JP4903391B2 - データベースレプリケーション方法及びその装置並びにその制御プログラム - Google Patents

データベースレプリケーション方法及びその装置並びにその制御プログラム Download PDF

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Description

この発明は、データベースレプリケーション方法及びその装置並びにその制御プログラムに関し、詳しくはアプリケーションプログラムの開発に制限を与えないデータベースレプリケーション方法及びその装置並びにその制御プログラムに関する。
従来のデータベースレプリケーション装置(以下、従来装置という)は、1つのマスターデータ記憶部と複数のレプリカデータ記憶部とから構成され、アプリケーションプログラムによるマスターデータ記憶部の更新の際に、マスターデータ記憶部から1つのレプリカデータ記憶部への配信は行われるように構成されていたが、他のレプリカデータ記憶部への配信は考慮されていなかった。
特許文献1には、レプリカ端末からの要求に応じて、記憶保持された抽出条件に基づいてマスターデータベースからレプリカデータベース対応の変更データを抽出し、抽出された変更データを対応するレプリカデータベースへ伝送し、そのレプリカデータベースをリフレッシュする技術が記載されている。
特開2004−302919号公報
上述の従来装置は、アプリケーションプログラムによるマスターデータ記憶部のレコードの更新の際に、マスターデータ記憶部から1つのレプリカデータ記憶部への配信は行えるが、他のレプリカデータ記憶部へは配信できない構成であったので、マスターデータ記憶部のレコードの更新によって複数のレプリカデータ記憶部のうちの或るレプリカデータ記憶部から他のレプリカデータ記憶部へのレコードの移動が必要になる場合のマスターデータ記憶部のレコードの更新は、無条件ですることができず、制限事項を付する必要があった。
また、マスターデータ記憶部のレコードの更新におけるデータ更新情報を或るレプリカデータ記憶部へ配信する際にレコードの加工を必要とする場合においても、他のレプリカデータ記憶部へのデータ更新情報の配信が考慮されていなかつたので、加工されたレコードを或るレプリカデータ記憶部から他のレプリカデータ記憶部へ移動させる必要が生ずるようなマスターデータ記憶部のレコードの更新も、制限事項を付する必要があった。
特許文献1に記載される技術は、レプリカ端末からの要求に応じて、抽出条件に基づいてレプリカデータベースに登録すべき変更データをマスターデータベースから抽出し、その変更データを対応するレプリカデータベースに伝送して当該レプリカデータベースの変更を行うようにしているが、抽出された上記変更データが或るレプリカデータベースから他のレプリカデータベースへ移動させることについては示唆するところがないから、この特許文献1の技術にも、上記従来装置と同様の技術的課題が、なお、残っていると云える。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、アプリケーションプログラムの開発の容易化に寄与するデータベースレプリケーション方法及びその装置並びにその制御プログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、マスターデータベース装置の記憶部に記憶されている情報の少なくとも一部が更新されるとき、複数のレプリケーションデータベース装置のうち、該当するレプリケーションデータベース装置の記憶部に記憶されている情報に、当該更新情報を反映させる更新を生じさせるデータベースレプリケーション方法に係り、更新範囲を指定する抽出条件と該抽出条件で指定される前記更新情報を配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を特定する配信情報とからなる配信制御情報を入力装置から入力して配信制御情報記憶部に記憶し、更新前のレコード又は/及び更新後のレコードを含む前記更新情報を更新情報記憶部に記憶し、前記配信制御情報に基づいて、複数の前記レプリケーションデータベース装置の中から、配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を特定し、特定された前記レプリケーションデータベース装置に前記更新情報を配信し、配信先の決定にあたっては、前記配信制御情報と前記更新情報記憶部に記憶された前記更新情報に基づいて、前記更新前のレコードが記憶されている第1のレプリケーションデータベース装置と前記更新後のレコードが記憶されるべき第2のレプリケーションデータベース装置とを特定すると共に、前記第1及び第2のレプリケーションデータベース装置が同一装置であるか否かを判別し、否なら、前記第1のレプリケーションデータベース装置を、「更新前のレコードを削除する」旨の更新情報の配信先と決定する一方、前記第2のレプリケーションデータベース装置を、「更新後のレコードを追加する」旨の更新情報の配信先と決定することを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーション方法に係り、前記更新情報が、更新前のレコード、更新後のレコード及び更新の種類からなることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーション方法に係り、前記抽出条件及び前記配信情報が、前記マスターデータベース装置で更新される情報に応じて決められることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーション方法に係り、前記抽出条件及び前記配信情報が、前記マスターデータベース装置への情報の更新を行う処理装置で実行されるプログラムによって決められることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーション方法に係り、前記レプリケーションデータベース装置への配信は、前記レコードの全部又は一部について行うことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、スターデータベース装置と、複数のレプリケーションデータベース装置とを有し、前記マスターデータベース装置の記憶部に記憶されている情報の少なくとも一部が更新されるとき、複数のレプリケーションデータベース装置のうち、該当するレプリケーションデータベース装置の記憶部に記憶されている情報に、当該更新情報を反映させる更新を生じさせるデータベースレプリケーションシステムに係り、更新範囲を指定する抽出条件と該抽出条件で指定される前記更新情報を配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を特定する配信情報とからなる配信制御情報を入力する配信制御情報入力手段と、更新前のレコード又は/及び更新後のレコードを含む前記更新情報を記憶する更新情報記憶手段と、該更新情報記憶手段から読み出された前記更新情報を、複数の前記レプリケーションデータベース装置のうちの、前記配信制御情報入力手段から入力された前記配信制御情報に基づいて特定される前記レプリケーションデータベース装置に配信する配信手段とを備えてなると共に、前記配信手段は、前記配信制御情報に基づいて、前記更新情報を配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を決定する配信先決定手段と、該配信先決定手段により決定された前記レプリケーションデータベース装置に前記更新情報を配信する更新情報配信手段とを有してなり、かつ、前記配信先決定手段は、前記配信制御情報と前記更新情報記憶手段に記憶された前記更新情報に基づいて、前記更新前のレコードが記憶されている第1のレプリケーションデータベース装置と前記更新後のレコードが記憶されるべき第2のレプリケーションデータベース装置とを特定すると共に、前記第1及び第2のレプリケーションデータベース装置が同一装置であるか否かを判別し、否なら、前記第1のレプリケーションデータベース装置を、「更新前のレコードを削除する」旨の更新情報の配信先と決定する一方、前記第2のレプリケーションデータベース装置を、「更新後のレコードを追加する」旨の更新情報の配信先と決定することを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーションシステムに係り、前記配信制御情報入力手段が、前記配信制御情報を記憶する配信制御情報記憶手段と、該配信制御情報記憶手段の前記配信制御情報を読み出す読出手段とを有して構成されることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーションシステムに係り、前記更新情報は、更新前のレコード、更新後のレコード及び更新の種類からなることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーションシステムに係り、前記抽出条件及び前記配信情報は、前記マスターデータベース装置で更新される情報に応じて決められることを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーションシステムに係り、前記抽出条件及び前記配信情報は、前記マスターデータベース記憶手段への情報の更新を行う処理装置で実行されるプログラムによって決められることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーションシステムに係り、前記配信手段が、前記レコードの全部又は一部について配信を行うことを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項記載のデータベースレプリケーションシステムに係り、前記配信制御情報を入力する入力装置が前記配信制御情報記憶手段に接続されることを特徴としている。
請求項13記載の発明は、制御プログラムに係り、前記マスターデータベース装置のコンピュータに請求項1乃至のいずれか一に記載のデータベースレプリケーション方法を実行させることを特徴としている。
請求項14記載の発明は、制御プログラムに係り、前記マスターデータベース装置のコンピュータを請求項6乃至12のいずれか一に記載のデータベースレプリケーションシステムの各手段として機能させることを特徴としている。
この発明によれば、マスターデータベース記憶手段での情報の更新に伴う複数のレプリケーションデータベース記憶手段の更新において、マスターデータベース記憶手段の更新と所定の関係で決まる配信制御情報を入力し、マスターデータベース記憶手段の更新時に記憶された更新情報を読み出し、入力された配信制御情報に基づいて読み出された更新情報をレプリケーションデータベース記憶手段に配信するようしているから、マスターデータベース記憶手段の更新に伴って或るレプリケーションデータベース記憶手段から他のレプリケーションデータベース記憶手段への更新情報内のレコードの移動が必要である場合でも、マスターデータベース記憶手段の更新に制限を付することなく、アプリケーションプログラムを実行させることができる。この効果が得られるから、アプリケーションプログラムの開発工数の低減に役立つ。
この発明は、マスターデータベース記憶手段での情報の更新に伴う複数のレプリケーションデータベース記憶手段の更新のために、マスターデータベース手段の更新と所定の関係で決まる配信制御情報を入力することと、マスターデータベース記憶手段の更新時に記憶されたデータ更新情報(更新情報)を読み出すことと、入力された配信制御情報に基づいて読み出されたデータ更新情報をレプリケーションデータベース記憶手段に配信することとを用いて構成される。
図1は、この発明の実施例1であるデータベースレプリケーション装置の電気的構成を示す図、図2は、同データベースレプリケーション装置の処理手順を示すフローチャート、図3は、同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図、図4は、同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図、図5は、同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図、図6は、同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図、図7は、同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図、また、図8は、同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。
この実施例のデータベースレプリケーション装置1は、アプリケーションプログラムの実行に伴って行われる1つのマスターデータ記憶部の更新対応のレプリケーションデータ記憶部の更新をアプリケーションプログラムに依存することなく行うことのできる装置に係り、図1に示すように、マスターデータベース装置12と2つのレプリケーションデータベース装置(以下、レプリカデータベース装置という)14、16とを有して概略構成されている。そして、マスターデータベース装置12には、入力装置18が接続される。
マスターデータベース装置12は、マスターデータ記憶部20と、レプリケーション定義情報記憶部21と、マスターデータ更新手段22と、更新情報記憶部23と、更新情報取得手段24と、レプリケーション定義手段25と、レプリケーション定義情報取得手段26と、配信先決定手段27と、更新情報配信手段28とを有して構成される。マスターデータ更新手段22には、データ処理装置(図示せず)でのアプリケーションプログラム11の実行結果が転送されるように構成されている。プリケーション定義手段25には、入力装置18が接続される。
レプリカデータベース装置14は、レプリケーションデータ記憶部(以下、レプリカデータ記憶部という)31と、更新情報反映手段32とを有し、レプリカデータベース装置16は、レプリカデータ記憶部33と、更新情報反映手段34とを有して構成される。
マスターデータ記憶部20は、アプリケーションプログラムで実行されるレコードを記憶する記憶部である。
マスターデータ更新手段22は、アプリケーションプログラムの実行結果を受けてマスターデータ記憶部20のレコードを更新する手段である。
更新情報記憶部23は、マスターデータ更新手段22から更新情報、すなわち、更新前のレコード、更新後のレコード及び更新の種類(INSERT、UPDATE及びDELETEのうちのいずれか)を受け取り、その更新情報を記憶する記憶部である。
更新情報取得手段24は、更新情報記憶部23の更新情報を取得する手段である。
入力装置18は、レコードのコピーを保存するためのレプリケーション定義情報、すなわち、そのための所定の抽出条件と、抽出条件で抽出されたレコードをいずれのレプリカデータ記憶部へ配信するかを決める配信情報とをレプリケーション定義手段25に入力させる装置である。
抽出条件は、アプリケーションプログラムの実行によってマスターデータ記憶部20のレコードが更新されるとき、更新対象の更新情報範囲を指定する情報である。
レプリケーション定義情報記憶部21は、レプリケーション定義情報を記憶する記憶部である。
レプリケーション定義手段25は、更新情報記憶部23から更新情報を抽出するための入力装置18から与えられる抽出条件及び抽出されたレコードの配信情報をレプリケーション定義情報記憶部21に記憶させる手段である。
レプリケーション定義情報取得手段26は、レプリケーション定義情報記憶部21からレプリケーション定義情報を取得する手段である。
配信先決定手段27は、レプリケーション定義情報取得手段26によってレプリケーション定義情報記憶部21から取得された抽出条件及び配信情報に基づいて、更新情報取得手段24によって更新情報記憶部23から取得された更新情報の配信先を決定する手段である。
更新情報配信手段28は、配信先決定手段27によって決定された配信先であるレプリカデータベース装置14、16に更新情報を配信する手段である。
マスターデータベース装置12の更新情報取得手段24と、レプリケーション定義手段25と、レプリケーション定義情報取得手段26と、配信先決定手段27と、更新情報配信手段28とは、図2に示す処理を実行する手段の各々であり、これらの処理は、プログラムにより行われる。そのプログラムは、マスターデータベース装置12内の図示しない記憶装置に記憶されている。
記憶装置のプログラムは、マスターデータベース装置12を構成するCPUにより読み出されてメモリに書き込まれた後、メモリから読み出されてCPUで実行することにより、図2に示す処理手順が順次遂行されるようにして、更新情報取得手段24と、レプリケーション定義手段25と、レプリケーション定義情報取得手段26と、配信先決定手段27と、更新情報配信手段28とは、構成されている。
レプリカデータベース装置14、16のレプリカデータ記憶部31、33は、アプリケーションプログラムの実行結果のレコードを記憶する記憶部であり、更新情報反映手段32、34は、更新情報配信手段28によって配信された更新情報に対応した記憶内容の変更をレプリカデータ記憶部31、34に生じさせる手段である。
次に、図1乃至図8を参照して、この実施例の動作について説明する。
データ処理装置でのアプリケーションプログラムの実行に先立って、入力装置18から、アプリケーションプログラムの実行によって更新されるデータを保存するためのレプリケーション定義情報(配信制御情報)、すなわち、そのための所定の抽出条件と、配信情報とが入力され、そのレプリケーション定義情報を受け取ったレプリケーション定義手段25は、レプリケーション定義情報をレプリケーション定義情報記憶部21に予め記憶させる。
その後に、データ処理装置でそのアプリケーションプログラムが実行されると、その実行結果に応じてマスターデータ記憶部20の更新が、マスターデータ更新手段22によって生ぜしめられる。
この更新が行われるとき、マスターデータ更新手段22は、更新情報記憶部23へ更新情報、すなわち、更新前のレコード、更新後のレコード及び更新の種類(INSERT、UPDATE及びDELETEのうちのいずれか)を転送してその更新情報を更新情報記憶部23に記憶させる。
更新情報記憶部23に記憶された更新情報が、更新情報取得手段24によって取得される(読み出される)(図2のA1)一方、レプリケーション定義情報記憶部21に記憶されているレプリケーション定義情報が、レプリケーション定義情報取得手段26によって取得されて(読み出されて)(A2)配信先決定手段27に渡す。
更新情報取得手段24から更新情報を渡され、かつ、レプリケーション定義情報取得手段26からレプリケーション定義情報である抽出条件及び配信情報を渡された配信先決定手段27は、その抽出条件及び配信情報に基づいて、更新情報の配信先を決定する。
この配信先の決定を具体的に以下に説明する。
上述のようにして更新情報を渡された配信先決定手段27は、先ず、更新の種類がUPDATEであるか否かを判別する(A3)。
上述の更新において、更新の種類がUPDATEになっていないならば(A3のNO)、更新情報記憶部23から取得されたレコードは、1つになっているので、その1つのレコードに対応する抽出条件により配信先を特定する(A4)。
更新の種類がUPDATEになっていない場合で、上述の更新が新規にレコードを追加する態様のときには、レコードとしては更新前のレコードはなく、更新の種類がINSERTとなるから、この場合での更新情報記憶部23の記憶内容は、更新後のレコードと更新の種類INSERTとなり、また、上述の更新が既存のレコードを削除する態様のときには、レコードとしては更新後のレコードはなく、更新の種類がDELETEとなるから、この場合での更新情報記憶部23の記憶内容は、更新前のレコードと更新の種類DELETEとなっている。
更新の種類がUPDATEになっているならば(A3のYES)、配信先決定手段27は、レプリケーション定義情報取得手段26から渡されている抽出条件に基づいて、更新前のレコードが記憶されているレプリカデータ記憶部と更新後のレコードが記憶されるべきレプリカデータ記憶部を特定する(A5、A6)。
そして、上記2つのレプリカデータ記憶部が同一であるか否かをレプリケーション定義情報の配信情報に基づいて判別する(A6)。
この判別により配信先を異にしているならば(A7のNO)、更新情報を更新前のレコードと更新後のレコードとに分割し(A8)、更新前のレコードにはDELETEを付加し(A9)、また、更新後のレコードにはINSERTを付加する(A10)。
上述のように、レプリケーション定義情報に基づく更新情報の配信先が決定されると、配信先決定手段27での決定に対応したレプリカデータデータ装置14、16の更新情報反映手段32、34への更新情報の配信が更新情報配信手段28によって行われ(A11)、更新情報反映手段32、34によって更新情報対応の内容にレプリカデータ記憶部31、33の記憶内容が書き改められる、つまり、更新されたレコードの上書き又は加除の処理が行われる。
上述のマスターデータ記憶部20の更新が行われる場合の、レプリカデータ記憶部31、33へのレコード更新の具体例を図3乃至図8を参照して説明する。
更新前のマスターデータ記憶部20、レプリカデータ記憶部31及びレプリカデータ記憶部33のレコードは、それぞれ、図3、図4及び図5に示す記憶内容であったとする。
図3に示す記憶内容の中の社員番号がS00001である佐藤氏の勤務地が大阪に更新されてマスターデータ記憶部20の記憶内容が、図6に示すように更新されたとすると、社員番号がS00001である佐藤氏のレコードは、レプリカデータ記憶部31から削除されてレプリカデータ記憶部31の記憶内容は、図7に示すようになる一方、レプリカデータ記憶部33には、社員番号がS00001である佐藤氏のレコードが挿入されて図8に示すようになる。
このように、この実施例の構成によれば、アプリケーションプログラムの実行に伴ってマスターデータ記憶部の更新が行われたとき、その更新情報のレプリカデータ記憶部への反映は、レプリケーション定義情報に従って行われるから、上記マスターデータ記憶部の更新に伴って或るレプリカデータ記憶部から他のレプリカデータ記憶部へのレコードの移動が必要である場合でも、マスターデータ記憶部の更新に制限を付することなく、アプリケーションプログラムを実行させることができる。この効果が得られるから、アプリケーションプログラムの開発工数の低減に役立つ。
図9は、この発明の実施例2のデータベースレプリケーション装置の電気的構成を示す図、図10は、同データベースレプリケーション装置の第3のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図、また、図11は、同データベースレプリケーション装置の第3のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、実施例1に第3のレプリカデータ記憶部を設けるようにした点である。
この実施例のデータベースレプリケーション装置1Aは、図9に示すように、マスターデータベース装置12にレプリカデータベース装置17を接続して構成される。レプリカデータベース装置17は、レプリカデータ記憶部35及び更新情報反映手段37を有して構成される。
この実施例におけるレプリケーション定義情報は、レプリカデータ記憶部33を含めて実施例1と同様にしてレプリケーション定義情報記憶部21に記憶される。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
次に、図9乃至図11を参照して、この実施例の動作について説明する。
この実施例の動作は、基本的に実施例1の動作と同様である。
すなわち、マスターデータ更新手段22によってマスターデータ記憶部20の更新が行われるのに先立って、抽出条件及び配信情報が入力装置18からレプリケーション定義手段25を介してレプリケーション定義情報記憶部21に記憶される。
そして、マスターデータ更新手段22によってマスターデータ記憶部20の更新が行われるとき、その更新情報は、更新情報記憶部23に記憶される。
そして、更新情報記憶部23の更新情報が、更新情報取得手段24によって、また、レプリケーション定義情報記憶部21のレプリケーション定義情報が、レプリケーション定義情報取得手段26によって、読み出される。
読み出された更新情報のレプリカデータ記憶部へ配信されるべき範囲が、読み出されたレプリケーション定義情報の抽出条件によって決められる。
こうして配信されるべき更新情報が決められると、その更新情報は、レプリケーション定義情報の配信情報によって指定されるレプリカデータ記憶部へ配信されてそのレプリカデータ記憶部の更新が行われる。
上述したレプリカデータ記憶部の更新を図10及び図11を参照して説明する。
図3に示すマスターデータ記憶部20のすべてのレコードを配信しているレプリカデータ記憶部35の更新前の記憶内容が、図10に示すようなものであったとする。
マスターデータ記憶部20に記憶されている社員番号S00001である佐藤氏の勤務地が大阪に更新されたとするとき、レプリカデータ記憶部35の記憶内容のUPDATE処理となるので、更新情報には、更新の種類としてUPDATEなり、更新前のレコードにはDELETEが付加され、更新後のレコードにはINSERTが付加されてその更新情報がレプリカデータ記憶部35に配信されてレプリカデータ35の更新が行われる。
その更新後のレプリカデータ記憶部35の記憶内容は、図11に示すようになる。
このように、この実施例の構成によれば、実施例1と同効を得つつ、3つのレプリカデータ記憶部のレプリケーションを行うことができる。
図12は、この発明の実施例3であるデータベースレプリケーション装置の電気的構成を示す図、図13は、同データベースレプリケーション装置の処理手順を示すフローチャート、図14は、同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図、図15は、同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図、図16は、同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図、図17は、同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図、図18は、同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図、また、図19は、同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。
この実施例の構成が、実施例1のそれと大きく異なる点は、更新情報の中のレコードの一部についてレプリカデータ記憶部の更新を行うようにした点である。
すなわち、この実施例のデータベースレプリケーション装置1Bは、図12に示すように、実施例1のデータベースレプリケーション装置に更新情報加工手段29を付加して構成される。
この更新情報加工手段29は、配信先決定手段27からの更新情報のレコードの一部、例えば、勤務地を除いた更新情報を更新情報配信手段28に渡す手段である。
この更新情報加工手段29の追加により、レプリカデータ記憶部31、33の記憶内容は、図15、図16、図18及び図19に示すように、実施例1と異なって社員番号と氏名だけとなる。
マスターデータベース装置12Bの更新情報取得手段24と、レプリケーション定義手段25と、レプリケーション定義情報取得手段26と、配信先決定手段27と、更新情報配信手段28と、更新情報加工手段29sは、図13に示す処理を実行する手段の各々であり、これらの処理は、プログラムにより行われる。そのプログラムは、マスターデータベース装置12B内の図示しない記憶装置に記憶されている。
記憶装置のプログラムは、マスターデータベース装置12Bを構成するCPUにより読み出されてメモリに書き込まれた後、メモリから読み出されてCPUで実行することにより、図13に示す処理手順が順次遂行されるようにして、更新情報取得手段24と、レプリケーション定義手段25と、レプリケーション定義情報取得手段26と、配信先決定手段27と、更新情報配信手段28と、更新情報加工手段29とは、構成されている。
この構成以外のこの実施例の構成は、実施例1と同じであるので、同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その逐一の説明は省略する。
次に、図12乃至図19を参照して、この実施例の動作について説明する。
この実施例の動作は、次の相違点を除いて、実施例1の動作と同じである。これを図13のフローチャートで云えば、図2と同じ参照符号ステップA1乃至A11を付して示し、ステップB1が相違点を示している。
この相違点について説明すると、配信先決定手段27で処理されて配信先が決定された更新情報が、更新情報加工手段29に渡され、その更新情報加工手段29において、更新情報のレコード内の勤務地が除かれ、その処理後の更新情報が、更新情報配信手段28に渡されること(図13のステップB1)となる点である。
したがって、レプリカデータ記憶部31、33の記憶内容は、図15、図16、図18及び図19に示すようになる。
上述のマスターデータ記憶部20の更新が行われる場合に、レプリカデータ記憶部31、33へのレコード更新の具体例を図14乃至図19を参照して説明する。
更新前のマスターデータ記憶部20、レプリカデータ記憶部31及びレプリカデータ記憶部33のレコードは、それぞれ、図14、図15及び図16に示す記憶内容であったとする。そして、レプリカデータ記憶部31は、勤務地を東京とするレプリケーションデータを記憶し、レプリカデータ記憶部33は、勤務地を大阪とするレプリケーションデータを記憶するとする。
図14に示す記憶内容の中の社員番号S00001の勤務地を大阪に更新すると、そのときのマスターデータ記憶部20の記憶内容は、図17に示すようになり、社員番号S00001のレコードは、レプリカデータ記憶部31から削除されてレプリカデータ記憶部31の記憶内容は、図18に示すようになる一方、レプリカデータ記憶部33には、社員番号S00001のレコードが挿入されて図19に示すようになる。
このように、この実施例の構成によれば、実施例1と同効を得つつ、更新情報のレコード内の一部についてレプリケーションを行うことができる。
以上、この発明の実施例を、図面を参照して詳述してきたが、この発明の具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもそれらはこの発明に含まれる。
例えば、実施例3を実施例2と同様3以上のレプリカデータ記憶部の構成の下で実施し得る。
上記各実施例に示す抽出条件及び配信情報以外の配信制御情報を用いて更新情報の複数のレプリカデータ記憶部への配信を行うように構成してもよい。例えば、上記いずれの実施例においても、抽出条件及び配信情報は、事前設定であるが、アプリケーションプログラムの実行の中で、つまり、事後的に設定するようにしてもよい。
ここに開示しているデータベースレプリケーション方法及びその装置は、各種のデータ処理装置、例えば、情報処理装置や、データベースレプリケーションを必要とするその他の装置で利用し得る。
この発明の実施例1であるデータベースレプリケーション装置の電気的構成を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の処理手順を示すフローチャートである。 同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。 この発明の実施例2のデータベースレプリケーション装置の電気的構成を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第3のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第3のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。 この発明の実施例3であるデータベースレプリケーション装置の電気的構成を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の処理手順を示すフローチャートである。 同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新前のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置のマスターデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第1のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。 同データベースレプリケーション装置の第2のレプリカデータ記憶部に記憶された更新後のレコード例を示す図である。
符号の説明
10、1A、1B データベースレプリケーション装置
12 マスターデータベース装置(マスターデータベース記憶手段)
14、16 レプリカデータベース装置(レプリケーションデータベース記憶手段)
18 入力装置(配信制御情報入力手段の一部)
21 レプリケーション定義情報記憶部(配信制御情報入力手段の一部)
23 更新情報記憶部(更新情報記憶手段
24 更新情報取得手段(読出手段)
25 レプリケーション定義手段(配信制御情報入力手段の一部)
26 レプリケーション定義情報取得手段(配信制御情報入力手段の残部)
27 配信先決定手段(配信手段の一部)
28 更新情報配信手段(配信手段の一部)
29 更新情報加工手段(配信手段の残部)

Claims (14)

  1. マスターデータベース装置の記憶部に記憶されている情報の少なくとも一部が更新されるとき、複数のレプリケーションデータベース装置のうち、該当するレプリケーションデータベース装置の記憶部に記憶されている情報に、当該更新情報を反映させる更新を生じさせるデータベースレプリケーション方法であって、
    更新範囲を指定する抽出条件と該抽出条件で指定される前記更新情報を配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を特定する配信情報とからなる配信制御情報を入力装置から入力して配信制御情報記憶部に記憶し、
    更新前のレコード又は/及び更新後のレコードを含む前記更新情報を更新情報記憶部に記憶し、
    前記配信制御情報に基づいて、複数の前記レプリケーションデータベース装置の中から、配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を特定し、特定された前記レプリケーションデータベース装置に前記更新情報を配信し、
    配信先の決定にあたっては、前記配信制御情報と前記更新情報記憶部に記憶された前記更新情報に基づいて、前記更新前のレコードが記憶されている第1のレプリケーションデータベース装置と前記更新後のレコードが記憶されるべき第2のレプリケーションデータベース装置とを特定すると共に、前記第1及び第2のレプリケーションデータベース装置が同一装置であるか否かを判別し、否なら、前記第1のレプリケーションデータベース装置を、「更新前のレコードを削除する」旨の更新情報の配信先と決定する一方、前記第2のレプリケーションデータベース装置を、「更新後のレコードを追加する」旨の更新情報の配信先と決定することを特徴とするデータベースレプリケーション方法。
  2. 前記更新情報は、更新前のレコード、更新後のレコード及び更新の種類からなることを特徴とする請求項1記載のデータベースレプリケーション方法。
  3. 前記抽出条件及び前記配信情報は、前記マスターデータベース装置で更新される情報に応じて決められることを特徴とする請求項1記載のデータベースレプリケーション方法。
  4. 前記抽出条件及び前記配信情報は、前記マスターデータベース装置への情報の更新を行う処理装置で実行されるプログラムによって決められることを特徴とする請求項1記載のデータベースレプリケーション方法。
  5. 前記レプリケーションデータベース装置への配信は、前記レコードの全部又は一部について行うことを特徴とする請求項2記載のデータベースレプリケーション方法。
  6. マスターデータベース装置と、複数のレプリケーションデータベース装置とを有し、前記マスターデータベース装置の記憶部に記憶されている情報の少なくとも一部が更新されるとき、複数のレプリケーションデータベース装置のうち、該当するレプリケーションデータベース装置の記憶部に記憶されている情報に、当該更新情報を反映させる更新を生じさせるデータベースレプリケーションシステムであって、
    更新範囲を指定する抽出条件と該抽出条件で指定される前記更新情報を配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を特定する配信情報とからなる配信制御情報を入力する配信制御情報入力手段と、
    更新前のレコード又は/及び更新後のレコードを含む前記更新情報を記憶する更新情報記憶手段と、
    更新情報記憶手段から読み出された前記更新情報を、複数の前記レプリケーションデータベース装置のうちの、前記配信制御情報入力手段から入力された前記配信制御情報に基づいて特定される前記レプリケーションデータベース装置に配信する配信手段とを備えてなると共に、
    前記配信手段は、前記配信制御情報に基づいて、前記更新情報を配信すべき前記レプリケーションデータベース装置を決定する配信先決定手段と、該配信先決定手段により決定された前記レプリケーションデータベース装置に前記更新情報を配信する更新情報配信手段とを有してなり、かつ、
    前記配信先決定手段は、前記配信制御情報と前記更新情報記憶手段に記憶された前記更新情報に基づいて、前記更新前のレコードが記憶されている第1のレプリケーションデータベース装置と前記更新後のレコードが記憶されるべき第2のレプリケーションデータベース装置とを特定すると共に、前記第1及び第2のレプリケーションデータベース装置が同一装置であるか否かを判別し、否なら、前記第1のレプリケーションデータベース装置を、「更新前のレコードを削除する」旨の更新情報の配信先と決定する一方、前記第2のレプリケーションデータベース装置を、「更新後のレコードを追加する」旨の更新情報の配信先と決定することを特徴とするデータベースレプリケーションシステム。
  7. 前記配信制御情報入力手段は、前記配信制御情報を記憶する配信制御情報記憶手段と、該配信制御情報記憶手段の前記配信制御情報を読み出す読出手段とを有して構成されることを特徴とする請求項6記載のデータベースレプリケーションシステム。
  8. 前記更新情報は、更新前のレコード、更新後のレコード及び更新の種類からなることを特徴とする請求項6記載のデータベースレプリケーションシステム。
  9. 前記抽出条件及び前記配信情報は、前記マスターデータベース装置で更新される情報に応じて決められることを特徴とする請求項6記載のデータベースレプリケーションシステム。
  10. 前記抽出条件及び前記配信情報は、前記マスターデータベース記憶手段への情報の更新を行う処理装置で実行されるプログラムによって決められることを特徴とする請求項6記載のデータベースレプリケーションシステム。
  11. 前記配信手段は、前記レコードの全部又は一部について配信を行うことを特徴とする請求項8記載のデータベースレプリケーションシステム。
  12. 前記配信制御情報を入力する入力装置が前記配信制御情報記憶手段に接続されることを特徴とする請求項7記載のデータベースレプリケーションシステム。
  13. 前記マスターデータベース装置のコンピュータに請求項1乃至5のいずれか一に記載のデータベースレプリケーション方法を実行させることを特徴とする制御プログラム。
  14. 前記マスターデータベース装置のコンピュータを請求項6乃至12のいずれか一に記載のデータベースレプリケーションシステムの各手段として機能させることを特徴とする制御プログラム。
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