JP4889269B2 - 微生物固定化担体を用いた水質浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、河川等の公共水域における水質、生活用水等の汚濁水を浄化処理する技術に係り、特に汚濁水を微生物で分解処理する微生物固定化担体を用いた水質浄化装置に関する。
近年、河川の水質汚濁は法整備が進み、それに伴い多くの企業が排水処理施設を設置したために河川の水質は大幅に改善された。しかし、下水道が整備されていない大都市周辺の中小河川、特に住宅地にある河川の水質汚濁は深刻である。これはその地域住民が、日常生活の炊事、洗濯、洗面、風呂などに使用している生活雑排水の河川への流入が原因である。
そこで、このような生活用水の有機物や細菌を含有する汚濁水等を浄化する処理方法としては、有機物の分解については活性炭等の吸着材による吸着除去法、オゾン、紫外線等による酸化分解法が提案されている。また、殺菌についても紫外線やオゾン、薬剤による処理方法が提案されている。
例えば、特許文献1の特開2004−216294の公報「汚水処理装置」のように、流入原水を受け入れる好気性生物処理槽と浮上濾過槽をこの順に配置し、好気性生物処理槽には散気管及び微生物固定化媒体を備え、浮上濾過槽には比重が1未満の濾過材を充填し、水流を上向流とした処理装置が提案されている。この発明は、流入する原水中に含まれる微細な浮遊物質(SS)及び溶解性の汚濁物質を固液分離し易い形態に変換するとともに、ここで改質されたSS(フロック)を効率良く濃縮貯留し、処理装置全体の容量及び設置スペースの縮小を図るものである。
特開2004−216294
しかし、上記従来の処理方法のように、活性炭等の吸着材と微生物の併用による方法では、吸着能力に限界が有り、吸着能力が限界に達した場合吸着材の交換又は再生が必要であり、メンテナンスや再生の手間が必要であった。オゾンによる方法ではオゾンの酸化力が低く副生成物が残存することや、オゾンの水中への溶解度が低く効率が低いという問題があった。なお、薬剤による場合においても処理後の液に薬剤が残留するため、その後処理が必要となる等の問題があった。
一方、本発明の発明者は、コンクリート骨材は天然資源の枯渇により砕石・砕砂として利用されることが多くなり、この工程で大量に発生する汚泥はこれまで脱水されて廃棄処分されていることに着目した。例えば、この脱水された汚泥を原料にして、造拉・焼成した後、焼成過程で発泡させ、表面が多孔質となる多孔質性焼結体を製造することができる。そこで、この多孔質性焼結体を微生物の固定化担体として使用することに着目した。
また、特許文献1の汚水処理装置では、その水槽付近の現場で浄化処理装置の建造と配管工事を行う必要があり、その製造コストが高騰した。また。水槽と別の場所に浄化処理装置を設置する広い場所を用意しなければならないという問題があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、コンクリート骨材を製造する工程で生じていた微粒土をリサイクルし、成型焼結した多孔質性焼結体を微生物の固定化担体として用いて廃材を有効利用すると共に、水質の浄化処理能力を増大させ、高効率に浄化処理することができ、水質浄化装置をコンパクトにすることができる微生物固定化担体を用いた水質浄化装置を提供することにある。
本発明の水質浄化装置、嫌気性固定化担体充填槽(2)及びその下流に配置した好気性固定化担体充填槽(3)により汚濁水を分解浄化する微生物固定化担体を用いた水質浄化装置であって、二重円筒から成る充填槽の内筒側に、固定化担体(1)を充填した嫌気性固定化担体充填槽(2)と、該嫌気性固定化担体充填槽(2)の下流に配置した、二重円筒から成る充填槽の内筒側に、固定化担体(1)を充填した好気性固定化担体充填槽(3)と、該好気性固定化担体充填槽(3)に空気を供給するエアレーションポンプ(4)と、前記嫌気性固定化担体充填槽(2)及び好気性固定化担体充填槽(3)の外筒(5)側に恒温水を供給する恒温水供給装置(6)と、を備えた、ことを特徴とする。
前記固定化担体(1)は多孔質性焼結体である。
前記固定化担体(1)の多孔質性焼結体は、コンクリート骨材を製造する工程で生じた微粒土を成型焼結したものである。
前記充填槽(2,3)内に固定化担体(1)と共に活性炭を充填することができる。
上述したように、本発明の水質浄化装置では、処理しようとする汚濁水を嫌気性固定化担体充填槽(2)とこれに隣接する好気性固定化担体充填槽(3)に通過させるだけで、容易かつ迅速に浄化処理することができる。特に、処理装置全体がコンパクトであるため、狭い場所にも設置することができると共に、装置のメンテナンスが容易である。各充填槽(2,3)は、コンパクトな設計であるために、運転コストが安く、メンテナンスが容易である。しかも、BOD、CODの除去率も高く、耐久性に優れ、長期間交換の必要もない。特に、コンパクトな構成であるから、狭い敷地に設置することができ、種々の構成の施設に対応することができる。
本発明の水質浄化装置では、嫌気性固定化担体充填槽(2)及び好気性固定化担体充填槽(3)内に浄化しようとする河川等の汚濁水を2、3週間程度流し続けることにより、その充填した固定化担体(1)に嫌気性微生物又は好気性微生物を固定化することができる。多孔質性焼結体の固定化担体(1)には、汚濁水に生息する微生物を効果的に固定化できる。
このように嫌気性微生物又は好気性微生物が固定化された嫌気性固定化担体充填槽(2)及び好気性固定化担体充填槽(3)内に、浄化しようとする河川等の汚濁水を通過させることにより、嫌気性固定化担体充填槽(2)では主にリンと窒素を嫌気性微生物で分解浄化し、続いて好気性固定化担体充填槽(3)で汚濁有機物質等を分解浄化することができる。特に、これら分解微生物は浄化対象となる河川等の汚濁水中に生息しており、汚濁有機物質を最も効率よく分解することができる。本発明の水質浄化装置では、BOD90%以上、COD70%以上、全リン・全窒素50%程度の浄化率で水質の浄化が可能である。
また、本発明では、微生物の固定化担体(1)に、これまで廃棄物であった、砕石粉砕工程で生じる微粒土から焼成して製造された多孔質性焼結体を用いているので、資源の有効利用が図れる。特に、表面が多孔質に形成された固定化担体(1)は、微生物の生育場として好適な場になる。
本発明は、河川等の汚濁水を、予め分解微生物を固定化させた固定化担体を充填した嫌気性固定化担体充填槽及び好気性固定化担体充填槽に通過させて分解浄化する水質浄化装置である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施例1の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置による水質浄化方法を示すもので、(a)は準備段階のフロー図、(b)は浄化段階のフロー図である。図2は微生物固定化担体を用いた水質浄化装置を示す配置説明図である。
実施例1の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置による水質浄化方法は、予め、固定化担体1を充填した嫌気性固定化担体充填槽2及び、固定化担体1を充填した好気性固定化担体充填槽3に、汚濁水を所定期間流し続けて各充填槽2,3内の固定化担体1に分解微生物を固定化させる。
各固定化担体1に分解微生物を固定化させた後、嫌気性固定化担体充填槽2に、浄化処理しようとする汚濁水を通過させながら汚濁水中の主にリンと窒素を固定化担体1の嫌気性微生物で分解浄化する。続いて、この嫌気性微生物で分解浄化した処理水を、好気性固定化担体充填槽3に通過させながら汚濁有機物質等を好気性微生物で分解浄化して、水質浄化の処理を終了する。
この水質浄化装置を構成する嫌気性固定化担体充填槽2は、図2に示すように、二重円筒から成る充填槽の内筒側に、固定化担体1を充填したものである。また、この充填槽の外筒5側に、恒温水供給装置6により恒温水を供給する。図示上は図面が複雑になるので、各外筒5への配管図は省略している。
この嫌気性固定化担体充填槽2の下流に、同じく二重円筒から成る充填槽の内筒側に、固定化担体1を充填した好気性固定化担体充填槽3を配置した。この好気性固定化担体充填槽3にエアレーションポンプ4を用いて空気を供給する。同様に、好気性固定化担体充填槽3の外筒5側にも恒温水供給装置6から恒温水を供給するようになっている。図示例では、嫌気性固定化担体充填槽2及び好気性固定化担体充填槽3の外筒5側に連続して恒温水を供給するようになっている。各充填槽2,3への送水は、各充填槽2,3に連通した送液ポンプ7を用いる。なお、この送液ポンプ7の配管は固定化担体充填槽2,3の容量等に応じて変更することは勿論である。
本発明の固定化担体1は、微粒土を成型焼結した多孔質性焼結体を用いる。この多孔質性焼結体としては、コンクリート骨材として砕石・砕砂処理する工程で大量に発生する汚泥を、脱水したものを造拉・焼成したもので、焼成過程で発泡するため表面は多孔質となる。また、この固定化担体1は、資源の有効利用が図れるだけでなく、表面が多孔質に形成された多孔質性焼結体は、微生物の生育場として好適な場所になる。例えば、充填槽2,3の内径に応じて、その粒径は約10mmのものが適当であった。しかし、固定化担体1の粒径は、この寸法に限定されない。
このように構成した水質浄化装置では、嫌気性・好気性微生物の固定化担体1への固定化は、水質浄化の対象となる河川等の汚濁水を2週間から4週間程度流し続けることに特徴がある。約3週間程度流し続ければ、汚濁水に生息する微生物を固定化担体1へ効率的に固定化することができる。嫌気性固定化担体充填槽2には黒色の微生物が、好気性固定化担体充填槽3には茶色の微生物が、それぞれ固定化された。[表1]に嫌気性・好気性微生物の微生物相の一例を示す。但し、固定化担体1に固定化する微生物は、水質浄化の対象となる河川に生育している微生物に限定されないことは勿論である。
次に、このように嫌気性微生物又は好気性微生物が固定化された嫌気性固定化担体充填槽2及び好気性固定化担体充填槽3内に、浄化しようとする河川等の汚濁水を通過させることにより、嫌気性固定化担体充填槽2では主にリンと窒素を嫌気性微生物で分解浄化し、続いて好気性固定化担体充填槽3で汚濁有機物質等を分解浄化することができる。特に、これら分解微生物は浄化対象となる河川等の汚濁水中に生息しており、汚濁有機物質を最も効率よく分解することができる。
嫌気性固定化担体充填槽2及び好気性固定化担体充填槽3に、汚濁水を6時間から9時間程度滞留させて微生物で分解浄化する。嫌気性固定化担体充填槽2及び好気性固定化担体充填槽3は20℃から35℃に保温する。好気性固定化担体充填槽3に光を照射することが好ましい。好気性微生物の場合は光を照射することにより汚濁有機物質等の分解浄化を促進することができる。
好気性固定化担体充填槽3において好気性微生物で分解浄化した処理水を、更に窒素とリンを除去処理するために、好気性固定化担体充填槽3の下流に窒素・リン除去槽8を接続する。
上記本発明の水質浄化装置では、処理しようとする汚濁水を嫌気性固定化担体充填槽2とこれに隣接する好気性固定化担体充填槽3に通過させるだけで、容易かつ迅速に浄化処理することができる。特に、処理装置全体がコンパクトであるため、狭い場所にも設置することができると共に、装置のメンテナンスが容易である。使用するエネルギーは送液用の送液ポンプ7とエアレーションに使うエアレーションポンプ4の省資源型である。
実施例2の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置では、嫌気性固定化担体充填槽2又は好気性固定化担体充填槽3内に固定化担体1と共に活性炭を充填した。汚濁水の種類によっては、COD成分はBOD成分に比べると低くいことがある。そこで、固定化担体1の一部を活性炭(図示していない)に替えると、COD成分の90%程度までに除去率が向上させることができる。この活性炭と固定化担体1との充填の比率は汚濁水の種類に応じて決定される。
〔実験装置〕
本発明の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置による実験例について説明する。
実験用に製作した水質浄化する装置は、内径70mm長さ400mmの2本のアクリルパイプに粒径約10mmの多孔性焼結体を密に充填し(充填率は約60%、720ml程度)、シリコンチューブで直列に接続したものを用いた。汚濁水を取水する上流側の嫌気性固定化担体充填槽2(リアクター)は密封された空気との接触が遮断されて嫌気状態であり、その下流の最下部のエアーストーンを適して空気が送られ好気状態にある。
送液は2つのアクリルパイプをつなぐシリコンチューブに送るポンプ(ローラーポンプ)をセットして行った。そして、アクリルパイプの外側に外套管を設け、これに恒温水を流して嫌気性固定化担体充填槽2及び好気性固定化担体充填槽3(リアクター)を一定温度に保てるようにした。
〔試料〕
試料とする汚濁河川水は千葉県内を流れる長さ700mたらずの河川水を用いた。この地域は急激に都市化が進み、下水が整備されておらず、生活雑排水が処理されずに水路を経てこの河川に流入している。そのため著しく汚濁されており、夏には悪臭を放つほどで、年間のBOD値は35〜140mg/lある。
〔BOD成分の除去〕
図3は運転温度25℃で固定化担体充填槽の流量のBOD除去率への影響を示したグラフである。
河川の汚濁状況は日によって変化する。そこで、浄化能力は冬日の河川原水のBODに対する除去率で比較した。流量を120〜240ml/hの範囲で変化させたところ、この範囲では河川水のBOD値が70から120mg/lとかなり汚濁されていたにもかかわらず、流量に影響されることなく96.5%前後の除去率が得られた。汚濁水の嫌気性固定化担体充填槽2及び好気性固定化担体充填槽3(リアクター)内の滞留時間は流量120ml/hのときが約9時間、240ml/hのときが約6.3時間である.BOD成分は生活雑排水中の食物成分が主なもので、河川水中に生息する微生物を固定化したため、BOD成分は高い効率で分解されよい除去率を示した。
図4は河川水のBOD径日変化と固定化担体充填槽通過後の浄化水BOD、BOD除去率を示したグラフである。
固定化担体充填槽2,3(リアクター)の運転条件は流量165ml/h、温度25℃である。4月から10月はじめまでの河川水のBODは35mg/l〜140mg/lと大きな差が見られるが、これは天候による影響であり、雨の多い時期は低く、晴天が続くときは高いBOD値を示している。この河川は著しく汚染されていることがわかる。それぞれの河川原水に対応するBOD除去率92.3%〜97.8%とバラツキが見られるが非常に良い浄化率である。バラツキの原因はそのときの微生物の成育状況、河川水に含まれる物質や河川水の液性の微生物への影響などによると考えられる。
〔COD成分の除去〕
図5は運転温度25℃で固定化担体充填槽流量のCOD除去率への影響を示したグラフである。
河川水のCODは24〜40mg/lとかなり汚濁されている。流量を120〜240ml/hの範囲で変化させたとき、流量によりCOD除去率は73.5〜86.5%と差が見られた。流量165ml/hまでは除去率86%程度、さらに流量が増加すると共に除去率は減少した。これは流量が大きくなると固定化担体充填槽2,3(リアクター)中に滞留する時間が短くなるため微生物との接触時間が短くなったこと、COD成分を分解する微生物の固定化量が少ないこと、COD成分は微生物により分解されにくいことが考えられる。
図6はBODと同様に、河川水のCOD経日変化と固定化担体充填槽通過後の浄化水COD、COD除去率を示したグラフである。
固定化担体充填槽2,3(リアクター)の運転条件は流量165ml/h、温度25℃である。4月から10月はじめまでの河川水のCODは18mg/l〜48mg/lと差が見られる。やはりCODからも汚濁度の高い河川である。COD除去率は67.6%〜90.0%と大きな差が見られた.河川水のCOD値が高いとき除去率が高くなっており、これは微生物に分解されやすいBOD成分が増減し、分解されにくいCOD成分が一定量含まれていると考えられる。
〔COD除去率向上のための活性炭の利用〕
河川水中には分解されにくいCOD成分が含まれていると考えられたので固定化担体として充填している多孔性焼桔体を一部活性炭に変えて除去率を検討した。活性炭は嫌気性固定化担体充填槽2の汚濁河川水流入口と好気性固定化担体充填槽3(リアクター)の浄化水排出口に固定化担体1を取りだし、その同体積の約150gをナイロンメッシュの袋に詰めて充填した。
図7は固定化担体充填槽の運転について、25℃で、流量を110〜390ml/hの範囲で運転したときのBOD、COD除去率を示したグラフである。
COD除去率は流量390mβ/hまで80.0〜95.0%とかなりの改善効果が見られた。一方、BODの除去率は活性炭を充填しないときに比ベ260ml/hまでは約5%低下した。これは、活性炭の分だけ固定化担体1の量が少なくなり微生物の固定化量が減少したためと考えられる。また、流量が260ml/hを越えると急激に除去率は低下した。これは汚濁河川水の固定化担体充填槽2,3(リアクター)内滞留時間が急激に短くなったためと考えられる。このことから、一定量の活性炭を固定化担体1とともに充填すればBOD成分とCOD成分の除去率の高くなることがわかった。この結果はそれほど良い期間を要しなかったのではっきりしないが、長期間固定化担体充填槽2,3を運転していれば、活性炭上にも微生物が固定化されBOD除去率も向上すると考えられる。
〔全リン、全窒素の浄化について〕
堀江川河川水の全リン、全窒素は季節により差があるが、それぞれ8〜12mg/l、3〜6mg/lであった。BOD、CODの除去試験と同様活性炭を充填しない場合と、充填した場合について検討した.全リンは流量が120〜210ml/h、運転温度25℃で、活性炭を使用しない場合、除去率は40〜60%で平均約50%であった.そして、活性炭を充填しても、除去率はほぼ同じであった。
全窒素は流量が120〜210ml/h、運転温度25℃で、活性炭を使用しない場合、除去率は30〜50%、平均35%であった.活性炭を充填した場合、全リンの除去率と同様、活性炭をしないときとほぼ同じ除去率であった。
全リン、全窒素に対する活性炭の除去効果はないことが分かった。この2成分について他の除去法を検討する必要がある。
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、コンクリート骨材を製造する工程で生じていた微粒土をリサイクルし、成型焼結した多孔質性焼結体を微生物の固定化担体として用いて廃材を有効利用すると共に、水質の浄化処理能力を増大させ、高効率に浄化処理することができ、水質浄化装置をコンパクトにすることができる水質浄化装置であれば、図示したような方法や構成に限定されない。
本発明の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置は、下水道の整備されていない住宅地域の河川水浄化に極めて有用である。その装置を大規模化すれば、河川、湖沼の水質浄化に利用することができる。中小規模の水質浄化装置では、ゴルフ場や邸宅などの池の浄化、下水道のない地域の家庭用の浄化槽等の様々な用途に利用することができる。
実施例1の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置による水質浄化方法を示すもので、(a)は準備段階のフロー図、(b)は浄化段階のフロー図である。 微生物固定化担体を用いた水質浄化装置を示す配置説明図である。 運転温度25℃で固定化担体充填槽の流量のBOD除去率への影響を示したグラフである。 河川水のBOD径日変化と固定化担体充填槽通過後の浄化水BOD、BOD除去率を示したグラフである。 運転温度25℃で固定化担体充填槽流量のCOD除去率への影響を示したグラフである。 BODと同様に、河川水のCOD経日変化と固定化担体充填槽通過後の浄化水COD、COD除去率を示したグラフである。 固定化担体充填槽の運転について、25℃で、流量を110〜390ml/hの範囲で運転したときのBOD、COD除去率を示したグラフである。
1 固定化担体(多孔質性焼結体)
2 嫌気性固定化担体充填槽
3 好気性固定化担体充填槽
4 エアレーションポンプ
5 外筒
6 恒温水供給装置
7 送液ポンプ
8 窒素・リン除去槽

Claims (4)

  1. 嫌気性固定化担体充填槽(2)及びその下流に配置した好気性固定化担体充填槽(3)により汚濁水を分解浄化する微生物固定化担体を用いた水質浄化装置であって、
    二重円筒から成る充填槽の内筒側に、固定化担体(1)を充填した嫌気性固定化担体充填槽(2)と、
    該嫌気性固定化担体充填槽(2)の下流に配置した、二重円筒から成る充填槽の内筒側に、固定化担体(1)を充填した好気性固定化担体充填槽(3)と、
    該好気性固定化担体充填槽(3)に空気を供給するエアレーションポンプ(4)と、
    前記嫌気性固定化担体充填槽(2)及び好気性固定化担体充填槽(3)の外筒(5)側に恒温水を供給する恒温水供給装置(6)と、を備えた、ことを特徴とする微生物固定化担体を用いた水質浄化装置。
  2. 前記固定化担体(1)は多孔質性焼結体である、ことを特徴とする請求項の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置。
  3. 前記固定化担体(1)の多孔質性焼結体は、コンクリート骨材を製造する工程で生じた微粒土を成型焼結したものである、ことを特徴とする請求項の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置。
  4. 前記充填槽(2,3)内に固定化担体(1)と共に活性炭を充填した、ことを特徴とする請求項の微生物固定化担体を用いた水質浄化装置。
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