JP4900620B2 - Rf電子銃 - Google Patents

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Description

本発明は、RF電子銃に関し、特に集束性の高い電子ビームを出力することができる小型のRF電子銃に関する。
RF電子銃は電子ビームの生成手段として公知である。一例として、下記特許文献1、2に開示されているRF電子銃を図8に示す。
図8に示したRF電子銃は、RF電子銃空洞101、熱電子を発生するカソード102、ドリフトスペース103、真空箱105、電子ビーム104のエネルギー幅を決定するスリット106、電子ビーム104をα状に偏向するα電磁石107、α電磁石107から取り出された電子ビーム104をさらに加速する加速管108、ビームダクト109、電子ビームを真空中から大気中に取り出すビーム取出窓110、RF電子銃空洞101に供給されるマイクロ波の位相と振幅を調整する移相減衰器111、マイクロ波電力を分配する電力分配器112、主発振器113、主発振器113によって動作されるRF源114、及び、RF源114に電力を与えるパルス変調器115を備えている。
その動作は次の通りである。RF電子銃空洞101にRF源114からマイクロ波が電力分配器112及び移相減衰器111を介して供給されると、RF電子銃空洞101には軸方向にマイクロ波電場が生じ、この電場中に置かれた高温度のカソード102から熱電子が引き出される。カソード102から引き出された電子ビーム104はさらにRF電子銃空洞101内の電場で加速され、真空ダクトであるドリフトスペース103を通ってα電磁石107の入口に達する。このときの電子ビーム104はマイクロ波の位相により所定の最大値までの連続的なエネルギースペクトルをもっている。この様々な速度が一様でない電子ビーム104は、α電磁石107によって形成された一様な磁場中を通過するとき運動量分散が起こってビーム幅が広がるので、所定のエネルギー範囲の電子のみがスリット106の間を通過することができ、加速管108に入射する。符号104a〜104cはスリット106を通り抜けることができた電子ビームを表している。RF電源114からの大電力マイクロ波は主発振器113からの小電力マイクロ波をRF増幅器で増幅して作られ、RF源114はマイクロ波増幅器として機能する。RF源114は通常パルス駆動され、強力な尖頭電力を生み出す。
RF電子銃空洞101から取り出される電子ビームのエネルギースペクトルはRF電子銃空洞101の中にできるマイクロ波電場の位相と関係し、α電磁石107中の軌道上で、バンチングされた電子ビームが加速管108によって加速される。さらに、α電磁石107の後方に、α電磁石107から取り出された電子ビーム104を集束させるために、四重極磁場を形成する四重極磁石を配置することも行われている。
特開平7−235399号公報 米国特許第4,641,103号公報
上記したように、従来のRF電子銃は、熱電子を放出して加速する手段と、特定のエネルギーの電子を選択する手段(α電磁石)とを別に設けることが必要であり、大型で高額な装置であった。また、特定のエネルギーの電子を選択する手段(α電磁石)の後方に、電子ビームを集束する手段(四重極磁石)を設ける場合には、さらに大型で高額な装置になる。
従って、本発明の目的は、集束性の高い電子ビームを出力することができる小型で低額なRF電子銃を提供することにある。
本発明の目的は、以下の手段によって達成される。
即ち、本発明に係るRF電子銃は、静的な主磁場を生成する磁石と、前記主磁場が生成される領域に配置され、電子を放出するエミッタと、前記主磁場が生成される領域に配置され、マイクロ波が入力されて高周波電場を生成する加速空洞とを備え、前記磁石が、静磁場が一様な第1領域と、静磁場強度が所定方向において単調に減少する第2領域とを形成し、前記エミッタから放出される複数の前記電子を、前記高周波電場および前記第1領域の静磁場によって、前記エミッタを中心とする渦巻状に移動させ、前記第2領域の静磁場によって集束させた後、出力することを特徴としている。
上記RF電子銃において、前記所定方向は、前記エミッタから遠ざかる方向であり、前記第2領域における静磁場強度は、前記第1領域の静磁場強度から単調に減少することができる。
また、上記RF電子銃において、前記第2領域の近傍に配置された2つの第1補正磁石及び2つの第2補正磁石を備え、2つの前記第1補正磁石は、前記第2領域を間に挟んで対向して配置され、相互間に前記主磁場に平行な静磁場を生成し、2つの前記第2補正磁石は、前記第2領域を間に挟んで対向して配置され、相互間に前記主磁場に平行な静磁場を生成し、一方の前記第1補正磁石の対向面の磁極と他方の前記第1補正磁石の対向面の磁極とは逆の極性であり、一方の前記第2補正磁石の対向面の磁極と他方の前記第2補正磁石の対向面の磁極とは逆の極性であり、前記第2領域に対して同じ側に配置された前記第1補正磁石および前記第2補正磁石の各々の前記対向面の磁極は逆の極性であり、前記電子は、前記第1補正磁石の間を通過した後、前記第2補正磁石の間を通過し、前記電子が、2つの前記第1補正磁石の間を通過するとき、エネルギーが大きいほど通過距離が長くなるように、前記第1補正磁石は配置され、前記電子が、2つの前記第2補正磁石の間を通過するとき、エネルギーが小さいほど通過距離が長くなるように、前記第2補正磁石は配置されていることができる。
また、上記RF電子銃において、前記エミッタは、前記加速空洞の第1壁面に配置され、該第1壁面は、電子を通過させるスリットを有し、前記エミッタから放出された電子は、前記加速空洞の中心方向に加速された後、前記第1壁面に接近し、前記第1壁面のスリットを通過し、前記加速空洞の外部に形成された前記第2領域を通過することができる。
また、上記RF電子銃において、前記エミッタは、前記加速空洞の第1壁面に配置され、該第1壁面は、電子を通過させるスリットを有し、前記エミッタから放出された電子は、前記加速空洞の中心方向に加速された後、前記第1壁面に接近し、前記第1壁面のスリットを通過して前記加速空洞の外部に出た後、再び前記第1壁面のスリットを通過し、前記第2領域を通過することができる。
本発明によれば、熱電子を放出して加速する手段を、静磁場発生手段の中に配置することによって、小型で低額なRF電子銃を実現することができる。
また、主磁場の分布を、電子ビームの渦巻状軌道の一部において、熱電子を放出する手段から遠ざかるにつれて、磁場強度が単調に減少するように形成することよって、電子ビームの集束性を改善することができる。
また、補正磁石を静磁場発生手段の中に配置することによって、電子ビームをさらに集束させることができる。
また、加速空洞から出た直後に電子ビームを集束させることによって、電子の加速効率を上げ、RF電子銃から取り出される電子ビームの電流値を増大させることができる。
本発明の実施の形態に係るRF電子銃を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るRF電子銃の構成を示す水平断面図である。 本発明の実施の形態に係るRF電子銃の構成を示す鉛直断面図である。 本発明の実施の形態に係るRF電子銃の内部に生成される磁場分布を示すグラフである。 本発明の別の実施の形態に係るRF電子銃の一部を示す水平断面図である。 本発明の実施の形態に係るRF電子銃において補正磁石を備えない状態でのシミュレーションによって得られた電子ビームの軌道を示す図である。 本発明の実施の形態に係るRF電子銃において補正磁石を備えた状態でのシミュレーションによって得られた電子ビームの軌道を示す図である。 従来のRF電子銃の構成を示す平面図である。
符号の説明
1 RF電子銃
10 筐体部
11 RFガイド部
12 ビーム取出部
13u、13d ポールピース
14u、14d コイル
15 エミッタ
16 加速空洞
17u、17d 凸部
18u、18d 第1補正磁石
19u、19d 第2補正磁石
20 取出管
S 電子ビーム
A1〜A5 集束領域
e 電子
RF マイクロ波
L1、L2 集束された後の電子ビームの広がり
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態に関して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るRF電子銃を示す斜視図である。本RF電子銃1は、筐体部10、RFガイド部11、ビーム取出部12を備えている。説明の便宜上、直交するXYZ軸を図1のように設定する。XYZ軸は図1の右上に示されているが、その原点は筐体部10の中心に位置するとして、以下説明する。
RFガイド部11は、所定の周波数のマイクロ波RFを供給するRF源(図示せず)に接続されており、マイクロ波RFを伝送する導波管として機能する。本RF電子銃1の内部は真空に維持されており、ビーム取出部12は加速器や目的に応じた外部装置に接続され、後述するように筐体部10の内部で発生した電子ビームはそれらの装置に供給される。
図2は、図1に示したRF電子銃1のXY平面を通る水平断面図である。図3は、図2に示したIII−III線を通る鉛直断面図である。図2、3に示したように、筐体部10は内部に、対向する2つのポールピース13u、13dと、各々のポールピース13u、13dの周囲に巻かれたコイル14u、14dと、エミッタ15を有する加速空洞16と、第1補正磁石18u、18d及び第2補正磁石19u、19dと、取出管20とを備えている。図1〜3において、コイル14u、14dに電流を流す電源などは省略している。
筐体部10及びポールピース13u、13dは強磁性材料(例えば鉄。以下同じ)で形成されており、コイル14u、14dと共に磁気回路(磁石)を構成する。コイル14u、14dには、同方向に同じ値の直流電流が流され、対向するポールピース13u、13d間にZ軸方向の静磁場(主磁場とも記す)が形成される。図2、3に示したように、ポールピース13uは、ポールピース13dに対向する面に、細長い2つの凸部17uを備えており、XZ面に関して対称な形状をしている。同様に、ポールピース13dは、ポールピース13uに対向する面に、細長い2つの凸部17dを備えており、XZ面に関して対称な形状をしている。また、ポールピース13u、13d、コイル14u、14dは、XY面に関して対称になるように配置になっている。これらの対称な形状および配置、並びに凸部17u、17dは、筐体部10の中央部を含む所定範囲に、一様な磁場分布(強度及び方向が同じ磁場分布)を形成するためのものである。
加速空洞16は、非磁性の導電性材料を用いて、所定周波数の高周波電場の形成に適した形状に形成されている。加速空洞16の壁面には、後述するようにエミッタ15から放出される電子eを通過させるために、スリット(図示せず)が形成されている。
第1補正磁石18u、18dは、長方形の平板状の永久磁石であり、厚さ方向にほぼ一様に磁化されており、XY平面を挟んで磁極面が対向するように配置されている。第2補正磁石19u、19dも、第1補正磁石18u、18dと同様に形成され、配置されている。これら4つの対向面の磁極の極性に関しては、第1補正磁石18uの対向面の磁極と第1補正磁石18dの対向面の磁極とが逆の極性であり、第2補正磁石19uの対向面の磁極と第2補正磁石19dの対向面の磁極とが逆の極性であり、第1補正磁石18uの対向面の磁極と第2補正磁石19uの対向面の磁極とが逆の極性である。従って、第1補正磁石18dの対向面の磁極と第2補正磁石19dの対向面の磁極とも逆の極性になっている。なお、図示していないが、第1磁石18uと第2磁石19uとが強磁性材料のヨークで接続され、第1磁石18dと第2磁石19dとが強磁性材料の別のヨークで接続されている。
取出管20は、強磁性材料で円筒状に形成されており、RF電子銃1から電子ビームを安定して所定の方向に取り出すために必要である。磁束が取出管20の円筒壁内部を通過するので、取出管20の内側には磁場が殆ど存在せず、取出管20に入射した電子ビームの軌道は取出管20の円筒軸に沿った直線状になる。
次に、上記のように構成されたRF電子銃1の動作を説明する。ここでは、Z軸の正方向に一様な静磁場が形成され、第1補正磁石18u、18d及び第2補正磁石19u、19dの対向する磁極面が、それぞれN極、S極、S極、N極であるとする。
まず、コイル14u、14dに同方向の直流電流を流して、対向するポールピース13u、13d間に、中心を含む所定範囲内で一様なZ軸方向の主磁場を生成する。
この状態で、電子を発生させる。即ち、RF源からマイクロ波RFを、RFガイド部11を介して加速空洞16に供給し、エミッタ15を加熱する。これによって、加速空洞16には高周波電場が生じ、高温度のエミッタ15から放出された電子がこの高周波電場によって加速される。ここで、高周波電場の方向はY軸に平行になるように設計されている。
エミッタ15から放出された電子は、高周波電場およびポールピース13u、13d間に形成された静磁場との電磁気的相互作用によって力を受け、破線で示すように、エミッタを中心とする渦巻状の旋回軌道(電子ビームS)を描く。すなわち、電子は、最初は電場によってエミッタ15から加速空洞16の中心方向に移動するが、加速されるにつれて主磁場との相互作用によってより大きな力を受け、円弧状の曲線を描きながらエミッタ15が配置された加速空洞16の壁面に近づき、加速空洞16に形成されたスリットを通過して、加速空洞16の外に出る。電子は、その後再び加速空洞16に近づき、加速空洞16に形成されたスリットを通過して、エミッタ15が配置された壁面に対向する壁面に形成されたスリットを通過し、取出管20に入射してビーム取出部12から出力する。ここで、旋回する電子ビームSの周回毎の距離がマイクロ波RFの波長の整数倍になるように設計されている。
このとき、エミッタ15から放出される電子は、Z軸方向には殆ど速度成分を持たず、あまり広がらない(Z軸方向の広がりは約0.1mm未満)が、XY面内の速度成分は比較的大きく、そのばらつきも比較的大きい。従って、本発明では、電子ビームSが図2、3に点線で示した集束領域A1を通過するときに集束させる。そのために、後述するように筐体部10の内部に形成される主磁場の分布を工夫する。さらに、望ましくは筐体部10の内部に補正磁石を配置する。
図4は、Y軸上の主磁場強度Bz(磁場のZ成分)の変化を示すグラフである。図4には、参考として集束領域A1内のY軸上の範囲に符号A1を付記している。電子ビームSが通過する集束領域A1において、電子ビームSの法線方向(電子軌道面内で電子の速度方向に直交する方向)の磁場強度分布が、エミッタ15から遠ざかるにつれて、一様な磁場強度B0から所定の磁場強度B1まで単調に減少するように、主磁場分布を形成する。ここで、ポールピース13u、13dはX軸方向に細長く形成されているので、Y軸から所定距離内にあるY軸に平行な直線上、即ち、領域A1を通るY軸に平行な直線上では、磁場強度は図4のグラフと同様に変化する。このように主磁場の磁場分布を形成することによって、集束性が不十分な電子ビームSが集束領域A1を通過するとき、電子が通過する場所によって磁場強度が異なるので、静磁場との相互作用で電子が受ける力が異なることになる。その結果、電子ビームSの集束性を改善することができ、質の高い電子ビームSを得ることができる。なお、図2では、筐体部10およびポールピース13u、13dの形状によって形成される比較的長い集束領域A1を示しているが、電子ビームSを集束させるにはその一部の領域が使われる。
さらに、図2、3では、集束領域A1の上下に、第1補正磁石18u、18d及び第2補正磁石19u、19dを配置している。第1補正磁石18u、18d及び第2補正磁石19u、19dは、上記したように四重極磁石に類似する磁極配置をしている。従って、第1補正磁石18u、18d及び第2補正磁石19u、19dを通過することによって電子ビームをより一層集束させることができる。このとき、電子のエネルギーに応じて、第1補正磁石18u、18dの間、及び第2補正磁石19u、19dの間における電子の通過距離を変化させる。即ち、詳細は後述するが、エネルギーがより大きい電子(旋回軌道の曲率が大きい軌道を通る電子)が、第1補正磁石18u、18dの間を通過する距離がより長くなるように、第1補正磁石18u、18dを配置する。そして、これとは逆に、エネルギーがより小さい電子が、第2補正磁石19u、19dの間を通過する距離がより長くなるように、第2補正磁石19u、19dを配置する。これによって、エネルギーの大きい電子ほど、大きく軌道が修正されるので、電子ビームSをより一層集束させる効果がある。
図6、7は、本発明の実施の形態に係るRF電子銃に関するシミュレーション結果を示す図である。図6は補正磁石を備えていない状態、図7は補正磁石(第1及び第2補正磁石18d、19d)を備えている状態でのシミュレーション結果を示す。シミュレーションは、エミッタ15から放出される電子の初速度を一定(大きさが10eV相当)に設定し、電子の放出位置、及び高周波電磁場の変化に対する位相(時間=1/(2.4446GHz×2)秒の間)を変えて軌道計算を行なった。何れの図においても、エミッタ15から始まる渦巻状の実線は、最終的なエネルギーが0.955〜0.995MeVとなる電子が通過する領域の境界(即ち、最も内側の軌道及び最も外側の軌道)を表す。エミッタ15から始まる渦巻状の点線は、最終的なエネルギーが0.9〜1.1MeVとなる電子が通過する領域の境界を表す。
図6から、集束領域A1に含まれる符号C1で示した部分で電子ビームが集束されていることが分かる。その後、電子ビームは一旦広がるが、再び符号D1で示した部分で集束する。従って、符号D1で示した部分に管口が位置するように取出管20を配置すれば、集束性の高い電子ビームを取り出すことができる。
図7においても、図6と同様に、集束領域A1に含まれる符号C2で示した部分で電子ビームが集束され、その後、電子ビームは一旦広がるが、再び符号D2で示した部分で集束することが分かる。図7では、図6と比較して、符号C2で示した部分で集束された後の電子ビームの広がりが小さい(L2<L1)。このことは、電子の加速効率が高いことを示しており、符号D2で示した部分での電子ビームの広がりも図6より小さくなっている。従って、符号D2で示した部分に管口が位置するように取出管を配置すれば、補正磁石を備えている場合には補正磁石を備えていない場合よりも集束性の高い電子ビームを取り出すことができる。
なお、図7において、望ましい電子軌道は2本の渦巻状の実線の間を通るが、符号C2で示した部分で、内側の電子軌道と外側の電子軌道とが交差する。即ち、エミッタ15から放出された後、最も外側の実線の軌道を通る電子は、符号C2で示した部分を通過した後は、最も内側の実線の軌道を通る。逆に、エミッタ15から放出された後、最も内側の実線の軌道を通る電子は、符号C2で示した部分を通過した後は、最も外側の実線の軌道を通る。従って、上記したように、エネルギーがより大きい電子(符号C2で示した部分を通過する前において、より外側の軌道を通る電子)ほど、第1補正磁石18u、18dの間を通過する距離が長く、エネルギーがより小さい電子(符号C2で示した部分を通過した後において、より外側の軌道を通る電子)ほど、第2補正磁石19u、19dの間を通過する距離が長くなっている。
以上によって、例えば、約1MeVの電子ビームを取り出すことができる、筐体部10の外寸が約250mm×約200mm×約180mmと小型のRF電子銃を実現することができる。このとき、一様な主磁場強度が500Gになり、補正磁石によって生成される補正磁場強度が約150Gになるようにする。
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されず、種々の変更を加えて実施することができ、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、図5に示したように、電子ビームSの渦巻状軌道の一部を含む領域A2〜A5の何れかにおいて、磁場強度が図4に示したように単調に変化するように磁場分布を形成すれば、領域A2〜A5を集束領域として使用することができる。ここで、領域A2は図2、3の補正領域A1よりも長さが短い領域である。
また、図5に示した領域A5は、加速空洞16の外部に位置するので、領域A5の上下に補正磁石を配置してもよい。電子の加速効率の点では、加速空洞16から出た直後の電子が通過する領域A2の上下に補正磁石を配置して、電子ビームを集束させることが望ましいが、領域A5の上下に補正磁石を配置した場合にもある程度の集束効果が得られる。
また、図2、3では、加速空洞16と筐体部10とを、各中心軸がX軸に一致するように配置した場合を示したが、この配置に限らず、電子ビームSの渦巻状軌道の大部分が一様な主磁場中に位置し、一部分が集束領域を通過するように主磁場分布を形成できるように、加速空洞16と筐体部10とを配置すればよい。
また、上記ではコイルを用いた電磁石によって、筐体部の内部に静磁場を生成する場合を説明したが、これに限定されず、永久磁石を用いて主磁場を形成してもよい。例えば図3において、ポールピース13uと筐体部10との間、およびポールピース13dと筐体部10との間に、Z軸方向に磁化された永久磁石を配置すればよい。
また、上記では、直方体のポールピースの表面に、一方向(Y軸方向)に細長い凸部を形成する場合を説明したが、これに限定されない。1つのポールピースの表面に、X軸方向に平行な2つの凸部と、Y軸方向に平行な2つの凸部とを形成してもよく、それら4つの凸部を接続して四角形の環状に凸部を形成してもよい。さらには、円筒形の筐体部、円形のポールピースを用い、円形の環状に凸部を形成してもよい。
また、図1〜3では電子ビームを取り出す方向がマイクロ波RFの入射方向と平行であるが、電子ビームを取り出す方向は任意に設計することができ、例えば、図5のように取出管20を配置して、マイクロ波RFの印加方向と直交する方向に電子ビームを取り出してもよい。
また、補正磁石の形状が直方体である場合を説明したが、これに限らず、角が90度よりも鋭角である板状であってもよく、円板状であってもよい。また、補正磁石を接続する一方のヨークが、第1補正磁石18u、18dを接続するように配置され、他方のヨークが第2補正磁石19u、19dを接続するように配置されていてもよい。
また、主磁場の方向はZ軸の負方向であってもよい。その場合には、電子ビームの渦巻状軌道が逆向きになることを考慮して、エミッタの位置、加速空洞のスリットの形状および位置、補正磁石の位置及び極性配置などを設計すればよい。
また、集束領域内において、主磁場の強度が一様な値から単調に減少するように磁場分布を生成する場合を説明したが、主磁場の強度が一様な値から単調に増加するように集束領域内の磁場分布を生成して電子ビームを集束させてもよい。
本発明によれば、集束性の高い電子ビームを出力することができる小型で低額なRF電子銃を提供することができる。

Claims (5)

  1. 静的な主磁場を生成する磁石と、
    前記主磁場が生成される領域に配置され、電子を放出するエミッタと、
    前記主磁場が生成される領域に配置され、マイクロ波が入力されて高周波電場を生成する加速空洞とを備え、
    前記磁石が、静磁場が一様な第1領域と、静磁場強度が所定方向において単調に減少する第2領域とを形成し、
    前記エミッタから放出される複数の前記電子を、前記高周波電場および前記第1領域の静磁場によって、前記エミッタを中心とする渦巻状に移動させ、前記第2領域の静磁場によって集束させた後、出力することを特徴とするRF電子銃。
  2. 前記所定方向が、前記エミッタから遠ざかる方向であり、
    前記第2領域における静磁場強度が、前記第1領域の静磁場強度から単調に減少することを特徴とする請求項1に記載のRF電子銃。
  3. 前記第2領域の近傍に配置された2つの第1補正磁石及び2つの第2補正磁石を備え、
    2つの前記第1補正磁石が、前記第2領域を間に挟んで対向して配置され、相互間に前記主磁場に平行な静磁場を生成し、
    2つの前記第2補正磁石が、前記第2領域を間に挟んで対向して配置され、相互間に前記主磁場に平行な静磁場を生成し、
    一方の前記第1補正磁石の対向面の磁極と他方の前記第1補正磁石の対向面の磁極とが逆の極性であり、
    一方の前記第2補正磁石の対向面の磁極と他方の前記第2補正磁石の対向面の磁極とが逆の極性であり、
    前記第2領域に対して同じ側に配置された前記第1補正磁石および前記第2補正磁石の各々の前記対向面の磁極が逆の極性であり、
    前記電子が、前記第1補正磁石の間を通過した後、前記第2補正磁石の間を通過し、
    前記電子が、2つの前記第1補正磁石の間を通過するとき、エネルギーが大きいほど通過距離が長くなるように、前記第1補正磁石が配置され、
    前記電子が、2つの前記第2補正磁石の間を通過するとき、エネルギーが小さいほど通過距離が長くなるように、前記第2補正磁石が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のRF電子銃。
  4. 前記エミッタが、前記加速空洞の第1壁面に配置され、
    該第1壁面が、電子を通過させるスリットを有し、
    前記エミッタから放出された電子が、前記加速空洞の中心方向に加速された後、前記第1壁面に接近し、前記第1壁面のスリットを通過し、前記加速空洞の外部に形成された前記第2領域を通過することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のRF電子銃。
  5. 前記エミッタが、前記加速空洞の第1壁面に配置され、
    該第1壁面が、電子を通過させるスリットを有し、
    前記エミッタから放出された電子が、前記加速空洞の中心方向に加速された後、前記第1壁面に接近し、前記第1壁面のスリットを通過して前記加速空洞の外部に出た後、再び前記第1壁面のスリットを通過し、前記第2領域を通過することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のRF電子銃。
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