JP4903885B2 - シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物及びその製造方法 - Google Patents

シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はシリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物及びその製造方法に関し、特に標準養生強度だけでなくコンクリート構造体のコア強度においても高強度である、シリカフュームをスラリー化して使用して製造した高強度コンクリート組成物及びその製造方法に関するものである。
従来より、コンクリートに混和する混和材としてシリカフュームがある。
かかるシリカフュームは、コンクリートに配合すると硬化体の緻密性が増大して、コンクリート強度および耐久性を向上することができること、結合材量が多く水結合材比が小さい場合に流動性が向上し施工性を改善できること、及び吹付けコンクリートにおけるリバウンド率が低下するなどの利点があるため、コンクリート用の混和材として好適に使用されている。
また、シリカフュームは超微粒子であるため、嵩密度が200〜300kg/mと小さく、大量輸送が困難であること等から、使用に際しては、水や分散剤を用いて予めスラリー状にしたシリカフュームスラリーを使用することが、特開平8−333144号(特許文献1)に、また、空気中での攪拌や水を添加した攪拌により嵩密度を高めた粒状シリカフューム、あるいはセメントと混合粉砕したシリカフュームセメントが特開平5−147984号(特許文献2)等に記載されている。
また、シリカフュームをレディーミクスコンクリート工場においてスラリー化して使用したコンクリートの製造方法および製造装置が特許第3947743号公報(特許文献3)、特許第3525099号公報(特許文献4)等に開示されている。
更に、高強度コンクリート組成物及びその製造方法として、特開2008−222482号公報(特許文献5)には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高強度混和材、分散剤、骨材及び水を含む高強度遠心力成形用コンクリート組成物であって、普通ポルトランドセメントの石膏中の半水石膏割合が20〜95質量%、間隙相含有割合が17〜23質量%、ポルトランドセメント総量中の早強ポルトランドセメントの割合が28〜80質量%、ポルトランドセメント総量の単位量が510〜690kg/mであり、高強度混和材は無水石膏と非晶質シリカとを含み、無水石膏/非晶質シリカの質量比が15/85〜85/15であり、ポルトランドセメント総量100質量部に対して高強度混和材を5〜20質量部含み、分散剤がポリカルボン酸系分散剤であることを特徴とする高強度遠心力成形用コンクリート組成物が開示されている。
レディーミクストコンクリート工場において、シリカフュームをスラリー化して使用する製造・供給システム(特許3947743号公報(特許文献3)、特許3525099号公報(特許文献4))では、高強度コンクリートの配合設計において、コンクリート構造体の外部強度だけでなく内部のコア強度も高い設計基準強度、例えば130N/mm以上を満足するものではない。コンクリート構造体のコア強度を高くするには、一般に水結合材比を極端に低くするため、施工性が低下する傾向にある。
また、コンクリート構造体を施工する際の環境温度によっても、強度が左右されるという問題がある。
特開平8−333144号 特開平5−147984号 特許第3947743号公報 特許第3525099号公報 特開2008−222482号公報
本発明の目的は、コンクリート構造体が優れた強度、特に標準養生強度だけでなくコンクリート構造体のコア強度が所定の設計基準強度(例えば130N/mm)を満足する、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物及びその製造方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、冬期、標準期、夏期における環境温度においても、特に冬期において、優れた上記強度を有する、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物及びその製造方法を提供することである。
本発明は、冬期、標準期、夏期の所定温度において、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントが特定の配合割合で配合され、かつ、配合されるシリカフュームスラリー中のシリカフュームが特定の配合割合で配合されること等で、上記課題を解決できることを見出し、水結合材比が極端に低くなることを防ぎ、施工性が低下することがない、高強度コンクリート組成物及びその製造方法である。
本発明の高強度コンクリート組成物は、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、シリカフュームスラリー、細骨材、粗骨材、混練水及び高性能AE減水剤を含むコンクリート組成物であって、該シリカフュームスラリーを構成するシリカフュームの含有割合は、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して8〜15質量%、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントとの配合割合が質量比で4:6〜6:4であることを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物である。
好適には、上記本発明の高強度コンクリート組成物において、さらに、該シリカフュームスラリー中の水と該混練水との総量が、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して14〜18質量%であることを特徴とするものである。
さらに好適には、上記本発明の高強度コンクリート組成物において、低熱ポルトランドセメントは、CS量が56±5質量%、粉末度が3460±300cm/gであり、中庸熱ポルトランドセメントはCSが43±5質量%、粉末度が3430±300cm/gであることを特徴とするものである。
本発明の高強度コンクリート組成物の製造方法は、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー、高性能AE減水剤および水を混練してコンクリート組成物を調製するにあたり、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー及び混練水を混練した後、高性能AE減水剤を投入して均一に混練し、該シリカフュームスラリーを構成するシリカフュームの配合を、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して8〜15質量%とし、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントとの配合を質量比で4:6〜6:4となるように調製して配合することを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物の製造方法である。
好適には、上記本発明の高強度コンクリート組成物の製造方法において、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー及び混練水の配合は、細骨材全質量の2分の1質量の細骨材と低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントを混練し、次いで、残りの細骨材全質量の2分の1の質量の細骨材と粗骨材を投入して混練し、その後別途調製したシリカフュームスラリーと混練水とを投入して更に混練することを特徴とする。
また好適には、上記本発明の高強度コンクリート組成物の製造方法において、該シリカフュームスラリー中の水と該混練水との総量が、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して14〜18質量%となるように調製して配合することを特徴とする。
さらに好適には、上記高強度コンクリート組成物の製造方法において、低熱ポルトランドセメントが、CS量が56±5質量%、粉末度が3460±300cm/gであり、中庸熱ポルトランドセメントはCSが43±5質量%、粉末度が3430±300cm/gであることを特徴とする。
本発明のシリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物は、優れた強度、特に標準養生強度だけでなく、コンクリート構造体のコア強度が所定の設計基準強度(例えば130N/mm、好適には150N/mm)を満足することが可能となる。
また冬期、標準期(春期、秋期)、夏期における環境温度においても、特に冬期において、優れた前記強度を有するコンクリート組成物とすることができる。
本発明のシリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物の製造方法は、上記本発明の高強度コンクリート組成物を効率よく有効に製造することができる。
簡易断熱養生の概要を示す概略図である。 冬期におけるコンクリート供試体の簡易断熱養生時の温度履歴を示す線図である。 簡易断熱養生供試体の圧縮強度と、模擬構造体のコア部分の圧縮強度との関係を示す線図である。
本発明のシリカフュームスラリーを用いた高強度セメント組成物は、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、シリカフュームスラリー、細骨材、粗骨材及び混練水を含むコンクリート組成物であって、該シリカフュームスラリーを構成するシリカフュームの含有割合は、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して8〜15質量%、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントとの配合割合が質量比で4:6〜6:4である。
このような構成とすることで、コンクリート構造体の内部、即ちコア部分の強度を材齢91日後に130N/mm以上、好ましくは150N/mm以上とし、所定の温度(環境温度)において高い圧縮強度を発現することができるコンクリート組成物を得ることができる。
本発明のコンクリート組成物には、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントとが使用される。
低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントの配合割合は、質量比で4:6〜6:4である。
この配合割合であると、所定の温度において、材齢91日後のコンクリート構造体のコア部分の圧縮強度が最大となる。
該低熱ポルトランドセメントは、CS量が56±5質量%、粉末度が3460±300cm/gであり、中庸熱ポルトランドセメントはCSが43±5質量%、粉末度が3430±300cm/gであるものを使用することが好ましい。
これにより、標準期(春期、秋期)のみならず、冬期においても高強度が比較的早期材齢において容易に得られると共に、夏期においても強度の頭打ちがなく高強度が確保されるという効果が得られる。
なお、上記CS量はJIS R 5202『ポルトランドセメントの化学分析法』によって、セメント中の酸化カルシウム(CaO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化第二鉄(Fe)、三酸化硫黄(SO)の各質量割合(%)を、JCAS(セメント協会標準試験方法)I−01−1997『遊離酸化カルシウムの定量方法』によってf.CaO(遊離酸化カルシウム)の質量割合(%)を求め、次式で示されるボーグ式より算定した。
S=(4.07×(CaO−f.CaO))−(7.60×SiO)−(6.72×Al)−(1.43×Fe)−(2.85×SO
S=(2.87×SiO)−(0.754×CS)
A=(2.65×Al)−(1.69×Fe
AF=(3.04×Fe
粉末度は、JIS R 5201『セメントの物理試験方法』にしたがって測定した。
また、シリカフュームは、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して8〜15質量%の割合で配合される。
この配合割合で含有されると、コンクリートの流動性が大きく施工性が良好となるとともに高強度が得られるという利点がある。なお、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームを結合材というものとする。
また、シリカフュームは、JIS規格(JIS A 6207)に規定される「コンクリート用シリカフューム」の品質規格を満足するものである。
好適には、該シリカフュームスラリー中の水と該混練水との総量が、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフューム(結合材)の合計質量に対して14〜18質量%であることが好ましく、コンクリート組成物が更に高強度となるとともに、水結合材比が極端に低くなることを防ぎ、施工性が低下することがないからである。
また高性能AE減水剤の組成は、特に限定されず、任意のものを用いることができる。
本発明のシリカフュームを用いた高強度コンクリート組成物の調製を、以下に説明する。
本発明の高強度コンクリートの製造方法は、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー、高性能AE減水剤および水を混練してコンクリート組成物を調製するにあたり、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー及び混練水を混練した後、高性能AE減水剤を投入して均一に混練し、該シリカフュームスラリーを構成するシリカフュームの配合を、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して8〜15質量%とし、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントとの配合を質量比で4:6〜6:4となるように調製して配合する、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物の製造方法である。
低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリーおよび水の配合順序は特に限定されないが、好ましくは、例えば、細骨材全質量の2分の1質量の細骨材と低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントを混練し、次いで、残りの細骨材全質量の2分の1の質量の細骨材と粗骨材を投入して混練し、次いで別途調製したシリカフュームスラリーと混練水とを投入して更に混練することが練混ぜ効率の点から望ましく、その後高性能AE減水剤を投入して均一に混練してコンクリート組成物を調製する。
上記低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントの配合量は、それぞれ別の計量器でJIS A 5308で許容された誤差内に収まるように計量する。同様に別途計量した細骨材、粗骨材、水、シリカフュームスラリー、高性能AE減水剤とを、上記した順序でミキサ内で混合し、負荷電力値が一定になるまで練り混ぜることで、高強度コンクリート組成物を製造することができる。
シリカフュームは、シリカフュームと水とを混合して別途調製したシリカフュームスラリーとしてコンクリート組成物に添加し、高性能AE減水剤と配合するタイミングをずらすことで(時差投入)、シリカフュームがコンクリート中に均一に分散され、高性能AE減水剤とシリカフュームとが可塑化することなく、流動性を確保することができる。
ここで、本発明の高強度コンクリート組成物によるコンクリート構造体のコアの圧縮強度については、以下に説明する簡易断熱養生コンクリート供試体の圧縮強度を測定することで、コア強度が明らかになるものである。
具体的には、図1に概略を示すように、厚さ200mmの発泡スチロール断熱材(発泡倍率55倍、(有)長沼化成)で全面を覆っている645×645×230mmの空間内に、コンクリート組成物を打ち込んで得られたΦ10cm×高さ20cmの各コンクリート供試体を格納設置し、コンクリート供試体が格納設置された該空間の隙間を発泡ビーズ(発泡倍率55倍,(有)長沼化成)で埋めて簡易断熱養生を行ない、簡易断熱養生コンクリート供試体とする。
一例として、冬期(温度10℃)において、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントの質量混合比を、100:0、80:20、60:40、50:50、40:60、20:80、0:100とし、シリカフューム混合率が12%、水結合材比が14%である簡易断熱養生コンクリート供試体が受けた温度履歴の結果を図2に示す。なお、温度測定は、簡易断熱養生中のコンクリート供試体にJIS C 1602のT熱電対を用いて測定したものである。
但し、シリカフューム混合率とは、[シリカフューム(SF)/(低熱ポルトランドセメント(C)+中庸熱ポルトランドセメント(C)+シリカフューム(SF))]×100(質量%)を意味し、水結合材比とは、水/(C+C+シリカフューム(SF))]×100(質量%)を意味する。
図2に示す温度履歴を受けた簡易断熱養生コンクリート供試体の圧縮強度と、1m角(立方体)の模擬コンクリート構造体(後述する実施例の評価試験に記載する標準養生コンクリート供試体と同様の方法で製造したコンクリート構造体)から採取したコアの圧縮強度との関係を図3に示す。図3より、両者は良好な相関関係にあることがわかる。
なお、コア強度とは、コアマシンによって1m角の前記模擬構造体からφ100mmの円柱状コアを1000mm切り出し、高さ200mmに成形した3本の円柱供試体の圧縮強度の平均値である。
従って、簡易断熱養生コンクリート試験体の圧縮強度は、実際のコンクリート構造体のコア部分の圧縮強度を表すと考えられ、かかる簡易断熱養生を行うことで、実際のコンクリート構造体のコア部分の強度を測定することが可能となる。
本発明のコンクリート組成物は、シリカフュームスラリーを使用したコンクリート組成物であって、簡易断熱養生によるコンクリート供試体で測定した圧縮強度、即ちコンクリート構造体のコア部分の強度が、最も高くなるコンクリート組成物である。
本発明を次の実施例及び比較例により説明するが、これらに限定されるものではない。
使用材料
・低熱ポルトランドセメント(C):住友大阪セメント株式会社製、CS量が56±5%,粉末度が3460±300cm/g
・中庸熱ポルトランドセメント(C):住友大阪セメント株式会社製、CS量が43±5%,粉末度が3430±300cm/g
・シリカフューム(SF):エルケム・ジャパン株式会社製で、JIS A 6207を満足するものであり、密度2.20g/cm3、比表面積17.9m/g、SiO量94質量%
・細骨材(S):茨城県桜川産硬質砂岩砕砂で、JIS A 5005を満足するものであり、密度2.57g/cm3、粒形判定実積率57%、粗粒率2.97、吸水率1.5%
・粗骨材(G):茨城県桜川産硬質砂岩砕石2005でJIS A 5005を満足するものであり、密度2.65g/cm3、実積率61%,粗粒率6.40,吸水率0.7%
・水(W):水道水
・混和剤(Ad):高性能AE減水剤(チューポールSSP−104:竹本油脂株式会社製)
上記各使用材料を用いてコンクリート組成物を製造した。
具体的には、下記表1〜5に示す配合量となるように、まず細骨材全質量の2分の1質量の細骨材と低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントを混練し、次いで、残りの細骨材全質量の2分の1の質量の細骨材と粗骨材を投入して混練し(例えば15秒間の空練り)、次いで別途調製したシリカフュームスラリーと混練水とを投入して更に混練し(例えば20秒以上)、その後高性能AE減水剤を投入して(時差投入)、均一に混練して、例えば負荷電力値が一定になるまで混練して、各コンクリート組成物を得た。
なお、高性能AE減水剤は、各コンクリート組成物のスランプフロー値が、JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)で測定して70±7.5cmとなるように調整して配合した。
下記表1〜5中、Bは低熱ポルトランドセメント(C)と中庸熱ポルトランドセメント(C)とシリカフューム(SF)の合計質量(kg)を表し、シリカフューム混合率とは、[シリカフューム(SF)/(C+C+シリカフューム(SF))]×100(質量%)を意味する。
また、sは細骨材の体積、aは全骨材の体積であり、細骨材率(%)は、[s(細骨材(S))/a(細骨材(S)+粗骨材(G))]×100(体積%)を意味する。
水結合材比(W/B)は、[水/(C+C+シリカフューム(SF))]×100(質量%)を意味する。
また、季節として、標準期は温度25℃、夏季は温度30℃、冬期は温度10℃を意味する。
なお、表5は、季節として冬期(温度10℃)におけるものである。
Figure 0004903885
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Figure 0004903885
Figure 0004903885
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(評価試験)
(1)コンクリート供試体
・標準養生コンクリート供試体
上記各コンクリート組成物を用いてΦ10cm×高さ20cmのブリキの型枠に打ち込んで、20℃で24時間静置し、その後脱型して、20℃の水中で養生させて各標準養生コンクリート供試体とした。
・簡易断熱養生コンクリート供試体
図1に概略を示すように、厚さ200mmの発泡スチロール断熱材(発泡倍率55倍、(有)長沼化成)で全面を覆っている645×645×230mmの空間内に、上記各コンクリート組成物を打ち込んで得られたΦ10cm×高さ20cmの各コンクリート供試体を格納設置した。
各コンクリート供試体が格納設置された該空間の隙間を発泡ビーズ(発泡倍率55倍、(有)長沼化成)で埋めて簡易断熱養生を行ない、簡易断熱養生コンクリート供試体とした。
なお、図1(a)は、簡易断熱養生の状態を概略的に示す平面図、図1(b)は、簡易断熱養生の状態を概略的に示す断面図である。
(2)圧縮強度
上記表1〜5の各コンクリート組成物を用いて製造した、前記標準養生コンクリート供試体及び前記簡易断熱養生コンクリート供試体について、圧縮強度を測定し、その結果を、下記表6〜9に示す。但し、表6〜8は、上記表1〜4に示す配合割合で調製したコンクリート組成物を用いた供試体、表9は、上記表5に示す配合割合で調製したコンクリート組成物を用いた供試体である。
また、圧縮強度は、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準じて測定した。
ここで、上記したように、簡易断熱養生コンクリート供試体の圧縮強度は、コンクリート構造体のコア強度(内部強度)にほぼ等しい値が得られる値として、簡易断熱養生コンクリート供試体の圧縮強度に相当するものである。
Figure 0004903885
Figure 0004903885
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上記表6〜8より、本発明のコンクリート組成物による供試体は、実際のコンクリート構造体のコア強度にほぼ等しい値が得られる簡易断熱養生において、所定の温度において最も高い圧縮強度が得られていることがわかる。
Figure 0004903885
上記表9より、シリカフュームの結合材(セメント及びシリカフューム)に対する混合率が5%および20%の場合は圧縮強度が小さいことから、高強度を得るためにはシリカフュームの結合材に対する混合率は8〜15質量%が好ましいことがわかる。
なお、シリカフューム混合率が5質量%ではシリカフュームの量が不足してセメントを十分に分散できず、またシリカフューム混合率が20質量%だと十分な流動性が得られず、その不十分な流動性を得るのに多量の高性能AE減水剤が必要となり、セメントの水和に何らかの障害が発生すること等によって、他のシリカフューム混合率のコンクリート供試体と比較して圧縮強度が低下したと考えられる。
本発明のコンクリート組成物は、コンクリート構造体内部のコア強度の強度発現性が優れているため、大型のコンクリート構造体、例えば高層建築物、橋梁等の建築、土木分野において従来適用されていたコンクリート構造体に有効に適用することができる。

Claims (7)

  1. 低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、シリカフュームスラリー、細骨材、粗骨材、混練水及び高性能AE減水剤を含むコンクリート組成物であって、該シリカフュームスラリーを構成するシリカフュームの含有割合は、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して8〜15質量%、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントとの配合割合が質量比で4:6〜6:4であることを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物。
  2. 請求項1記載の高強度コンクリート組成物において、さらに、該シリカフュームスラリー中の水と該混練水との総量が、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して14〜18質量%であることを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物。
  3. 請求項1又は2記載の高強度コンクリート組成物において、低熱ポルトランドセメントは、CS量が56±5質量%、粉末度が3460±300cm/gであり、中庸熱ポルトランドセメントはCSが43±5質量%、粉末度が3430±300cm/gであることを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物。
  4. 低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー、高性能AE減水剤および水を混練してコンクリート組成物を調製するにあたり、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー及び混練水を混練した後、高性能AE減水剤を投入して均一に混練し、該シリカフュームスラリーを構成するシリカフュームの配合を、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して8〜15質量%とし、低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントとの配合を質量比で4:6〜6:4となるように調製して配合することを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物の製造方法。
  5. 請求項4記載の高強度コンクリート組成物の製造方法において、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、粗骨材、細骨材、シリカフュームスラリー及び混練水の配合は、細骨材全質量の2分の1質量の細骨材と低熱ポルトランドセメントと中庸熱ポルトランドセメントを混練し、次いで、残りの細骨材全質量の2分の1の質量の細骨材と粗骨材を投入して混練し、その後別途調製したシリカフュームスラリーと混練水とを投入して更に混練することを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物の製造方法。
  6. 請求項4又は5記載の高強度コンクリート組成物の製造方法において、該シリカフュームスラリー中の水と該混練水との総量が、低熱ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント及びシリカフュームの合計質量に対して14〜18質量%となるように調製して配合することを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物の製造方法。
  7. 請求項4〜6いずれかの項記載の高強度コンクリート組成物の製造方法において、低熱ポルトランドセメントが、CS量が56±5質量%、粉末度が3460±300cm/gであり、中庸熱ポルトランドセメントはCSが43±5質量%、粉末度が3430±300cm/gであることを特徴とする、シリカフュームスラリーを用いた高強度コンクリート組成物の製造方法。
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