JP4886374B2 - 顔料粒子の製造方法、顔料粒子を含有する液体組成物、画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

顔料粒子の製造方法、顔料粒子を含有する液体組成物、画像形成方法および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット用インクとして有用な顔料粒子の製造方法、および該顔料粒子を分散状態で含有する液体組成物、ならびに該液体組成物を使用した画像形成方法、および画像形成装置に関するものである。
近年、デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術やインクジェット技術といわれるものがその代表例であるが、近年オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めつつある。
インクジェット技術はその中でも直接記録方法として、コンパクト、低消費電力という大きな特徴がある。また、ノズルの微細化等により急速に高画質化が進んでいる。インクジェット技術の一例は、インクタンクから供給されたインクをノズル中のヒーターで加熱することで蒸発発泡し、インクを吐出させて記録媒体に画像を形成させるという方法である。他の例はピエゾ素子を振動させることでノズルからインクを吐出させる方法である。
これらの方法には、これまで水溶性の染料インクが適用されてきたが、にじみやフェザリング、耐候性などに関し問題点を有していた。これらを改善する目的として、近年では顔料インクの利用が検討されており(特許文献1参照)、実際にインク組成物中に顔料分散体を含有したインクジェット用インクも普及しはじめている。
しかしながら、顔料インクは長期保存安定性やインクジェットヘッドからの吐出安定性において、染料インクと比較して劣る場合が多い。また、顔料粒子による光散乱や光反射が生じるため、一般に顔料インクにより形成された画像は染料インクによる画像と比較して発色性が低いという傾向がある。
顔料インクの発色性を改善する方法のひとつとして顔料粒子を微細化する試みがなされている。100ナノメートル以下に微細化された顔料(以下、顔料微粒子という)は、光散乱の影響が小さく、かつ比表面積が増大するため、染料なみの発色性が得られると期待されている。
顔料粒子の微細化は、サンドミルやロールミル、ボールミルといった分散機を用いて機械的に行うのが一般的である。これらの方法では顔料を一次粒子付近(100ナノメートル程度)まで微細化するのが限界であり、さらなる微細化が要求される場合には、多大な時間とコストを必要とするばかりか、均一な品質のものを安定供給することが困難となる(特許文献2参照)。
一方、特許文献3や特許文献4では、顔料を溶剤に溶解させた後、顔料の溶解液と顔料の貧溶剤とを分散剤介在下で混合して再析出させる顔料微粒子の調整法が提案されている(以下、再析出法と表現する)。再析出法によって得られる顔料微粒子は、その表面特性が使用した分散剤の種類と吸着形態に大きく影響を受けることに特徴がある。
ここで、再析出法で利用できる分散剤は、顔料を溶解させる溶剤、あるいは顔料の貧溶剤の少なくともいずれかの溶剤に可溶であるという制約が生じる。また、再析出法では顔料微粒子は瞬間的に形成されるため、例えば分子量の大きい分散剤を用いた場合、顔料表面に吸着する分散剤の吸着形態は熱力学的な非平衡状態となる。以上のようなプロセス上の制約は、例えば顔料微粒子をインクジェット用インク組成物、中でもサーマルインクジェット方式によるインクジェットインク組成物として適用する場合、極めて不利な制約である。インクジェット用インク組成物は、インクジェットノズルにおける吐出安定性や記録紙への定着性を確保するために、顔料微粒子の表面特性(親水性度や荷電特性など)を複雑に設計することが好ましい。しかしながら、再析出法で使用可能な分散剤には、上記したような制約が生じるため、再析出法によって得られる顔料微粒子の表面特性を制御することは極めて解決困難な課題であった。
米国特許第5085698号明細書 特開平10−110111号公報 特公平6−96679号公報 特開2004−91560号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、吐出安定性に優れた表面特性を有し、かつ、サイズ均一性の高いナノメートルオーダーの顔料微粒子の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記顔料微粒子を含有する液体組成物を提供するものである。さらに本発明は、上記液体組成物からなるインクジェット用インク組成物、及び該インク組成物を使用した画像形成方法ならびに画像形成装置を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、再析出法において、顔料の溶解液と顔料の貧溶剤とを重合開始基を有する分散剤の存在下で混合して表面に重合開始基を有する顔料微粒子を得る。さらに、前記顔料微粒子の重合開始基から高分子鎖をグラフト重合することによって、顔料微粒子に所望の表面特性を効果的に付与できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、粒子表面に高分子鎖がグラフト化して形成された顔料粒子の製造方法であって、(1)非プロトン性溶剤あるいは、非プロトン性溶剤とアルカリの混合溶剤からなる第1の溶剤と水あるいは水溶液からなる第2の溶剤のいずれかの溶剤に、重合開始基を有する高分子化合物からなる分散剤を含有させる工程、(2)顔料を前記第1の溶剤に溶解した溶液を得る工程、(3)前記溶液と第2の溶剤を混合して表面に重合開始基を有する顔料粒子を析出させる工程、(4)前記顔料粒子の表面の重合開始基から高分子鎖をグラフト化して形成する工程を有することを特徴とする顔料粒子の製造方法に関するものである。
本発明の第2の発明は、上記の方法によって製造される顔料粒子を含有することを特徴とする液体組成物に関するものである。
本発明の第3の発明は、上記の液体組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物に関するものである。
本発明の第4の発明は、上記のインク組成物を媒体に付与することにより、画像を記録する工程を有することを特徴とする画像形成方法に関するものである。
本発明の第5の発明は、上記のインク組成物を媒体に付与することにより、画像を記録させるための手段を有することを特徴とする画像形成装置に関するものである。
本発明は、吐出安定性に優れた表面特性を有し、かつ、サイズ均一性の高いナノメートルオーダーの顔料微粒子の製造方法を提供することができる。
また、本発明は、上記顔料微粒子を含有する液体組成物を提供することができる。さらに本発明は、上記液体組成物からなるインクジェット用インク組成物、及び該インク組成物を使用した画像形成方法ならびに画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、高分子鎖がグラフト化された顔料粒子の製造方法であって、粒子表面に高分子鎖がグラフト化して形成された顔料粒子の製造方法であって、(1)第1の溶剤と第2の溶剤のいずれかの溶剤に、重合開始基を有する高分子化合物からなる分散剤を含有される工程、(2)顔料を前記第1の溶剤に溶解した溶液を得る工程、(3)前記溶液と第2の溶剤を混合して表面に重合開始基を有する顔料粒子を析出させる工程、(4)前記顔料粒子の表面の重合開始基から高分子鎖をグラフト化して形成する工程を有することを特徴とする顔料粒子の製造方法であり、吐出安定性に優れた表面特性を有し、かつサイズ均一性の高いナノメートルオーダーの顔料微粒子を分散状態で得ることを目的とする。
なお、サイズ均一性の高いとは、顔料粒子の粒子径分布が狭いことを意味する。ナノメートルオーダーとは、顔料粒子が100nm以下を意味する。
本発明において、顔料微粒子が分散状態で得られるメカニズムは以下のようなものである。
第1の溶剤と第2の溶剤を混合すると、第1の溶剤中で溶解状態にあった顔料は急激に不溶化されて粒子核を形成し、さらにその核が凝集する過程において、重合開始基を有する分散剤が顔料表面に吸着することで顔料微粒子を分散状態で得ることができる。このようにして得られる顔料微粒子は分散剤によって被覆されているため、その表面に分散剤由来の重合開始基が結合されていることを特徴とする。
次に、顔料微粒子に所望の表面特性を付与する方法について説明する。
上記のメカニズムによって得られる顔料微粒子と、高分子鎖を形成するためのモノマーの混合液を調製し、この混合液に対して温度、光刺激、触媒添加などの外部刺激を付与することによって、顔料微粒子表面に結合されている重合開始基から活性種を発生させ、その活性種を起点に高分子鎖をグラフト化する。高分子鎖はモノマーの種類によってその特性を自在に設計することが可能であるため、本発明によって得られる顔料微粒子には、所望の表面特性を付与することができる。
[分散剤]
本発明の分散剤は、水あるいは水溶液中において顔料微粒子に分散安定性を付与することのできる高分子化合物で、その一部、あるいは全部に重合開始基を有するモノマーユニット(以下、重合開始部位と表現する)が含有される高分子化合物である。ここで重合開始基とは、温度や光、触媒添加などによって重合反応に関与する活性種を生成可能な官能基を意味する。
本発明における重合反応は、ラジカル重合やカチオン重合、アニオン重合など従来公知の重合反応を適用することが可能であるが、水系での重合能や重合可能なモノマー種の豊富さの点からラジカル重合を好適に利用することができる。以下、ラジカル重合を開始することのできる重合開始基をラジカル重合開始基、カチオン重合を開始することのできる重合開始基をカチオン重合開始基、アニオン重合を開始することのできる重合開始基をアニオン重合開始基と表現する。ラジカル重合開始基の例として、アゾ化合物や過酸化物などの自己分解性を有する構造を含む置換基であっても良いし、ジオールを含有する置換基とCe4+の組み合わせのように、触媒等を添加することで活性種を生成する構造、を含む置換基であっても良い。ただし、本発明における高分子化合物に含有される重合開始基はこれらに限定されるものではない。
本発明は、高分子化合物に含有される重合開始基が、リビング重合開始基である場合に特に好ましく実施することができる。リビング重合開始基を含有する高分子化合物を分散剤とした顔料微粒子は、その表面からリビング重合によって高分子鎖をグラフト化することができる。リビング重合によって形成される高分子鎖は、通常の重合により形成される高分子鎖と比較して、高分子鎖の分子量分布が小さいため、顔料微粒子表面に高分子鎖を均一にグラフト化することができる。また、リビング重合では重合開始基から重合反応に関与する活性種が一様に生成するため、顔料粒子表面に高分子鎖を高密度にグラフト化することができる。
本発明におけるリビング重合は、リビングラジカル重合やリビングカチオン重合、リビングアニオン重合など従来公知のリビング重合法を適用することが可能であるが、ハンドリングの容易さからリビングラジカル重合が好適である。以下、リビングラジカル重合を開始することのできる重合開始基をリビングラジカル重合開始基、リビングカチオン重合を開始することのできる重合開始基をリビングカチオン重合開始基、リビングアニオン重合を開始することのできる重合開始基をリビングアニオン重合開始基と表現する。リビングラジカル重合開始基の例として、リビングラジカル重合のひとつである光イニファータ重合を開始することのできるジチオカルバメート化合物や、ニトロキシド媒介重合を開始することのできる窒素酸化物、RAFT重合を開始することのできるジチオエステル化合物、原子移動ラジカル重合を開始することのできるハロゲン化物などの構造を含む置換基などがある。これらの置換基は単独でリビング重合を開始するものであっても、活性種を生成するために添加物と併用してリビング重合を開始するものであっても良い。例えば、原子移動ラジカル重合を開始することのできるハロゲン化物を含む置換基は、遷移金属とともに錯体形成することによってリビング重合を開始することができる活性種を生成するために添加物と併用してリビング重合を開始するものの好例である。また、リビング重合開始基から高分子鎖をグラフト化する際、必要であれば反応系内にリビング重合開始基でない一般の重合開始基を重合反応の制御剤として添加することもできる。
以上は、本発明の高分子化合物に含有されるリビング重合開始基についての説明であるが、本発明におけるリビング重合開始基はこれらに限定されるものではなく、同様の効果が期待できる範囲において、例示した以外のリビング重合開始基も適用可能である。
本発明では、水あるいは水溶液中において顔料微粒子に分散安定性を付与することを目的として、親水性を有することを特徴とするモノマーユニットの繰り返し構造(以下、親水性部位と表現する)が含有される高分子化合物を分散剤として用いる。親水性部位としては、カルボン酸、カルボン酸塩、あるいは親水性オキシエチレンユニットを多く含む構造、さらにヒドロキシル基などを有する構造などの繰り返し単位構造を有する構造が挙げられる。具体的な例でいえば、アクリル酸やメタクリル酸、あるいはその無機塩や有機塩などのカルボン酸塩、またポリエチレングリコールマクロモノマー、またはビニルアルコールや2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの親水性モノマーで表される繰り返し単位構造を有する構造である。ただし、本発明における分散剤の高分子化合物に含有される親水性部位はこれらに限定されるわけではなく、本発明の目的を達成できる範囲においていかなる物質も用いることができる。また本発明では、高分子化合物に含有される親水性部位として1種類の親水性モノマーで表される繰り返し単位構造であっても、複数の親水性モノマーから構成される繰り返し構造を有する共重合構造であっても適用可能である。さらに、共重合構造はランダム共重合構造であってもブロック共重合構造であっても、本発明の目的を達成できる範囲において好適に用いることができる。
本発明では、顔料に親和性を付与することを目的として、疎水性を有するモノマーユニットの繰り返し構造(以下、疎水性部位と表現する)が含有される高分子化合物を分散剤として用いる。疎水性部位の具体的な例としては、例えばイソブチル基、t−ブチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などの疎水性ユニットを持つ繰り返し単位構造を含有する構造が挙げられる。さらに具体的には、スチレンやt−ブチルメタクリレートなどの疎水性モノマーを繰り返し単位として有する構造である。ただし、本発明の高分子鎖に含有される疎水性部位はこれらに限定されるわけではなく、本発明の目的を達成できる範囲においていかなる物質も用いることができる。また本発明では、高分子鎖に含有される疎水性部位として1種類の疎水性モノマーで表される繰り返し単位構造であっても、複数の疎水性モノマーから構成される繰り返し構造を有する共重合構造であっても適用可能である。さらに、共重合構造はランダム共重合構造であってもブロック共重合構造であっても、本発明の目的を達成できる範囲において好適に用いることができる。
以上、本発明の分散剤は、上記したような重合開始部位と親水性部位、疎水性部位を含有する高分子化合物であることを必須要件とする。重合開始部位と親水性部位、疎水性部位は、高分子化合物中でランダム共重合体構造に含有される場合も、ブロック共重合体構造で含有される場合も、本発明の目的を達成できる範囲において適用可能である。また、重合開始部位と親水性部位が同一の物質であっても、逆に、重合開始部位が疎水性部位と同一の物質であっても、本発明の目的を達成できる範囲において実施可能である。
本発明における分散剤の重量平均分子量は、500以上1000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。1000000を超えると高分子化合物内、高分子化合物間の絡まりあいが多くなりすぎ、逆に500未満である場合、分子量が小さく高分子化合物が分散剤としての機能を発揮しにくくなるため、顔料微粒子に良好な分散安定性を付与することができない。重量平均分子量の測定方法は、光散乱法、X線小核散乱法、沈降平衡法、拡散法、超遠心法や各種クロマトグラフィーにより測定することができる。本発明の重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本発明における分散剤は、1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。上記分散剤の使用割合は特に限定されるものではないが、顔料1質量部に対して0.05質量部以上である。有機顔料1質量部に対して0.05質量部より少ない場合は、十分な分散効果を得ることができない場合がある。
また、分散剤の使用割合は、非プロトン性溶剤100質量部に対して50質量部以下である。分散剤が非プロトン性溶剤100質量部に対して50質量部より多い場合は分散剤を完全に溶解させるのが困難な場合がある。
また、本発明の目的を達成できる範囲において、重合開始基を有する分散剤と重合開始基を有しない一般の分散剤を併用することも可能である。
本発明における分散剤は、第1の溶剤、あるいは第2の溶剤の少なくともいずれかの溶剤に可溶性である必要がある。分散剤が第1の溶剤、あるいは第2の溶剤のどちらの溶剤にも不溶性である場合には、顔料粒子に分散剤が効率的に拡散、吸着することができず、粗大な顔料粒子しか得ることができない。より詳しくは、本発明において第1の溶剤に分散剤を含有させる場合、少なくとも第1の溶剤に分散剤が可溶である必要がある。この場合、分散剤は第2の溶剤には可溶であっても不溶であってもよいが、不溶である場合には、第1の溶剤と第2の溶剤を混合して形成する顔料粒子への分散剤の析出速度が大きくなるため、サイズ均一性の高いナノメートルオーダーの顔料微粒子の形成に有利である。次に、第2の溶剤に分散剤を含有させる場合には、少なくとも第2の溶剤に分散剤が可溶でなければならない。この場合、分散剤は第1の溶剤には可溶であっても不要であっても、本発明の目的を達成できる範囲においていかなる化合物も適用可能である。
重合開始基を有する分散剤を使用することがプロセス上困難である場合、あるいは重合開始基を有しない分散剤を用いる方が顔料微粒子の形成に有利である場合に、以下に説明する方法によっても、顔料微粒子表面に高分子鎖をグラフト化することができる。この方法では、顔料微粒子を形成させた後、重合開始部位を後から顔料微粒子表面に導入することを特徴とする。顔料微粒子の形成に使用する分散剤は、親水性部位と疎水性部位を含有するという特徴に加え、例えば、水酸基やカルボキシル基、アミノ基、クロロメチル基のような、重合開始基を有する化合物と反応する官能基を有していることが好ましい。これらの官能基を有しない場合には、適宜処理して官能基を導入しておくことが好ましい。この方法によって顔料微粒子表面に導入する重合開始部位、および重合開始部位を起点にグラフト化される高分子鎖は、上記したいずれの特徴を有するものであっても適用可能である。
[高分子鎖]
本発明のグラフト化される高分子鎖は、水あるいは水溶液中、特に下記で説明するインク組成物中で分散機能を有する高分子鎖であり、好ましくは親水性部位を含有する高分子鎖である。親水性部位としては、カルボン酸、カルボン酸塩、あるいは親水性オキシエチレンユニットを多く含む構造、さらにヒドロキシル基などを有する構造などの親水性ユニットの繰り返し単位構造を有する構造が挙げられる。具体的な例でいえば、アクリル酸やメタクリル酸、あるいはその無機塩や有機塩などのカルボン酸塩、またポリエチレングリコールマクロモノマー、またはビニルアルコールや2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの親水性モノマーで表される繰り返し単位構造を有する構造である。ただし、本発明の高分子鎖に含有される親水性部位はこれらに限定されるわけではなく、本発明の目的を達成できる範囲においていかなる物質も用いることができる。また本発明では、高分子鎖に含有される親水性部位として1種類の親水性モノマーで表される繰り返し単位構造であっても、複数の親水性モノマーから構成される繰り返し構造を有する共重合構造であっても適用可能である。さらに、共重合構造はランダム共重合構造であってもブロック共重合構造であっても、本発明の目的を達成できる範囲において好適に用いることができる。
本発明の高分子鎖は、下記で説明するインク組成物中で分散機能を有する範囲において、親水性部位に加えて疎水性部位を含有する高分子鎖であっても良い。親水性部位と疎水性部位は、高分子鎖中でランダム共重合体構造に含有される場合も、ブロック共重合構造で含有される場合も、本発明の目的を達成できる範囲において適用可能である。疎水性部位の具体的な例としては、例えばイソブチル基、t−ブチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などの疎水性ユニットを持つ繰り返し単位構造を含有する構造が挙げられる。さらに具体的には、スチレンやt−ブチルメタクリレートなどの疎水性モノマーを繰り返し単位として有する構造である。ただし、本発明の高分子鎖に含有される疎水性部位はこれらの限定されるわけではなく、本発明の目的を達成できる範囲においていかなる物質も用いることができる。また本発明では、高分子鎖に含有される疎水性部位として1種類の疎水性モノマーで表される繰り返し単位構造であっても、複数の疎水性モノマーから構成される繰り返し構造を有する共重合構造であっても適用可能である。さらに、共重合構造はランダム共重合構造であってもブロック共重合構造であっても、本発明の目的を達成できる範囲において好適に用いることができる。
本発明における高分子鎖の重量平均分子量は、500以上1000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。1000000を超えると高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが多くなりすぎ、逆に500未満である場合、分子量が小さく高分子鎖が分散機能を発揮しにくくなるため、顔料微粒子に良好な分散安定性を付与することができない。重量平均分子量の測定方法は、光散乱法、X線小核散乱法、沈降平衡法、拡散法、超遠心法や各種クロマトグラフィーにより測定することができる。本発明の重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
[顔料]
本発明で使用する顔料は、第1の溶剤に溶解するもので、本発明の目的を達成できるものであればいかなる物でも使用可能である。さらに好ましくは溶解条件下で反応性を示さない安定な有機顔料がよい。具体的には、印刷インキおよび塗料等に用いられている有機顔料を用いることができる。
例えば、アゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリジン系、アンサンスロン系、チオインジゴ系、ナフトール系、ベンゾイミダゾロン系、ピランスロン系、フタロシアニン系、フラバンスロン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、インダンスロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、ペリノン系およびペリレン系の顔料、建染染料系顔料、金属錯体顔料、塩基性染料系顔料、蛍光顔料、昼光蛍光顔料がある。例としてはC.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同42、同55、同62、同73、同74、同81、同83、同93、同95、同97、同108、同109、同110、同128、同130、同151、同155、同158、同139、同147、同154、同168、同173、同180、同184、同191、同199、C.I.Pigment Red 2、同4、同5、同22、同23、同31、同48、同53、同57、同88、同112、同122、同144、同146、同150、同166、同171、同175、同176、同177、同181、同183、同184、同185、同202、同206、同207、同208、同209、同213、同214、同220、同254、同255、同264、同272、C.I.Pigment Blue 16、同25、同26、同56、同57、同60、同61、同66、C.I.Pigment Violet 19、同23、同29、同37、同38、同42、同43、同44、C.I.Pigment Orange 16、同34、同35、同36、同61、同64、同66、同71、同73、C.I.Pigment Brown 23、同38がある。これらの有機顔料は、1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。また、有機顔料の基本骨格に置換基を導入した有機顔料誘導体についても、本発明の目的を達成できる範囲において使用可能である。
[第1の溶剤]
本発明で使用する第1の溶剤としては非プロトン性溶剤が好ましい。中でも第2の溶剤に対する溶解度が5%以上であるものが好ましく利用され、さらには第2の溶剤に対して自由に混合するものが好ましい。第2の溶剤に対する溶解度が5%より小さい溶剤を用いて顔料を可溶化した場合は、水と混合する際に顔料含有粒子が析出しにくく、粗大な粒子になり易い点で不利である。また、得られる顔料微粒子の分散安定性に対して悪影響を及ぼす傾向があるという点でも不利である。具体的にはジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶剤として挙げられ、中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトン又はアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。また、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。上記非プロトン性溶剤の使用割合は特に限定されるものではないが、有機顔料のより良好な溶解状態と、所望とする微粒子径の形成の容易性、更には、水性分散体の色濃度をより良好なものとするという観点から、有機顔料1質量部に対して2から500質量部、さらには5から100質量部の範囲で用いるのが好ましい。非プロトン溶剤のみで有機顔料を溶解させることが困難な場合は、以下に説明するアルカリを添加して有機顔料の溶解性を高めることができる。
[アルカリ]
本発明に用いられるアルカリとしては、非プロトン性溶剤中で有機顔料を溶解させるもので、本発明の目的を達成できるものであればいかなるものでも使用可能であるが、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシド及び有機強塩基が、有機顔料の可溶化能力の高さから好ましい。具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、カリウム−tert−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,8−ジアザビシクロ[4,3,0]−7−ノネン、グアニジンなどを使用することが出来る。また、これらのアルカリは、1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。上記塩基の使用割合は特に限定されるものではないが、有機顔料1質量部に対して0.01から1000質量部の範囲で用いるのが好ましい。アルカリが有機顔料1質量部に対して0.01質量部より少ない場合は、非プロトン性溶剤で高分子化合物と共に有機顔料を完全に溶解させることが難しくなる傾向があるという点で不利な場合があり、1000質量部より多い場合は、アルカリが非プロトン性溶剤に溶解しにくくなり、有機顔料の溶解性の増大も期待できなくなる点で不利な場合がある。
[添加物]
アルカリを非プロトン性溶剤に完全に溶解させるために、若干の水や低級アルコールなどのアルカリに対して高い溶解度をもつ溶剤を、非プロトン性溶剤に添加することが出来る。これらがアルカリ可溶補助剤として働き、非プロトン性溶剤に対するアルカリの溶解性が増し、有機顔料の溶解が容易になる。しかし添加率が全溶媒量に対して50質量%以上になると有機顔料の溶解性が低下する点で不利となるため、通常0.5から30質量%程度の添加率が最も効果的である。これは非プロトン性溶剤のみではアルカリの溶解性が相対的に低いためであり、具体的には水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコールなどを用いることができる。有機顔料を溶解させる際は、使用するアルカリの量を最低限に抑えて、速やかに有機顔料を溶解させるために、アルカリは水や低級アルコールなどの溶液として、有機顔料が懸濁している非プロトン性溶剤に顔料が溶解するまで添加していくのがよい。また、この際、顔料は溶液になっているため異物の除去等を容易に行うこが出来る。これらのアルカリ可溶補助剤の選択においては、分散剤との相溶性確保が重要である。
有機顔料を非プロトン性溶剤に溶解させる際、有機顔料と高分子化合物に加えて、非プロトン性溶剤には結晶成長防止剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、樹脂添加物などの少なくも1種を必要に応じて添加することができる。結晶成長防止剤としては、当該技術分野においてよく知られているフタロシアニン誘導体やキナクリドン誘導体が挙げられ、例えばフタロシアニンのフタルイミドメチル誘導体、フタロシアニンのスルホン酸誘導体、フタロシアニンのN−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、フタロシアニンのN−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体、キナクリドンのフタルイミドメチル誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのN−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、キナクリドンのN−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、金属酸化物、アミノベンゾエート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シンナメート系紫外線吸収剤、ニッケルキレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸系紫外線吸収剤およびビタミン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、チオアルカン酸エステル化合物、有機リン化合物、芳香族アミン等が挙げられる。
樹脂添加物としては、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアリルアミン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メラミン樹脂あるいはこれらの変性物等の合成樹脂などが挙げられる。これらの結晶成長防止剤や紫外線吸収剤、樹脂添加物はいずれも1種類単独でまたは2種類以上を併用して使用することができる。
[第2の溶剤]
本発明に用いられる第2の溶剤としては、使用する第1の溶剤と相溶性のあるもので、本発明の目的を達成できるものであればいかなるものでも使用可能であるが、特に水あるいは水溶液であることが好ましい。
使用する水あるいは水溶液には添加物を含有させることができる。添加物は水あるいは水溶液と相溶性であるもので本発明の目的を達成できるものであればいかなるものでも使用可能である。例えば、前記したアルカリやpH緩衝剤をはじめとする公知のpH調整剤や塩等がある。また、第1の溶剤と水あるいは水溶液の相溶性を高めることを目的として、例えばアルコール等の有機溶媒を含有させることが可能である。この場合、含有させる有機溶媒はアルコールに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであればいかなるものでも使用可能である。
[混合方法]
サイズ均一性の高いナノメートルオーダーの顔料微粒子を得るためには、第1の溶剤と第2の溶剤の混合を可能な限り速やかに行うことが好ましく、超音波振動子やフルゾーン攪拌羽、内部循環型攪拌装置、外部循環型攪拌装置、流量およびイオン濃度制御装置等の従来公知の攪拌、混合、分散、昌析に使用される装置をいずれをも混合様式として適用することができる。また、連続して流れる水の中に混合してもよい。顔料溶液の水中への投入法としては、従来公知の液体注入法をいずれも利用できるが、シリンジやニードル、チューブなどのノズルから噴射流として水中、もしくは水上から投入するのが好ましい。なお、短時間で投入するために複数のノズルから投入することも出来る。第1の溶剤と第2の溶剤の混合効率を高めるために、混合容器の形状や大きさを工夫することもできる。例えば、マイクロリアクターのような微小空間で第1の溶剤と第2の溶剤を混合することは、2液の混合効率が大きく微小粒子が形成しやすいため好ましい。
また、第1の溶剤と第2の溶剤を混合する際にこれらの温度は特に指定はないが、混合する際の溶液の温度は析出する有機顔料のサイズに大きく影響するため、ナノメートルオーダーの顔料微粒子を得るためには溶液の温度を−50℃から500℃の範囲、さらには−30℃から100℃の範囲、さらに好ましくは−20℃から50℃の範囲に調節するのが良い。また、この際に溶液の流動性を確保するために混合する水に、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の公知の凝固点降下剤を加えておくことができる。
[濃縮方法]
本発明で得られる顔料微粒子を含有する液体組成物は、そのままで使用することが可能であるが、必要に応じて濃縮・精製することによって種々の用途に用いることができる。濃縮・精製の方法としては、遠心分離装置、エバポレーター、限外濾過装置等の従来公知の濃縮・精製に使用される装置をいずれも使用することが可能である。
[インク組成物]
本発明の液体組成物をインク組成物として使用する場合、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明の液体組成物中に含有される顔料微粒子は、顔料微粒子を構成する高分子化合物により分散安定化されているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。
他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等、疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
さらに、本発明の液体組成物には、必要に応じて水性溶剤を添加することができる。特にインクジェット用インク組成物に用いる場合、水性溶剤は、インクのノズル部分での乾燥、インクの固化を防止するために用いられ、単独または混合して用いることができる。水性溶剤は、上述のものがそのまま当てはまる。その含有量としては、インクの場合、インクの全重量の0.1から60質量%、好ましくは1から40質量%の範囲である。
その他の添加剤としては、例えばインクとしての用途の場合、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤、記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤、インク内での黴の発生を防止する防黴剤、インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤、記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
本発明のインク組成物を調製するには、本発明の液体組成物と上記構成成分を混合し、均一に溶解又は分散することにより調製することができる。また、調整したインク組成物中に過剰量のポリマー化合物や添加剤が含有される場合には、遠心分離や透析など公知の方法によって、それらを適宜除去し、インク組成物を再調整することができる。
[画像形成方法、液体付与方法および装置]
本発明の組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像形成方法および装置に使用でき、この装置を用いた画像形成方法により描画することができる。また、液体組成物を用いる場合、インクジェット法等では微細パターンを形成したり、薬物の投与を行ったりするための液体付与方法に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、本発明の組成物により優れた画像形成を行う方法である。本発明の画像形成方法は、好ましくは、インク吐出部から本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う画像形成方法である。画像形成はインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出するインクジェット法を用いる方法が好ましく用いられる。
さらに、本発明は、多価カチオンによる刺激と併用することで、被記録媒体上でのにじみやフェザリングを抑制させることも可能である。本発明のブロックポリマー化合物は、前途のように多環芳香族からなる有機酸を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする。多環芳香族からなる有機酸は、その強い疎水性のために、多価カチオンと相互作用を起こし易く、多価カチオンを介して凝集を引き起こし易い。このため、被記録媒体上に多価カチオンが存在した場合、前記インク組成物は素早く凝集を引き起こし、被記録媒体上でのにじみやフェザリングが改善されたインク組成物、および液体付与方法、液体付与装置をも提供することも可能である。多価カチオンとしては、好ましくは、金属カチオンとして、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn、Fe、Co等の2価カチオン、Al、Nd、Y、Fe、La等の3価カチオンが挙げられ、非金属カチオンとしてジアンモニウムカチオン、トリアンモニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されない。また、前記多価カチオンの被記録媒体への付与方法としては、予め多価カチオンを塗布した被記録媒体を用いても良く、またはインクジェットヘッドにより画像を形成する領域全面に渡って多価カチオンを打ち込む方法を用いても良い。
また、該刺激を付与する方法については、様々な方法が適用できる。好ましい一形態として、該刺激を多価カチオンとした場合の刺激の付与方法について説明する。例えば、特開昭64−63185号公報に記載されているように、インクジェットヘッドにより画像を形成する領域全面に渡って、多価カチオンを打ち込むこともできる。また、予め被記録媒体に多価カチオンを施しておくことも好ましい。
本発明のインクジェット用インク組成物を用いるインクジェットプリンタとしては、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行うバブルジェット(登録商標)方式等、様々なインクジェット記録装置に適用できる。
以下このインクジェット記録装置について図1を参照して概略を説明する。但し、図1はあくまでも構成の一例であり、本発明を限定するものではない。
図1は、インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
図1は、ヘッドを移動させて被記録媒体に記録をする場合を示した。図1において、製造装置の全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58が駆動され、ヘッド70の被記録媒体に対する位置が決定される。
図1に示されるように、ヘッド70には、X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58に加え、ヘッド駆動回路60が接続されており、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド70の駆動、即ちインクジェット用インクの吐出等を行う。さらに、CPU50には、ヘッドの位置を検出するためのXエンコーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラムメモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU50は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびYエンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移動させ、被記録媒体上の所望の位置にヘッドを配置してインクジェット用インクを吐出する。このようにして被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。また、複数のインクジェット用インクを装填可能な画像記録装置の場合、各インクジェット用インクに対して上記のような操作を所定回数行うことにより、被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。
また、インクジェット用インクを吐出した後、必要に応じて、ヘッド70を、ヘッドに付着した余剰のインクを除去するための除去手段(図示せず)の配置された位置に移動し、ヘッド70をワイピング等して清浄化することも可能である。清浄化の具体的方法は、従来の方法をそのまま使用することができる。
描画が終了したら、図示しない被記録媒体の搬送機構により、描画済みの被記録媒体を新たな被記録媒体に置き換える。
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能である。例えば、上記説明ではヘッド70をXY軸方向に移動させる例を示したが、ヘッド70は、X軸方向(またはY軸方向)のみに移動するようにし、被記録媒体をY軸方向(またはX軸方向)に移動させ、これらを連動させながら描画を行うものであってもよい。
本発明は、インクジェット用インクの吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギーによりインクジェット用インクを吐出させるヘッドが優れた効果をもたらす。かかる方式によれば描画の高精細化が達成できる。本発明のインクジェット用インク組成物を使用することにより、更に優れた描画を行うことができる。
上記の熱エネルギーを発生する手段を備えた装置の代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればインクジェット用インクの吐出を確実に効率よく行うことができる。
さらに、本発明の画像形成装置で被記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドとしては、複数のヘッドの組み合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、シリアルタイプのものでも、装置本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプのヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
さらに、本発明の装置は、液滴除去手段を更に有していてもよい。このような手段を付与した場合、更に優れた吐出効果を実現できる。
また、本発明の装置の構成として、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定化できるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、または、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、インクの吐出とは別の、吐出を行うための予備吐出手段などを挙げることができる。
本発明に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
本発明の装置では、インクジェット用インクの吐出ヘッドの各吐出口から吐出されるインクの量が、0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であることが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録方式等を用いた間接記録装置にも用いることができる。また、直接記録方式による中間転写体を利用した装置にも適用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
<分散剤の合成>
反応用シュレンク管にメタクリル酸(MAc)、4−ビニルベンジルクロライド(VBC)、スチレン(St)、トルエンを加えて反応溶液とした。シュレンク管内を窒素置換し、AIBNを開始剤として溶液重合を進行させることでポリ(MAc−r−VBC−r−St)を合成した。rはランダム共重合であることを表す。
GPCによりポリ(MAc−r−VBC−r−St)の分子量を評価したところMn:2400、Mw/Mn:2.72であった。また、NMRにより共重合組成を評価したところ、MAcユニットとVBCユニット、Stユニットの割合は、約2:1:2の割合であった。次に、ポリ(MAc−r−VBC−r−St)由来のクロロメチル基とN,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを水中で反応させることで光イニファータ‐基を有する高分子化合物を合成した。NMRでポリ(MAc−r−VBC−r−St)に対するN,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムの導入量を確認したところ、VBCユニットに対して73%であることがわかった。以下、ポリ(MAc−r−VBC−r−St)のVBCユニットに対してN,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを導入した高分子化合物をポリマー1とする。
<顔料微粒子を含有する液体組成物の調製>
合成した高分子化合物(ポリマー1)15質量部をテトラヒドロフラン100質量部に溶解させ、これにテトラターシャリーブチル銅フタロシアニンの5質量部を容器内で2時間攪拌し溶解させた。この顔料溶解液を超音波処理しながらスターラーを用いて攪拌している蒸留水中にシリンジを用いて速やかに投入してテトラターシャリーブチル銅フタロシアニンを析出させた。以上の実験操作は、すべて25℃にて実施した。DLS−7000(大塚電子社製)を用いてテトラターシャリーブチル銅フタロシアニンから構成される顔料微粒子の平均粒子径を25℃にて蒸留水中で測定したところ29.7nmであることが確認された。
<高分子鎖のグラフト化>
反応用シュレンク管に顔料微粒子、アクリル酸(AAc)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、蒸留水を加えて反応溶液とした。シュレンク管内を窒素置換し、室温にて光イニファーター重合を進行させることで顔料微粒子表面にポリ(HEMA−r−AAc)をグラフト化した。ここで、UVランプとして照射波長312nmから577nmのものを用いた。DLS−7000(大塚電子社製)を用いて顔料分散体の平均粒子径を25℃にて蒸留水中で測定したところ40.2nmであり、顔料微粒子表面に高分子鎖がグラフト化されたことが確認された。
実施例2
<顔料微粒子を含有する液体組成物の調整>
合成した高分子化合物(ポリマー1)20質量部をテトラヒドロフラン100質量部に溶解させ、これにC.I.Pigment Red 122のマゼンタ顔料5質量部を容器内で2時間攪拌し懸濁させた。次に水酸化カリウム水溶液を少量ずつ滴下して、マゼンタ顔料を溶解させた。この顔料溶解液を超音波処理しながらスターラーを用いて攪拌している蒸留水中にシリンジを用いて速やかに投入してマゼンタ顔料を析出させた。DLS−7000(大塚電子社製)を用いてC.I.Pigment Red 122から構成される顔料微粒子の平均粒子径を25℃にて蒸留水中で測定したところ27.2nmであることが確認された。
<高分子鎖のグラフト化>
反応用シュレンク管に顔料微粒子、アクリル酸(AAc)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、蒸留水を加えて反応溶液とした。シュレンク管内を窒素置換し、室温にて光イニファーター重合を進行させることで顔料微粒子表面にポリ(HEMA−r−AAc)をグラフト化した。ここで、UVランプとして照射波長312nmから577nmのものを用いた。DLS−7000(大塚電子社製)を用いて顔料分散体の平均粒子径を25℃にて蒸留水中で測定したところ45.3nmであり、顔料微粒子表面に高分子鎖がグラフト化されたことが確認された。
<インク組成物の調整>
実施例2で作製した高分子鎖をグラフト化したマゼンタ顔料微粒子を含有する液体組成物から透析膜(SPECTRUM Laboratories 社製、molecular porous membrane tubing(MWCO:3500))を用いてテトラヒドロフランを除去し、さらにエバポレータを用いて顔料分10%の濃縮液を得た。この顔料微粒子を含有する濃縮液50質量部、ジエチレングリコール7.5質量部、グリセリン5質量部、トリメチロールプロパン5質量部、アセチレノールEH0.2質量部、イオン交換水32.3質量部を混合してインク組成物を調製した。
<印字評価>
調製したインク組成物をインクジェットプリンタBJF800(商品名、キヤノン株式会社製)に搭載し、普通紙に対してベタ画像のインクジェット記録を行った。記録物を目視により評価したところ、鮮明な色相を有するものであることを確認した。また、調製したインク組成物をインクジェットプリンタBJF800(商品名、キヤノン株式会社製)に搭載し、普通紙に文字画像のインクジェット記録を行い、その吐出安定性を評価した。吐出安定性は、英数文字を連続で100万字印刷し、得られた印字物について目視にて観察したところ、最後までカスレや不吐出などの問題を生じることなく、きれいに印字することが可能であった。
本発明の製造方法で得られた液体組成物は、サイズ均一性の高いナノメートルオーダーの顔料微粒子を分散状態で含有するので、インクジェット用インク組成物、該インク組成物を使用した画像形成方法、及び画像形成装置に利用することができる。
インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
20 インクジェット装置
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド

Claims (7)

  1. 粒子表面に高分子鎖がグラフト化して形成された顔料粒子の製造方法であって、(1)非プロトン性溶剤あるいは、非プロトン性溶剤とアルカリの混合溶剤からなる第1の溶剤と水あるいは水溶液からなる第2の溶剤のいずれかの溶剤に、重合開始基を有する高分子化合物からなる分散剤を含有させる工程、(2)顔料を前記第1の溶剤に溶解した溶液を得る工程、(3)前記溶液と第2の溶剤を混合して表面に重合開始基を有する顔料粒子を析出させる工程、(4)前記顔料粒子の表面の重合開始基から高分子鎖をグラフト化して形成する工程を有することを特徴とする顔料粒子の製造方法。
  2. 前記高分子鎖が水あるいは水溶液中で分散機能を有する高分子鎖であることを特徴とする請求項に記載の顔料粒子の製造方法。
  3. 前記重合開始基がリビング重合開始基であることを特徴とする請求項1または2記載の顔料粒子の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法によって製造される顔料粒子を含有することを特徴とする液体組成物。
  5. 請求項記載の液体組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
  6. 請求項記載のインク組成物を媒体に付与することにより、画像を記録する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項記載のインク組成物を媒体に付与することにより、画像を記録させるための手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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