JP4888263B2 - 受信装置、受信方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

Description

本発明は、受信装置、受信方法およびコンピュータプログラムに関し、より詳細には、マルチキャスト配信によってデータを受信する受信装置、受信方法およびコンピュータプログラムに関する。

近年、ネットワーク技術の発達に伴い、ネットワークを介した番組（コンテンツ）の配信が行われるようになった。番組を配信する事業者は、番組をＩＰ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）のパケットに変換し、複数の受信者に向けて同じ信号を配信するマルチキャスト配信によってサーバから番組を配信する。そして、マルチキャスト配信による番組の受信には、ＩＰｖ４ネットワーク環境では、ＩＧＭＰ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｇｒｏｕｐ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）、ＩＰｖ６ネットワーク環境では、ＭＬＤ（Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ Ｌｉｓｔｅｎｅｒ Ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ）と呼ばれるプロトコルを用いるのが一般的である。

マルチキャスト配信による番組を、ＩＧＭＰ（またはＭＬＤ）によって受信する場合には、受信装置は、番組を受信する際にＪｏｉｎメッセージと呼ばれる信号を送出する。Ｊｏｉｎメッセージの送出によって、受信装置はマルチキャストグループに加入して番組を視聴することができる。そして、番組の視聴を止める場合にはＬｅａｖｅメッセージと呼ばれる信号を送出する。Ｌｅａｖｅメッセージの送出によって、受信装置はマルチキャストグループから離脱して番組の視聴を止めることができる。

ネットワークを介した番組の配信では、番組を受信する受信装置におけるチャンネルや番組の切り替えに関して、このＪｏｉｎメッセージとＬｅａｖｅメッセージの送出処理が必要となるため、通常の電波によるテレビ放送等よりも切り替えに要する待ち時間が長いという問題がある。従って、ネットワークを介した番組配信において、高速な番組選択を実現する必要がある。

上記の問題を解決し高速な番組選択を実現するために、従来は、例えばチャンネルを切り替える際に、視聴中の番組のストリーミングの停止前に、切り替え先のチャンネルのストリーミングの開始要求を行う方法などが提案されている。

しかし、従来のように視聴中の番組のストリーミングの停止前に、切り替え先のチャンネルのストリーミングの開始要求を行う方法では、ストリーミング配信を行う配信サーバが配信するコンテンツに対応したマルチキャストＭＡＣアドレスを、番組を受信する受信装置で設定する必要があった。そのため、チャンネル切り替え時に受信装置でコンテンツに対応したマルチキャストＭＡＣアドレスの設定を行う分、チャンネルの切り替えに時間を要する問題があった。

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、コンテンツを配信する配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを予め登録しておくことでチャンネルの切り替え時間を短縮することが可能な、新規かつ改良された受信装置、受信方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、少なくとも１の上位ルータおよび複数の下位ルータを介して、コンテンツをマルチキャスト配信する複数の配信サーバから配信されるコンテンツを受信する受信装置であって、複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定する物理アドレス設定部と、物理アドレス設定部で予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する物理アドレス記憶部と、物理アドレス設定部で予め設定し、物理アドレス記憶部に記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて配信サーバから受信するコンテンツを切り替えるコンテンツ切換部と、を含むことを特徴とする、受信装置が提供される。

かかる構成によれば、物理アドレス設定部は複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定し、物理アドレス記憶部は物理アドレス設定部で予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する。そして、コンテンツ切換部は、物理アドレス設定部で予め設定し、物理アドレス記憶部に記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて配信サーバから受信するコンテンツを切り替える。その結果、予めコンテンツを配信する配信サーバのマルチキャストＭＡＣアドレスを登録しておくことでチャンネルの切り替え時間を短縮することが可能となる。

物理アドレス設定部は、ＳＩ（Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）ストリームに含まれるマルチキャストアドレスからマルチキャストＭＡＣアドレスを設定してもよい。その結果、物理アドレス設定部は、ＳＩストリームに含まれるマルチキャストアドレスから、マルチキャストＭＡＣアドレスを設定することができる。

コンテンツ切換部は、受信するコンテンツを切り替える前に、同一ネットワークセグメント内に切り替え先のコンテンツのデータが流れているか確認してもよい。その結果、同一ネットワークセグメント内にチャンネル切り替え後のコンテンツのデータが流れていれば、その流れているコンテンツのデータを用いてチャンネル切り替えを行うことで、チャンネル切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、少なくとも１の上位ルータおよび複数の下位ルータを介して、コンテンツをマルチキャスト配信する複数の配信サーバから配信されるコンテンツを受信する受信方法であって、複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定する物理アドレス設定ステップと、物理アドレス設定ステップで予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する物理アドレス記憶ステップと、物理アドレス設定ステップで予め設定し、物理アドレス記憶ステップで記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて配信サーバから受信するコンテンツを切り替えるコンテンツ切換ステップと、を含むことを特徴とする、受信方法が提供される。

かかる構成によれば、物理アドレス設定ステップは複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定し、物理アドレス記憶ステップは物理アドレス設定ステップで予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する。そして、コンテンツ切換ステップは、物理アドレス設定ステップで予め設定し、物理アドレス記憶ステップで記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて配信サーバから受信するコンテンツを切り替える。その結果、予めコンテンツを配信する配信サーバのマルチキャストＭＡＣアドレスを登録しておくことでチャンネルの切り替え時間を短縮することが可能となる。

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、少なくとも１の上位ルータおよび複数の下位ルータを介して、コンテンツをマルチキャスト配信する複数の配信サーバから配信されるコンテンツの受信をコンピュータに制御させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定する物理アドレス設定ステップと、物理アドレス設定ステップで予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する物理アドレス記憶ステップと、物理アドレス設定ステップで予め設定し、物理アドレス記憶ステップで記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて配信サーバから受信するコンテンツを切り替えるコンテンツ切換ステップと、を含む処理を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラムが提供される。

かかる構成によれば、物理アドレス設定ステップは複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定し、物理アドレス記憶ステップは物理アドレス設定ステップで予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する。そして、コンテンツ切換ステップは、物理アドレス設定ステップで予め設定し、物理アドレス記憶ステップで記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて配信サーバから受信するコンテンツを切り替える。その結果、予めコンテンツを配信する配信サーバのマルチキャストＭＡＣアドレスを登録しておくことでチャンネルの切り替え時間を短縮することが可能となる。

以上説明したように本発明によれば、予めコンテンツを配信する配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを登録しておくことでチャンネルの切り替え時間を短縮することが可能な、新規かつ改良された受信装置、受信方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

（第１の実施形態）
まず、本発明の第１の実施形態にかかる受信装置および受信装置を用いた受信方法について説明する。

図１は、本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００を用いるマルチキャスト配信システム１０について説明する説明図である。以下、図１を用いて本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００を用いるマルチキャスト配信システム１０について説明する。

図１に示したように、マルチキャスト配信システム１０は、放送コンテンツ事業者１１がコンテンツを配信するための配信サーバ１３と、コンテンツを受け取ってあて先の受信装置１００に配信するルータ１４と、を含んで構成される。

配信サーバ１３とルータ１４とは、ＣＤＮ（Ｃｏｎｔｅｎｔｓ Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ｎｅｔｗｏｒｋ）網１２で接続されている。ＣＤＮ網１２は、ファイルサイズの大きいデジタルコンテンツをネットワーク経由で配信するために最適化されたネットワークのことである。

配信サーバ１３は、ＩＰＴＶコンテンツ等のマルチキャストコンテンツのデータを管理するとともに、受信装置１００からの要求に応じて、受信装置１００に対して、マルチキャストコンテンツの映像／音声のメディアストリームを配信する。配信サーバ１３は、ＩＰＴＶサーバ等のコンテンツ提供サーバであってもよいし、放送局等であってもよい。

ルータ１４は、マルチキャスト配信システム１０上を流れるデータを中継する機器である、ルータ１４は、配信サーバ１３から送信されたコンテンツを、コンテンツのあて先の受信装置１００に対して転送したり、受信装置１００から配信サーバ１３へのコンテンツ要求を配信サーバ１３に転送したりする役割を有する。

図１では、説明を簡単にするために配信サーバ１３とルータ１４をそれぞれ１つずつ図示したが、マルチキャスト配信システムにおいては複数の配信サーバやルータがＣＤＮ網上に存在している。

受信装置１００は、コンテンツを受信して再生する装置である。受信装置１００は、ネットワークを介した通信機能を有し、マルチキャストコンテンツを実行可能な機器であればよく、例えば、パーソナルコンピュータ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ：ＰＣ）等のコンピュータ機器（ノート型、デスクトップ型を問わない。）、テレビジョン受像器、携帯電話、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔ）、テレビジョン放送用のチューナやデコーダなどで構成することができる。また、クライアント機器６０は、契約者が持ち運びできるポータブルデバイス（Ｐｏｒｔａｂａｌｅ Ｄｅｖｉｃｅ）、例えば、携帯型ゲーム機、ＰＨＳ、携帯型映像／音声プレーヤなどであってもよい。

以上、本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００を用いるマルチキャスト配信システム１０について説明した。次に、本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００の構成について説明する。

図２は、本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００の構成について説明する説明図である。以下、図２を用いて本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００の構成について説明する。

図２に示したように、本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００は、通信部１１０と、制御部１２０と、を含んで構成される。そして、通信部１１０は、物理アドレス記憶部１１２と、物理アドレス設定部１１４と、を含んで構成され、制御部１２０は、ストリーミング受信部１２２と、デクリプタ１２４と、デマルチプレクサ１２６と、映像デコーダ１２８と、音声デコーダ１３０と、字幕デコーダ１３２と、ＢＭＬブラウザ１３４と、加算部１３６、１３８と、ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０と、を含んで構成される。

通信部１１０は、ＣＤＮ網１２を介して配信サーバ１３から配信されたコンテンツを受信したり、受信装置１００から配信サーバへ向けて送信するデータを送信したりするものである。通信部１１０として、例えばＮＩＣ（Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ Ｃａｒｄ）を用いてもよい。

通信部１１０には物理アドレス記憶部１１２と、物理アドレス設定部１１４とを備えている。物理アドレス設定部１１４は、配信サーバが配信するコンテンツに対応したマルチキャストＭＡＣアドレスを、当該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定するものである。物理アドレス記憶部１１２は、物理アドレス設定部１１４で設定した、配信サーバが配信するコンテンツに対応したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶するものである。

制御部１２０は、受信装置１００の内部の各部を制御するものであり、特に受信装置１００が受信したコンテンツの再生に関する制御を行うものである。ストリーミング受信部１２２は、通信部１１０を介して配信サーバ１３が配信したコンテンツを受信するものである。

デクリプタ１２４は、ストリーミング受信部１２２で受信したコンテンツの復号を行うものである。デクリプタ１２４でコンテンツの復号を行う際には、ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０から復号のための情報を受け取る。ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０から受け取る復号のための情報としては、例えば受信したコンテンツが受信装置１００で再生可能なコンテンツであるかどうかを判断する情報である。

デマルチプレクサ１２６は、デクリプタ１２４で復号したコンテンツを、映像、音声、字幕のそれぞれのデータに分離して出力するものである。コンテンツは、配信サーバ１３において映像、音声および字幕データをマルチプレクサで多重化して配信されてくるため、受信装置１００で多重化されたデータを分離するためにデマルチプレクサ１２６が必要となる。

映像デコーダ１２８は、デマルチプレクサ１２６で分離された映像データを入力し、入力された映像データをデコードして出力するものである。同様に、音声デコーダ１３０はデマルチプレクサ１２６で分離された音声データを入力し、入力された音声データをデコードして出力するものであり、字幕デコーダ１３２はデマルチプレクサ１２６で分離された字幕データを入力し、入力された字幕データをデコードして出力するものである。

ＢＭＬブラウザ１３４は、ＢＭＬ（Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）形式で記述されたデータを再生するためのものである。ＢＭＬとは、ＸＭＬ（Ｅｘｔｅｎｓｉｂｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）ベースのデータ放送向けのページ記述言語である。ＢＭＬ形式で記述されたデータは加算部１３６に入力され、字幕デコーダ１３２でデコードした字幕データと加算される。

加算部１３６は、字幕デコーダ１３２でデコードした字幕データと、ＢＭＬブラウザ１３４で再生したデータを加算するものである。そして、加算部１３８は、加算部１３６の出力と、映像デコーダ１２８でデコードした映像データとを加算して映像出力から出力するものである。また、音声デコーダ１３０でデコードされて出力された音声データは、音声出力から出力される。

ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０は、ＣＡＳ（Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎａｌ Ａｃｃｅｓｓ Ｓｙｓｔｅｍ）およびＤＲＭ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｒｉｇｈｔｓ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ）の管理を行うものである。ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０は本発明のコンテンツ切換部の一例であり、ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０において、受信したコンテンツが受信装置１００で再生可能なコンテンツであるかどうかを判断する。

ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０は、通信部１１０に対して受信するコンテンツの切り替えを指示する。受信するコンテンツを切り替える際には、ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０から切り替え先のコンテンツを受信するようなメッセージを送出するように通信部１１０に指示する。コンテンツの切り替え指示のタイミングとしては、例えばユーザがリモコン等でチャンネル切り替えの指示を行ったタイミングがある。

以上、本発明の一実施形態にかかる受信装置１００の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いたコンテンツの受信方法について説明する。説明に際し、従来のコンテンツの受信方法の概要について説明する。

図３は、コンテンツの受信において、配信されているコンテンツのチャンネルを切り替える場合について説明する説明図である。図３では、説明を簡単にするために２つのチャンネルのコンテンツがネットワーク上に流れているものとして説明する。

経過時間がＴ１の時点で、コンテンツを視聴したいユーザがチャンネルＡ（Ｃｈ．Ａ）にチャンネルを選択する。時間Ｔ１の時点ではチャンネルＡは番組１−Ａを配信しており、ユーザはチャンネルＡの番組１−Ａを視聴することができる。

その後時間が経過し、チャンネルＡで配信されている番組が番組１−Ａから番組１−Ｂに替わる。そして、時間がＴ２の時点でユーザがチャンネルＡからチャンネルＢ（Ｃｈ．Ｂ）に切り替える。チャンネルが切り替えられると、ユーザはチャンネルＢから時間Ｔ２の時点で配信されている番組２−Ｃを視聴することができる。

ここで、マルチキャスト配信されるコンテンツを受信する受信機が選択可能なチャンネルの設定の流れについて説明する。

マルチキャスト配信されるコンテンツを受信する受信機は、初期設定によりＩＰアドレスを取得する。ＩＰアドレスを取得した受信機は、一意に決められた情報（Ｕｎｉｆｏｒｍ Ｒｅｓｏｕｒｃｅ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｅｒ；ＵＲＩ）に従って、各種構成情報を取得し、構成情報に記載された要素の有無により、当該事業者がＩＰ放送を提供しているかどうかを判断する。

ＩＰ放送を提供している事業者は、構成情報にＳＩ（Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）情報を受信するためのマルチキャストアドレス情報等を参照可能であることから、ＳＩ情報のマルチキャストストリームのマルチキャストグループの参加通知メッセージ（Ｊｏｉｎメッセージ）をエッジルータへ送信し、当該サービスのマルチキャストストリームを受信して当該プラットフォームのＮＩＴ（Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｔａｂｌｅ）を取得しておく。

上記処理の後、実際のチャンネル選局にあたっては、受信機ではＮＩＴやＢＩＴ（Ｂｒｏａｄｃａｓｔｅｒ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｔａｂｌｅ）に記載されたサービスリスト記述子と、ＮＩＴのＩＰ分配システム記述子を参照し、予めサービス契約やプロモーションチャンネル等を考慮したチャンネル選局リストを作成しておく。

受信機がリモコン等でチャンネル番号入力を受け付けた際に、チャンネル選局リストに含まれているかどうかを判断する。判断した結果、チャンネルが選局リストに含まれている場合には、受信機のＮＩＣ（Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ Ｃａｒｄ）のフィルタへ、当該チャンネルに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを設定すると同時に、マルチキャストグループの参加通知（Ｊｏｉｎ）をエッジルータへ送信し、当該チャンネルのマルチキャストストリームを受信する。

図４は、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信において、コンテンツを配信するチャンネル切り替えの概要について説明する説明図である。図３のように、チャンネルＡからチャンネルＢにチャンネルを切り替える際には、コンテンツを受信する受信機に対してチャンネルを切り替えるような命令を与える（ステップＳ１０）。受信機に対する命令としては、例えばリモコンによるチャンネル切り替えがある。

チャンネルを切り替える命令を受け取った受信機は、ルータ（またはサーバ）に対して、チャンネルＡから離脱（Ｌｅａｖｅ）するようなマルチキャストレポート（Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ ｒｅｐｏｒｔ）を発行する（ステップＳ１２）。

受信機からのチャンネルＡから離脱するようなマルチキャストレポートをルータ（またはサーバ）が受け取ると、ルータ（またはサーバ）は、チャンネルＡのコンテンツを配信するためのＲＴＰ（Ｒｅａｌ−ｔｉｍｅ Ｔｒａｎｓｐｏｒｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）によるストリーミング（ＲＴＰストリーミング）を停止する（ステップＳ１４）。ＲＴＰは、パケットに時間情報が付加された通信プロトコルであり、リアルタイムでのデータ転送に用いられる通信プロトコルである。

サーバからのＲＴＰストリーミングが停止すると、受信機は続いてルータ（またはサーバ）に対して、チャンネルＢに参加（Ｊｏｉｎ）するようなマルチキャストレポートを発行する（ステップＳ１６）。受信機からのチャンネルＢに参加するようなマルチキャストレポートを受け取ると、ルータ（またはサーバ）はチャンネルＢのコンテンツを配信するためのＲＴＰストリーミングを開始する（ステップＳ１８）。このチャンネルＢのコンテンツを配信するためのＲＴＰストリーミングを受信機で受信することで、受信機はチャンネルＢのコンテンツを再生することができる。

以下、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信におけるチャンネル切り替えについてより詳細に説明する。

図５は、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信において、コンテンツを受信する受信機でのチャンネル切り替えについて説明する説明図である。図５では、受信機でのチャンネルの切り替えにリモコンを用いる場合のチャンネル切り替えについて説明する。

まず、ユーザがリモコンを押下して、チャンネルの切り替えを受信機に指示する（ステップＳ２０）。チャンネルの切り替えの指示を受けた受信機は、コンテンツを配信しているサーバに対し、マルチキャストグループからの離脱（Ｌｅａｖｅ）要求をルータ（またはサーバ）に対して発行する（ステップＳ２２）。

受信機から直接、または受信機からルータを経由して、マルチキャストグループからの離脱（Ｌｅａｖｅ）要求を受け取ったサーバは、今まで受信していたチャンネルのコンテンツを配信するためのＲＴＰストリーミングを停止する（ステップＳ２４）。ＲＴＰストリーミングが停止すると、受信機はサーバに対して切り替え先のチャンネルのコンテンツを受信するために、別のマルチキャストグループへの参加（Ｊｏｉｎ）要求を発行する（ステップＳ２６）。

マルチキャストグループへの参加（Ｊｏｉｎ）要求を受け取ったサーバは、当該マルチキャストグループのＲＴＰストリーミングを受信機に向けてマルチキャスト配信する。ＲＴＰストリーミングを受け取った受信機は、受信したストリームを映像、音声、字幕の各データに分離して、分離した各データをデコードする（ステップＳ２８）。そして、デコードしたデータを出力することで、映像／音声の切り替えが完了する（ステップＳ３０）。

このように、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信において、コンテンツを受信する受信機でチャンネル切り替えを行う場合には、一つ一つの処理の終了確認後に次の処理へ移るため、選局終了（映像／音声切替）までの時間が長くなっていた。

図５では、ステップＳ２４でコンテンツを配信するサーバがＲＴＰストリーミングを停止する時点で、選局前のＲＴＰストリームが停止していたが、実際にはサーバで選局前のＲＴＰストリーミングを停止しても、しばらくは選局前のＲＴＰストリーミングのネットワーク上に滞留しているパケットが受信機に到達する。図６は選局前のＲＴＰストリーミングのネットワーク上に滞留しているパケットが受信機に到達している様子を説明する説明図である。

図６に示したように、従来のマルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信において、コンテンツを受信する受信機でのチャンネル切り替えに要する時間はおよそ３．５秒程度である。受信機でのチャンネル切り替えに要する時間は、主に受信機からのマルチキャストグループへの参加（Ｊｏｉｎ）要求および離脱（Ｌｅａｖｅ）要求、配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスのＮＩＣフィルタへの設定、パケットの受信機とサーバとの間の行き来に起因する。

２００７年現在、地上デジタル放送においてチャンネルを切り替える場合の、チャンネル切り替えに要する時間はおよそ２秒強である。従って、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信において、コンテンツを受信する受信機でのチャンネル切り替えに要する時間は、地上デジタル放送のチャンネル切り替えに要する時間から、さらに１秒未満の時間で実現できることが望ましい。

上述したチャンネル切り替えでは、受信機はサーバからの選局前のチャンネルのＲＴＰストリーミングの停止を待ってから、選局後のチャンネルのマルチキャストグループへの参加要求を発行していた。しかし、選局後のチャンネルのマルチキャストグループへの参加要求は、選局前のチャンネルのＲＴＰストリーミングの停止よりも前に発行することも可能である。

図７は、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信において、コンテンツを受信する受信機でのチャンネル切り替えについて説明する説明図である。そして図７では、選局後のチャンネルのマルチキャストグループへの参加要求は、選局前のチャンネルのＲＴＰストリーミングの停止よりも前に発行することでチャンネルを切り替える場合について説明している。

この場合でも、まず、ユーザがリモコンを押下して、チャンネルの切り替えを受信機に指示する（ステップＳ１００）。チャンネルの切り替えの指示を受けた受信機は、コンテンツを配信しているサーバに対し、マルチキャストグループからの離脱（Ｌｅａｖｅ）要求を発行する（ステップＳ１０２）。

この際に、受信機のＮＩＣ（Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ Ｃａｒｄ）フィルタに、コンテンツをマルチキャスト配信する配信サーバが配信するコンテンツに対応する、選局後のチャンネルのマルチキャストグループにおけるマルチキャストＭＡＣアドレスを設定する（ステップＳ１０４）。配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを設定することで、マルチキャスト配信されたパケットが自分宛なのかどうかを判別することが可能となる。

続いて、受信機から選局後のチャンネルのマルチキャストグループへの参加要求をサーバに対して発行する（ステップＳ１０６）。受信機からの選局後のチャンネルのマルチキャストグループへの参加要求を受信したサーバは、当該マルチキャストグループのＲＴＰストリーミングを受信機に向けてマルチキャスト配信する。ＲＴＰストリーミングを受信した受信機は、受信したパケットが自分宛のものかどうか、ＮＩＣフィルタに登録された、選局後のチャンネルのマルチキャストグループに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを用いてパケットのフィルタリングを行う（ステップＳ１０８）。

フィルタリングの結果、当該受信パケットが自分宛のものであった場合には、ＲＴＰストリーミングを受信し、受信したストリームを映像、音声、字幕の各データに分離して、分離した各データをデコードする（ステップＳ１１０）。その後、選局前のチャンネルのコンテンツを配信するためのＲＴＰストリーミングがサーバで停止される（ステップＳ１１２）。サーバで選局前のＲＴＰストリーミングを停止しても、しばらくは選局前のＲＴＰストリーミングのネットワーク上に滞留しているパケットが受信機に到達するが、到達したパケットは受信機側で破棄する。

そして、デコードしたデータを出力することで、映像／音声の切り替えが完了する（ステップＳ１１４）。

本発明では、上記ステップＳ１０４においてチャンネル切り替え時に行っているＮＩＣフィルタへのマルチキャストＭＡＣアドレスの設定を、チャンネルの切り替え前に予め行っておくことを特徴とする。チャンネルの切り替え前に、切り替え先のチャンネルに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスをＮＩＣフィルタへ設定しておくことで、上記ステップＳ１０８におけるＮＩＣフィルタでのパケットのフィルタリングを省略し、切り替え時間を短縮することが可能となる。

以下、本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いた、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信におけるチャンネル切り替えについて説明する。

本実施形態では、予めチャンネル切り替えの高速化を行いたいチャンネルでコンテンツを配信するサーバが配信する、コンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを、物理アドレス設定部１１４で設定する。設定したマルチキャストＭＡＣアドレスは物理アドレス記憶部１１２に記憶する。

予めチャンネル切り替えの高速化を行いたいチャンネルのリストとしては、例えばキー局系またはそれに準じるチャンネルリスト（地上デジタル放送、ＢＳデジタル放送およびそれらチャンネルの組合せ）、有料放送系のチャンネルリスト（視聴者が契約したチャンネル、事業者側のお勧めチャンネルまたはこれらのチャンネルの組合せ）、キー局系（地上デジタル放送／ＢＳデジタル放送）と有料放送系の組合せチャンネルリスト（視聴者が予め登録したお好みのチャンネル）、良く視聴するチャンネルリスト（ＮＩＣフィルタへ設定可能な最大チャンネル分の直近で視聴したチャンネルや、任意の回数内から一定数以上選局されたチャンネル）等がある。

このように、予めチャンネル切り替えの高速化を行いたいチャンネルで、コンテンツを配信するサーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを受信装置１００の内部に保持することで、選局時に切り替え先のコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスの設定を行う必要がないので、チャンネル切り替えを高速化することができる。

図８は、本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いた、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信におけるチャンネル切り替えの流れについて説明するシーケンス図である。図８では、ルータ１４と受信装置１００との間でやり取りされるデータの流れによって、チャンネル切り替えの流れを説明する。そして、ここではチャンネルＡからチャンネルＢにチャンネルを切り替える場合の流れを説明する。

まず、配信サーバ１３からルータ１４を介してチャンネルＡからの番組１−Ａがマルチキャスト配信される（ステップＳ１２０）。受信装置１００は受信した番組１−Ａを再生する（ステップＳ１２２）。受信した番組は、上述したようにストリーミング受信部１２２での受信、デクリプタ１２４での復号、デマルチプレクサ１２６での分離並びに映像デコーダ１２８、音声デコーダ１３０および字幕デコーダ１３２でのデータのデコードを経て再生され、ユーザは受信装置１００でコンテンツを視聴することが出来る。

ここで、受信装置１００でコンテンツを視聴しているユーザが、チャンネルＡからチャンネルＢにチャンネルを切り替える（ステップＳ１２４）。すると、受信装置１００のＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０から通信部１１０を介して、ルータ１４に対してチャンネルＡから離脱（Ｌｅａｖｅ）するようなマルチキャストレポートを発行する（ステップＳ１２６、ステップＳ１２８）。ここでステップＳ１２６とステップＳ１２８とで２度マルチキャストレポートを発行しているのは規格上のルールに従っているからである。

ルータ１４を経由して受信装置１００からのマルチキャストレポートを受け取った配信サーバ１３は、受信装置１００に対して応答メッセージ（Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｑｕｅｒｙ）を送出する（ステップＳ１２８、ステップＳ１３０）。ここでもステップＳ１２８とステップＳ１３０とで２度応答メッセージを発行しているのは規格上のルールに従っているからである。

配信サーバ１３は、応答メッセージの発行の後に、番組１−Ａを配信しているＲＴＰストリーミングを停止する（ステップＳ１３４）。配信サーバ１３からのＲＴＰストリーミングが停止されると、受信装置１００ではそれまで再生していた番組１−Ａの再生が停止される（ステップＳ１３６）。

続いて、チャンネルＢからコンテンツの配信を受けるために、受信装置１００はチャンネルＢのコンテンツを配信する配信サーバ１３に対して、チャンネルＢに参加（Ｊｏｉｎ）するようなマルチキャストレポートを発行する（ステップＳ１３８、ステップＳ１４０）。こでもステップＳ１３８とステップＳ１４０とで２度マルチキャストレポートを発行しているのは規格上のルールに従っているからである。

ここで、受信装置１００ではチャンネルＢのマルチキャストＭＡＣアドレスを、チャンネルＢに参加するマルチキャストレポートを発行する前に、予め物理アドレス記憶部１１２に記憶しておく。予め物理アドレス記憶部１１２にチャンネルＢのマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶しておくことで、チャンネルＢへチャンネルを切り替える際のチャンネル切り替え時間を短縮することが可能となる。

受信装置１００からのチャンネルＢへの参加要求を受信した配信サーバ１３は、受信装置１００に対してチャンネルＢの番組１−Ｂをマルチキャスト配信する（ステップＳ１４２）。チャンネルＢの番組１−Ｂの配信を受けた受信装置１００は、受信した番組は、上述したようにストリーミング受信部１２２での受信、デクリプタ１２４での復号、デマルチプレクサ１２６での分離並びに映像デコーダ１２８、音声デコーダ１３０および字幕デコーダ１３２でのデータのデコードを経て再生され、ユーザは受信装置１００でコンテンツを視聴することが出来る（ステップＳ１４４）。

なお、図８では、受信装置１００は配信サーバ１３に対して、チャンネルＡからの離脱（Ｌｅａｖｅ）の後にチャンネルＢへの参加（Ｊｏｉｎ）を要求していたが、本発明においては、チャンネルＢへの参加（Ｊｏｉｎ）の要求をチャンネルＡからの離脱（Ｌｅａｖｅ）の前に行ってもよい。また、図８では、配信サーバ１３からチャンネルＡの番組１−Ａの配信が停止した後にチャンネルＢへの参加（Ｊｏｉｎ）を要求していたが、本発明においては、配信サーバ１３からチャンネルＡの番組１−Ａの配信が停止する前にチャンネルＢへの参加（Ｊｏｉｎ）を要求してもよい。

以上、図８を用いて本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いた、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信におけるチャンネル切り替えの流れについて説明した。

図９は、本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いた、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信におけるチャンネル切り替えの流れについて説明する流れ図である。

まず受信装置１００でサービスリストを取得する（ステップＳ１６０）。サービスリストはＳＩ（Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）ストリームに含まれるＮＩＴ（Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｔａｂｌｅ）やＢＩＴ（Ｂｒｏａｄｃａｓｔｅｒ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｔａｂｌｅ）から取得する。

続いて、取得したサービスリストからマルチキャストアドレスを取得する（ステップＳ１６２）。マルチキャストアドレスはＳＩストリームに含まれるＮＩＴから取得する。

続いて、選局リストの作成を行う（ステップＳ１６４）。上述したように、予め取得しておくと選局に便利な種別リストとしては、例えばキー局系またはそれに準じるチャンネルリスト、有料放送系のチャンネルリスト、キー局系（地上デジタル放送／ＢＳデジタル放送）と有料放送系の組合せチャンネルリスト、良く視聴するチャンネルリスト、任意の回数内から一定数以上選局されたチャンネル）等がある。

選局リストの作成を行うと、続いてチャンネル切り替えを高速化したいチャンネルでコンテンツを配信する配信サーバ１３が配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを計算する（ステップＳ１６６）。マルチキャストＭＡＣアドレスの計算は物理アドレス設定部１１４で行う。マルチキャストＭＡＣアドレスの計算を行うと、計算したマルチキャストＭＡＣアドレスを保持する（ステップＳ１６８）。計算したマルチキャストＭＡＣアドレスは物理アドレス記憶部１１２で保持する。

その後は、受信装置１００に対してリモコン等によるチャンネル番号の入力が受け付けられているかどうかを判断する（ステップＳ１７０）。ステップＳ１７０での判断の結果、チャンネル番号の入力が受け付けられていないと判断されれば、このステップＳ１７０の処理を繰り返す。一方、ステップＳ１７０での判断の結果、チャンネル番号の入力が受け付けられていると判断されれば、当該チャンネル番号が受信可能なチャンネルであるかどうかを判断する（ステップＳ１７２）。受信可能なチャンネルであるかどうかはＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０が判断する。

受信装置１００で受信可能なチャンネルであるとＣＡＳ／ＤＲＭクライアント１４０が判断した場合には、当該チャンネルからのコンテンツを受信するために、配信サーバ１３に対してマルチキャストグループへの参加通知を送出する（ステップＳ１７４）。そして配信サーバ１３から配信されるＩＰ放送番組を受信し、コンテンツを視聴可能となる（ステップＳ１７６）。

以上、図９は、本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いた、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信におけるチャンネル切り替えの流れについて説明した。

図１０は、ＩＰｖ４（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ Ｖｅｒｓｉｏｎ ４）における、ＭＡＣアドレスと、ＩＰマルチキャストアドレスおよびマルチキャストＭＡＣアドレスについて説明する説明図である。図１０の（ａ）に示したように、ＭＡＣアドレスは３バイトのベンダＩＤ情報と、３バイトのシリアル番号情報とで構成される。そして、ベンダＩＤ情報の３バイトのうち、第１オクテットの最下位ビットは、ユニキャストアドレスかマルチキャストアドレスかを区別するためのＩ／Ｇビットである。Ｉ／Ｇビットの値が０であればユニキャストアドレス、１であればマルチキャストアドレスである。

図１０の（ｂ）は、ＩＰマルチキャストアドレスおよびマルチキャストＭＡＣアドレスについて説明する図である。図１０の（ｂ）に示したように、ＩＰマルチキャストアドレスは４バイト（３２ビット）で構成されており、マルチキャストＭＡＣアドレスは６バイトで構成されている。また、ＩＥＥＥ（Ｉｎｓｔｉｔｕｔｅ ｏｆ Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌ ａｎｄ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｅｎｇｉｎｅｅｒｓ）では、マルチキャストＭＡＣアドレスの上位２５ビットが「０００００００１０００００００００１０１１１１００」（上位３バイトが「０１−００−５ｅ」）で開始するＭＡＣアドレスを、マルチキャストＩＰアドレスに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスと定めている。

従って、ＩＰマルチキャストアドレスの下位２３ビットをそのままマルチキャストＭＡＣアドレスの下位２３ビットに用いることで、マルチキャストＩＰアドレスに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを求めることができる。

この様に物理アドレス設定部１１４でチャンネル切り替え前に求めたマルチキャストＭＡＣアドレスを、物理アドレス記憶部１１２に保持する。そして、物理アドレス記憶部１１２に保持したマルチキャストＭＡＣアドレスを、コンテンツを配信するチャンネルを切り替える際のパケットフィルタリングに用いることで、チャンネル切り替え時にマルチキャストＩＰアドレスからマルチキャストＭＡＣアドレスを算出する必要が無いので、チャンネル切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。

ＩＰ放送においては、ネットワーク上にマルチキャストパケットが流れる。マルチキャストパケットは、宛先ＭＡＣアドレスとなるマルチキャストＭＡＣアドレスがＩＰアドレスに応じて変更されるため、ＶＯＤ（Ｖｉｄｅｏ Ｏｎ Ｄｅｍａｎｄ）のようなユニキャスト配信の場合と異なり、複数の宛先ＭＡＣアドレスを受信する必要がある。

本実施形態では、４８ビットのマルチキャストＭＡＣアドレスについてＣＲＣ３２による演算を行う。そして、上位６ｂｉｔ（０〜６３）をハッシュ値として、物理アドレス記憶部１１２に保持したマルチキャストＭＡＣアドレスと一致するパケットを透過し、それ以外のパケットを破棄する。このようにパケットをフィルタリングすることで、受信装置１００は自分宛にマルチキャスト配信されたコンテンツを受信することができる。

このように物理アドレス記憶部１１２に保持したマルチキャストＭＡＣアドレスを、コンテンツを配信するチャンネルを切り替える際のパケットフィルタリングに用いることで、チャンネル切り替えに要する時間を数百ミリ秒程度短縮することができる。

なお受信装置１００は、複数の、また完全一致のフィルタをハードウェアとして持つＮＩＣを有してもよい。このようなＮＩＣを有することで、コンテンツ配信時のチャンネル切り替え処理を更に高速化することができる。

以上、本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いた受信方法による、マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信におけるチャンネル切り替えについて説明した。

以上説明したように、本発明の第１の実施形態においては、チャンネル切り替え時に行っている、チャンネル切り替えを高速化したいチャンネルでコンテンツを配信する、配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスのＮＩＣフィルタへの設定を、チャンネル切り替えを行う前に予め行っておく。マルチキャストＭＡＣアドレスの設定を予め行っておくことで、受信装置におけるＮＩＣフィルタでのパケットのフィルタリングを省略し、切り替え時間を短縮することを特徴とする。

（第２の実施形態）
本発明の第１の実施形態では、マルチキャストＭＡＣアドレスの設定を予め行っておくことで、受信装置におけるＮＩＣフィルタでのパケットのフィルタリングを省略し、切り替え時間を短縮するチャンネル切り替えの高速化について説明した。本発明の第２の実施形態では、コンテンツを受信する受信装置が同一セグメント内（例えば家庭内）に複数存在する場合におけるチャンネル切り替えの高速化について説明する。

図１１は、本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システムについて説明する説明図である。以下、図１１を用いて本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システムについて説明する。

図１１に示したように、本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システムは、複数の配信サーバ２００と、ホームゲートウェイ（ＨＧＷ）２２０と、パーソナルコンピュータ２３０と、ＤＶＤレコーダ２４０と、ハードディスクレコーダ２５０と、テレビ２６０と、を含んで構成される。

配信サーバ２００は、第１の実施形態の配信サーバ１３と同様に、ＩＰＴＶコンテンツ等のマルチキャストコンテンツのデータを管理するとともに、コンテンツを受信装置からの要求に応じて、受信装置に対してマルチキャストコンテンツの映像／音声のメディアストリームを配信する。配信サーバ２００は、ＩＰＴＶサーバ等のコンテンツ提供サーバであってもよいし、放送局等であってもよい。

ホームゲートウェイ２２０は、ルータ、プロトコル変換、ファイアウォール等の機能を有するネットワーク機器であり、本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システム上を流れるデータを中継する機器である。ホームゲートウェイ２２０は、配信サーバ２００とＣＤＮ網２１０で接続されている。ＣＤＮ網２１０は、ファイルサイズの大きいデジタルコンテンツをネットワーク経由で配信するために最適化されたネットワークのことである。

パーソナルコンピュータ２３０、ＤＶＤレコーダ２４０、ハードディスクレコーダ２５０およびテレビ２６０は、本発明の受信装置の一例であり、各機器はそれぞれネットワーク経由でマルチキャスト配信されるコンテンツの受信が可能な機器である。各機器は、ホームゲートウェイ（ＨＧＷ）２２０との間でＩＰ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）によるネットワークで接続され、ホームネットワークを構成している。

なお、パーソナルコンピュータ２３０、ＤＶＤレコーダ２４０、ハードディスクレコーダ２５０およびテレビ２６０は、本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００のような構成を含んでおり、それぞれマルチキャスト配信されるコンテンツの受信および再生が可能な機器である。

以上、図１１を用いて本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システムについて説明した。もちろん図１１に示した構成は本発明を実施する際の一例に過ぎないことは言うまでも無い。例えば、ＣＤＮ網２１０とホームゲートウェイ２２０との間にエッジルータを設けて、パケットのルーティングを行わせてもよい。

次に、本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システムにおけるチャンネル切り替えについて説明する。

まず、本発明の第１の実施形態と同様に、各受信装置に対して、各受信装置のＮＩＣに高速化したいチャンネルのマルチキャストＭＡＣアドレスを設定しておく。高速化したいチャンネルのリストとしては、第１の実施形態と同様に、例えばキー局系またはそれに準じるチャンネルリスト（地上デジタル放送、ＢＳデジタル放送およびそれらチャンネルの組合せ）、有料放送系のチャンネルリスト（視聴者が契約したチャンネル、事業者側のお勧めチャンネルまたはこれらのチャンネルの組合せ）、キー局系（地上デジタル放送／ＢＳデジタル放送）と有料放送系の組合せチャンネルリスト（視聴者が予め登録したお好みのチャンネル）、良く視聴するチャンネルリスト（ＮＩＣフィルタへ設定可能な最大チャンネル分の直近で視聴したチャンネルや、任意の回数内から一定数以上選局されたチャンネル）等がある。

続いて、各受信装置でチャンネルを切り替える際に、各受信装置のＮＩＣで、同一のホームネットワーク上に、それぞれの受信装置で受信中のマルチキャストストリームとは別に、チャンネル切り替え先の他のマルチキャストストリームが流れていないかどうかをチェックする。

上述したチェックの段階で、各受信装置のＮＩＣがマルチキャストストリームを検出していたら、当該マルチキャストストリームのデコードを開始する。そして、ホームゲートウェイに対して次のマルチキャストストリームの参加要求（Ｊｏｉｎ）を発行し、ホームゲートウェイ２２０に対して今まで受信していたマルチキャストストリームの離脱要求（Ｌｅａｖｅ）を発行する。

例えば、パーソナルコンピュータ２３０にチャンネルＡの番組が、ＤＶＤレコーダ２４０にチャンネルＢの番組が配信されている場合に、ホームネットワーク上にはチャンネルＡの番組とチャンネルＢの番組の両方のデータが流れている。ここで、パーソナルコンピュータ２３０が受信するチャンネルをチャンネルＡからチャンネルＢに切り替える場合には、チャンネル切り替え先となるチャンネルＢからのマルチキャストストリームが流れていることになる。

従って、この場合にはパーソナルコンピュータ２３０はチャンネルＢからのマルチキャストストリームのデコードを開始する。そして、ホームゲートウェイ２２０に対してチャンネルＢのマルチキャストストリームの参加要求を発行し、ホームゲートウェイ２２０に対して今まで受信していたチャンネルＡのマルチキャストストリームの離脱要求を発行する。

このように、ホームゲートウェイに対して次のマルチキャストストリームの参加要求（Ｊｏｉｎ）を発行する前に、予めチャンネル切り替え後のマルチキャストストリームのデコードを開始することで、チャンネル切り替えに要する時間を短縮することが可能となる。

以上、本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システムにおけるチャンネル切り替えについて説明した。

以上説明したように、本発明の第２の実施形態においては、チャンネル切り替え時に行っている、予めチャンネル切り替えを高速化したいチャンネルでコンテンツを配信する、配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを、ＮＩＣフィルタへ予め設定する。そして、ＮＩＣ上でホームネットワーク上に別のマルチキャストストリームが流れていないかチェックし、マルチキャストストリームを検出していたらストリームをデコード開始することで、チャンネル切り替えを高速に行うことができる。

なお、上述した受信装置１００等は、コンピュータに上述の各実施形態にかかる機能を実現するためのコンピュータプログラムを組み込むことで、コンピュータを受信装置１００等として機能させることが可能である。かかるコンピュータプログラムは、所定の記録媒体（例えばＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭ）に記録された形で、あるいは、電子ネットワークを介したダウンロードの形で市場に流通させることが可能である。

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

本発明は、受信装置、受信方法およびコンピュータプログラムに適用可能であり、特にマルチキャスト配信によってデータを受信する受信装置、受信方法およびコンピュータプログラムに適用可能である。

本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００を用いるマルチキャスト配信システム１０について説明する説明図である。 本発明の第１の実施形態にかかる受信装置１００の構成について説明する説明図である。 配信されているコンテンツのチャンネルを切り替える場合について説明する説明図である。 コンテンツを配信するチャンネル切り替えの概要について説明する説明図である。 コンテンツを受信する受信機でのチャンネル切り替えについて説明する説明図である。 選局前のＲＴＰストリーミングのネットワーク上に滞留しているパケットが受信機に到達している様子を説明する説明図である。 マルチキャストネットワークを用いたコンテンツ配信において、コンテンツを受信する受信機でのチャンネル切り替えについて説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いたチャンネル切り替えの流れについて説明するシーケンス図である。 本発明の一実施形態にかかる受信装置１００を用いたチャンネル切り替えの流れについて説明する流れ図である。 ＭＡＣアドレスと、ＩＰマルチキャストアドレスおよびマルチキャストＭＡＣアドレスについて説明する説明図である。 本発明の第２の実施形態にかかるマルチキャスト配信システムについて説明する説明図である。

符号の説明

１３、２００ 配信サーバ
１４ ルータ
１００ 受信装置
１１０ 通信部
１１２ 物理アドレス記憶部
１１４ 物理アドレス設定部
１２０ 制御部
１２２ ストリーミング受信部
１２４ デクリプタ
１２６ デマルチプレクサ
１２８ 映像デコーダ
１３０ 音声デコーダ
１３２ 字幕デコーダ
１３４ ＢＭＬブラウザ
１３６、１３８ 加算部
１４０ ＣＡＳ／ＤＲＭクライアント
２２０ ホームゲートウェイ
２３０ パーソナルコンピュータ
２４０ ＤＶＤレコーダ
２５０ ハードディスクレコーダ
２６０ テレビ

Claims (4)

1. 少なくとも１の上位ルータおよび複数の下位ルータを介して、コンテンツをマルチキャスト配信する複数の配信サーバから配信される、前記コンテンツを受信する受信装置であって、
   前記複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定する物理アドレス設定部と；
   前記物理アドレス設定部で予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する物理アドレス記憶部と；
   前記物理アドレス設定部で予め設定し、前記物理アドレス記憶部に記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて前記配信サーバから受信するコンテンツを切り替えるコンテンツ切換部と；
   を含み，
   前記コンテンツ切換部は、受信するコンテンツを切り替える前に、同一ネットワークセグメント内に切り替え先のコンテンツのデータが流れているか確認することを特徴とする、受信装置。
2. 前記物理アドレス設定部は、ＳＩ（Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）ストリームに含まれるマルチキャストアドレスからマルチキャストＭＡＣアドレスを設定することを特徴とする、請求項１に記載の受信装置。
3. 少なくとも１の上位ルータおよび複数の下位ルータを介して、コンテンツをマルチキャスト配信する複数の配信サーバから配信される、前記コンテンツを受信する受信方法であって、
   前記複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定する物理アドレス設定ステップと；
   前記物理アドレス設定ステップで予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する物理アドレス記憶ステップと；
   前記配信サーバから受信するコンテンツを切り替える前に同一ネットワークセグメント内に切り替え先のコンテンツのデータが流れているか確認してから、前記物理アドレス設定ステップで予め設定し、前記物理アドレス記憶ステップで記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて前記配信サーバから受信するコンテンツを切り替えるコンテンツ切換ステップと；
   を含むことを特徴とする、受信方法。
4. 少なくとも１の上位ルータおよび複数の下位ルータを介して、コンテンツをマルチキャスト配信する複数の配信サーバから配信される、前記コンテンツの受信をコンピュータに制御させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、
   前記複数の配信サーバが配信するコンテンツに対応するマルチキャストＭＡＣアドレスを該配信サーバからのコンテンツ受信前に予め設定する物理アドレス設定ステップと；
   前記物理アドレス設定ステップで予め設定したマルチキャストＭＡＣアドレスを記憶する物理アドレス記憶ステップと；
   前記配信サーバから受信するコンテンツを切り替える前に同一ネットワークセグメント内に切り替え先のコンテンツのデータが流れているか確認してから、前記物理アドレス設定ステップで予め設定し、前記物理アドレス記憶ステップで記憶したマルチキャストＭＡＣアドレスを用いて前記配信サーバから受信するコンテンツを切り替えるコンテンツ切換ステップと；
   を含む処理を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラム。
   

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