に空間層を介在してなる積層構造とすることにより形成し、かつ焼結メディアを特定条件範囲に設定し筒状に成形してなるものであり、ヒダ付金属繊維フィルタにおけるクラック等の発生を防止しうる。なお必要により更に空間層と焼結メディアを配した3層の焼結メディアからなる複合体であってもよい。又図1に示すようにその端部を絞り加工によって押圧した細径部を持たせることもできる。
ろ過精度3μmのフィルタ製品を目的として、表1に示す繊維径10μm以下の微細ステンレス鋼からなる金属繊維不織布を用いた金属繊維層により表1に示す、実施例品1及び比較例品1.2の3種類の各焼結メディアを作成した。
実施例品1は、各焼結メディアは2種類の繊維径のものを用い、各々目付け調整して積層し焼結したものである。その製造は、各メディア毎に積層したステンレス鋼繊維のウエブを0.24mmの厚さ(t)になるように加圧焼結しており、焼結条件は無酸化雰囲気中で1000℃に加熱したものであり、該メディアには、多孔性濾材の状態でその両面に各々ステンレス鋼製の保護メッシュ(線径0.19mm×30#)が配置されるように、前記焼結時にメディアに同時積層されている。
比較例品1.2も前記と同様に加圧焼結したものであるが、その構成は3種類の繊維径のステンレス鋼繊維を各々所定目付けに設定し、一体に成形したものであって、単一厚さが0.41mm,0.52mmと実施例品の単一厚さの2倍以上とされている。なお、表中の空隙率εとは、該焼結メディアの全体容積当たりの空孔部分を示す比率であり、この比率が大きい程ポーラスであることを意味しており、本実施例ではいづれも63〜66%の特性となっている。
こうして成形された幅1000mmの各焼結シート(実施例品1については、第1のメディアと第2のメディアを積層したもの)を、歯車状の凹凸を持つ2本のヒダ付けロール間に通して、高さ8mmの連続ヒダ付けを形成した前記3種類の多孔質濾材を得た。そして、各濾材に対し、厚さ2mm,外径50mmのパンチングプレートでなる補強筒の表面上に配置して各フィルタを形成してものであり、ヒダピッチは10mmとしている。なお、表1の各値は、各々2本ずづを成形したものの平均値である。
(試験1:外観)
前記ヒダ付け加工に伴う各濾材の割れ、クラックの発生状況を顕微鏡で確認したものであって、実施例品では各層の前記(1)式での値がいずれも1423〜1664と小さいことから、ヒダ部や絞り加工した薄壁部での前記欠陥発生は確認されず、良好なものであった。この状態は図5の断面写真に見ることができ、空間層も厚さ約0.5mm程度を有するものであった。これに対して、比較例品では前記値がいずれも2200以上のものであり、各ヒダ部に図6に見られるような割れが確認された。
(試験2:バブルテスト)
得られた各フィルタについて、JIS−B8356濾過粒度試験に基づく初期及び交点のバブルポイント圧を測定した。試験は、該フィルタの内部からエアーを所定条件で流しながら徐々に圧力を加える方法によるものであって、最初に気泡が発生した時の圧力を初期バブルポイント圧(PAS)とし、さらに圧力を加えて試験した時のエアー圧とエアー流量の関係曲線において変化率が徐々に低下していく領域での接線同士が交差する圧力を交点バブルポイント圧(PES)としている。
すなわち、PASの値が高いもの程、空孔径が小さい精密さを有することを意味し、PES/PASが1に近いほど空孔径が均一であることを意味しており、その結果は表2に示している。
本発明に係わるヒダ付き金属繊維フィルタの一形態を例示する正面図である。 (A)はその一部を削除した縦断面図である。 横断面の一部を拡大して示す拡大部分横断面図である。 (A)は金属繊維層を重ねた状態を示す断面図、(B)は、(A)の金属繊維層を焼結した焼結メディアを例示する断面図、(C)は1層の金属繊維層を例示する断面図、(D)は(C)の金属繊維層を焼結してなる焼結メディアを例示する断面図、(E)は多孔質濾材を拡大して例示する断面図である。 実施例品を細径部で示す断面図である。 図6は従来品のクラック状態を示す図であって,(A)は保護メッシュを付けた状態で例示する正面図、(B)は保護メッシュを取り除いた250倍の拡大正面図である。 従来のヒダ付金属繊維フィルタを例示する正面図である。
符号の説明
2 多孔質濾材
3 ヒダ
12 焼結メディア
17、17A,17B 金属繊維層
18、18A,18B 焼結シート層

Claims (4)

  1. 周囲の全面に軸方向にのびる成形ヒダを折曲げにより形成した筒状をなす金属製の多孔質濾材を有するヒダ付金属繊維フィルタであって、
    金属繊維不織布からなる金属繊維層の1層又は重ね合わせた複数の前記金属繊維層を焼結し一体化することにより該金属繊維層が焼結された2層の焼結シート層を有する2枚以上の焼結メディアを具え、
    かつ前記多孔質濾材はこの焼結メディアを、空間層を介在して重ね合わせた積層構造からなり、
    かつ各焼結メディアを構成する各焼結シート層の金属繊維の繊維径d(μm)は4.5〜9.2の等価直径を有し、
    前記焼結シート層の目付け量w(g/m2 は300〜400であり、
    しかも、前記繊維径d、目付け量w及び該焼結メディアの密度比τの次式(1)による計算値(A)が、1423〜1664を満足するように調整したことを特徴とする溶融ポリマー用のヒダ付金属繊維フィルタ。
    A=Σ(di×wi)×τ …(1)
    (iは各焼結シート層を番号付けしたその番号を示す)。
  2. 前記焼結シート層の焼結前の金属繊維は、ステンレス鋼である請求項1に記載のヒダ付金属繊維フィルタ。
  3. 前記焼結メディアは、濾過精度を担保する第1の焼結シート層と、該第1の焼結シートと一体をなしかつ粗な空孔の第2の焼結シート層とからなる複層体からなり、
    かつ前記多孔質濾材は、2枚の前記複層体からなる前記焼結メディアを、第1,又は第2の焼結シート層を互いに向き合わせてかつその間に空間層を介して線対称に重ね合わせることにより形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のヒダ付金属繊維フィルタ。
  4. 前記多孔質濾材は、更にその両外面に該多孔質濾材を保護する保護メッシュを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒダ付金属繊維フィルタ。
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