JP4892654B2 - デルタレセプターアゴニスト化合物によるうつ病の治療方法 - Google Patents

デルタレセプターアゴニスト化合物によるうつ病の治療方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、うつ病もしくはその他感情気分障害、または病的精神および/または情緒状態にある、あるいはそれらを起こしやすい患者にデルタオピオイドレセプターアゴニスト化合物を、場合によってその他の薬剤と組合せて投与することにより、前記うつ病またはその他感情気分障害、あるいは病的精神および/または情緒状態を治療する化合物および方法に関するものである。
関連分野の説明
うつ病は治療が難しい精神病の一つである。この種の病気に罹った患者は、病気の診断を必要とする医学的処置を受けたがらないことが多い。これは、精神医学的支援を求めることに伴う不名誉に対する患者の恐れ、またはうつ病に伴う患者の無益感と関係することが多い。さらに一度患者が効果の上がる精神医学的支援を求め始めると、精神分析学的なアプローチのみで病気を上手く治療することは困難である。
米国精神医学会発行の精神病の診断および統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental disorders)、第4版、(DSM IV)では、うつ病は感情障害に分類されており、さらに次の3つのタイプに分けられている:大うつ病、気分変調性障害および他の分類に特定できない抑うつ障害に分けられる。大うつ病と気分変調性障害は、慢性度、重症度および持続性に基づいて区別される。大うつ病では抑うつした感情が2週間存在しなければならない。気分変調障害では、抑うつした感情が2週間存在しなければならない。気分変調障害では2年間にわたり、ほとんど毎日抑うつ感情が存在しなければならない。一般に、大うつ病は通常の活動との際立った対照を特徴とする。大うつ病の症状が発現している人は、正常に活動し感じ取ることができるが、突然重症の抑うつ症状を発症する。これに対し、気分変調性障害を持つヒトは慢性的に抑うつ状態にあるが、その症状の重症度は大うつ病に比べると低い。
うつ治療の一環として、様々な抗うつ組成物が開発されている。その例としてはセルタリン(登録商標ゾロフト(登録商標)(ZOLOFT)−ファイザー(Pfizer))、フルオキセチン(登録商標プロザック(登録商標)(PROZAC)−イーライリリー(Eli Lilly))、パロキセチン(商品名パキシル(PAXIL)(商標)−グラクソスミスクライン(Glaxo Smith Kline))およびフルボキサミン(商品名ルボックス(LUVOX)(商標))のような選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)がある。抗うつ組成物のその他の例としては、エラビル(ELAVIL)(商標)(メルク(Merck)、シャープアンドドーム(Sharpe and Dohme)のような三環系抗うつ薬;ブプロピオンのようなアミノケトン抗うつ薬;および双極性障害の治療に用いられる金属のリチウムが挙げられる。しかしながら、これら薬物は強力であり、嗜眠、思考混濁、集中能力の欠如、および性的不能といった問題のある副作用を起こすことが多い。多くの場合、これら薬物を6〜8週間服用すると、望ましい治療効果が現れる。治療効果が観察される前に、試行錯誤によって正しい薬物または薬物の組合せを決定しなければ成らない場合には、この期間が延びることもある。更に、最近の研究はこれらの薬物の多く有害な生理学的局面を持つことを示唆しており、そしてこれら薬物が小児や青年期の患者にどの様な影響を及ぼすかも分かっていない。
従って、効果のある、薬理学をベースとした、うつ病の治療が求められている。うつ病の治療に用いられている既知の組成物の作用を増強し、その副作用を軽減する治療の開発も望まれている。
発明の概要
本発明は、一つの態様においては、感情障害を罹っているか、または感情障害に対し感受性である患者の感情障害を治療する方法であって、次の一般式のジアリールメチルピペラジン化合物、
Figure 0004892654
(式中:
Arは炭素、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される原子を持つ5員もしくは6員炭素環式または複素環式芳香環であり、その第一炭素原子上に置換基Yを持ち、その第二環炭素上に置換基Rを持ち、
Yは:
水素;
ハロゲン;
〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル;
〜Cハロアルキル;
〜Cアルコキシ;
〜Cシクロアルコキシ;
式中のRがC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール成分およびC〜Cアルキル成分を有するアリールアルキル、またはC〜C10アリールである式SRのスルフィド;
式中のRが上記と同じである式SORのスルホキシド;
式中のRが上記と同じである式SOのスルホン;
ニトリル;
〜Cアシル;
式中のRが上記と同じである式NHCOのアルコキシカルボニルアミノ(カルバモイル);
カルボン酸またはそのエステル、アミドもしくは塩;
式中のRおよびR10が同一または異なっていてもよく、そして水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cメトキシアルキル、C〜CシクロアルキルまたはC〜C10アリールでよく、あるいはRおよびR10が一緒になって5または6原子の環を形成し、その環原子がNおよびCからなる群から選択される式CHNR10のアミノメチル;
式中のRおよびR10が上記に同一、またはそのC〜C30ペプチド共役体である式CONR10のカルボキサミド;ならびに
式中のRおよびR10が上記に同一である式SONR10のスルホンアミド;
からなる群から選択され:
は水素、ハロゲン、またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルであり;
Zは水素、ヒドロキシル、ハロゲンおよびアルコキシからなる群から選択され;
Arは炭素、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される原子を持つ
5員もしくは6員炭素環式または複素環式芳香環であって、その炭素原子上に置換基Xを持ち、
Xは水素、ハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)、ヒドロキシおよびアルコキシからなる群から選択される)、
あるいは薬学的に許容可能な前記化合物のエステルもしくは塩を含む治療用組成物の有効量を、前記患者に投与することを含む方法に関する。
Z群は第三炭素上に位置するのが好ましい。
本発明の化合物は、ジアリールメチルピペラジンおよびそのベンジル誘導体を、それらの各エステルおよび塩を含めて、主に参照しながら以下に説明するが、各種精神病の治療に関する本発明の方法には、ピペラジニル環がアリールアルキル置換基、例えばC〜Cアルキルもしくはアリール成分を有するアリールアルキルを有し、アリールがArであり、炭素、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される原子を持つ5もしくは6員炭素環式または複素環式芳香環であり、かつ炭素原子上に置換基Xを持ち、前記Xが水素、ハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)、ヒドロキシおよびアルコキシからなる群から選択される広範囲のジアリールメチルピペラジンの使用が包含されることを認識するだろう。
本発明の別の態様は、気分障害を罹っているかまたは感受性である患者の気分障害を治療する方法であって、以下の化合物:
Figure 0004892654
Figure 0004892654
Figure 0004892654
(式中G=O−アルキル、N(アルキル)およびその他薬学的に許容可能なそのエステル。)
および前記化合物の薬学的に許容可能なそのエステルおよび塩からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む治療用組成物の有効量を前記患者に投与することを含む方法である。
治療用組成物は適当な投与方法、例えば経口、直腸、局所、舌下、粘膜、鼻、眼、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、脊髄、髄腔内、関節内、動脈内、クモ膜下、気管支、リンパおよび子宮内投与からなる群から選択される投与様式により投与されるだろう。
本発明の更に別の態様は、気分障害を罹っているか、または感受性である患者の気分障害を治療する方法であって、以下の化合物;
Figure 0004892654
Figure 0004892654
Figure 0004892654
(式中G=O−アルキル、N(アルキル)およびその他薬学的に許容可能なそのエステル。)
ならびに前記化合物の薬学的に受け入れ可能なエステルおよび塩;
ならびに別の気分障害治療薬からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む治療用組成物の有効量を前記患者に投与することを含む方法である。
気分障害治療薬はそれに相応しいタイプであればいずれでもよく、三環系抗うつ薬、MAO阻害薬、5−HTアゴニストおよびアンタゴニスト、アミノケトン、セロトニン再取込阻害薬およびアドレナリン作動性再取込阻害薬が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の具体的実施形態の一つでは、投与される治療用組成物中にジアリールメチルピペラジン化合物および/またはデルタオピオイドレセプターアゴニストではない別の気分障害治療薬が用いられる。
本発明の更なる態様は、気分障害に罹っているか、または感受性である患者の気分障害を治療するための組成物であって、以下の化合物;
Figure 0004892654
Figure 0004892654
Figure 0004892654
(式中G=O−アルキル、N(アルキル)およびその他薬学的に許容可能なそのエステル。)
ならびに前記化合物の薬学的に許容可能なそのエステルおよび塩からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む組成物に関する。さらに、治療用組成物は、三環系抗うつ薬、MAO阻害薬、5−HTアゴニストおよびアンタゴニスト、アミノケトン、セロトニン再取込阻害薬およびアドレナリン作動性再取込阻害薬を包含する他の気分障害治療薬を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の別の態様は、気分障害に罹っているかまたは感受性である患者の気分障害を治療する治療用組成物であって、以下の一般式のジアリールメチルピペラジン化合物:
Figure 0004892654
(式中:
Arは炭素、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される原子を持つ5員もしくは6員炭素環式または複素環式芳香環であり、その第一炭素原子上に置換基Yを持ち、その第二環炭素上に置換基Rを持ち、
Yは:
水素;
ハロゲン;
〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル;
〜Cハロアルキル;
〜Cアルコキシ;
〜Cシクロアルコキシ;
式中のRがC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜C10アリール成分とC〜Cアルキル成分を有するアリールアルキル、またはC〜C10アリールである式SRのスルフィド;
式中のRが上記と同じである式SORのスルホキシド;
式中のRが上記と同じである式SOのスルホン;
ニトリル;
〜Cアシル;
式中のRが上記と同じである式NHCOのアルコキシカルボニルアミノ(カルバモイル);
カルボン酸またはそのエステル、アミドもしくは塩;
式中のRおよびR10は同一でも、または異なっていてもよく、そして水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cメトキシアルキル、C〜CシクロアルキルまたはC〜C10アリールでよく、あるいはRおよびR10が一緒になって5または6原子の環を形成し、その環原子がNおよびCからなる群から選択される式CHNR10のアミノメチル;
式中のRおよびR10が上記に同一、またはそのC〜C30ペプチド共役体である式CONR10のカルボキサミド;ならびに
式中のRおよびR10が上記に同一である式SONR10のスルホンアミド;
からなる群から選択され:
は水素、ハロゲン、またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルであり;
Zは水素、ヒドロキシル、ハロゲンおよびアルコキシからなる群から選択され;
Arは炭素、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される原子を持つ5員もしくは6員炭素環式または複素環式芳香環であって、その炭素原子上に置換基Xを持ち、
Xは水素、ハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素)、ヒドロキシおよびアルコキシからなる群から選択される);
あるいは、薬学的に許容可能な前記化合物のエステルもしくは塩;ならびに別の気分障害治療薬、たとえば三環系抗うつ薬、MAO阻害薬、5−HTアゴニストおよびアンタゴニスト、アミノケトン、セロトニン再取込阻害薬およびアドレナリン作動性再取込阻害薬等からなる群から選択される追加薬を含む、治療用組成物に関する。
本発明の別の態様は、気分障害に罹っているかまたは感受性である患者の気分障害を治療する治療用組成物であって、以下の一般式のジアリールメチルピペラジン化合物:
Figure 0004892654
(式中:
Arは、その炭素原子上に置換基Yを有し、前記Yが式中のRおよびR10が共にエチル基である式CONR10のカルボキサミドである6員炭素環式芳香環であり;
Zは水素、ヒドロキシルおよびアルコキシからなる群から選択され;そして
Arはその炭素原子上に置換基Xを有し、かつ前記のXがハロゲンである6員炭素乾式芳香環である)、
または薬学的に許容可能なそのエステルまたは塩を含む、治療用組成物に関する。
一般式(2)のジアリールメチルピペラジン化合物を含む治療用組成物は、気分障害に罹っているかまたは感受性である患者に治療用組成物の有効量を投与するのであれば、単独で使用しても、または別の気分障害治療薬と組合せて使用して前記患者の気分障害を治療してもよい。
本発明の様々なその他の態様、特徴および実施形態は、以下の開示および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるだろう。
発明の詳細な説明およびその好ましい実施形態
本発明の方法の広範囲な態様の一つでは、以下に詳細記載するジアリールメチルピペラジン化合物を、気分障害またはその他病的情緒状態の治療を必要とする患者に、その治療を目的として投与する。
ジアリールメチルピペラジン化合物は、そのピペラジン環をベンジルもしくはその他のアリールアルキルまたはアリールカルビル基で置換してもよく、その場合のアリール成分は場合によっては水素、1もしくはそれ以上のハロ置換基、またはアルコキシ基で置換され、そしてその種の化合物またはその種の化合物の薬学的に許容可能なエステルもしくは塩が、治療を必要とする患者に投与される。この種の化合物は、上記の各種式(i)〜(xxi)の化合物を包含する上記一般式(1)また(2)の化合物であろう。
本発明はうつ病、例えば双極性躁うつ病、季節感情障害等の抑うつ症を含むが、これらに限定されない気分障害ならびにその他の病的精神および情緒状態の治療を目的としている。本発明による治療は本発明の化合物を投与する治療用組成物中に単独治療薬として含む単剤治療、または本発明による化合物を別の治療薬と一緒に同時存在的、例えば同時もしくは連続的に投与する併用治療で利用するのが有利である。この種の併用治療の例示としては、塩化リチウムと本発明のジアリールメチルピペラジン化合物の投与を包含する双極性躁うつ病の治療が挙げられる。
本発明の特に好ましい方法の態様では、抑うつはその種の治療を必要とする患者に式(i)〜(xxi)の化合物、または薬学的に受け入れ可能なそのエステルもしくは塩を投与することにより治療する。
式(1)および(2)の化合物の薬学的に許容可能なエステルの例としては、式中のZがOHである式(1)および(2)の化合物中のヒドロキシル基のカルボン酸エステルであって、前記エステル群のカルボン酸部分の非カルボニル成分が直鎖または分岐アルキル(例えばn−プロピル、t−ブチル、n−ブチル)、アルコキシアルキル(例えばメトキシメチル)、アリールアルキル(例えばベンジル)、アリールオキシアルキ(例えばフェノキシメチル)およびアリール(例えばフェニル);アルキル−、アリール、またはアリールアルキルスルホニル(例えばメタンスルホニル);アミノ酸エステル(例えばL−バリルもしくはL−イソロイシル);ジカルボン酸エステル(例えばヘミスクシンネート);カルボネートエステル(例えばエトキシカルボニル);カルバミン酸エステル(例えばジメチルアミノカルボニル、(2−アミノエチル)アミノカルボニル);ならびに無機エステル(例えばモノ−、ジ−もしくはトリリン酸エステル)から選択されるカルボン酸エステルが挙げられる。
式(1)および(2)の化合物の薬学的に許容可能な塩の例としては、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)、アルカリ土金属(例えばカルシウム、マグネシウム)、アンモニウムおよびNR’ (式中のR’はC〜Cアルキル)の様な適当な塩基に由来する塩が挙げられる。アミノ基の薬学的に受け入れ可能な塩としては:酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、ラクトビオニック(lactobionic)酸、フマル酸およびコハク酸の様な有機カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イソチオニック酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸の様な有機スルホン酸;ならびに塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸の様な無機酸の塩が挙げられる。ヒドロキシル基を有する化合物の薬学的に許容可能な塩は、前記化合物のアニオンとNa、NH 、またはNR’ (式中のR’は、例えばC〜Cアルキル基である)の様な好適なカチオンとの組合せよりなる。
治療への使用に関しては、式(i)〜(xxi)の化合物の塩は薬学的に許容可能なもの、即ちそれらは薬学的に許容可能な酸または塩基に由来する塩であろう。しかし薬学的に許容されない酸または塩基の塩もまた、例えば薬学的に許容な化合物の調製または精製に利用できるかもしれない。薬学的に許容可能な酸または塩基に由来するか否かにかかわらず、全ての塩が本発明の範囲内である。
実際に本発明で広く用いられるデルタオピオイドレセプター結合化合物は適合するものであればいずれのタイプでもよく、例えばそのピペラジン環上に場合によりベンジル置換基による置換があり、次に前記ベンジル基のフェニル環が、場合により、水素、アルコキシまたは少なくとも1個のハロゲン置換基により置換されたジアリールメチルピペラジン化合物でも、あるいはアリール成分がピリジン環またはその他の複素環成分であるアリールアルキル基によりそのピペラジン環が置換されたジアリールメチルピペラジン化合物でよい。
本発明の特に好ましい態様の一つでは、治療薬は式(i)〜(xxi)のジアリールメチルピペラジン化合物、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である。
本明細書の中で本発明に関して使用する場合、用語「アルキル」とは:(i)直鎖および分岐型のアルキル基;(ii)非置換および置換アルキル基(この場合の置換アルキル基の置換基はかかるアルキル基と互換性があり、かつ、その目的の利用に関するジアリールメチルピペラジン化合物の効力を排除しない立体的に受け入れ可能である置換基であればいずれでもよく(置換アルキル基の置換基例としてはハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素およびヨウ素)、アミノ、アミド、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ニトロ、ヒドロキシ等が挙げられる));(iii)飽和型アルキル基ならびに不飽和型アルキル基(不飽和型アルキル基の例としてはかかるアルキル基と互換性があり、かつ、その目的の利用に関するジアリールメチルピペラジン化合物の効力を排除しない立体的に許容可能な不飽和を含むアルケニル置換アルキル基(例えばアリル、メタリル、プロパリル、ブテニルメチル等)、アルキニル置換アルキル基、およびその他のアルキル基);ならびに(iv)結合または架橋成分、例えば窒素、酸素、イオウ等のヘテロ原子を含むアルキル基、を包含するものとして広義に解釈するものとする。
本明細書の中で本発明に関して使用する場合、用語「アリール」とは炭素環式(例えばフェニル、ナフチル)ならびに複素環式芳香基(例えばピリジル、チエニル、フラニル等)を意味し、同時に非置換ならびに置換アリール基を包含するものとして広義に解釈するものであり、この場合、置換アリール基の置換基としてはかかるアリール基と互換性があり、かつ、その目的の利用に関するジアリールメチルピペラジン化合物の効力を排除しないいずれかの立体的に許容可能である置換基を挙げられる。置換アリール基の置換基の例としては水素、1またはそれ以上のハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素およびヨウ素)、アミノ、アミド、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C〜Cアルキル成分を含むヒドロキシアルキル等が挙げられる。
本発明が企図する化合物としては、一般式(1)および(2)それ自体の化合物、ならびにその生理学的に機能的な誘導体が挙げられる。
「生理学的に機能的な誘導体」とは、一般式(1)もしくは(2)の化合物の薬学的に許容可能な塩、エーテル、エステルまたはエーテルもしくはエステルの塩、あるいはレシピエントに投与された時に一般式(1)または(2)の前記化合物またはその活性代謝物または残基を提供できるその他化合物を意味する。フェノールC〜Cアルキルエーテルは、式(i)〜(xxi)の化合物の生理学的に機能的な誘導体のサブクラスである。
本発明はまた獣医学およびヒトの医学利用の両方に関する医薬製剤も企図しており、それらは活性作用物質として1またはそれ以上の発明の化合物を含む。
かかる医薬製剤では、活性作用物質は1またはそれ以上の薬学的に許容可能なキャリア、および随意にその他治療成分と一緒に利用されることが好ましい。キャリアは製剤のその他成分と適合し、そして製剤のレシピエントに過度に有害ではないという意味に於いて薬学的に許容可能でなければならない。活性作用物質は上記の如くに望まれる薬理学的作用を達成するのに十分な量、および望まれる一日用量を達成するのに適当な量が与えられる。
製剤は腸管および非腸管投与に好適である製剤を包含し、そして具体的投与様式としては経口、直腸、局所、舌下、粘膜、鼻、眼、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、脊髄、髄腔内、関節内、動脈内、クモ膜下、気管支、リンパおよび子宮内投与が挙げられる。
活性作用物質が溶液剤を含む製剤に用いられる場合、製剤は腸管投与に有利だろう。活性作用物質が液体懸濁製剤、または生体適合性キャリア製剤中に粉末の形で用いられる場合、製剤は経口、直腸または気管支投与に有利だろう。
活性作用物質が粉末状の固体の形で直接使用される場合、活性作用物質は経口投与に有利であろう。あるいは、それは、キャリアガス中の粉末噴霧を介して気管支に投与され、好適な噴霧装置を含む呼吸回路から患者によって吸入されて、粉末の気体分散剤を形成するだろう。
幾つかの応用では、活性作用物質は、例えば、活性作用物質をリポソーム又はその他のカプセル化媒体中にカプセル化する、あるいはタンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質および多糖類から選択されるような生体分子に、例えば共有結合、キレート化または結合的な配位によって活性作用物質を固定化する「ベクター化」された形状で有利に利用されるだろう。
本発明の活性作用物質を含む製剤は適宜単位投与形態を取っても良く、また製薬分野周知のいずれかの方法により調製されるだろう。この様な方法は、一般に活性成分を1またはそれ以上の補助成分を構成するキャリアと混合するステップを含む。典型的には、製剤は活性成分を液体キャリア、微細に分割された固体キャリア、またはその両方と均一かつ完全に混合し、次に必要に応じて、生成物を希望する製剤の投与形状に成形することで調製される。
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル、カシェ剤、錠剤またはトローチ剤の様な、それぞれが所定量の活性成分を粉末または顆粒の形で含む分離単位;あるいはシロップ、エリクシル、乳剤または頓服水剤の様な水溶液または非水溶液を呈するだろう。
錠剤は、場合によって1またはそれ以上の補助成分と共に、圧縮または成形することで作られるだろう。圧縮錠剤は好適な機器の中で圧縮し、活性化合物を粉末または顆粒といった流動形状にし、これに随意結合剤、崩壊剤、潤滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤もしくは放出剤を混合する。粉末化された活性化合物と好適キャリアの混合物を含む成形錠剤は、好適な成形機により成形してもよい。
シロップは活性化合物を、例えばショ糖の様な濃縮糖水溶液に加えて作られるが、これに更に補助成分を加えても良い。この様な補助成分としては、芳香剤、好適保存剤、糖の結晶化を遅らせる作用物質、および例えばグリセロールもしくはソルビトールのようなポリヒドロキシアルコールといった他成分の溶解性を上げる作用物質が挙げられるだろう。
腸管投与に好適な製剤は、活性化合物の無菌水性配合物を含むと有利であり、配合物はレシピエントの血液と等張であることが好ましい(例えば生理学的生理食塩水)。この種の製剤は懸濁剤および増量剤、ならびに血液成分またはその他の1もしくはそれ以上の臓器に化合物を方向付けするようデザインされたリポソームまたはその他マイクロパーティクルシステムを含んでもよい。本製剤は単位投与量または複数回投与の形態を取ってもよい。
鼻噴霧製剤は活性化合物の精製水溶液を保存剤および等張剤と共に含む。この種の製剤は、鼻粘膜に適合したpHおよび等張状態に調整されることが好ましい。
直腸投与製剤は、ココアバター、硬化脂肪または硬化脂肪カルボン酸の様な好適キャリアを使った座薬として提供されるだろう。
眼薬は、pHおよび等張要素が眼に併せて好ましく調整されることを除き、鼻噴霧剤と同様の方法で調製される。
局所製剤は、ミネラルオイル、鉱油、ポリヒドロキシアルコールまたは局所医薬製剤に使用されるその他の基材といった、1またはそれ以上の媒体の中に溶解または懸濁された活性化合物を含む。
経皮製剤は、活性作用物質を、例えばメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースの様なセルロース媒体といったチキソトロピーまたはゲル状キャリア内に取込むことで調製され、その結果得られた製剤は次に使用者の皮膚と安全に接触するよう調整された経皮手段内に包装されるだろう。
上記成分に加えて、本発明の製剤は更に希釈剤、緩衝剤、芳香剤、結合剤、崩壊剤、表面活性剤、増量剤、潤滑剤、保存剤(酸化防止剤を含む)等より選択される1またはそれ以上の補助成分を含んでもよい。
本発明の化合物は、治療対象となる具体的状態に応じて、当業者により容易かつ特段の実験なしに決定できる治療に有効的かつ安全な好適用量で、動物被検体に投与することができるだろう。
一般的に治療的な使用に関する本発明化合物の有効な用量は、広範な本発明の実務の中では関係する具体的条件に応じて大きく変動するだろうが、その変動は当業者により容易に決定できるものであり、ここに記載の関連組成物それぞれ、およびここに記載の各状態の治療で達成される治療上の利点に関する本発明の化合物の好適治療用量は10マイクログラム(μg)〜100ミリグラム(mg)/レシピエント体重kg/日の範囲内であり、好ましくは50μg〜75mg/kg体重/日の範囲内であり、最も好ましくは100μg〜50mg/kg体重/日の範囲内であろう。所望の用量は、その1日を通し適当な間隔を開けて2、3、4、5、6、またはそれ以上の分割用量にて投与してもよい。これら分割用量は、例えば単位投与形態当たり活性成分10μgから1000mg、好ましくは50μg〜500mg、より好ましくは50μg〜250mg、そして最も好ましくは50μg〜10mgを含む単位投与形状で投与されるだろう。
投与方法および投与形状は、所定の治療応用に望ましく、かつ効能を示す化合物の治療量にもちろん影響するだろう。
例えば、経口投与用量は一般に、同じ活性成分であれば、腸管投与法で用いられる用量レベルの少なくとも2倍、例えば2〜10倍である。経口投与の場合、本発明の化合物の投与レベルは5〜200mg/70kg体重/日のオーダーであろう。錠剤投与形状では、典型的な活性作用物質の用量レベルは10〜100mg/体重のオーダーである。
以下の実施例は本発明の化合物を作製するのに好都合に利用できるであろう合成方法の例示である。
実施例1
Figure 0004892654
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S、5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
3−ブロモフェノール(400g、2.31モル)、t−ブチルクロロジメチルシラン(391g、2.54モル)およびイミダゾール(346g、5.08モル)のジクロロメタン5000mLの溶液を一晩、室温にて攪拌した。反応溶液を2000mLの水に注ぎ込み、層分離を行った。有機層を1Nの水酸化ナトリウム水溶液(3×1500mL)および水(2×1500mL)で洗浄し、その後シリカゲルのパッド(400g、シリカ60、230〜400メッシュ)を通した。前記シリカゲルをジクロロメタン(2×500mL)で洗浄し、濾液を集めて、減圧下に溶媒を除き透明な淡黄色の液体として3−(ブロモフェノキシ)−t−ブチルジメチルシラン669g(98.4%)を得た。NMR(300MHz、CDCl):δ0.2(s、6H);1.0(s、9H);6.75(m、1H);7.0(br s、1H);7.1(m、2H)。
3−ブロモフェノキシ−t−ブチルジメチルシラン(27.3g、92.6ミリモル)とジブロモエタン(3.45g、18.4ミリモル)の阻害剤を含まない無水テトラヒドロフラン混合液100mLを、マグネシウム削屑(3.57g、147ミリモル)の阻害剤を含まない無水テトラヒドロフラン液200mLに還流しながらゆっくり加えて、臭化3−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニルマグネシウムを形成した。還流しながら1時間攪拌した後、明るい茶色をした透明な混合液を室温まで冷却した。
4−カルボキシベンズアルデヒド(100.3g、0.67モル)をトルエン(1200mLに溶解/懸濁し、ジメチルホルムアミド(0.15mL)を加え、塩化チオニル(53.5mL、87.2g、0.73モル)を滴下して加えながら懸濁液を攪拌した。反応混合液を窒素下に加熱して還流しながら2時間攪拌したが、その間に全てではないが殆どのアルデヒド−酸が溶液内に溶解した。更に塩化チオニル(20mL、32.6g、0.27モル)を加えて一晩還流し続けた。透明な反応混合液を蒸発させ、残留物を無水テトラヒドロフラン(1500mL)に溶解した。溶液を氷/水槽内で冷却し、ジエチルアミン(173mL、122g、1.67モル(2.5当量))を攪拌中の溶液に滴下して加えた。氷槽を取り除き、さらに2.5時間攪拌を続けた。反応混合液を濾過して副産物である白色結晶の塩酸ジエチルアミンを除いた。結晶を酢酸エチル(2×600mL)で洗浄し、この洗浄液を別途保管した。テトラヒドロフラン濾液を蒸発し、残留物を酢酸エチル洗浄液中に溶解した。溶液を1M−塩酸(2×600mL)、水(2×300mL)、炭酸ナトリウム希釈溶液(飽和液:HO、1:1、2×600mL)、水(2×300mL)および塩化ナトリウム飽和溶液(300mL)で順番に洗浄した。有機層を分離して無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発して淡い茶色のオイルとして4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミドを生成し、これをそれ以上精製することなく用いた。(収量115.7g、84%)
凝縮装置とディーン−シュターク(Dean−Stark)トラップを装着した1000mLの丸底フラスコ内に、4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(9.50g、46.3ミリモル)、ベンゾトリアゾール(5.51g、46.3ミリモル)および(2R,5S)−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(7.15g、46.3ミリモル、キロテックテクノロジー、Ltd.,ケンブリッジ、英国(Chirotech Technology, Ltd., Cambridge, England)を400mLのトルエンと一緒に混合した。反応溶液をトラップ内に追加の水が観察されなくなるまで窒素存在下に加熱して還流した(約2時間)。反応溶液を室温まで冷却し、真空下に容積が約50mLになるまで凝縮した。窒素存在下にフラスコに無水テトラヒドロフラン(100mL)を攪拌しながら加え、全ての残留物を溶解した。ベンゾトリアゾール付加物溶液を、室温にて両頭針を用いて臭化3−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニルマグネシウム(上記)溶液に加えた。2時間攪拌した後、20mLの飽和塩化アンモニウム水を加えて急冷した。無水硫酸マグネシウムを加えてから反応溶液を濾過した。溶媒を真空下に除いてから残留物を800mLの酢酸エチルに再溶解した。酢酸エチル溶液を1Mの水酸化ナトリウム200mLで4回、水200mL、飽和塩化ナトリウム水200mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を除いて32.7gの黒いオイルを得た。前記オイルをテトラヒドロフラン250mLと3Mの塩酸250mLに溶解し、室温で2時間攪拌した。反応溶液を2:1ジエチルエーテル/酢酸エチル液250mLで3回抽出した。酢酸エチル(300mL)を水層に加え、水酸化ナトリウム水を用いてpHを8に調整した。層を分離してから水部分を酢酸エチル300mLで更に3回抽出した。一つにまとめた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、濡水硫酸ナトリウム上で乾燥して、真空下に溶媒を取り除いて茶色の残留物12.4gを得た。残留物はシリカゲル300mgのクロマトグラフィーを用い、1〜15%のジクロロメタン中エタノール勾配にて溶出して精製し、無色のゴムとして4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド5.54gを得た(4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミドから27%)。
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(0.87g、2.0ミリモル)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、さらにトリエチルアミン(0.919mL、0.667g、6.6ミリモル)を加えた。N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.785g、2.2ミリモル)を加え、反応混合液を窒素下に密封し、室温で一晩攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥させ、残留物を酢酸エチル(20mL)に溶解し、溶液を5%炭酸ナトリウム溶液で抽出した(2×15mL)。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥してから蒸発させて粘性の琥珀色のオイルを得た。残留物を塩化メチレン(5mL)に溶解し、シリカゲルのカラム(4×30cm)にかけ、エタノール/塩化メチレン(2:98v/v)で溶出した。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EM60F254、2%NHOHの酢酸エチル液、Rf=0.78)にて所望生成物を含むことを確認した精製分画を蒸発して乾燥し、黄色/琥珀色のオイルとして4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(0.72g)を得た。H NMR(CDCl、500MHz);δ1.00(d、J=6.2Hz、3H);1.12(br m、3H);1.21(d、J=6.1Hz、3H);1.25(br m、3H);1.83(t、J=10.6Hz、1H);2.60(m、3H);2.91(dd J=11.4、2.7、1H);3.02(m、1H);3.18(br s、2H);3.28(br m、2H);3.46(dd J=13.7、5.5Hz、1H);3.55(br m、2H);5.25(m、2H);5.31(s、1H);5.88(m、1H);7.02(d、J=7.7Hz、1H);7.05(s、1H);7.23(m、2H);7.32(d、J=8.1Hz、2H);7.40(d、J=8.1Hz、2H);7.46(t、J=7.9Hz、1H)。
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(0.72g、1.286ミリモル)およびチオサリチル酸(234.7mg、1.522ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(4mL)溶液を窒素存在下に、ビス(ジベンジリジンアセトン)パラジウム(36.46mg、0.0634ミリモル)および1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(27.04mg、0.0634ミリモル)をテトラヒドロフラン(0.5mL)中に溶解して調製した触媒溶液と共に3時間、室温にて攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥し、残留物を酢酸エチル/エーテル(1:3、20mL)混合液に溶解し、5%炭酸ナトリウム溶液(2×15mL)で抽出した。有機層を2倍容積のペンタンで希釈し、3M−塩酸(5×4mL)で抽出した。水溶液を濃アンモニア溶液でpH9〜10に調整してから塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。一つにまとめた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発してもろい淡黄色の泡沫体として4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチル−スルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(0.63g)を得た。生成物は薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EM60F264、2%NHOHの酢酸エチル液、Rf=0.33)上に単一スポットを示した。H NMR(CDCl、500MHz);δ0.95(d、J=6Hz、3H);1.13(br m、3H);1.20(d、J=6.1Hz、3H);1.26(br m、3H);1.50(t、J=9.7Hz、1H);2.31(m、1H);2.64(dd J=11.3、2.5、1H);2.71(m、1H);2.95(m、1H);3.29(br m、2H)3.56(br m、2H);5.43(s、1H);7.04(m、1H);7.21(d、J=7.7、1H);7.24(dd、J=8.2、2.2Hz、1H);7.34(d、J=8.2Hz、2H);7.42(d、J=8.1Hz、2H);7.48(t、J=8Hz、1H)。
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(527.6mg、1.0ミリモル)をアセトニトリル(4.0mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(30mg、0.2ミリモル)を加えた。懸濁液を、トリエチルアミン(800μL(580.8mg)、5.74ミリモル)、臭化4−フルオロベンジル(249μL、378mg、2.0ミリモル)の順番で添加しながら攪拌した。反応混合液を窒素下に密封し、一晩、室温で攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥させた後、残留物を酢酸エチル(10mL)に溶解した。有機溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×5mL)および飽和塩化ナトリウム溶液(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、金色のオイル(シリカゲル上単一スポット、EM60F264、2%NHOHの酢酸エチル液、R=0.86)になるまで蒸発した。この中間物4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(608.9mg)をそれ以上精製せずに用いた。オイルをエタノール(8mL)に溶解して、2.5M(10%)水酸化ナトリウム水溶液(5mL、12.5ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で3.5時間攪拌してから、エタノールを蒸発して除いた。ナトリウム塩の油性懸濁液に水(7.5mL)を添加して透明にし、二酸化炭素ガスを通気して(ドライアイスから)溶液のpHを8.5〜9に調整した。おびただしい白色の沈殿を濾過により集め、水でよく洗浄し、真空下(2mmHg)、室温で一晩乾燥して白色の固体として4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た(423.6mg、84%)。C3138FNの理論値 C、73.93;H、7.61;N,8.34。実測値 C、73.91;H、7.65;N、8.21% H NMR(CDCl、300MHz);δ1.05(d、J=6.3Hz、3H);1.07(d、J=6.3Hz、3H);1.11(br m、3H);1.25(br m、3H);1.97(m、2H);2.53(br m、1H);2.57(br m、1H);2.61(dd J=9、2.6Hz、1H);2.65(dd、J=9、2.4Hz、1H);3.14(d、J=13Hz、1H);3.28(br m、2H)3.54(br m、2H);3.87(d、J=13Hz、1H);5.13(s、1H);6.62(s、1H);6.70(m、2H);6.69(t、J=8.5Hz、2H);7.13(t、J=7.8Hz、1H);7.24(m、2H);7.28(d、J=8.2Hz、2H);7.43(d、J=8.1Hz、2H)。
実施例2
Figure 0004892654
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
3−ブロモフェノール(400g、2.31モル)、t−ブチルクロロジメチルシラン(391g、2.54モル)およびイミダゾール(346g、5.08モル)のジクロロメタン溶液5000mLを一晩、室温で攪拌した。反応溶液を2000mLの水に注ぎ込み、層分離を行った。有機層を1Nの水酸化ナトリウム水溶液(3×1500mL)および水(2×1500mL)で洗浄し、その後シリカゲルのパッド(400g、シリカ60、230〜400メッシュ)を通過させた。シリカゲルをジクロロメタン(2×500mL)で洗浄し、濾液を集めて、減圧下に溶媒を除き透明な淡黄色の液体として669g(98.4%)の3−(ブロモフェノキシ)−t−ブチルジメチルシランを得た。NMR(300 MHz、CDCl):δ0.2(s、6H);1.0(s、9H);6.75(m、1H);7.0(br s、1H);7.1(m、2H)。
3−ブロモフェノキシ−t−ブチルジメチルシラン(27.3g、92.6ミリモル)とジブロモエタン(3.45g、18.4ミリモル)の阻害剤を含まない無水テトラヒドロフラン混合液100mLを、マグネシウム削屑(3.57g、147ミリモル)の阻害剤を含まない無水テトラヒドロフラン液に還流しながらゆっくり加えて、臭化3−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニルマグネシウムを形成した。還流しながら1時間攪拌した後、明るい茶色をした透明な混合液を室温まで冷却した。
4−カルボキシベンズアルデヒド(100.3g、0.67モル)をトルエン(1200mLに溶解/懸濁し、ジメチルホルムアミド(0.15mL)を加え、塩化チオニル(53.5mL、87.2g、0.73モル)を滴下し加えながら懸濁液を攪拌した。反応混合液を窒素下に加熱して還流し、2時間攪拌し、その間に全てではないがほとんどのアルデヒド−酸が溶液に変化した。更に塩化チオニル(20mL、32.6g、0.27モル)を加えて一晩還流し続けた。透明な反応混合液を蒸発させ、残留物を無水テトラヒドロフラン(1500mL)に溶解した。この液を氷/水槽内で冷却し、ジエチルアミン(173mL、122g、1.67モル(2.5当量))を攪拌中の溶液に滴下して加えた。氷槽を取り除き、さらに2.5時間攪拌を続けた。反応混合液を濾過して副産物である白色結晶の塩酸ジエチルアミンを除いた。結晶を酢酸エチル(2×600mL)で洗浄し、この洗浄液を別途保管した。テトラヒドロフラン濾液を蒸発し、残留物を酢酸エチル洗浄液中に溶解した。溶液を1M−塩酸(2×600mL)、水2×300mL)、炭酸ナトリウム希釈溶液(飽和液:HO、1:1、2×600mL)、水(2×300mL)および塩化ナトリウム飽和溶液(300mL)で順番に洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて淡い茶色のオイルの形で4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミドを生成、これをそれ以上精製することなく用いた。(収量115.7g、84%)
凝縮装置とディーン−シュターク(Dean−Stark)トラップを装着した1000mLの丸底フラスコ内に、4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(9.50g、46.3ミリモル)、ベンゾトリアゾール(5.51g、46.3ミリモル)および(2R,5S)−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(7.15g、46.3ミリモル、英国ケンブリッジのキロテックテクノロジー、Ltd.,(Chirotech Technology, Ltd., Cambridge, England)を400mLのトルエンと一緒に混合した。反応溶液をトラップ内に追加の水が観察されなくなるまで窒素存在下に加熱して還流した(約2時間)。反応溶液を室温まで冷却し、真空下に容積が約50mLになるまで凝縮した。窒素存在下にフラスコに無水テトラヒドロフラン(100mL)を攪拌しながら加え、全ての残留物を溶解した。ベンゾトリアゾール付加物溶液を、室温にて両頭針を用いて臭化3−t−ブチルジメチルシリルオキシフェニルマグネシウム(上記)溶液に加えた。2時間攪拌した後、20mLの飽和塩化アンモニウム水を加えて急冷した。無水硫酸マグネシウムを加えてから反応溶液を濾過した。溶媒を真空下に除いてから残留物を800mLの酢酸エチルに再溶解した。酢酸エチル溶液を1Mの水酸化ナトリウム200mLで4回、水200mL、飽和塩化ナトリウム水200mLで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を除いて32.7gの黒いオイルを得た。前記オイルをテトラヒドロフラン250mLと3Mの塩酸250mLに溶解し、室温で2時間攪拌した。反応溶液を2:1ジエチルエーテル/酢酸エチル液250mLで3回抽出した。酢酸エチル(300mL)を水層に加え、水酸化ナトリウム水を用いてpHを8に調整した。層を分離してから水部分を酢酸エチル300mLで更に3回抽出した。一つにまとめた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥して、真空下に溶媒を取り除いて茶色の残留物12.4gを得た。残留物はシリカゲル300mgのクロマトグラフィーを用い、1〜15%のジクロロメタン中エタノール勾配にて溶出して精製し、無色のゴムとして4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド5.54gを得た(4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミドから27%)。
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(4.87g、11.2ミリモル)を塩化メチレン(60mL)に溶解し、さらにトリエチルアミン(5.15mL、3.73g、37ミリモル)を加えた。N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(4.40g、12.3ミリモル)を加え、反応混合液を窒素下に密封し、室温で一晩攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥させ、残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、溶液を5%炭酸ナトリウム溶液で抽出した(2×75mL)。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥してから蒸発させて粘性の琥珀色のオイルを得た。残留物を塩化メチレン(30mL)に溶解し、シリカゲル(1000g)のカラムにかけ、エタノール/塩化メチレン(2:98v/v)で溶出した。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EM60F254、2%NHOHの酢酸エチル液、R=0.78)にて確認した所望生成物を含む精製分画を蒸発して乾燥し黄色/琥珀色のオイルとして4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(4.03g)を得た。H NMR(CDCl、500MHz);δ1.00(d、J=6.2Hz、3H);1.12(br m、3H);1.21(d、J=6.1Hz、3H);1.25(br m、3H);1.83(t、J=10.6Hz、1H);2.60(m、3H);2.91(dd J=11.4、2.7、1H);3.02(m、1H);3.18(br s、2H);3.28(br m、2H);3.46(dd J=13.7、5.5Hz、1H);3.55(br m、2H);5.25(m、2H);5.31(s、1H);5.88(m、1H);7.02(d、J=7.7Hz、1H);7.05(s、1H);7.23(m、2H);7.32(d、J=8.1Hz、2H);7.40(d、J=8.1Hz、2H);7.46(t、J=7.9Hz、1H)。
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(4.03g、7.20ミリモル)およびチオサリチル酸(1.32g、8.52ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(25mL)溶液を窒素下に、ビス(ジベンジリジンアセトン)パラジウム(204mg、0.335ミリモル)および1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(151mg、0.355ミリモル)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解して調製した触媒溶液と共に3時間、室温にて攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥し、残留物を酢酸エチル/エーテル(1:3、125mL)混合液に溶解し、5%炭酸ナトリウム溶液(2×75mL)で抽出した。有機層を2倍容積のペンタンで希釈し、3M−塩酸(5×25mL)で抽出した。水溶液を濃アンモニア溶液でpH9〜10に調整してから塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。一つにまとめた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて脆性の淡黄色の泡沫体として4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチル−スルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(3.53g)を得た。前記生成物は薄層クロマトグラフィー上に単一のスポットを示した(シリカゲル、EM60F264、2%NHOHの酢酸エチル液、R=0.33)。H NMR(CDCl、500MHz);δ0.95(d、J=6Hz、3H);1.13(br m、3H);1.20(d、J=6.1Hz、3H);1.26(br m、3H);1.50(t、J=9.7Hz、1H);2.31(m、1H);2.64(dd J=11.3、2.5、1H);2.71(m、1H);2.95(m、1H);3.29(br m、2H)3.56(br m、2H);5.43(s、1H);7.04(m、1H);7.21(d、J=7.7、1H);7.24(dd、J=8.2、2.2Hz、1H);7.34(d、J=8.2Hz、2H);7.42(d、J=8.1Hz、2H);7.48(t、J=8Hz、1H)。
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチル−スルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(3.522g、6.0ミリモル)およびヨウ化ナトリウム(90mg、0.6ミリモル)のアセトニトリル(30mL)溶液を攪拌しながら、トリエチルアミン(3.0mL、2.186g、21.6ミリモル)、続いて臭化3−フルオロベンジル(1.472mL、2.268g、12.0ミリモル)を加えた。直ぐに濁りが観察され、反応の進行に伴い濁りが濃くなり白色の結晶が沈殿した。反応混合液を窒素下に密封して室温で攪拌した。18時間後、溶媒を減圧下に蒸発させて除き、残留物を酢酸エチル(30mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)に分配した。有機層を分離した後、水層部分を更に酢酸エチルで抽出した(3×15mL)。一つにまとめた抽出物と洗浄液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶液を蒸発して乾燥した後再度酢酸エチルに溶解した(約5mL)。この溶液を中型(4×15cm)のバイオテージ(Biotage)カラムにかけ、酢酸エチルで溶出し、20mLずつ分画を集めた。薄層クロマトグラフィー(シリカ、EM60F254、酢酸エチルで展開、R=0.9)により精製物質を含むことが実証された分画を集め、蒸発して黄色/オレンジ色のオイルを得た(3.01g)。前記オイルをエタノール(30mL)に溶解して、さらに水酸化ナトリウム水溶液(10.0mL、2.5−M、25ミリモル)を加えた。最初濁っていた懸濁液は透明化して黄色の溶液になり、この溶液を室温に3時間放置した。この混合液を減圧下に蒸発してエタノールを除き、更に水の凝縮によりエタノールが完全に除かれたことが示されるまで蒸発を続けた。フェノールの油性ナトリウム塩の懸濁液を水で20mLまで希釈して透明の黄色の溶液にした。強塩基性のこの溶液のpHを、二酸化炭素ガス(ドライアイスより)を通気して8.5〜9に調整し、濃い白色の柔毛性の沈殿物を得た。濾過により固体を除き、淡水でシンター上の沈殿物を2回再スラリー化することも含めて沈殿物を冷水でよく洗浄した。固体をシンター上で一晩風乾してから、1mmHgの真空、室温で乾燥させ白色の固体として4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た(2.062g、67%)。C3138FN0.5HOの理論値C、72.63;H、7.67;N,8.20;F,3.71。実測値C、72.77;H、7.52;N、8.18;F、3.61%。 H NMR(CDCl3、300MHz);δ1.05(d、J=5.9Hz、6H);1.11(br m、3H);1.23(br m、3H);2.00(m、2H);2.59(br m、2H);2.62(d、J=11.4Hz、1H);2.68(d、J=11.0Hz、1H);3.19(d、J=13.6Hz、1H);3.28(br m、2H);3.54(br m、2H);3.89(d、J=13.9Hz、1H);5.01(s、1H);6.15(v br s、1H);6.63(s、1H);6.70(m、2H);6.91(t、J=8.8Hz、1H);7.07(m、2H);7.14(t、J=7.8Hz、1H);7.22(m、1H);7.28(d、J=8.2Hz、2H);7.44(d、J=8.1Hz、2H)。
以下の化合物を、同様の方法を用いて4−(アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(実施例1の中間体)から調製した。
実施例3
Figure 0004892654
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(2−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
4−(アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(実施例1より、527.6mg、1.0ミリモル)をアセトニトリル(4.0mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(15mg、0.1ミリモル)を加えた。懸濁液を攪拌し、その間にトリエチルアミン(500μL(363mg)、3.59ミリモル)、臭化2−フルオロベンジル(241μL(378mg)、2.0ミリモル)の順番で添加した。反応混合液を窒素下に密封し、一晩、室温で攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥し、酢酸エチル(10mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2.5mL)に分配した。上清の有機層を取り除き、水層部分を酢酸エチルで洗浄した(3×10mL)。一つにまとめた有機抽出物と洗浄液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発して金色のオイルを得た。この残留物を酢酸エチル(7mL)に溶解し、プレパック(バイオテージ(Biotage))カラムにかけてから酢酸エチルで溶出した。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、EM60F264、100%酢酸エチル、Rf=0.77)にて所望生成物を含むことが確認された精製分画を蒸発、乾燥させて中間物4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(2−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(610mg)を黄色のオイルとして獲得し、これをそれ以上精製することなしに用いた。オイルをエタノール(7mL)に溶解して、2.5M(10%)水酸化ナトリウム水溶液(5mL、12.5ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で5時間攪拌してから、エタノールを蒸発させて除いた。水(5mL)を添加してナトリウム塩の油性懸濁液を透明にし、二酸化炭素ガス(ドライアイスより)を通気して溶液のpHを9〜10に調整した。多量の白色沈殿を水でよく洗浄し、真空下(2mmHg)、室温で一晩乾燥させて白色の固体として表題の化合物を獲得した(431mg、85.6%)。C3138FNの理論値 C、73.93;H、7.61;N,8.34;F、3.77。実測値 C、73.96;H、7.67;N、8.29;F、3.75%。 H NMR(CDCl3、300MHz);δ1.05(d、J=6.1Hz、3H);1.09(d、J=6Hz、3H);1.12(br m、3H);1.24(br m、3H);1.96(t、J=10Hz、1H);2.07(t、J=10Hz、1H);2.56(br m、2H);2.60(d、J=11Hz、1H);2.72(d、J=11Hz、1H);3.29(br m、2H);3.36(d、J=14Hz、1H);3.55(br m、2H);3.89(d、J=14Hz、1H);5.13(s、1H);6.57(s、1H);6.66(d、J=10Hz、2H);7.00(t、J=9Hz、1H);7.07(t、J=7.5Hz、1H);7.10(t、J=8Hz、1H);7.20(m、1H);7.27(d、J=8Hz、2H);7.38(t、J=7Hz、1H);7.43(d、J=7Hz、2H)。
実施例4
Figure 0004892654
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−4−ベンジル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率88.5%)。C31390.9HOの理論値:C、74.19;H、8.19;N,8.37。実測値 C、74.20;H、7.88;N、8.25%。 H NMR(CDCl3、300MHz);δ1.03(d、J=6.1Hz、3H);1.09(d、J=6.1Hz、3H);1.12(br m、3H);1.24(br m、3H);1.99(m、2H);2.53(br m、2H);2.60(dd、J=9.2Hz、1H);2.65(dd、J=9.2Hz、1H);3.17(d、J=13Hz、1H);3.29(br m、2H);3.55(br m、2H);3.95(d、J=13Hz、1H);5.13(s、1H);6.55(s、1H);6.64(m、2H);7.10(t、J=7.7Hz、2H);7.13(m、1H);7.24(m、5H);7.45(d、J=8.1Hz、2H)。
実施例5
Figure 0004892654
4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−メトキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
水酸化ナトリウム(60%油中分散体、400mg(240mgNaH、10ミリモル)をペンタン(2×7ml)で洗浄してからテトラヒドロフラン(10mL)を上清として加えた。4−(アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−ヒドロキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(実施例1、1.007g、2.0ミリモル)を攪拌中の懸濁液に溶解し、発泡が収まった時点でヨウ化メチル(249μL、568mg、4ミリモル)を加えた。反応混合液を窒素下に密封し、室温にて6時間攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥し、残留物を酢酸エチル(15mL)と水(5mL)に分配した。有機層を分離して、水層部分を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、一つにまとめた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。有機溶液を蒸発して平板状の黄色のゴムにして、これをペンタンと共に粉砕して超音波処理して綿毛状の白色の固体として4−((アルファ−R)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)−3−メトキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た(0.798g、室温、5mmHgで乾燥後77%)。C3240FN0.25HOの理論値:C、73.60;H、7.82;N,8.05;F,3.64。実測値 C、73.58;H、7.70;N、8.04;F,3.84% H NMR(CDCl、300MHz);δ1.09(d、J=6.2Hz、6H、br m,3Hに重複);1.21(br m,3H);1.99(m,2H);2.57(br m,2H);2.66(m,3H);3.15(d,J=13.3Hz,1H);3.27(br m,2H);3.54(br m、2H);3.78(s,3H);3.84(d,J=13Hz,1H);5.10(s,1H);6.76(s,1H);6.70(d,J=8.1Hz,2H);6.96(t,J=8.2Hz,2H);7.26(m,5H);7.46(d,J=7.8Hz,2H)。
実施例6
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
方法1
a)4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド
4−カルボキシベンズアルデヒド(100.3g、0.67モル)をトルエン(1200mL)に溶解/懸濁し、ジメチルホルムアミド(0.15mL)を加え、懸濁液を攪拌しながら塩化チオニル(53.5mL、87.2g、0.73モル)を滴下して添加した。反応混合液を窒素下に加熱して還流しながら2時間攪拌し、その間に全てではないが多くのアルデヒド−酸が溶液内に溶解した。更に塩化チオニル(20mL、32.6g、0.27モル)を加えて一晩還流し続けた。透明な反応混合液を蒸発し、残留物を無水テトラヒドロフラン(1500mL)に溶解した。溶液を氷/水槽内で冷却し、ジエチルアミン(173mL、122g、1.67モル(2.5当量))を攪拌中の溶液に滴下して加えた。氷槽を取り除き、さらに2.5時間攪拌を続けた。反応混合液を濾過して副産物である白色結晶の塩酸ジエチルアミンを除いた。結晶を酢酸エチル(2×600mL)で洗浄し、この洗浄液を別途保管した。テトラヒドロフラン濾過液を蒸発し、残留物を酢酸エチル洗浄液中に溶解した。溶液を1M−塩酸(2×600mL)、水2×300mL)、炭酸ナトリウム希釈溶液(飽和液:HO、1:1、2×600mL)、水(2×300mL)、および飽和塩化ナトリウム溶液(300mL)で順番に洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて淡い茶色のオイルの形で4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミドを生成し、それ以上精製することなく用いた。(収率115.7g、84%)
b)4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(51.3g、250ミリモル)、ベンゾトリアゾール(29.8g、250ミリモル)および(2S,5R)−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(38.6g、250ミリモル、英国ケンブリッジのキロテックテクノロジー、Ltd.,(Chirotech Technology,Ltd.,Cambridge,England)のトルエン(2500mL)溶液を還流しながら2.5時間加熱し、水を共沸除去した。この間に反応混合液の残量が約700〜800mLになるまでディーン/シュターク(Dean−Stark)トラップを用いトルエンを取り除いた。溶液を無水テトラヒドロフラン(1000mL)で希釈してから氷/イソプロパノール槽内で約0℃まで冷却し、窒素下に攪拌しながら両頭針を用い約20分にわたって臭化フェニルマグネシウム(1.0Mのテトラヒドロフラン液、500mL、500ミリモル)を添加した。添加するとほとんど即時的にマグネシウム塩の懸濁液が形成し始めたが、十分な攪拌を妨げるほど粘調にはならなかった。初期の懸濁液は黄土色をしており、その色は約3分の2の量のグリニャール(Grignard)試薬を加えるまで変化しなかったが、その時点で反応混合液の色は急速に赤茶色に変色した。氷槽を取り除いてから更に1.5時間室温で懸濁液を攪拌し、その後飽和塩化アンモニウム水(125mL)を加えて急冷した。黄色の懸濁液を30分間攪拌し、次に無水塩化マグネシウム(125g)を加えた。懸濁液を更に1時間攪拌してから濾過した。濾過ケーキをテトラヒドロフラン(400mL)で洗浄し、一つにまとめた濾過物と洗浄液とを蒸発して濃い茶色のオイルを得た。残留物を酢酸エチル(2500mL)と水酸化ナトリウム水溶液(1.0M、1000mL)間に分配した。有機層を分離し、1M−NaOH(3×1000mL)、水(3×1200mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(750mL)で連続して洗浄した。部分的に結晶化した懸濁液に酢酸エチル(75mL)を加え、暗色の母液の中に明るい色をした結晶の濃密なスラリーを得た。懸濁液を濾過し、冷酢酸エチルを使って固体を控えめに洗浄し、真空下、室温で乾燥させて僅かに灰色かかった固体を得た(38.31g)。暗色の濾液と洗浄液を蒸発させると暗色のオイルが生成したが、これを放置すると再度一部が結晶化した。残留物を酢酸エチル(20mL)と共に粉砕して濾過し、2回目の淡黄色の結晶の回収(4.04g)を行った。4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドの総収量は42.35g(40.4%)であった。
c)4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
ビス(ジベンジリジンアセトン)パラジウム(1.438g、2.5ミリモル)および1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(1.066g、2.5ミリモル)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を窒素下、室温にて15分間攪拌し、次に窒素下に攪拌中の4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(20.98g、50ミリモル)およびチオサリチル酸(9.25g、60ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(100mL)溶液にシリンジを使って加えた。反応混合液を窒素下にて2時間、室温で攪拌してから蒸発して乾燥させ、残留物を酢酸エチル(120mL)に溶解し、エーテル(300mL)で希釈した。溶液を炭酸ナトリウム希釈液(飽和液:HO、1:3、3×200mL)で洗浄した。有機溶液をペンタン(800mL)で希釈し、3M−塩酸(3×40mL)で抽出し、続いてM−塩酸(3×50mL)と水(3×50mL)で交互に抽出した。水抽出物を一つにまとめてから濾過して少量の浮遊固形物を除き、5−MのNaOHでpHを12に調整した。得られた油性懸濁液を塩化メチレン(3×150mL)で抽出し、一つにまとめた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて乾燥し非常に淡い黄色の固体として4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(18.07g、97.8%)を得た。生成物は薄層クロマトグラフィー上に単一のスポットを示し(シリカゲル、EM60F264、4%NHOH/10%エタノールの酢酸エチル溶液、R=0.25)、それ以上精製せずに使用した。C2433O 0.2HOの理論値 C,75.24;H,8.79;N,10.97。実測値 C,75.24;H,8.87;N,10.86%。
d) 4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(9.128g、24.05ミリモル)のアセトニトリル(150mL)溶液をヨウ化ナトリウム(360mg、2.4ミリモル)に加え、窒素化に攪拌しながらトリエチルアミン(12mL、(8.76g)、86.6ミリモル)を加え、続いて臭化3−フルオロベンジル(5.9mL、(9.09g)、48.1ミリモル)を加えた。臭化フルオロベンジル添加直後から濁りが観察され、1時間かけて白色の結晶の沈殿まで進めた。反応混合液を窒素下に室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させて除いてから残留物に重炭酸ナトリウム飽和水溶液(25mL)を加えた。大量の白色沈殿物を濾過して除き、水でよく洗浄してから真空下、室温で乾燥して4−((アルファ−S)−アルファー((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル−N,N−ジエチルベンズアミド(10.54g、89.2%)。C3138FNO 0.2HOの理論値 C,75.59;H,7.88;N,8.55;F,3.87。実測値 C,75.80;H,7.78;N,8.49;F,3.75%。
方法2
a)4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド
機械式攪拌機と冷浴槽を備えた12Lフラスコに4−カルボキシベンズアルデヒド300g(2モル)、テトラヒドロフラン4.5Lおよびトリエチルアミン245g(2.4モル)を加えた。この溶液をメタノール/氷槽内で−4℃まで冷却した。この反応液に塩化ピバロイル236g(1.9モル)を温度が5℃未満に維持される速度で加えた。2時間攪拌後、生じたスラリーを濾過し、濾過ケーキを1LのTHFで洗浄した。濾過液を反応容器に戻し−5℃未満に冷却した。ジエチルアミン(438g、6モル)を、温度が0℃未満に維持されるようにゆっくり加えた。反応液を数時間攪拌し、温めた。次に溶媒を真空下に取り除き、残った残留物を2Lの酢酸エチルに溶解した。得られた溶液を水1Lで洗浄し、水層を500mLの酢酸エチルで2回逆抽出した。一つにまとめた有機層を500mLの1NのHClで3回、および500mLのNaHCO(飽和水溶液)で3回洗浄した。この溶液をNaSOで乾かし、溶媒を真空下に乾燥し、NMRによる不純物を約13%含むことが示された金褐色のオイル(172g、85%)を得た。アルデヒドはそれ以上精製せずに使用した。
b)4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
500mLの三口フラスコに5g(24.3ミリモル)の4−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(純度86%で5.8g)、ベンゾトリアゾール4.3g(36.6ミリモル)、4−トルエンスルホン酸0.05g(0.24ミリモル)およびトルエン125mLを加えた。混合液を加熱して還流し、ディーン−シュターク(Dean−Stark)トラップで共沸的に水を取り除いた。水がトラップ内に集まらなくなった時点で、(2R,5S)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)ピペラジン(アイアールアイエックスファーマシューティカルス、フローレンス、サウスカロライナ州、米国(IRIX Pharmaceuticals、Florence,South Carolina,USA)5.4g(24.3ミリモル)を2〜3回に分けて加え、付加の間に水を除去した。反応液を、理論量の水が除去されるまで(2〜3時間)還流し、続いて反応液からトルエン100mLを蒸留した。残液を60℃未満に冷却した。無水テトラヒドロフラン(150mL)を加え、反応液を10℃未満に冷却した。臭化フェニルマグネシウム(1MのTHF液、100mL、97.6ミリモル)を、温度を0℃から10℃の間に維持しながら加えた。2時間攪拌した後、塩化アンモニア飽和水溶液100mLを加えて反応液を急冷した。相分離後、水層を廃棄した。有機層を75mLの1NのHClで3回抽出した。水層をメチル−t−ブチルエーテル74mLで4回抽出した。水層のpHを2Nの水酸化ナトリウム115mLを使って8〜10まで上げた。水層を75mLのメチル−t−ブチルエーテルで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾かし真空下に蒸発させた。得られた固体を3v/wの高温2−プロパノールに溶解した。濁りが観察されるまで水を加えた。溶液を攪拌しながら室温まで冷却した。得られた固体を濾過し、1/1の2−プロパノール−水(50mL)で洗浄した。濾過ケーキを40℃で乾燥させて、白色の固体として4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド4.8g(40%)を得た。
以下の化合物を、4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(実施例6の方法1、中間体(c)より)を、実施例6、方法1、操作(d)の工程に類似の様式で適当なハロゲン化ベンジルを使って調製した。
実施例7
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率96.4%)。C3138FNOの理論値 C,76.35;H,7.85;N,8.62;F,3.90。実測値 C,76.32;H,7.86;N,8.60;F,3.95% H NMR(CDCl3、600MHz);δ1.07(d、J=6.2Hz、3H);1.10(d、J=6.3Hz、3H、br m、3Hが一部重複);1.23(br、m、3H);1.93(m、1H);1.98(dd、J=11.1、8.3Hz、1H);2.54(br m、2H);2.65(m、2H);3.14(d、J=13.1Hz、1H);3.28(br m、2H);3.54(br m、2H);3.86(d、J=13.1Hz、1H);5.15(s、1H);6.90(t、J=8.2Hz、2H);7.20(d、J=7.3Hz、2H);7.24(m、2H);7.27(m、1H;一部CHCl3が重複);7.29(d、J=9.4Hz、2H);7.33(m、2H);7.46(d、J=8.1Hz、2H)。
実施例8
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−ベンジル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率71.8%)。C3139Oの理論値:C,79.28;H,8.37;N,8.95。実測値 C,79.05;H,8.34;N,8.91% H NMR(CDCl3、500MHz);δ1.09(d、J=6.2Hz、3H);1.12(d、J=6.1Hz、3H);上記二重項は共にbr m、3Hが一部重複);1.24(br、m、3H);1.72(m、1H);1.93(m、1H);2.02(dd、J=9.3、8.4Hz、1H);2.55(m、2H);2.66(dd、J=11.1、2.4Hz、1H);2.70(dd、J=11、2.5Hz、1H);3.18(d、J=13.8Hz、1H);3.28(br m、2H);3.55(br m、2H);3.92(d、J=13.1Hz、1H);5.18(s、1H);7.20(d、J=7.4Hz、2H、m、1Hが一部重複);7.30(m、9H);7.47(d、J=8Hz、2H)。
実施例9
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−(3−クロロベンジル)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率75.8%)。C3138ClNOの理論値:C,73.86;H,7.60;N,8.34;Cl,7.03。実測値 C,73.86;H,7.68;N,8.37;Cl,7.01% H NMR(CDCl、600MHz);δ1.06(d、J=6.2Hz、3H);1.12(d、J=6.1Hz、3H、br m、3Hが重複);1.23(br、m、3H);1.94(br t、J=9.5Hz、1H);2.01(dd、J=11.1、8.2Hz、1H);2.56(m、2H);2.67(dt、J=10.5、2.4Hz、2H);3.15(d、J=13.5Hz、1H);3.28(br m、2H);3.54(br m、2H);3.86(d、J=13.5Hz、1H);5.15(s、1H);7.19(m、5H);7.29(m、4H);7.33(br t、J=7.4Hz、2H);7.46(d、J=8.1Hz、2H)。
実施例10
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−メトキシベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率72.44%)。C3241の理論値:C,76.92;H,8.27;N,8.41。実測値C,76.98;H,8.38;N,8.42%。 H NMR(CDCl3、600MHz);δ1.07(d、J=6.2Hz、3H);1.11(d、J=6.1Hz、3H、br m、3Hが重複);1.23(br、m、3H);1.91(br t、J=10.2Hz、1H);1.99(dd、J=11.0、8.6Hz、1H);2.52(br m、2H);2.64(dd、J=11.5、2.6Hz、1H);2.68(dd、J=11.1、2.6Hz、1H);3.13(d、J=12.9Hz、1H);3.28(br m、2H);3.54(br m、2H);3.79(s、3H);3.85(d、J=13.5Hz、1H);5.17(s、1H);6.82(d、J=8.5Hz、2H);7.19(d、J=8.3Hz、4H);7.29(m、5H);7.46(d、J=8.1Hz、2H)。
実施例11
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(2−フルオロベンジル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率68.9%)。C3138FNOの理論値:C,76.35;H,7.85;N,8.62;F,3.90。実測値 C,76.35;H,8.02;N,8.60;F,3.81% H NMR(CDCl3、600MHz);δ1.09(d、J=6.1Hz、3H);1.13(d、J=6.1Hz、3H);(上記二重項は共にbr m、3Hが重複);1.24(br、m、3H);1.90(br t、J=10.4Hz、1H);2.08(dd、J=10.9、8.6Hz、1H);2.56(br、m、2H);2.66(dd、J=11.5、2.7Hz、1H);2.73(dd、J=11.1、2.4Hz、1H);3.28(br m、2H);3.34(d、J=13.8Hz、1H);3.54(br m、2H);3.88(d、J=13.8Hz、1H);5.19(s、1H);7.00(br t、J=9.1Hz、1H);7.07(t、J=7.5Hz、1H);7.19(m、3H);7.29(m、5H);7.37(br t、J=7.1Hz、1H);7.46(d、J=8.1 2H)。
実施例12
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−ピリジルメチル)−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率69.7%)。C3038O 0.15HOの理論値:C,76.12;H,8.16;N,11.84。実測値C,76.14;H,8.36;N,11.70%。
H NMR(CDCl3、600MHz);δ1.05(d、J=6.1Hz、3H);1.11(d、J=6.2Hz、3H;br m、3Hが重複);1.24(br、m、3H);1.96(br t、J=10.0Hz、1H);2.08(dd、J=7.8、4.1Hz、1H);2.59(br d、J=4.9Hz、2H);2.68(m、2H);3.21(d、J=14.0Hz、1H);3.27(br m、2H);3.54(br m、2H);3.86(d、J=14.2Hz、1H);5.13(s、1H);7.23(d、J=7.4Hz、2H);7.24(d、J=5.6Hz、2H);7.29(d、J=8.2Hz、2H、一部二重項が不明瞭、1H);7.34(br t、J=7.4Hz、2H);7.46(d、J=8.1 2H);8.49(d、J=5.9Hz、2H)。
実施例13
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−(4−ブロモベンジル)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率89.87%)。C3138BrNOの理論値:C,67.87;H,6.98;N,7.66;Br,14.57。実測値 C,68.00;H,7.02;N,7.68;Br,14.44% H NMR(CDCl3、600MHz);δ1.06(d、J=6.2Hz、3H);1.10(d、J=6.1Hz、3H、br m、3Hが重複);1.23(br m、3H);1.94(br t、J=9.4Hz、1H);2.01(dd、J=11.1、8.1Hz、1H);2.54(m、2H);2.65(d、J=9.2Hz、2H);3.13(d、J=13.4Hz、1H);3.27(br m、2H);3.54(br m、2H);3.83(d、J=13.5Hz、1H);5.15(s、1H);7.17(d、J=8.1Hz、2H);7.21(d、J=7.5Hz、2H);7.27(d、J=6.2Hz、1H、一部CHClにより不明瞭);7.29(d、J=8.1Hz、2H);7.32(br t、J=7.4Hz、2H);7.39(d、J=8.3Hz、2H);7.46(d、J=8.1Hz、2H)。
実施例14
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率74.98%)。C3138ClNOの理論値:C,73.86;H,7.60;N,8.34;Cl,7.03。実測値 C,73.76;H,7.65;N,8.22;Cl,7.07% H NMR(CDCl3、600MHz);δ1.06(d、J=6.1Hz、3H);1.10(d、J=6.1Hz、3H、br m、3Hが重複);1.23(br m、3H);1.92(br t、J=9.2Hz、1H);1.98(dd、J=11.0、8.3Hz、1H);2.54(m、2H);2.65(d、J=11.2Hz、2H);3.15(d、J=13.3Hz、1H);3.27(br m、2H);3.54(br m、2H);3.85(d、J=13.2Hz、1H);5.15(s、1H);7.21(m、4H);7.23(d、J=7.2Hz、2H);7.26(m、1H、一部CHClにより不明瞭);7.29(d、J=8.0Hz、2H);7.33(br t、J=7.4Hz、2H);7.46(d、J=8.0Hz、2H)。
実施例15
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−4−(2−クロロベンジル)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(収率89.26%)。C3138ClNOの理論値:C,73.86;H,7.60;N,8.34;Cl,7.03。実測値 C,73.70;H,7.66;N,8.30;Cl,7.14% H NMR(CDCl3、600MHz);δ1.07(d、J=6.1Hz、3H);1.12(d、J=6.3Hz、3H、br m、3Hが重複);1.23(br m、3H);1.96(m、1H);2.12(dd、J=11.1、7.8Hz、1H);2.60(m、1H)、2.67(d、J=7.1Hz、1H)に一部重複;2.76(dd、J=11.1、2.3Hz、1H);3.28(br m、2H);3.38(d、J=14.7Hz、1H);3.54(br m、2H);3.90(d、J=14.5Hz、1H);5.13(s、1H);7.13(dt、J=7.5、1.3Hz、1H);7.18(t、J=7.4Hz、1H);7.23(d、J=7.4Hz、2H);7.30(m、2H)に重複した7.30(d、J=8.2Hz、2H);7.33(t、J=7.4Hz、2H);7.48(m、1H)に重複した7.48(d、J=8.1Hz、2H)。
実施例16
Figure 0004892654
4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−ヒドロキシベンジル)−1−ピペラジニル)−ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(488mg、4.0ミリモル)を4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(759mg、2.0ミリモル、実施例6、方法1の中間物(c)より)および酢酸のテトラヒドロフラン(10mL)の溶液に溶解した。トリアセトオキシホウ化水素ナトリウム(848mg、約4ミリモル)を5分間かけて小分けして加え、次に反応混合液を窒素下に密封して一晩、室温で攪拌した。反応混合液を蒸発して乾燥させ、残留物を水(6mL)と酢酸エチル(20mL)の間に分配した。水溶液を更に酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、一つにまとめた抽出物及び洗浄液とを等量のエーテルで希釈した。有機溶液を3MのHClで抽出し、酸性水溶液を注意しながら、最初は5MのNaOHで、ついで飽和NaHCOを用いて中和した。pH4で溶液を0.45mMのシリンジフィルターを通し濾過し、少量の灰白色のゴム性固体を除いた。濾液のpHを8.5に調製して繊維状の白色固形物を沈殿査し、これを濾過して取り除き、冷水でよく洗浄してから2mmHg、室温で一晩乾燥して4−((アルファ−S)−アルファ−((2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−ヒドロキシベンジル)−1−ピペラジニル)−ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た(73.05%)。C3139 1.5HOの理論値:C,72.62;H,8.26;N,8.20。実測値 C,72.58;H,7.83;N,8.40% H NMR(1%NaODのD2O液、300MHz);δ0.75(br m、3H);0.81(br d、J=7.3Hz、6H);0.94(br m、3H);1.71(m、1H);1.84(m、1H);2.29(m、、2H);2.49(br m、2H);2.91(m、3H);3.22(m、2H);3.57(br m、2H);5.02(s、1H);6.39(d、J=7.5Hz、2H);6.80(d、J=7.3Hz、2H);7.01(m、7H);7.17(m、2H)。
実施例17
Figure 0004892654
N,N−ジエチル−3((S)−((2S,5)−2,5−ジメチル−4−(4−ヒドロキシベンジル)ピペラジン−1−イル)(フェニル)メチル)ベンズアミド
250mLの三口丸底フラスコに3−カルボキシベンズアルデヒド(150g、100ミリモル)を秤取り、110mLのトルエン中、窒素下で攪拌した。塩化チオニル(8.75mL、120ミリモル)を混合液に加え、続いてジメチルホルムアミドを6滴加えた。塩亜カルシウム乾燥管を装着した還流凝縮器をフラスコの上に取り付けた。油槽中に反応器を入れ、油槽温度を120℃未満に保ちながら加熱した。混合液が透明になった後さらに1時間還流を続けてから、室温まで冷却した。溶液を無水トルエンで希釈し、全ての揮発性成分を真空下に取り除いた。
粗酸塩化物を乾燥テトラヒドロフラン200mLに溶解して氷/水槽内で冷却した。トリエチルアミン(27.88mL、200ミルモル)の乾燥テトラヒドロフラン溶液70mLを添加ファンネルから滴下して加え、続いてジエチルアミン(10.45mL、100ミリモル)を加えた。濁った溶液を1時間かけて室温まで温め、一晩攪拌した。水を加え、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水および塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄してから硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下に取り除いて明るい金色のオイルとして3−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(17.72g)を得た(粗収率86%)。H NMR(300MHz、DMSO−d);δ 1.04〜1.18(m、6H);3.17〜3.45(m、4H);7.65〜7.66(m、2H);7.85(s、1H);7.93〜7.94(m、1H);10.03(s、1H)。
2R、5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(6.99g、45.30ミリモル、キロテックテクノロジー、Ltd.,ケンブリッジ、英国(Chirotech Technology,Ltd.,Cambridge,England))、ベンゾトリアゾール(5.45g、45.76ミリモル、1.01当量)および3−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(9.30g、45.30ミリモル)を乾燥トルエン300mL中にトリエチルアミン2滴と共に混合した。混合液を140℃(槽温度)未満に保たれた油槽内に入れた。フラスコにディーン−シュターク(Dean−Stark)トラップおよび還流凝縮器を取り付け、水を共沸除去した。混合液を窒素雰囲気下に2〜3時間還流してから、大部分のトルエンを減圧下に除去した。粗付加物は分離せずに以下の操作に用いた。
粗ベンゾトリアゾール付加物をテトラヒドロフラン200mLに溶解してから、シリンジを使って臭化フェニルマグネシウム(1MのTHF溶液、1.75当量)を加えた。窒素下に、室温で2時間攪拌した後、塩化アンモニウム飽和溶液20mLを用いて反応液を急冷した。30分間攪拌した後、無水硫酸マグネシウムを大量に加えた。溶液を減圧下に濾過および濃縮して、ベンゾトリアゾールが夾雑する粗生成物を得た。本残留物を酢酸エチルに溶解してから10%NaOH水溶液で3回抽出し、大部分のベンゾトリアゾールを除去した。有機層を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下に酢酸エチルを取り除いた。粗物質をシリカゲルのクロマトグラフィー(粗物質1グラム当たりシリカゲル20〜25g)にかけ、まず塩化メチレンで溶出し、続いて20%酢酸エチルの塩化メチレン溶液で溶出して、低極性汚染物質を除いた。次にカラムを塩化メチレン(溶液B)の勾配を持った2%の水酸化アンモニウムを含む酢酸エチル溶液(溶液A)を使って、極性を25%から100%(溶液B中の溶液Aの割合)に急上昇して溶出した。希望する分画を一つにまとめ、減圧して溶媒を除き金色のオイルとして5.52gの(+)−3−((αR)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)ベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミドを得た。H NMR(300MHz、CDCl);δ0.96〜0.98(d、J=6.1Hz、3H);0.98〜1.15(m、6H);1.17〜1.19(d、J=6.1Hz、3H);1.80〜1.85(t、1H);2.01〜2.18(m、2H);2.40〜2.62(m、3H);2.76〜2.81(m、2H);3.11〜3.60(m、4H);5.05〜5.11(dd、J=6.1Hz、J=16.6Hz、2H);5.16(s、1H);5.75〜5.90(m、1H);7.14〜7.17(d、J=7.3Hz、1H);7.21〜7.47(m、8H)。
アリル部分を、チオサリチル酸存在下にPd(dba)2/DPPBを用いジェネット(Genet)の方法[ジェイ.ピー.ジェネット、エス.ルメール−オルディア、エム.サビナック、テトラへドロンレターズ、36、1267〜1270(1995年)(J.P.Genet,S.Lemaire−Audoire、M.Savignac,Tetrahedron Letters)]により除去した。反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチル50mLおよびジエチルエーテル100mLに溶解した。溶液をNaCO溶液(3×100mL)および水(1×100mL)で洗浄した後、有機溶液を3NのHCl(3×20mL)および1NのHCl(1×20mL)で抽出した。酸抽出物をNaOH溶液でpH8.5に調整し、ジクロロメタンで抽出した(3×25mL)。溶液を乾燥し(Na2SO/MgSO)、減圧下に濃縮した。残留オイルをシリカゲルのクロマトグラフィー(2%NHOHのEtOAc/CHCl溶液)で精製し、粘調な深い琥珀〜オレンジ色のオイルを4.30g(11.32ミリモル)得た。
上記の遊離アミン(0.46g、1.21ミリモル)および4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.30g、2.42ミリモル)を50mLのフラスコ内に入れ、テトラヒドロフラン15mLおよび酢酸76.26μl(1.33ミリモル、1.10当量)と共に窒素下に密封した。反応液を室温で20分間攪拌した後、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.51g、2.42ミリモル)を加え、4時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチル100mLに注ぎ込み、飽和NaHCO(100mL)およびブライン(80mL)で洗浄した。溶液を乾燥し(NaSO/MgSO)、減圧下に濃縮した。残留した淡黄色のオイルをシリカゲルのクロマトグラフィー(EtOAc/CHCl)で精製し、白色の不定形の固体として所望生成物0.133g(0.274ミリモル)を得た。アミンをエタノールに溶解し、0.2MのHClエタノール溶液でpH3.92に滴定して塩を作製した。塩を水に再溶解し、凍結乾燥して白色の粉末固体を得た。H NMR(300MHz、d−DMSO);δ0.94〜1.28(m、12H);1.80〜2.05(m、2H);2.40〜2.69(m、4H);3.06〜3.25(m、3H);3.42〜3.60(d、J=6.5Hz、2H);4.44〜4.48(d、J=14.2Hz、1H);5.47(s、1H);6.78〜6.81(d、2H);7.13〜7.55(m、11H);9.78(s、1H)
MS:486.1(M+1、100%)、379.9(10%)。
31391.30HCl&1.10HOの理論値:C,67.35;H,7.75;N,7.60;Cl、8.34。
実測値:C,67.37;H,7.64;N,7.47;Cl,8.20。
実施例18
Figure 0004892654
N,N−ジエチル−3−((R)−(2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(3−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イル)(3−メトキシフェニル)メチル)−ベンズアミド
2R,5S−1−アリル−2,5−ジメチルピペラジン(9.08g、58.85ミリモル、キロテックテクノロジー、Ltd.,ケンブリッジ、英国(Chirotech Technology,Ltd.,Cambridge,England))、ベンゾトリアゾール(7.08g、59.44ミリモル、1.01当量)および3−ホルミル−N,N−ジエチルベンズアミド(12.08g、58.85ミリモル、実施例17)をトリエチルアミン20滴と共に乾燥トルエン350mL中に混合した。混合液を140℃(槽温度)未満に保たれた油槽内に入れた。フラスコにディーン−シュターク(Dean−Stark)トラップおよび還流凝縮器を取り付けて水を共沸除去した。混合液を窒素雰囲気下に4時間還流してから、減圧下に大部分のトルエンを除去した。粗付加物は分離せずに以下の作業に使用した。
粗ベンゾトリアゾール付加物をテトラヒドロフラン200mLに溶解してから、両頭針を使って臭化3−メトキシフェニルマグネシウム100mL(1MのTHF溶液、1.70当量)を加えた。反応はわずかに発熱性であった。室温の水槽内で冷却すると濁りのある黄土色の反応混合液を得た。窒素下、室温で2時間攪拌した後、塩化アンモニウム飽和溶液15mLを用いて反応液を急冷した。30分間攪拌した後、無水硫酸マグネシウムを大量に加えた。溶液を減圧下に濾過および濃縮して、ベンゾトリアゾールが夾雑している粗生成物を得た。残留物を酢酸エチルに溶解してから10%NaOH水溶液で3回抽出し、大部分のベンゾトリアゾールを除去した。有機層を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下に酢酸エチルを取り除いた。
粗物質をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、まず塩化メチレンで溶出し、続いて10%酢酸エチルの塩化メチレン溶液で溶出して低極性汚染物質を除いた。次にカラムを酢酸エチル溶液で溶出した。所望分画を一つにまとめ、減圧して溶媒を除き金色のオイルとして3−((αR)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−メトキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド15.47gを得た。H NMR(300MHz、CDCl);δ0.96〜1.26(m、12H);1.86〜1.92(m、1H);2.07〜2.14(m、1H);2.36〜2.45(m、1H);2.57〜2.59(m、2H);2.62〜2.86(m、2H);3.23〜3.53(m、5H);3.77(s、3H);5.11〜5.22(m、3H);5.76〜5.91(m、1H);6.71〜6.81(m、3H);7.20〜7.33(m、5H)。
アリル部分を、チオサリチル酸存在下にPd(dba)2/DPPBを用いジェネット(Genet)の方法[ジェイ.ピー.ジェネット、エス.ルメール−オルディア、エム.サビナック、テトラへドロンレターズ、36、1267〜1270(1995年)(J.P.Genet,S.Lemaire−Audoire、M.Savignac,Tetrahedron Letters)]により除去した。反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチル50mLおよびジエチルエーテル100mLに溶解した。この溶液をNaCO溶液(3×100mL)および水(1×100mL)で洗浄した後、有機溶液を3NのHCl(3×20mL)および1NのHCl(1×20mL)で抽出した。酸抽出物をNaOH溶液でpH8.5に調整し、ジクロロメタンで抽出した(3×25mL)。溶液を乾燥し(Na2SO/MgSO)、減圧下に濃縮した。残留オイルをシリカゲルのクロマトグラフィー(2%NHOHのEtOAc/CHCl)にて精製し、粘調で深い琥珀〜オレンジ色のオイル8.65g(21.12ミリモル)得た。
3−((αR)−α−((2S,5R)−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−メトキシベンジル)−N,N−ジエチルベンズアミド(0.49g、1.20ミリモル)のアセトニトリル(10mL)溶液をヨウ化ナトリウム(100mg)、炭酸ナトリウム(0.70g、6.64ミリモル)に加え、臭化3−フルオロベンジル(0.16mL、1.32ミリモル)を加えながら窒素下、室温で攪拌した。反応は3時間で終了した。溶媒を蒸発により除き、残留物を塩化メチレンと水に分配した。水層を塩化メチレンでさらに2回抽出し、一つにまとめた有機抽出物を乾燥し(NaSO/MgSO)、減圧下に濃縮した。残った茶色のオイルをシリカゲルのクロマトグラフィー(EtOAc/CHCl)にて精製し、淡黄色の不定形固体として所望生成物0.37g(0.71ミリモル)得た。アミンをエタノールに溶解し、0.2MのHClエタノール溶液でpH3.92に滴定して塩を作製した。塩を水に再溶解してから凍結乾燥し、明るい茶色の粉末固体を得た。
H NMR(300MHz、CDCl);δ1.04〜1.22(m、12H);1.93〜2.08(m、2H);2.51〜2.76(m、5H);3.10〜3.60(m、4H);3.78(s、3H);3.84〜3.89(d、J=13.3Hz、1H);5.11(s、1H);6.76〜7.46(m、12H)
MS:518.0(M+1、60%)、296.0(100%)、221.1(60%)。
3240FN・0.8HClの理論値:C,70.28;H,7.52;N,7.68;F、3.47。
実測値:C,70.19;H,7.47;N,7.62;F,3.26。
実施例19
Figure 0004892654
N,N−ジエチル−3−((R)−(2S,5R)−2,5−ジメチル−4−(4−ヒドロキシベンジル)ピペラジン−1−イル)(3−メトキシフェニル)メチル)−ベンズアミド
表題の化合物は、臭化フェニルマグネシウムを3−メトキシフェニルマグネシウムに置換え、実施例17の化合物と同様にして作製した。
実施例20
Figure 0004892654
N,N−ジエチル−3−((R)−(2S,5R)−4−(3−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)(3−メトキシフェニル)メチル)ベンズアミド
表題の化合物は、臭化3−フルオロベンジルを臭化3−クロロベンジルに置換え、実施例18の化合物と同様にして作製した。
実施例21
本発明の化合物の抗うつ薬様活性は、以下説明するラットを用いた強制遊泳試験により証明した。改良したポルソルト(Porsolt)強制遊泳試験を広く用いて、医薬化合物の抗うつ薬様活性を評価した。試験化合物の齧歯類モデルでの不動時間短縮活性および抗うつ薬活性に対する作用と、ヒトに於ける抗うつ薬作用との間には強い相関性があることから、ポルソルト(Porsolt)試験をアッセイ法に選択した。
強制遊泳試験は元々はポルソルト(Porsolt)により記載されたものであり[欧州薬学雑誌(Eur.J.Pharmacology)、47、379〜391(1978年)]、その後ルッキ(Lucki)により改良された[精神薬理学(Psychopharmacol.)、119、47〜54(1995年)]。遊泳運動はラット(5週齢のオスのスプレイグ−ダウリー(Sprague−Dawley)ラットを直径20cm、高さ46cm、深さ30cmまで23〜25℃の水道水を入れたプラスチック製容器に入れて行った。この水深はラットの後ろ足または尾が底に達することがなく、またはチューブ容器から逃げることができないものである。
各試験ラットについて2回の遊泳運動、即ち15分間の順化遊泳を実施してその間に試験ラットにチューブ容器から「逃げられない」ことを学ばせ、更に24時間後に5分間の試験遊泳を行った。試験遊泳はビデオテープに記録して、後にこれを用いて逃避および不動行動をスコア化した。5分間の試験遊泳は5秒間隔に区分けし、各5秒間の区分について主要行動を記録した(合計60の行動がカウントされた)。スコア化された行動は:遊泳(逃避の可能性を探る行動);登坂(両前足を同時に水から上げてチューブ壁面をよじ登ろうとするか、チューブを引っ掻く行動);および不動(前足の動きが制限されるか、または全く動かない−結果として浮遊するのに必要な後ろ足の運動のみになる)。
本発明の化合物を、皮下(s.c)、経口(p.o.)および静脈内(i.v.)経路を含む複数の経路から投与した。抗うつ薬様活性を持つ薬は不動時間区分数(不動カウント)を減らし、活発な逃避行動カウント数(遊泳および/または登坂)を増やした。経口、皮下および静脈内投与での操作上の唯一の違いは、前処理時間(皮下および経口投与では試験遊泳前1時間;静脈内投与では試験遊泳前30分)であった。コントロール群には試験化合物の溶解に実際に用いた賦形剤溶液を投与した。陽性コントロールは、デシプラミンおよびブプロプリオンを含む既知抗うつ薬化合物を用いて実施された。
試験群と賦形剤群との間に分散差が認められない場合には、スチューデント(Student’s)のT試験を用いて対比較を行った。コントロール群と試験群の間に有意な分散差がある場合には、マン−ホイットニー(Mann−Whitney)U試験を用いて対比較を行った。
本発明の化合物は強制遊泳アッセイに於いて、予想外にも活性であることが見いだされ、不動が減り、遊泳および/または登坂活動が増加した。これらの結果は、強制遊泳試験で試験した既知抗うつ薬の結果と類似していた。活動性を上げ、不動を減らす結果は少なくともデルタオピオイドレセプターを介したものと考えられるが、それは強制遊泳試験で示された結果がデルタオピオイドレセプター拮抗剤であるナルトリンドールにより遮断されたからである(データ未提示)。これらの結果から、複数の経路で投与された本化合物が抗うつ薬活性を有するという統計有意な証拠が得られた。
興味深く、そして意外にも本発明の化合物の幾つかは遊泳および登坂活動の両方を増加した。更に本発明の化合物は経口投与によっても、そして以下表1に示すように約1〜約10mg/kgの低用量に於いても抗うつ薬として有効であることが判明した。
Figure 0004892654
本発明を、本発明の特定の態様、特徴および実施形態を引用して本明細書に記載してきたが、本発明の有用性はこれにより限定されるものではなく、多くの他の態様、特徴および実施形態まで拡張し包含すると認識されるだろう。従ってこれに対応し、以下記載の特許請求の範囲は、それら精神および範囲内にかかる態様、特徴および実施形態全てを含むものとして、広く解釈されるものである。

Claims (9)

  1. 以下の化合物:
    Figure 0004892654
    および薬学的に許容可能なその塩からなる群から選択される、化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物を含む、気分障害治療剤。
  3. 前記気分障害が、うつ病を含む、請求項2に記載の治療剤。
  4. 前記気分障害が、病的な精神および/または情緒状態を含む、請求項2に記載の治療剤。
  5. 前記気分障害が、双極性躁うつ病または季節感情障害を含む、請求項2に記載の治療剤。
  6. 前記治療剤は、経口、直腸、局所、舌下、粘膜、鼻、眼、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、脊髄、髄腔内、関節内、動脈内、クモ膜下、気管支、リンパおよび子宮内投与からなる群から選択される投与様式により投与される、請求項2に記載の治療剤。
  7. 気分障害に罹っているかまたは気分障害を起こしやすい患者の気分障害を治療するための組成物であって、以下の化合物:
    Figure 0004892654
    および薬学的に許容可能なその塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、組成物。
  8. 単位投与形態である、請求項に記載の組成物。
  9. 前記単位投与形態が、経口投与形態を含む、請求項に記載の組成物。
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