JP4908267B2 - 遮断器の同期開閉制御システム - Google Patents

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本発明は、遮断器の同期開閉制御システムに係り、特に遮断器の開極および閉極タイミングを制御して、系統や電力機器に過酷となる過渡現象を発生させないようにした遮断器の同期開閉制御システムに関する。
電力用遮断器の開極および閉極タイミングを制御して、系統や電力機器に過酷となる過渡現象を発生させないようにする方法は、従来から種々提案されている。
例えば、特許文献1に示す従来技術では、どのような開閉条件でも系統や機器に悪い影響を及ぼすような過渡現象を発生することのない電力開閉制御装置が記載されている。電流遮断時に十分な遮断器接触子の開離長が得られるように、遮断器の開極タイミングを制御する装置が提案されている。また、遮断器の接触子の閉合タイミングの制御も行い、負荷の種類に応じて閉極タイミングを制御する装置が提案されている。
このような遮断器の開閉制御装置は、開極指令信号または閉極指令信号を検出した時に、所望の位相で遮断器を遮断または投入させるために、遮断器への開極指令信号または閉極指令信号の出力タイミングを遅延させる機能を有しており、すでに実際の電気所に多数適用されている。
また、特許文献2に示す従来技術では、遮断器の開閉制御装置のハードウエア構成の一例を提案している。特に、特許文献2に示す遮断器の開閉制御装置は、動作出力部の構成において、バイパス回路を遮断器開閉制御用スイッチに対して並列に接続し、開閉制御に関する異常が検出された際にバイパス回路に自動的に切換わる構成を提案している。以上のような遮断器の開閉制御は、同期開極制御または同期閉極制御と呼ばれている。
特開平3−156820 特開2000−207982
電気所に適用されている遮断器の同期開閉制御装置は、通常これ単独で動作することはなく、回線単位制御ユニット(Bay Control Unit、以下、BCUと略称する)などの上位制御装置や現場の開閉装置制御回路と組み合わせて動作する。
従って、遮断器の同期開閉制御装置を含む遮断器制御回路のシーケンスは、十分な信頼性を確保するために、BCUなどの上位制御装置と現場の開閉装置制御回路の動作や協調を十分に考慮したシーケンスとする必要がある。
それにもかかわらず、従来の遮断器の同期開閉制御システムはこの点が不十分であり、BCUなどの上位制御装置と現場の開閉装置制御回路の動作や協調などが十分に考慮されていない。
例えば、特許文献2に示す従来技術では、遮断器の同期開閉制御装置の内部に遮断器開閉制御用スイッチのバイパス回路を有し、異常が検出された際にバイパス回路に自動的に切換わる構成を採用している。この構成で問題なのは、異常検出回路も同じ遮断器の同期開閉制御装置の内部に構成している点である。すなわち、異常が発生している装置と、異常を検出してバイパス回路に切換えを実行する装置が同一であるため、バイパス回路の信頼性を十分に確保することができない。
また、従来の遮断器の同期開閉制御システムは、BCUなどの上位制御装置との協調を取っていないため、BCUなどの上位制御装置が出力した開閉指令信号に対して、系統の状態とは無関係に同期開閉制御を実行する。しかし、例えば、BCUなどの上位制御装置が異系統投入または同系統投入における自動同期機能(BCUの自動同期機能は、本発明の同期開極制御、同期閉極制御とは異なる機能である)を使って投入指令を出力する場合など、系統の状態とは無関係に同期開閉制御を実行すると問題となる場合がある。
また、2重母線構成の電気所では、通常は両母線それぞれに計器用変圧器(VT、またはPD)が設置されており、通常はどちらか一方の計器用変圧器からの系統電圧信号を遮断器の同期開閉制御装置に入力する必要がある。しかし、両母線の計器用変圧器と遮断器の同期開閉制御装置の接続に協調が取れていない。
また、遮断器の同期開閉制御装置は、一般に変流器(CT)や計器用変圧器(VT、またはPD)の出力である主回路電流や系統電圧の位相を監視して、同期開極制御または同期閉極制御を実行するが、工場試験や現地試験においては、主回路電流や系統電圧を必ずしも入力することができない。従って、工場試験や現地試験を実施するために主回路電流や系統電圧に相当する信号を模擬し、模擬主回路電流と模擬系統電圧を遮断器の同期開閉制御装置に入力して試験する必要があるが、従来の遮断器の同期開閉制御システムは、このような回路構成が成されていない。
さらに、従来の遮断器の同期開閉制御システムでは、遮断器本体と遮断器の同期開閉制御装置は回線単位に1対1の対応であった。これまでは遮断器の同期開閉制御装置とBCUなどの上位制御装置、現場の開閉装置制御回路の動作や協調を考慮した遮断器制御回路が検討されていなかったため、これは当然の帰結であったと考えるが、遮断器本体と遮断器の同期開閉制御装置は必ずしも1対1である必要はなく、このようなシステム構成は非経済的である。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、遮断器の同期開閉制御装置とBCUなどの上位制御装置、現場の開閉装置制御回路の動作や協調を十分に考慮した遮断器制御回路を構成することにより、高い信頼性と高い経済性を有する遮断器の同期開閉制御システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、前記同期開閉制御手段の開極指令信号の入出力回路または閉極指令信号の入出力回路の少なくとも一方の入出力回路に対して並列にバイパス回路を接続し、前記同期開閉制御手段の入出力回路と前記バイパス回路との切換えを、前記制御指令出力手段により制御することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、前記同期開閉制御手段は、閉極指令信号が継続している状態で遮断器を遮断したときに、遮断器が再投入されることを防止する手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、前記同期開閉制御手段は、遮断器を投入操作した時に3相の遮断器が全て閉極状態にならない3相不揃いの期間が一定時間継続した場合、または、遮断器を遮断操作した時に3相の遮断器が全て開極状態にならない3相不揃いの期間が一定時間継続した場合に、遮断器に開極指令信号を出力する手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、前記遮断器の同期開閉制御手段の開極指令信号または閉極指令信号の入出力回路の少なくとも一方に対して抵抗を並列に接続したことを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、複数の母線にそれぞれ接続された複数の断路器の共通接続点に前記遮断器を接続し、前記断路器が閉路状態となっている側の母線電圧を前記遮断器の同期開閉制御手段に入力する選択回路を備えたことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、模擬系統電圧または模擬主回路電流の少なくとも一方を前記遮断器の同期開閉制御手段に入力する回路を備えたことを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、前記遮断器の同期開閉制御手段は、2回線以上の前記遮断器と前記遮断器の制御指令出力手段に接続されており、選択された回線の系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を出力する制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、高い信頼性と高い経済性を有する遮断器の同期開閉制御システムを提供することができ、工場試験や現地試験を簡易化できる遮断器の同期開閉制御システムを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る遮断器の同期開閉制御システムの実施形態を説明する。なお、各実施形態の図に関して共通する部分については同一符号若しくは関連符号を付けることにより適宜説明を省略する。
(実施形態1)
図1および図2はともに、本発明の実施形態1における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成図であり、このうち、図1は遮断器閉極制御回路構成図であり、図2は遮断器開極制御回路構成図である。また、図3は本実施形態における遮断器の同期開閉制御装置およびBCU(回線単位制御ユニット)の機能ブロック図、図4は本実施形態における遮断器の同期閉極制御のタイミングチャートである。
(構成)
図1および図2を参照して遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成図について説明する。
図1に示した遮断器制御回路構成図について説明する。
図1の遮断器制御回路構成図は、紙面の左側と右側に2分されており、左側の回路は「開閉指令信号出力回路」であり、また右側の回路は当該「開閉指令信号出力回路」からの指令信号を受けて遮断器に制御指令、すなわち開極指令あるいは閉極指令を出力する「開閉指令信号回路」である。
なお、図1の遮断器制御回路構成図は、「遮断器の閉極制御」に関する回路であるため、左側の「開閉指令信号出力回路」は「閉極指令信号出力回路」10−1として機能するように構成され、また、右側の「開閉指令信号回路」は、「閉極指令信号回路」20−1として機能するようにそれぞれ構成されている。
まず、左側の閉極指令信号出力回路10−1について説明する。
閉極指令信号出力回路10−1は、制御電源母線のP側(プラス側)〜N側(マイナス側)間に、BCU制御指令出力手段300と、手動制御指令出力手段400と、インターロック用補助リレーの接点ILKとを接続することによって構成されている。
このうち、BCU制御指令出力手段300は、BCU(回線単位制御ユニット)310と、手動バイパス用の補助リレー43CSSと、自動バイパス用の補助リレーABPSと、閉極指令用の補助リレー52CX1とを備えている。
そしてBCU310には、図示していない変流器(CT)や計器用変圧器(VT)、および遮断器補助接点(a接点、b接点)などの回路の信号が入力され、さらに、集中監視制御装置(Station Control Unit;略称SCU)などからの遠隔制御指令や遠方バイパス指令なども入力されるようになっている。
なお、BCU310の内部要素である「手動バイパス要素」、「自動バイパス要素」および「閉極指令出力要素」については後述することとし、ここでは破線のスイッチとして示してある。
一方、手動制御指令出力手段400は、前述したBCU310を使用しないで手動制御指令を出力するようにする機能、及び、前述したBCU310内の「閉極指令出力要素」に対して手動制御指令を出力するように機能する手段であって、2個の切換接点43RL(BCU)および43RL(LOCAL)を有する切換スイッチ43RLと、ローカルスイッチS0と、閉極指令用の補助リレー52CX2とを備えている。
なお、43BCUは、前記切換スイッチ43RLとは別に設けられている切換スイッチであり、2個の切換接点43BCU(BCU)および43BCU(LOCAL)を備えている。このうち、切換接点43BCU(BCU)は、BCU310内の「閉極指令出力要素」に手動制御指令を与えるように接続されている。
そして、これら2種類の切換スイッチの切換接点43RL(LOCAL)と43BCU(BCU)とを直列接続したうえで、前記切換接点43RL(BCU)に並列接続し、切換接点43RL(LOCAL)と43BCU(LOCAL)とを直列接続したうえで、前記補助リレー52CX2と直列に接続している。なお、補助リレー52CX1および52CX2は、前記インターロック用補助リレーの接点ILKを介して制御電源母線のN側に接続されている。 次に、右側の閉極指令信号回路20−1について説明する。
閉極指令信号回路20−1は、制御電源母線のP側〜N側間に、前述した補助リレー52CX1の接点を介して同期開閉制御装置100、操作機構駆動回路200およびロック条件用補助リレー63の接点を直列接続して構成されている。
しかも、閉極指令信号回路20−1は、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路(同期閉極指令信号(単に閉極指令信号ともいう)の流れる回路)101に対して、前記補助リレーABPSの接点および補助リレー43CSSの接点を並列接続しており、補助リレーABPSまたは補助リレー43CSSが動作した場合には当該同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101をバイパスするようにしている。
前記同期開閉制御装置100は、内部に破線で示す開閉制御信号出力時間算出手段110、閉極指令信号出力遅延手段121および閉極指令出力部131を備えるとともに、ここでは図示していないが後述する常時監視や同期開閉制御条件逸脱監視を監視する手段も備えている。
開閉制御信号出力時間算出手段110には、前述したBCU310と同様に図示していない変流器(CT)、計器用変圧器(VT)、遮断器の補助接点(a接点、b接点)が接続されるほか、温度センサや油圧センサなどのセンサ類なども新たに接続されるようになっている。
前記閉極指令出力部131(131a〜131c)は、例えば、半導体スイッチで構成されており、前記補助リレー52CX1の接点および操作機構駆動回路200間に直列に接続されている。
そして、操作機構駆動回路200は、遮断器駆動コイル52C(投入コイル)、遮断器補助開閉器Q0(b接点)、図示していない補助接点(a接点、b接点)などから構成されている。
なお、図1の閉極指令信号回路20−1には、アンチポンピング回路、欠相保護回路、インターロック回路、圧力スイッチなどのロック条件構成回路、閉路ブロック回路などについて示していないが、遮断器を含む開閉装置の制御回路の一般的な構成要素は接続されているものとする。
また、図1の閉極指令信号出力回路10−1には、BCU310以外の上位装置は省略しているが保護リレー、SCUなど一般的な上位装置とその周辺回路は接続されていることとする。
なお、図1に示した遮断器制御回路構成は、その一例であることは言うまでもなく、同様の機能を有する如何なる回路も本発明の適応対象であることは言うまでもない。
次に、図2を参照して遮断器制御回路構成図について説明する。
図2も図1と同じように、紙面左側の回路が「開閉指令信号出力回路」であり、また右側の回路が「開閉指令信号回路」であるが、図2は、遮断器の開極制御回路であるため、左側の「開閉指令信号出力回路」は「開極指令信号出力回路」10−2として機能するように構成され、また、右側の「開閉指令信号回路」は、「開極指令信号回路」20−2として機能するように構成されている。
図2から明らかなように、この開極指令出力回路10−2は、前述の閉極指令出力回路10−1と類似したBCU制御指令出力手段と手動制御指令出力手段とを備えているが、開極用であるが故に図1の「閉極指令出力」を「開極指令出力」に、「補助リレー52CX1」を「補助リレー52TX1」に、「補助リレー52CX2」を「補助リレー52TX2」にそれぞれ置き換えた点が異なる。しかし、BCU、補助リレー43CSS、補助リレーABPSは、一般的には開極用と閉極用とで共通の要素として使用される。
同様に、開極指令信号回路20−2も閉極指令信号回路20−1と類似の回路構成であるが、開極用であるが故に同期開閉制御装置100の「閉極指令信号出力遅延回路121」を「開極指令信号出力遅延回路122」に、「閉極指令出力部131」を「開極指令出力部132」に、「閉極指令信号入出力回路101」を「開極指令信号入出力回路102」に、「補助リレー52CX1の接点」を「補助リレー52TX1の接点」に、「補助リレー52CX2の接点」を「補助リレー52TX2の接点」にそれぞれ置き換え、また、遮断器補助開閉器Q0(b接点)を(a接点)に置き換え、さらに遮断器駆動コイル52C(投入コイル)を遮断器駆動コイル52T(遮断コイル)に置き換えた点が異なる。
なお、図2の開極指令信号回路20−2には、欠相保護回路、インターロック回路、圧力スイッチなどのロック条件構成回路などについて示していないが、遮断器を含む開閉装置の制御回路の一般的な構成要素は接続されているものとする。
また、図2の開極指令信号出力回路10−2には、BCU310以外の上位装置は省略しているが、遮断器の補助開閉器Q0(a接点;遮断用)、遮断器駆動コイル52T(遮断コイル)に接続されている保護リレー、及びSCUなど一般的な上位装置とその周辺回路は接続されていることとする。
なお、図2に示した遮断器制御回路構成は、その一例であることは言うまでもなく、同様の機能を有する如何なる回路も本発明の適応対象であることは言うまでもない。
次に、図3を参照して実施形態1の同期開閉制御装置およびBCUの機能について説明する。
なお、図3では閉極指令信号が流れる回路を太線で示した閉極指令回路1相分のみ図示し、他相分は図示を省略している。同期開閉制御装置100およびBCU310の機能ブロックも1相分のみ図示しているが、3相分の構成および機能を有することは言うまでもない。また、図2に対応する開極指令回路も、閉極指令回路と同様の回路を3相分有することは言うまでもない。
図3において、同期開閉制御装置100は、概要をすでに図1で説明したように、開閉制御信号出力時間算出手段110、閉極指令信号出力遅延手段121、閉極指令出力部131を備えるとともに、併せて常時監視手段140および同期開閉制御条件逸脱監視手段150を備えている。そして、開閉制御信号出力時間算出手段110には、すでに図1で図示したように、変流器(CT)、計器用変圧器(VT)、遮断器の補助接点(a接点、b接点)、温度センサや油圧センサなどのセンサ類などが接続されるようになっている。
ところで、常時監視手段140は、同期開閉制御装置100の故障の有無を自己監視するための手段である。例えば、同期開閉制御装置100自体に課電されている電源の監視、アナログ回路の監視、搭載しているCPUの走行監視、RAMおよびROMの監視、サム値チェック、半導体スイッチの故障監視、センサの故障監視などを常時監視として実行する。そして、この常時監視手段140が故障を検出した場合は、BCU310に設けられている自動バイパス出力手段313に対して、故障警報接点出力を送るように動作する。
なお、図3では、故障監視内容を全て常時監視として纏めて故障警報接点出力する構成としたが、故障のレベルに応じて故障警報接点を重故障と軽故障に分けるなど、保護・制御装置の分野で一般的に実施されている故障警報接点構成としても良いことは言うまでもない。
次に、同期開閉制御条件逸脱監視手段150は、同期開閉制御装置100が所定の投入または遮断精度で同期投入または同期遮断が可能か否かを監視する手段である。例えば、VTから取り込んだ系統電圧のレベルや、CTから取り込んだ主回路電流のレベルが予め設定している所定のレベル以下である場合は、同期開閉制御条件逸脱警報接点出力を、また、遮断器制御電圧や油圧が所定の範囲から逸脱している場合には、同期開閉制御条件逸脱警報接点出力を、それぞれ前述の自動バイパス出力手段313に対して送るように動作する。なお、常時監視手段140、同期開閉制御条件逸脱監視手段150で監視するアイテムは上記以外にも必要に応じて追加・選択できることは言うまでもない。
BCU310については、すでに図1の説明で概要について説明したが、詳細に説明すれば閉極指令出力手段311、手動バイパス出力手段312、自動バイパス出力手段313、負荷電圧検出手段314などを備えている。そして、これらの手段には負荷側VT、遠隔制御指令、遠方バイパス指令などが入力されている。
BCU310の手動閉極スイッチ315、手動バイパススイッチ316は、BCUの正面パネルなどに取り付けてあるスイッチ(パネル操作、ボタン操作など方式は問わない)であり、BCUからの直接操作(ローカル(LOCAL)操作)のためのスイッチである。その他の一般的なBCUの機能を示すブロックは図示を省略しているが、本実施形態のBCU310が一般的なBCUとしての機能を備えていることは言うまでもない。
図3の閉極指令回路には、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101の両端子間、すなわち閉極指令出力部131の入出力端子間にはバイパス回路を2つ並列にして接続している。一方のバイパス回路は自動バイパス回路であって、補助リレーABPSの接点で構成されている。もう一方のバイパス回路は手動バイパス回路であり、補助リレー43CSSの接点で構成されている。
なお、図3中太線で示す閉極指令信号回路は、補助リレー52CX1による閉極指令信号の中継を行う替わりに、閉極指令信号を直接、同期開閉制御装置100に入力するように構成を変更しても良いことは言うまでもない。
(作用)
本実施形態1における遮断器の同期開閉制御システムの具体的な同期開閉制御動作について以下に説明する。
第1に、同期開閉制御装置100による同期閉極制御動作について説明する。
遮断器の主接点(主接触子)を系統電圧の所定の位相にて閉極させる同期閉極制御を行うために、遮断器の同期閉極制御装置100は以下のように動作する。
BCU310から出力された遮断器の閉極指令信号(図1では、補助リレー52CX1の接点オン状態で遮断器駆動電流が流れる)は、遮断器の同期閉極制御装置100内の閉極指令信号出力遅延手段121によって検出される。閉極指令信号出力遅延手段121は、閉極指令信号を検出してから所定の遅延時間経過後に閉極指令出力部131の半導体スイッチをオン動作させる。
この時、同期閉極制御された閉極指令信号、すなわち同期閉極制御信号(遮断器駆動電流)が遮断器駆動コイル52C(投入コイル)に流れ、遮断器は系統電圧の所定の位相で閉極動作する。
次に、図4で示す遮断器の同期閉極制御のタイミングチャートを参照して、遮断器の同期閉極制御装置100の閉極指令信号出力遅延手段121の動作について詳細に説明する。
閉極指令信号出力遅延手段121は、tcommandのタイミングで閉極指令信号検出後、次に来る母線側電圧の零クロス点のタイミングtzeroを待つ。零クロス点のタイミングtzeroは開閉制御信号出力時間算出手段110が、系統電圧である母線側電圧波形を用いて常時検出している。
この零クロス点のタイミングtzeroから同期閉極遅延時間Tdelayの経過後に、遮断器に対して「同期閉極制御した閉極指令信号」を出力すれば、遮断器が系統電圧(母線側電圧)の所定の位相(図4ではtcloseのタイミング)で閉極するとして、同期閉極遅延時間Tdelayを算出する。
理想的には同期閉極遅延時間Tdelayは、零クロス点から目標投入位相(電気的な目標投入位相のことで、図4ではtmakeのタイミング)までの時間Ttargetと、目標投入位相に対応するプレアーク時間Tpre-arcingと、遮断器の閉極動作時間Tclosingと、系統周期Tfreqを用いて次式で得られる。
delay = Tfreq + (Ttarget + Tpre-arcing − (Tclosing %Tfreq ) )
( 0 ≦ Tdelay < 2 x Tfreq )
ただし、(Tclosing %Tfreq )は、Tclosing / Tfreq の余り
ただし、実際の系統電圧の零クロス点のタイミングと同期開閉制御装置100が認識する零クロス点のタイミングにはズレ(遅れ)があるので、閉極指令信号出力遅延手段121はこのズレを考慮して、理想的な同期閉極遅延時間Tdelayに補正を加えるものとする。
以上の演算結果を用いて、閉極指令信号出力遅延手段121は、零クロス点のタイミングtzeroを基準として、同期閉極遅延時間Tdelayの遅延時間後に、同期閉極制御された閉極指令信号を出力して、遮断器の遮断器駆動コイル52C(投入コイル)を駆動すれば良い。
また、遮断器の閉極動作時間Tclosingは、遮断器温度、遮断器操作圧力、遮断器制御電圧、遮断器動作回数、遮断器休止時間等によって変動する。同期開閉制御装置100はこれらのデータを常時取得可能なので、これらのデータを用いて閉極動作時間Tclosingの補正演算を行うことができる。
また、同期開極制御においても同様な動作を行うことは言うまでもない。ただし、同期開極制御では、一般には主回路電流の零クロス点を基準に制御し、プレアーク時間を考慮する必要はない。
なお、本実施形態で示した同期開閉制御アルゴリズムは、その一例であり、その他のいかなる同期開閉制御アルゴリズムも本発明に適用できることは言うまでもない。
次に本実施形態の図1、図3に示す遮断器制御回路の動作と、同期開閉制御装置100の開閉指令信号入出力回路101とバイパス回路との切換制御動作について説明する。
図1、図3に示す遮断器制御回路には、(1)BCU制御指令出力手段300による制御と、(2)手動制御指令出力手段400による制御との2種類の遮断器制御方法がある。
以下、それぞれの制御方法について説明する。
(1)BCU制御指令出力手段300による制御。
(1−1)通常の制御。
(i) 遠隔制御指令によりBCU310から遠隔操作を行う場合のシーケンス。
遠隔制御指令により、BCU310から開閉指令信号が出力され、補助リレー52CX1の接点がオン状態となって、閉極指令出力部131の半導体スイッチが導通するので、遮断器は同期閉極制御されて投入される。
図1、図3の実施形態では、切換スイッチ43RLをBCU側に切換えた状態で、BCU310に遠隔制御指令が入力されると、遮断器は同期閉極制御されて投入される。
(ii) BCU310からの直接操作(ローカル操作)を行う場合のシーケンス。
BCU310の正面パネルに設けてある手動閉極スイッチ315(パネル操作、ボタン操作など方式は問わない)を押すことで、BCU310から開閉指令信号が出力され、補助リレー52CX1の接点がオン状態となって、閉極指令出力部131の半導体スイッチが導通するので、遮断器は同期閉極制御されて投入される。
図1、図3の実施形態では、切換スイッチ43RLをLOCAL側、切換スイッチ43BCUをBCU側に切換えた状態で、手動閉極スイッチ315を押すことで、遮断器は同期閉極制御されて投入される。
(1−2)手動バイパス切換え時の制御。
遠隔バイパス信号がBCU310に入力された時、またはBCU310の正面パネルに設けてある手動バイパススイッチ316(パネル操作、ボタン操作など方式は問わない)が押された時に、手動バイパス出力手段312がバイパス信号を出力し、補助リレー43CSSが励磁される。この時、補助リレー43CSSの接点がオン状態になることで、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101に並列に接続された手動バイパス回路が成立する。
手動バイパス回路が成立している状態で、遠隔制御または直接操作によりBCU310から開閉指令信号が出力されて補助リレー52CX1が動作し、その接点がオン状態になると、同期開閉制御装置100の状態の如何に因らず、同期閉極制御なしで遮断器はランダムに投入される。
なお、図1および図3の実施形態では、手動バイパス回路は、BCU310から出力される手動バイパス信号により補助リレー43CSSを励磁させるように構成したが、補助リレー43CSSの代わりに、手動バイパス用の切換スイッチを採用しても良い。
(1−3)自動バイパス切換え時の制御。
BCU310の自動バイパス出力手段313がバイパス信号を出力すると、補助リレーABPSが励磁される。この時、補助リレーABPSの接点がオン状態になることで、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101に並列に接続された自動バイパス回路が成立する。
自動バイパス回路が成立している状態で、遠隔制御または直接操作によりBCU310から開閉指令信号が出力されて補助リレー52CX1が動作しその接点がオン状態になると、同期開閉制御装置100の状態の如何に因らず、同期閉極制御なしで遮断器はランダムに投入される。
次に、BCU310の自動バイパス出力手段313がバイパス信号を出力する条件例について説明する。
(i) 同期開閉制御装置100の状態量による制御。
同期開閉制御装置100の状態量とは、同期開閉制御装置100の故障の有無や、同期開閉制御装置100が同期開閉制御を正常に制御できる条件であるか否かなどの情報である。
同期開閉制御装置100の故障の有無は、常時監視手段140が、電源監視、アナログ回路監視、CPUの走行監視、RAMおよびROM監視、サム値チェック、半導体スイッチの故障監視、センサの故障監視などを常時自己監視して検出している。この常時監視手段140が故障を検出した場合は、BCU310に対して故障警報接点出力を送る。
BCU310の自動バイパス出力手段313は、同期開閉制御装置100からの故障警報接点が入力されると、バイパス信号を出力する。
同期開閉制御装置100が同期開閉制御を正常に制御できる条件は、同期開閉制御条件逸脱監視手段150によって監視されている。同期開閉制御条件逸脱監視手段150は、系統電圧のレベルや主回路電流のレベルが所定のレベル以下である場合、または、遮断器制御電圧や油圧が所定の範囲を逸脱している場合などに、BCU310に対して、同期開閉制御条件逸脱警報接点出力を送る。
BCU310の自動バイパス出力手段313は、同期開閉制御装置100からの同期開閉制御条件逸脱警報接点出力が入力されると、バイパス信号を出力する。
なお、必要に応じて上記以外の同期開閉制御装置100の状態量をBCU310の自動バイパス出力手段313に入力して、自動バイパス切換制御の条件に追加・削除しても良いことは言うまでもない。
(ii) 遮断器の両側に印加された電圧の状態による制御。
BCU310が異系統投入または同系統投入における自動同期機能(BCU310の自動同期機能は、同期開閉制御装置100の同期開極制御、同期閉極制御とは異なる機能で有る)を使って投入指令を出力する場合がある。
異系統投入または同系統投入における自動同期機能は、通常、負荷側電圧(線路側電圧)が有りの場合に実行される。この時、同期開閉制御装置100を使った同期投入制御を同時に行うと、BCU310の自動同期機能が正常に動作しない可能性がある。このため、BCU310の自動同期機能を使用する場合は、同期開閉制御装置100を使用しないようにする必要のある場合がある。
BCU310の自動同期機能を使用する条件は、負荷側電圧(線路側電圧)が「有り」の場合である。本実施形態の図3では、BCU310の自動同期機能を使用する条件である負荷側電圧(線路側電圧)の有無を負荷電圧検出手段314で監視する。
BCU310の負荷電圧検出手段314が負荷側電圧(線路側電圧)を検出した場合は、自動バイパス出力手段313はバイパス信号を出力する。
なお、図3に示した実施形態では、BCU310は負荷側電圧のみを監視し、母線側電圧の監視を同期開閉制御装置100の同期開閉制御条件逸脱監視手段150で実行する構成としているが、母線側電圧もBCU310で監視する構成としても良いことは言うまでもない。また、負荷側電圧(線路側電圧)も同期開閉制御装置100で検出して、接点出力をBCU310に渡す構成としても良いことは言うまでもない。
さらに、ここではBCU310の自動同期機能を実施形態としてあげたが、その他の束縛条件に対しても、必要に応じて遮断器の両側に印加された電圧の状態により自動バイパス信号を出力するシーケンスを構成できることは言うまでもない。
(2)手動制御指令出力手段400による制御。
現場の開閉装置制御盤のローカルスイッチなどで直接手動操作を行い、遮断器の開閉制御を行う場合がある。例えば、遮断器の点検や試験などで遮断器を開閉する場合、BCU310や同期開閉制御装置100を介さずに遮断器を開閉制御することが必要となる場合がある。
このような場合、図1および図3の実施形態では手動制御指令出力手段400の切換スイッチ43RLを(LOCAL)側、切換スイッチ43BCUも(LOCAL)側に切換えた状態で開閉制御を行う。ローカルスイッチS0をオン状態にすると、補助リレー52CX2が励磁される。この時、補助リレー52CX2の接点がオン状態になり、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101に対するバイパス回路が成立する。従って、BCU310や同期開閉制御装置100を介さずに遮断器を開閉することができる。
以上のように図1および図3を用いて、遮断器の閉極制御回路の動作について説明したが、図2で示す遮断器開極制御回路の動作においても同様な動作を行うことは言うまでもない。また、図1および図3を用いて、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101とバイパス回路との切換制御動作について説明したが、図2で示す遮断器開極制御回路における同期開閉制御装置100の開極指令信号入出力回路102と開極バイパス回路との切換制御動作においても同様な動作を行うことは言うまでもない。
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態における遮断器の同期開閉制御システムは、以下の効果を有する。
(i)遮断器の同期開閉制御装置が故障した場合に、バイパス制御をBCUなどの上位制御装置が制御するので、高い信頼性を有する遮断器の同期開閉制御システムを提供することができる。すなわち、異常が発生している装置と異常検出・バイパス回路切換えを実行する装置を別ユニットに分離しているので、バイパス回路の信頼性を十分に確保することができる。
(ii)また、遮断器の同期開閉制御装置とBCUを一体的に制御することにより、容易に両者の動作協調・制御協調を取ることができる。例えば、BCUが異系統投入または同系統投入における自動同期機能を使う場合に、両者の協調を取ったバイパス切換えが可能となる。
(実施形態2)
図5は本発明の実施形態2における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成である。
(構成)
図5の遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成は、以下の点を除き図1と同じ構成なので相違点以外の説明は省略する。
閉極指令信号回路20−1において、補助リレー52CX1の接点と同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101の入力端子との間の回路に、自動バイパス回路を構成する補助リレーABPSのC接点および手動バイパス回路を構成する補助リレー43CSSのC接点を介挿する。
補助リレーABPSのC接点は補助リレーABPSが非励磁状態の時、同期開閉制御装置100の開閉指令信号入力端子に接続され、補助リレー43CSSのC接点は補助リレー43CSSが非励磁状態の時、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101の入力端子に接続されている。ただし、図5で補助リレー43CSSのC接点の実際の接続先は、補助リレーABPSのC接点である。
なお、前述した実施形態1の図2の開極指令信号回路20−2においても、本実施形態の図5と同様に、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路102の入力端子と、補助リレー52TX1の接点との間の回路に、自動バイパス回路を構成する補助リレーABPSのC接点および手動バイパス回路を構成する補助リレー43CSSのC接点を介挿する構成とできることは言うまでもない。
(作用)
本実施形態2における遮断器の同期開閉制御システムの具体的な同期開閉制御動作について以下に説明する。
本実施形態2の遮断器の同期開閉制御システムの動作は、以下の点を除き実施形態1と同じなので相違点以外の説明は省略する。
(1−1) BCU制御指令出力手段300による通常の制御。
通常時では、補助リレーABPSおよび補助リレー43CSSは非励磁状態にある。この時、補助リレーABPSおよび補助リレー43CSSのC接点は、両方とも同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101の入力端子、すなわち閉極指令出力部131側に接続されている。
従って、BCU310に遠隔制御指令が入力される、またはBCU310の正面パネルにある手動閉極スイッチ315を押すことで、BCU310から開閉指令信号が出力されると、補助リレー52CX1の接点がオン状態となり、閉極指令信号電流は同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101、すなわち閉極指令出力部131を流れる。この時、遮断器は同期閉極制御されて投入される。
(1−2) BCU制御指令出力手段300による手動バイパス切換え時の制御。
遠隔バイパス信号がBCU310に入力された時、またはBCU310の正面パネルにある手動バイパススイッチ316(パネル操作、ボタン操作など方式は問わない)が押された時に、手動バイパス出力手段312がバイパス信号を出力し、補助リレー43CSSが励磁される。この時、補助リレー43CSSのC接点がバイパス回路側に切換わることで、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101に並列に接続された手動バイパス回路が成立する。
手動バイパス回路が成立すると、遠隔制御または直接操作によりBCU310から閉極指令信号が出力されて補助リレー52CX1の接点がオン状態になっても、閉極指令信号は、同期開閉制御装置100を経由しないので、同期開閉制御装置100の状態に因らず、同期閉極制御なしで遮断器はランダムに投入される。
なお、図5の実施形態では、手動バイパス回路は、BCU310から出力される手動バイパス信号により補助リレー43CSSを励磁させることで構成したが、補助リレー43CSSの代わりに、手動バイパス用の切換スイッチを採用しても良い。手動バイパス用の切換スイッチを適用した場合は、BCU310の正面パネルにある手動バイパススイッチ316を省略できる。
(1−3) BCU制御指令出力手段300による自動バイパス切換え時の制御。
BCU310の自動バイパス出力手段313がバイパス信号を出力すると、補助リレーABPSが励磁される。この時、補助リレーABPSのC接点がバイパス回路側に切換わることで、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101に並列に接続された自動バイパス回路が成立する。
自動バイパス回路が成立すると、遠隔制御または直接操作によりBCU310から閉極指令信号が出力されて補助リレー52CX1の接点がオン状態になっても、閉極指令信号は同期開閉制御装置100を経由しないので、同期開閉制御装置100の状態に因らず、同期閉極制御なしで遮断器はランダムに投入される。なお、BCU310の自動バイパス出力手段313がバイパス信号を出力する条件例は、実施形態1と同じであるので、説明は省略する。
以上のように図5を用いて、遮断器の閉極制御回路の動作について説明したが、遮断器の開極制御回路の動作においても同様な動作を行うことは言うまでもない。また、図5を用いて、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101とバイパス回路との切換制御動作について説明したが、開極制御回路における同期開閉制御装置100の開極指令信号入出力回路102と開極バイパス回路との切換制御動作においても同様な動作を行うことは言うまでもない。
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態2における遮断器の同期開閉制御システムは、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を有する。
すなわち、遮断器の同期開閉制御装置の開閉指令信号入出力回路とバイパス回路をC接点で切換えるので、遮断器の同期開閉制御装置とバイパス回路に同時に開閉指令信号電流が通電することがない。従って、同期開閉制御による投入または遮断とバイパス制御によるランダム投入または遮断をより確実に切換えることができる。
(実施形態3)
図6は本発明の実施形態3における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成である。
(構成)
本実施形態3における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路は、実施形態1の閉極指令信号出力回路10−1に替えて開閉指令信号出力回路10を設け、また、閉極指令信号回路20−1に替えて開閉指令信号回路20を設けるように構成したものである。
まず、開閉指令信号回路20において、100Aは遮断器の同期開閉制御装置である。この同期開閉制御装置100Aは、開閉制御信号出力時間算出手段110と、閉極指令信号出力遅延手段121と、開極指令信号出力遅延手段122と、半導体スイッチから成る閉極指令出力部131a〜131cおよび開極指令出力部132a〜132cと、アンチポンピング制御手段160と、遮断器を投入/遮断操作した時に3相の遮断器が全て閉極/開極状態にならない3相不揃いの期間が一定時間継続した場合欠相として遮断器に開極指令信号を出力する欠相検出手段170と、この欠相検出手段170の動作出力によって励磁される欠相補助リレー47TXなどの手段および装置を備えている。
また、同期開閉制御装置100Aには、実施形態1における同期開閉制御装置100と同様に、図示していない変流器、計器用変圧器、遮断器の補助接点(a接点、b接点)、温度センサや油圧センサなどのセンサ類などからの出力信号が入力されるようになっている。なお、同期開閉制御装置100Aの内部回路、内部構成要素は破線で示している。
開閉指令信号回路20において、同期開閉制御装置100Aと制御電源母線のN側との間に接続されている1点鎖線で囲まれた部分200Aは、遮断器の操作機構駆動回路である。この遮断器の操作機構駆動回路200Aは、遮断器駆動コイル52C(投入コイル)、52T(遮断コイル)、遮断器補助開閉器Q0C(b接点;投入用)、Q0T(a接点;遮断用)、図示していない補助接点(a接点、b接点)などから構成されている。
一方、開閉指令信号出力回路10は、制御電源母線のP側(プラス側)〜N側(マイナス側)間に、2点鎖線で囲んだBCU制御指令出力手段300Aをインターロック用補助リレーの接点ILKを介して接続している。この開閉指令信号出力回路10は、前述した実施形態1とは異なり手動制御指令出力手段400は設けていない。
また、このBCU制御指令出力手段300Aは、BCU(回線単位制御ユニット)310Aと、補助リレー52CXと、補助リレー52TXとを備えているが、前述した実施形態1とは異なり、手動バイパス用の補助リレー43CSSおよび自動バイパス用の補助リレーABPSは設けていない。
BCU(回線単位制御ユニット)310Aに、図示していない変流器、計器用変圧器、遮断器の補助接点(a接点、b接点)、SCUなどからの遠隔制御指令、遠方バイパス指令などが入力される点は実施形態1と同じである。なお、BCU310Aは、図示していないが図3に記載の手動閉極スイッチ315と、手動開極スイッチとを内蔵している。
なお、図6には遮断器を含む開閉装置の制御回路の一般的な構成要素が接続されていることとする。また、図6の遮断器制御回路には、同期開閉制御装置100Aの開閉指令信号入出力回路の端子間、すなわち、閉極指令信号入出力回路101の入出力端子間、および開極指令信号入出力回路102の入出力端子間に並列に接続したバイパス回路はないが、実施形態1、または実施形態2の遮断器制御回路と同様に、補助リレーABPSの接点で構成した自動バイパス回路および補助リレー43CSSの接点で構成した手動バイパス回路を追加しても良いことは言うまでもない。
さらに、図6ではBCU310A以外の上位装置は省略しているが、図6にはSCUなど一般的な上位装置とその周辺回路が接続されていることとする。また、遮断器の補助開閉器Q0T(a接点;遮断用)、遮断器駆動コイル52T(遮断コイル)に接続されている保護リレーからの遮断指令信号回路も図6では省略している。
なお、図6に示した遮断器制御回路構成は、その一例であることは言うまでもなく、同様の機能を有するいかなる回路も本発明の適応対象であることは言うまでもない。
(作用)
本実施形態3における遮断器の同期開閉制御システムの具体的な同期開閉制御動作について以下に説明する。
本実施形態3の同期開閉制御装置100Aによる同期開閉制御動作および同期開閉制御装置100Aの閉極指令信号入出力回路101および開極指令信号入出力回路102とバイパス回路との切換制御動作は、実施形態1または実施形態2と同じなので説明を省略する。これらに加えて、本実施形態3では以下の動作を行う。
(1) アンチポンピング制御手段160の動作、
同期開閉制御装置100Aのアンチポンピング制御手段160は、閉極指令が継続している状態で遮断器を遮断した後の再投入防止動作を行う。すなわち、アンチポンピング制御手段160は、1回の閉極指令に対して投入動作を1回しか実行できないように制御を行う。
例えば、図6のBCU310Aの図示していない手動閉極スイッチ(315)を押している時に、系統に事故が発生し、保護リレーから遮断指令が出力されたものとする。このような場合、遮断器に対して閉極指令と遮断指令の両方が同時に入力された状態になるが、遮断器は引外し自由(Trip Free)機構を備えているので、遮断が優先されて遮断器は(投入直後に)遮断動作する。
しかし、この時、手動閉極スイッチ(315)が引き続き押されていると、遮断後も閉極指令信号が出力され続けているために、(投入直後に)遮断器が遮断し、引き続き投入、再び遮断、投入・・・といったように遮断器がポンピング動作をする。アンチポンピング制御手段160はこのような遮断器のポンピング動作を防止する制御を行う。
具体的なアンチポンピング制御手段は、例えば図7に示すような電気回路で実現できる。図7において、同期開閉制御装置100Aに閉極指令が入力されると、アンチポンピング制御手段160の補助リレーAS52Cの接点がオン状態になり、補助リレー52ACXA(A相)、52ACXB(B相)および52ACXC(C相)がそれぞれ励磁され、閉極指令信号出力遅延手段121が動作する。
これにより、A相遅延出力121aがA相閉極指令出力部131aに、B相遅延出力121bがB相閉極指令出力部131bに、そしてC相遅延出力121cがC相閉極指令出力部131cにそれぞれ出力されて、A相〜C相の半導体スイッチが動作し、遮断器は閉極動作する。
遮断器が閉極動作すると、アンチポンピング制御手段160の補助リレーAX52A、AX52B、AX52Cの接点がいずれもオン状態になり、補助リレー52AXは補助リレーAS52C〜AX52Cの各接点を通して励磁される。補助リレー52AXは遮断器が遮断されても補助リレーAS52Cの接点および自己保持接点aを介して励磁状態を保持し、同時に他の出力接点bにより補助リレー52ACXA(A相)、52ACXB(B相)および52ACXC(C相)の励磁回路を開くので、遮断後に同期開閉制御装置100Aへの閉極指令の入力が継続していても、遮断器が再投入されることは防止される。
同期開閉制御装置100Aのアンチポンピング制御手段160は、補助リレーなどを組み合わせて図7の電気回路相当を構成する方法で実現しても良いし、PLD(Programmable Logical Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの論理回路(ハードウエア)で図7の等価回路を制御する方法を実現しても良いし、MPU(マイクロプロセッサー)で動作するソフトウエアで図7の等価回路を制御する方法を実現しても良いし、これらの制御方法を組み合わせて制御しても良い。
(2) 欠相検出手段170の動作、
同期開閉制御装置100の欠相検出手段170は、前述したように遮断器を投入操作した時に3相の遮断器が全て閉極状態にならない3相不揃いの期間が一定時間継続した場合に、遮断器に開極指令信号を出力する。また、遮断器を遮断操作した時に3相の遮断器が全て開極状態にならない3相不揃いの期間が一定時間継続した場合に、遮断器に開極指令信号を出力する。
具体的な欠相検出手段は、例えば以下のような制御により実現する。
欠相検出手段170は、遮断器が閉極動作した時は、遮断器の補助接点(a接点)が3相ともオン状態になるまでの時間(期間)をカウントする。また、遮断器が開極動作した時は、遮断器の補助接点(a接点)が3相ともオフ状態になるまでの時間をカウントする。このカウント時間が3相不揃い時間(期間)である。
この3相不揃い時間(期間)が設定時間(期間)を超過すると、欠相検出手段170は欠相が発生したと見做し、補助リレー47TXを励磁する。この時、遮断指令電流が遮断器駆動コイル52T(遮断コイル)に流れ、遮断器は欠相遮断する。なお、3相不揃い時間の検出に関して、遮断器の補助接点(b接点)の動作を監視するようにしても、また、a接点とb接点との動作を組み合わせて監視するようにしても、さらに、その他の方法を採用しても良いことは言うまでもない。
同期開閉制御装置100Aの欠相検出手段170は、補助リレー(a接点、b接点)とタイマーリレーなどを組み合わせて実現しても良いし、PLDやFPGAなどの論理回路(ハードウエア)で欠相検出条件とタイマーを実現しても良いし、MPU(マイクロプロセッサー)で動作するソフトウエアで欠相検出条件とタイマーを実現しても良いし、これらの制御方法を組み合わせて制御しても良い。また、補助リレー47TXの代わりに、半導体スイッチを適用しても良い。
なお、図6で図示した遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路では、実施形態1の手動バイパス、43CSS、自動バイパス、ABPSを省略したが、これらを追加して設けても良いことは言うまでもない。
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態3における遮断器の同期開閉制御システムは、実施形態1、実施形態2の効果に加えて、以下の効果を有する。
遮断器制御回路のアンチポンピング回路と欠相検出回路(欠相遮断回路)は、通常は開閉装置制御盤の遮断器制御回路の一部として構成されており、開閉装置制御盤では、これらの回路を補助リレーで構成している。本実施形態3では、アンチポンピング回路と欠相検出回路(欠相遮断回路)とを遮断器の同期開閉制御装置に内蔵しているので、開閉装置制御盤としてこれらの回路を構成する必要がない。従って、開閉装置制御盤の回路削減が可能となり、これに伴う開閉装置制御盤の筐体の縮小化、組立・配線時間の短縮およびコストダウンが可能となる。
(実施形態4)
図8は本発明の実施形態4における遮断器の同期開閉制御システムの断線監視回路である。
(構成)
図8では指令回路は閉極指令回路1相分のみを図示し他の2相の図示を省略したが、3相分の構成・機能を有することは言うまでもない。また、開極指令回路も閉極指令回路と同様の回路を3相分有することは言うまでもない。
図8において、同期開閉制御装置100の断線監視回路は、同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101に対して並列に断線監視用抵抗500を接続することによって構成される。また、BCU310の断線監視回路は、BCU開閉指令信号出力接点回路に対してBCU断線監視用抵抗320および断線監視電流検出手段321の直列回路を並列接続することによって構成される。なお、BCU310の内部回路は破線で示している。なお、断線監視電流検出手段としては、微弱な電流が流れることによって発光する発光ダイオードとか、両端子間に所定の電圧が課電されると発光するネオン管等が使用できる。
同期開閉制御装置100および遮断器の操作機構駆動回路200の構成は、実施形態1、または実施形態2と同じなので説明を省略する。
なお、図8は断線監視回路に関連するBCU310、同期開閉制御装置100、遮断器の操作機構駆動回路200のみを図示しているが、実施形態1、または実施形態2の遮断器制御回路と同様に、補助リレーABPSの接点で構成した自動バイパス回路および補助リレー43CSSの接点で構成した手動バイパス回路を追加しても良いことは言うまでもない。また、図8に示した断線監視回路は、その一例であることは言うまでもなく、同様の機能を有するいかなる回路も本発明の適応対象であることは言うまでもない。
(作用)
本実施形態4における遮断器の同期開閉制御システムの具体的な同期開閉制御動作について以下に説明する。
本実施形態4の同期開閉制御装置100による同期開閉制御動作および同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101とバイパス回路との切換制御動作は、実施形態1、または実施形態2と同じなので説明を省略するが、これらに加えて本実施形態4では以下の機能を有する。
遮断器制御回路の開閉指令信号回路では、通常、開閉指令信号回路の断線の有無を監視する断線監視回路がある。例えば、図8のBCU310のBCU開閉指令信号出力接点に並列に接続されたBCU断線監視用抵抗320と断線監視電流検出手段321がBCU断線監視回路である。通常、BCU断線監視用抵抗320の抵抗値は、遮断器駆動コイル52C(投入コイル)が動作しないレベルの断線監視電流が閉極指令信号回路に流れるように設定される。断線監視電流は、断線監視電流検出手段321で監視される。
これに対して、遮断器の同期開閉制御システムでは、同期開閉制御装置100の閉極指令出力部131(半導体スイッチ)が開閉指令信号回路に直列に接続されているため、通常のBCU断線監視回路では断線監視を行うことができない。
そこで、図8に示すように断線監視用抵抗500を同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101に外部で並列に接続し、この断線監視用抵抗500に断線監視電流が流れるようにする。
この場合、断線監視用抵抗500の抵抗値は、断線監視用抵抗500の抵抗値とBCU断線監視用抵抗320の抵抗値とを合計して、遮断器駆動コイル52C(投入コイル)が動作しないレベルの断線監視電流が閉極指令信号回路に流れるように設定する。この場合も断線監視電流は、BCU310の断線監視電流検出手段321で監視される。
また、遮断器が投入状態における遮断器駆動コイル52C(投入コイル)の断線監視を行うために、遮断器駆動コイル52C(投入コイル)に遮断器の補助開閉器Q0Cのa接点(図示していない)を接続して、上記の断線監視回路に接続しても良いことは言うまでもない。
以上のように図8を用いて、遮断器の閉極制御回路の断線監視回路の動作について説明したが、遮断器の開極制御回路においても同様な断線監視回路の動作を行うことは言うまでもない。
なお、図8の実施形態では断線監視用抵抗500を同期開閉制御装置100の外部回路として構成したが、断線監視用抵抗500を同期開閉制御装置100に内蔵しても良い。
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態4における遮断器の同期開閉制御システムは、実施形態1、実施形態2の効果に加えて、以下の効果を有する。
遮断器の同期開閉制御装置を適用した遮断器制御回路においても、開閉指令信号回路の断線監視が可能となる。従って、より信頼性が高い遮断器の同期開閉制御システムを提供できる。
(実施形態5)
図9は本発明の実施形態5における遮断器の同期開閉制御システムの計器用変圧器入力回路である。
(構成)
図9において、2点鎖線で囲んだ主回路1000は第1母線および第2母線による2重母線構成であり、第1母線1101と、第2母線1102、遮断器(Q0)1200、第1母線側断路器(Q1)1301、第2母線側断路器(Q2)1302、負荷側断路器(Q9)1309、第1母線側の計器用変圧器1401、第2母線側の計器用変圧器1402、負荷側計器用変圧器1409、遮断器(Q0)1200および負荷側断路器(Q9)1309間に設置された変流器1500を備え、しかも、前記遮断器(Q0)1200は、前記第1母線側断路器(Q1)1301および第2母線側断路器(Q2)1302の共通接続点に接続されることによって、当該第1母線側断路器(Q1)1301あるいは第2母線側断路器(Q2)1302のいずれかを介して前記第1母線1101あるいは第2母線1102に接続されるように構成されている。
図9の2点鎖線で囲んだ遮断器制御回路1001は、例えば開閉装置制御盤内に構成される遮断器制御回路であり、第1母線側断路器(Q1)の閉路動作と連動する補助リレーQ1XSの接点を介して第1母線側の計器用変圧器1401の2次回路に接続されることによって系統電圧(第1母線電圧)を導入するとともに、第2母線側断路器(Q2)の閉路動作と連動する補助リレーQ2XSの接点を介して第2母線側の計器用変圧器1402の2次回路に接続されることによって系統電圧(第2母線電圧)を導入するようにしている。
なお、この遮断器制御回路1001は、同期開閉制御装置100、BCU310(図示していない)、開閉指令信号回路(図示していない)、遮断器の操作機構駆動回路200(図示していない)などから構成されているが、その詳細構成は実施形態1、または実施形態2と同じなので説明を省略する。また、実施形態1、または実施形態2の遮断器制御回路と同様に、補助リレーABPSの接点で構成した自動バイパス回路および補助リレー43CSSの接点で構成した手動バイパス回路を追加しても良いことは言うまでもない。
なお、本実施形態5では、主回路1000を単線結線図で表しているので1相分のみを図示しているが、主回路は3相の遮断器、3相の断路器およびその他の電気所の開閉装置を構成する3相の一般的な機器で構成されていることは言うまでもない。また、遮断器制御回路1001も1相分のみを図示しているが、3相の計器用変圧器入力回路(Q1XS、Q2XSを含む)など、3相分の制御回路で構成されていることは言うまでもない。
(作用)
本実施形態5における遮断器の同期開閉制御システムの具体的な同期開閉制御動作について以下に説明する。
本実施形態の同期開閉制御装置100による同期開閉制御動作および同期開閉制御装置100の開閉指令信号入出力回路とバイパス回路との切換制御動作は、実施形態1、または実施形態2と同じなので説明を省略する。これらに加えて、本実施形態では以下のように動作する。
制御対象となる遮断器(Q0)1200を含む回線が、第1母線1101に接続されている場合、母線1側断路器(Q1)1301は閉路状態である。この時、同期開閉制御装置100は第1母線1101側の系統電圧(第1母線電圧)を使用して制御する。第1母線側断路器(Q1)1301が閉路状態のとき、これに連動して補助リレーQ1XSの接点がオン状態となるので、同期開閉制御装置100には、母線1側計器用変圧器1401の2次出力電圧、すなわち第1母線1101側の系統電圧が入力される。
一方、制御対象となる遮断器(Q0)1200を含む回線が、第2母線1102に接続されている場合、第2母線側断路器(Q2)1302は閉路状態である。この時、同期開閉制御装置100は第2母線1102側の系統電圧(第2母線電圧)を使用して制御する。第2母線側断路器(Q2)1302が閉路状態のとき、これに連動して補助リレーQ2XSの接点がオン状態となるので、同期開閉制御装置100には、母線2側計器用変圧器1402の2次出力電圧、すなわち第2母線1102側の系統電圧が入力される。
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態5における遮断器の同期開閉制御システムは、実施形態1、実施形態2の効果に加えて、以下の効果を有する。
2重母線構成の電気所では、通常は両母線それぞれに計器用変圧器(VT、またはPD)が設置されており、通常はどちらか一方の計器用変圧器からの系統電圧信号を遮断器の同期開閉制御装置に入力する必要がある。本実施形態5では両母線断路器の状態に連動して、両母線の計器用変圧器を切換えて遮断器の同期開閉制御装置に接続するので、母線切換え操作に対して協調が取れた同期開閉制御が可能である。
(実施形態6)
図10は本発明の実施形態6における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成である。
(構成)
図10において、2点鎖線で囲んだ主回路1000の詳細構成は実施形態5の図9と同様なので詳細説明を省略する。また、主回路1000の図示右側に示す2点鎖線で囲んだ遮断器制御回路1001の詳細構成については、実施形態1、または実施形態2と同じなので詳細説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
同期開閉制御装置100には系統電圧(計器用変圧器VTの2次出力電圧)と主回路電流(変流器CTの2次出力電流)の入力端子があり、それぞれ主回路1000の計器用変圧器1400と変流器1500に接続されている。そして、計器用変圧器1400の入力回路と変流器1500の入力回路は、それぞれ切換スイッチ43VTのSERVICE側と、切換スイッチ43CTのSERVICE側に接続されている。
一方、切換スイッチ43VTのTEST側には、試験用電圧検出手段600を介して試験用電圧源610が接続されている。同様に、切換スイッチ43CTのTEST側には、試験用電流検出手段620を介して試験用電流源630が接続されている。
なお、図10では主回路1000、遮断器制御回路1001の1相分のみを図示しているが、主回路1000、遮断器制御回路1001は3相の一般的な機器、制御装置などで構成されていることは言うまでもない。また、図10は閉極制御回路のみ図示しているが、開極制御回路も同様の回路構成であることは言うまでもない。
(作用)
本実施形態における遮断器の同期開閉制御システムの具体的な同期開閉制御動作について以下に説明する。
(1) 通常運用時
通常運用時は、切換スイッチ43VTおよび切換スイッチ43CTをそれぞれSERVICE側に投入し、同期開閉制御装置100に計器用変圧器1400および変流器1500を接続する。
通常運用時の同期開閉制御装置100による同期開閉制御動作および同期開閉制御装置100の閉極指令信号入出力回路101とバイパス回路との切換制御動作は、実施形態1、または実施形態2と同じなので説明を省略する。
(2) 試験・点検時
遮断器の同期開閉制御装置は、通常運転時に計器用変圧器(VT、またはPD)の出力である系統電圧や、変流器(CT)の出力である主回路電流の位相を監視することによって、同期閉極制御または同期開極制御を実行するが、工場試験時や現地据付後の据付試験時あるいは点検時においては、系統電圧や主回路電流を必ずしも入力することができない。このため、工場試験や現地据付後の据付試験、点検を実施するために系統電圧や主回路電流に相当する信号を模擬した模擬系統電圧および模擬主回路電流を遮断器の同期開閉制御装置に入力して試験する。
すなわち、工場試験時、または現地据付後の据付試験時あるいは点検時には、切換スイッチ43VTおよび切換スイッチ43CTをSERVICE側からTEST側に切換えて、同期開閉制御装置100に試験用電圧検出手段600および試験用電流検出手段620をそれぞれ接続して、試験用電圧源610から模擬系統電圧を、また、試験用電流源630から模擬主回路電流を入力する。この場合、例えば、模擬系統電圧が400/√3Vの場合、400V:110Vの計器用変圧器(VT)もしくは分圧器などを使用し、模擬主回路電流が1Aの場合、1A:1Aの変流器(CT)を使用する。
このように、切換スイッチ43VTおよび切換スイッチ43CTを切換えて、電圧検出手段600、電流検出手段620を介して試験用電圧源610、試験用電流源630を同期開閉制御装置100に接続して模擬系統電圧と模擬主回路電流とを入力し、遮断器の同期開閉制御を行って、遮断器の同期開閉制御システムの工場試験および現地据付後の据付試験、点検を行う。
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態6における遮断器の同期開閉制御システムは、実施形態1、実施形態2の効果に加えて、以下の効果を有する。
本発明の遮断器の同期開閉制御システムは、模擬系統電圧と模擬主回路電流を遮断器の同期開閉制御装置に入力するための回路を予め備えており、切換えスイッチの操作により、模擬系統電圧と模擬主回路電流を容易に入力できる。従って、工場試験および現地据付後の据付試験、点検を容易にし、試験時間の短縮、試験費用の削減を図れる。
(実施形態7)
図11は本実施形態7における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成図である。
(構成)
図11において、本実施形態7における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路は、2点鎖線で囲んだ複数回線分の遮断器制御回路1001_1〜1001_Nと、1台の同期開閉制御装置100Bと、この1台の同期開閉制御装置100Bを複数の遮断器制御回路1001_1〜1001_Nで共用するために選択的に切換える遮断器の同期開閉制御装置切換え手段700とから構成されている。
なお、共用される1台の同期開閉制御装置100Bは、遮断器動作特性保存手段180を設けた点が、実施形態1〜実施形態2で説明した同期開閉制御装置100と相違するが、それ以外の点は同じであるので、ここでは重複した説明を省略する。
なお、新たに設けた遮断器動作特性保存手段180には、回線1〜回線Nの遮断器の遮断器動作特性、すなわち、遮断器開極動作時間、遮断器閉極動作時間、フルストローク値、ワイプ値などが回線毎に保存されるようになっている。
ところで、遮断器の同期開閉制御装置切換え手段700は、各回線のBCU310_1〜310_Nから出力される「閉極指令信号」、同期開閉制御装置100Bから出力される「同期閉極指令信号」および各制御対象回線の系統電圧、主回路電流(VT/CT信号)、a接点/b接点信号、遮断器状態量(油圧、制御電圧など)などの同期開閉制御装置100Bへ出力される「信号」を回線単位で一括して切替えるための切換えスイッチ43BAY(回線1)〜43BAY(回線N)と、その制御回路(図示していない)を備えている。
遮断器の同期開閉制御装置切換え手段700は、さらに、各回線のBCU310からの「閉極指令信号」を同期開閉制御装置100Bに送るための信号回路710、同期開閉制御装置100Bからの「同期閉極指令信号」を制御対象の遮断器の操作機構駆動回路200に送るための信号回路720、制御対象回線の系統電圧および主回路電流(VT/CT信号)、a接点およびb接点信号、遮断器状態量(油圧、制御電圧など)などの「信号」を同期開閉制御装置100Bに出力するための信号回路730も備えている。
なお、遮断器制御回路1001_1〜1001_Nは、実施形態1、または実施形態2の遮断器制御回路と同様に、補助リレーABPSの接点で構成した自動バイパス回路および補助リレー43CSSの接点で構成した手動バイパス回路を追加しても良いことは言うまでもない。
また、図11で遮断器制御回路1001_1〜1001_Nは1相分のみを図示しているが、遮断器制御回路1001_1〜1001_Nは3相の一般的な機器、制御装置などで構成されていることは言うまでもない。さらに、図11は閉極制御回路のみ図示しているが、開極制御回路も同様の回路構成であることは言うまでもない。
(作用)
本実施形態7における遮断器の同期開閉制御システムの、具体的な同期開閉制御動作について以下に説明する。
本実施形態7の同期開閉制御装置100Bによる同期開閉制御動作および同期開閉制御装置100Bの閉極指令信号入出力回路101とバイパス回路との切換制御動作は、以下の点を除いて実施形態1、または実施形態2と同じなので説明を省略する。以下に本実施形態6の動作の相違点を説明する。
任意回線iの遮断器を同期開閉制御動作させる例を考える。
遮断器の同期開閉制御装置切換え手段700の切換えスイッチ43BAYを回線1〜回線N中の任意の回線iに切換える。なお、切換えスイッチ43BAYの切換えは遠隔制御と直接操作のどちらでも良い。
切換えスイッチ43BAYを回線iに切換えると、信号回路730を経由して回線iの系統電圧および主回路電流(VT/CT信号)、a接点およびb接点信号、遮断器状態量(油圧、制御電圧など)が同期開閉制御装置100Bに出力される。
同期開閉制御装置100Bは、入力された回線iの系統電圧および主回路電流(VT/CT信号)、a接点およびb接点信号、遮断器状態量(油圧、制御電圧など)と、遮断器動作特性保存手段180に保存された回線iの遮断器の遮断器動作特性を使って、回線iの遮断器の開閉指令信号の同期開閉遅延時間を算出する。
切換えスイッチ43BAYを回線iに切換えた状態で、回線iのBCU310_iから閉極指令信号が出力されると、切換えスイッチ43BAY(回線i)、信号回路710を経由して閉極指令信号が同期開閉制御装置100Bに入力される。
すると、同期開閉制御装置100Bから同期閉極指令信号が出力され、信号回路720、切換えスイッチ43BAY(回線i)を経由して回線iの遮断器の操作機構駆動回路200_iに同期閉極指令信号が入力される。この結果、回線iの遮断器が同期閉極制御動作する。
なお、図11に示す実施形態7では、制御対象回線の系統電圧および主回路電流(VT/CT信号)、a接点およびb接点信号、遮断器状態量(油圧、制御電圧など)などを、各回線から同期開閉制御装置100Bに直接伝送する構成としているが、各回線と同期開閉制御装置100Bの間をイーサネットなどの通信回線で接続し、系統電圧および主回路電流、a接点およびb接点信号、遮断器状態量(油圧、制御電圧など)に対応するデジタル信号を送信する構成としても良い。
また、同期開閉制御が可能となる開閉指令信号出力タイミングを、イーサネットなどの通信回線を経由して、同期開閉制御装置100から各回線に送信する構成としても良い。
また、図11の実施形態では、1台の同期開閉制御装置100Bを回線1〜回線Nに割り当てたが、2台の同期開閉制御装置100Bを回線1〜回線Nに割り当てて、1台をバックアップとして運用し、信頼性を向上させても良い。この場合、バックアップの同期開閉制御装置100Bへの切換えも遮断器の同期開閉制御装置切換え手段700で制御する。
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態7における遮断器の同期開閉制御システムは、実施形態1、実施形態2の効果に加えて、以下の効果を有する。
従来の遮断器の同期開閉制御システムでは、遮断器本体と遮断器の同期開閉制御装置は回線単位に1対1で対応する関係にあったが、本実施形態7では複数の遮断器を、1台の遮断器の同期開閉制御装置で同期開閉制御できる構成とした。これにより経済性の高い遮断器の同期開閉制御システムを構築し、かつ運用することができる。
本実施形態7は、特に配電系統など、低位系統に同期開閉制御システムを適用する場合に効果的である。低位系統の開閉装置システムの価格は、基幹系統と比較して大幅に安価であるため、同期開閉制御装置を各回線に適用することは一般に難しい。このような場合にも、本実施形態7を適用すれば、必要な全ての回線の遮断器を同期開閉制御することが可能となる。
本発明の実施形態1における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器閉極制御回路構成図。 本発明の実施形態1における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器開極制御回路構成図。 本発明の実施形態1における遮断器の同期開閉制御装置とBCUの機能ブロック図。 本発明の実施形態1における遮断器の同期閉極制御のタイミングチャート。 本発明の実施形態2における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成図。 本発明の実施形態3における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成図。 本発明の実施形態3における遮断器の同期開閉制御システムのアンチポンピング制御手段の等価電気回路図。 本発明の実施形態4における遮断器の同期開閉制御システムの断線監視回路を示す図。 本発明の実施形態5における遮断器の同期開閉制御システムの計器用変圧器入力回路図。 本発明の実施形態6における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成図。 本発明の実施形態7における遮断器の同期開閉制御システムの遮断器制御回路構成図。
符号の説明
10,10−1,10−2…閉極指令信号出力回路(開閉指令信号出力回路)、20,20−1,20−2…閉極指令信号回路(開閉指令信号回路)、100,100A,100B…同期開閉制御装置、101…閉極指令信号入出力回路、102…開極指令信号入出力回路、110…開閉制御信号出力時間算出手段、121…閉極指令信号出力遅延手段、122…開極指令信号出力遅延手段、131…閉極指令出力部,132…開極指令出力部、160…アンチポンピング制御手段、170…欠相検出手段、200,200A…遮断器の操作機構駆動回路、300,300A…回線制御ユニット制御指令出力手段(BCU制御指令出力手段)、310,310A…回線制御ユニット;BCU(Bay Control Unit)、43CSS…補助リレー、ABPS…補助リレー、52CX…補助リレー、52TX…補助リレー、400…手動制御指令出力手段、160…遮断器の同期開閉制御装置のアンチポンピング制御手段、170…遮断器の同期開閉制御装置の欠相検出手段、500…遮断器の同期開閉制御装置の断線監視用抵抗、600…試験用電圧検出手段、620…試験用電流検出手段、700…遮断器の同期開閉制御装置切換え手段、710,720,730…信号回路。

Claims (12)

  1. 遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、
    系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、
    を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、
    前記同期開閉制御手段の開極指令信号の入出力回路または閉極指令信号の入出力回路の少なくとも一方の入出力回路に対して並列にバイパス回路を接続し、
    前記同期開閉制御手段の入出力回路と前記バイパス回路との切換えを、前記制御指令出力手段により制御することを特徴とする遮断器の同期開閉制御システム。
  2. 前記バイパス回路は、自動バイパス回路手動バイパス回路を備え、かつ前記遮断器の制御指令出力手段は、前記自動バイパス回路を形成させる要素と前記手動バイパス回路を形成させる要素を設けたことを特徴とする請求項1記載の遮断器の同期開閉制御システム。
  3. 前記同期開閉制御手段の入出力回路と前記バイパス回路とを並列接続する接続点に切替手段を設け、前記バイパス回路を形成させる要素にバイパス指令が与えられていないときは前記バイパス回路が成立しないようにし、前記開極指令信号または閉極指令信号が前記同期開閉制御手段の入出力回路と前記バイパス回路とに同時に通電されないようにしたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の遮断器の同期開閉制御システム。
  4. 前記遮断器の制御指令出力手段は、前記遮断器の同期開閉制御手段の状態量を取込み、当該状態量に対応して、前記遮断器の同期開閉制御手段の入出力回路と前記バイパス回路との切換えを制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遮断器の同期開閉制御システム。
  5. 前記遮断器の両側に印加された電圧の状態に対応して、前記遮断器の同期開閉制御手段の入出力回路と前記バイパス回路との切換えを制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遮断器の同期開閉制御システム。
  6. 遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、
    系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、
    を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、
    前記同期開閉制御手段は、閉極指令信号が継続している状態で遮断器を遮断したときに、遮断器が再投入されることを防止する手段を備えたことを特徴とする遮断器の同期開閉制御システム。
  7. 遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、
    系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、
    を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、
    前記同期開閉制御手段は、遮断器を投入操作した時に3相の遮断器が全て閉極状態にならない3相不揃いの期間が一定時間継続した場合、または、遮断器を遮断操作した時に3相の遮断器が全て開極状態にならない3相不揃いの期間が一定時間継続した場合に、遮断器に開極指令信号を出力する手段を備えたことを特徴とする遮断器の同期開閉制御システム。
  8. 遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、
    系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、
    を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、
    前記遮断器の同期開閉制御手段の開極指令信号または閉極指令信号の入出力回路の少なくとも一方に対して抵抗を並列に接続したことを特徴とする遮断器の同期開閉制御システム。
  9. 遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、
    系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、
    を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、
    複数の母線にそれぞれ接続された複数の断路器の共通接続点に前記遮断器を接続し、前記断路器が閉路状態となっている側の母線電圧を前記遮断器の同期開閉制御手段に入力する選択回路を備えたことを特徴とする遮断器の同期開閉制御システム。
  10. 遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、
    系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、
    を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、
    模擬系統電圧または模擬主回路電流の少なくとも一方を前記遮断器の同期開閉制御手段に入力する回路を備えたことを特徴とする遮断器の同期開閉制御システム。
  11. 遮断器に対して開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を出力する制御指令出力手段と、
    系統電圧または主回路電流の少なくとも一方の電気量、遮断器の状態量、遮断器の開極指令信号または閉極指令信号の少なくとも一方の信号を入力し、系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を制御して出力する同期開閉制御手段と、
    を備えた遮断器の同期開閉制御システムにおいて、
    前記遮断器の同期開閉制御手段は、2回線以上の前記遮断器と前記遮断器の制御指令出力手段に接続されており、選択された回線の系統電圧または主回路電流の所望の位相で、遮断器を遮断または投入させるように開極指令信号または閉極指令信号を出力する制御を行うことを特徴とする遮断器の同期開閉制御システム。
  12. 前記遮断器の同期開閉制御手段は、複数の遮断器の動作特性データを保存することを特徴とする請求項11記載の遮断器の同期開閉制御システム。
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