JP4895459B2 - 缶体製造機の板押え用組立体の駆動装置とその使用方法 - Google Patents
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Description
本発明は缶の製造に使用される板押え用組立体の駆動装置に関する。特に、しかし限定されるものではないが、本発明は缶の未加工材を再型抜き用のダイに対して保持する未加工材保持具のための駆動装置に関する。
【0002】
再型抜き用のスリーブおよび打ち抜きポンチのような押え機構が知られている。通常、レバーがクランク上のカムの外形部に接触して保持されている。このレバーはクロスヘッドを駆動するために一対のプッシュロッドを駆動し、クロスヘッドは次に未加工材保持具を作動させる。プッシュロッドとカムの動作のこの組合せは、缶の未加工材、すなわちカップをダイに持っていくように未加工材保持具を再型抜き用ダイに向けて移動させる。未加工材保持具はカップの基部をダイの平坦面に対して押し付け、一方ポンチがカップを再型抜きのためにダイに押し込む。
【0003】
この種の機械は重くて、クランクシャフト上の回転質量が厳しい荷重を缶体製造機の主軸受に与える。本発明はこの荷重に伴う問題点を減らすものである。
【0004】
本発明によれば、固定された案内ロッドと、案内ロッドを取り囲む案内筒であって、それぞれ後部と前部の液チャンバを一緒になって形成する後部と前部の端面を有し、その両チャンバはシールによって分離されている案内筒と、作動液が戻りストローク用ポートを経て後部液チャンバに出入りするための第1の管路(A)と、液圧用流体が前進ストローク用ポートを経て前部液チャンバに出入りするための第2の管路(B)とを有し、それによって、液の前部チャンバへの流入が案内筒とその案内筒に連結された板押え用組立体を前方位置に駆動し、液の後部チャンバへの流入が案内筒と板押え用組立体を後方位置に戻す、缶体製造機の板押え装置のための液圧式駆動装置が提供される。
【0005】
液圧によって駆動される駆動装置を用いることによって、既存のプッシュロッド、カムレバー、再型抜き用カムとカムフォロア、およびカムフォロアをカムの上に保持するためのエアバッグがもはや必要なくなるので、缶体製造機のクランクシャフト上の回転質量が著しく減少する。これによって、既知の板押え装置におけるプッシュロット、カム、フォロアのために必要であった缶体製造機の液圧ユニットの大きさが小さくなる。さらに、質量の減少とそれに伴うシステムの慣性の減少によって機械の速度を上昇させることが可能となり、これは生産量の増加につながる。
【0006】
板押え用組立体のために液圧駆動を使用することによって、動力部品、フライホイール、および他の駆動装置の寸法が小さくなり、それによって缶体製造機の主軸受の負荷とその磨耗が少なくなるといった種々な波及効果が得られる。
【0007】
案内筒の後部および前部の端面は、通常ブシュによって範囲が定まっている。
【0008】
作動液は、通常既に工場で入手可能である機械冷却液であってもよい。これは60リットル/分程度で必要であるが、缶体製造機の動力ユニットは上述のように幾つかの部品を取換えることにより実際にその大きさを小さくすることができる。この取換え動作は後付けだけで可能である。
【0009】
前部チャンバは、前方端部が外向きに先細になっている実質的に円筒形の領域を備えており、それによって液チャンバ内の前方端部の圧力が小さくなる。先細、即ち面取りは、チャンバの液圧面大きさが大きくなるので液チャンバの前側端部における液圧を減少させるが、チャンバのその他の部分では液の所要量を少なくする。
【0010】
液圧駆動装置は、理想的には案内筒の最初の加速を制御するための逆止め弁および/または圧力の急上昇を避けるための圧力逃し弁を有していてもよい。
【0011】
作動液の流れは種々な手段によって制御することができるが、理想的にはロータリ弁が用いられる。ロータリ弁は、機械の望ましいタイミングに従って機械の速度より遅いかこれと同じ速度で回転する。
【0012】
本発明の他の態様によれば、固定された案内ロッドを準備することと、板押え装置を案内ロッドを取り囲んでおり、案内ロッドに沿って移動可能なシールによって分離されている、後部と前部の液チャンバをそれぞれが形成する後部と前部の端面を有する案内筒に連結することと、作動液を、戻りストローク用ポートを経て後部液チャンバへ供給し、また後部液チャンバから供給することと、作動液を、前進ストローク用ポートを経て前部液チャンバへ供給し、また前部液チャンバから供給することと、それによって、前部チャンバへ液を供給することで案内筒とその案内筒に連結された板押え用組立体を前方位置に駆動し、後部チャンバへ液を供給することが案内筒と板押え用組立体を後退位置に戻す、缶体製造機の板押え装置を駆動する方法が提供される。
【0013】
端部の面はポートを覆いおよび/または開くためのブシュを有しており、本方法は、ポートを開いて各チャンバに出入りする液を増加させることによって案内筒、板押え用装置の動きを加速すること、またポートを覆って各チャンバに出入りする液を減少させることによって機械のストロークを減速させることを有することが望ましい。
【0014】
液圧駆動装置の好ましい実施形態を、図面を参照して一例として説明する。
【0015】
図1は、板押え用組立品10を作動させる液圧駆動装置1を有する缶体製造機前面の側面断面を示している。ロータリ弁20が以下に詳述するように作動液の流れを制御する。
【0016】
図2、3に示されるように、駆動装置1は中心の案内ロッド2と案内筒3から構成され、案内筒3には板押え用組立体10が連結されている。案内筒3は通常鋼製の内側部分12を有しており、その結果案内ロッド2はこの内側スリーブ12に接触して支えられている。質量と慣性とを小さくするために、案内筒の外側部分13は軽い材料、通常はアルミニュームで作られている。
【0017】
内側スリーブ12、案内ロッド2、前後のブシュ14、15の間の環状の空間は、ラビリンスシール11によってそれぞれ前部チャンバ6と後部チャンバ9に分離されている。前部チャンバ6および後部チャンバ9へ出入りするように作動液を供給することによって、前部チャンバ6および後部チャンバ9内の作動液の圧力に従って、案内筒3が案内ロッド2に沿って前方または後方に移動させられるように、案内ロッド2は缶体製造機の所定の位置に固定されている。
【0018】
管路AとBが、作動液がロータリ弁20と案内ロッド2との間を流れるための流路を構成している。図2に示すように、管路Aはポート7および/または後部の緩衝噴出口8を経て後部チャンバ9に連通している。同様に、管路Bはポート4および/または前部の緩衝噴出口5を経て前部チャンバ6に連通している。ポートと緩衝噴出口の動作を以下に詳しく説明する。図3の実施形態においては、逆止め弁5’、8’がそれぞれ前部チャンバ6内と後部チャンバ9内に設けられており、圧力逃がし弁46がチャンバ43内に設けられている。これらの弁の動作も詳しく説明する。
【0019】
前部チャンバ6は、前端部17が液圧面18に向けて外向きに先細になっている円筒形部16を有している。外向きの先細はスリーブ12の前端の面取りの角度により決まる。同様の寸法の変更が戻りストローク用のチャンバ9には設けられていないが、本発明の範囲内で設けることができることは明らかである。
【0020】
図1および4を参照すると、板押え用組立体10は、カップ31を再型抜き用のダイ32に対して保持するための未加工材保持具30を備えている。図1に示す実施形態では、板押え用組立体はスペーサ33と心出しリング34とを備えている。この心出しリング34は、長ったらしい再調整手順を必要とせずに板押え用組立体の交換に直ちに取りかかれるようにする。図3に示すようにスペーサ33の代わりにリテーナ35とスプリング36を用いることができる。
【0021】
図4は、本発明の好ましい実施形態において作動液の流れを調整するために用いられるロータリ弁20の側面断面図である。図1からわかるように、弁20は板押え用装置10の両側の駆動装置1に作動液を供給する。各駆動ユニット内の管路AおよびBはロータリ弁の孔AおよびBに連結されている。
【0022】
弁20は、缶体製造機の主クランクシャフトにより駆動され、図4の矢印で示される方向に回転する回転軸21に連結されている。缶体製造機の冷却液供給部からの作動液は流入口22を経てロータリ弁に入り、排出口23を経て出る。流入口22と排出口23は明確にするために図4では現れていない。軸21の中心部の穴24が流入口22と排出口23を弁内の孔AおよびBに機械が必要とするタイミングに従って接続する。弁20は機械のベッド上にボルトで取り付けられた複合部材40上に取り付けられている。
【0023】
本発明の液圧駆動の動作は次の通りである。缶体製造機の冷却液供給部からの加圧された作動液はアキュムレータとポンプ(不図示)の動作によって中央回転軸21の穴24に供給される。中央の軸21が回転すると、ロータリ弁が図4に示された位置にあるとき、作動液は軸21から孔A内に流れる。孔Aは板押え用部品の戻りのストロークを駆動するために加圧された液を管路Aを通ってチャンバ9へ供給する。
【0024】
図4に示される形態では、孔AおよびBは機械が必要とするタイミングを実現するためにずれている。例えば、ロータリ弁は部品の磨耗を少なくするために機械の速度(クランクシャフトによって設定された)の半分で回転させてもよい。
【0025】
ロータリ弁20内の孔Bは、孔Aが図示のように管路Aと位置が合ったとき、管路B内の媒体を排出する排出口23と連通する。同様に、孔Aは管路A内の媒体を排出するために排出口23と連通する。
【0026】
板押え用装置の戻りストロークは、弁の孔Aが図4に示されるように管路Aと位置が合ったときに行われる。戻りストロークは板押え用装置を後退位置に戻す。
【0027】
図1および2を参照すると、液の管路Aからチャンバ9への流入は後部のブシュ15で阻止されているが、緩衝噴射口8を通して後部チャンバ6の中に半径方向外向きに出て行くことができる。これによって、後部チャンバ9内の圧力が増大したときに、案内筒3と板押え用組立体は再型抜き用のダイの中のカップ31から離れる動きを比較的緩やかに開始するのを確実にする。
【0028】
後部チャンバ内の圧力がさらに高くなると、案内筒3の動きは後部ブシュ15を戻りストローク用ポート7を徐々に露出させ、液が、露出部分が増大しているポート7を通ることを可能にし、それによって、ポートが十分に開くまで戻りストロークがさらに加速される。
【0029】
駆動タイミング(弁20により設定された)に従って、弁組立体内の軸21の回転が孔Aを徐々に閉じさせる。一方、前方のブシュ14の移動が前部チャンバ6内の液を管路Bを経て排出させる。ポート4がブシュ14によって閉じられるにつれ、ポートの後縁が閉じられるまで案内筒の移動は遅くなる。この減速は、戻りストロークの終りにおけるそれ以上の排出を抑え緩衝作用を高める前部緩衝噴出口5を備えることによって制御される。ストローク長さは案内筒のポート4および7の位置によって決定される。
【0030】
弁組立体の孔Bが開くにつれて、加圧された液が流入口22から中央の穴24を経て管路Bに向けて通過する。次に、板押え用組立体を前方に駆動する前進ストロークは、液が緩衝噴出口5を経て前部チャンバ6に徐々に流入することによって始まる。前進ストロークの加速は、前側のブシュ14が前進ストローク用ポート4を覆わなくなったときに起きる。一方、後部チャンバ9からの液は管路Aを通ってロータリ弁の排出口23へ排出される。前進ストロークの速度を遅くすることは、前方のブシュがポート4を覆い、液がポート4の狭くなった領域を通過し、最後に緩衝噴出口8のみを経て前部チャンバに入るときに、戻りストロークのそれと同様にして行われる。カップ31はそれから、パンチ45のカップ内への移動によって再型抜きされるために、ダイ32に対して保持される。
【0031】
前方および後方のブシュ14、15は、ブシュが前方および後方のポート4、7をそれぞれ徐々に閉じおよび/または覆わなくすることによって、前進および後退のストロークのそれぞれの終りにおいて案内筒3を加速および減速することが特に図2からわかる。
【0032】
図3の実施形態においては、排出工程においては閉じるが加圧工程においては開き、それによって液がそれぞれチャンバ6または9に流れることを可能にする逆止め弁5’、8’が設けられている。これによって案内筒3を停止させるために使用される液が完全になくなり、供給溝が覆われなくなるまで関連するブシュ14あるいは15の面に圧力がかけられる。
【0033】
圧力逃がし弁46が、チャンバ6または9内の液の圧縮による圧力の上昇が、圧力の急上昇が発生する点に達することを防止する。圧力はこのように流路41と圧力逃がし弁46を経て開放される。
【0034】
板押え用装置はパンチ45が再型抜きのためにカップ31に入るとき前方位置に留まる。このサイクルはこの後繰り返される。
【0035】
ガイドロッド2とスリーブ16との間に押し入れられた冷却材はラビリンスシール11によって取り除くことができる。削りくずまたは破片はブシュ14および15にある環状部42に集まり、通路41を通って案内筒3内のチャンバ43の中に出て行き、冷却液供給部による処理ために開口44を経て送り出される。
【0036】
本発明を例のみを挙げて説明してきたが、特許請求の範囲によって定められた本発明の範囲において変更することができる。例えば、図2に示された第1の実施形態において、案内筒の動きはポートの上方を移動するブシュのみならず、管路と各液チャンバの間の緩衝噴出口5および/または8を使用することによっても制御される。これらの緩衝噴出口は、ブシュが開口を閉じた後でも、1つまたは2つの噴出口を経て連通が可能であるように配置されている。図3に示された第2の実施形態において、機構を停止するために用いられる液の行き止まりを防ぐ逆止め弁システムが用いられ、圧力の急上昇を防ぐ圧力逃し弁が用いられる。緩衝用噴射口と逆止め弁と圧力逃し弁のどのような組合せも使用できることは明らかである。案内筒の動きに対して滑らかな開始/停止を行わせるための案内ロッドまたは案内筒のいずれかの(または両方の)代わりの機構も本発明の範囲内にあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液圧駆動装置と板押え用組立体を示す、缶体製造機の部分的側面断面図である。
【図2】 図1の駆動装置の拡大側面断面図である。
【図3】 他の実施形態の駆動装置の拡大部分側面断面図である。
【図4】 他の実施形態の板押え組立品である。
【図5】 図1のロータリ弁の側面断面図である。
Claims (14)
- 缶体製造機の板押え装置のための液圧式駆動装置であって、
固定された案内ロッドと、
前記案内ロッドを取り囲む案内筒であって、それぞれ後部と前部の液チャンバを一緒になって形成する後部と前部の端面を有し、該両チャンバはシールによって分離されている前記案内筒と、
作動液が戻りストローク用ポートを経て前記後部液チャンバに出入りするための第1の管路(A)と、
作動液が前進ストローク用ポートを経て前記前部液チャンバに出入りするための第2の管路(B)とを有し、
それによって、前記液の前記前部チャンバへの流入が前記案内筒と該案内筒に連結された板押え用組立体を、前記板押え用組立体が未加工材を保持する前方位置に駆動し、前記液の前記後部チャンバへの流入が前記案内筒と前記板押え用組立体を、前記板押え用組立体が未加工材から離れる後方位置に戻す、缶体製造機の板押え装置のための液圧式駆動装置。 - 後部と前部の前記端面は後部と前部のブシュによって範囲が限定されている、請求項1に記載の駆動装置。
- 前記前部チャンバは、前方端部において外向きに先細になっている実質的に円筒形の領域を備えており、それによって前記液チャンバ内の圧力が該前方端部において小さくなっている、請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
- 作動液の流量を制御するロータリ弁をさらに有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 前記ロータリ弁は機械の速度より遅いかこれと同じ速度で回転する、請求項4に記載の駆動装置。
- 前記案内筒と前記板押え用装置のストローク長さは、2つの前記ポート間の距離によって設定される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 前記作動液は、前記缶体製造機の冷却液供給部から供給される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 未加工材保持具に隣接する心出しリングをさらに有する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 前記案内筒の加速を制御するための緩衝噴出口および/または逆止め弁をさらに有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 圧力逃し弁をさらに有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の駆動装置。
- 缶体製造機の板押え装置を駆動する方法であって、
固定された案内ロッドを準備することと、
前記板押え装置を、前記案内ロッドを取り囲んでおり、案内ロッドに沿って移動可能なシールによって分離されている、後部と前部の液チャンバをそれぞれが形成する後部と前部の端面を有する案内筒に連結することと、
作動液を、戻りストローク用ポートを経て前記後部液チャンバへ供給し、また前記後部液チャンバから供給することと、
作動液を、前進ストローク用ポートを経て前記前部液チャンバへ供給し、また前記前部液チャンバから供給することとを有し、
それによって、前記前部チャンバへ液を供給することで前記案内筒と該案内筒に連結された板押え用組立体を、前記板押え用組立体が未加工材を保持する前方位置に駆動し、前記後部チャンバへ液を供給することが前記案内筒と前記板押え用組立体を、前記板押え用組立体が未加工材から離れる後退位置に戻す、缶体製造機の板押え装置を駆動する方法。 - 前記両端面が前記ポートを覆いおよび/または開くブシュを有している請求項11に記載の方法であって、
ポートを開いて各チャンバに出入りする液を増加させることによって前記案内筒と前記板押え用装置の動きを加速させること、または
ポートを覆って前記各チャンバに出入りする液を減少させることによって機械の動きを減速させることをさらに有する、請求項11に記載の方法。 - 逆止め弁を開き、液が前記ポートが覆われなくなるまで前記ブシュへと通過することを可能にすることによって前記案内筒を制御することをさらに有する、請求項12に記載の方法。
- 圧力逃し弁を設けることによって圧力の急上昇が発生することを減らしまたは除くことをさらに有する、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
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