JP4900160B2 - 発光素子及び発光表示装置 - Google Patents

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本発明は、発光素子及び発光表示装置に関し、更に詳しくは、有機半導体層を有する縦型トランジスタ素子部と有機発光層を有する発光素子部とを備えた発光素子、及びその発光素子を備えた発光表示装置に関する。
有機EL(Organic Electroluminescence)素子は、素子構造が単純で、薄型化・軽量化・大面積化・低コスト化が可能な次世代ディスプレイの発光素子として期待されており、近年その研究が盛んに行われている。有機EL素子を駆動するための駆動方式としては、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を用いたアクティブマトリックス方式の電界効果型トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)が動作速度や消費電力の点で有効と考えられている。一方、薄膜トランジスタを構成する半導体材料については、シリコン半導体や化合物半導体等の無機半導体材料についての研究のほか、近年、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタ(有機TFT)についての研究が盛んに行われている。こうした有機半導体材料は次世代の半導体材料として期待されているが、無機半導体材料に比べて電荷移動度が低く抵抗が高いという問題点がある。
一方、電界効果型トランジスタについて、その構造を縦型にした縦型FET構造の静電誘導型トランジスタ(SIT:Static Induction Transistor)は、トランジスタのチャネル長を短くできること、表面の電極全体を有効利用できるために高速応答や大電力化が可能となること、さらに、界面の影響が受け難くなること等のメリットがある。
近年、静電誘導型トランジスタ(SIT)が備える前記の特長を活かし、このSIT構造と有機EL素子構造とを複合させた発光トランジスタの開発が検討されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1を参照)。当該文献に記載の発光トランジスタは、ガラス基板上に、透明導電膜からなるソース電極、スリット状のゲート電極が埋め込まれた正孔輸送層、有機発光層、ドレイン電極がこの順に設けられた縦型FET構造をなしている。この発光トランジスタは、正孔輸送層の内部にスリット状のゲート電極を埋め込んだ構造であり、正孔輸送層とゲート電極とがショットキー接合し、これにより正孔輸送層に空乏層が形成される。この空乏層の広がりはゲート電圧によって変化するので、そのゲート電圧を変化させることによってチャネル長を制御し、ソース電極とドレイン電極との間の電流値を変化させることによりスイッチングを行う。
しかしながら、SIT構造と有機EL素子構造とを複合化させた発光トランジスタは、発光層で発光した光が不透明なゲート電極によって遮蔽されてしまい、光の取り出し効率が低下してしまうという問題があった。こうした問題に対し、ゲート電極を透明又は半透明にして光の遮蔽を防いだり、スリット状のゲート電極を電子輸送層中に設けることにより有機発光層で発光した光が不透明なゲート電極で遮蔽されるのを防いだりすることが検討されている。しかし、これらの方法は、光がゲート電極で遮蔽されるという問題は生じないものの、ドレイン電極とソース電極との間に位置するゲート電極により、電界が遮蔽されて有機発光層に電界の影が生じるという問題や、そうした電界の影が有機発光層で発光する光の発光を局部的に低下させて発光効率を減少させ、光の取り出し効率を低下させるという問題、さらには、構造が複雑なために製造コストが嵩むという問題があった。
最近、上下に配置したエミッタ電極とコレクタ電極との間に有機半導体層を挟み、その有機半導体層内に中間電極を形成した積層構造からなる有機トランジスタ素子が提案されている(非特許文献2を参照)。この有機トランジスタ素子は、エミッタ電極から注入された電子が中間電極を透過することにより、パイポーラトランジスタに似た電流増幅が観測され、その中間電極がベース電極のように働くことから、メタルベース有機トランジスタ(Metal-Base Organic Transistor, MBOT)と呼ばれている。
この有機トランジスタ素子は、基板上に形成された透明ITO電極をコレクタ電極とし、その上に電荷輸送性の有機半導体層であるペリレン顔料(Me−PTC)層/ベース電極としてのAl層/電荷輸送性の有機半導体層であるフラーレンC60層/エミッタ電極としてのAg電極を順に積層したものである。その動作機構は、エミッタ電極とコレクタ電極との間に一定電圧を印加した場合において、エミッタ電極とベース電極との間に電圧を印加しないときはエミッタ電極とコレクタ電極との間にほとんど電流は流れないが、エミッタ電極とベース電極との間に電圧を印加するとエミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる電流量が大幅に増加し、電流を変調することができる。
特開2003−324203号公報(請求項1) 工藤一浩、「有機トランジスタの現状と将来展望」、応用物理、第72巻、第9号、第1151頁〜第1156頁(2003年) S.Fujimoto, K.Nakayama, and M.Yokoyama, Appl. Phys. Lett., 87, 133503 (2005).
しかしながら、上記非特許文献2で提案された構造の有機トランジスタ素子は、有機半導体層を容量成分として含むものであり、上記のように有機トランジスタ素子と有機EL素子を積層して発光素子を構成すると、周波数が高くなるにしたがってトランジスタの変位電流に容量成分の過渡応答電流が重畳し、トランジスタの変位電流が隠れてしまうという問題が生じ得る。また、ベース電圧を印加することによってもトランジスタがオンにならない場合、すなわち、エミッタ電極とベース電極との間に電圧を印加しないオフ時のエミッタ電極とコレクタ電極との間の電流値が十分に小さな値まで低減できない場合において、トランジスタの面積と有機EL素子の面積とが同じ場合には、そのトランジスタを駆動させない非選択時であっても、有機EL素子が発光してしまうという問題が生じ得る。
例えば、図21は、有機トランジスタ素子101と有機EL素子111とを同じ面積で積層した発光素子100を示す断面構成図である。この場合、有機トランジスタ素子101を構成するエミッタ電極102とコレクタ電極103との間には、有機化合物材料からなる有機EL素子111(コレクタ電極2側から、正孔注入層112、正孔輸送層113、有機発光層114、電子注入層115)や有機半導体層105A,105Bが設けられているが、それらの有機層が容量成分となり、その容量成分は発光素子100の全域が有するものとなっている。
図22は、図21に示した発光素子100において、エミッタ電極102とベース電極104との間に正弦波交流電圧Vbを周波数を変えて印加した場合において、エミッタ電極102とコレクタ電極103との間に流れる変位電流を含む出力電流Icを示す模式的なグラフである。図22(A)に示すように、Vbの周波数が低い場合(1kHz)の出力電流Icは、エミッタ電極102とコレクタ電極103との間に流れる変位電流Iで主に占められ、容量成分の過渡応答電流Ioの影響は小さいが、図22(B)(C)に示すように、Vbの周波数が高い場合(20kHz、50kHz)の出力電流Icは、容量成分の過渡応答電流Ioが大きくなり、変位電流Iに過渡応答電流Ioが重畳するようになって、変位電流Iが隠れてしまう。こうした問題に対し、従来は、有機トランジスタ素子を構成する有機半導体層の厚さを厚くするなどして、容量の分配比を調整していた。しかしながら、この際には、有機トランジスタ素子が有機EL素子の発光に十分な電流を供給できなくなるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、有機発光層を有する発光素子部と有機半導体層を有するトランジスタ素子部とを備えた発光素子において、有機発光層や有機半導体層からなる有機層の容量成分に影響しない発光素子を提供すること、トランジスタ素子の非選択時に望まれない発光が生じない発光素子を提供すること、及びその発光素子を有する発光表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の発光素子は、エミッタ電極、コレクタ電極、該両電極間に設けられた有機半導体層、及び該有機半導体層内に設けられたベース電極を少なくとも備えた縦型トランジスタ素子部と、前記縦型トランジスタ素子部を構成する有機半導体層とコレクタ電極との間に有機発光層が設けられている発光素子部と、を有する発光素子であって、前記縦型トランジスタ素子部は、前記発光素子部よりも平面視での面積が小さく、前記発光素子部は、前記縦型トランジスタ素子部に接触する側の面に等電位層を有していることを特徴とする。
この発明によれば、縦型トランジスタ素子部は発光素子部よりも面積が小さい態様で設けられているので、縦型トランジスタ素子部を構成する有機半導体層の容量成分を小さくすることができる。このことは、エミッタ電極とベース電極との間に印加する電圧波形の周波数を高くした場合であっても、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができ、この電流成分による発光素子部の誤動作を回避できる。また、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流に対応した出力電流を発光素子部に与えることができる。その結果、発光素子部での発光を、縦型トランジスタ素子部で精度よく制御することができる。さらに、発光素子部は、縦型トランジスタ素子部に接触する側の面に等電位層を有するので、縦型トランジスタ素子部からの出力電流を発光素子部の発光領域全面に均一に供給することができる。その結果、全面で均一に発光する発光素子を提供することができる。
本発明の発光素子の好ましい態様は、前記縦型トランジスタ素子部の面積S1と前記発光素子部の面積S2との比(S1/S2)を、1/20以上1/2以下であるように構成する。
この発明によれば、S1/S2が1/20以上1/2以下となるように縦型トランジスタ素子部を小さい面積で構成することにより、その容量成分を小さくすることができるので、例えば100kHzのような高い周波数を印加した場合であっても、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができ、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流に対応した出力電流を発光素子部に与えることができる。さらに、縦型トランジスタ素子部の面積が顕著に小さいので、例えば縦型トランジスタ素子部と発光素子部とを積層した場合であっても、縦型トランジスタ素子部の構成材料が光透過性のものに制約されることがないという利点がある。
本発明の発光素子の好ましい態様は、前記縦型トランジスタ素子部を前記発光素子部上に積層した態様であってもよいし、前記縦型トランジスタ素子部を前記発光素子部とは異なる基板上の部位に設けた態様であってもよい。
この発明によれば、縦型トランジスタ素子部の面積が顕著に小さいので、その容量成分を小さくすることができるとともに、光透過性の構成要素を含む縦型トランジスタ素子部を積層した場合であっても、発光領域を大きく遮蔽することがなく、また、基板上の異なる部位に縦型トランジスタ素子部を設けた場合には、その縦型トランジスタ素子部を格子状のブラックストライプ部の下又は上に容易に設けることができる。
本発明の発光素子の好ましい態様は、前記発光素子部が、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層から選ばれる1又は2以上の層を有し、前記有機発光層が有機EL層であるように構成する。
上記課題を解決する本発明の発光表示装置は、上記本発明の発光素子をマトリクス状に配置した発光表示装置であって、前記発光素子を構成するマトリックス状の発光素子部に対して、前記発光素子が備えるエミッタ電極とコレクタ電極との間に電圧を印加する第1電圧供給手段と、前記発光素子が備えるエミッタ電極とベース電極との間に電圧を印加する第2電圧供給手段と、を有することを特徴とする。
この発明の発光表示装置を構成する縦型トランジスタ素子部は、発光素子部よりも面積が小さい態様で設けられているので、縦型トランジスタ素子部を構成する有機半導体層の容量成分を小さくすることができ、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができる発光表示装置を提供できる。さらに、この発明によれば、マトリックス状の発光素子部に対して、エミッタ電極とコレクタ電極との間に電圧を印加する第1電圧供給手段と、エミッタ電極とベース電極との間に電圧を印加する第2電圧供給手段とを有するので、アクティブマトリックス方式や非アクティブマトリックス方式により駆動できる。その結果、発光素子部における発光量を容易に調整でき、発光素子部の輝度調整や階調制御を容易に実現可能な発光表示装置を提供できる。
本発明の発光表示装置の好ましい第1の態様は、前記第1電圧印加手段は一定電圧を印加し、前記第2電圧印加手段は可変電圧を印加して、前記マトリックス状の個々の発光素子部をアクティブマトリックス方式で駆動するように構成する。
この発明によれば、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができるとともに、マトリックス状の個々の発光素子部をアクティブマトリックス方式で駆動することができるので、動画画像等の表示品質を向上させることができる。
本発明の発光表示装置の好ましい第2の態様は、前記第1電圧印加手段は一定電圧を印加し、前記第2電圧印加手段も一定電圧を印加して、前記マトリックス状の発光素子部の所定の広さ領域を非アクティブマトリックス方式で駆動するように構成する。
この発明によれば、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができるとともに、マトリックス状の発光素子部の所定の広さ領域を非アクティブマトリックス方式で駆動することができるので、広告用ポスターや電飾掲示板等の静止画像等の表示品質を向上させることができるとともに、駆動回路をシンプルな構成にしてコスト低減を図ることができる。
本発明の発光表示装置の好ましい第3の態様として、前記発光素子部を複数有し、各発光素子部それぞれに対応するとともに各発光素子部の1/20〜1/2の面積の縦型トランジスタ素子部が接続されてなり、各縦型トランジスタには、発光素子部に電流を供給するための電源が接続され、さらに、各縦型トランジスタには、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線がベース電極に接続されているように構成する。この発明によれば、発光素子部に電流を供給するための電源から一定のベース電圧を任意の信号線に順次又は同時に印加し、各発光画素の発光をオン/オフすることにより、オンした各縦型トランジスタの面積比に対応した輝度で各発光画素を発光させることができる。
本発明の発光表示装置の好ましい第4の態様として、一つの発光素子部に、該発光素子部の1/20〜1/2の面積から選択された一定面積の縦型トランジスタ素子部が複数並列に接続されてなり、各縦型トランジスタには、発光素子部に電流を供給するための電源が接続され、さらに、各縦型トランジスタには、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線がベース電極に接続されているように構成する。この発明によれば、発光素子部に電流を供給する電源から一定のベース電圧を任意の信号線に順次又は同時に印加し、発光画素の発光をオン/オフすることにより、オンした各縦型トランジスタの総面積に対応した輝度で発光画素を階調表示することができ、その結果、駆動回路側の出力制御をすることなく発光画像の階調表示を可能とすることができる。
本発明の発光表示装置の好ましい第5の態様として、一つの発光素子部に、該発光画素の1/20〜1/2の面積であってそれぞれ異なる面積の縦型トランジスタ素子部が複数並列に接続されてなり、各縦型トランジスタには、発光素子部に電流を供給するための電源が接続され、さらに、各縦型トランジスタには、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線がベース電極に接続されているように構成する。この発明によれば、発光素子部に電流を供給する電源から一定のベース電圧を任意の信号線に順次又は同時に印加し、発光画素の発光をオン/オフすることにより、オンした各縦型トランジスタの面積又は総面積に対応した輝度で発光画素を階調表示することができ、その結果、駆動回路側の出力制御をすることなく発光画像の階調表示を可能とすることができる。
本発明の発光素子によれば、縦型トランジスタ素子部を構成する有機半導体層の容量成分を小さくすることができるので、エミッタ電極とベース電極との間に印加する電圧波形の周波数を高くした場合であっても、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができ、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流に対応した出力電流を発光素子部に与えることができる。また、縦型トランジスタ素子部のオフ電流を十分小さくすることもできるので、エミッタ電極とベース電極との間に印加する電圧が画素非選択に相当する小さな電圧であるにもかかわらず、縦型トランジスタ素子部のオフ電流が大きいことによる発光素子部の誤動作がない。その結果、発光素子部での発光を、縦型トランジスタ素子部で精度よく制御することができる。さらに、本発明の発光素子によれば、等電位層によって縦型トランジスタ素子部からの出力電流を発光素子部の全面に面均一に与えることができるので、全面で均一に発光する発光素子を提供することができる。
本発明の発光表示装置によれば、縦型トランジスタ素子部を構成する有機半導体層の容量成分を小さくすることができ、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができるとともに、アクティブマトリックス方式や非アクティブマトリックス方式により駆動できるので、発光素子部における発光量を容易に調整でき、発光素子部の輝度調整や階調制御を容易に実現可能な発光表示装置を提供できる。
以下に、本発明の発光素子及び発光表示装置について、図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は、その技術的特徴を有すれば種々の変形が可能であり、以下に具体的に示す実施形態に限定されるものではない。
[発光素子]
本発明の発光素子は、エミッタ電極、コレクタ電極、その両電極間に設けられた有機半導体層、及びその有機半導体層内に設けられたベース電極を少なくとも備えた縦型トランジスタ素子部と、その縦型トランジスタ素子部を構成する有機半導体層とコレクタ電極との間に有機発光層が設けられている発光素子部と、を有している。そして、(1)縦型トランジスタ素子部は、発光素子部よりも平面視での面積が小さいこと、(2)発光素子部は、縦型トランジスタ素子部に接触する側の面に等電位層を有していること、に特徴がある。以下に、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光素子を示す模式的な断面図であり、図2は、図1に示す発光素子の平面図である。この発光素子1Aは、基板2上に発光素子部10が形成され、その発光素子部10上の一部に、その発光素子部10よりも平面視で小さい面積からなる縦型トランジスタ素子部20が積層されている。
詳しくは、この発光素子1Aは、基板2上にコレクタ電極22を形成し、そのコレクタ電極22上に、正孔輸送層15、有機発光層13、電子輸送層16、電子注入層11の順で積層した発光素子部10を形成し、さらにその発光素子部10上に等電位層14を形成し、さらにその等電位層14上の一部分に、有機半導体層24B(電子輸送層)、ベース電極23、有機半導体層24A(電子輸送層)、エミッタ電極21の順で積層した縦型トランジスタ素子部20を形成した形態である。
縦型トランジスタ素子部20は、図1及び図2に示す例では、平面視で略四角形(X2×Y2)からなる発光素子部10の一の隅部の上に、平面視で略四角形(X1×Y1)からなる小面積の積層体として形成されている。また、発光素子部10の、縦型トランジスタ素子部20が積層される側の面には、等電位層14が形成されているが、その等電位層14は、縦型トランジスタ素子部20の有機半導体層24Bに接触するように設けられている。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る発光素子を示す模式的な断面図であり、図4は、図3に示す発光素子の平面図である。この発光素子1Bは、基板2上に縦型トランジスタ素子部20が形成され、その縦型トランジスタ素子部20を覆うように、その縦型トランジスタ素子部20よりも平面視で大きい面積からなる発光素子部10が積層されている。
詳しくは、この発光素子1Bは、基板2上に、エミッタ電極21、有機半導体層24A(電子輸送層)、ベース電極23、有機半導体層24B(電子輸送層)の順で積層した縦型トランジスタ素子部20を形成し、さらに、その縦型トランジスタ素子部20を覆うようにその縦型トランジスタ素子部よりも平面視で大面積の等電位層14を形成し、さらにその等電位層14上に、電子注入層11、電子輸送層16、有機発光層13、正孔輸送層15の順で積層した発光素子部10を形成し、さらにその発光素子部10上にコレクタ電極22を形成した形態である。
縦型トランジスタ素子部20は、図3及び図4に示す例では、平面視で略四角形(X2×Y2)からなる発光素子部10の一の隅部の下に、平面視で略四角形(X1×Y1)からなる小面積の積層体として形成されている。また、発光素子部10の、縦型トランジスタ素子部20を覆う側の面には、等電位層14が設けられているが、その等電位層14は、縦型トランジスタ素子部20の有機半導体層24B接触するように設けられている。
なお、図3に示す発光素子1Bにおいては、発光素子部10の下に、縦型トランジスタ素子部20の高さ(厚さ)と略同じ厚さからなるバッファ層30が縦型トランジスタ素子部20に隣接して設けられているが、このバッファ層30は本発明の必須の構成ではなく、必ずしも設けられていなくてもよい。バッファ層30は、例えばアクリル系樹脂、カルド系樹脂、無機絶縁材料等からなる材料で形成することができる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る発光素子を示す模式的な断面図であり、図6は、図5に示す発光素子の平面図である。この発光素子1Cは、基板2上に発光素子部10が形成され、さらにその発光素子部10とは異なる部位の基板2上に、その発光素子部10よりも平面視で小さい面積からなる縦型トランジスタ素子部20が形成されている。
詳しくは、この発光素子1Cは、基板2上にコレクタ電極22を形成し、そのコレクタ電極22上に、正孔輸送層15、有機発光層13、電子輸送層16、電子注入層11の順で積層した発光素子部10を形成し、さらにその発光素子部10上に等電位層14を形成するとともに、発光素子部10とは異なる部位の基板2上に導電層17を形成し、その導電層17上に、有機半導体層24B(電子輸送層)、ベース電極23、有機半導体層24A(電子輸送層)、エミッタ電極21の順で積層した縦型トランジスタ素子部20を形成した形態である。
縦型トランジスタ素子部20は、図5及び図6に示す例では、平面視で略四角形(X2×Y2)からなる発光素子部10の近くの基板2上に、平面視で略四角形(X1×Y1)からなる小面積の積層体として形成されている。また、発光素子部10上に形成された等電位層14は、縦型トランジスタ素子部20の下に設けられた導電層17と配線31によって接続されている。なお、導電層17の形成材料や配線31の材料は特に限定されないが、導電層17としては、例えばAg、Au、Al等の金属、ITO(インジウム錫オキサイド)等の酸化物半導体の薄膜を10nm〜10000nmの厚さで形成したものを好ましく挙げることができ、配線31も同様に、Ag、Au、Al等の金属、ITO(インジウム錫オキサイド)等の酸化物半導体の薄膜を10nm〜10000nmの厚さで形成したものを好ましく挙げることができる。
以上、第1〜第3実施形態の発光素子1A,1B,1Cについて説明したが、本発明の発光素子は、これらの形態に限定されるものではなく、上記特徴を有するものであれば種々変形は可能である。本発明の発光素子によれば、縦型トランジスタ素子部20は発光素子部10よりも面積が小さい態様で設けられているので、縦型トランジスタ素子部20を構成する有機半導体層(24A,24B)の容量成分を小さくすることができる。このことは、エミッタ電極21とベース電極23との間に印加する正弦波交流電圧Vb(ベース電圧Vbとも呼ぶ。)の周波数を高くした場合であっても、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができ、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間に流れる変位電流に対応した出力電流Icを発光素子部10に与えることができる。その結果、発光素子部10での発光を、縦型トランジスタ素子部20で精度よく制御することができる。また、発光素子部10の、縦型トランジスタ素子部20に接触する側の面には等電位層14が設けられているので、縦型トランジスタ素子部20からの出力電流Icを発光素子部10の全面に面均一に与えることができる。その結果、全面で均一に発光可能な発光素子1A,1B,1Cを提供することができる。
なお、本発明の発光素子1A,1B,1Cは、縦型トランジスタ素子部20の面積S1と発光素子部10の面積S2との比(S1/S2)が、1/20以上1/2以下、好ましくは1/10以上1/3以下であることが好ましい。S1/S2を上記範囲となるように縦型トランジスタ素子部20を小さい面積で構成することにより、その容量成分を小さくすることができるので、例えば100kHzのような高い周波数を印加した場合であっても、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができ、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間に流れる変位電流に対応した出力電流Icを発光素子部10に与えることができる。なお、S1/S2が1/20未満の場合には、変調電流量が不足し、画素の選択時に十分な発光輝度を得るために必要な電流を供給できなくなるおそれがあり、また、S1/S2が1/2を超えると、容量成分が大きくなって、例えば100kHzのような高い周波数を印加した場合に容量成分の過渡応答電流の影響が大きくなるおそれがある。もしくは、画素の非選択時においてもトランジスタのオフ電流が大きいために、発光するべきでない画素が発光してしまうという誤動作が生じるおそれがある。
さらに、縦型トランジスタ素子部20の面積が上記範囲のように小さいので、例えば縦型トランジスタ素子部20と発光素子部10とを積層した場合であっても、縦型トランジスタ素子部20の構成材料が光透過性のものに制約されることがないという利点がある。
(各構成要素)
以下に、本発明の発光素子を構成する縦型トランジスタ素子部と発光素子部の構成要素について順に説明する。
(基板)
最初に、基板2について説明する。本発明においては、基板2上に縦型トランジスタ素子部20と発光素子部10が形成されているが、その基板2の種類や構造は特に限定されるものではなく、積層する各層の材質等により適宜決めることができる。例えば、Al等の金属、ガラス、石英又は樹脂等の各種の材料からなるものを用いることができる。なお、有機発光層13で発光した光を基板2側から出射させるボトムエミッション構造の発光素子の場合には、透明又は半透明になる材料で基板が形成されることが好ましいが、有機発光層13で発光した光を基板の反対側から出射させるトップエミッション構造の発光素子の場合には、必ずしも透明又は半透明になる材料を用いる必要はなく、不透明材料で基板を形成してもよい。
特に、有機EL素子の基板として一般的に用いられているもの、すなわち、有機EL素子を強度的に支持しているものを好ましく用いることができる。基板2の材質は、用途に応じてフレキシブルな材質や硬質な材質等が選択される。具体的に用いることができる材料としては、例えば、ガラス、石英、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等を挙げることができる。また、基板1の形状としては、枚葉状でも連続状でもよく、具体的な形状としては、例えばカード状、フィルム状、ディスク状、チップ状等を挙げることができる。
(縦型トランジスタ素子部)
次に、縦型トランジスタ素子部について説明する。縦型トランジスタ素子部20は、図1、図3及び図5に示すように、エミッタ電極21と、コレクタ電極22と、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間に設けられた有機半導体層24A,24Bと、有機半導体層内(詳しくは、有機半導体層24Aと有機半導体層24Bとの間)に設けられたベース電極23とを少なくとも備えた構造を呈している。この有機半導体層24A,24Bは、詳しくは、ベース電極23のエミッタ電極21側に設けられた電荷輸送性の第1有機半導体層24Aと、ベース電極23のコレクタ電極22側に設けられた電荷輸送性の第2有機半導体層24Bとで構成されている。なお、本発明においては、コレクタ電極22と有機半導体層24Bとの間に、発光素子部10と等電位層14が設けられている。
縦型トランジスタ素子部20の具体例としては、後述の実施例で示すように、例えば厚さ100nmの透明ITO電極をコレクタ電極22とし、発光素子部10と等電位層14を介して、n型有機半導体であるペリレン顔料(Me−PTC、平均厚さ500nm)からなる第2有機半導体層24Bと、アルミニウムからなる平均厚さ20nmのベース電極23と、フラーレン(C60、平均厚さ100nm)からなる第1有機半導体層24Aと、銀からなる平均厚さ30nmのエミッタ電極21とを、真空蒸着等の成膜手段でその順に積層して構成できる。なお、第2有機半導体層24Bとベース電極23との間に、厚さ2nmないし5nmの酸化ケイ素膜(図示しない)を暗電流抑制層として設けてもよい。図1等において、Icは、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間にコレクタ電圧Vcを印加したときの電流であり、Ibは、エミッタ電極21とベース電極23との間にベース電圧Vbを印加したときの電流である。
縦型トランジスタ素子部20において、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間にコレクタ電圧Vcを印加し、さらにエミッタ電極21とベース電極23と間にベース電圧Vbを印加すると、そのベース電圧Vbの作用により、エミッタ電極21から注入された電子が著しく加速されてベース電極23を透過し、コレクタ電極22に到達する。すなわち、ベース電圧Vbの印加によってエミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる電流Icを増幅させることができる。
(電極)
縦型トランジスタ素子部20の電極は、エミッタ電極21、コレクタ電極22及びベース電極23で構成される。第1〜第3実施形態に示すように、コレクタ電極22は、ベース電極23との間に発光素子部10と等電位層14とを介するように設けられ、ベース電極23は、第1有機半導体層24Aと第2有機半導体層24Bとの間に埋め込まれるように設けられ、エミッタ電極21は、コレクタ電極22と対向する位置に設けられて、ベース電極23との間に第1有機半導体層24Aを介するように設けられる。各電極を構成する材料としては、金属、導電性酸化物、導電性高分子等の薄膜が用いられる。なお、図3及び図5に示すように、エミッタ電極21又はコレクタ電極22を基板2上に設ける場合には、その間にバリア層や平滑層等が設けられていてもよい(図示しない)。
正孔輸送層15又は正孔注入層(図示しない)に接触するコレクタ電極22の形成材料としては、例えば、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電膜、金、クロムのような仕事関数の大きな金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等を挙げることができる。一方、電子注入層11又は電子輸送層16に接触するエミッタ電極21の形成材料としては、アルミニウム、銀等の単体金属、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Caをはじめとするアルカリ金属類、それらアルカリ金属類の合金のような仕事関数の小さな金属等を挙げることができる。
ベース電極23は第1有機半導体層24Aと第2有機半導体層24Bとの間に設けられてそれらの有機半導体層24A,24Bとショットキー接触を形成することが好ましい。ベース電極23は、エミッタ電極21から供給された電荷をコレクタ電極22側の有機半導体層24B内に強制的に供給するように作用するので、ベース電極23の形成材料としては、必ずしも有機半導体層24Bに電荷を注入し易い材料である必要はない。しかし、コレクタ電極22側の有機半導体層24Bが正孔注入層又は正孔注入材料を有する層である場合には、仕事関数が小さい材料でベース電極23を形成することが好ましく、一方、その有機半導体層24Bが電子注入層又は電子注入材料を有する層である場合には、仕事関数が大きい材料でベース電極23を形成することが好ましい。こうしたベース電極23の形成材料としては、例えば、アルミ、銀等の単体金属、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Caをはじめとするアルカリ金属類、LiF等のアルカリ金属類の合金のような仕事関数の小さな金属等を好ましく使用することができるが、電荷(正孔、電子)注入層とショットキー接触を形成することが可能であれば、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電膜、金、クロムのような仕事関数の大きな金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等も使用することができる。
本発明の発光素子は、エミッタ電極21とベース電極23を備えた小面積の縦型トランジスタ素子部20が形成されているので、発光素子部10の有機発光層13で発光した光が縦型トランジスタ素子部20にかかる程度が小さい。そのため、有機発光層13で発光した光を基板2側から出射させるボトムエミッション構造の場合や、その光を基板2の反対側から出射させるトップエミッション構造の場合においても、エミッタ電極21とベース電極23を透明又は半透明の材料で形成することは必ずしも必要ではない。なお、各電極を透明又は半透明の電極材料としても構わないが、その場合には、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電膜が好ましく用いられる。
上記の各電極のうちエミッタ電極21とコレクタ電極22については、真空蒸着、スパッタリング、CVD等の真空プロセスあるいは塗布により薄膜状に形成され、その膜厚は使用する材料等によっても異なるが、例えば10nm〜1000nm程度の厚さであることが好ましい。これらの膜厚は、厚さ方向の試料断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により5箇所の平均値を測定して得ることができる。
一方、ベース電極23については、種々の形態で形成することができる。第1の例としては、ベース電極23は、例えば特開2004−327615号公報、特開2007−27566号公報、特開2005−243871号公報、特開2003−324203号公報等に示すように、有機半導体層24A,24B内にストライプ状(メッシュ状)に形成するものであってもよい。この形態のベース電極23は、ストライプ状に形成されているので、第1有機半導体層24Aと第2有機半導体層24Bとを繋ぐ「開口部」を有している。エミッタ電極21とコレクタ電極22との間にコレクタ電圧Vcが印加され、エミッタ電極21とベース電極23との間にベース電圧Vbが印加されると、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間に流れる電荷は、その「開口部」を通過する。こうしたベース電極23は、例えば図1の例では、第2有機半導体層24B上に例えば10nm〜80nm程度の蒸着膜等を形成した後、その蒸着膜等をパターンエッチングすることにより、「開口部」を有するベース電極23を形成することができる。なお、第1有機半導体層24Aはこうして形成されたベース電極23上に形成される。
また、第2の例としては、ベース電極23は、10nm以上80nm以下の厚さの蒸着膜等を形成するものであってもよい。この形態のベース電極23は、厚さが薄く形成されているので、ベース電圧Vbで加速された弾道電子又は弾道正孔が有機半導体層24A,24B内を容易に透過できる。なお、ベース電極4の厚さは、厚さ方向の試料断面を透過型電子顕微鏡により測定される。
また、第3の例としては、ベース電極23は、粒状金属が面内方向(層の横方向)に粒状に分布して微細な「開口部」を有するとともに、その粒状金属を内部に有する態様で絶縁性金属化合物が形成されているものであってもよい。すなわち、このベース電極23は、連続する絶縁性金属化合物内に、粒状金属が横方向に分布し、その粒状金属間の「開口部」は前記同様、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間に流れる電荷が通過する部位であり、絶縁性金属化合物で形成されている。粒状金属の形態は特に限定されないが、通常は円形又は略円形(楕円形等を含む)又はそれらに類似の形態である。円形又は略円形からなる粒状金属の直径は、5nm以上500nm以下であることが好ましく、20nm以上100nm以下がより好ましく、30nm以上50nm以下が特に好ましい。こうした範囲の粒状金属は、上記の第1の例で説明したベース電極23よりも微細に形成されているので、開口部が狭い。さらに、粒状金属の周りに形成されて電流の透過部として作用する開口部を、高い密度で形成することができる。こうしたベース電極23を形成することにより、エミッタ電極21とベース電極23との間にベース電圧Vbを印加することによって、エミッタ電極21とコレクタ電極22との間を流れる電流Icを効率的に変調することができる。
第3の例のベース電極23である粒状金属の厚さは特に限定されず、例えば5nm〜80nm程度、好ましくは10nm〜40nm程度を挙げることができる。この粒状金属は、所定粒径の結晶粒の集合体からなる金属膜を成膜した後、その金属膜を酸化等の化学反応させることにより形成することができる。この粒状金属の材質は導電性の金属であれば特に限定されないが、好ましくは導電性のよいアルミニウム又は銅等が採用される。特にアルミニウムは、酸化反応によって容易に酸化アルミニウムとすることができ、その酸化アルミニウムが絶縁性金属化合物となるので便利である。しかも、その酸化アルミニウムは、酸化の進行がある程度進むと停止するという性質を有するので、絶縁性金属化合物の厚さをおよそ10nm〜40nmの範囲内にコントロールすることができるという利点がある。
なお、絶縁性金属化合物内に含まれる粒状金属は、それぞれ金属部分が接触して繋がっていないが、粒状金属間に存在する電流の透過部としての絶縁性金属化合物の幅(隣り合う粒状金属の間隔)が微細なので、粒状金属間ではトンネル電流が流れる等して電極としての電気導電性を確保できる。
(有機半導体層)
有機半導体層24A,24Bは、図1等に示すように、ベース電極23のエミッタ電極21側に設けられた電荷輸送性の第1有機半導体層24Aと、ベース電極23のコレクタ電極22側(すなわち発光素子部10側)に設けられた電荷輸送性の第2有機半導体層24Bとで構成されている。この有機半導体層24A,24Bは、種々の有機半導体材料で形成でき、通常は電荷輸送特性の良い電荷輸送材料で形成される。
有機半導体層24A,24Bの具体的な構成としては、例えば、(i)第1有機半導体層24Aと第2有機半導体層24Bとが同じ材料で形成しても異なる材料で形成してもよいし、(ii)その材料が正孔輸送材料であっても電子輸送材料であってもよいし、(iii)第1有機半導体層24Aの厚さと第2有機半導体層24Bの厚さとが同じでも異なっていてもよいし(ただし、第1有機半導体層24Aの厚さよりも第2有機半導体層24Bの厚さが厚いことが好ましい。)、(iv)電荷注入層(図示しない)を第1有機半導体層24Aとエミッタ電極21との間に設けてもよい。なお、有機半導体層24A,24B上に電極を形成する場合は、電極形成時に有機半導体層24A,24Bに加わるダメージを軽減するための保護層(図示しない)を有機半導体層24A,24B上に設けてもよい。保護層としては、例えばAu、Ag、Al等の金属膜やZnS、ZnSe等の無機半導体膜等の蒸着膜又はスパッタ膜のように、成膜時にダメージを与え難いものが1〜500nm程度の厚さで成膜することが好ましい。
有機半導体層24A,24Bの形成材料としては、例えば、Alq(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)、n型有機半導体であるペリレン顔料(Me−PTC)、フラーレンC60、NTCDA(ナフタレンテトラカルボン酸二無水物)、PTCDA(3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物)若しくはPh−Et−PTC等を好ましく挙げることができ、また、アントラキノジメタン、フルオレニリデンメタン、テトラシアノエチレン、フルオレノン、ジフェノキノンオキサジアゾール、アントロン、チオピランジオキシド、ジフェノキノン、ベンゾキノン、マロノニトリル、ニジトロベンゼン、ニトロアントラキノン、無水マレイン酸若しくはペリレンテトラカルボン酸、又はこれらの誘導体等、電荷輸送材料として通常使用されるものを挙げることができる。
有機半導体層24A,24Bの電荷移動度は、なるべく高いことが望ましく、少なくとも、0.001cm/Vs以上であることが望ましい。また、第2有機半導体層24Bの厚さは、通常、300nm〜1000nm程度を挙げることができるが、好ましくは400nm〜700nm程度である。なお、その厚さが300nm未満の場合又は1000nmを超える場合は、トランジスタ動作を生じないことがある。一方、エミッタ電極21側の第1有機半導体層24Aの厚さは、第2有機半導体層24Bに比べて基本的に薄いことが望ましく、通常、500nm程度以下を挙げることができるが、好ましくは50nm〜150nm程度である。なお、その厚さが50nm未満の場合は、導通の問題が発生して歩留まりが低下することがある。
有機半導体層24Bとベース電極23との間に、酸化ケイ素膜(図示しない)を暗電流抑制層として設けることが好ましい。この暗電流抑制層は、ベース電圧VbをOFFにした際に、コレクタ電圧Vcによって生じたエミッタ電流がベース電極23を透過しないように作用する。なお、必要に応じてベース電極23の両面に暗電流抑制層を設けてもよい。暗電流抑制層の形成材料としては、例えば、SiO、SiN、A1等の無機材料や、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノール、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等の有機材料等を挙げることができる。また、有機系半導体材料を用いてもよいし、無機系半導体材料を用いてもよい。これらの材料から、暗電流抑制層としての作用効果を奏することを条件に最適なものが選定される。これらの形成材料は、単独で用いてもよいし、2種以上の材料を用いてもよい。
こうして形成された縦型トランジスタ素子部20は、低電圧で大電流変調が可能なトランジスタ素子として機能することから、発光素子部10のスイッチング素子である駆動トランジスタとして好ましく適用できる。
(発光素子部)
次に、発光素子部10について説明する。発光素子部10は、上述した縦型トランジスタ素子部20を構成する第2有機半導体層24Bとコレクタ電極22との間に少なくとも有機発光層13が設けられている。さらに、発光素子部10の、縦型トランジスタ素子部20に接触する側の面には、等電位層14が形成されている。なお、「少なくとも」とは、発光素子部10が有機発光層13を必須の層として有し、さらにコレクタ電極22と有機発光層13との間に正孔注入層や正孔輸送層を必要に応じて設けてもよいし、等電位層14と有機発光層13との間に電子注入層や電子輸送層を必要に応じて設けてもよいことを意味する。なお、その他の層として、正孔ブロック層、電子ブロック層等のように、キャリア(正孔、電子)のつきぬけを防止し、効率よくキャリアの再結合させるための電荷ブロック層を設けてもよい。具体的には、図1、図3及び図5に示すように、基板2に形成されコレクタ電極22上に、正孔輸送層15、有機発光層13、電子輸送層16、電子注入層11からなる発光素子部10が形成され、さらにその発光素子部10上に等電位層14が形成されている。
(有機発光層、その他の層)
有機発光層13、正孔輸送層15、電子輸送層16、電子注入層11、正孔注入層等の各有機層は、発光素子部10の構成や構成材料の種類等に応じ、適切な膜厚(例えば0.1nm〜10μmの範囲内)で形成される。各有機層の膜厚が厚すぎる場合には、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になって発光効率が悪くなることがあり、各有機層の膜厚が薄すぎる場合には、ピンホール等が発生して電界を印加しても十分な発光輝度が得られないことがある。
有機発光層13の形成材料としては、有機EL素子の発光層として一般的に用いられている材料であれば特に限定されず、例えば色素系発光材料、金属錯体系発光材料、高分子系発光材料等を挙げることができる。
色素系発光材料としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系発光材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等、又はTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
高分子系発光材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、及びそれらの共重合体等を挙げることができる。
有機発光層13中には、発光効率の向上や発光波長を変化させる等の目的でドーピング剤等の添加剤を添加するようにしてもよい。ドーピング剤としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体等を挙げることができる。
正孔輸送層15の形成材料としては、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポリフィリン、オキサジアゾール、トリフェニルアミン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、ピラゾリン、テトラヒドロイミダゾール、ヒドラゾン、スチルベン、ペンタセン、ポリチオフェン若しくはブタジエン、又はこれらの誘導体等、正孔輸送材料として通常使用されるものを用いることができる。また、正孔輸送層15の形成材料として市販されている、例えばポリ(3、4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(略称PEDOT/PSS、バイエル社製、商品名;Baytron P AI4083、水溶液として市販。)等も使用することができる。正孔輸送層15は、こうした化合物を含有した正孔輸送層形成用塗液を用いて形成される。なお、これらの正孔輸送材料は、上記の有機発光層13内に混ぜてもよいし、正孔注入層(図示しない)内に混ぜてもよい。
電子輸送層16の形成材料としては、アントラキノジメタン、フルオレニリデンメタン、テトラシアノエチレン、フルオレノン、ジフェノキノンオキサジアゾール、アントロン、チオピランジオキシド、ジフェノキノン、ベンゾキノン、マロノニトリル、ニジトロベンゼン、ニトロアントラキノン、無水マレイン酸若しくはペリレンテトラカルボン酸、又はこれらの誘導体等、電子輸送材料として通常使用されるものを用いることができる。電子輸送層16は、こうした化合物を含有した電子輸送層形成用塗液を用いて形成される。なお、これらの電子輸送材料は、上記の有機発光層13内に混ぜてもよいし、電子注入層(図示しない)内に混ぜてもよい。
電子注入層11の形成材料としては、有機発光層13の発光材料に例示した化合物の他、アルミニウム、フッ化リチウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、カルシウム、ポリメチルメタクリレートポリスチレンスルホン酸ナトリウム、リチウム、セシウム、フッ化セシウム等のようにアルカリ金属類、及びアルカリ金属類のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体等を挙げることができる。
正孔注入層の形成材料としては、例えば、有機発光層13の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの誘導体等を挙げることができる。
なお、上述した有機発光層13や電荷輸送層(正孔輸送層15、電子輸送層16)等の有機層中には、必要に応じてオリゴマー材料又はデンドリマー材料の発光材料若しくは電荷輸送注入材料を含有させてもよい。
上述した各層は、真空蒸着法によって成膜するか、あるいは、それぞれの形成材料をトルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調整し、その塗布液を塗布装置等を用いて塗布又は印刷等することで形成される。
また、必要に応じて、励起子ブロック層(図示しない)を設けてもよい。励起子ブロック層は、正孔ブロック層、電子ブロック層等として機能する層であり、キャリア(正孔、電子)が有機発光層13を突き抜けるのを防止し、効率よくキャリアを再結合させるためのブロック層である。例えば有機発光層13のエミッタ電極21側の隣接面に正孔ブロック層を設けることにより、コレクタ電極22から注入された正孔が有機発光層13を突き抜けるのを防ぐことができ、また、有機発光層13のコレクタ電極22側の隣接面に電子ブロック層を設けることにより、エミッタ電極21から注入された電子が有機発光層13を突き抜けるのを防ぐことができる。励起子ブロック層の形成材料としては、BCP(1−ブロモ−3−クロロプロパン) を例示できる。
(等電位層)
等電位層14は、縦型トランジスタ素子部20に接触する側の発光素子部10の面に、通常、その発光素子部10の発光領域と同じ面積で設けられている。この等電位層14は、小面積の縦型トランジスタ素子部20から出力された電流を大面積の発光素子部10に面均一に与えるように作用し、その結果、有機発光層13の全面で均一に発光させることができ、有機発光層13の各部での発光効率を向上させることができる。なお、等電位層14は、通常は有機発光層13の大きさと同じ大きさで設けられるが、必ずしも同じ大きさである必要はなく、発光領域として作用する実質的な領域に等電位層14が設けられていればよい。
等電位層14と発光素子部10との位置関係は、図1及び図5に示すように、発光素子部10の上に等電位層14が設けられていてもよいし、図3に示すように、発光素子部10の下に等電位層14が設けられていてもよい。また、等電位層14と第2有機半導体層24Bとの位置関係としては、(1)図1に示すように、等電位層14の隅部の上に第2有機半導体層24Bが設けられていてもよいし、(2)図3に示すように、等電位層14の隅部の下に第2有機半導体層24Bが設けられていてもよいし、(3)図5に示すように、基板2上に設けられた導電層17と、発光素子部10の最上層として設けられた等電位層14とが配線31により接続されていてもよい。
等電位層14は、エミッタ電極21から供給されてベース電極23を透過した電子を全面に伝導させることができ、且つその電子を電子注入層11に容易に伝導させることができる材料で形成されていることが望ましい。等電位層14の形成材料としては、例えば、Al、Ag、Au、Cr等の金属材料、ITO(インジウム錫オキサイド)、SnO、ZnO、TiO、ZnS、ZnSe、TiN、InN、GaN、RuO、SrCu、CuAlO等の導電性無機化合物が用いられる。
等電位層14は、有機発光層13で発光した光を反射することができる光反射型の層であってもよい。例えば、Al、Ag、Au、Cr等からなる金属で形成した等電位層14は、反射層として用いることができる。こうした等電位層14を設けることにより、有機発光層13で発生した光が等電位層14で反射して発光層側に戻ることになる。そのため、有機発光層13からみて等電位層14の反対側が光取り出し側であり、且つその側に配置されたコレクタ電極22を透明又は半透明とすることにより、光取り出し効率をより一層向上させることができる。なお、等電位層14が透過率の高い透明又は半透明の層とした場合には、コレクタ電極22を光反射型の層とすることにより、光取り出し効率を向上させることができる。
[発光表示装置]
次に、本発明の発光表示装置について説明する。本発明の発光表示装置は、上記本発明の発光素子1A,1B,1Cをマトリクス状に配置したものであって、その発光素子を構成するマトリックス状の発光素子部10に対して、発光素子が備えるエミッタ電極21とコレクタ電極22との間に電圧(コレクタ電圧Vc)を印加する第1電圧供給手段と、発光素子が備えるエミッタ電極21とベース電極23との間に電圧(ベース電圧Vb)を印加する第2電圧供給手段とを有する。
上述のように、この発光表示装置を構成する縦型トランジスタ素子部20は、発光素子部10よりも面積が小さい態様で設けられているので、縦型トランジスタ素子部20を構成する有機半導体層24A,24Bの容量成分を小さくすることができる。その結果、本発明においては、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができる発光表示装置を提供できる。さらに、この発光表示装置は、第1電圧供給手段と第2電圧供給手段とを有するので、アクティブマトリックス方式や非アクティブマトリックス方式により駆動でき、その結果、発光素子10部における発光量を容易に調整でき、発光素子部10の輝度調整や階調制御を容易に実現可能な発光表示装置を提供できるという効果を奏する。
こうした発光表示装置は、動画画像等を表示するアクティブマトリックス駆動制御や、広告用ポスターや電飾掲示板等の静止画像等を表示する非アクティブマトリックス駆動制御によって駆動させることができる。前者の第1態様は、第1電圧印加手段が一定電圧を印加し、第2電圧印加手段が可変電圧を印加するように構成して、マトリックス状の個々の発光素子部10をアクティブマトリックス方式で駆動する。一方、後者の第2態様は、第1電圧印加手段が一定電圧を印加し、第2電圧印加手段も一定電圧を印加するように構成して、マトリックス状の発光素子部10の所定の広さ領域を非アクティブマトリックス方式で駆動する。
第1態様の発光表示装置では、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができるとともに、マトリックス状の個々の発光素子部をアクティブマトリックス方式で駆動するので、動画画像の表示品質を向上させることができる。一方、第2態様の発光表示装置は、容量成分の過渡応答電流の影響を小さくすることができるとともに、マトリックス状の発光素子部の所定の広さ領域を非アクティブマトリックス方式で駆動するので、広告用ポスターや電飾掲示板等の静止画像の表示品質を向上させることができるとともに、駆動回路をシンプルな構成にしてコスト低減を図ることができる。
最初に、発光表示装置の駆動原理について説明する。
図7は、本発明の発光素子を内蔵した典型的な発光表示装置の一例を示す概略図であり、図8は、発光表示装置内の各画素(単位素子)50として設けられた本発明の発光素子の一例を示す回路概略図である。この発光表示装置は、画素(単位素子)50が1つのスイッチングトランジスタ(縦型トランジスタ素子部20)を有する例を示している。
図8に示す画素50は、縦横に配列された第一スイッチング配線57と第二スイッチング配線58とに接続されている。第一スイッチング配線57及び第二スイッチング配線58は、図7に示すように、電圧制御回路42に接続され、その電圧制御回路42は、画像信号供給源41に接続されている。なお、図7及び図8中の符号56はグランド配線であり、符号59は定電圧印加線である。
図8において、第一スイッチングトランジスタ53のエミッタ電極21aは、第二スイッチング配線58に接続され、ベース電極23aは、第一スイッチング配線57に接続され、通常のコレクタ電極位置にある等電位層14aは、電圧保持用コンデンサ55の一方の端子に接続されているとともにグランド56に接続され、発光素子部10に接触して設けられているコレクタ電極22は、定電圧印加線59に接続されている。また、電圧保持用コンデンサ55の他方の端子は、グランド56に接続されている。
次に、図8に示す回路の動作について説明する。第一スイッチング配線57に電圧が印加されると、第一スイッチングトランジスタ53のベース電極23aにベース電圧Vbが印加される。これにより、エミッタ電極21aと等電位層14aとの間に導通が生じる。この状態において、第二スイッチング配線58に電圧が印加されると、エミッタ電極21aに電圧が印加され、電圧保持用コンデンサ55に電荷が貯えられる。これにより、第一スイッチング配線57又は第二スイッチング配線58に印加する電圧をオフにしても、発光素子部10のベース電極23aに、電圧保持用コンデンサ55に貯えられた電荷が消滅するまで電圧が印加され続ける。発光素子部10に接触するコレクタ電極22に電圧が印加されることにより、エミッタ電極21aとコレクタ電極22との間が導通し、定電圧供給線59から発光素子部10を通過してグランド56に電流が流れ、発光素子部10が発光する。
図9は、発光表示装置内の画素(単位素子)51として設けられた本発明の発光素子の他の一例を示す回路概略図である。この発光表示装置は、画素(単位素子)51が2つのスイッチングトランジスタを有する例を示している。
図9に示す画素51は、図8の場合と同様、縦横に配列された第一スイッチング配線57と第二スイッチング配線58とに接続されている。第一スイッチング配線57及び第二スイッチング配線58は、図7に示すように、電圧制御回路42に接続され、その電圧制御回路42は、画像信号供給源41に接続されている。なお、図9中の符号56はグランド配線であり、符号43は電流供給線であり、符号59は定電圧印加線である。
図9において、第一スイッチングトランジスタ53のエミッタ電極21aは、第二スイッチング配線58に接続され、ベース電極23aは、第一スイッチング配線57に接続され、通常のコレクタ電極位置にある等電位層14aは、第二スイッチングトランジスタ54のベース電極23b及び電圧保持用コンデンサ55の一方の端子に接続されている。また、電圧保持用コンデンサ55の他方の端子は、グランド56に接続され、第二スイッチングトランジスタ54のエミッタ電極21bは、電流供給線43に接続され、通常のコレクタ電極位置にある等電位層14bは、グランド56に接続され、発光素子部10に接触して設けられているコレクタ電極22は、定電圧印加線59に接続されている。また、電圧保持用コンデンサ55の他方の端子は、グランド56に接続されている。
次に、図9に示す回路の動作について説明する。第一スイッチング配線57に電圧が印加されると、第一スイッチングトランジスタ53のベース電極23aにベース電圧Vbが印加される。これにより、エミッタ電極21aと等電位層14aとの間に導通が生じる。この状態において、第二スイッチング配線58に電圧が印加されると、ベース電極23bに電圧が印加され、電圧保持用コンデンサ55に電荷が貯えられる。これにより、第一スイッチング配線57又は第二スイッチング配線58に印加する電圧をオフにしても、第二スイッチングトランジスタ54のベース電極23bに、電圧保持用コンデンサ55に貯えられた電荷が消滅するまで電圧が印加され続ける。第二トランジスタ54のベース電極23bに電圧が印加されることにより、エミッタ電極21bと等電位層14bとの間が導通し、定電圧印加線59からコレクタ電極22と発光素子部10を通過してグランド56に電流が流れ、発光素子部10が発光する。
図7に示す画像信号供給源41は、例えばそれに内蔵又は接続されている画像情報メディアに記録されている画像情報を再生する装置や、入力された電気磁気的な情報を電気信号に変換する装置からもたらされる電気信号を、電圧制御装置42が受け取れる電気信号形態に変換して、電圧制御装置42に送る。電圧制御装置42は、画像信号供給源41からもたらされた電気信号を更に変換し、どの画素50,51をどれだけの時間発光させるかを計算し、第一スイッチング配線57及び第二スイッチング配線58に印加する電圧、時間、及びタイミングを決定する。これにより、画像情報に基づき発光表示装置は、所望の画像を表示できるようになる。なお、近接した微小画素ごとに、赤を基調にする色、緑を基調にする色、および青を基調にする色のRGB三色が発光できるようにすると、カラー表示の画像表示装置を得ることができる。
本発明の発光表示装置において、動画画像を表示するためのアクティブマトリックス駆動の駆動方式については、従来の横型トランジスタを用いる際の駆動法と特に異なる方式を用いることなく、容易に十分な発光輝度を得る発光表示装置を得ることができる。
また、本発明の発光表示装置において、広告用ポスターや電飾掲示板等の静止画像を表示する際には、外部駆動回路はできうる限り簡便であることが望ましい。発光素子部の点灯、非点灯については、TTLレベルの電圧制御を行い、これを本発明の発光表示装置を構成する縦型トランジスタ素子部のベース電極に接続し、所望の発光輝度を得るための電流を供給する電源を別途発光素子部のアノードと縦型有機トランジスタ素子部のエミッタ電極との間に接続する。こうすることにより、一定の電圧値のオン/オフ制御による点灯・非点灯の制御が容易に実現できる。この構成により、点灯・非点灯の制御を行う電子回路には、発光素子部に大電流を供給するための部材を搭載する必要が無いため、低コストでの広告用ポスターや、電飾掲示板が実現可能となる。
また、一つの発光素子に対して複数の面積が異なる縦型トランジスタを接続した構成をとることで、各々の縦型トランジスタのオン/オフ制御のためのベース電圧は一定でありながら、縦型トランジスタの面積に対応した異なる値のコレクタ電流を発光素子に供給することが可能となる。このことにより、所望の輝度を得るために段階的に面積の異なる縦型トランジスタを発光素子に対して並列に接続して、選択した縦型トランジスタ素子に応じた発光輝度の階調表現を容易に行うことが可能となる。
なお、発光素子に並列に接続された複数の縦型トランジスタのうち、複数のトランジスタを同時にオンする事により、そのコレクタ電流の加算値による階調制御を行っても良い。
いずれの方法においても、各縦型トランジスタのオンオフを制御する電圧は固定された値で構わず、別途発光素子に電流源が接続されていれば良いので、発光表示体の駆動回路には大出力の、出力が階調制御できるドライバを搭載する必要が無いため、簡便な構成で低廉な広告ポスター、電子掲示板を提供することができる。
以下、実施例と比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定解釈されることはない。
(実施例1)
ガラスからなる基板上に、コレクタ電極として厚さ100nmの透明ITO電極を形成し、その上に、抵抗加熱蒸着法で形成したCuPcからなる厚さ2nmの正孔注入層と、抵抗加熱蒸着法で形成したNPDからなる厚さ30nmの正孔輸送層と、抵抗加熱蒸着法で形成したAlq3からなる厚さ30nmの有機発光層と、抵抗加熱蒸着法で形成したBCPからなる厚さ10nmの励起子ブロック層とをその順に積層して、縦Y2:2mm×横X2:2mm=4mmの発光素子部を形成した。この発光素子部上の全面に、アルミニウムからなる厚さ20nmの等電位層を抵抗加熱蒸法で形成した。
次に、その等電位層14上の隅部の上に、抵抗加熱蒸着法で形成したn型有機半導体であるペリレン顔料(Me−PTC、平均厚さ500nm)からなる第2有機半導体層と、抵抗加熱蒸着法でアルミニウムを成膜した後に120℃の大気雰囲気下で酸化処理して平均粒径40nm程度の粒状金属を分布形成してなるベース電極と、抵抗加熱蒸着法で形成したフラーレン(C60、平均厚さ80nm)からなる第1有機半導体層と、抵抗加熱蒸着法で形成した銀からなる平均厚さ30nmのエミッタ電極とをその順に積層して、縦Y1:1mm×横X1:1mm=1mmの縦型トランジスタ素子部を形成した。
こうして、基板上に発光素子部が形成され、その発光素子部の隅部の上に縦型トランジスタ素子部が形成された、図1に示す形態と略同様の発光素子を作製した。この発光素子の縦型トランジスタ素子部の面積S1と発光素子部の面積S2との比S1/S2は1/4(=0.25)であった。
図10は、得られた発光素子において、エミッタ電極とベース電極との間に正弦波交流電圧Vbを周波数を変えて印加したときの、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流Iを含む出力電流Icを示すグラフである。周波数は、1kHz、20kHz、50kHzの3段階で測定した。図10に示すように、周波数が高くなった場合であっても、トランジスタの変位電流Iに容量成分の過渡応答電流が重畳することがなく、トランジスタの変位電流Iが隠れてしまうという問題は生じなかった。また、発光素子の発光状態は、発光素子部の全面において均一な発光が目視により確認された。なお、図10のI成分と図22のI成分とを比較しても、1/4程度の変位電流が重畳されるだけであり、その位相ずれは、図22に示すものよりも著しく小さかった。
(実施例2)
縦型トランジスタ素子部を縦Y1:1mm×横X1:0.4mm=0.4mmで形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の発光素子を作製した。この発光素子の縦型トランジスタ素子部の面積S1と発光素子部の面積S2との比S1/S2は1/10(=0.10)であった。
図11は、得られた発光素子において、エミッタ電極とベース電極との間に正弦波交流電圧Vbを周波数を変えて印加したときの、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流Iを含む出力電流Icを示すグラフである。周波数は、1kHz、20kHz、50kHzの3段階で測定した。図11に示すように、周波数が高くなった場合であっても、トランジスタの変位電流Iに容量成分の過渡応答電流が重畳することがなく、トランジスタの変位電流Iが隠れてしまうという問題は生じなかった。また、発光素子の発光状態は、発光素子部の全面において均一な発光が目視により確認された。なお、図11のI成分と図22のI成分とを比較しても、1/10程度の変位電流が重畳されるだけであり、その位相ずれは、図22に示すものよりも著しく小さく、さらに図10の場合よりもさらに小さかった。
(実施例3)
縦型トランジスタ素子部を縦Y1:1mm×横X1:0.8mm=0.8mmで形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の発光素子を作製した。この発光素子の縦型トランジスタ素子部の面積S1と発光素子部の面積S2との比S1/S2は0.8/4=1/5(=0.20)であった。
得られた発光素子においては、上記実施例1と同様の結果を確認した。すなわち、周波数が高くなった場合であっても、トランジスタの変位電流に容量成分の過渡応答電流が重畳することがなく、トランジスタの変位電流が隠れてしまうという問題は生じず、また、発光素子の発光状態は、発光素子部の全面において均一な発光が目視により確認された。
(実施例4)
縦型トランジスタ素子部を縦Y1:1mm×横X1:1.33mm=1.33mmで形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の発光素子を作製した。この発光素子の縦型トランジスタ素子部の面積S1と発光素子部の面積S2との比S1/S2は1.33/4=1/3(=0.33)であった。
得られた発光素子においては、上記実施例1と同様の結果を確認した。すなわち、周波数が高くなった場合であっても、トランジスタの変位電流に容量成分の過渡応答電流が重畳することがなく、トランジスタの変位電流が隠れてしまうという問題は生じず、また、発光素子の発光状態は、発光素子部の全面において均一な発光が目視により確認された。
(比較例1)
縦型トランジスタ素子部を発光素子部と同じ面積の縦:2mm×横:2mm=4mmで、発光素子部上に積層した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の発光素子を作製した。図21は、得られた発光素子の模式的な形態であり、図22は、エミッタ電極とベース電極との間に正弦波交流電圧Vbを周波数を変えて印加したときの、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流Iを含む出力電流Icを示すグラフである。周波数は、1kHz、20kHz、50kHzの3段階で測定した。図22に示すように、周波数が低い場合の出力電流Icは、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流Iで主に占められ、容量成分の過渡応答電流Ioの影響は小さいが、周波数が高い場合の出力電流Iは、容量成分の過渡応答電流Ioが大きくなり、変位電流Iに過渡応答電流Ioが重畳するようになって、変位電流Iが隠れてしまうという問題が生じた。
(比較例2)
等電位層を形成しない他は、実施例1と同様にして、比較例2の発光素子を作製した。得られた発光素子の発光状態は、縦型トランジスタ素子部から離れるにしたがって発光輝度が弱くなり、不均一な発光が目視により確認された。
(実施例5)
ガラスからなる基板上に、抵抗加熱蒸着法で形成した銀からなる平均厚さ30nmのエミッタ電極と、抵抗加熱蒸着法で形成したフラーレン(C60、平均厚さ100nm)からなる第1有機半導体層と、抵抗加熱蒸着法でアルミニウムを成膜した後に120℃の大気雰囲気下で酸化処理して平均粒径40nm程度の粒状金属を分布形成してなるベース電極と、抵抗加熱蒸着法で形成したn型有機半導体であるペリレン顔料(Me−PTC、平均厚さ500nm)からなる第2有機半導体層とからなる、縦Y1:1mm×横X1:1mm=1mmの縦型トランジスタ素子部を形成した。
次に、その縦型トランジスタ素子部と同じ厚さのバッファ層を、縦型トランジスタ素子部に平面視で隣接するように形成した。バッファ層は、ヘキサトリアコンタンを抵抗加熱蒸着法により形成した。次いで、その縦型トランジスタ素子部がその隅部位置になるように、縦Y2:2mm×横X2:2mm=4mmのAuからなる厚さ30nmの等電位層を抵抗加熱蒸着法で形成し、引き続き、その等電位層上に等電位層と同じ面積で、抵抗加熱蒸着法で形成したAlq3からなる厚さ30nmの有機発光層と、抵抗加熱蒸着法で形成したNPDからなる厚さ30nmの正孔輸送層と、抵抗加熱蒸着法で形成したCuPcからなる厚さ2nmの正孔注入層とをその順で設けて発光素子部を形成し、さらにその発光素子部上に、スパッタ法で形成した厚さ100nmの透明ITO電極(コレクタ電極)を形成した。
こうして、基板上に縦型トランジスタ素子部が形成され、その縦型トランジスタ素子部を覆うように発光素子部が形成された、図3に示す形態と略同様の発光素子を作製した。この発光素子の縦型トランジスタ素子部の面積S1と発光素子部の面積S2との比S1/S2は1/4(=0.25)であった。
得られた発光素子においては、上記実施例1と同様の結果を確認した。すなわち、周波数が高くなった場合であっても、トランジスタの変位電流に容量成分の過渡応答電流が重畳することがなく、トランジスタの変位電流が隠れてしまうという問題は生じず、また、発光素子の発光状態は、発光素子部の全面において均一な発光が目視により確認された。
(実施例6)
ガラスからなる基板上に、コレクタ電極として厚さ100nmの透明ITO電極を形成し、その上に、抵抗加熱蒸着法で形成したCuPcからなる厚さ2nmの正孔注入層と、抵抗加熱蒸着法で形成したNPDからなる厚さ30nmの正孔輸送層と、抵抗加熱蒸着法で形成したAlq3からなる厚さ30nmの有機発光層と、抵抗加熱蒸着法で形成したBCPからなる厚さ10nmの励起子ブロック層とをその順で積層して、縦Y2:2mm×横X2:2mm=4mmの発光素子部を形成した。この発光素子部上の全面に、Alからなる厚さ20nmの等電位層を抵抗加熱蒸着法で形成した。
次に、発光素子部の形成位置とは異なる基板上の部位に、スパッタ法で形成したITOからなる厚さ100nmの導電層を形成し、その導電層上に、抵抗加熱蒸着法で形成したn型有機半導体であるペリレン顔料(Me−PTC、平均厚さ500nm)からなる第2有機半導体層と、抵抗加熱蒸着法でアルミニウムを成膜した後に120℃の大気雰囲気下で酸化処理して平均粒径40nm程度の粒状金属を分布形成してなるベース電極と、抵抗加熱蒸着法で形成したフラーレン(C60、平均厚さ100nm)からなる第1有機半導体層と、抵抗加熱蒸着法で形成した銀からなる平均厚さ30nmのエミッタ電極とをその順に積層して、縦Y1:1mm×横X1:1mm=1mmの縦型トランジスタ素子部を形成した。
こうして、基板上の異なる部位に、発光素子部と縦型トランジスタ素子部とが形成された、図5に示す形態と略同様のコプラナー型の発光素子を作製した。この発光素子の縦型トランジスタ素子部の面積S1と発光素子部の面積S2との比S1/S2は1/4(=0.25)であった。
得られた発光素子においては、上記実施例1と同様の結果を確認した。すなわち、周波数が高くなった場合であっても、トランジスタの変位電流に容量成分の過渡応答電流が重畳することがなく、トランジスタの変位電流が隠れてしまうという問題は生じず、また、発光素子の発光状態は、発光素子部の全面において均一な発光が目視により確認された。
(評価)
実施例1〜3で得られた発光素子の電気特性について測定した。その結果を図12〜図14に示す。なお、この測定において、輝度は、輝度測定装置(トプコン社製、型番:BM−8)により測定した。
図12は、実施例1で得られた発光素子を用い、その発光素子に所定のベース電圧Vbを印加した状態において、コレクタ電圧Vcを変化させたときのコレクタ電流Icを示すグラフである。このグラフは、周波数1kHzで駆動電圧11.1Vの印加条件で測定した結果であり、ベース電圧Vbを0V、1V、1.5V、2V、2.5Vの4段階で印加したとき、図中に符号Lで表す負荷としてのOLEDの電流−電圧特性曲線と交わる交点(動作点)におけるコレクタ電圧Vcと、コレクタ電流Icと、それぞれの時の輝度(cd/cm)を測定したところ、(1)Vb=0Vにおいては、動作点でのコレクタ電圧Vcは6.6Vであり、そのときのコレクタ電流Icは0.162mAであり、有機ELの輝度は0.80cd/cmであった。一方、(2)Vb=2.5Vにおいては、動作点でのコレクタ電圧Vcは5.4Vであり、そのときのコレクタ電流Icは3.6mAであり、有機ELの輝度は110cd/cmであった。この実施例1の発光素子は、110cd/cmという高い輝度を得ることができた。
図13は、実施例2で得られた発光素子を用い、その発光素子に所定のベース電圧Vbを印加した状態において、コレクタ電圧Vcを変化させたときのコレクタ電流Icを示すグラフである。図12の場合と同様に測定したところ、(1)Vb=0Vにおいては、動作点でのコレクタ電圧Vcは7.0Vであり、そのときのコレクタ電流Icは0.080mAであり、有機ELの輝度は0.10cd/cmであった。一方、(2)Vb=2.5Vにおいては、動作点でのコレクタ電圧Vcは5.7Vであり、そのときのコレクタ電流Icは1.6mAであり、有機ELの輝度は40cd/cmであった。この実施例2の発光素子は、実施例1の発光素子よりも輝度を下げることができた。特に、Vb=0Vにおける輝度を0.1cd/cmという小さい値にすることができた。
図14は、実施例3で得られた発光素子を用い、その発光素子に所定のベース電圧Vbを印加した状態において、コレクタ電圧Vcを変化させたときのコレクタ電流Icを示すグラフである。図12の場合と同様に測定したところ、(1)Vb=0Vにおいては、動作点でのコレクタ電圧Vcは6.9Vであり、そのときのコレクタ電流Icは0.169mAであり、有機ELの輝度は0.85cd/cmであった。一方、(2)Vb=2.5Vにおいては、動作点でのコレクタ電圧Vcは5.5Vであり、そのときのコレクタ電流Icは2.83mAであり、有機ELの輝度は85cd/cmであった。この実施例3の発光素子は、実施例1の発光素子に比べ、Vb=0Vにおける輝度を同程度とし、Vb=2.5Vにおける輝度を小さい値にすることができた。
以上の結果より、例えば、発光輝度を高めたり、Vb=0V時の輝度を極めて小さくしたり、Vb=0Vでの輝度は同程度で、Vb=2.5Vにおける輝度を変化させたりすることができた。このように、縦型トランジスタ素子部の面積S1と発光素子部の面積S2との比S1/S2を任意に変化させることにより、発光素子部における発光量を容易に調整でき、発光素子部の輝度調整や階調制御を容易に実現できる。したがって、マトリックス状の発光素子部の所定の広さ領域を非アクティブマトリックス方式で駆動すれば、広告用ポスターや電飾掲示板等の静止画像の表示品質をシンプルな駆動回路設計によって向上させることができるという格別の利点がある。
(実施例7)
図15は、複数の発光画素(発光素子部)それぞれに対応した縦型トランジスタ(縦型トランジスタ素子部)が接続されてなる発光表示装置の一例を示す模式平面図であり、図16は、各縦型トランジスタに印加したベース電圧とそのときの発光輝度を示すプロファイルである。具体的には、図15に示す発光表示装置は、4つの発光画素1〜4を有し、各発光画素1〜4それぞれに対応するとともに各発光画素1〜4の1/20〜1/2の面積であってそれぞれ異なる面積の縦型トランジスタが接続されてなり、各縦型トランジスタには、発光素子部に電流を供給するための電源が接続され、さらに、各縦型トランジスタには、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線1〜4がベース電極に接続されている。ここでの発光画素と縦型トランジスタは、実施例6と同様にして作製した。
こうした発光表示装置においては、各発光画素1〜4を所望の明るさに制御するために、発光画素ごとに異なる面積の縦型トランジスタを設けた。これにより、図16に示すように、発光素子部に電流を供給するための電源から一定のベース電圧を任意の信号線に順次又は同時に印加し、各発光画素1〜4の発光をオン/オフすることにより、オンした各縦型トランジスタの面積比に対応した輝度で各発光画素1〜4を発光させることができた。
(実施例8)
図17は、一つの発光画素(発光素子部)に複数の縦型トランジスタ(縦型トランジスタ素子部)が接続されてなる発光表示装置の一例を示す模式平面図であり、図18は、各縦型トランジスタに印加したベース電圧とそのときの発光輝度を示すプロファイルである。具体的には、図17に示す発光表示装置は、一つの発光画素に、その発光画素の1/20〜1/2の面積から選択された一定面積の縦型トランジスタ素子部が4つ並列に接続されてなり、各縦型トランジスタには、発光素子部に電流を供給するための電源が接続され、さらに、各縦型トランジスタには、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線1〜4がベース電極に接続されている。ここでの発光画素と縦型トランジスタは、実施例6と同様にして作製した。
こうした発光表示装置においては、発光画素を所望の明るさに制御するために、発光画素に面積の同じ4つの縦型トランジスタを並列に設けた。これにより、図18に示すように、発光素子部に電流を供給するための電源から一定のベース電圧を任意の信号線に順次又は同時に印加し、発光画素の発光をオン/オフすることにより、オンした各縦型トランジスタの総面積に対応した輝度で発光画素を階調表示することができた。すなわち、この発光表示装置は、駆動回路側の出力制御をすることなく、発光画像の階調表示を可能とした。
(実施例9)
図19は、一つの発光画素(発光素子部)に複数の縦型トランジスタ(縦型トランジスタ素子部)が接続されてなる発光表示装置の他の一例を示す模式平面図であり、図20は、各縦型トランジスタに印加したベース電圧とそのときの発光輝度を示すプロファイルである。具体的には、図19に示す発光表示装置は、一つの発光画素に、その発光画素の1/20〜1/2の面積であってそれぞれ異なる面積の縦型トランジスタ素子部が4つ並列に接続されてなり、各縦型トランジスタには、発光素子部に電流を供給するための電源が接続され、さらに、各縦型トランジスタには、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線1〜4がベース電極に接続されている。ここでの発光画素と縦型トランジスタは、実施例6と同様にして作製した。
こうした発光表示装置においては、発光画素を所望の明るさに制御するために、発光画素に面積の異なる4つの縦型トランジスタを並列に設けた。これにより、図20に示すように、発光素子部に電流を供給するための電源から一定のベース電圧を任意の信号線に順次又は同時に印加し、発光画素の発光をオン/オフすることにより、オンした各縦型トランジスタの面積又は総面積に対応した輝度で発光画素を階調表示することができた。すなわち、この発光表示装置は、駆動回路側の出力制御をすることなく、発光画像の階調表示を可能とした。
本発明の第1実施形態に係る発光素子を示す模式的な断面図である。 図1に示す発光素子の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る発光素子を示す模式的な断面図である。 図3に示す発光素子の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る発光素子を示す模式的な断面図である。 図5に示す発光素子の平面図である。 本発明の発光素子を内蔵した典型的な発光表示装置の一例を示す概略図である。 発光表示装置内の画素(単位素子)として設けられた本発明の発光素子の一例を示す回路概略図である。 発光表示装置内の画素(単位素子)として設けられた本発明の発光素子を有する発光素子の他の一例を示す回路概略図である。 実施例1の発光素子において、エミッタ電極とベース電極との間に正弦波交流電圧(ベース電圧Vb)を周波数を変えて印加したときの、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流Iを含む出力電流Icを示すグラフである。 実施例2の発光素子において、エミッタ電極とベース電極との間に正弦波交流電圧(ベース電圧Vb)を周波数を変えて印加したときの、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流Iを含む出力電流Icを示すグラフである。 実施例1の発光素子に所定のベース電圧Vbを印加した状態において、コレクタ電圧Vcを変化させたときのコレクタ電流Icを示すグラフである。 実施例2の発光素子に所定のベース電圧Vbを印加した状態において、コレクタ電圧Vcを変化させたときのコレクタ電流Icを示すグラフである。 実施例3の発光素子に所定のベース電圧Vbを印加した状態において、コレクタ電圧Vcを変化させたときのコレクタ電流Icを示すグラフである。 複数の発光素子部それぞれに対応した縦型トランジスタ素子部が接続されてなる発光表示装置の一例を示す模式平面図である。 各縦型トランジスタに印加したベース電圧とそのときの発光輝度を示すプロファイルである。 一つの発光素子部に複数の縦型トランジスタ素子部が接続されてなる発光表示装置の一例を示す模式平面図である。 各縦型トランジスタに印加したベース電圧とそのときの発光輝度を示すプロファイルである。 一つの発光素子部に複数の縦型トランジスタ素子部が接続されてなる発光表示装置の他の一例を示す模式平面図である。 各縦型トランジスタに印加したベース電圧とそのときの発光輝度を示すプロファイルである。 有機トランジスタ素子と有機EL素子とを同じ面積で積層した発光素子を示す断面構成図である。 図21に示す構成において、エミッタ電極とベース電極との間に正弦波交流電圧を周波数を変えて印加したときの、エミッタ電極とコレクタ電極との間に流れる変位電流を含む出力電流を示す模式的なグラフである。
符号の説明
1,1A,1B,1C 発光素子
2 基板
10 発光素子部
11 電子注入層
13 有機発光層
14 等電位層
15 正孔輸送層
16 電子輸送層
17 導電層
20 縦型トランジスタ素子部
21 エミッタ電極
22 コレクタ電極
23 ベース電極
24,24A,24B 有機半導体層
30 バッファ層
31 配線
41 画像信号供給源
42 電圧制御回路
43 電流供給線
50,51 画素
53 第一スイッチングトランジスタ
54 第二スイッチングトランジスタ
55 電圧保持用コンデンサ
56 グランド配線
57 第一スイッチング配線
58 第二スイッチング配線
59 定電圧印加線
21a 第一スイッチングトランジスタのエミッタ電極
21b 第二スイッチングトランジスタのエミッタ電極
22a 第一スイッチングトランジスタのコレクタ電極
22b 第二スイッチングトランジスタのコレクタ電極
23a 第一スイッチングトランジスタのベース電極
23b 第二スイッチングトランジスタのベース電極
Ib ベース電流
Ic 出力電流(コレクタ電流)
Io 過渡応答電流
Vb 正弦波交流電圧(ベース電圧)
Vc コレクタ電圧
S1 縦型トランジスタ素子部の面積
S2 発光素子部の面積

Claims (11)

  1. エミッタ電極、コレクタ電極、該両電極間に設けられた有機半導体層、及び該有機半導体層内に設けられたベース電極を少なくとも備えた縦型トランジスタ素子部と、
    前記縦型トランジスタ素子部を構成する有機半導体層とコレクタ電極との間に有機発光層が設けられている発光素子部と、を有する発光素子であって、
    前記縦型トランジスタ素子部は、前記発光素子部よりも平面視での面積が小さく、
    前記発光素子部は、前記縦型トランジスタ素子部に接触する側の面に等電位層を有していることを特徴とする発光素子。
  2. 前記縦型トランジスタ素子部が前記発光素子部上に積層している、請求項1に記載の発光素子。
  3. 基板と、当該基板上に設けられた導電層と、当該導電層上に設けられて、少なくとも有機半導体層、ベース電極、有機半導体層、エミッタ電極をこの順で積層して形成された縦型トランジスタ素子部と、
    前記縦型トランジスタ素子部とは異なる部位の基板上に設けられたコレクタ電極と、当該コレクタ電極上に設けられた発光素子部と、当該発光素子部の上に設けられた等電位層とを有する発光素子であって、
    前記縦型トランジスタ素子部は、前記発光素子部よりも平面視での面積が小さく、
    前記等電位層と前記導電層とが配線によって接続されていることを特徴とする発光素子。
  4. 前記縦型トランジスタ素子部の面積S1と前記発光素子部の面積S2との比(S1/S2)が、1/20以上1/2以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 前記発光素子部が正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層から選ばれる1又は2以上の層を有し、前記有機発光層が有機EL層である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光素子をマトリクス状に配置した発光表示装置であって、
    前記発光素子を構成するマトリックス状の発光素子部に対して、前記発光素子が備えるエミッタ電極とコレクタ電極との間に電圧を印加する第1電圧供給手段と、前記発光素子が備えるエミッタ電極とベース電極との間に電圧を印加する第2電圧供給手段と、を有することを特徴とする発光表示装置。
  7. 前記第1電圧印加手段は一定電圧を印加し、前記第2電圧印加手段は可変電圧を印加して、前記マトリックス状の個々の発光素子部をアクティブマトリックス方式で駆動する、請求項6に記載の発光表示装置。
  8. 前記第1電圧印加手段は一定電圧を印加し、前記第2電圧印加手段も一定電圧を印加して、前記マトリックス状の発光素子部の所定の広さの領域を非アクティブマトリックス方式で駆動する、請求項6に記載の発光表示装置。
  9. 前記発光素子部を複数有し、各発光素子部それぞれに対応するとともに各発光素子部の1/20〜1/2の面積の縦型トランジスタ素子部が接続されてなり、各縦型トランジスタは前記第1電圧供給手段と、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線がベース電極に接続されている前記第2電圧供給手段とを備える、請求項6に記載の発光表示装置。
  10. 一つの発光素子部に、該発光素子部の1/20〜1/2の面積から選択された一定面積の縦型トランジスタ素子部が複数並列に接続されてなり、各縦型トランジスタは前記第1電圧供給手段と、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線がベース電極に接続されている前記第2電圧供給手段とを備える、請求項6に記載の発光表示装置。
  11. 一つの発光素子部に、該発光画素の1/20〜1/2の面積であってそれぞれ異なる面積の縦型トランジスタ素子部が複数並列に接続されてなり、各縦型トランジスタは前記第1電圧供給手段と、各縦型トランジスタのうち少なくとも一つの縦型トランジスタを選択する選択信号線がベース電極に接続されている前記第2電圧供給手段とを備える、請求項6に記載の発光表示装置。
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