JP2008278415A - 通信装置及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
誤動作等を防止しつつ共存制御領域を拡張数することができる通信装置及び通信方法を提供すること。
【解決手段】
通信装置は、交流電圧が供給される電力線を介してデータ通信を行う通信装置であって、前記電力線から供給される交流電圧のゼロクロスポイントを検出する検出部と、前記検出部により検出されたゼロクロスポイントに基づくタイミングに開始ポイントを有し、次の開始ポイントとなりうる点との間に終了ポイントを有する第1の共存制御領域及び前記第1の共存制御領域とは異なる領域に配置された第2の共存制御領域に、通信方式の異なる通信装置が前記電力線に複数共存させるために必要な情報を含んだ共存制御信号を、前記電力線に送信する制御信号送信部と、前記電力線から前記第1及び第2の共存制御領域に含まれた共存制御信号を受信する制御信号受信部とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、交流電圧が供給される電力線を介してデータ通信を行う通信装置及び通信方法に関する。
現在、短波帯を利用する電力線通信モデムの商品化が始まっている。電力線通信モデムには多くの方式が存在し、それらが同時に存在すると共存できないことが指摘されている。
特許文献1には、異なるモデム同士を共存するための技術が開示されている。この技術は、「N相及び周期Tの交流電圧が供給される電力線に接続され、前記電力線を介したデータ通信を制御する通信装置であって、前記電力線の交流波形のタイミングに基づいて同期信号を生成する同期信号生成部と、前記同期信号生成部により生成された同期信号を基準としたT/2M(MはNの自然数倍)の制御区間に、通信方式の異なる通信装置を前記電力線上において複数共存させる、共存方式の情報を含む制御信号を、前記電力線に出力する通信制御部とを備える通信装置」というものである。
より具体的には、例えば特許文献1における図3に示されるように、2〜3MHz帯域に制御信号帯域を設け、3〜30MHz帯域にデータ信号帯域を設け、制御信号帯域に上記の「制御信号」を含ませたものである。
特開2007−19639号公報(特許請求の範囲の請求項1、段落[0060]〜[0062]、図3)
ところで、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)方式にも、このような共存方法を適用することが可能である。
TDMA方式におけるデータ伝送は、時分割の複数のユニット(ここでは、TDMユニットと称する)を用いて行われる。1つのTDMユニットはベストエフォート型データの伝送領域と複数の帯域予約データの伝送領域に分けられる。ベストエフォート型データの伝送領域の先頭に共存用の制御信号(CDCF:Commonly Distributed Coordination Function)を送信するためのCDCF窓(共存制御領域)が挿入される。各モデムはこのCDCF信号を用いてTDMユニット内の領域を予約あるいは使用宣言してデータ伝送を行う。より具体的には、CDCF窓は、複数のフィールドに分割され、各フィールド中にCDCF信号が送信される。どのフィールドで送信されるかによってCDCF信号の役割が異なり、例えば、帯域予約情報の通知、帯域予約要求、再同期要求などがある。
CDCF窓のタイミングは交流電源に同期するよう設定されている。これには交流電源の周期をもとにCDCF信号の検出を容易にする効果がある。無送信時にはCDCF信号が全く送信されない場合もあるが、各モデムが共通のCDCF窓に基づいて動作し始めると交流電源の周期をカウントすることによって同期を維持できるという効果もある。
CDCF窓の開始ポイント候補は、交流電源に対して60度間隔である。例えば、CDCF窓は交流電源電圧が負から正に変化するゼロクロスポイントからCDCF窓が開始される。CDCF窓は次の開始ポイント候補の直前までとなっている。CDCF窓が開始ポイント候補のタイミングを跨ぐと誤動作につながる可能性があるためで、CDCF窓内に配置可能なフィールド数には上限がある。
すなわち、CDCF窓内に配置可能なフィール数には上限があり、現在すべてのフィールドを使用しているため、将来の機能追加のためにさらにフィールドが必要という場合に対応することができない。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、誤動作等を防止しつつ共存制御領域を拡張数することができる通信装置及び通信方法を提供することにある。
かかる課題を解決するため、本発明に係る通信装置は、交流電圧が供給される電力線を介してデータ通信を行う通信装置であって、前記電力線から供給される交流電圧のゼロクロスポイントを検出する検出部と、前記検出部により検出されたゼロクロスポイントに基づくタイミングに開始ポイントを有し、次の開始ポイントとなりうる点との間に終了ポイントを有する第1の共存制御領域及び前記第1の共存制御領域とは異なる領域に配置された第2の共存制御領域に、通信方式の異なる通信装置が前記電力線に複数共存させるために必要な情報を含んだ共存制御信号を、前記電力線に送信する制御信号送信部と、前記電力線から前記第1及び第2の共存制御領域に含まれた共存制御信号を受信する制御信号受信部とを具備する。
本発明では、第1の共存制御領域を拡張するのではなく、新たに別の領域に第2の共存制御領域を設けているので、第1の共存制御領域が開始ポイントとなりうる点を跨ぐこともなく、よって誤動作等を防止しつつ共存制御領域を拡張することができる。
前記データ通信は、ベストエフォート型伝送領域及び帯域予約型伝送領域を有する伝送スロットを使って行われ、前記制御信号送信部は、前記第1及び第2の共存制御領域を前記ベストエフォート型伝送領域に配置する。第1及び第2の共存制御領域をベストエフォート型伝送領域に配置することで、共存制御領域を拡張してもデータ通信に支障をきたすことは殆どない。この場合、前記制御信号送信部は、前記第1及び第2の共存制御領域を同一の伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置してもよいし、前記制御信号送信部は、前記前記第1及び第2の共存制御領域をそれぞれ異なる伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置してもよい。
前記制御信号送信部は、前記第2の共存制御領域を前記開始ポイントとなりうる点を跨がないように配置する。これにより、誤動作等を防止しつつ共存制御領域を拡張することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記制御信号送信部は、前記第1の共存制御領域内に前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを示すフィールドを追加する。これにより、非常に簡単な構成で、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記制御信号送信部は、前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかをユニークパターンの有無によって表現する。これにより、冗長とならいようにして、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記制御信号送信部は、前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを特徴的な信号の出し方によって表現する。これにより、冗長とならいようにして、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記制御信号送信部は、前記制御信号受信部で前記第1の共存制御信号を受信できず、前記第2の共存制御信号を受信できることが可能なように、前記第1及び第2の共存制御信号を送信する。これにより、第1の共存制御信号とは無関係に、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
本発明に係る通信方法は、交流電圧が供給される電力線を介してデータ通信を行う通信方法であって、前記電力線から供給される交流電圧のゼロクロスポイントを検出し、前記検出されたゼロクロスポイントに基づくタイミングに開始ポイントを有し、次の開始ポイントとなりうる点との間に終了ポイントを有する第1の共存制御領域及び前記第1の共存制御領域とは異なる領域に配置された第2の共存制御領域に、通信方式の異なる通信装置が前記電力線に複数共存させるために必要な情報を含んだ共存制御信号を、前記電力線に送信し、前記電力線から前記第1及び第2の共存制御領域に含まれた共存制御信号を受信する。
本発明では、第1の共存制御領域を拡張するのではなく、新たに別の領域に第2の共存制御領域を設けているので、第1の共存制御領域が開始ポイントとなりうる点を跨ぐこともなく、よって誤動作等を防止しつつ共存制御領域を拡張することができる。
前記データ通信は、ベストエフォート型伝送領域及び帯域予約型伝送領域を有する伝送スロットを使って行われ、前記第1及び第2の共存制御領域は、前記ベストエフォート型伝送領域に配置されている。第1及び第2の共存制御領域をベストエフォート型伝送領域に配置することで、共存制御領域を拡張してもデータ通信に支障をきたすことは殆どない。この場合に、前記第1及び第2の共存制御領域は、同一の伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置してもよいし、前記前記第1及び第2の共存制御領域は、それぞれ、異なる伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置してもよい。
前記第2の共存制御領域は、前記開始ポイントとなりうる点を跨がないように配置される。これにより、誤動作等を防止しつつ共存制御領域を拡張することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記第1の共存制御領域内に前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを示すフィールドを追加した。これにより、非常に簡単な構成で、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかをユニークパターンの有無によって表現した。これにより、冗長とならいようにして、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを特徴的な信号の出し方によって表現した。これにより、冗長とならいようにして、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、前記第1の共存制御信号を受信できず、前記第2の共存制御信号を受信できることが可能なように、前記第1及び第2の共存制御信号を送信する。これにより、第1の共存制御信号とは無関係に、第2の共存制御領域を配置したことを報知することができる。
以上のように、本発明によれば、第2の共存制御領域を配置したことで、誤動作等を防止しつつ共存制御領域を拡張数することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(通信装置の構成)
図1は本発明の一実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、通信装置1は、例えば電力線通信(PLC)モデムと呼ばれる装置であり、一般家庭の電力線(電灯線)を使って通信を行うもので、通信帯域として2〜30MHz帯域を使い、変調方式として例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)が用いられる。
この通信装置1は、制御回路10、CDCF送信回路11、CDCF送信回路12、データ送信回路13、セレクタ14、送受切り換え器15、カプラ16、ACプラグ17、ACサイクル検出器18、CDCF受信回路19、CDCF受信回路20、データ受信回路21、Ethernet(登録商標)回路22及びRJ45コネクタ23を有する。
制御回路10は、CDCF送信タイミング、CDCF受信タイミング及びCDCF信号の種類指定、CDCF信号の送信指示、データ送信処理、受信したCDCF情報の取得、データ受信処理を行う。
具体的には、制御回路10は、ACサイクル検出器18から同期タイミングを受信する。このタイミングは、CDCF送信タイミング、CDCF受信タイミングの基準となる。制御回路10は、CDCF送信回路11に対してCDCF信号の種類、タイミングを指示する。CDCF送信回路11は、その指示に従ってCDCF信号をセレクタ14に送出する。
また、制御回路10はCDCF送信回路12に対してCDCF信号の種類、タイミングを指示する。CDCF送信回路12は、その指示に従ってCDCF信号をセレクタ14に送出する。CDCF送信回路12が送出するCDCF信号は拡張されたCDCF窓用のもので、その種類はCDCF送信回路11が送出するものと異なる。
データ送信回路13は、制御回路10から受け取った送信データから送信信号を生成し(送信データに誤り訂正符号を付加し、変調し)、所定のタイミングでセレクタ14に送出する。
セレクタ14は、制御回路10の指示のもと、CDCF送信回路11、CDCF送信回路12、データ送信回路13の出力を選択し、選択した信号を送受切り換え器15に出力する。
送受切り換え回路15は、送信と受信の切り換えを行う回路で、制御回路10の指示のもと送信時にはセレクタ14の出力をカプラ16に出力し、受信時にはカプラ16からの信号をCDCF受信回路19、CDCF受信回路20、データ受信回路21に出力する。
カプラ16は、交流電源を遮断し、信号のみを透過させる回路である。
送受切り換え路15の出力は、カプラ16を介してACプラグ17に出力され、ACプラグ17からの信号はカプラ16を介して送受切り換え器15に出力される。ただし、ACプラグ17からの交流電源は、カプラ16により遮断される。
ACプラグ17は、ACコンセント24に接続され、交流電圧を供給する電力線としての電灯線25にカプラ16から出力される送信信号を伝え、電灯線25上の信号をカプラ16とACサイクル検出器18に伝える。
ACサイクル検出器18は、ACプラグ17から伝えられる信号からゼロクロスポイント(0 V)のタイミングを検出し、その結果を制御回路10に伝える。
CDCF受信回路19は、送受切り換え器15の出力からCDCF信号を検出し、その検出情報を制御回路10に伝える。どのCDCF信号を検出するかについては制御回路10から指示される。
CDCF受信回路20も送受切り換え器15の出力からCDCF信号を検出し、その検出情報を制御回路10に伝える。どのCDCF信号を検出するかについては制御回路10から指示される。CDCF受信回路20が検出するCDCF信号は拡張されたCDCF窓用のもので、その種類はCDCF受信回路19が検出する種類とは異なる。
データ受信回路21は、送受切り換え器15の出力からデータ受信(復調、誤り訂正)を行い、受信データを制御回路10に出力する。
制御回路10は、送信データをデータ送信回路13に送出し、受信データをデータ受信回路21から受け取る。再送制御を行う場合には、受信データ中のACK情報から送信データが正しく受け取られたか確認し、受け取られていないデータについては再送する(再度、データをデータ送信回路13に送出する)。
制御回路10で受信されたデータのうち本装置宛でないデータはEthernet(登録商標)回路22に送られる。なお、ここではEthernet(登録商標)で説明しているが、他のインターフェイス、例えばUSBやPCIでも良い。制御回路10は、他の装置からの送信データをEthernet(登録商標)(登録商標)回路22から受け取る。Ethernet(登録商標)(登録商標)回路22にはRJ45コネクタ23が接続される。
(TDMユニットの構成例)
図2はこの実施形態に係るTDMユニットの構成を示す図である。
図2に示すように、1つのTDMユニット群30は、n個のTDMユニット31により構成される。
各TDMユニット31は、1つのベストエフォート型データの伝送領域32と4つの帯域予約型データの伝送領域33とで構成される。
n個のTDMユニット31のうち先頭の第1のTDMユニット31aでは、ベストエフォート型データの伝送領域32に第1のCDCF窓(第1の共存制御領域)34が配置されている。また、第1のTDMユニット31aでは、ベストエフォート型データの伝送領域32に第2のCDCF窓(第2の共存制御領域)35が配置されている。すなわち、第1のTDMユニット31aのベストエフォート型データの伝送領域32に第1のCDCF窓34が配置されているが、ベストエフォート型データの伝送領域32につづく帯域予約型データ伝送領域33の開始までに時間間隔がある。この部分はベストエフォート型の伝送に利用しても良いが、時間長が短いため利用価値の低い領域である。そこで、この実施形態においては、このベストエフォート型データの伝送領域32に第2のCDCF窓35を配置している。
ここで、第1及び第2のCDCF窓34、35は、それぞれ複数のフィールド36に分割され、各フィールド36中にCDCF信号が送信される。どのフィールド36で送信されるかによってCDCF信号の役割が異なり、例えば、帯域予約情報の通知、帯域予約要求、再同期要求などがある。
図3は図2に示したTDMユニット31aと電灯線25(電力線)の交流電圧との関係を示している。図3は電源周波数が60Hzの場合である。
図3に示すように、第1の同期ポイントP1から開始される第1のCDCF窓34は、第2の同期ポイントP2の直前で終了している。
ベストエフォート型データの伝送領域32にまだ残りがあるので、そこに第2のCDCF窓35を配置することが可能である。そこで、本実施形態においては、ベストエフォート型データの伝送領域32の残りの領域(第1のCDCF窓34が配置された以外の領域)に第2のCDCF窓35を配置している。ただし、第2のCDCF窓35が第2、第3の同期ポイントP2、P3にかからないようにする。これにより、誤動作を防止することができる。
以上のように、本実施形態によれば、第1のCDCF窓34以外に第2のCDCF窓35を配置したことによって、CDCF信号を送受信することができる領域を拡張することができる。単に、第1のCDCF窓34を伸張すると同期ポイントを跨ぐこととなり、誤動作が発生する可能性が高くなる。これに対して、本実施形態では、第1のCDCF窓34を伸張するのではなく、第1のCDCF窓34とは別個に第2のCDCF窓35を配置し、しかも第2のCDCF窓35についても同期ポイントを跨がないように配置したので、誤動作の発生を防止することができる。また、帯域予約型データの伝送領域は通信速度や遅延時間を保証する必要があるために、CDCF窓を配置することができない。これに対して、本実施形態では、ベストエフォート型データの伝送領域32に第2のCDCF窓35を配置したので、データ通信に支障をきたすことはない。
(通信装置の動作)
ACサイクル検出器18からの同期タイミングは、制御回路10に送られ、制御回路10では、この同期タイミングに基づいて各回路にタイミングが指示される。
制御回路10からCDCF送信回路11に対してCDCF信号の種類及びCDCF信号の送信タイミングが指示され、CDCF送信回路11から第1のCDCF窓34に対して所定のCDCF信号が出力されるタイミングで、CDCF信号が、セレクタ14、送受切り換え回路15及びカプラ16を介して電灯線25に送信される。
同様に、制御回路10からCDCF送信回路12に対してCDCF信号の種類及びCDCF信号の送信タイミングが指示され、CDCF送信回路12から第2のCDCF窓35に対して所定のCDCF信号が出力されるタイミングで、CDCF信号が、CDCF送信回路12からセレクタ14、送受切り換え回路15及びカプラ16を介して電灯線25に送信される。
また、制御回路10からデータ送信回路13に対して送信データが送出され、データ送信回路13から所定のベストエフォート型データの伝送領域32又は帯域予約型データ伝送領域33に送信データが出力されるタイミングで、送信データが、データ送信回路13からセレクタ14、送受切り換え回路15及びカプラ16を介して電灯線25に送信される。
一方、電灯線25を伝送する信号は、カプラ16及び送受切り換え回路15を介して、CDCF受信回路19、CDCF受信回路20及びデータ受信回路21に受信可能とされている。
制御回路10からCDCF受信回路19に対して第1のCDCF窓34に配置されたCDCF信号を受信するタイミングが指示され、そのタイミングに基づいて第1のCDCF窓34に配置されたCDCF信号が、CDCF受信回路19により受信される。
同様に、制御回路10からCDCF受信回路20に対して第2のCDCF窓35に配置されたCDCF信号を受信するタイミングが指示され、そのタイミングに基づいて第2のCDCF窓35に配置されたCDCF信号が、CDCF受信回路20により受信される。
また、制御回路10からデータ受信回路21に対して所定のベストエフォート型データの伝送領域32又は帯域予約型データ伝送領域33に配置された受信データを受信するタイミングが指示され、そのタイミングに基づいて所定のベストエフォート型データの伝送領域32又は帯域予約型データ伝送領域33に配置された受信データが、データ受信回路21により受信される。
以上のようにして、通信装置間で電灯線25を介してCDCF信号及び送受信データの送受信が行われる。
なお、この実施形態では、第1のCDCF窓34で送信されるCDCF信号と、拡張された第2のCDCF窓35で送信されるCDCF信号の送信回路、受信回路が異なることを想定して説明しているが、例えばOFDM信号の各サブキャリアの位相を変えることによって仕様の異なる第1及び第2のCDCF信号34、35を生成する場合にはそれぞれ同一の送信回路、受信回路を流用することが可能である。
(電源周波数が異なる際のTDMユニットの構成例)
図4は電源周波数が50Hzの場合における図2に示したTDMユニット31aと電灯線25(電力線)の交流電圧との関係を示している。
図4に示すように、第1の同期ポイントP1から開始される第1のCDCF窓34は、第2の同期ポイントP2の少し前で終了している。図3に示した60Hzの場合と比較して第2の同期ポイントP2までに余裕があるが、50Hzの方が同期ポイントの間隔が広いこと、第1のCDCF窓34の長さが50Hz、60Hzで共通であることによる。上記の実施形態と同様に、ベストエフォート型の伝送領域32にまだ残りがあるのでそこに第2のCDCF窓35を配置することが可能である。そこで、本実施形態においては、ベストエフォート型データの伝送領域32の残りの領域(第1のCDCF窓34が配置された以外の領域)に第2のCDCF窓35を配置している。ただし、第2のCDCF窓35が第2の同期ポイントP2にかからないようにする。これにより、誤動作を防止することができる。50Hzの場合にはTDMユニット内のスロット長が60Hzの場合より短いため、第3の同期ポイントP3の前にベストエフォート型の伝送領域32の終わりがやってくる。第2のCDCF窓35は第2の同期ポイントP2からベストエフォート型の伝送領域32の終わりまでの間に配置する。
以上、図3及び図4に係る実施形態について小括すると、CDCF窓は同期ポイントの後から始まり、次の同期ポイントか、ベストエフォート型の伝送領域の終わりのうち早いタイミングまでの間に配置する。図3及び図4の例では第2のCDCF窓35のサイズは50Hzの場合で決定される。
(第2のCDCF窓の他の配置例)
図5は第2のCDCF窓の他の配置例を示す図である。
図5に示すように、TDMユニットの基本的な構成は図2に示したものと変わらないが、第1のCDCF窓34が配置された第1のTDMユニット31aの次の第2のTDMユニット31bのベストエフォート型データの伝送領域32に第2のCDCF窓35を配置している点が図2の場合と異なる。この場合もベースエフォート型伝送に利用する領域なのでCDCF窓に割いたとしても影響が小さい。
図6は図5に示したTDMユニット31a、31bと電灯線25(電力線)の交流電圧との関係を示している。図6は電源周波数が60Hzの場合である。
第1のTDMユニット31aのベストエフォート型データの伝送領域32の先頭(第1の同期ポイントP1)から開始される第1のCDCF窓34は、第2の同期ポイントP2の直前で終了している。
第2のCDCF窓35は、第2のTDMユニット31bのベストエフォート型データの伝送領域32に配置される。ただし、この領域32は同期ポイントから始まっていないので、同じベストエフォート型データの伝送領域32内の同期ポイントP1と同期ポイントP2との間に配置しなければならない。
図7は電源周波数が50Hzの場合における図5に示したTDMユニット31a、31bと電灯線25(電力線)の交流電圧との関係を示している。
第1のTDMユニット31aのベストエフォート型データの伝送領域32の先頭(第1の同期ポイントP1)から開始される第1のCDCF窓34は、第2の同期ポイントP2の少し前で終了している。
第2のCDCF窓35は、第2のTDMユニット31bのベストエフォート型データの伝送領域32に配置される。この場合も、この領域32が同期ポイントP1から始まっていないので、同じベストエフォート型データの伝送領域32内の同期ポイントP1と同期ポイントP2との間に配置しなければならない。
以上、図3、図4、図6及び図7に係る実施形態について小括すると、第2のCDCF窓35は各同期ポイントの前後に一定の時間を空けて配置されている。これは第1のCDCF窓34中の先頭、最後尾に重要な領域があり、第2のCDCF窓35で検出された信号を、これらの重要な情報と取り違えないようにするためである。これらの例では最初と最後を空けているが、第1のCDCF窓34中の重要なフィールドの位置が中程にある場合にはそのタイミングに対応する第2のCDCF窓35中のフィールドの使用は避けるべきである。
(第2のCDCF窓の認識方法の例)
図8は第2のCDCF窓の認識方法の例を示す図である。
図8に示すように、この方法では、第1のCDCF窓34内に第2のCDCF窓35の存在を示すフィールド(図中でEと表示してるフィールド)を設けている。
そして、第2のCDCF窓35でCDCF信号を送信する場合には、第1のCDCF窓34内のフィールドEにCDCF信号でその旨を送信することで、第2のCDCF窓35でCDCF信号を送信することを報知する。
(第2のCDCF窓の認識方法の他の例)
図9は第2のCDCF窓の認識方法の他の例を示す図である。
図9に示すように、この方法は、第2のCDCF窓35の存在を第1のCDCF窓34内の現状のフィールドを用いて表現する方法である。
例えば、第1のCDCF窓34内の現状のフィールドにおけるJL、JHの組合せで使われない組合せ(ユニークパターン)を出現させることによって、第2のCDCF窓35でCDCF信号を送信することを報知する。
或は、第1のCDCF窓34内の現状のフィールドにおけるBa〜Bcで特徴的な信号の出し方によって表現することによって、第2のCDCF窓35でCDCF信号を送信することを報知する。
なお、図8及び図9に示した認識方法の場合には、第2のCDCF窓35内でCDCF信号を送信するときは、必ず第1のCDCF窓34でいずれかのCDCF信号を送信する必要がある。もし、第1のCDCF窓34内でCDCF信号の送信が全くなく、第2のCDCF窓35内で送信がある場合には、第2のCDCF窓35を第1のCDCF窓34と他のモデムによって誤認識されてしまう。これを避けるためである。
(第2のCDCF窓の認識方法の更に他の例)
図10は第2のCDCF窓の認識方法の更に他の例を示す図である。
図10に示すように、この方法は、第2のCDCF窓35の存在を第1のCDCF窓34内で示さない方法である。この場合には、第2のCDCF窓35内で送信されるCDCF信号として、第1のCDCF窓34内で使用されるCDCF信号検出器で検出できないものを使用する。例えば、変調方式としてOFDMを用いる場合には、第2のCDCF窓35のおけるOFDMの仕様を第1のCDCF窓34の仕様と異なるものとする。
(CDCF信号の受信回路の他の構成例)
図11は図10に示した第2のCDCF窓の認識方法を用いた場合におけるCDCF信号の受信回路の構成を示す図である。
図11に示すように、受信された信号はAD変換器51に入力される。AD変換器51でデジタルデータに変換された情報はFFT52に入力される。FFT52では直交する各周波数成分に分離され、その結果(各周波数の振幅、位相情報)が比較器53に入力される。
CDCF信号の種類に対応する位相パターンが位相パターン56乃至59から出力され、選択器54に入力される。比較器53ではFFT52の出力と選択器54の出力が比較され、その相関値が受信CDCF情報として出力される。
タイミング回路55は制御回路10から入力されるCDCFタイミングをもとに、AD変換器51、FFT52、比較器53、選択器54の動作を制御する。
ここで、複数のCDCF信号を生成する際に逆FFTのサンプリング周波数を違えて全く異なる信号を用いてもよいが、同じ生成回路を用い、各サブキャリアの位相を違えることで互いに相関の小さな信号を生成することが可能で、これらを複数の種類のCDCF信号(仕様の異なるCDCF信号)として用いることが可能である。
図12に示すように、第1のCDCF信号には位相パターン61を、第2のCDCF信号には位相パターン62を、第3のCDCF信号には位相パターン63を用いることによって複数のCDCF信号を用意できる。
CDCF受信回路では、この位相パターンと受信信号をFFTした出力とを比較することで、所望のCDCF信号が受信されているかどうかを判別することができる。
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、その技術思想の範囲内で様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、変調方式としてOFDMを例にして説明したが、スペクトラム拡散方式などの他の変調方式を用いても勿論構わない。
また、上記の実施形態では、2相交流を前提にして説明したが、3相交流であっても本発明を適用することができる。
本発明の一実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るTDMユニットの構成を示す図である。 図2に示したTDMユニットと電灯線(電力線)の交流電圧との関係を示している(電源周波数が60Hzの場合)。 図2に示したTDMユニットと電灯線(電力線)の交流電圧との関係を示している(電源周波数が50Hzの場合)。 第2のCDCF窓の他の配置例を示す図である。 図5に示したTDMユニットと電灯線(電力線)の交流電圧との関係を示している(電源周波数が60Hzの場合)。 図5に示したTDMユニットと電灯線(電力線)の交流電圧との関係を示している(電源周波数が50Hzの場合)。 第2のCDCF窓の認識方法の例を示す図である。 第2のCDCF窓の認識方法の他の例を示す図である。 第2のCDCF窓の認識方法の更に他の例を示す図である。 図10に示した第2のCDCF窓の認識方法を用いた場合におけるCDCF信号の受信回路の構成を示す図である。 図11に示した位相パターンの説明図である。
符号の説明
1 通信装置
10 制御回路
11、12 CDCF送信回路
13 データ送信回路
14 セレクタ
15 送受切り換え器
16 カプラ
18 ACサイクル検出器
19、20 CDCF受信回路
21 データ受信回路
31 TDMユニット
31a 第1のTDMユニット
31b 第2のTDMユニット
32 ベストエフォート型データの伝送領域
33 帯域予約型データの伝送領域
34 第1のCDCF窓(第1の共存制御領域)
35 第2のCDCF窓(第2の共存制御領域)
36 フィールド
P1 第1の同期ポイント
P2 第2の同期ポイント
P3 第3の同期ポイント

Claims (18)

  1. 交流電圧が供給される電力線を介してデータ通信を行う通信装置であって、
    前記電力線から供給される交流電圧のゼロクロスポイントを検出する検出部と、
    前記検出部により検出されたゼロクロスポイントに基づくタイミングに開始ポイントを有し、次の開始ポイントとなりうる点との間に終了ポイントを有する第1の共存制御領域及び前記第1の共存制御領域とは異なる領域に配置された第2の共存制御領域に、通信方式の異なる通信装置が前記電力線に複数共存させるために必要な情報を含んだ共存制御信号を、前記電力線に送信する制御信号送信部と、
    前記電力線から前記第1及び第2の共存制御領域に含まれた共存制御信号を受信する制御信号受信部と
    を具備することを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記データ通信は、ベストエフォート型伝送領域及び帯域予約型伝送領域を有する伝送スロットを使って行われ、
    前記制御信号送信部は、前記第1及び第2の共存制御領域を前記ベストエフォート型伝送領域に配置する
    ことを特徴とする通信装置。
  3. 請求項2に記載の通信装置であって、
    前記制御信号送信部は、前記第1及び第2の共存制御領域を同一の伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置する
    ことを特徴とする通信装置。
  4. 請求項2に記載の通信装置であって、
    前記制御信号送信部は、前記前記第1及び第2の共存制御領域をそれぞれ異なる伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置する
    ことを特徴とする通信装置。
  5. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記制御信号送信部は、前記第2の共存制御領域を前記開始ポイントとなりうる点を跨がないように配置する
    ことを特徴とする通信装置。
  6. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記制御信号送信部は、前記第1の共存制御領域内に前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを示すフィールドを追加する
    ことを特徴とする通信装置。
  7. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記制御信号送信部は、前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかをユニークパターンの有無によって表現する
    ことを特徴とする通信装置。
  8. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記制御信号送信部は、前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを特徴的な信号の出し方によって表現する
    ことを特徴とする通信装置。
  9. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記制御信号送信部は、前記制御信号受信部で前記第1の共存制御信号を受信できず、前記第2の共存制御信号を受信できることが可能なように、前記第1及び第2の共存制御信号を送信する
    ことを特徴とする通信装置。
  10. 交流電圧が供給される電力線を介してデータ通信を行う通信方法であって、
    前記電力線から供給される交流電圧のゼロクロスポイントを検出し、
    前記検出されたゼロクロスポイントに基づくタイミングに開始ポイントを有し、次の開始ポイントとなりうる点との間に終了ポイントを有する第1の共存制御領域及び前記第1の共存制御領域とは異なる領域に配置された第2の共存制御領域に、通信方式の異なる通信装置が前記電力線に複数共存させるために必要な情報を含んだ共存制御信号を、前記電力線に送信し、
    前記電力線から前記第1及び第2の共存制御領域に含まれた共存制御信号を受信する
    ことを特徴とする通信方法。
  11. 請求項10に記載の通信方法であって、
    前記データ通信は、ベストエフォート型伝送領域及び帯域予約型伝送領域を有する伝送スロットを使って行われ、
    前記第1及び第2の共存制御領域は、前記ベストエフォート型伝送領域に配置されている
    ことを特徴とする通信方法。
  12. 請求項11に記載の通信方法であって、
    前記第1及び第2の共存制御領域は、同一の伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置されている
    ことを特徴とする通信方法。
  13. 請求項11に記載の通信方法であって、
    前記前記第1及び第2の共存制御領域は、それぞれ、異なる伝送スロットの前記ベストエフォート型伝送領域に配置されている
    ことを特徴とする通信方法。
  14. 請求項10に記載の通信方法であって、
    前記第2の共存制御領域は、前記開始ポイントとなりうる点を跨がないように配置される
    ことを特徴とする通信方法。
  15. 請求項10に記載の通信方法であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記第1の共存制御領域内に前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを示すフィールドを追加した
    ことを特徴とする通信方法。
  16. 請求項10に記載の通信方法であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかをユニークパターンの有無によって表現した
    ことを特徴とする通信方法。
  17. 請求項10に記載の通信方法であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記第1の共存制御領域内の複数のフィールドを使って前記第2の共存制御領域を配置したかどうかを特徴的な信号の出し方によって表現した
    ことを特徴とする通信方法。
  18. 請求項10に記載の通信方法であって、
    前記第2の共存制御領域は、選択的に配置が可能であり、
    前記第1の共存制御信号を受信できず、前記第2の共存制御信号を受信できることが可能なように、前記第1及び第2の共存制御信号を送信する
    ことを特徴とする通信方法。
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