JP4896624B2 - 複合成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2種類以上の熱可塑性樹脂組成物より形成される複合成形品であって、複合成形品の意匠面の一部を形成する熱可塑性樹脂組成物の線膨張係数が小さく、その他の熱可塑性樹脂組成物が、透明熱可塑性樹脂組成物から形成される複合成形品及びその製造方法に関する。
異材質樹脂による複合成形品を成形する金型装置に関するものは、種々検討されており、また成形方法としても、射出成形、射出圧縮成形等の検討がなされている。例えば、1次金型部により1次成形品を成形し、前記1次成形部を保持した可動型を2次金型部の可動型と入れ替えることにより、前記1次成形部をインサートした2次金型部により2次成形部を2次成形し、1次成形と2次成形は同時に進行するというものである。(特許文献1参照)
一方、透明熱可塑性樹脂組成物からなる成形体をゴム質接着剤により該樹脂よりも線膨張係数の小さい部材、例えば金属など、に結合する検討もなされており、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂からなる成形体を、芳香族ポリカーボネート樹脂及び芳香族ポリエステル樹脂からなる組成物を介してゴム質接着剤により金属などに結合する方法が提案されている。(特許文献2参照)
さらに、従来から透明熱可塑性樹脂からなる大型成形品が検討されており、芳香族ポリカーボネート樹脂による検討がなされている。しかしながら、大型成形品では雰囲気温度差による寸法安定性が特に問題となる。この問題の解決策として、まず透明熱可塑性樹脂に充填材などを添加する方法があげられるが、実際には特に透明性が低下してしまうことから、実用性は低い。そこで、前述した複合成形品にて透明熱可塑性樹脂の周辺部に線膨張の低い熱可塑性樹脂を複合化することにより大型成形品の寸法安定性を満足する試みがされている。(特許文献2参照)
一方で、透明部位と不透明部位をかね揃えた大型の複合成形品を、例えば自動車バックパネルに適用することにより、様々な機能を統合することが検討されている。この場合、大型成形品の寸法安定性を満足する為に使用される線膨張を低く設定した熱可塑性樹脂が、複合成形品の意匠面の一部を形成することになる為、高い寸法安定性のほかに、高度の外観要求を満足する必要がある。しかし、上記の従来の線膨張を低く設定する材料設計方法では、外観及び必要とされる諸物性をバランスよく発現するのは困難であった。
特開2002−225078号公報 特開2004−359220号公報
本発明の目的は、高い寸安定性と優れた外観を持つ複合成形品を提供することである。本発明者はかかる目的を達成すべく、鋭意検討した結果2種類以上の熱可塑性樹脂組成物より形成される複合成形品であって、少なくとも複合成形品の意匠面の一部を形成する熱可塑性樹脂組成物が、線膨張係数が5×10−5/℃未満、かつ平滑面特性、即ち2000番以上の研磨材を用いて表面を仕上げた金型を用いて板状成形品を成形したときの成形品の表面粗さ、が2.0μm未満である熱可塑性樹脂組成物であり、複合される他方の熱可塑性樹脂組成物が、光線透過率20%以上である透明熱可塑性樹脂組成物から形成される複合成形品が高い寸安定性と優れた外観を持つことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)第1型部及び可動型部からなる第1型に熱可塑性樹脂組成物(B)を注入して1次成形品を成形し、前記1次成形品を保持した該可動型部を第2型部に型合わせて第2型を形成し、前記1次成形品をインサートした第2型に更に熱可塑性樹脂組成物(A)を注入して2次成形品を成形する方法を用いて成形する複合成形品の製造方法であって、複合成形品の意匠面の一部を形成する熱可塑性樹脂組成物(A)が、線膨張係数が5×10−5/℃未満、かつ平滑面特性が2.0μm未満である熱可塑性樹脂組成物であり、熱可塑性樹脂組成物(B)が、3mm厚みにおける光線透過率20%以上である熱可塑性樹脂組成物から形成される複合成形品の製造方法であり、好ましくは、熱可塑性樹脂組成物(B)を用いる成形がキャビティの容積を縮小させる圧縮成形である複合成形品の製造方法。
本発明の好適な態様としては(2)熱可塑性樹脂組成物(A)が、熱可塑性樹脂100重量部に対して、数平均繊維長が10μm以下、数平均繊維径が1.5μm以下、かつ数平均繊維長と数平均繊維径から算出したアスペクト比が4.5以上であるワラストナイト粒子(A−3成分)を10〜100重量部含有する熱可塑性樹脂である上記態様(1)の複合成形品の製造方法が挙げられる。
なお、上記繊維長および繊維径の測定方法は次のとおりである。繊維長の測定は、原料であるワラストナイト粒子を光学顕微鏡で観察し、個々のワラストナイトの長さを求め、その測定値から数平均繊維長を算出する。なお、ワラストナイト粒子はその結晶構造に由来する特性から微粉砕した場合においてもほとんどの粒子がある程度繊維状の形態を有している。
光学顕微鏡の観察は、まずワラストナイト粒子同士があまり重なり合わないように分散されたサンプルを用意して行う。かかる観察は対物レンズ20倍の条件で行い、その観察像を画素数が約25万であるCCDカメラに画像データとして取り込む。得られた画像データを、画像解析装置を使用して、画像データの2点間の最大距離を求めるプログラムを使用して、繊維長を算出する。かかる条件の下では1画素当りの大きさが1.25μmの長さに相当する。従って、測定される最小の繊維長は1.25μmであり、数平均繊維長を算出する繊維の最小繊維長は1.25μmである。測定本数は5000本である。
一方繊維径の測定は組成物の原料となるワラストナイト粒子を電子顕微鏡で観察し、個々のワラストナイト粒子の繊維径を求め、その測定値から数平均繊維径を算出する。電子顕微鏡を使用するのは、対象とするレベルの大きさを正確に測定することが光学顕微鏡では困難なためである。
繊維径は、電子顕微鏡の観察で得られる画像に対して、繊維径を測定する対象のワラストナイトをランダムに抽出し、中央部に近いところで繊維径を測定する。なお、断面が円でない場合はその最大値を繊維径とする。得られた測定値から数平均繊維径を算出する。近年の電子顕微鏡はその観察画面上の長さを算出する機能が備えられているため、かかる繊維径も比較的容易に算出可能である。観察の倍率は約1,000倍とし、測定本数は1,000本である。
ワラストナイト粒子のアスペクト比については上記方法で算出した数平均繊維長を、数平均繊維径で除することにより算出する。
C成分のワラストナイトを上記の粒子形状特性の条件を満足すべく粉砕するための粉砕機としては、各種のものが使用でき、例えば、高速回転ミル、ボールミル、媒体攪拌ミル、およびジェットミルなどを挙げることができる。中でもジェットミルが好ましい。さらにかかるジェットミルの方式としては、気流吸い込み式、ノズル中吸い込み式、衝突体衝突式、対向ジェット衝突式、および複合型などを挙げることができ、中でも対向ジェット衝突式の粉砕機が好ましい。
さらに粉砕されたワラストナイト粒子を分級することにより、繊維長の長い成分を取り除き、目的のワラストナイト粒子を得ることが好ましい。かかる分級の方法には、網型の篩を通す方法の他、インパクタ型慣性力分級機(バリアブルインパクターなど)、コアンダ効果利用型慣性力分級機(エルボージェットなど)、スパイラル気流型の遠心場分級機(多段サイクロンなど)、ヘリカル気流型の遠心場分級機のうち自由渦型で案内羽根付きのもの(ミクロプレックス、ディスパージョンセパレーターなど)、ヘリカル気流型の遠心場分級機のうち強制渦型で分級室回転型のもの(アキュカット、ターボクラシファイアなど)、およびヘリカル気流型の遠心場分級機のうち強制渦型で回転羽根型のもの(ミクロンセパレーター、スーパーセパレーターなど)などを挙げることができ、またこれらの複合型などの使用も好ましいものである(なお、かっこ内の名称は商品名または俗称である)。これらのうちより微細な粒子の分級を可能にするものとして、遠心場分級機が好ましい。
ワラストナイト粒子は珪酸カルシウムが主成分である針状結晶をもつ天然白色鉱物から、これを粉砕・分級することにより得ることができる。かかる結晶構造により鉱物の粉砕物も繊維状の形態を有する。本発明においては合成したワラストナイトも勿論使用することができる。これらのワラストナイトは実質的に化学式CaO・SiOで表され、SiO約50重量%、CaO約47重量%、その他不純物としてFe、Al、CaCOなどを含有しており、その比重は約2.9であることが知られている。
本発明は上記の特定形状を有するワラストナイト粒子を使用することにより、特に塗装外観不良の原因となる凸状異物の発生を低減した良好な表面外観を備え、大型部材を提供した場合にも、熱膨張が小さい寸法安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を提供可能である。
上記の数平均繊維長は2〜10μmが好ましく、2〜9μmがより好ましく、2〜8μmがさらに好ましい。
上記の数平均繊維径は、0.2〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.3μmがより好ましく、0.5〜1.2μmがさらに好ましい。数平均繊維長は3μm以上であると剛性や強度の点で有利である。
さらに上記ワラストナイト粒子形状特性を持ちつつアスペクト比が4.5以上であり、好ましくは4.5以上50未満、さらに好ましくは5以上30未満である。アスペクト比は高いほど好ましいが、天然鉱物の粉砕により得たワラストナイトでは、50以上のアスペクト比を持つものは、現状では技術的に達成困難である。
また、ワラストナイト粒子には通常の表面処理剤、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤などで表面処理を施したものを使用しても差し支えない。かかるシラン系カップリング剤としてはエポキシシランカップリング剤を好ましく挙げることができる。またポリアルコキシシロキサンとエポキシシランカップリング剤との混合物および/またはポリアルコキシシロキサンとエポキシシランカップリング剤との反応物も好ましく使用することができる。これらシランカップリング剤で表面処理されたワラストナイト粒子の使用が可能である。
熱可塑性樹脂組成物(A)に含有するワラストナイト粒子(A−3成分)の組成割合は熱可塑性樹脂100重量部に対して、A−3成分が10〜100重量部、好ましくは13〜60重量部、より好ましくは15〜55重量部、さらに好ましくは15〜45重量部である。C成分のワラストナイト粒子の割合が10重量部未満では線膨張係数が大きくなり十分な寸法安定性が達成不可能であり、100重量部を超えると衝撃強度、外観などが低下するようになり好ましくない。
本発明の好適な形態のひとつとして、(3)熱可塑性樹脂組成物(B)に含有される熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂、好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂を95重量%以上含む熱可塑性樹脂である上記態様(1)または(2)の複合成形品の製造方法が挙げられる。本発明で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応の方法としては例えば界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
中でもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるものが好ましい。なお、かかる割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法である界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などのの反応形式は、各種の文献および特許公報などで良く知られている方法である。
ポリカーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が1×10未満であると高温特性等が低下し、4×10を超えると成形加工性が低下するようになるので、粘度平均分子量で表して1×10〜4×10のものが好ましく、1.4×10〜3×10のものがより好ましく、さらに好ましくは1.6×10〜2.5×10のものである。
芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。この場合粘度平均分子量が上記範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂とを混合することも当然に可能である。
特に粘度平均分子量が5×10を超える芳香族ポリカーボネート樹脂との混合物はその高いエントロピー弾性に由来する特性(ドリップ防止特性、ドローダウン特性、およびジェッティング改良などの溶融特性を改良する特性)を発揮するものであるため、これらの特性が要求される場合には好ましいものである。より好ましくは粘度平均分子量が8×10以上の芳香族ポリカーボネート樹脂との混合物であり、さらに好ましくは1×10以上の粘度平均分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂との混合物である。すなわちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)などの測定方法により2ピーク以上の分子量分布を観察できるものが好ましく使用できる。
本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求める。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(ただし[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
本発明の好適な形態の一つとして、(4)熱可塑性樹脂組成物(A)に含有される熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)50〜100重量%、及び熱可塑性ポリエステル樹脂(A−2−1成分)及びゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂(A−2−2成分)よりなる群から選択された少なくとも1種の樹脂からなる熱可塑性樹脂(A−2成分)0〜50重量%を含有する熱可塑性樹脂である上記態様(1)〜(3)の複合成形品の製造方法が挙げられる。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)は前述した熱可塑性樹脂組成物(B)に使用する芳香族ポリカーボネート樹脂と同一のものでも異なるものを使用しても、又一部同一のものを使用しても差し支えない。
本発明のA−2−2成分として使用する熱可塑性ポリエステル樹脂とは芳香族ジカルボン酸またはその反応性誘導体と、ジオール、またはそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体である。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸が好適に用いられ、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく使用できる。
芳香族ジカルボン酸は二種以上を混合して使用してもよい。なお少量であれば、該ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を一種以上混合使用することも可能である。
また本発明の芳香族ポリエステルの成分であるジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール等、2,2−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の芳香環を含有するジオール等およびそれらの混合物等が挙げられる。さらに少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を1種以上共重合してもよい。
また本発明の芳香族ポリエステルは少量の分岐剤を導入することにより分岐させることができる。分岐剤の種類に制限はないがトリメシン酸、トリメリチン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
具体的な芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、等の他、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、等のような共重合ポリエステルが挙げられる。これらのうち、機械的性質等のバランスがとれたポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートおよびこれらの混合物が好ましく使用できる。
また得られた芳香族ポリエステル樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよい。またかかる末端基に対して反応性を有する化合物を反応させる等により、それらの末端基が封止されているものであってもよい。
かかる芳香族ポリエステル樹脂の製造方法については、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを重合させ、副生する水または低級アルコールを系外に排出することにより行われる。例えば、ゲルマニウム系重合触媒としては、ゲルマニウムの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、フェノラート等が例示でき、さらに具体的には、酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム等が例示できる。
有機チタン化合物の重合触媒としては、好ましい具体例としてチタンテトラブトキシド、チタンイソプロポキシド、蓚酸チタン、酢酸チタン、安息香酸チタン、トリメリット酸チタン、テトラブチルチタネートと無水トリメリット酸との反応物などを挙げることができる。有機チタン化合物の使用量は、そのチタン原子がポリブチレンテレフタレートを構成する酸成分に対し、3〜12mg原子%となる割合が好ましい。
また本発明では、従来公知の重縮合の前段回であるエステル交換反応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の化合物を併せて使用でき、およびエステル交換反応終了後にリン酸または亜リン酸の化合物等により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能である。
芳香族ポリエステル樹脂の製造方法は、バッチ式、連続重合式のいずれの方法をとることも可能である。
また芳香族ポリエステル樹脂の分子量については特に制限されないが、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定した固有粘度が0.4〜1.5、好ましくは0.45〜1.2、さらに好ましくは0.5〜1.15である。
本発明でA−2−2成分として使用するゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂とは、スチレン系単量体と必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル単量体およびゴム成分よりなる群より選ばれる1種以上を重合して得られる、ゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂である。
前記スチレン単位成分含有樹脂成分に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。特にスチレンが好ましい。さらにこれらは単独または2種以上用いることができる。
前記スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸およびその無水物が挙げられる。
前記スチレン系単量体と共重合可能なゴム成分としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸アルキルエステルまたは/およびメタクリル酸アルキルエステルとブタジエンの共重合体、ブタジエン・イソプレン共重合体等のジエン系共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン・ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレンと脂肪族ビニルとの共重合体、エチレン・プロピレン・ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム(以下IPN型ゴム)等が挙げられる。
かかるA−2−2成分のスチレン単位成分含有樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS樹脂)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(水添SBS樹脂)、水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(水添SIS樹脂)、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン・メチルメタクリレート共重合体(MS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・スチレン共重合体(MAS樹脂)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)およびスチレン・IPN型ゴム共重合体等の樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。なおかかるスチレン系熱可塑性樹脂はその製造時にメタロセン触媒等の触媒使用により、シンジオタクチックポリスチレン等の高い立体規則性を有するものであってもよい。さらに場合によっては、アニオンリビング重合、ラジカルリビング重合等の方法により得られる、分子量分布の狭い重合体および共重合体、ブロック共重合体、および立体規則性の高い重合体、共重合体を使用することも可能である。これらは1種または2種以上を混合して使用することも可能である。
これらの中でもポリスチレン(PS樹脂)、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)からなる群より選択される1種または2種以上を混合して使用することが好ましく、中でもABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂が最も好ましい。
本発明で使用するABS樹脂とは、ジエン系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体(ABS共重合体)とシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体(AS共重合体)の混合物である。なお、このシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体はジエン系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物とをグラフト共重合した熱可塑性グラフト共重合体からなる樹脂の製造の際に副生される共重合体でもよく、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物とを別途共重合して得られる共重合体でもよい。かかるシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物からなる共重合体の分子量は、好ましくは還元粘度で0.2〜1.0、より好ましくは0.25〜0.5であるものである。尚、かかるAS共重合体の割合は、アセトンなどのかかるAS共重合体の良溶媒にABS樹脂を溶解し、その可溶分を遠心分離するなどの手法により採取することが可能である。一方その不溶分(ゲル)が正味のABS共重合体となる。
またグラフトされたシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物のジエン系ゴム成分に対する重量割合(グラフト率)は20〜200重量%が好ましく、より好ましくは20〜70重量%のグラフト率のものである。
このABS樹脂を形成するジエン系ゴム成分としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンおよびスチレン−ブタジエン共重合体等のガラス転移点が10℃以下のゴムが用いられ、その割合はABS樹脂成分100重量%中5〜39.9重量%であるのが好ましく、より好ましくは10〜35重量%、さらに好ましくは10〜25重量%である。
ジエン系ゴム成分にグラフトされるシアン化ビニル化合物としては、前記のものを挙げることができ、特にアクリロニトリルが好ましく使用できる。またジエン系ゴム成分にグラフトされる芳香族ビニル化合物としては、同様に前記のものを使用できるが、特にスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく使用できる。かかるジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の割合は、ABS樹脂成分100重量%中60.1〜95重量%が好ましく、より好ましくは65〜90重量%、さらに好ましくは75〜90重量%である。さらにかかるシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の合計量100重量%に対して、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%およびより好ましくは10〜30重量%、並びに芳香族ビニル化合物が95〜50重量%およびより好ましくは90〜70重量%であることが好ましい。さらに上記のジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の一部についてメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、無水マレイン酸、N置換マレイミド等を混合使用することもでき、これらの含有割合はABS樹脂成分中15重量%以下であるものが好ましい。さらに反応で使用する開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は必要に応じて、従来公知の各種のものが使用可能である。
本発明のABS樹脂においては、ゴム粒子径は0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0μm、さらに好ましくは0.4〜1.5μm、特に好ましくは0.4〜0.9μmである。かかるゴム粒子径の分布は単一の分布であるものおよび2山以上の複数の山を有するもののいずれもが使用可能であり、さらにそのモルフォロジーにおいてもゴム粒子が単一の相をなすものであっても、ゴム粒子の周りにオクルード相を含有することによりサラミ構造を有するものであってもよい。
このABS樹脂は塊状重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法で製造されたものでもよく、また共重合の方法も一段で共重合しても、多段で共重合してもよい。さらに重合法としては一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸濁重合法において、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法や、連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μm径の細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法などを行ってもよい。
本発明で使用するASA樹脂とは、アクリルゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、または該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物をいう。本発明でいうアクリルゴムとは、炭素数が2〜10のアルキルアクリレート単位を含有するものであり、さらに必要に応じてその他の共重合可能な成分として、スチレン、メチルメタクリレート、ブタジエンを含有してもよい。炭素数が2〜10のアルキルアクリレートとして好ましくは2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートが挙げられ、かかるアルキルアクリレートはアクリレートゴム100重量%中50重量%以上含まれるものが好ましい。さらにかかるアクリレートゴムは少なくとも部分的に架橋されており、かかる架橋剤としては、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等を挙げることができ、かかる架橋剤はアクリレートゴムに対して0.01〜3重量%使用されることが好ましい。アクリルゴム成分の割合は、ASA樹脂100重量%中、5〜39.9重量%が好ましく、より好ましくは10〜35重量%、さらに好ましくは10〜25重量%である。
またシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の割合はかかる合計量100重量%に対して、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香族ビニル化合物が95〜50重量%であり、特にシアン化ビニル化合物が15〜35重量%、芳香族ビニル化合物が85〜65重量%のものが好ましい。製造法としては上記ABS樹脂と同様のものを使用することが可能である。
本発明で使用するAES樹脂とは、エチレン−プロピレンゴム成分またはエチレン−プロピレン−ジエンゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、又は該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物である。製造法としては上記ABS樹脂と同様のものを使用することが可能である。
上記A−1成分、A−2成分の組成割合は、次のとおりである。樹脂成分であるA−1成分とA−2成分の合計100重量%中、A−1成分は50〜100重量%、好ましくは50〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%である。B成分は0〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。A−1成分がA−1成分とA−2成分の合計100重量%中50重量%未満では耐熱性、衝撃強度などが低下するようになり好ましくない。
本発明の好適な態様として(5)熱可塑性樹脂組成物(A)が衝撃改質材(A−4成分)をA−1成分およびA−2成分の合計100重量部当り0.5〜50重量部含有する上記態様(1)〜(4)の複合成形品の製造方法が挙げられる。これにより複合成形品の衝撃強度等をさらに向上させることができる。
本発明において使用可能なA−4成分の衝撃改質材としては、ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、およびこれらと共重合可能なビニル化合物から選択されたモノマーの1種または2種以上が共重合されたグラフト共重合体を挙げることができる。
またかかるゴム成分と上記モノマーのブロック共重合体も挙げられる。かかるブロック共重合体としては具体的にはスチレン・エチレンプロピレン・スチレンエラストマー(水添スチレン・イソプレン・スチレンエラストマー)、および水添スチレン・ブタジエン・スチレンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
さらに他の熱可塑性エラストマーして知られている各種の弾性重合体、例えばポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエーテルアミドエラストマー等を使用することも可能である。
なお、かかる衝撃改質材は、ゴム成分を40%以上含有するものであり、この点で本発明のA−2−2成分のABS樹脂等とは明確に区別されるものである。
ここでいうガラス転移温度が10℃以下のゴム成分としては、ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル-シリコン複合ゴム、イソブチレン−シリコン複合ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−アクリルゴム、シリコンゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴムおよびこれらの不飽和結合部分に水素が添加されたものを挙げることができる。
中でもガラス転移温度が−10℃以下、より好ましくは−30℃以下のゴム成分を含有する衝撃改質材が好ましく、特にブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル-シリコン複合ゴムを使用した衝撃改質材が好ましい。複合ゴムとは、2種のゴム成分を共重合したゴムまたは分離できないよう相互に絡み合ったIPN構造をとるように重合したゴムをいう。
芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲン化スチレン等を挙げることができ、特にスチレンが好ましい。またアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル等を挙げることができ、メタアクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル等を挙げることができ、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分を含有する衝撃改質材は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの重合法で製造したものであってもよく、共重合の方式は一段グラフトであっても多段グラフトであっても差し支えない。また製造の際に副生するグラフト成分のみのコポリマーとの混合物であってもよい。さらに重合法としては一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸濁重合法において、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法、および連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μm径の細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法などを行ってもよい。
かかる衝撃改質材は市販されており容易に入手することが可能である。例えばガラス転移温度が10℃以下のゴム成分として、ブタジエンゴム、アクリルゴムまたはブタジエン−アクリル複合ゴムを主体とするものとしては、鐘淵化学工業(株)のカネエースBシリーズ、三菱レイヨン(株)のメタブレンCシリーズ、呉羽化学工業(株)のEXLシリーズ、HIAシリーズ、BTAシリーズ、KCAシリーズ、宇部サイコン(株)のUCLモディファイヤーレジンシリーズが挙げられ、ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分としてアクリル−シリコン複合ゴムを主体とするものとしては三菱レイヨン(株)よりメタブレンS−2001あるいはSRK−200という商品名で市販されているものが挙げられる。
A−4成分の組成割合は、A−1成分および任意にA−2成分の合計100重量部に対し0.5〜50重量部であり、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。A−4成分の衝撃改質材の割合が50重量部を超えると、耐熱性、外観が低下するようになり好ましくない。
本発明の好適な態様として(6)熱可塑性樹脂組成物(A)の形成する意匠面が塗装されている上記態様(1)〜(5)の複合成形品の製造方法が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)及び熱可塑性樹脂組成物(B)にはその目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含むことができる。かかる熱可塑性樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、アクリル樹脂、並びにポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂等を例示することができる。さらに、ポリフェニルエーテルおよびポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、およびポリフェニレンサルファイド等のいわゆるスーパーエンプラと呼ばれるものが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)及び熱可塑性樹脂組成物(B)にはその目的を損なわない範囲で、難燃剤や、難燃助剤、安定剤、離型剤、光吸収剤、光安定剤、成形助剤、帯電防止剤、発泡剤、染顔料等を含んでもよく、特にりん系安定剤を含むものが好適である。
また本発明の熱可塑性組成物(A)はA−3成分以外に少量の無機充填材や耐熱有機充填材を含むものであってもよい。
かかる無機充填剤としては、ガラス繊維(チョップドストランド)、炭素繊維、金属繊維、ゾノトライト、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー等の繊維状充填剤、タルク、マイカ、ガラスフレーク、グラファイトフレーク等の板状充填剤、ガラス短繊維(ミルドファイバー)、炭素短繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、セラミックバルーン、カーボンビーズ、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の各種粒子状充填剤、および上記各種の無機充填材にメッキ、蒸着、スパッタリング等の方法により、金、銀、ニッケル、銅、クロム、アルミニウム等に代表される各種金属や、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等に代表される金属酸化物等を被覆した無機充填材を挙げることができる。
耐熱有機充填剤とは、本発明のA成分およびB成分に含有される芳香族ポリカーボネート樹脂の成形加工温度において溶融しないものをいい、かかる充填剤としては、アラミド繊維、ポリアリレート繊維等の繊維状充填剤、アラミド粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、フェノール樹脂粒子、架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子等の粒子状充填剤を挙げることができる。
本発明の意匠面の一部を形成する熱可塑性樹脂組成物(A)の線膨張係数は、5×10−5/℃未満であり、好ましくは4.5×10−5/℃未満1.0×10−5/℃以上、さらに好ましくは4×10−5/℃未満1.2×10−5/℃以上である。線膨張係数が5×10−5/℃以上の場合は、熱膨張が大きいために寸法安定性が十分ではなく、1.0×10−5/℃未満のものについては実質的に外観の低下、衝撃強度の低下などが大きく使用困難である。
線膨張係数はISO527で使用する引張りダンベルの中心部より、4mm×4mmtの立方体状の試験片を切出し、成形時の樹脂流動方向について測定する。測定はTA Instruments社製TMA2940 Thermal Analyst2200を使用し、昇温速度2℃/minにて−30℃〜90℃の平均値を算出する。
本発明の「平滑面特性」とは、熱可塑性樹脂組成物(A)をJIS R6001に定める2000番以上の研磨材を用いて表面を仕上げた金型を用いて板状成形品を成形したときの成形品の表面粗さで定義され、それは2.0μm未満、好ましくは0.01μm以上1.5μm未満、より好ましくは0.02μm以上1.0μm未満である。表面粗さの測定は、JIS B0601−1994に従い、万能表面形状測定機(SURFCOM 3B.E−MD−S10A:東京精密(株)製)にて触針径2μm、触針圧0.07gの条件により行い、測定長10mm、測定速度0.15mm/s、測定倍率10Kにて平均表面粗さ(Ra)を算出する。
本特許の複合成形品の製造方法では、第2型部における成形時に、1次成形品が2次成形品に溶け込むことが生じる場合であっても、外観に不備が生じにくい。第2型部の成形に使用される熱可塑性樹脂が透明であって、第1型部の成形に使用される熱可塑性樹脂が不透明な場合には、透明部位に1次成形品の溶けこみが発生し、良好な外観を達成する為には、成形条件幅が著しく狭くなってしまう等の問題がある。
また、成形収縮率の問題からも、第1型部にて成形に使用される熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性樹脂組成物(B)であるほうが望ましい。一般に熱可塑性樹脂組成物(B)と比較して線膨張係数の小さい熱可塑性樹脂組成物(A)のほうが、成形収縮率は小さい。その為、透明熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品の外周部に線膨張の小さい熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品を成形する場合、成形収縮率の小さい熱可塑性樹脂組成物(A)を用いた成形品を先に成形すると、透明熱可塑性樹脂組成物から形成される透明部の外周が拘束され、成形品に変形が生じたり、特に成形品が大きい場合には、成形品の割れ等が発生する。
本発明の複合成形品の製造法の好適な態様として、熱可塑性樹脂組成物(B)を用いる成形が圧縮成形である製造方法が挙げられる。該工法を使用することにより、透明部の残留歪みを減少させ、透視歪みを低減させることが可能である。
本発明の複合成形品は寸法安定性に優れるとともに、優れた外観表面を持ち、自動車分野での外板や窓部材、各種建築部材等に最適であり、その複合成形品の製造方法も提供する。
本発明者が現在最良と考える発明の形態は、上記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
<実施例1>
第1型部にて成形される熱可塑性樹脂組成物(B)としてポリカーボネート樹脂B−1を使用し、第2型部にて成形される、一部製品の意匠面を形成する熱可塑性樹脂組成物(A)として、下記の成分を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を使用し、名機製作所(株)製4軸自動制御3400t2色回転射出プレス成形機MDIP2100−DM−HR2を使用し、第1型部により1次成形品を成形し、前記1次成形品を保持した可動型部を第2型部に型合わせし、1次成形品をインサートした第2型部により2次成形品を成形する方法を用いて複合成形品(実1)を得た。なお、1次成形品は圧縮成形を用い、2次成形品の成形温度は流動性の面から300℃であった。
B−1:パンライトL−1250Z(帝人化成製:3mm厚みにおける光線透過率80%となるようにグレー色に調色)
A−1:ポリカーボネート樹脂:パンライトL−1225WP(帝人化成製:粘度平均分子量22500)100重量部
A−3:ワラストナイト粒子KGP−H40(関西マテック製:数平均繊維長6.5μm、数平均繊維径1.0μm、アスペクト比6.5)20重量部
その他:カーボンブラック#970(三菱化成製)0.5重量部
なお、2次成形品に成形された熱可塑性樹脂組成物(A)の線膨張係数は3.1×10−5/℃、表面粗さは0.5μmであった。
<比較例1>
熱可塑性樹脂組成物(A)にA−3成分:ワラストナイト粒子を配合しない他は、実施例1と同様にして複合成形品(比1)を得た。2次成形品の線膨張係数は8.2×10−5/℃、表面粗さは0.1μmであった。
<実施例2>
熱可塑性樹脂組成物(A)として、下記の成分を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を使用する以外は実施例1と同様の方法で、複合成形品(実2)を得た。2次成形品の成形温度は280℃にて成形可能であった。
A−1:ポリカーボネート樹脂:パンライトL−1250WQ(帝人化成製:粘度平均分子量24500)70重量部
A−2:ポリエチレンテレフタレート樹脂:TR−MB(帝人化成製)30重量部
A−3:ワラストナイト粒子KGP−H40(関西マテック製:数平均繊維長6.5μm、数平均繊維径1.0μm、アスペクト比6.5)20重量部
その他:カーボンブラック#970(三菱化成製)0.5重量部
なお、2次成形品に成形された熱可塑性樹脂組成物(A)の線膨張係数は3.3×10−5/℃、表面粗さは0.2μmであった。
<比較例2>
熱可塑性樹脂組成物(A)のA−3成分をガラスチョップドストランド3PE−944(日東紡製)を使用する以外は、実施例2と同様の方法で複合成形品(比2)を得た。なお、2次成形品の線膨張係数は2.1×10−5/℃、表面粗さは2.5μmであった。
<実施例3>
熱可塑性樹脂組成物(A)の成分に、衝撃改質剤S2001(三菱レイヨン製)5重量部をさらに配合した以外は、実施例2と同様の方法にて複合成形品(実3)を得た。なお、2次成形品に成形された熱可塑性樹脂組成物(A)の線膨張係数は3.3×10−5/℃、表面粗さは0.2μmであった。
<実験1>
実施例1〜3で得た複合成形品及び比較例1〜2で得た複合成形品を治具に固定し-30℃にて4時間冷却した。それぞれの複合成形品の端面に、上下左右各2箇所、合計8箇所印をつけ、あらかじめ設定しておいた取付け治具の基準原点からのそれぞれ8箇所の印における処理後の3次元座標(座標A)を測定した。ついで、治具に固定したまま80℃にて4時間過熱し、同様に8箇所における3次元座標(座標B)を測定した。各印における座標Aと座標Bの差のうち、最大値を表1に示す。なお、この差が小さいほど寸法安定性が良好である。
<実験2>
実施例1〜3で得た複合成形品及び比較例1〜2で得た複合成形品の2次成形品表面にシルバーメタリック調の塗装を実施し、塗装後の外観について確認を行った。実施例1〜3、および比較例1では良好な外観が得られたのに対し、比較例2では成形流動跡にそった塗料吸い込みによる外観不良が確認された。
<実験3>
複合成形品の1次成形品の中央部に、3mの高さから500gの鉄球を落とした。その結果を表1に示す。なお、評価は下記の判定基準に従って実施した。
○:割れ、変形等は確認されない。
△:一部で変形が認められる。
×:割れ、変形が認められる。
Figure 0004896624
自動車バックパネル用模擬型の概略図である。
符号の説明
1.1次成形品のダイレクトゲート
2.2次成形品のダイレクトゲート
3.2次成形品のサイドゲート
4.断面から見た1次成形品
5.断面から見た2次成形品

Claims (9)

  1. 第1型部及び可動型部からなる第1型に熱可塑性樹脂組成物(B)を注入して1次成形品を成形し、前記1次成形品を保持した該可動型部を第2型部に型合わせて第2型を形成し、前記1次成形品をインサートした第2型に更に熱可塑性樹脂組成物(A)を注入して2次成形品を成形する方法を用いて成形する複合成形品の製造方法であって、
    当該複合成形品の意匠面の一部を形成する熱可塑性樹脂組成物(A)が、線膨張係数が5×10−5/℃未満であり、かつ平滑面特性が2.0μm未満である熱可塑性樹脂組成物であり、熱可塑性樹脂組成物(B)が、3mm厚みにおける光線透過率20%以上である熱可塑性樹脂組成物から形成される複合成形品の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂組成物(B)を用いる成形がキャビティの容積を縮小させる圧縮成形である請求項記載の複合成形品の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂組成物(A)が、熱可塑性樹脂100重量部に対して、数平均繊維長が10μm以下、数平均繊維径が1.5μm以下、且つ数平均繊維長と数平均繊維径から算出したアスペクト比が4.5以上であるワラストナイト粒子(A−3成分)10〜100重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物である請求項または記載の複合成形品の製造方法
  4. 熱可塑性樹脂組成物(B)に含有される熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形品の製造方法
  5. 熱可塑性樹脂組成物(A)に含有される熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)50〜100重量%及び熱可塑性ポリエステル樹脂(A−2−1成分)およびゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂(A−2−2成分)よりなる群から選択された少なくとも1種の樹脂からなる熱可塑性樹脂(A−2成分)0〜50重量%を含有する熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形品の製造方法
  6. 熱可塑性樹脂組成物(A)が、衝撃改質材(A−4成分)をA−1成分およびA−2成分の合計100重量部当り0.5〜50重量部含有する請求項記載の複合成形品の製造方法
  7. 熱可塑性樹脂組成物(A)の線膨張係数が4.5×10−5/℃未満、1.0×10−5/℃以上である請求項1〜6のいずれかに記載の複合成形品の製造方法
  8. 熱可塑性樹脂組成物(A)に含有されるワラストナイト粒子(A−3成分)の数平均繊維長が1〜10μm、数平均繊維径が0.2〜1.5μm、且つ数平均繊維長と数平均繊維径から算出したアスペクト比が4.5以上50未満である請求項記載の複合成形品の製造方法
  9. 熱可塑性樹脂組成物(A)の形成する意匠面が塗装されている請求項1〜8のいずれかに記載の複合成形品の製造方法
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