JP4894745B2 - 仮想マシン移動制御方式 - Google Patents
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Description
図1は、従来技術にかかるpush方式を用いた、仮想マシンの転送方法を説明する概念図である。
を稼動させたまま、その仮想マシンを構成するメモリページを転送先計算機へと転送して、転送先仮想マシン 104 を構成することになる。この転送作業中にも、稼働中である転送元仮想マシン 102 は動作するため、メモリページのうちの一部は更新される。そこで、この更新されたメモリページを、転送先へと再送する。
◆再送されるメモリページ量は、転送元仮想マシンのメモリページ更新頻度に依存するため、総転送ページ数が静的に定まらない。
◆総転送ページ数が静的に定まらないため、転送処理時間を静的には見積もることができない。
◆転送処理の負荷により、転送処理中の仮想マシンの性能が低下してしまう。
図2は、従来技術にかかる停止転送方式を用いた、仮想マシンの転送方法を説明する概念図である。
◆再送が発生しないので、転送するページ数が仮想マシンの構成に依り一意に定まる。
◆転送処理にかかる時間も一定である。
◆転送処理中には、仮想マシンを停止させなくてはならない。
図3は、従来技術にかかるpull方式を用いた、仮想マシンの転送方法を説明する概念図である。
◆再送が発生しないため、転送するページ数が仮想マシンの構成に依り一意に定まる。
◆転送処理は未転送のメモリページの参照頻度に基づいて進行するため、転送処理時間を静的には見積もることができない。
◆未転送のメモリページ参照時に発生するページフォールトのコストが高く、転送処理中の仮想マシンの性能は低下する。
[1]転送元計算機上で仮想マシンを動作させたまま、いったん全てのメモリページを転送する。
[2]転送処理の間に更新されたページのリストを転送先に送信し、仮想マシンを動作させる計算機を転送先に切り替える。
[3]更新されたページのリストに含まれるページが参照された時に、転送元よりページを再送する。
[4]更新されたページのうち、未転送のページの数が一定以下になったら、それらをまとめて転送する。
仮想マシン毎にかつ経過時間毎に更新されたページ数を有する過去の記録であるページ数管理表から経過時間毎に更新されたページ数を読み出し、仮想マシンを搭載する物理マシンから他の物理マシンに転送する1ページあたりの転送時間を有する過去の記録である転送時間記録表から1ページあたりの転送時間を読み出し、読み出されたページ数と転送時間とから、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を、仮想マシン毎に算出する算出手段、
算出された転送時間が最も小さな仮想マシンを、移動対象の仮想マシンとして決定する仮想マシン決定手段、
として機能させるための仮想マシン決定プログラム、が提供される。
Clark, C., Fraser, K., Hand, S., Hansen, J. G., Jul, E., Limpach, C., Pratt, I. and Warfield, A., Live Migration of Virtual Machines, Proceedings of the 2nd ACM/USENIX Symposium on Networked Systems Design and Implementation (NSDI), Boston, MA, May, 2005.
本明細書では、「仮想マシン」 virtual machine (VM) という語は、論理的な構成単位としてカプセル化して実施される仮想的なマシンもしくは計算機のことを指す。仮想マシンは、仮想マシンソフトウェア(仮想マシンモニター)によって実施される仮想サーバーと見做すことができるが、この解釈には限定はされない。仮想マシンの例としては、ソフトウェア内でのみ実施される仮想マシン、または、ソフトウェアにより部分的に実施される仮想マシン、または、ハードウェアおよびファームウェアおよびソフトウェアを組み合わせて実施する仮想マシン、が含まれるが、これらに限定はされない。
す。詳細については後述する。
〔2.1 転送時間の予想についての概略〕
図4は、本発明の或る実施形態にかかる、仮想マシン上のサービスによるメモリページの更新/参照の頻度を動的に見積もるため、サービス毎のメモリページの更新/参照の頻度を記録するシステム 400 を説明するための機能ブロック図である。なお以下の説明では、システム 400 の構成要素が、或るホストコンピュータ(あるいは、ホストサーバ、または単に物理サーバもしくはサーバとも称する; 図示せず)の上で動作しているものとして説明してゆくが、別の手法として、これらの構成要素が複数のホストコンピュータの上にまたがって存在していてもよいし、または、システム 400 を動作させるコンピュータと仮想マシンを動作させるコンピュータが別であるように構成することも可能である。
複数の仮想マシンが動作するホストサーバからいずれかの仮想マシンを転送させるにあたっては、上述した転送制御部 420 が、各仮想マシンの転送時間、または、各仮想マシンの転送処理が必要とするCPU時間もしくはCPU使用率、を見積もって、もっとも転送させ
やすい仮想マシンを選択して転送対象とする。
へと通知する(図4参照)。
仮想マシンを転送させる際には、その転送方式の選択についても考慮できる。
図5は、転送対象とする仮想マシンを選択する際の手法の概念を説明するための図である。ここでは、複数の物理ホストサーバからなる環境において、それぞれの物理ホストサーバ上に複数の仮想マシン(VM)が動作している状況を示している。各物理ホストサーバは仮想マシンモニタを有し、おのおのの裡に在る仮想マシンの状況を監視できる。
図5を用いてさらに説明する。図5には、物理(ホスト)サーバ 502, 512, 522 が在り、サーバ 502 上では、VM 503, 504, 505 および仮想マシンモニタ 508 が動作しており、以下同様にサーバ 512, 522 上ではそれぞれVM 513, 514 および仮想マシンモニタ 518 とVM 523, 524 および仮想マシンモニタ 528 が動作しており、それぞれのサーバはネットワーク(バス)で接続されている。
406-6 を、システム 400-6 が仮想マシンモニタ(図示せず)を用いて監視し適宜仮想マシンの転送処理をする際の判断を行う。
図7に示すフローチャートでは、まずステップ S702 で、過去の更新頻度情報と転送にかかった転送時間の統計情報とから、転送処理にかかる時間を各仮想マシン毎に算出して見積る。すべての仮想マシンについて算出が完了すると、ステップ S704 に進む。
そしてステップ S706 では、決定された仮想マシンの転送を行う。
高負荷な物理ホストサーバ上で動作する仮想マシンを転送させる際には、最も低負荷に転送できるものを転送対象として選択することもできる。こうすることによって、転送処理による負荷上昇をできるだけ抑える負荷分散が可能となる。
図5に戻り、今度は転送方式を選択して仮想マシンの転送を行うことを考える。高負荷がかかったサーバ 502 上の仮想マシン 503, 504, 505 のいずれかを他の物理サーバ 512, 522 へと転送させて負荷分散を行うことが求められたときに、仮想マシンを最も高速に転送できる転送方式を決定することで、動的負荷分散が実現できる。
図10は、図4に示した機構を高速な負荷分散に特化させた変形例を示す図である。図10では、或る物理ホストサーバ(図示せず)上で稼動する仮想マシン 402-10, 404-10,
406-10 を、システム 400-6 が仮想マシンモニタ(図示せず)を用いて監視し適宜仮想マシンの転送処理をする際の判断を行う。
に進む。
本発明の或る実施形態においては、図8の実施例と同様の考えかたを以って、低負荷な負荷分散を指向した転送方式の選択を行う変形例も想定されている。図12は、そうした変形例を示す図であって、或る物理ホストサーバ(図示せず)上で稼動する仮想マシン 402-12, 404-12, 406-12 を、システム 400-12 が仮想マシンモニタ(図示せず)を用いて監視し適宜仮想マシンの転送処理をする際の判断を行う。
以降、さらに詳細な機構の説明を行ってゆく。
◆1世代前の更新(参照)数
◆1世代前〜n世代前の更新(参照)数の単純平均
◆1世代前〜n世代前の更新(参照)数の重み付け平均
変数 count が一定数に達するまで、ステップS1502 からステップ S1508 の処理をくりかえしてゆき、図14に示したような管理表に更新(参照)したページ数をカウントして記録してゆく。
こうした近似式と、過去に実際に行われた転送処理における、転送速度、1ページ転送
あたりのCPU時間、転送方式についての統計情報と、によって、仮想マシンの転送実時間、および転送処理が必要とするCPU時間を見積もることができる。
転送時間記録部(たとえば、図4の転送時間記録部 414 )は、仮想マシンの実際の転送処理(または、その一部)にかかった実時間を記録する役割を担う。
414 ) が、適切な外部の格納手段に保存しておいて必要な際に参照することもできるし、または、転送時間記録部自身がそうした格納手段を内包し転送時間記録表を保存することも可能である。
◆1世代前の更新(参照)数
◆1世代前〜n世代前の更新(参照)数の単純平均
◆1世代前〜n世代前の更新(参照)数の重み付け平均
CPU時間記録部(たとえば、図4のCPU時間記録部 412 )は、仮想マシンの実際の転送処理(または、その一部)にかかったCPU時間を記録する役割を担う。
あたりの転送にかかったCPU時間を記録する。こうしたCPU時間記録表では、直近の記録情報を1つ保持すればよいが、好ましくは、正確なCPU時間についての情報を提供するために、数世代前の情報を保持する。また、転送先により、通信性能が異なる可能性があるため、CPU時間記録表には転送ノード毎に情報を記録することが好ましい。
◆1世代前の更新(参照)数
◆1世代前〜n世代前の更新(参照)数の単純平均
◆1世代前〜n世代前の更新(参照)数の重み付け平均
◇一定期間(例えば1ms)おきに割込みを上げる(割込み処理を行う)。
◇割込み発生時の走行アドレスを取得し、転送処理かその他の処理(idleを含む)を判別し、転送処理の場合、カウントする。
◇プロファイラ停止時に、プロファイラの動作開始から停止までの時間と、カウント数とを用いて、転送処理にかかったCPU時間を算出する。具体的には、 "(割込み間隔)/(プロファイラ動作時間)*(カウント数)" をCPU時間とする。
本発明の或る実施形態においては、転送方式としてLive Migration方式を考慮する。こうした場合に、転送にかかる実時間とCPU時間を算出する手順についてさらに詳述してゆく。
本発明の或る実施形態においては、転送方式として上述したPush/Pull併用方式を考慮する。こうした場合には、まず、push方式の転送時間 T1 を下記の式(13)で算出する。
一方Pull方式での転送処理中のCPU時間 C2 は、
および範囲から逸脱すること無く多種多様な変更および修正を施すことが可能であるということを、当業者は容易に且つ正しく理解できる。開示した実施形態と、上述した変形例と、それらすべてに関する均等物とを包括するものとして、請求項を解釈されたい。
(付記1)
物理マシン上の仮想マシンを他の物理マシン上の仮想マシンに移動する際の移動対象となる仮想マシンを決定する仮想マシン決定プログラムにおいて、コンピュータを、
仮想マシン毎にかつ経過時間毎に更新されたページ数を有する過去の記録であるページ数管理表から経過時間毎に更新されたページ数を読み出し、仮想マシンを搭載する物理マシンから他の物理マシンに転送する1ページあたりの転送時間を有する過去の記録である転送時間記録表から1ページあたりの転送時間を読み出し、読み出されたページ数と転送時間とから、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を、仮想マシン毎に算出する算出手段、
算出された転送時間が最も小さな仮想マシンを、移動対象の仮想マシンとして決定する仮想マシン決定手段、
として機能させるための仮想マシン決定プログラム。
(付記2)
前記更新されたページ数に代えて参照されたページ数であることを特徴とする付記1記載の仮想マシン決定プログラム。
(付記3)
前記転送時間は転送にかかるCPU時間またはCPU使用率であることを特徴とする付記1または2記載の仮想マシン決定プログラム。
(付記4)
前記算出手段は、ページの移動方式毎に、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を算出し、
前記コンピュータを、
算出された転送時間が最も小さな移動方式を、仮想マシンの移動方式として決定する移動方式決定手段、
として更に機能させることを特徴とする付記1から3の何れかに記載の仮想マシン決定プログラム。
(付記5)
前記移動方式は、Live Migration方式、かつ/または、push方式、かつ/または、pull方式、かつ/または、push/pull併用方式であることを特徴とする付記4記載の仮想マシン決定プログラム。
(付記6)
仮想マシン毎にかつ経過時間毎に更新されたページ数を有する過去の記録であるページ数管理表から経過時間毎に更新されたページ数を読み出し、仮想マシンを搭載する物理マシンから他の物理マシンに転送する1ページあたりの転送時間を有する過去の記録である転送時間記録表から1ページあたりの転送時間を読み出し、読み出されたページ数と転送時間とから、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を、仮想マシン毎に算出する算出手段と、
算出された転送時間が最も小さな仮想マシンを、移動対象の仮想マシンとして決定する仮想マシン決定手段と
を具えることを特徴とする、仮想マシン決定装置。
(付記7)
仮想マシン毎にかつ経過時間毎に更新されたページ数を有する過去の記録であるページ数管理表から経過時間毎に更新されたページ数を読み出し、仮想マシンを搭載する物理マシンから他の物理マシンに転送する1ページあたりの転送時間を有する過去の記録である転送時間記録表から1ページあたりの転送時間を読み出し、読み出されたページ数と転送
時間とから、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を、仮想マシン毎に算出するステップと、
算出された転送時間が最も小さな仮想マシンを、移動対象の仮想マシンとして決定するステップと
を含むことを特徴とする、仮想マシン決定方法。
104 …… push方式による転送先仮想マシン
202 …… 停止転送方式による転送元仮想マシン
204 …… 停止転送方式による転送先仮想マシン
302 …… pull方式による転送元仮想マシン
304 …… pull方式による転送先仮想マシン
400 …… 仮想マシン決定システム
402 …… 仮想マシン
404 …… 仮想マシン
406 …… 仮想マシン
410 …… 参照/更新頻度記録部
412 …… CPU時間記録部
414 …… 転送時間記録部
416 …… 方式選択部
418 …… VM選択部
420 …… 転送制御部
400-6 …… 仮想マシン決定システム
402-6 …… 仮想マシン
404-6 …… 仮想マシン
406-6 …… 仮想マシン
410-6 …… 参照/更新頻度記録部
414-6 …… 転送時間記録部
418-6 …… VM選択部
420-6 …… 転送制御部
400-8 …… 仮想マシン決定システム
402-8 …… 仮想マシン
404-8 …… 仮想マシン
406-8 …… 仮想マシン
410-8 …… 参照/更新頻度記録部
412-8 …… CPU時間記録部
418-8 …… VM選択部
420-8 …… 転送制御部
400-10 …… 仮想マシン決定システム
402-10 …… 仮想マシン
404-10 …… 仮想マシン
406-10 …… 仮想マシン
410-10 …… 参照/更新頻度記録部
414-10 …… 転送時間記録部
416-10 …… 方式選択部
420-10 …… 転送制御部
400-12 …… 仮想マシン決定システム
402-12 …… 仮想マシン
404-12 …… 仮想マシン
406-12 …… 仮想マシン
410-12 …… 参照/更新頻度記録部
412-12 …… CPU時間記録部
416-12 …… 方式選択部
420-12 …… 転送制御部
Claims (5)
- 物理マシン上の仮想マシンを他の物理マシン上の仮想マシンに移動する際の移動対象となる仮想マシンを決定する仮想マシン決定プログラムにおいて、コンピュータを、
仮想マシン毎にかつ経過時間毎に更新されたページ数を有する過去の記録であるページ数管理表から経過時間毎に更新されたページ数を読み出し、仮想マシンを搭載する物理マシンから他の物理マシンに転送する1ページあたりの転送時間を有する過去の記録である転送時間記録表から1ページあたりの転送時間を読み出し、読み出されたページ数と転送時間とから、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を、仮想マシン毎に算出する算出手段、
算出された転送時間が最も小さな仮想マシンを、移動対象の仮想マシンとして決定する仮想マシン決定手段、
として機能させるための仮想マシン決定プログラム。 - 前記更新されたページ数に代えて参照されたページ数であることを特徴とする請求項1記載の仮想マシン決定プログラム。
- 前記算出手段は、ページの移動方式毎に、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を算出し、
前記コンピュータを、
算出された転送時間が最も小さな移動方式を、仮想マシンの移動方式として決定する移動方式決定手段、
として更に機能させることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の仮想マシン決定プログラム。 - 仮想マシン毎にかつ経過時間毎に更新されたページ数を有する過去の記録であるページ数管理表から経過時間毎に更新されたページ数を読み出し、仮想マシンを搭載する物理マシンから他の物理マシンに転送する1ページあたりの転送時間を有する過去の記録である転送時間記録表から1ページあたりの転送時間を読み出し、読み出されたページ数と転送時間とから、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を、仮想マシン毎に算出する算出手段と、
算出された転送時間が最も小さな仮想マシンを、移動対象の仮想マシンとして決定する仮想マシン決定手段と
を具えることを特徴とする、仮想マシン決定装置。 - 仮想マシン毎にかつ経過時間毎に更新されたページ数を有する過去の記録であるページ数管理表から経過時間毎に更新されたページ数を読み出し、仮想マシンを搭載する物理マシンから他の物理マシンに転送する1ページあたりの転送時間を有する過去の記録である転送時間記録表から1ページあたりの転送時間を読み出し、読み出されたページ数と転送時間とから、所定の物理マシン上の所定の仮想マシンを他の物理マシン上の他の仮想マシンにページ転送するのに要する転送時間を、仮想マシン毎に算出するステップと、
算出された転送時間が最も小さな仮想マシンを、移動対象の仮想マシンとして決定するステップと
を含むことを特徴とする、仮想マシン決定方法。
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