JP4885860B2 - ロックドリルビット - Google Patents

Description

本発明は、独立クレームの前文のような衝撃掘削、特にトップハンマー掘削、のためのロックドリルビットに関する。

ＵＳ−Ａ−５，８９０，５５１によって、付属するドリルロッドを有するロックドリルビットが従来から知られている。ロックドリルビットには、その前面に、回転と同時に岩石に打撃を与えることによって岩石に作用する超硬合金ボタンが設けられている。キャビティが前面に形成され、このキャビティに噴射流体を供給するために流体流路がロックドリルビットを通って延びている。キャビティは、エンドレスなランドによって完全に区切られている。ボタンのいくつかはランドに取り付けられている。別のボタンはキャビティに取り付けられ、キャビティに生成される噴射流体のクッションによって冷却されて洗浄される。場合によって、キャビティは破片で塞がれることがある。

ＵＳ−Ａ−４，５９８，７７９は、真直な穴を掘るための別の衝撃タイプのロックドリルビットを開示している。従来知られているドリルビットは、最適に噴射するようになっていない。

本発明の目的は、序論で定義されたようなロックドリルビットであって、使用寿命が長いロックドリルビットを提供することである。

本発明の別の目的は、岩石を良好に除去できるロックドリルビットを提供することである。

本発明のさらに別の目的は、真直な穴を掘削するためのロックドリルビットを提供することである。

本発明のさらに別の目的は、効率的に噴射することができるロックドリルビットを提供することである。

本発明のさらに別の目的は、容易に再研削されるロックドリルビットを提供することである。

本発明のこれらの目的は、添付された独立クレームの特徴を述べる部分で定義される特徴を有するロックドリルビットによって達成される。

図１Ａ〜１Ｄに示されている衝撃ロックドリルビット１は、ヘッド部分すなわちドリルヘッド３を有するビット・ボディー２とシャンク又はスカート５を含んでいる。ドリルヘッド３とスカート５は互いに剛体的に一体化している。図示されないドリルロッドがねじ接合によってロックドリルビット１と結合される。ドリルロッド内には、貫通する噴射通路が通常の態様で配置されている。ロックドリルビット１の長手方向中心軸ＣＬが図１Ｄに描かれている。ロックドリルビット１は、好ましくは図示されない内側雌ねじが設けられ、それがドリルロッドの一端の外側雄ねじを受容すると考えられる。

本発明に係わるロックドリルビット１のドリルヘッド３には、好ましくは超硬合金ボタンという形の岩石除去部材が設けられている、すなわち、前面ボタン４と外周ボタン６である。少なくとも一つの冷却媒質流路７が、ロックドリルビット１の内側スペース、内側雌ねじとドリルヘッド３の前面８の間で規定される内側スペースの間で延びている。前面８は、中心軸ＣＬに実質的に直交する平面Ｐを規定する。前記内側スペースに、第１のストップ面、いわゆる底面ストップが、好ましくは、ドリルロッドの自由端のために設けられる。図１Ａに示されているように、好ましくはいくつかのバックリーミング切れ刃９がロックドリルビット１の後端に設けられる。

図１Ａで最も明瞭に見られるように、ロックドリルビット１はその外側に、掘削のためのいくつかの真直な前溝１０及び後溝１１が外周に設けられ、それがロックドリルビット１の軸方向に延びている。掘削のための前溝１０は中心軸ＣＬと平行な線に関して対称に配置されている。前溝１０はビット・ボディーの外周ボタン６の各対の間に設けられている。ドリルヘッド３には８個の外周ボタン６が取り付けられているが、本発明に係わる別のロックドリルビットには５〜１０個のボタンを配置することができる。各外周ボタン６は中心軸ＣＬに対して外側へ傾斜してロックドリルビットの最大直径を規定している。外周ボタン６の直径は前面ボタン４の直径よりも大きいことが好ましい。各外周ボタン６は、平面Ｐに対してロックドリルビットの軸方向に少なくとも部分的に突出した鋼セグメント又は隆起部１２に配置される。各隆起部１２はボディー２と一体化されて、一般に前方に、すなわち、ロックドリルビットの作業送り方向に向いている。図示されない穴が１個の外周ボタン６を受容するために隆起部に形成されている。あるいはまた、各隆起部に２つの外周ボタン６を配置することもできる。各隆起部１２は土手又は外周ボタンの外側部分で、別の隣接する隆起部から前面８によって又は（図１Ｄに破線で示されている）別の前面溝１３によって隔てられている。外側部分は、周方向に間隔をおいたいくつかの隆起部１２を含み、その数は外周ボタン６の数に等しい。すなわち、各隆起部１２は一つの外周ボタン６を担持する。各外周ボタン６は軸方向前方に、すべての前面ボタン４を超えて突出している。前面ボタン４の共通平面の軸方向最も前方のレベルは、まわりの外周ボタン６の共通平面の軸方向最も前方のレベルに対して後方に間隔があいている。このようにして、外周ボタン６の土手を前面８及び前面ボタン４よりも上に上げることによって大きな案内モーメントが達成される。隆起部１２は前面８の半径方向の通路又はパート１４によって隔てられ、洗浄媒質がそれらの間を妨げられずに流れることを可能にしている。

外周ボタン６は、ドリルヘッド３に、ロックドリルビット１の中心軸ＣＬのまわりで略円環状に配置された少なくとも二つの前面ボタン４及び少なくとも二つの噴射流路７と交わる仮想円Ｃの半径方向外側に取り付けられる。前面ボタン１２は、前面８で、外周ボタン６の半径方向内側に取り付けられる。流体流路７のオリフィスは隆起部１２の下の平面Ｐに配置される。隆起部１２はロックドリルビット１の中心軸ＣＬのまわりで略円環状に配置された４つ又は少なくとも２つの前面ボタン４及び４つ又は少なくとも２つの流体流路７と交わる仮想円Ｃの半径方向外側に配置される。前面８はビット・ボディー２の外周溝１０で終わる。流体流路７と交わる仮想円Ｃは、また、同数の前面ボタン４と交わる。通常５〜１０個ある外周ボタン６の主要部分は前面８で円Ｃの半径方向外側に取り付けられる。別の前溝が各外周溝１０と前面８の間に形成される。前溝は、長手方向中心軸ＣＬに対して外向きに前面に対して後方へ傾斜したベベル１３である。あるいはまた、前溝は、一般にＣＬに対して外向き及び後方へ傾斜したカーブに従うことができる。

実際には、すべてのボタンは超硬合金、できればダイヤモンド強化されたもの、で作られることが有利である。ボタンの形は、球面、円錐、弾道形（ballistic）、半弾道形、又はチゼル形が可能である。

ロックドリルビットの後端の幾何形状は、ロックドリルビットの岩石除去端と一般に反対に向いた端で、ロックドリルビットの最大直径、並びにその内側に位置するバックリーミング刃を含む。開示された実施形態はバックリーミング切れ刃を示しているが、上述のロックドリルビットのドリルヘッドに正規（regular）スカートを設けることができる。ロックドリルビットの後端の目的は、穿孔の中でロックドリルビット１のガイドがロックドリルビット１の端と結合して配置される部分によって確実に行われ、カッティング・ダストの放出に対する抵抗を減らすことである。カッティングのための溝１０，１１は、ロックドリルビット１の先端で発生するドリル・ダストを運び去ることを意図している。

好ましくは、ドリルヘッドは機械加工又はミーリングによって前面８と隆起部１２を生成する。フライス削りテストは、本発明によるロックドリルビットの前部のミーリングの時間は、従来のロックドリルビットに比べて約２０％小さくできることを示している。

本発明に係わるロックドリルビットの別の実施形態が図２に示されている。同図では、前の実施形態と同様の構成要素は同じ参照数字で表されている。図２は、本発明に係わる別のロックドリルビットの前部の４分の１を示す平面図である。図１Ａ〜１Ｃによるロックドリルビットに比べたときのロックドリルビット１’の大きな違いは、隆起部１２’が周方向にもっと拡がり、二つの外周ボタンを含むということである。隆起部１２’は外周溝１０の半径方向最も内側の点と交わる中心軸への法線に関して鏡像になっている。隆起部１２’と同じ数の半径方向通路１４がある。

本発明に係わるロックドリルビットは他にも多くの利点がある。前面８を比較的“オープン”にすることによって、噴射媒質（空気及び／又は水）は隆起部１２の間を妨げられずに流れることができる。このことは、前面８の噴射が効率的になるということを意味する。外周ボタンを前面ボタンよりも前に突出させることにより、掘削のさいにガイディング・ロックセンターが形成され、真直な穴を達成できる（テストでは、従来のロックドリルビットより少なくとも１０％真直な穴が得られている）。掘削のさいに隆起部が摩耗するので再研削が容易になり、鋼を研削する必要が減ずる。本発明に係わるロックドリルビットの寿命は従来のロックドリルビットに比べて１５〜２０％も延びている。前面が比較的対称であるから、前面８は左手掘削及び右手掘削（それぞれ、トップハンマー掘削及びダウン・ザ・ホール（down-the-hole）掘削のケースである）の両方のロックドリルビットに対して適当である。さらに、本発明に係わるロックドリルビットの前部の機械加工の時間を減らすことができる。

本発明に係わるロックドリルビットを示す前面斜視図である。 このロックドリルビットを示す正面図である。 このロックドリルビットの前面部分を示す側面図である。 図１Ａの線Ｄ−Ｄによるこのロックドリルビットの断面図である。 本発明に係わるロックドリルビットの別の実施形態の４分の１を示す正面図である。

Claims (10)

1. 衝撃掘削に適したロックドリルビットであって、
   ビット・ボディー（２）と、
   長手方向の中心軸（ＣＬ）を規定するヘッド部分（３）であって、外側部分（１２，１２'）を有する前面（８）を含み、前記外側部分（１２，１２'）が前記前面（８）に対して隆起しているヘッド部分（３）と、
   該ヘッド部分（３）を通って延び、前記前面（８）と連通して噴射流体を前面（８）へ導く少なくとも二つの流体流路（７）と、を備えたロックドリルビットにおいて、
   前記外側部分は、周方向に間隔を空けたいくつかの隆起部分（１２，１２'）を含み、該隆起部分（１２，１２'）の各々は最大二つの外周ボタン（６）を含み、該外周ボタン（６）が、前記ヘッド部分（３）において、該ロックドリルビット（１，１'）の中心軸（ＣＬ）のまわりに略円環状に配置された少なくとも二つの前面ボタン（４）及び少なくとも二つの流体流路（７）と交わる仮想円（Ｃ）の半径方向外側に取り付けられており、
   前記前面ボタン（４）が超硬合金である、
   ことを特徴とするロックドリルビット。
2. 各隆起部分（１２）は一つの外周ボタン（６）を担持することを特徴とする請求項１に記載のロックドリルビット。
3. 前記隆起部分（１２，１２'）が、前記前面（８）の半径方向通路（１４）によって隔てられてその間の妨げられない流れを可能にしていることを特徴とする請求項１又は２に記載のロックドリルビット。
4. 前面ボタン（４）が該外周ボタン（６）の半径方向内側で前記前面（８）に取り付けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のロックドリルビット。
5. 前記流体流路（７）のオリフィスが、前記隆起部分（１２；１２'）の下に位置する平面（Ｐ）に配置されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載のロックドリルビット。
6. 前記隆起部分（１２，１２'）が、前記ロックドリルビット（１，１'）の前記中心軸（ＣＬ）のまわりに略円環状に配置された少なくとも二つの前面ボタン（４）及び少なくとも二つの流体流路（７）と交わる仮想円（Ｃ）の半径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載のロックドリルビット。
7. 前記前面（８）が前記ビット・ボディーの外周溝（１０）で終わることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載のロックドリルビット。
8. １つよりも多くの流体流路（７）と交わる前記仮想円（Ｃ）は、また、少なくとも同数の前面ボタン（４）と交わることを特徴とする請求項４〜６に記載のロックドリルビット。
9. ５〜１０個の外周ボタン（６）があり、隆起部分（１２，１２）と同数の半径方向通路（１４）があることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１項に記載のロックドリルビット。
10. 追加の前溝（１３）が、外周溝（１０）と前面（８）の間に設けられ、前記前溝は一般に外向き及び後方に傾斜していることを特徴とする請求項１〜６又は８〜９のいずれか１項に記載のロックドリルビット。

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