JP4900781B2 - 指強化具 - Google Patents

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この発明は、指先及び指の腹を酷使する用途、例えば弦楽器演奏などに適用される指を強化する指強化具に関する。
従来の弦楽器用指先強化具として本発明者が出願した特許文献1がある。指先又は指の腹の任意部分に緩衝部材を装着することで指先の痛みを軽減しうまく演奏できる。
特願2005−171917
しかしながら特許文献1の実施形態においては指先の痛みを軽減するため緩衝部材は硬度55程度の硬さを持たせてある。このためギター演奏などで弦を緩衝部材の中心から少し外れた位置で押さえる際に緩衝部材の反対側が指から浮き上がる力を受け、演奏を長時間続けると緩衝部材が指から浮き上がり演奏しにくくなることがあった。
本発明は緩衝部材の浮き上がりを押さえることで、痛みを和らげかつ長時間うまく演奏を行なう事ができるようにすることを課題とする。
以上の課題を解決するために、第一発明は、緩衝部材を指先又は指の腹の任意部分に装着する手段を設けた指強化具において緩衝部材に内側へ曲がり易くする手段を設けたことを特徴とする指強化具である。
また第二発明は、第一発明において緩衝部材を内側へ曲がり易くする手段が緩衝部材の外側に切り込みを入れた構造である指強化具である。
また第三発明は、第一発明において緩衝部材を内側へ曲がり易くする手段が複数の緩衝部材を内側で結合する構造の指強化具である。
第一発明、第二発明、第三発明によれば、緩衝部材の浮き上がりを防止できるので長時間痛みを軽減しかつうまく演奏できる。
この発明の第一の実施形態を、図1に示す。ギターを演奏する場合左手の指先及び指の腹で弦を押さえ音程を変えるため、弦と接触する部位に指先強化具及び指の腹強化具を取り付けた例を示す。指先強化具を指に装着する前の状態の正面図を図3に示す。このAB断面図を図4に示す。4で示す指先強化具の緩衝部材として、硬度70のゴムを用い、大きさは直径9mm,厚み1.4mmで周囲は指先の形状に合わせて直径16mmの球体状に形成されている。緩衝部材の裏面(指に貼り付ける面)は粘着性を持たせてあり、指と緩衝部材との密着性を高めかつ緩衝材が指から浮き上がりにくくする効果がある。緩衝部材4の正面図を図5に、CD断面を図6に示す。直行した間隔1.1mmのそれぞれ7本の切り込みが指に装着する側に0.1mmを残して入っている。切り込みが外側(指に貼り付けない面)に入っているので、緩衝部材は内側(指に貼り付ける側を下として上に凸)に曲がり易くなっている。この緩衝部材による効果を図7、図8、図9を用いて説明する。図7は指先に指先強化具を装着した状態で指を中央で切った断面図である。弦を押さえていない状態で切り込みが少し開き全体的に内側に曲がり緩衝材が指先になじみ、装着していない指先の形状に近く、演奏の邪魔になりにくい。図8は緩衝部材の中心で弦を押さえた状態で、中心付近の切り込みが閉じて緩衝を行い、周辺の切り込みが開いて内側に曲がり周辺部の浮き上がりを防止している。図9は緩衝部材の中心から外れた位置で弦を押さえた状態で、弦を押さえた周辺の切り込みが閉じ緩衝を行い、中心から反対側の周辺の切り込みが開いて内側に曲がり周辺部の浮き上がりを防止している。また緩衝部材の材料として硬度70のゴムを使用しているので、指先に硬いタコができた場合に近い感触で、弦を押さえたり、押さえながら弦の上をスライドさせたりすることができる。緩衝部材は伸縮性のある粘着テープにより指先に圧迫して装着され、その外形が圧迫前の指先の形状と同様の直径16mmの球体状であるので、装着後も装着前の指先の形状に近く、他の弦に当ることなく押さえる弦を変えることができる。
次に図1の2で示す指の腹強化具を指に装着する前の状態の正面図を図10に示す。このEF断面図を図11に示す。6で示す指先強化具の緩衝部材として、硬度70のゴムを用い、大きさは幅5mm,長さ30mm、厚み0.4mmで外側の周囲は指先の形状に合わせて直径16mmの円柱状に形成されている。緩衝部材の正面図を図12に、GH断面を図13に示す。直行した間隔1.1mmの切り込みが指に装着する側に0.1mmを残して入っている。この緩衝部材による効果は指先強化具の場合と同様である。緩衝部材として硬度70のゴムを使用しているので、硬さが指の腹に硬いタコができた場合に近い感触で、弦を押さえたり、押さえながらスライドさせたりすることができる。緩衝部材は伸縮性のある粘着テープにより指の腹に圧迫して装着され、その外形が圧迫前の指の腹の形状と同様の直径16mmの円柱状であるので、装着後も装着前の指先の形状に近く、フレットなどに当ることなく押さえる弦を変えることができる。本実施例では人差し指の第一関節と第二関節の間及び第二間接と第三間接の間に取り付けられており、ギターの第一弦から、第四弦を同時に押さえる場合に効果的である。人差し指に装着した場合の側面図を図2に示す。本実施例では第二関節上で緩衝部材を斜めに切断することで、第二関節の曲がり易さを確保し、かつ切断箇所に弦が入り込まないようにしてある。
また第二の実施形態は、第一の実施形態の緩衝部材の切り込みの無い部分を透湿性のある両面テープで置き換え緩衝部材を内側で結合した構造である。この指先強化具の緩衝部材の断面図を図14に示す。その他の構造は第一の実施形態と同様である。
「実施形態の効果」
本実施形態によれば、たまに演奏する場合であっても、タコができている状態と同様に痛みを軽減し、かつうまく長時間演奏でき、緩衝材が弦に当らず、違和感なく演奏できる。またタコができにくくなるので指及び指の腹にタコのない状態を保てる。第二の実施形態に示す緩衝部材の結合用に透湿性のある両面テープを採用したことにより、緩衝部材に当たる指から生じる汗が両面テープを介して発散させることができるので長時間演奏できる。
「他の実施形態」
本実施形態では、緩衝部材の分割又は切れ目を直行2方向としたが60度3方向、45度4方向などとしても良く、緩衝部材として硬度70のゴムを使用したが汗を吸収発散させる皮革、コルクなどの素材や、樹脂やゴムに汗抜き穴や溝を設けるなどして用いても良い。また本実施形態で粘着テープの形状を長方形としたが、逆T字形として指の側面まで広く粘着させテープが剥がれにくいようにしても良い。また緩衝材の取り付けてある位置の粘着テープ表面に目印として着色又はマークを入れて、装着及び弦を押さえる目安としても良い。
さらに実施例一、及び二では緩衝部材を装着する手段として粘着テープを用いたが、指サック、指筒に緩衝部材を取り付けたり、粘着剤又は両面テープを緩衝部材の内側に直接付けて装着しても良い。緩衝材の硬度、形状や材質は押さえ方や楽器の種類によって変更しても良く、演奏方法など用途によって粘着テープ表面に薄い皮革、ゴム、など滑りやすさの違う他の材料を貼り付けて使用してもよい。
この発明の第一実施形態全体を示す斜視図である。 この発明の第一実施形態の人差し指側面図である。 この発明の指先強化具1を貼り付ける前の正面図である。 図3のA−B断面図である。 緩衝部材4の正面図である。 緩衝部材4のCD断面図である。 人差し指を縦に中央で切った断面図である。 弦を緩衝部材の中央で押さえた状態の断面図である。 弦を緩衝部材の周辺部で押さえた状態の断面図である。 この発明の指の腹強化具2を貼り付ける前の正面図である。 図10のE−F断面図である。 緩衝部材6の正面図である。 緩衝部材6のG−H断面図である。 第二の実施形態の指先強化具の断面図である。
符号の説明
1 指先強化具の全体
2 指の腹強化具の全体
3 指先強化具のテープ
4 指先強化具の緩衝部材
5 指の腹強化具のテープ
6 指の腹強化具の緩衝部材
7 分割された緩衝部材
8 透湿性両面テープ

Claims (3)

  1. 緩衝部材を指先のうち弦と接触する部位のみに装着する楽器演奏用指強化具において、前記緩衝部材を相対的に内側に曲がりやすく外側に曲がりにくくする手段を設け、前記緩衝部材を前記部位に圧迫した形で保持する手段を有する楽器演奏用指強化具。
  2. 緩衝部材を指先のうち弦と接触する部位のみに装着する楽器演奏用指強化具の前記緩衝部材を相対的に内側に曲がりやすく外側に曲がりにくくする手段を設けた楽器演奏用指強化具において、前記緩衝部材は切り込みを入れない状態では内側に曲がり難い厚みを有し、相対的に内側に曲がりやすく外側に曲がりにくくする手段が前記緩衝部材の外側に切り込みを入れ内側に切り込みを入れない構造である指強化具。
  3. 請求項2において緩衝部材を内側へ曲がり易く外側に曲がりにくくする手段が前記緩衝部材の切り込みのない部分を両面テープに置き換えた構造である指強化具。
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