JP4898510B2 - 半導体電力変換装置の故障検出装置 - Google Patents

半導体電力変換装置の故障検出装置 Download PDF

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本発明は、冗長化したゲート電源系統を有し、ゲート電源系統の健全性確認が可能な半導体電力変換装置の故障検出装置に関する。
特許文献1には、電力変換器のゲートパルス異常検出回路として、電力変換器の各アームを構成するスイッチング素子への供給状態の異常を検出するものであり、冗長化したゲート電源系統の故障を検出する点については記載がない。
ゲート駆動回路を構成するゲート基板のゲート電源系統の電源喪失は素子の破損につながる可能性があるため、高信頼化を図るためにゲート電源系統(電源回路)を冗長化する場合がある。ゲート電源系統を複数として冗長化することで、ゲート電源系統が故障しても、電力変換装置を運転継続することができる。
しかし、ゲート駆動回路を構成するゲート基板は高圧回路に設置されており、故障信号を送信するためには光等で絶縁する必要がある。また、ゲート基板上に故障信号を送信する回路を設置できない場合、発光回路を基板上に設けて、故障を目視で確認していた。
特開平5−276735号公報
ゲート基板上の発光回路を目視で確認するため、半導体素子の数が多くなると作業量が多くなり、故障を検出していても見落とす危険性がある。
そこで、本発明はゲート電源系統を冗長化した半導体電力変換装置の信頼性を向上させることができる故障検出装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、主回路の複数のアーム毎に接続される半導体素子からなり、各半導体素子のゲートに各々接続されるゲート駆動回路に有するゲート生成回路により生成されるゲート信号を与えることで、交流電力−直流電力、直流電力−交流電力に変換するものであって、前記各ゲート駆動回路には各々冗長化するために複数のゲート電源系統を備えた半導体電力変換装置において、
前記ゲート生成回路からのゲート信号を検出して前記ゲート信号のオンオフ状態に応じた信号を出力するゲート信号検出回路と、
前記ゲート電源系統毎に設け、前記ゲート電源系統が正常の場合は、前記ゲート信号のオフ状態に応じた信号を出力し、かつ前記ゲート電源系統が異常の場合は、前記ゲート信号のオン状態に応じた信号を出力する電源故障検出回路と、
前記ゲート信号検出回路の出力及び前記各電源故障検出回路の出力をまとめて前記ゲート駆動回路にフィードバック信号として出力する出力回路と、
前記出力回路からのフィードバック信号を入力し、前記ゲート駆動回路のフィードバック信号がアーム短絡状態を継続している場合、前記ゲート電源系統の故障と判断する故障判断回路とを具備した半導体電力変換装置の故障検出装置である。
本発明によれば、ゲート電源系統を冗長化した半導体電力変換装置の信頼性を向上させることができる故障検出装置を提供できる。
(第1の実施形態)
図1乃至図4は本発明の半導体電力変換装置の故障検出装置に係る第1の実施形態を説明するためのものであって、図1は三相の半導体電力変換装置の主回路を説明するための図であり、図2は図1の一部であって本発明の重要な構成を説明するための概略構成図である。図3は図2の故障検出装置を説明するための概略構成図であり、図4は図3の作用効果を説明するためのタイムチャートである。
半導体電力変換装置17の主回路は、複数のアーム毎に接続され、半導体素子本体と逆並列に接続されたダイオードからなる半導体素子12a、12b、12c、12d、12e、12fをブリッジ接続してなり、各半導体素子のゲートに各々ゲート駆動回路を接続している。各ゲート駆動回路は具体的には基板に搭載されたゲート基板1a、1b、1c、1d、1e、1fとなっている。
ゲート基板1a、1b、1c、1d、1e、1fは、いずれも同一構成であるので、図2によりゲート基板1aについて説明する。ゲート基板1aには、ゲート制御信号10aを取り込む受信回路2aと、例えば図示しない無停電電源装置によりゲート基板電源を構成する電源からの電圧111a、112aのレベルを調整する例えばゲート電源回路31a、32aと、ゲート電源回路31a、32aの出力側にそれぞれダイオード181a、182aを介して接続すると共に、受信回路2aの出力側も接続し、半導体素子12aのゲートに与えるゲート信号13aを生成するゲート生成回路4aを備えている。
このような構成において、ゲート基板1aのゲート生成回路4aにより生成されるゲート信号13aを半導体素子12aのゲートに与えることで、交流電力−直流電力、直流電力−交流電力に変換するものである。
このゲート基板1aには冗長化するためにゲート電源系統例えばゲート電源回路31a、32aを備えた半導体電力変換装置において、次のような故障検出装置を備えている。ゲート生成回路4aからのゲート信号13aを検出してゲート信号13aのオンオフ状態に応じた検出信号7aを出力するゲート信号検出回路5aと、ゲート電源回路31a、32a毎に設け、ゲート電源回路31a、32aが正常の場合は、ゲート信号13aのオフ状態に応じた信号を出力し、かつゲート電源回路31a、32aが異常の場合は、ゲート信号13aのオン状態に応じた信号を出力する電源故障検出回路61a、62aと、ゲート信号検出回路5aの出力(検出信号7a)及び電源故障検出回路61a、62aの出力をまとめてゲート基板1aからフィードバック信号9aとして出力する出力回路の1例である論理積回路8aとを備え、これらはいずれもゲート基板1aに搭載している。
フィードバック信号9aは、次のようなとき論理信号「1」、「0」を出力する。すなわち、ゲート電源回路31a、32aが正常の場合、フィードバック信号9aはゲート信号13aに連動してオン、オフを繰り返す。また、ゲート電源回路31aが故障した場合、電源故障検出回路61aが故障を検出して論理信号「0」を出力して、フィードバック信号9aを「0」に固定する。
以上述べた構成は、半導体素子12aのゲート基板1aであるが、半導体素子12aとスイッチングペアである半導体素子12dのゲート基板1dも、ゲート基板1aと同一構成となっており、図3に示すようにゲート基板1dからもフィードバック信号9dを出力するようになっている。
故障検出回路14adには、ゲート基板1aからのフィードバック信号9aと、ゲート基板1dからのフィードバック信号9dを取り込み、ここで故障検出を行う。図3、図4に示すように、ゲート基板1a、1dは、正常運転時、同時オンして直流短絡にならないように制御されている。そのため、ゲート基板1a、1dのフィードバック信号9a、9dは同時にオン状態にならない。ゲート基板1aのゲート電源回路31a、32aが異常になったとすると、フィードバック信号9aはオン状態となる。故障検出回路14adはフィードバック信号9dがオン状態のときにフィードバック信号9aとの論理和をとり、この結果は「0」ならば異常と判断する。
図1の他のゲート基板1bと1e、1cと1fも、前述のゲート基板1aと1dと同様に構成され、各ゲート基板はフィードバック信号9bと9e、9cと9fを出力するように構成され、フィードバック信号9bと9e、9cと9fは、故障検出回路14be、14cfに入力して故障を検出するように構成されている。
半導体電力変換装置17内の同時オンした場合に直流短絡になる組合せのゲート基板1aと1d、1bと1e、1cと1fのフィードバック信号9aと9d、9bと9e、9cと9fを故障検出回路14ad、14be、14cfに入力して故障を検出する。
ここで、図3、図4に示すように、ゲート基板1a、1dは、正常運転時、同時オンして直流短絡にならないように制御されている。そのため、ゲート基板1a、1dのフィードバック信号9a、9dは同時にオン状態にならない。ゲート基板1aのゲート電源回路31a、32aが異常になったとすると、フィードバック信号9aはオン状態となる。故障検出回路14adはフィードバック信号9dがオン状態のときにフィードバック信号9aとの論理和をとり、この結果は「0」ならば異常と判断する。
ゲート信号の異常でゲート基板1aと1dが同時オンとなった場合には、主回路の電圧又は電流が異常になるため、その異常を検出することで、ゲート基板1a、1dの電源故障と区別することができる。
また、ケート電源回路31a、32aが正常の場合は、ゲート基板のフィードバック信号をゲート信号の記録に使用することができる。
(第2の実施形態)
図5は本発明の故障検出装置に係る第2の実施形態を説明するための概略構成図である。この実施形態は、半導体電力変換装置17内の全てのゲート駆動回路、具体的にはゲート基板1a、1b、1c、1d、1e、1fからのフィードバック信号9a、9b、9c、9d、9e、9fが一つの故障検出回路14に入力されるようになっている点のみが
第1の実施形態とは異なる点である。
このような構成において、ゲート基板が一つのみオン状態を継続していた場合、ゲート電源系統例えはゲート電源回路31a、32aの故障と判断できるように構成したものである。
以下本実施形態の作用効果について説明する。例えば図1に示すゲート電源回路31a、32aが正常の場合、フィードバック信号9はゲート信号13に連動してオン、オフを繰り返す。ゲート電源回路31aが故障した場合、電源故障検出回路61aが故障を検出して「0」を出力して、フィードバック信号16を「0」に固定する。
停止状態で、半導体電力変換装置17内のゲート基板1a、1b、1c、1d、1e、1fのフィードバック信号16を故障検出回路14に入力して、1枚のゲート基板のフィードバック信号のみオン状態を継続していた場合、その基板のゲート電源回路の異常と判断して故障を検出できる。
この実施形態も前述の第1の実施形態と同様に、ゲート電源回路が正常の場合は、ゲート基板のフィードバック信号をゲート信号の記録に使用することができる。
(第3の実施形態)
図6乃至図8は本発明の故障検出装置に係る第3の実施形態を説明するための図である。半導体電力変換装置17の主回路は、3レベルコンバータ回路又は3レベルインバータ回路である。そして、主回路内のスイッチングのペアに対応するゲート駆動回路例えばゲート基板1aと1c、1bと1d、1eと1g、1fと1h、1iと1k、1jと1lからのフィードバック信号9aと9c、9bと9d、9eと9g、9fと9h、9iと9k、9jと9lを、図6に示す故障検出回路14ac、14bd、14eg、14fh、14ik、14jlに入力するように構成する。そして、故障検出回路14ac、14bd、14eg、14fh、14ik、14jlの出力を論理積回路15に入力して、スイッチングのペアとなる各ゲート基板のフィードバック信号が同時にオン状態を継続していた場合、ゲート電源系統例えはゲート電源回路31a、32aの故障と判断し、するように構成したものである。
具体的には、半導体電力変換装置17内の同時オンした場合に直流短絡になる組合せのゲート基板1aと1c、1bと1d、1eと1g、1fと1h、1iと1k、1jと1lのフィードバック信号16を、論理積回路15を介して故障検出回路14ac、14bd、14eg、14fh、14ik、14jlにそれぞれ入力して、各故障検出回路において故障を検出するように構成したものである。
このような構成の作用効果は、次のようになる。すなわち、図1に示すゲート電源回路31a、32aが正常の場合、フィードバック信号16はゲート信号13aに連動してオン、オフを繰り返す。ゲート電源回路31aが故障した場合、電源故障検出回路61aが故障を検出して「0」を出力して、フィードバック信号16を「0」に固定する。
半導体電力変換装置17内の同時オンした場合に直流短絡になる組合せのゲート基板1aと1c、1bと1d、1eと1g、1fと1h、1iと1k、1jと1lのフィードバック信号を故障検出回路14ac、14bd、14eg、14fh、14ik、14jlにそれぞれ入力して故障を検出できる。
以上述べた故障検出方法について、図7及び図8を参照して説明する。ゲート基板1aと1c、1bと1dの組合せで、同時オンして直流短絡にならないように制御されている。そのため、ゲート基板1aと1c、1bと1dのフィードバック信号9aと9c、9bと9dは同時にオン状態にならない。ゲート基板1aのゲート電源回路31a、32aが異常になったとすると、フィードバック信号9aはオン状態となる。故障検出器14aはフィードバック信号9cがオン状態のときにフィードバック信号9aとの論理和をとり、「0」ならば異常と判断する。
ゲート信号の異常でゲート基板1aと1cが同時オンとなった場合には、主回路の電圧又は電流が異常になるため、その異常を検出することで、ゲート基板のゲート電源回路31a、32aと区別することができる。
また、この場合も前述の実施形態と同様にゲート電源回路31a、32aが正常の場合は、ゲート基板のフィードバック信号をゲート信号の記録に使用することができる。
(第4の実施形態)
図9は本発明の故障検出装置に係る第4の実施形態を説明するための概略構成図である。この実施形態は、半導体電力変換装置17の主回路は、3レベルコンバータ回路又は3レベルインバータ回路であり、主回路内のスイッチングのペアに対応するゲート駆動回路、例えばゲート基板の出力回路からのフィードバック信号を故障検出回路に入力し、スイッチングのペアとなるゲート基板のフィードバック信号が同時にオン状態を継続していた場合、ゲート電源系統例えばゲート電源回路31a、32aの故障と判断するようにしたものである。
具体的には、半導体電力変換装置17内の各相のゲート基板1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k、1l毎に故障検出回路14abcd、14efgh、14ijklにそれぞれ入力し、論理積回路15から故障検出信号15を出力するように構成したものである。これ以外の構成は、第1の実施形態と同一である。
図1に示すゲート電源回路31a、32aが正常の場合、フィードバック信号9はゲート信号13に連動してオン、オフを繰り返す。ゲート電源回路31aが故障した場合、電源故障検出回路61aが故障を検出して「0」を出力して、フィードバック信号9を「0」に固定する。
停止状態で、半導体電力変換装置17内の各相のゲート基板毎に故障検出回路14abcd、14efgh、14ijklにそれぞれ入力して、各相のゲート基板のうち1枚のゲート基板のフィードバック信号のみオン状態を継続していた場合、その基板の電源回路の異常と判断して故障を検出する。
また、この実施形態も前述の実施形態と同様に、ゲート電源回路31a、32a電源回路が正常の場合は、ゲート基板のフィードバック信号をゲート信号の記録に使用することができる。
(変形例)
前述の実施形態では、半導体電力変換装置の主回路として三相回路例えば図2に示すように半導体素子1a、1b、1c、1d、1e、1fからなるものを例に挙げて説明したが、これを例えば図2の半導体素子1a、1b、1c、1dからなる単相回路であっても同様に実施できる。
本発明の故障検出装置の第1の実施形態を説明するための概略図。 図1の実施形態を使用した3相インバータの主回路図。 図1の実施形態の作用効果を説明するための概略図。 図1の実施形態の作用効果を説明するためのタイムチャート。 本発明の故障検出装置の第2の実施形態を説明するための概略図。 本発明の故障検出装置の第3の実施形態を説明するための概略図。 図6の実施形態の作用効果を説明するための概略図。 図6の実施形態の作用効果を説明するためのタイムチャート。 本発明の故障検出装置の第4の実施形態を説明するための概略図。
符号の説明
1a〜1l…ゲート基板、2a…受信回路、4a…ゲート生成回路、5a…ゲート信号検出回路、8a…論理積回路、12a〜12l…半導体素子、14、14ad、14be、14cf、14abcd、14efgh、14ijkl…故障検出回路、15…論理積回路、 17…半導体電力変換装置、31a、32a…ゲート電源回路、61a、62a…電源故障検出回路、111a、112a…電圧、181a.182a…ダイオード。

Claims (4)

  1. 主回路の複数のアーム毎に接続される半導体素子からなり、各半導体素子のゲートに各々接続されるゲート駆動回路に有するゲート生成回路により生成されるゲート信号を与えることで、交流電力−直流電力、直流電力−交流電力に変換するものであって、前記各ゲート駆動回路には各々冗長化するために複数のゲート電源系統を備えた半導体電力変換装置において、
    前記ゲート生成回路からのゲート信号を検出して前記ゲート信号のオンオフ状態に応じた信号を出力するゲート信号検出回路と、
    前記ゲート電源系統毎に設け、前記ゲート電源系統が正常の場合は、前記ゲート信号のオフ状態に応じた信号を出力し、かつ前記ゲート電源系統が異常の場合は、前記ゲート信号のオン状態に応じた信号を出力する電源故障検出回路と、
    前記ゲート信号検出回路の出力及び前記各電源故障検出回路の出力をまとめて前記ゲート駆動回路にフィードバック信号として出力する出力回路と、
    前記出力回路からのフィードバック信号を入力し、前記ゲート駆動回路のフィードバック信号がアーム短絡状態を継続している場合、直流短絡となるゲート異常として前記ゲート電源系統の故障と判断する故障判断回路と、
    を具備したことを特徴とする半導体電力変換装置の故障検出装置。
  2. 前記半導体電力変換装置内の全ての前記ゲート駆動回路の前記出力回路からのフィードバック信号を前記故障が一つのみオン状態を継続していた場合、停止状態に係わらずオンしているゲート信号の異常として、前記ゲート電源系統の故障と判断することを特徴とする請求項1記載の半導体電力変換装置の故障検出装置。
  3. 前記半導体電力変換装置の主回路は、3レベルコンバータ回路又は3レベルインバータ回路であり、前記主回路内のスイッチングのペアに対応する前記ゲート駆動回路の前記出力回路からの前記フィードバック信号を前記故障検出回路に入力し、スイッチングのペアとなる前記ゲート駆動回路のフィードバック信号が同時にオン状態を継続していた場合、直流短絡となるゲート信号の異常として、前記ゲート電源系統の故障と判断することを特徴とする請求項1記載の半導体電力変換装置の故障検出装置。
  4. 前記半導体電力変換装置の主回路は、3レベルコンバータ回路又は3レベルインバータ回路であり、前記主回路アーム毎に全ての前記ゲート駆動回路の前記出力回路からのフィードバック信号を監視し、前記フィードバック信号のうちの1つのみがオン状態を継続していた場合、停止状態に係わらずオンしているゲート信号の異常として、前記ゲート電源系統の故障と判断することを特徴とする請求項1記載の半導体電力変換装置の故障検出装置。
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