以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
〔通信装置の基本的構成〕
先ず、本発明の通信装置の基本的構成を説明する。
第1の観点の通信装置は、情報通信機能の他に、空中線を介して計測用送信波、計測用反射波を授受することにより周囲の使用環境の状況を監視可能なものである。この通信装置(例えば図1に示す符号10など)は、基本的構成として、空中線(例えば図1に示す符号27、37など)から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して物理量を計測する計測手段(例えば図1に示す符号22、26、27、28、34、36、37、38からなる構成)と、前記計測手段にて計測される第1の計測における第1の物理量と、前記第1の計測と異なる期間にて前記計測手段にて計測される第2の計測における第2の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知する制御を行う制御手段(例えば図1に示す符号12、40からなる構成)と、を含む構成としている。
このような構成の通信装置では、計測手段が空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を受信して物理量を計測し、制御手段が計測される第1の物理量と、異なる期間における計測の第2の物理量により周囲の使用環境状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知するので、他の通信装置を使用することなく単一の装置にて使用環境状況を把握でき、コストダウンが図れるとともに、単一の装置なので消費電力の低減が図れる。
ここに、物理量としては、例えば電界強度などが挙げられる。反射波に基づいて大小の比較可能な物理量であれば、計測可能な他の種々の物理量(例えば赤外線など)であってもよい。
また、第2の観点の通信装置では、前記周囲の使用環境の状況を表示する表示手段(例えば図1に示す符号16など)をさらに有することが好ましい。この場合、前記制御手段は、前記第2の物理量が前記第1の物理量より大きい場合には、前記表示手段に前記使用環境の状況が悪化している旨の表示を行い、前記第2の物理量が前記第1の物理量より小さい場合には、前記表示手段に前記使用環境の状況が好転している旨の表示を行うように制御する。
これにより、使用環境の状況の悪化と好転を判別することができる。
さらに、第3の観点の通信装置では、前記周囲の使用環境の状況を表示する表示手段(例えば図5に示す符号116など)をさらに有することが好ましい。この場合、前記制御手段は、前記第2の物理量が前記第1の物理量と異なる場合には、前記表示手段に前記使用環境の状況の表示を行い、前記第2の物理量が前記第1の物理量と等しい場合には、前記表示手段の表示を消灯するように制御することもできる。
これにより、消費電力の低減を図ることができる。
これらの観点におけるこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施の形態から更に明らかにされる。
以下、本発明の好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施の形態〕
先ず、上述のような構成の本発明の通信装置を「無線LANブロードバンドルータ」に適用した一実施の形態について、全体構成から説明し、続いて各部の詳細構成について説明することとする。
(無線LANブロードバンドルータの全体構成)
本実施の形態の無線LANブロードバンドルータの全体構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明における第1実施の形態の無線LANブロードバンドルータの全体の概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態では、無線LANブロードバンドルータ10による単一の装置にて周囲の使用環境の状況を把握可能とするものである。
無線LANブロードバンドルータ10は、複数の送受信機(送信部と受信部のペアが複数例えば2個など)を持つ無線LANブロードバンドルータ10であって、図1に示すように、中央制御部40と、経路制御部42と、記憶部12と、タイマ部14と、状態表示部16と、第1のアンテナ部27と、第1の送受信切替部26と、第1のアンテナ制御部28と、第1の送信部22と、第1の受信部24と、第2のアンテナ部37と、第2の送受信切替部36と、第2のアンテナ制御部38と、第2の送信部32と、第2の受信部34と、を含んで構成される。
中央制御部40は、バスBを介して各部と接続され無線LANブロードバンドルータ10全体を制御する。経路制御部42は、ブロードバンドルータとしての経路制御機能を有しており、この他無線LANブロードバンドルータとして必要な各種機能部を含む。
記憶部12は、中央制御部40が実行するための各種の制御プログラムや制御プログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納し、第2の受信部34からの反射波受信電界強度データを記憶する。
タイマ部14は、第1のアンテナ部27から送信された計測用送信波S1が障害物50にて反射され、その反射された反射波S2を第2のアンテナ部37で受信するための時間を計測するための計時回路である。
状態表示部16は、無線LANブロードバンドルータ10の動作や無線LANの使用環境状態を表示する。
第1のアンテナ部27は、第1の送信部22からの無線端末60と通信するデータや、無線LANの使用環境を計測するための送信波を放射する。
第1の送受信切替部26は、第1のアンテナ部27と第1の送信部22とを接続する場合と、第1のアンテナ部27と第1の受信部24とを接続する場合との接続を切り替える。
第1のアンテナ制御部28は、第1の送信部22と第1の受信部24とを切り替える送受信切替部26を制御する。
第1の送信部22は、他の通信装置(例えば無線端末)と通信するデータを送信する、または、障害物50を計測するための送信波を送信する。
第1の受信部24は、他の通信装置と通信するデータを受信するためのものである。
第2のアンテナ部37は、第2の送信部32から送信される他の通信装置と通信するデータを受信したり、障害物50からの反射波S2の反射波受信電界強度を受信するためのものである。
第2の送受信切替部36は、第2のアンテナ部37に対して第1の送信部22と第1の受信部24の接続を切り替える。
第2のアンテナ制御部38は、第2の送信部32と第2の受信部34とを切り替える第2の送受信切替部36を制御する。
第2の送信部32は、他の通信装置と通信するデータを送信するものである。
第2の受信部34は、他の通信装置と通信するデータを受信する機能と、障害物50からの反射波の反射波受信電界強度を計測する機能とを有する。
(記憶部の詳細構成)
次に、記憶部12の詳細構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、本実施の形態の無線LANブロードバンドルータの記憶部のデータ構造の一例を示すブロック図である。
記憶部12は、図2に示すように、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1を格納する前回の反射波受信電界強度格納エリア12aと、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1を格納する今回の反射波受信電界強度格納エリア12bと、を含んで構成される。
これらのデータをもとに、中央制御部40は、各電界強度データの比較を行い、この比較結果に応じて、状態表示部16の表示状態を表示制御する。
(状態表示部の詳細構成)
図3を参照すると、図1に示す状態表示部16の詳細な構成が示されている。
状態表示部16は、図3に示すように、無線LANの使用環境の状況が悪化した場合に赤点灯を表示する赤点灯表示部16aと、使用環境の状況が好転した場合に緑点灯を表示する緑点灯表示部16bとを含んで構成される。
すなわち、中央制御部40は、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1よりも大きい場合には、赤点灯表示部16aを表示するように制御し、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1よりも小さい場合には、緑点灯表示部16bを表示するように制御する。
ここで、本実施の形態に記載の構成要件と、本発明に記載の構成要件との対応関係について述べると、第1の送信部22、第1の送受信切替部26、第1のアンテナ部27、第1のアンテナ制御部28、第2の受信部34、第2の送受信切替部36、第2のアンテナ部37、第2のアンテナ制御部38により、本発明にいう「計測手段」を構成することができる。また、中央制御部40及び記憶部12により、本発明にいう「制御手段」を構成することができる。さらに、第1のアンテナ部27及び第2のアンテナ部37により、本発明にいう「空中線」を構成することができる。また、状態表示部16により表示手段を構成できる。
前記計測手段は、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して物理量を計測することができる。
前記制御手段は、前記計測手段にて計測される第1の計測における第1の物理量と、前記第1の計測と異なる期間にて前記計測手段にて計測される第2の計測における第2の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知する制御を行うことができる。
(全体の概略動作)
以上のような構成からなる本実施の形態の無線LANブロードバンドルータ10は、概略以下のように動作する。すなわち、図1に示すように、中央制御部40は、第1のアンテナ制御部28を通して第1の送受信切替部26を操作制御し、第1の送信部22と第1のアンテナ部27とを接続する。
第1の送信部22は、第1の送受信切替部26および第1のアンテナ部27を介して、無線LANの使用環境の状況を計測するための計測用送信波S1を送信する。計測用送信波S1は、障害物50に当たると計測用反射波S2が発生する。
中央制御部40は、タイマ部14からn秒経過したことが通知されたとき、第2のアンテナ制御部38を実行させ、第2の送受信切替部36を操作制御し、第2の受信部34と第2のアンテナ部37とを接続する。
第2の受信部34は、障害物50から反射された計測用反射波S2を第2のアンテナ部37を介して受信し、反射波受信電界強度データ12b―1を計測する。
そして、反射波受信電界強度データ12b―1を記憶部12の今回の反射波受信電界強度格納エリア12bに格納する。
中央制御部40は、記憶部12の前回の反射波受信電界強度格納エリア12aの反射波受信電界強度データ12a―1と、今回の反射波受信電界強度格納エリア12bの反射波受信電界強度データ12b―1と比較する。
この結果、中央制御部40は、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1よりも大きい場合には、赤点灯表示部16aを表示する。一方、中央制御部40は、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1よりも小さい場合には、赤点灯表示部16bを表示する。
このようにして、中央制御部40は、状態表示部16に無線LANの使用環境の状況を表示する。
(処理手順について)
次に、上述のような構成を有する無線LANブロードバンドルータにおける各種の処理手順について、図4を参照しつつ説明する。図4は、本発明の通信装置を無線LANブロードバンドルータに適用した第1の実施の形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施の形態に係る監視方法は、情報通信機能の他に、空中線を介して送信波、受信波を授受することにより周囲の使用環境の状況を監視可能な通信装置による使用環境状況の監視を行うものを対象とするものである。監視方法は、その基本的構成として、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して第1の物理量を計測する第1の計測ステップ(例えば前回の計測における図4に示すステップS101ないしステップS107からなるステップ)と、前記第1の計測ステップと異なる期間にて、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して第2の物理量を計測する第2の計測ステップ(例えば今回の計測における図4に示すステップS101ないしステップS107からなるステップ)と、前記第1の計測ステップにて計測された第1の物理量と、前記第2の計測ステップにて計測された第2の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知する制御を行う制御ステップ(例えば図4に示すステップS108、ステップS109、ステップS110からなるステップ)と、を含むことを特徴とするものである。
ここにおいて、記憶部12には、前回計測した反射波受信電界強度データ12a―1が格納されているものとする。
中央制御部40は、第1のアンテナ制御部28を通して第1の送受信切替部26を操作制御し、第1の送信部22と第1のアンテナ部27を接続する処理を行う(ステップS101)<第1の接続処理ステップないしは第1の接続処理機能>。
中央制御部40は、無線LANの使用環境の状況を計測するための計測用送信波を第1の送信部22に送信し、第1の送信部22は、第1の送受信切替部26および第1のアンテナ部27を通して計測用送信波S1を送信する処理を行う(ステップS102)<計測用送信波送信ステップないしは計測用送信波送信機能>。
中央制御部40は、計測用送信波を送信する際に、タイマ部14の動作を開始する処理を行う(ステップS103)<計時開始処理ステップないしは計時開始処理機能>。
計測用送信波は、障害物50に当たると反射波S2が発生する。
中央制御部40は、タイマ部14が計時を開始してからn秒経過したか否かを判定する処理を行う(ステップS104)<経過時間判定処理ステップないしは経過時間判定処理機能>。
前記ステップS104の判定処理ステップにおいて、n秒経過したものと判定された場合には、その旨を通知し、ステップS105に進む。
一方、前記ステップS104の判定処理ステップにおいて、n秒経過したものと判定されない場合には、n秒に達するまでステップS104を繰り返す。
次に、中央制御部40は、第2のアンテナ制御部38をとおして第2の送受信切替部36を操作制御し、第2の受信部34と第2のアンテナ部37を接続する処理を行う(ステップS105)<第2の接続処理ステップないしは第2の接続処理機能>。
第2の受信部34は、障害物50から反射された反射波S2を第2のアンテナ部37を通して受信し、反射波受信電界強度データ12b―1を計測する処理を行う(ステップS106)<第1の計測処理ステップないしは第1の計測処理機能>。
そして、反射波受信電界強度データ12b―1を記憶部12の今回の反射波受信電界強度格納エリア12bに格納する処理を行う(ステップS107)<第2の計測データ格納処理ステップないしは第2の計測データ格納処理機能>。
ここで、本実施の形態においては、前回の反射波受信電界強度格納エリア12aの反射波受信電界強度データ12a―1が既に測定されている場合を想定している。この前回の測定では、前述のステップS101ないしステップS107と同様の処理が既に行われている。そして、その後今回の測定にて、前述のステップS101ないしステップS107との処理が行われている。このため、前回の測定を第1の測定とし、今回の測定を第2の測定とした場合には、第1の測定ステップでは、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して第1の物理量を計測することができる。また、第2の測定ステップでは、前記第1の計測ステップと異なる期間にて、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して第2の物理量を計測することができる。
中央制御部40は、記憶部12の前回の反射波受信電界強度格納エリア12aの反射波受信電界強度データ12a―1と、今回の反射波受信電界強度格納エリア12bの反射波受信電界強度データ12b―1と比較する処理を行う(ステップS108)<計測結果比較処理ステップないしは計測結果比較処理機能>。
前記ステップS108の比較処理ステップにおいて、今回計測時の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波受信電界強度データ12a―1より大きい場合には、障害物50の影響が大きいと判断し、中央制御部40は、状態表示部16に無線LANの使用状況が悪化したことを示す赤点灯を表示する制御を行う(ステップS109)<悪化状態告知ステップないしは悪化状態告知機能>。
一方、今回計測時の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波受信電界強度データ12a―1より小さい場合には、障害物50の影響が小さいと判断し、中央制御部40は、状態表示部16に無線LANの使用状況が好転したことを示す緑点灯を表示する(ステップS110)<好転状態告知ステップないしは好転状態告知機能>。
ここで、以上のステップS108、ステップ109、ステップS110により、本発明にいう「制御ステップ」を構成できる。この制御ステップでは、前記第1の計測ステップにて計測された第1の物理量と、前記第2の計測ステップにて計測された第2の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知する制御を行う。
また、前記制御ステップでは、前記第2の物理量が前記第1の物理量より大きい場合には、表示手段としての状態表示部に前記使用環境の状況が悪化している旨の表示を行い、前記第2の物理量が前記第1の物理量より小さい場合には、前記表示手段に前記使用環境の状況が好転している旨の表示を行うように制御することができる。
さらに、比較処理ステップでは、前記空中線にて捕捉される計測用反射波を受信処理して電界強度等の物理量を抽出処理する計測データ処理機能を含むこともできる。
以上のように本実施の形態によれば、計測手段が空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を受信して物理量を計測し、制御手段が計測される第1の物理量と、異なる期間における計測の第2の物理量により周囲の使用環境状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知するので、他の通信装置を使用することなく単一の装置にて使用環境状況を把握でき、コストダウンが図れるとともに、消費電力の低減が図れる。
また、本実施の形態の無線LANブロードバンドルータは、無線LANの使用環境の状況を計測するため計測用送信波をアンテナから送信する。障害物があると計測用反射波が発生し、その計測用反射波を第2のアンテナ部を通して受信部で受信、反射波受信電界強度を計測し反射波受信電界強度データを記憶部に格納する。反射波受信電界強度データと前回の反射波受信電界強度データを比較し、状態表示部に無線LANの使用環境の状況を表示する。これにより、無線LANブロードバンドルータが無線LANの使用状況の計測をするとき、他の無線端末を使用せず、障害物からの計測用反射波を計測しているので、単独で安価な無線LANブロードバンドルータを構成できる。
さらに、無線LANブロードバンドルータが、無線LANの使用状況の計測をするとき、他の無線端末からの受信電界強度を使用せず、障害物からの計測用反射波を計測しているので、特別な計算を使用することがないので、単独で簡単に無線LANの使用環境を計測、表示できる。
ここで、図に示すブロック図における一部の各ブロック、図に示すフローチャートは、コンピュータが適宜なメモリに格納された各種プログラムを実行することにより、該プログラムにより機能化された状態を示すソフトウエアモジュール構成であってもよい。すなわち、物理的構成は例えば一又は複数のCPU(或いは一又は複数のCPUと一又は複数のメモリ)等ではあるが、各部によるソフトウエア構成は、プログラムの制御によってCPUが発揮する複数の機能を、それぞれ複数の部(手段)による構成要素として表現することもできる。CPUがプログラムによって実行されている動的状態(プログラムを構成する各手順を実行している状態)を機能表現した場合、CPU内に各部(手段)が構成されることになる。プログラムが実行されていない静的状態にあっては、各手段の構成を実現するプログラム全体(或いは各手段の構成に含まれるプログラム各部)は、メモリなどの記憶領域に記憶されている。以上に示した各部(手段)の説明は、プログラムにより機能化されたコンピュータをプログラムの機能と共に説明したものと解釈することも出来るし、また、固有のハードウエアにより恒久的に機能化された複数の電子回路ブロックからなる装置を説明したものとも解釈することが出来ることは、当然である。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図5に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図5は、本発明の通信装置を無線LANブロードバンドルータに適用した第2の実施の形態の構成の一例を示すブロック図である。
上述の第1の実施の形態では、状態表示部に赤点灯、緑点灯によって周囲の使用環境の状況を把握する構成としたが、本実施の形態では、反射波受信電界強度データの比較についてさらに工夫し、状態表示部での告知手法を変更している。
具体的には、無線LANブロードバンドルータ110は、図5に示すように、中央制御部140と、経路制御部142と、記憶部112と、タイマ部114と、状態表示部116と、第1のアンテナ部127と、第1の送受信切替部126と、第1のアンテナ制御部128と、第1の送信部122と、第1の受信部124と、第2のアンテナ部137と、第2の送受信切替部136と、第2のアンテナ制御部138と、第2の送信部132と、第2の受信部134とを含んで構成される。
中央制御部140は、バスBを介して各部と接続され無線LANブロードバンドルータ110全体を制御する。経路制御部142は、ブロードバンドルータとしての経路制御機能を有しており、この他無線LANブロードバンドルータとして必要な各種機能部を含む。
記憶部112は、中央制御部140が実行するための各種の制御プログラムや制御プログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納し、第2の受信部134からの反射波受信電界強度データを記憶する。
タイマ部114は、第1のアンテナ部127から送信された計測用送信波S1が障害物50にて反射され、その反射された反射波S2を第2のアンテナ部37で受信するための時間を計測するための計時回路である。
状態表示部116は、無線LANブロードバンドルータ110の動作や無線LANの使用環境状態を表示する。また、状態表示部116は、無線LANブロードバンドルータ110の動作や無線LANの動作状態表示をON/OFFできる。
第1のアンテナ部127は、第1の送信部122からの無線端末60と通信するデータや、無線LANの使用環境を計測するための送信波を放射する。
第1の送受信切替部126は、第1のアンテナ部127と第1の送信部122とを接続する場合と、第1のアンテナ部127と第1の受信部124とを接続する場合との接続を切り替える。
第1のアンテナ制御部128は、第1の送信部122と第1の受信部124とを切り替える送受信切替部126を制御する。
第1の送信部122は、他の通信装置(例えば無線端末など)と通信するデータを送信する、または、障害物50を計測するための送信波を送信する。
第1の受信部124は、他の通信装置と通信するデータを受信するためのものである。
第2のアンテナ部137は、第2の送信部132から送信される通信装置と通信するデータを受信したり、障害物50からの反射波の反射波受信電界強度を受信するためのものである。
第2の送受信切替部136は、第2のアンテナ部137に対して第1の送信部122と第1の受信部124の接続を切り替える。
第2のアンテナ制御部138は、第2の送信部132と第2の受信部134とを切り替える第2の送受信切替部136を制御する。
第2の送信部132は、他の通信装置と通信するデータを送信するものである。
第2の受信部134は、他の通信装置と通信するデータを受信する機能と、障害物50からの反射波の反射波受信電界強度を計測する機能とを有する。
(記憶部の詳細構成)
次に、記憶部の詳細構成について、図6を参照しつつ説明する。図6は、本実施の形態の無線LANブロードバンドルータの記憶部のデータ構造の一例を示すブロック図である。
記憶部112は、図6に示すように、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ112a―1を格納する前回の反射波受信電界強度格納エリア112aと、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ112b―1を格納する今回の反射波受信電界強度格納エリア112bと、を含んで構成される。
これらのデータをもとに、中央制御部140は、各電界強度データの比較を行い、この比較結果に応じて、状態表示部116の表示状態を表示制御する。
具体的には、中央制御部40は、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1と等しくない場合には、状態表示部116に状態を表示する。一方、中央制御部40は、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1と等しい場合には、状態表示部116の表示をOFFとする制御を行う。このようにして、状態表示部116の消費電力を削減できる。
ここで、本実施の形態に記載の構成要件と、本発明に記載の構成要件との対応関係について述べると、第1の送信部122、第1の受信部124、第1の送受信切替部126、第1のアンテナ部127、第1のアンテナ制御部128、第2の送信部132、第2の受信部134、第2の送受信切替部136、第2のアンテナ部137、第2のアンテナ制御部138により、本発明にいう「計測手段」を構成することができる。また、中央制御部140及び記憶部112により、本発明にいう「制御手段」を構成することができる。さらに、第1のアンテナ部127及び第2のアンテナ部137により、本発明にいう「空中線」を構成することができる。
前記計測手段は、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して物理量を計測することができる。
前記制御手段は、前記計測手段にて計測される第1の計測における第1の物理量と、前記第1の計測と異なる期間にて前記計測手段にて計測される第2の計測における第2の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知する制御を行うことができる。
(全体の概略動作)
以上のような構成からなる本実施の形態の無線LANブロードバンドルータ110は、概略以下のように動作する。すなわち、図5に示すように、中央制御部140は、第1のアンテナ制御部128を通して第1の送受信切替部126を操作制御し、第1の送信部122と第1のアンテナ部127とを接続する。
第1の送信部122は、第1の送受信切替部126および第1のアンテナ部127を介して、無線LANの使用環境の状況を計測するための計測用送信波S1を送信する。計測用送信波S1は、障害物50に当たると計測用反射波S2が発生する。
中央制御部140は、タイマ部114からn秒経過したことが通知されたとき、第2のアンテナ制御部138を実行させ、第2の送受信切替部136を操作制御し、第2の受信部134と第2のアンテナ部137とを接続する。
第2の受信部134は、障害物50から反射された計測用反射波S2を第2のアンテナ部137を介して受信し、反射波受信電界強度データ112b―1を計測する。
そして、反射波受信電界強度データ112b―1を記憶部112の今回の反射波受信電界強度格納エリア112bに格納する。
中央制御部140は、記憶部112の前回の反射波受信電界強度格納エリア112aの反射波受信電界強度データ112a―1と、今回の反射波受信電界強度格納エリア112bの反射波受信電界強度データ112b―1と比較する。
この結果、中央制御部140は、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ112b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ112a―1と等しい場合には、状態表示部116に状態を表示する。一方、中央制御部40は、今回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12b―1が、前回計測時の反射波S2の反射波受信電界強度データ12a―1と等しい場合には、状態表示部116の表示をOFFとする制御を行う。
このようにして、中央制御部140は、状態表示部116に無線LANの使用環境の状況を表示する。
(処理手順について)
次に、上述のような構成を有する無線LANブロードバンドルータにおける各種の処理手順について、図7を参照しつつ説明する。図7は、本発明の通信装置を無線LANブロードバンドルータに適用した第1の実施の形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。
ここにおいて、記憶部112には、前回計測した反射波受信電界強度データ112a―1が格納されているものとする。
中央制御部140は、第1のアンテナ制御部128を通して第1の送受信切替部126を操作制御し、第1の送信部122と第1のアンテナ部127を接続する処理を行う(ステップS201)<第1の接続処理ステップないしは第1の接続処理機能>。
中央制御部140は、無線LANの使用環境の状況を計測するための計測用送信波を第1の送信部122に送信し、第1の送信部122は、第1の送受信切替部126および第1のアンテナ部127を通して計測用送信波を送信する処理を行う(ステップS202)<計測用送信波送信ステップないしは計測用送信波送信機能>。
中央制御部140は、計測用送信波を送信する際に、タイマ部114の動作を開始する処理を行う(ステップS203)<計時開始処理ステップないしは計時開始処理機能>。
計測用送信波は、障害物50に当たると反射波が発生する。
中央制御部140は、タイマ部114が計時を開始してからn秒経過したか否かを判定する処理を行う(ステップS204)<経過時間判定処理ステップないしは経過時間判定処理機能>。
前記ステップS204の判定処理ステップにおいて、n秒経過したものと判定された場合には、その旨を通知し、ステップS205に進む。
一方、前記ステップS204の判定処理ステップにおいて、n秒経過したものと判定されない場合には、n秒に達するまでステップS204を繰り返す。
次に、中央制御部140は、第2のアンテナ制御部138をとおして第2の送受信切替部136を操作制御し、第2の受信部134と第2のアンテナ部137を接続する処理を行う(ステップS205)<第2の接続処理ステップないしは第2の接続処理機能>。
第2の受信部134は、障害物50から反射された反射波を第2のアンテナ部137を通して受信し、反射波受信電界強度データを計測する処理を行う(ステップS206)<第1の計測処理ステップないしは第1の計測処理機能>。
そして、反射波受信電界強度データを記憶部112の今回の反射波受信電界強度格納エリアに格納する処理を行う(ステップS207)<第1の計測データ格納処理ステップないしは第1の計測データ格納処理機能>。
中央制御部140は、記憶部112の前回の反射波受信電界強度格納エリアの反射波受信電界強度データと、今回の反射波受信電界強度格納エリアの反射波受信電界強度データと比較する処理を行う(ステップS208)<計測結果比較処理ステップないしは計測結果比較処理機能>。
前記ステップS208の比較処理ステップにおいて、今回計測時の反射波受信電界強度データが、前回計測時の反射波受信電界強度データと等しくない場合には、障害物50が新しくなったと判断し、中央制御部140は、状態表示部116に動作状態表示をONする処理を行う(ステップS209)<動作状態表示制御ステップないしは動作状態表示制御機能>。
一方、前記ステップS208の比較処理ステップにおいて、今回計測時の反射波受信電界強度データが、前回計測時の反射波受信電界強度データと等しい場合には、障害物50が変化していないと判断し、中央制御部140は、状態表示部116に動作状態表示をOFFする処理(例えばバックライトを消灯するなどの処理)を行う(ステップS210)<非表示制御ステップないしは非表示制御機能>。
ここで、本実施の形態においては、前回の反射波受信電界強度格納エリア112aの反射波受信電界強度データ112a―1が既に測定されている場合を想定している。この前回の測定では、前述のステップS201ないしステップS207と同様の処理が既に行われている。そして、その後今回の測定にて、前述のステップS201ないしステップS207との処理が行われている。このため、前回の測定を第1の測定とし、今回の測定を第2の測定とした場合には、第1の測定ステップでは、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して第1の物理量を計測することができる。また、第2の測定ステップでは、前記第1の計測ステップと異なる期間にて、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して第2の物理量を計測することができる。
また、以上のステップS208、ステップ209、ステップS210により、本発明にいう「制御ステップ」を構成できる。この制御ステップでは、前記第1の計測ステップにて計測された第1の物理量と、前記第2の計測ステップにて計測された第2の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知する制御を行う。
さらに、前記制御ステップでは、前記第2の物理量が前記第1の物理量と異なる場合には、表示手段に前記使用環境の状況の表示を行い、前記第2の物理量が前記第1の物理量と等しい場合には、前記表示手段の表示を消灯するように制御することができる。
さらに、比較ステップでは、前記空中線にて捕捉される計測用反射波を受信処理して電界強度等の物理量を抽出処理する計測データ処理機能を含めることができる。
以上のように本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、無線LANブロードバンドルータは、前回の反射波受信電界強度と、今回の反射波受信電界強度との比較の判断を変更し、状態表示部の動作状態表示をしないようにしているので、無線LANブロードバンドルータの消費電力が抑えられる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素をプログラム化し、コンピュータに実行させてもよい。
[各種変形例]
また、本発明にかかる装置及び方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
例えば、上述の各実施の形態では、通信装置として、無線LANブロードバンドルータを例に挙げたが、これに限らず、他の種々の通信装置であってもよい。例えば、ルータであってもよい。この他、無線LANカードなどであってもよい。
さらに、告知結果は、表示手段による表示に限らず、音声(異なる使用環境の状況を示す場合には、複数の異なる各音声パターン)音声出力手段による音声出力などによって告知するようにしてもよい(音声出力制御手段)。また、表示手段による告知パターンとしては、異なる色の表示で識別する例に限らず、点滅速度などの複数の異なる各々の点滅パターンによって識別できるようにしてもよい(点滅パターン表示制御手段)。さらにまた、通信装置は、これらの機能の全て又はいずれか1つもしくはいずれか2つによる構成であってもよい。
また、上記構成部材の数、位置、形状等は、上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。すなわち、上記実施の形態では、アンテナ部が2個の場合を示したが、本発明は、これらの個数を制限するものではない。
(プログラム)
また、前述した実施形態の機能を実現する本発明のソフトウエアのプログラムは、前述した各実施の形態における各種ブロック図などに示された処理部(処理手段)、機能などに対応したプログラムや、フローチャートなどに示された処理手順、処理手段、機能などに対応したプログラムや、図に示すデータ構造を利用するプログラムなどにおいて各々処理される各処理プログラム、本明細書で全般的に記述される方法(ステップ)、説明された処理、データ(例えば、反射波受信電界強度データ等)の全体もしくは各部を含む。
具体的には、プログラムは、情報通信機能の他に、空中線を介して計測用送信波、計測用反射波を授受することにより周囲の使用環境の状況を監視可能な通信装置が備えたコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波を前記空中線にて受信して物理量を計測制御する計測制御機能(例えば図1に示す28、38などの機能)と、前記計測機能にて計測される第1の計測における第1の物理量と、前記第1の計測と異なる期間にて前記計測手段にて計測される第2の計測における第2の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を判定し、その判定結果から前記使用環境の状況を告知する制御を行う制御機能(例えば図1に示す40、12の機能)と、を含む機能をコンピュータに実行させることができる。
ここにおいて、前記制御機能は、前記第2の物理量が前記第1の物理量より大きい場合には、表示手段に前記使用環境の状況が悪化している旨の表示を行い、前記第2の物理量が前記第1の物理量より小さい場合には、表示手段に前記使用環境の状況が好転している旨の表示を行うように制御することができる。
また、前記制御機能は、前記第2の物理量が前記第1の物理量と異なる場合には、表示手段に前記使用環境の状況の表示を行い、前記第2の物理量が前記第1の物理量と等しい場合には、前記表示手段の表示を消灯するように制御することができる。
さらに、他の観点のプログラムでは、情報通信機能の他に、空中線を介して計測用送信波、計測用反射波を授受することにより周囲の使用環境の状況を監視可能な通信装置が備えたコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記空中線にて捕捉される計測用反射波を受信処理して電界強度等の物理量を抽出処理する計測データ処理機能(例えば図4に示すステップ108に含まれる機能であって、比較の前に前処理として処理する機能)と、前記空中線から送信された計測用送信波の障害物からの計測用反射波が前記空中線にて捕捉され、受信して物理量を計測制御する計測制御機能(例えば図4に示すステップS101ないしステップS107などの処理機能)と、この計測された物理量と、それ以前に同一条件の下に計測された他の物理量とに基づいて、前記通信装置の周囲の使用環境の状況を比較判定する比較判定機能(例えば図4に示すステップS108などの機能)と、その判定結果から前記使用環境の状況を表示手段を介して外部に向けて表示制御する表示制御機能(例えば図4に示すステップS109、S110などの機能)と、を含む機能をコンピュータに実行させることができる。
ここにおいて、前記表示制御機能は、前記計測された物理量が前記他の物理量より大きい場合には、表示手段に前記使用環境の状況が悪化している旨の表示を行い、前記計測された物理量が前記他の物理量より小さい場合には、表示手段に前記使用環境の状況が好転している旨の表示を行うように制御することができる(第1の実施の形態)。
また、前記表示制御機能は、前記計測された物理量が前記他の物理量と異なる場合には、表示手段に前記使用環境の状況の表示を行い、前記計測された物理量が前記他の物理量と等しい場合には、前記表示手段の表示を消灯するように制御することができる(第2の実施の形態)。
プログラムは、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムは、高水準プロシージャ型またはオブジェクト指向プログラミング言語で、あるいは必要に応じてアセンブリまたはマシン言語で実装することができる。いずれの場合も、言語はコンパイラ型またはインタープリタ型言語であってもよい。上述のプログラムを、一般のパソコンや携帯型情報端末などで動作可能なアプリケーションソフトに組み込んだものも含む。
プログラムを供給する手法としては、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。また、プログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルにより構成することも実現可能である。
本発明のプログラムによれば、当該プログラムを格納するROM等の記憶媒体から、当該制御プログラムをコンピュータ(CPU)に読み込んで実行させれば、或いは、当該プログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明に係る通信装置を比較的簡単に実現できる。発明の思想の具現化例として通信装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記憶した記憶媒体上においても当然に存在し、利用される。
また、プログラムは、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。プログラムの供給方法として通信回線を利用して行なう場合であれば通信回線が伝送媒体となって本発明が利用されることになる。
(情報記録媒体)
また、プログラムを、情報記録媒体に記録した構成であってもよい。情報記録媒体には、プログラムを含むアプリケーションプログラムが格納されており、コンピュータが当該情報記録媒体からアプリケーションプログラムを読み出し、当該アプリケーションプログラムをハードディスクにインストールすることが可能である。これにより、上述のプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体あるいはROMなどの情報記録媒体に記録してプログラムを提供することができる。そのようなプログラムが記録された情報記録媒体を、コンピュータにおいて使用することは、好都合な情報処理装置を構成する。
プログラムを供給するための情報記録媒体としては、例えばROM、RAM、フラッシュメモリやSRAM等の半導体メモリ並びに集積回路、あるいはそれらを含むUSBメモリやメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気記録媒体等を用いてよく、さらに、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD―R、CD―RW、FD、DVDROM、HDDVD(HDDVD−R−SL<1層>、 HDDVD−R−DL<2層>、HDDVD−RW−SL、HDDVD−RW−DL、HDDVD−RAM−SL)、DVD±R−SL、DVD±R−DL、DVD±RW−SL、DVD±RW−DL、DVD−RAM、Blu−Ray Disk<登録商標>(BD−RーSL、BD−R−DL、BD−RE−SL、BD−RE−DL)、MO、ZIP、磁気カード、磁気テープ、SDカード、メモリスティック、不揮発性メモリカード、ICカード、等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置、等に記録して構成して用いてよい。
さらに「情報記録媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは伝送波)、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、コンピュータ上で稼働しているOS、端末(例えば携帯電話など)上のRTOS等が処理の一部又は全部を行う場合にも、上記実施の形態と同等の機能を実現できると共に、同等の効果を得ることができる。
さらに、プログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。この場合、本発明の構成は、プログラムの各構成要素(各種の手段、ステップ及びデータ)と、前記プログラム(各種の手段、ステップ及びデータ)を暗号化する暗号化手段と、を含んでよい。
また、上記実施の形態の通信装置の一例である無線LANブロードバンドルータを、クライアントサーバーシステムや、サーバを介さずに端末同士がネットワークを組み、相互にデータを送受信するピアツーピア(Peer To Peer)通信によるシステムとして構成する場合であってもよい。その際、「システム」を、他の「情報処理システム」と統合したシステムとして構成することも一向に構わない。「システム」には、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
さらに、上述のプログラムなどが搭載される情報処理装置としては、サーバは、例えばパーソナルコンピュータに限らず、各種サーバー、EWS(エンジニアリングワークステーション)、中型コンピュータ、メインフレームなどが挙げられる。情報端末は、以上の例に加えて、携帯型情報端末、各種モバイル端末、PDA、携帯電話機、ウエアラブル情報端末、種々の(携帯型などの)テレビ・DVDレコーダ・各種音響機器、各種情報通信機能を搭載した家電機器、ネットワーク機能を有するゲーム機器等からも利用できる構成としても構わない。あるいは、これらの端末に表示されるアプリケーションとして改良されたものも本発明の範囲に含めることができる。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
また、本明細書において、フローチャートに示されるステップは、記載された手順に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。また、実装では、プログラム手順(ステップ)が実行される順序を変更することができる。さらに、実装の必要に応じて、本明細書で説明した特定の手順(ステップ)を、組み合わされた手順(ステップ)として実装、除去、追加、または再配置することができる。
さらに、通信装置の各手段、各機能、各ステップの手順の機能などのプログラムの機能を、専用のハードウエア(例えば専用の半導体回路等)によりその機能を達成してもよく、プログラムの全機能のうち一部の機能をハードウエアで処理し、全機能のうちさらに他の機能をソフトウエアで処理するようにしてもよい。専用のハードウエアの場合、各部を集積回路例えばLSIにて形成されてもよい。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部または全部を含むように1チップ化されても良い。また、LSIには、ストリーミングエンジンなど他の機能ブロックが含まれていても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
さらに、上述の実施の形態では、データ通信機能と計測用通信機能とを兼用した構成としたが、各々独立に各部を構成した通信装置であってもよい。
その際に、計測目的以外の通信機能における「通信」では、無線通信および有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信を行うことが可能な通信装置であってもよい。
また、計測目的以外の通信装置と他の通信装置との間の通信構造においては、例えばBluetooth(登録商標)、UWB、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11gなどやその他これに類するもの、もしくは今後開発される如何なる無線通信規格であっても構わない。
さらに、ある区間では無線通信が行われ、他の区間では有線通信が行われることが可能な通信装置において計測機能を備えた構成であってもよい。さらに、ある装置から他の装置への通信が有線通信で行われ、他の装置からある装置への通信が無線通信で行うことが可能な通信装置において、計測機能を備えたものであっても。
そして、この通信には通信網が含まれる。通信網を構成するネットワークとしては、例えば携帯電話回線網(基地局及び交換システムを含む)、公衆電話回線網、IP電話網、ISDN回線網などこれに類する各種回線網、インターネット(乃ち、TCP・IPプロトコルを用いた通信態様)やイントラネット、LAN(イーサネット:登録商標、やギガビットイーサネットなどを含む)、WAN、光ファイバー通信網、電力線通信網、ブロードバンド対応可能な各種専用回線網などいずれのハードウエア構成でもよい。さらに、ネットワークは、TCP・IPプロトコルの他、種々の通信プロトコルを用いたネットワークあるいはソフトウエア的に構築された仮想ネットワークやこれに類するあらゆるネットワークを含むネットワークなどいかなる通信プロトコルであってもよい。また、ネットワークは、有線に限らず、無線(衛星通信、各種高周波通信手段等を含む)ネットワーク(例えば、簡易電話システムや携帯電話のようなシングルキャリア通信システム、W―CDMAやIEEE802.11bに準拠した無線LANのようなスペクトラム拡散通信システム、IEEE802.11aやHiperLAN/2のようなマルチキャリア通信システム、などを含むネットワーク)であっても構わず、これらの組み合わせを利用してもよく、他のネットワークと接続されたシステムであってもよい。さらに、ネットワークは、ポイントツーポイント、ポイントツーマルチポイント、マルチポイントツーマルチポイントなど如何なる形態でもよい。
さらに、反射波をもとにした第1の物理量、第2の物理量の計測から周囲の使用環境の状況を把握する手法は、必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。このため、方法にかかる発明も、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。この場合、方法を実現するための一例として通信装置、無線LAN装置、経路制御装置なども含めることができる。
さらに、通信装置は、プログラム制御により動作するものであり、ネットワーク関連の機能を有していれば、デスクトップ、ラップトップコンピュータその他無線・有線通信機能を有する情報機器、またはこれに類するコンピュータなどいかなるコンピュータでもよく、移動式・固定式を問わない。
ところで、このような通信装置は、単独で存在する場合もあるし、ある機器(例えば電子機器やコンピュータ)に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例として通信装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記憶した記憶媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合であってもよく、一部を記憶媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。本発明をソフトウェアで実現する場合、ハードウェアやオペレーティングシステムを利用する構成とすることも可能であるし、これらと切り離して実現することもできる。
さらに、装置における従属請求項は、方法,プログラムにおいて従属請求項に対応した構成にすることも可能である。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含む。この場合において、本実施形態において特に記載しなくとも、各実施の形態及びそれらの変形例に開示した各構成から自明な作用効果については、当然のことながら実施の形態の作用効果として含めることができる。逆に、本実施の形態に記載されたすべての作用効果を奏することのできる構成が、本発明の本質的特徴部分の必須構成要件であるとは限らない。また、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除された構成による実施の形態並びにその構成に基づく技術的範囲も発明になりうる。
そして、各実施の形態及びそれらの変形例を含むこれまでの記述は、本発明の理解を容易にするために、本発明の多様な実施の形態のうちの一例の開示、すなわち、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、例証するものであり、制限するものではなく、適宜変形及び/又は変更が可能である。本発明は、その技術思想、またはその主要な特徴に基づいて、様々な形で実施することができ、各実施の形態及びその変形例によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
従って、上記に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物を含む趣旨である。