JP4889968B2 - 電力線搬送通信システム、電力線搬送通信方法、通信装置 - Google Patents

電力線搬送通信システム、電力線搬送通信方法、通信装置 Download PDF

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この発明は、宅内において電力線に接続された複数の通信装置間で、その電力線を利用して通信を行う電力線搬送通信技術に関する。
電力線(一般に電灯線とも称する)を利用して通信を行う電力線搬送通信は150kHzから450kHzを利用するものと、2MHzから30MHzを利用するものがあり、日本では前者の周波数帯を利用する装置のみ認可されている。近年、後者の周波数帯を利用する装置が米国において認可され、日本においても現在認可に向けて利用条件の検討が行われている。後者の周波数帯を利用する通信装置は高速伝送が可能であることから、様々な用途が提案されおり、今後普及が進むことが予想される。
なお、電力線搬送通信について開示されている特許文献として、たとえば以下のものを挙げることができる。
特開2001−197146号公報 特開2001−268045号公報 特開2002−077099号公報 特開2002−368831号公報
ところで、電力線を利用する通信装置には様々な方式が存在する。例えば、変調方式としてはASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)などがあり、伝送方式としては単一キャリア方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式があり、またスペクトラム拡散方式といった方式も利用されている。これらの仕様が異なると互いに通信することができない。同じOFDM方式であっても、占有帯域幅、サブキャリア間隔、サブキャリアの変調方式、同期信号、符号方式、アクセス制御方式、データフォーマットなどの仕様のうちどれか1つでも異なると互いに通信することができない。
このように、電力線搬送通信では、互いに通信することのできない異なる方式の装置が同じ家庭に存在すると、両者の送信信号が衝突を起こし通信不良を発生する。最悪の場合には双方とも全く通信することができない状況が発生する。今後電力線搬送通信システムの普及が進むと通信装置間の共存問題が顕著となることが予想される。
ここで、通信方式が異なる通信装置を同一ネットワークで共存させるための従来の無線通信技術として以下の(1)〜(3)を、現状そのままでは電力線搬送通信に適用することが難しい理由について、以下順に説明する。
(1)キャリアセンスを用いた共存
(2)周波数分割による共存
(3)時分割による共存
(1)キャリアセンスを用いた共存
キャリアセンスを用いた通信では、各通信装置は、送信前に伝送路を観測して受信電力レベルから他の通信装置が送信中でないことを確認した後にデータを送信する。
しかしながら、電力線搬送通信システムにおいて、各通信装置は、家電機器が発生する雑音、アマチュア無線や短波放送の信号を周波数的にあるいは時間的に避けて通信するよう仕組まれ、非常に小さなSN比の環境で通信を行っている。さらに電力線は分岐が多数ある上、インピーダンスの整合がとれない伝送路であり、受信点における周波数特性は複雑な特性となっている。
したがって、受信信号レベルのような単純なキャリアセンスでは方式の異なる通信装置の有無の判別が困難である。なお、無線LAN(IEEE802.11)ではキャリアセンスの精度を向上するために互いのプリアンブルを検出する方法も採用しているが、方式の異なる装置間では利用できない。
(2)周波数分割による共存
周波数分割による共存とは、各通信装置が利用する周波数帯を違えることで、各通信装置の送信信号の衝突を回避し、互いに干渉せず共存させる方法である。
図1に、電力線搬送通信における宅内のシステム構成を示す。
図1において、分電盤10からは複数の電灯線が配線されていて、各電灯線にはコンセントや照明装置を初めとする様々な家電製品が接続されている。図1では、分電盤10からは電灯線11、12が取り出されている。電灯線11には通信装置13,14,17が接続されている。また、電灯線12には通信装置15,16,18が接続されている。図1に示すシステムにおいて、通信装置13,14は同じ通信方式の装置であり、通信装置15,16、そして通信装置17,18は、それぞれ別々の通信方式を採用する装置である。かかる場合、通信装置13と通信装置14の間、通信装置15と通信装置16の間、通信装置17と通信装置18の間は互いに通信可能であるが、通信方式の異なる組合せ、例えば通信装置13と通信装置15の間、通信装置15と通信装置17の間では通信することができない。このような通信方式が異なる通信装置が複数存在する状況では、電灯線上の送信信号の衝突が生じる可能性がある。
図1に示した、宅内の電力線搬送通信システムにおいて、周波数分割による共存方法を適用した場合には、たとえば図2に示すように、通信装置13と通信装置14が利用する周波数と、通信装置15と通信装置16が利用する周波数と、通信装置17と通信装置18が利用する周波数とがそれぞれ重ならないように、通信帯域が割り当てられる。
各通信帯域から十分離れた周波数では送信電力が40〜50dB程度低減されるが、近接する周波数帯同士では、各通信装置が送信する信号の帯域外漏洩を十分に低減することができないため、図3に例示するように、バンドギャップを設けることで互いの干渉を低減させるようにするのが一般的である。
しかしながら、電力線搬送通信における信号減衰は50dBあるいはそれ以上であることが多いために、帯域外漏洩信号であるのか、減衰信号であるのかを区別することができず、実際には通信装置間の送信信号の干渉を防止できない。
この点について、図4に示す宅内の電力線搬送通信システムを参照して、具体的に説明する。
図4に示す電力線搬送通信システムでは、通信装置13と通信装置15が同じコンセントあるいは非常に近い場所に設置されている。
図4において、分電盤10から電灯線11,12が引き出されている。電灯線11には通信装置13,14,15が接続されている。通信装置13と15は同じコンセント19に接続されている。一方、電灯線12には通信装置16が接続されている。通信装置15と通信装置16は分電盤を介して通信を行っているために伝送距離が長く、かつ、多くの分岐を通過しているために、信号の減衰が大きい。また、通信装置13は通信装置15の近くに存在するために、通信装置13からの送信信号が通信装置15によって非常に強く受信される。
このとき、通信装置15が受信する、通信装置13からの信号と、通信装置16からの信号の受信電力レベルを図5に示す。図5に示すように、通信装置16からの信号の減衰が大きいため、その信号の通信装置15における受信レベルは、通信装置13の送信信号の帯域外漏洩電力レベルとほぼ同じとなって、通信装置15が通信装置16からの信号を正しく受信することが難しい状態となる。
対策として、帯域外漏洩電力をさらに低減させるフィルタを設けることも考えられるが、通信装置の組合せに応じて通信周波数が変更され、伝送速度に応じて通信帯域幅を変える場合があるため、個々の通信ごとに周波数、帯域幅を可変としたバンドパスフィルタが必要となって現実的でない。
(3)時分割による共存
時分割による共存とは、各通信装置が信号を送信するタイミングを異ならせることで互いに共存できるようにする方法である。図1に示した電力線搬送通信システムにおいて、時分割による共存方法では、たとえば図6に示すように、各通信装置13〜18による送信信号が時間的に重ならないようにする。
時分割による共存の方法では、各通信装置は自分自身が送信しないときには出力をほぼ完全に停止させることが可能であり、互いの信号による干渉はほとんど生じないが、実際には各通信装置間を調停するためのアクセス制御装置が必要となり、これを短期間ですべての家庭内に実装することは難しいという課題がある。
この点について、図7に示す電力線搬送通信システムを参照して説明する。
図7に示す電力線搬送通信システムは、アクセス制御装置20が付加された点のみ、図1に示したシステムと異なる。すなわち、図1のシステム同様、通信装置13と通信装置14の間、通信装置15と通信装置16の間、通信装置17と通信装置18の間は互いに通信可能であるが、通信方式の異なる組合せ、例えば通信装置13と通信装置15の間、通信装置15と通信装置17の間では通信することができない。
図7において、アクセス制御装置20は各通信装置がどのタイミングで送信するかを指示する装置で、時分割で各通信装置を共存させるための調停機能を有する装置である。仮に、すべての通信装置13〜18が同一の通信方式を採用している場合には、このアクセス制御機能は、通信装置13〜18のうち1台(親機)に組み込むことも可能であるが、異なる方式の通信装置同士を時分割で共存させるためには、図7に示したように、アクセス制御装置20は各通信装置から独立してネットワーク上に設ける。そして、このアクセス制御装置20は、複数の通信方式に対応したうえで、各通信装置からの送信要求を調停し、各通信装置に送信タイミングを指示する必要があるので、かなり複雑な構成とならざるを得ない。
すなわち、時分割による共存方法は、周波数分割による共存方法と比較して、原理的に実現不可能ではないが、上述したアクセス制御装置を各家庭に実装しなければならず、実現に時間がかかる。
以上説明したように、従来の電力線搬送通信システムにおいては、通信方式が異なる複数の通信装置を同一ネットワーク内で共存させることが困難であることが課題である。
なお、上記特許文献1〜3は、同一の通信方式において、低速の通信装置と高速の通信装置を周波数分割で共存させる電力線搬送通信システムについて開示しているが、この技術では上記課題を解決することができない。また、上記特許文献4には、上記アクセス制御装置に相当する管理プロセッサによって、通信方式が異なる複数の通信装置を時分割制御する方法について開示しているが、その具体的な実現方法、たとえば時分割を行うための基準タイミングの生成方法について開示されていない。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、通信方式が異なる通信装置を宅内の同一ネットワーク内で共存させた電力線搬送通信システム、電力線搬送通信方法、並びに、そのための通信装置を提供することにある。
上記課題を克服するために、本発明の第1の観点の電力線搬送通信システムは、同一宅内の電力線に共通に接続された複数組の第1通信装置であって、当該同一宅内の電力線に共通に接続された状態において同一組内では互いに通信可能で且つ他の組との間では互いに通信することができない複数組の第1通信装置と、前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、所定の外部タイミング信号を前記電力線へ出力するアクセス制御装置と、前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、前記外部タイミング信号を受信して、当該外部タイミング信号に基づいて時分割通信を実行する複数組の第2通信装置とを有する電力線搬送通信システムであって、前記複数組の第1通信装置の各々は、前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共通するタイミングである内部基準タイミングを、前記商用電源電圧の周期に同期させた一定間隔で生成する第1タイミング生成部と、前記内部基準タイミングを基準としてその前後に設定可能な複数の通信区間のいずれの通信区間を使用して通信するのかについての時分割設定が可能な第1設定部と、を有し、前記商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングに基づいて、組毎に設定された通信区間を用いて組毎の通信を実行し、前記外部タイミング信号に基づいて時分割通信を実行する複数組の第2通信装置の各々は、前記複数組の第1通信装置による通信区間を入力するための入力部と、前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共用される前記内部基準タイミングを生成する第2タイミング生成部と、前記内部基準タイミングおよび前記通信区間に基づいて判断可能な前記複数組の第1通信装置による通信区間以外の通信区間を使用して時分割通信するように設定する第2設定部と、を有し、前記第2設定部により設定された通信区間において、前記外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する。
本発明の第の観点の通信装置は、同一宅内の電力線に対して互いに通信することができない他の組の通信装置とともに共通に接続可能であって、当該同一宅内の電力線に共通に接続された状態において前記電力線に接続されるアクセス制御装置からの時分割制御用の外部タイミング信号を受信して、当該外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する通信装置であって、前記他の組の通信装置に含まれている、前記同一宅内の電力線の商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングに基づいて通信する第1通信装置による通信区間を入力するための入力部と、前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記第1通信装置に共用される内部基準タイミングを生成するタイミング生成部と、前記内部基準タイミングおよび前記通信区間に基づいて判断可能な前記第1通信装置による通信区間以外の通信区間を使用して時分割通信するように設定する設定部と、を有し、前記設定部により設定された通信区間において、前記外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する。
本発明の第の観点の電力線搬送通信方法は、同一宅内の電力線に共通に接続された複数組の第1通信装置であって、当該同一宅内の電力線に共通に接続された状態において同一組内では互いに通信可能で且つ他の組との間では互いに通信することができない複数組の第1通信装置と、前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、所定の外部タイミング信号を前記電力線へ出力するアクセス制御装置と、前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、前記外部タイミング信号を受信して、当該外部タイミング信号に基づいて割り当てられた時分割通信を実行する複数組の第2通信装置とを有する電力線搬送通信システムにおける電力線搬送通信方法であって、前記複数組の第1通信装置の各々が、前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共通するタイミングである内部基準タイミングを、前記商用電源電圧の周期に同期させた一定間隔で生成し、前記内部基準タイミングを基準としてその前後に設定可能な複数の通信区間のいずれの通信区間を使用して通信するのかについての時分割を設定し、前記商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングに基づいて、組毎に設定された通信区間を用いて組毎の通信を実行し、前記複数組の第2通信装置の各々が、前記複数組の第1通信装置による通信区間が入力され、前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共用される前記内部基準タイミングを生成し、前記内部基準タイミングおよび前記通信区間に基づいて判断可能な前記複数組の第1通信装置の通信区間以外の通信区間を使用して時分割に通信するように設定し、前記設定された通信区間において、前記外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する。
本発明によれば、宅内の電力線搬送通信において、通信方式が異なる通信装置を共存させることができる。
以下、本発明のいくつかの実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
《第1の実施形態》
本実施形態に係る電力線搬送通信システムには、電灯線に本発明の通信装置としてのモデムが複数接続される。そして、通信方式が異なるモデムによる送信信号が電灯線上で衝突を起こさないようにするため、モデムの送信区間が時分割によって設定される。
この時分割による送信区間の設定のため、各モデムは、その時分割処理を行うための基準タイミングを、電灯線における商用電源電圧に基づいて生成するためのタイミング生成部(基準タイミング生成部43)を備えており、送信区間が基準タイミングの前後の期間に設けられる。
なお、以下の説明においては、「区間」は「期間」と同義で用いられる。
[システム構成]
先ず、本発明の電力線搬送通信システムの一実施形態に係る構成について説明する。
図8は、宅内に実装された電力線搬送通信システム1のシステム構成を示す。
図8において、分電盤10からは複数の電灯線が配線されていて、各電灯線にはコンセントや照明装置を初めとする様々な家電製品が接続されている。図8では、分電盤10からは電灯線11、12が取り出されている。電灯線11にはモデム30_1〜30_3が接続されている。また、電灯線12にはモデム30_4〜30_6が接続されている。
図8に示すシステムにおいて、モデム30_1,30_2は同じ通信方式の通信装置であり、モデム30_3,30_4、そしてモデム30_5,30_6は、それぞれ別々の通信方式を採用する通信装置である。したがって、モデム30_1とモデム30_2の間、モデム30_3とモデム30_4の間、モデム30_5とモデム30_6の間は互いに通信可能であるが、通信方式の異なる組合せ、例えばモデム30_2とモデム30_5の間、モデム30_5とモデム30_3の間では通信することができない。
このように、システム内に、通信方式が異なるモデムが複数存在する場合、複数の通信方式を採用する複数のモデム間の送信タイミングを調整できる制御装置がない限り、送信信号の衝突が起こり得るが、本実施形態に係る電力線搬送通信システム1では、後述するように、商用電源電圧に基づいて生成された基準タイミングを用いて、送信信号の衝突が起こらないようにする。
[モデムの構成]
次に、図8に示した電力線搬送通信システム1の各モデム30_1〜30_6の構成について説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係るモデム30の構成を示すブロック図である。なお、モデム30_1〜30_6は、図9に示すモデム30と同一の構成を有している。
モデム30は、本発明のタイミング生成部としての基準タイミング生成部43を有し、この基準タイミング生成部43によって生成された基準タイミングに基づいて、MAC層処理部31が送信タイミングを制御する。
なお、基準タイミングは、商用電源に基づいて、電力線搬送通信システム1内のすべてのモデムで生成される共通のタイミング信号であり、この生成方法については、後述する。
図9において、上位層から受けとる送信データは、MAC(Media Access Control)層処理部31に入力され、PHY層送信処理部32、D/A変換器33、増幅器34、フィルタ35を介して、送受信切換部36に入力される。送受信切換部36では、MAC層処理部31からなされる送信指示信号Csに応じて送信信号を通過させ、カプラ37を経て電灯線に出力される。
一方、カプラ37を介して受信した信号は、MAC層処理部31から送信指示信号Csが送出されていないときに送受信切換部36を通過し、フィルタ38、増幅器39、A/D変換器40、PHY(Physical sublayer)層受信処理部41を介してMAC層処理部31に入力され、正しく受信されたデータが上位層に出力される。
カプラ42は、電灯線上の信号から商用電源電圧を抽出するフィルタを含む。電力線搬送通信システム1では、商用電源電圧に信号を重畳させて通信を行うため、カプラ42では、その信号を除去して商用電源電圧を抽出する。
基準タイミング生成部43は、カプラ42によって抽出された交流の商用電源電圧の周期に同期させて基準タイミングをとることで基準タイミング信号TGrefを生成し、MAC層処理部31に供給する。この基準タイミング信号TGrefの生成方法については後述する。
本発明の通信設定部としての送信区間設定部44は、基準タイミングの前または後のどちらで送信を行うかについての情報として、送信区間データSPが予め設定されている。また、送信区間データSPには、送信区間長(送信期間長)の情報も含まれる。
送信区間設定部44は、この送信区間データSPをMAC層処理部31に送出する。
MAC層処理部31では、基準タイミング信号TGrefと送信区間データSPに基づいて、データを送信すべき期間を算出し、その期間で送信するように、送信指示信号Csによって送受信切換部36を制御する。これにより、電力線搬送通信システム1において、たとえばある1つのモデムが基準タイミングの前に送信区間が設定され、他方のモデムが基準タイミングの後に送信区間が設定されていれば、両者の送信信号が衝突せず、送信タイミングの簡易的な時分割制御が実現する。
なお、図9に示したモデム30の構成は、異なる構成とすることもできる。たとえば図10,11に、実施形態に係るモデム30の別の構成を示す。
図10は、カプラ42および基準タイミング生成部43が外付けとなっている構成である。図11は、送信タイミングの制御に関わる部分がすべて外付けとなっている構成である。一般に、モデム内の送受信回路は1チップで実装されることが多いが、図10,図11に示した外付け構成とすることで、従来のモデムをモデム30の構成に容易に改変することができる。
[基準タイミング信号の生成方法]
(1)基準タイミングの生成方法
次に、モデム30の基準タイミング生成部43で行われる、基準タイミング信号TGrefの生成方法について、図12〜14に関連付けて説明する。
基準タイミング信号TGrefは、前述したように、複数のモデムが送信するデータが電灯線上で互いに衝突しないように、適切に送信タイミングの時分割設定を行うための信号である。この時分割設定を行うためには、すべてのモデムで共通の基準タイミングをとることが前提となる。
本実施形態に係る電力線搬送通信システム1では、すべてのモデムが抽出できる商用電源から基準タイミングをとるようにする。具体的には、商用電源電圧の交流周期を利用して、すべてのモデムが共通の基準タイミング信号TGrefを生成する。
日本、米国の商用電源では、通常50Hz〜60Hzの周波数の単相三線式の交流電圧が使用される。また、その他の地域の多くでは三相交流式が使用される。
本実施形態において、基準タイミング信号TGrefは、商用電源電圧のゼロクロスのタイミングに同期させて生成されるが、商用電源の周期に同期していれば、ゼロクロスのタイミング間をどのように分割して基準タイミングをとるか、または、ゼロクロスのタイミングに対して時間オフセットをさせて基準タイミングをとるか否か等については、様々なバリエーションが考えられる。
ゼロクロスのタイミング間を分割することも含めたバリエーションとして、商用電源が単相三線式の交流電圧の場合には、基準タイミングは、位相角180度のn/m倍(m,n:整数)でとることができ、三相交流式の交流電圧の場合には、基準タイミングは、位相角60度のn/m倍(m,n:整数)でとることができる。
すなわち、単相三線式では、180度ごとにゼロクロス点が発生するため、先ず、このゼロクロス点のタイミングを検出し、そのタイミングを分割または選択することで、180度のn/m倍の基準タイミングをとる。三相交流式では、三相が60度ごとにゼロクロスするため、先ず、このゼロクロス点のタイミングを検出し、そのタイミングを分割または選択することで、60度のn/m倍の基準タイミングをとる。
上述した基準タイミングのとり方のいくつかの例について、具体的な波形に基づいて説明する。
図12は、様々な商用電源電圧に対する基準タイミングの位置を示す。図12において、(a)は単相三線式においてm=1,n=2とした場合(360度間隔)、(b)は単相三線式においてm=2,n=3とした場合(270度間隔)、(c)は三相交流式においてm=1,n=3とした場合(180度間隔)、(d)は三相交流式においてm=2,n=8とした場合(240度間隔)、をそれぞれ示し、基準タイミングが矢印によって表示されている。
図12(a)では、単相三線式の商用電源電圧の360度間隔のゼロクロスのタイミングに同期させて、基準タイミングをとっている。図12(b)では、単相三線式の商用電源電圧の540度間隔のゼロクロスのタイミングをとり、そのタイミング間を分割して270度間隔の基準タイミングをとっている。
図12(c)では、三相交流式の商用電源電圧のうち、任意の一相(図ではA相)の180度間隔のゼロクロスのタイミングに同期させて、基準タイミングをとっている。図12(d)では、三相交流式において、60度×4(=240度)で基準タイミングをとっている。
このようにして基準タイミングをとり、この基準タイミングに応じたクロック信号が基準タイミング信号TGrefとして生成される。
なお、上記m,nは、電力線搬送通信システム1で使用される通信の伝送速度を考慮し、通信パケットが収容できるような適切な基準タイミングの間隔がとれるように設定される。
(2)基準タイミングの検出方法
上述したように、ゼロクロスが起こる任意のタイミングで基準タイミングをとる、または、ゼロクロスが起こるタイミング間を分割して基準タイミングとすると、電力線搬送通信システム1に新たに接続されたモデムは、商用電源電圧を観測するだけでは基準タイミングをとることができない場合がある。基準タイミングが、単相三線式の場合には180度間隔、三相交流の場合には60度間隔であれば、基準タイミングは商用電源電圧から一意に決定されるが、たとえば三相交流式の商用電源に基準タイミングを180度間隔とした場合、電灯線に新たに接続されたモデムは、位相角60度ごとに生じるどのゼロクロスのタイミングが基準タイミングであるのか特定することができない。
そこで、新たにシステムに参入したモデムは、システム内の他のモデムが基準タイミングの前後の通信区間で送出する信号を観測することによって、基準タイミングを特定する。
以下、基準タイミングの検出方法について、具体例に基づいて説明する。
図13は、基準タイミングの検出方法について説明するための図であって、(a)は三相交流式(m=1,n=3)における商用電源の波形、(b)は電力線搬送通信システム1におけるモデムの送信区間、を示す。
図13(a)では、三相交流式であるため、60度ごとの基準タイミング候補RC1〜RC3が想定され、この中から基準タイミングを特定する必要がある。
本実施形態に係る電力線搬送通信システム1では、基準タイミングの前または後にモデムが送信を行うため、基準タイミングの直後には、電灯線にはデータ送信開始に伴う大きな信号電力の変化が観測される。したがって、この信号電力の変化を検出することで、基準タイミングを検出することができる。
ただし、データ送信が必ず基準タイミング直後に行われる保証はないので、検出を複数回行って、上記3個の基準タイミング候補RC1〜RC3のうち尤もらしいタイミングを基準タイミングとして特定するようにする。
図14は、基準タイミングの検出を行うためのフローチャートである。
図14に示すフローチャートは、基準タイミング生成部43が、タイミング検出精度に応じたカウンタC_RPT、各基準タイミング候補RC1〜RC3に対応したカウンタC_RC1〜C_RC3、を備えることを前提としている。
図14において、カウンタC_RPTは、ステップST1でその初期値がkに設定される。このkは、ステップST2〜ST15までの繰り返し回数を規定し、大きければ大きいほど、タイミング検出精度が向上する。
ステップST2〜ST5は、基準タイミング候補RC1の直後に所定期間(送信期間T)以上のデータ送信が行われている場合に、カウンタC_RC1をインクリメントする処理である。なお、ステップST3では、受信した信号電力の変化を検出する(信号電力が所定の閾値を越えることを検出する)ことによって、データ送信開始有無を判別する。
同様に、ステップST6〜ST9は、基準タイミング候補RC2の直後に所定期間(送信期間T)以上のデータ送信が行われている場合に、カウンタC_RC2をインクリメントする処理である。ステップST10〜ST13は、基準タイミング候補RC3の直後に所定期間(送信期間T)以上のデータ送信が行われている場合に、カウンタC_RC3をインクリメントする処理である。
ステップST2〜ST13の処理が1回終了するごとに、初期値kのカウンタC_RPTはデクリメントされていき(ステップST14)、「0」になると(ステップST15)ステップST2〜ST13の処理は行わない。そして、カウンタC_RC1〜C_RC3のうちカウント値が最大のものを特定し、その最大のカウント値が所定の閾値Cminより大きいことを条件として(ステップST16)、対応する基準タイミング候補を基準タイミングとして決定する(ステップST17)。これにより、最も多くデータ送信が検出されたタイミングが基準タイミングとして検出される。
たとえば、図13(b)に示した例では、時刻t1〜t6の直後に最も多くデータ送信が行われており、このデータ送信の回数を検出することで、基準タイミング候補RC1が基準タイミングとして決定される。
なお、ステップST16で、算出された最大のカウント値を閾値Cminと比較するのは、初期値kがたとえば100という大きな値に設定されているにも関わらず、算出された最大のカウント値がたとえば1〜10程度の小さな値である場合に、この最大のカウント値をもって基準タイミングを特定することは適切でないからである。
なお、信号電力の変化を検出するのではなく、逆に、上記カウンタC_RC1〜C_RCが信号電力の変化がないことを検出してカウントし、最後に最もカウント値が小さいカウンタに対応する基準タイミング候補を基準タイミングとして決定することもできる。
また、データ送信が全く行われていない場合には基準タイミングを特定することは不可能であるが、後述の帯域保証型のモデムの場合にはビーコン信号が定期的に送信されていることが多く、データ送信が行われていないときでも、このビーコン信号のタイミングを利用して基準タイミングを決定することが可能である。
[通信区間の割り当て]
次に、基準タイミングに応じた通信区間の割り当て方法について述べる。
上述したように基準タイミングをとることで、実施形態に係る電力線搬送通信システム1内のすべてのモデム30_1〜30_6では、基準タイミング信号TGrefを生成することができ、この基準タイミングを境にした送信区間が予め送信区間設定部44に設定される。
すべてのモデム30_1〜30_6に共通の基準タイミングが特定されると、原理上、その基準タイミングの前後に2つの送信区間を設定することができる。
図15は、基準タイミングの前後に設定された通信区間を示す図である。
図15において、(a)および(b)は基準タイミングから前方に送信区間A、基準タイミングから後方に送信区間Bを設けている点で共通し、送信区間の割り当てを異なる記載で表示したものである。
このように、電力線搬送通信システム1では、基準タイミングに基づいて通信区間の時分割設定を行う、すなわち、基準タイミングの前後に2つの送信区間A,Bを設定する。そして、通信方式が異なる2組のモデムがその2つの送信区間A,Bで通信を行うことで、特別なアクセス制御装置を用いることなく、通信方式が異なる2組のモデムの通信を共存させることができる。たとえば、図15では、区間Aをモデム30_3(通信相手がモデム30_4)の送信区間として設定し、区間Bをモデム30_1(通信相手がモデム30_2)の送信区間として設定することで、モデム30_1および30_3からの送信信号は、2つの送信区間による占有率(基準タイミング間に送信区間が占める時間比率)が100%を越えない限り、電灯線上で衝突しない。
なお、2つの送信区間A,Bを、それぞれ通信方式が異なるモデムに割り当てる必要はなく、通信方式が同一のモデムに割り当ててもよい。通常は、通信方式が同一の複数のモデムでは、1つの親モデムによる制御によって他のモデムの通信タイミングを制御することが可能であるが、上記2つの送信区間A,Bに割り当てれば、この親モデムによる制御は必要ない。
[モデム30の動作]
次に、図9および図15に関連付けて、電力線搬送通信システム1におけるモデム30_1,30_3の動作を説明する。
なお、本実施形態のモデムでは、基準タイミングの前または後のどちらで送信を行うかについてのデータ(上記送信区間AまたはB)、および、その送信区間長のデータは、送信区間データSPとして予め送信区間設定部44に設定される。
カプラ42は、電灯線上の信号を受信して商用電源電圧信号を抽出し、基準タイミング生成部43に供給する。
基準タイミング生成部43では、すべてのモデムで基準タイミング生成方法が共通化され、すなわち、上記m,nの値(前述した[基準タイミング信号の生成方法]参照)が予め特定されることで共通の基準タイミング信号TGrefを生成して、MAC層処理部31に送出する。送信区間設定部44は、予め設定された送信区間データSPをMAC層処理部31に送出する。
MAC層処理部31では、基準タイミング信号TGrefと送信区間データSPとから、基準タイミングを基準とした送信の開始タイミングおよび終了タイミングを特定し、その開始タイミング〜終了タイミングの間、送信指示信号Csをアクティブにする。これによって、送受信切換部36は、送信信号をカプラ37を介して電灯線に送出する。
以上の動作は、モデム30_1,30_3に共通して行われる。
その際、モデム30_1のMAC層処理部31は、図15に示すように、基準タイミングから後方に送信の開始タイミングおよび終了タイミングを特定し、モデム30_3のMAC層処理部31は、基準タイミングから前方に送信の開始タイミングおよび終了タイミングを特定する。したがって、両者の送信タイミングは時分割制御されるため、電灯線上で衝突を起こすことなく、適切に送信が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る電力線搬送通信システム1では、商用電源に基づいて全モデムに共通の基準タイミングを生成し、この基準タイミングの前後に2組のモデムの送信区間(通信区間)を設けるようにしたので、スペクトル拡散方式、OFDM方式、シングルキャリア方式等通信方式が異なるモデムの送信期間を時分割設定できる。すなわち、通信方式が異なるモデムをシステム内で共存させることができる。
したがって、通信方式が異なるモデム間の送信タイミングを調整するためのアクセス制御装置が必要ない。
本実施形態に係る電力線搬送通信システム1では、各モデムが商用電源に基づいて基準タイミングをとっているため、原理的に、電灯線に接続されたすべてのモデムに対して共通の基準タイミングを設けることができる。
また、本実施形態に係る電力線搬送通信システム1では、既存のモデムに対して、タイミング生成を行う回路、基準タイミングに応じた期間に送信指示信号を生成する回路を付加するだけなので、既存回路に対する変更規模が極めて小さく、早期に実現させることができる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の電力線搬送通信システムの第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、商用電源電圧信号に基づく基準タイミングによって、簡易に時分割設定を実現する電力線搬送通信システムについて説明したが、本実施形態では、基準タイミングの前後に割り当てるべき通信種別について説明する。
本実施形態において、電力線搬送通信システムおよび各モデムの構成は、第1の実施形態と同様である。したがって、本実施形態の説明においても同一の符号を使用する。
一般に、宅内ネットワークでは、通信種別として、「帯域保証型通信」と「ベストエフォート型通信」の2種類の通信が行われる。
「帯域保証型通信」とは、一定の伝送速度を維持することが必要な通信、すなわち、伝送速度を保証すべき通信であり、たとえばTVセットに対する画像データの伝送、音楽伝送速度のリアルタイム伝送などがこれに相当する。
「ベストエフォート型通信」とは、一定の伝送速度を維持する必要のない通信、すなわち、伝送速度を保証しなくてもよい通信であり、たとえば電子メールやウェブ情報のダウンロード、コンテンツのダウンロードなどリアルタイム性を必要としない通信が含まれる。ベストエフォート型通信は限られた帯域を分かち合って通信を行う方式であるため、ベストエフォート型通信を行うモデムが多い場合には通信の実効速度が低下するが、通信の衝突に対しては、データ再送を行う等によって許容できる場合が多い。
なお、帯域保証型通信またはベストエフォート型通信の一方だけを行うモデム、その両方を行うモデムなど様々存在するため、以下の説明では、「帯域保証型モデム」、「ベストエフォート型モデム」と表記する。したがって、単一のモデムであっても、「帯域保証型モデム」として機能する場合もあれば、「ベストエフォート型モデム」として機能する場合もあり得る。
基準タイミングの前後には2つの送信区間しか割り当てることができないので、電力線搬送通信システム1において、どのモデムをその2つの通信区間に割り当てるかについては、上述した帯域保証型モデム、ベストエフォート型モデムの別を考慮して決定しなければならない。たとえば、帯域保証型モデムが存在するにも関わらず、仮に基準タイミングの前後の2つの送信区間に割り当てなかったとすると、その帯域保証型モデムによる送信信号が他の送信信号と衝突を起こすことで、リアルタイム通信ができなくなる事態が生ずる。したがって、帯域保証型モデムを優先した送信区間の割り当てを行う必要がある。
以下、本実施形態に係る電力線搬送通信システムにおいて、送信区間の割り当て方法について、図16および図17に関連付けて説明する。
(1)システム内に2組の帯域保証型モデムが存在する場合
図16は、システム内に2組の帯域保証型モデムが存在する場合の送信区間の割り当て方法を示すタイミングチャートであって、(a)は商用電源、(b)は2組のモデムの送信区間、を示す。
かかる場合には、図16に示すように、その2組の帯域保証型モデム#1,#2をそれぞれ基準タイミングの前後に割り当てる。これによって、2組のモデムによる占有率(基準タイミング間に送信区間が占める時間比率)が100%を越えない限り、帯域保証型モデム#1,#2からの送信信号の衝突は発生せず、所望の伝送速度が保証される。
(2)システム内に1組の帯域保証型モデムと複数組のベストエフォート型モデムが存在する場合
図17は、システム内に1組の帯域保証型モデムと複数組のベストエフォート型モデムが存在する場合の送信区間の割り当て方法を示すタイミングチャートであって、(a)は商用電源、(b)はモデムの送信区間、を示す。
かかる場合には、図17に示すように、基準タイミングの前後の送信区間のうち、一方を帯域保証型モデムが占有し、他方を複数のベストエフォート型モデムで共有する。これにより、帯域保証型モデムは、他のベストエフォート型モデムとの送信信号の衝突を回避し、所望の伝送速度で通信を行うことができる。
複数のベストエフォート型モデムは、単一の送信区間を共有することになるので、必然的に送信信号の衝突が発生するが、伝送速度を保証しなくてもよいので、送信信号の衝突はある程度許容することができる。たとえば、ベストエフォート型通信では、利用する送信区間より短いデータ長で送信タイミングをランダムにばらつかせることで衝突を低減させる方法や、または、衝突が起こってもACK通信によって回復させる方法などをとることができる。
なお、基準タイミングの前後に割り当てられた2組のモデムによる占有率が100%を越える場合には、送信信号の衝突の可能性がある。たとえば、上記(2)の場合において、占有率が80%の帯域保証型モデムと、占有率が30%のベストエフォート型のモデムとが基準タイミングの前後に割り当てられたとすると、合計の占有率が110%となって送信信号の衝突が発生する。
かかる衝突を回避するため、各モデムによる占有率が固定である場合には、その占有率をモデムの筐体の露出部分に表示するなどしてユーザに明示しておくことが好ましい。これによって、ユーザは、送信信号の衝突の可能性があるか否かについて予め確認したうえで、安全にモデムを動作させることができるようになる。
なお、表示する指標としては、占有率に限らず、送信区間長などユーザがデータの衝突を予期できるものであればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る電力線搬送通信システムによれば、商用電源電圧信号に基づく基準タイミングの前後を、システム内の帯域保証型モデム、ベストエフォート型モデムの通信種別に応じて適切に割り当てたので、1組または2組の帯域保証型モデム間の通信が破綻しない。
《第3の実施形態》
次に、本発明の電力線搬送通信システムの第3の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、基準タイミングの前後の送信区間に対するモデム(帯域保証型モデム、ベストエフォート型モデム)の割付方法について説明したが、本実施形態では、電力線搬送通信システム内のモデムごとに、送信区間と占有率を選択可能な構成となっていることに特徴がある。なお、本実施形態において、電力線搬送通信システムの構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態において、各モデムは、基準タイミングの前または後(送信区間)のいずれで送信を行うか選択するための区間選択部(後述する送信区間設定部46、スイッチインタフェース47に対応)と、占有率(基準タイミング間に送信区間が占める時間比率)を選択することで自己の通信区間を設定する通信設定部(後述する占有率設定部48、スイッチインタフェース49に対応)とを有する。
本実施形態において、各モデムが占有率および送信区間を選択可能な構成としているのは、第2の実施形態で述べた帯域保証型通信、ベストエフォート型通信のいずれの場合でも、その通信区間を選択できるようにすることが伝送路の効率的な利用の観点から好ましいためである。
また、基準タイミングの前後に割り当てられた2組のモデムによる占有率が100%を越えることが予期することができれば、たとえばベストエフォート型モデムによる占有率を調整することで、2組のモデムによる占有率を100%以下にして、送信信号の衝突を回避することが可能となる。たとえば、各モデムの占有率がモデムの筐体の露出部分に表示されている場合には、ユーザは送信信号の衝突が発生するか否か予期できる。
なお、以下において、本実施形態に係るモデムは、この区間選択部と通信設定部を両方備えるが、いずれかを備えるだけでもよい。たとえば、区間選択部のみを備えていても、基準タイミングの前後に2組のモデムを割り振ることができ、送信信号の衝突を回避できる可能性を高くすることができる。
次に、本実施形態に係るモデムの構成について、図18を参照して説明する。
図18に示すように、本実施形態に係るモデム30aは、第1の実施形態で説明したモデム30(図9参照)と比較して、送信区間設定部46、占有率設定部48、スイッチインタフェース47,49が追加された点で異なる。
スイッチインタフェース47は、送信区間(基準タイミングの前後のいずれか)を選択するためのスイッチ(図示しない)に接続される。スイッチインタフェース47は、ユーザによるスイッチ操作に応じて選択された送信区間のデータ(送信区間データSP)を、送信区間設定部46に送出する。
送信区間設定部46は、スイッチインタフェース47から送出された送信区間データSPを保持するとともに、MAC層処理部31へ供給する。送信区間設定部46が保持する送信区間データSPは、ユーザのスイッチ操作に応じてその都度変更される。
スイッチインタフェース49は、占有率(基準タイミング間に送信区間が占める時間比率)を選択するためのスイッチ(図示しない)に接続される。スイッチインタフェース49は、ユーザによるスイッチ操作に応じて選択された占有率のデータ(占有率データSR)を、占有率設定部48に送出する。
占有率設定部48は、スイッチインタフェース49から送出された占有率データSRを保持するとともに、MAC層処理部31へ供給する。占有率設定部48が保持する占有率データSRは、ユーザのスイッチ操作に応じてその都度変更される。
MAC層処理部31は、基準タイミング信号TGref、送信区間データSP、占有率データSRから、基準タイミングを基準とした送信の開始タイミングおよび終了タイミングを特定し、その開始タイミング〜終了タイミングの間、送信指示信号Csをアクティブにする。これによって、送受信切換部36は、送信信号をカプラ37を介して電灯線に送出する。
次に、送信区間を選択する場合と、送信区間および占有率を選択する場合のモデム使用例について述べる。
(1)送信区間のみ選択する場合
帯域保証型通信では、伝送速度が決まっているため、隣接する基準タイミング間で送信すべき送信区間長が必然的に定まる。それゆえ、通常、帯域保証型モデムに対して占有率を設定する必要はない。
したがって、実施形態に係る電力線搬送通信システム内に帯域保証型モデムが1組または2組存在する場合には、これらのモデムに対して占有率を設定する必要がなく、送信区間(基準タイミングの前後のいずれか)のみを設定する。たとえば、すでに1組の帯域保証型モデムが、送信区間として基準タイミングの前または後のいずれか一方を占有している場合には、ユーザは、他方の送信区間を選択することで、2組の帯域保証型モデムが時分割によって同時に通信を行うことが可能となる。
(2)送信区間および占有率を選択する場合
ベストエフォート型通信は、帯域保証型モデムによる通信と衝突が起こらない範囲で、その占有率を変更し、実効速度を極力上げることが望ましい。したがって、占有率を調整することは、ベストエフォート型モデムに対して特に有効である。
帯域保証型モデムは、その伝送速度が筐体に表示されているか、若しくは既知であることがほとんどであり、また、システム内で基準タイミングの間隔をユーザが把握できるように予め表示/通知しておけば、ユーザは、その帯域保証型モデムによる占有率を容易に算出できる。そして、ユーザはモデム30aに設けられたスイッチを操作することで、ベストエフォート型モデムの送信区間を帯域保証型モデムの送信区間とは別の区間に設定するとともに、占有率の合計が100%を越えない範囲で、ベストエフォート型モデムの占有率を増減させる。これにより、伝送路を効率的に利用することができる。
なお、占有率固定の(占有率を調整することができない)ベストエフォート型モデムに対しては、帯域保証型モデムによる通信との衝突を回避するため、予め占有率を極力小さく設定しておくことが望ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る電力線搬送通信システムによれば、各モデムに対して、送信区間(基準タイミングの前後のいずれかの区間)、占有率を選択できるように構成したので、伝送路を効率的に利用することが可能となる。
《第4の実施形態》
次に、本発明の電力線搬送通信システムの第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、電力線搬送通信システムの構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態に係る電力線搬送通信システムでは、第3の実施形態と異なり、各モデムが送信区間および占有率をユーザ操作に応じて設定するのではなく、自動的に設定することに特徴がある。これによって、第3の実施形態に係る電力線搬送通信システムに対して、ユーザが煩雑な操作をしなくても伝送路を効率的に利用できるようにすることを意図している。
かかる観点から、本実施形態に係る電力線搬送通信システムにおいて、各モデムは、他の通信装置が基準タイミングの前若しくは後のいずれで通信を行っているか、または通信を行っていないかを特定する通信状態特定部と、その特定結果に応じて自己の通信区間を設定する通信設定部とを有する。本実施形態において、この通信状態特定部と通信設定部は、図19の送信区間設定部50に相当する。
図19は、本実施形態に係るモデム30bの構成を示す図であるが、第1の実施形態で説明したモデム30(図9参照)と比較すると、送信区間設定部50が相違する。
送信区間設定部50は、電灯線上の信号SIGを直接受信し、その受信電力の変化に基づいて、伝送路を使用しているモデムの有無を把握し、かつ、そのモデムの送信区間および送信区間長を算出する。そして、その算出結果に基づいて、自己が送信すべき送信区間および送信区間長(基準タイミング間隔を固定すれば、占有率と同義)を特定し、送信区間データSPとしてMAC層処理部31へ供給する。
なお、送信区間設定部50は、送信区間長のみを特定するように構成してもよい。かかる場合には、第3の実施形態で述べたような、送信区間を選択するためのスイッチが設けられ、このスイッチをユーザが操作することで送信区間が特定される。
MAC層処理部31は、基準タイミング信号TGref、送信区間データSPから、基準タイミングを基準とした送信の開始タイミングおよび終了タイミングを特定し、その開始タイミング〜終了タイミングの間、送信指示信号Csをアクティブにする。これによって、送受信切換部36は、送信信号をカプラ37を介して電灯線に送出する。
次に、図17に示したタイミングチャートおよび図19を参照して、実施形態に係るモデム30bの動作を説明する。なお、ここでは、モデム30bは、図7に示すベストエフォート型モデムであるとする。
図17において、帯域保証型モデムは、基準タイミングの後の送信区間で一定の伝送速度(すなわち、一定の占有率)による通信を行っている。
通信をまだ開始していないモデム30bは、先ず、基準タイミング生成部43で生成した基準タイミングの前後で、電灯線から受信した信号SIGの受信電力が所定の閾値を境にしてどのように変化するかを検出する。
そして、受信電力が基準タイミングの前後で所定の閾値を越えて増加したときには、すでに通信を行っているモデムの送信区間が基準タイミングの後であると判断する。受信電力が基準タイミングの前後で所定の閾値を越えて減少したときには、すでに通信を行っているモデムの送信区間が基準タイミングの前であると判断する。受信電力が基準タイミングの前後で継続して所定の閾値を下回るときには、通信を行っているモデムが存在しないと判断する。なお、この判断は、1回だけでなく、複数回の基準タイミングに対して行うことが精度の点から望ましい。
このようにして、モデム30bは、電灯線で通信を行っているモデムが存在するか、存在する場合の送信区間は基準タイミングの前後のどちらかについて把握できるため、自己が送信すべき送信区間を特定することができる。たとえば、図17では、別のモデム(帯域保証型モデム)が基準タイミングの後に送信区間が割り当てられていることがわかるので、ベストエフォート型モデムであるモデム30bは、基準タイミングの前に送信区間を設定する。これにより、別のモデムによる通信と衝突しない可能性が高くなる。
さらに、モデム30bは、すでに電灯線で通信を行っているモデムの送信区間長を検出することが好ましい。たとえば、図17において、モデム30bは別のモデムが基準タイミングの後に送信を行っていることを把握したので、基準タイミングの時点から、電灯線から受信した信号SIGの受信電力が所定の閾値を越える継続時間を測定することで、その別のモデムの送信期間長、すなわち占有率を算出する。この占有率の算出も複数回の基準タイミングに対して行うことが精度の点から望ましい。
また、この占有率が複数回の基準タイミングに対して一定である場合には、すでに通信を行っている別のモデムが帯域保証型モデムであると判断することができる。なお、その際、パケットサイズとデータ量との関係に応じて占有率は常に一定ではなく、若干の変動があることを考慮して判断をする必要がある。
そして、モデム30bは、すでに通信を行っている別のモデムが帯域保証型モデムである場合には、占有率の合計が100%を越えない範囲で、自己の占有率を最大に設定する。電灯線に通信を行っている別のモデムが存在しない場合には、モデム30bは、自己の占有率を100%に設定することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電力線搬送通信システムによれば、各モデムは、伝送路の通信状況を把握したうえで、自己の送信区間および占有率を自動的に最適に設定するように構成したので、伝送路を最大限に効率的に利用することができる。したがって、ユーザは使用対象のモデムごとに送信区間、占有率を設定する必要がなく、ユーザが煩雑な操作をしなくても伝送路を効率的に利用できるようになる。
《第5の実施形態》
次に、本発明の電力線搬送通信システムの第5の実施形態について説明する。
第1の実施形態に係る電力線搬送通信システム1では、商用電源に基づいて全モデムに共通の基準タイミングを生成し、この基準タイミングの前後に2組のモデムの通信区間を設けることで、通信方式が異なる2つのモデムによる送信のタイミングを時分割によって共存させる方法について述べた。この簡易的な時分割設定方法は、システム内のモデムの回路変更規模が極めて小さく、早期に実現させることが可能である。
以下の説明では、この簡易的な時分割設定方法によって、送信タイミングが設定されるモデムを「クラス1モデム(本発明の第1クラスの通信装置)」と称する。すなわち、クラス1モデムは、「商用電源に基づく基準タイミングの前または後に割り当てられた期間にのみ通信を行うモデム」である。
一方、通信方式が異なる複数のモデムの送信タイミングを時分割によって制御することができるアクセス制御装置が実現すれば、商用電源に基づく基準タイミングに同期したタイミングに限定されることなく、所望のタイミングに基づいて複数のモデムを時分割制御することが可能であるが、このようなアクセス制御装置をすべての家庭に配置することができる時期は、上記クラス1モデムが実現するよりも後になると考えられる。
以下の説明では、このようなアクセス制御装置によって、商用電源に基づく基準タイミングによらずに、所望のタイミングを基準として行う時分割制御方法によって送信タイミングが設定されるモデムを「クラス2モデム(本発明の第2クラスの通信装置)」と称する。すなわち、クラス2モデムは、「時分割で割り当てられた所望の期間に通信が可能なモデム」である。
将来的に、宅内の電力線搬送通信システムにおけるすべてのモデムがクラス2モデムになれば、上述したアクセス制御装置によってすべてのモデムの通信が時分割制御されるが、システム内にクラス1モデムとクラス2モデムとが混在する状態では、これらのモデムが共存できる(信号の衝突なく通信できる)ように、システムを構成する必要がある。
上述した観点から、本実施形態では、上記クラス1モデムおよびクラス2モデムを共存させることが可能な電力線搬送通信システムについて説明する。
図20は、クラス1モデムとクラス2モデムとが混在する、本実施形態に係る電力線搬送通信システム2のシステム構成を示す図である。
図に示すように、電灯線11には、クラス1モデムであるモデム60_1〜60_3が接続され、電灯線12には、クラス1モデムであるモデム60_4と、クラス2モデムであるモデム60_5,60_6が接続されている。モデム60_1,60_2は同じ通信方式の通信装置であり、モデム60_3,60_4、そしてモデム60_5,60_6は、それぞれ別々の通信方式を採用する通信装置である。
アクセス制御装置20は、電灯線11に接続され、クラス2モデムの送信タイミングについて所望のタイミングを基準として時分割制御することが可能である。図20に示す電力線搬送通信システム2には、1組のクラス2モデム(モデム60_5,60_6)のみ接続されているが、通信方式が異なる複数のクラス2モデムが接続されている場合には、その複数のクラス2モデムの送信タイミングを時分割制御する。
たとえば、図21に模式的に示したように、アクセス制御装置20は、所望の基準タイミングを生成し、その基準タイミングを基準として、たとえばクラス2モデムa,b,cの送信タイミングを時間軸上で分散させて配置する。
なお、図20において、アクセス制御装置20はモデムと独立に設けられているが、クラス2モデムであるモデム60_5,60_6に内蔵されていてもよい。
次に、電力線搬送通信システム2における各モデムの構成について説明する。
クラス1モデムであるモデム60_1〜60_4の構成は、図9に示したモデム30と同一である。
クラス2モデムの構成として、モデム60_5の構成を図22に示す。なお、モデム60_6も同一の構成である。
図22に示すモデム60_5の構成において、アクセス制御装置20とのインタフェースや、アクセス制御装置20からの指示に伴う通信制御部分については、記載していない。また、図22において、図9と同一の符号が付されているブロックについては、モデム30と同一の機能を有していることを示す。
図22に示すように、クラス2モデムでは、クラス1モデムと同様に、基準タイミング生成部43において基準タイミング信号TGrefを生成する。
後述するように、本実施形態に係る電力線搬送通信システム2では、商用電源に基づく基準タイミングに同期させて、その前後にクラス1モデムおよびクラス2モデムを割り当てるため、クラス2モデムについても商用電源に基づく基準タイミング信号TGrefを生成するようにしている。
図22に示すように、クラス2モデムは、クラス1モデムの送信区間および送信区間長についての情報(クラス1情報)を入力するためのクラス1情報入力部61を備える。クラス1情報入力部61は、ユーザの操作部(図示しない)に対する入力によってクラス1情報を取り込む。
なお、クラス1情報入力部61は、本発明の通信情報入力部に対応し、MAC層処理部62は、本発明の通信設定部に対応する。
上述したように、クラス1モデムは、商用電源に同期した基準タイミングの前または後に送信区間でのみ送信が可能であるが、クラス2モデムは、その基準タイミングの前または後に送信区間が設定できるのみならず、アクセス制御装置20による制御に応じて、所望の区間に送信を行うことが可能である。すなわち、クラス2モデムは、その送信区間の設定自由度がクラス1モデムより高い。
かかる観点から、クラス2モデムは、クラス1モデムの送信区間および送信区間長についての情報(クラス1情報)を入力し、クラス1モデムが送信を行う区間を避けて通信を行うように構成することが、クラス1モデムとクラス2モデムの共存性を高めるうえで重要である。
図22に示すモデム60_5において、クラス1情報入力部61は、電力線搬送通信システム2におけるすべてのクラス1モデムの送信区間および送信区間長(または占有率)を取り込み、これらの情報を、クラス1データSC1としてMAC層処理部62に供給する。なお、クラス1モデムに割り当てられる送信区間(基準タイミングの前または後)を予め決めておけば、クラス1データSC1は、送信区間長(または占有率)のデータのみを含むようにすればよい。
MAC層処理部62は、基準タイミング信号TGref、クラス1データSC1から、クラス1モデムが送信を行う区間と重複しないように自己が送信すべき区間を特定し、その区間の間、送信指示信号Csをアクティブにする。これによって、送受信切換部36は、送信信号をカプラ37を介して電灯線に送出する。
次に、実施形態に係る電力線搬送通信システム2において、クラス1モデムとクラス2モデムの共存方法について、図23および図24を参照して説明する。
(1)基準タイミングの前後にクラス1モデムおよびクラス2モデムを割り当てる方法
図23に、かかる方法の送信区間の割り当て方法を示すタイミングチャートの一例を示す。図23において(a)は商用電源、(b)は各モデムの送信区間を示している。
図23に示す例では、基準タイミングの前に区間A、基準タイミングの後に区間Bを設定し、区間Aにクラス1モデムの送信区間を割り当て、区間Bにクラス2モデムの送信区間を割り当てる。無論、この逆でもよい。
この方法によれば、2組のモデム(クラス1モデム、クラス2モデム)による占有率が100%を越えない限り、各モデムからの送信信号の衝突は発生せず、両者を共存させることが可能である。
また、クラス2モデムが、ユーザ入力に基づくクラス1データSC1によって、自己の送信区間をクラス1モデムの送信区間と重複しないように、すなわち、占有率が100%を越えないように、自己の送信区間長(占有率)を設定することで、クラス1モデムとの共存性をより確実にすることが可能である。
(2)基準タイミングの前後ともクラス1モデムを割り当てる方法
図24に、かかる方法の送信区間の割り当て方法を示すタイミングチャートの一例を示す。図24において(a)は商用電源、(b)は各モデムの送信区間を示している。
図24に示す例では、基準タイミングの前に区間A、基準タイミングの後に区間Bを設定し、区間Aおよび区間Bにクラス1モデムの送信区間を割り当て、隣接する基準タイミング間において区間A,B以外の区間Cにクラス2モデムの送信区間を割り当てる。
その際、区間Cにおいて、クラス2モデムは、アクセス制御装置20による制御の下、基準タイミングとは異なるタイミングで送信区間が設定される。すなわち、アクセス制御装置20は、クラス2モデムを介してクラス1データSC1を取得するか、若しくは、直接ユーザ入力によってクラス1データSC1を取得することで、基準タイミング間においてクラス1モデムが送信を行う区間と重複しない区間(図24の区間C)を特定し、その区間に送信を行うようにシステム内のクラス2モデムに対して時分割制御を行う。
この方法によれば、最大2組のクラス1モデムをクラス2モデムと共存させることが可能となる。
なお、図22では、クラス2モデムがユーザ操作に応じてクラス1データSC1を入力する構成としたが、第4の実施形態で説明した方法と同様に、クラス2モデムが、基準タイミング前後の電灯線上の信号SIGの電力に応じて、クラス1モデムの送信区間、送信区間長を特定し、その区間を避けるようにして、自己の送信区間を設定するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る電力線搬送通信システムによれば、商用電源に基づく基準タイミングの前または後に割り当てられた期間にのみ通信を行うクラス1モデムと、時分割で割り当てられた所望の期間に通信が可能なクラス2モデムとが混在する場合に、各モデムの送信区間を適切に時分割設定することで、クラス1モデムおよびクラス2モデムを共存させることができる。
したがって、電力線搬送通信システムにおいて異なる通信方式のモデムを共存させる方策として、早期に実現可能なクラス1モデムに対する簡易な時分割設定を用いた共存方法から、早期の実現は難しいが将来的に主流となり得るクラス2モデムによる柔軟性の高い時分割制御を用いた共存方法へ、円滑に移行させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成及びシステムは本実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更や、他のシステムへの適応なども含まれる。
従来の電力線搬送通信システムにおける、宅内のシステム構成を示す図である。 従来の電力線搬送通信システムにおける、周波数分割による共存状態を示す図である。 従来の電力線搬送通信システムにおいて、近接する周波数帯間のバンドギャップを示す図である。 従来の電力線搬送通信システムのシステム構成を示す図である。 従来の電力線搬送通信システムにおいて、1つのモデムが受信する他のモデムからの信号レベルを示す図である。 従来の電力線搬送通信システムにおける、時分割による共存状態を示す図である。 従来の電力線搬送通信システムに対してアクセス制御装置が付加されたシステム構成を示す図である。 宅内に実装された、実施形態に係る電力線搬送通信システムのシステム構成を示す図である。 実施形態に係るモデムの構成を示すブロック図である。 実施形態に係るモデムの構成を示す図である。 実施形態に係るモデムの構成を示す図である。 様々な商用電源電圧に対する基準タイミングの位置を示す図である。 基準タイミングの検出方法について説明するための図である。 基準タイミングの検出を行うためのフローチャートである。 基準タイミングの前後に設定された通信区間を示す図である。 2組の帯域保証型モデムが存在する場合の送信区間の割り当て方法を示すタイミングチャートである。 1組の帯域保証型モデムと複数組のベストエフォート型モデムが存在する場合の送信区間の割り当て方法を示すタイミングチャートである。 実施形態に係るモデムの構成を示す図である。 実施形態に係るモデムの構成を示す図である。 実施形態に係る電力線搬送通信システムのシステム構成を示す図であって、クラス1モデムとクラス2モデムとが混在する場合を示す。 アクセス制御装置による時分割制御を模式的に示す図である。 実施形態に係るクラス2モデムの構成を示す図である。 基準タイミングの前後にクラス1モデムおよびクラス2モデムを割り当てる方法を示すタイミングチャートである。 基準タイミングの前後ともクラス1モデムを割り当てる方法を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1…電力線搬送通信システム
10…分電盤
11,12…電灯線
30,30a,30b,30_1〜30_6…モデム
31…MAC層処理部、32…PHY層送信処理部、33…D/A変換器、
34…増幅器、35…フィルタ、36…送受信切換部、37…カプラ、
38…フィルタ、39…増幅器、40…A/D変換器、
41…PHY層受信処理部、42…カプラ、43…基準タイミング生成部、
44,46,50…送信区間設定部、47,49…スイッチインタフェース、
48…占有率設定部
2…電力線搬送通信システム
60_1〜60_6…モデム
61…クラス1情報入力部、62…MAC層処理部
20…アクセス制御装置

Claims (10)

  1. 同一宅内の電力線に共通に接続された複数組の第1通信装置であって、当該同一宅内の電力線に共通に接続された状態において同一組内では互いに通信可能で且つ他の組との間では互いに通信することができない複数組の第1通信装置と、
    前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、所定の外部タイミング信号を前記電力線へ出力するアクセス制御装置と、
    前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、前記外部タイミング信号を受信して、当該外部タイミング信号に基づいて時分割通信を実行する複数組の第2通信装置と
    を有する電力線搬送通信システムであって、
    前記複数組の第1通信装置の各々は、
    前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共通するタイミングである内部基準タイミングを、前記商用電源電圧の周期に同期させた一定間隔で生成する第1タイミング生成部と、
    前記内部基準タイミングを基準としてその前後に設定可能な複数の通信区間のいずれの通信区間を使用して通信するのかについての時分割設定が可能な第1設定部と、
    を有し、
    前記商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングに基づいて、組毎に設定された通信区間を用いて組毎の通信を実行し
    前記外部タイミング信号に基づいて時分割通信を実行する複数組の第2通信装置の各々は、
    前記複数組の第1通信装置による通信区間を入力するための入力部と、
    前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共用される前記内部基準タイミングを生成する第2タイミング生成部と、
    前記内部基準タイミングおよび前記通信区間に基づいて判断可能な前記複数組の第1通信装置による通信区間以外の通信区間を使用して時分割通信するように設定する第2設定部と、
    を有し、
    前記第2設定部により設定された通信区間において、前記外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する
    電力線搬送通信システム。
  2. 前記複数組の第1通信装置により使用される通信区間の長さの合計が、前記内部基準タイミングの発生間隔の一部である
    請求項1記載の電力線搬送通信システム。
  3. 前記複数組の第1通信装置は、
    伝送速度が保証された帯域保証型の通信を実行する第1通信装置の組を含み、
    前記複数組の第1通信装置には、
    各々の前記第1設定部により、当該帯域保証型の組の第1通信装置に対して、他の組の第1通信装置とは異なる前記通信区間が設定されている
    請求項1または2記載の電力線搬送通信システム。
  4. 前記複数組の第1通信装置は、
    伝送速度が保証された帯域保証型の通信を実行する第1通信装置の組と、伝送速度を保証する必要がないベストエフォート型の通信を実行する第1通信装置の組とを含み、
    前記複数組の第1通信装置には、
    各々の前記第1設定部により、当該帯域保証型の組の第1通信装置に対して、前記ベストエフォート型の組の第1通信装置とは異なる前記通信区間が設定されている
    請求項1または2記載の電力線搬送通信システム。
  5. 前記複数組の第1通信装置は、2組であり、
    当該2組の第1通信装置には、
    各々の前記第1設定部により、組毎に分けて、前記内部基準タイミングの前の通信区間、または前記内部基準タイミングの後の通信区間が設定されている
    請求項1または2記載の電力線搬送通信システム。
  6. 前記複数組の第1通信装置は、
    伝送速度が保証された帯域保証型の通信を実行する第1通信装置の組含み、
    当該帯域保証型の組の第1通信装置の各々の第1設定部は、
    スイッチインターフェースを有し、前記スイッチインターフェースの操作入力に応じて、前記内部基準タイミングの前または後のいずれの区間で通信を行うかを設定する
    請求項1または2記載の電力線搬送通信システム。
  7. 前記帯域保証型の組の第1通信装置は、その露出部分に自己の通信区間の長さを規定する占有率を表示する
    請求項6記載の電力線搬送通信システム。
  8. 前記複数組の第1通信装置は、
    伝送速度保証する必要がないベストエフォート型の通信を実行する第1通信装置の組を含み、
    当該ベストエフォート型の組の第1通信装置の各々の第1設定部は、
    スイッチインターフェースを有し、前記スイッチインターフェースの操作入力に応じて、前記内部基準タイミングの前または後のいずれの区間で通信を行うかを設定するとともに、前記通信区間の長さを規定する占有率を設定する
    請求項1または2記載の電力線搬送通信システム。
  9. 同一宅内の電力線に対して互いに通信することができない他の組の通信装置とともに共通に接続可能であって、当該同一宅内の電力線に共通に接続された状態において前記電力線に接続されるアクセス制御装置からの時分割制御用の外部タイミング信号を受信して、当該外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する通信装置であって、
    前記他の組の通信装置に含まれている、前記同一宅内の電力線の商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングに基づいて通信する第1通信装置による通信区間を入力するための入力部と、
    前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記第1通信装置に共用される内部基準タイミングを生成するタイミング生成部と、
    前記内部基準タイミングおよび前記通信区間に基づいて判断可能な前記第1通信装置による通信区間以外の通信区間を使用して時分割通信するように設定する設定部と、
    を有し、
    前記設定部により設定された通信区間において、前記外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する
    通信装置。
  10. 同一宅内の電力線に共通に接続された複数組の第1通信装置であって、当該同一宅内の電力線に共通に接続された状態において同一組内では互いに通信可能で且つ他の組との間では互いに通信することができない複数組の第1通信装置と、
    前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、所定の外部タイミング信号を前記電力線へ出力するアクセス制御装置と、
    前記複数組の第1通信装置が接続された同一宅内の電力線に接続され、前記外部タイミング信号を受信して、当該外部タイミング信号に基づいて割り当てられた時分割通信を実行する複数組の第2通信装置と
    を有する電力線搬送通信システムにおける電力線搬送通信方法であって、
    前記複数組の第1通信装置の各々が、
    前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共通するタイミングである内部基準タイミングを、前記商用電源電圧の周期に同期させた一定間隔で生成し、
    前記内部基準タイミングを基準としてその前後に設定可能な複数の通信区間のいずれの通信区間を使用して通信するのかについての時分割を設定し、
    前記商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングに基づいて、組毎に設定された通信区間を用いて組毎の通信を実行し、
    前記複数組の第2通信装置の各々が、
    前記複数組の第1通信装置による通信区間が入力され、
    前記同一宅内の電力線に供給されている商用電源電圧の周期に同期した内部基準タイミングであって、前記複数組の第1通信装置に共用される前記内部基準タイミングを生成し、
    前記内部基準タイミングおよび前記通信区間に基づいて判断可能な前記複数組の第1通信装置の通信区間以外の通信区間を使用して時分割に通信するように設定し、
    前記設定された通信区間において、前記外部タイミング信号に基づく時分割通信を実行する
    電力線搬送通信方法。
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