JP4883720B2 - 教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4883720B2
JP4883720B2 JP2008140535A JP2008140535A JP4883720B2 JP 4883720 B2 JP4883720 B2 JP 4883720B2 JP 2008140535 A JP2008140535 A JP 2008140535A JP 2008140535 A JP2008140535 A JP 2008140535A JP 4883720 B2 JP4883720 B2 JP 4883720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
learning
presentation
teaching material
teaching
presented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008140535A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009288486A (ja
Inventor
具治 岩田
武士 山田
智子 小尻
豊英 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya University NUC
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Original Assignee
Nagoya University NUC
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya University NUC, Nippon Telegraph and Telephone Corp, Tokai National Higher Education and Research System NUC filed Critical Nagoya University NUC
Priority to JP2008140535A priority Critical patent/JP4883720B2/ja
Publication of JP2009288486A publication Critical patent/JP2009288486A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4883720B2 publication Critical patent/JP4883720B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrically Operated Instructional Devices (AREA)

Description

本発明は、eラーニングにおいて、個々のユーザに応じて教材を提示する教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、パソコンやコンピュータネットワークなどを利用して教育を行うeラーニングにおいて、難易度や関連性など教材に関する事前知識に基づき、ユーザのレベルに合った難易度の教材(教材データ)の提示や、関連する教材の提示が行われている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、非特許文献1に記載された技術は、個々のユーザの知識に応じてユーザに提示する教材を自動構成するシステム(自動構成システム)に関する。この自動構成システムの利用者は、3種類の戦略、1)幅広く(新しい概念のみを学習)、2)深化(得意分野の概念のみを学習)、3)伸張(ある範囲の概念を学習)のいずれかを選択する。そして、この自動構成システムは、利用者に選択された戦略にしたがって、教材データを検索し、利用者に応じた教材データを出力する。この教材データの検索に際しては、検索の対象とする分野の概念の集合、利用者の各概念に対応する理解度、各教材データに設定される前提となる概念群および得られる概念群の計3種類のデータ構造を入力とする。ここで、教材と概念とは、例えば、情報処理の分野であれば、教材が「C言語の制御文」、概念が「while for」であるといった関係を持っている。また、理解度とは、学習者が概念をどの程度理解しているかを示すものであり、テストにより推定される。
清水智公、中村純一、吉田尚史、服部隆志、萩野達也:"個人の知識に応じた教材の自動構成システムの実現"、情報処理学会研究報告、2002-CE-65、情報処理学会コンピュータと教育研究会、(2002)、pp.41-48
しかしながら、個々のユーザに応じて教材を提示する従来の方法は、ユーザの知識(レベル)に応じて提示(出力)する教材を決定することを主眼にしたものであって、学習効果を高める(ユーザの理解度を高める)ことの最大化を目的として教材を提示するものではない。したがって、従来の方法で提示された教材は、ユーザの学習効果を必ずしも最大限に高めるものではない。ここで、学習効果の高い教材とは、定性的には、学習前には正解を得られなかったテストの設問について、教材を学習した後に、その設問を再び解いたときには正解を得られるような教材のことを意味する。また、学習時に、より少ない分量の教材で同等の効果を得られるほど学習効果の高い教材である。さらに、従来の方法には、教材の科目毎に事前に専門家が難易度や関連性を定義する必要があるという問題点がある。
そこで本発明は、以上のような問題点を鑑みてなされたものであり、学習効果を定量化し、定量化された学習効果が最大になるように提示する教材を決定することのできる教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の教材提示装置は、難易度および関連性が未定義である複数の教材を学習する予め定められた全ユーザの事前テスト結果に基づいて学習時に提示すべき教材を予測する予め構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とに基づいて、前記複数の教材の中から所定の教材を選択し、前記選択された教材を前記教材提示対象とするユーザに提示する教材提示装置であって、前記モデルを構築するための事前テストのデータとして、前記ユーザが前記教材を学習する前に前記教材とは別に予め受けた学習前テストの各問の正誤と、前記ユーザが前記学習前テストの各問の正誤を知らされずに前記教材の学習の後に前記学習前テストと同一の問から成る学習後テストを受けた場合の当該学習後テストの各問の正誤と、前記学習後テストを受ける前に前記ユーザに提示された教材とに関するデータを示す入力データと、前記構築されたモデルの各パラメータと、ユーザ別の前記学習前テストの結果と、教材とを記憶する記憶手段と、前記入力データを用いて、前記ユーザが前記学習前テストの所定の問について解いたときに不正解が得られ、かつ、教材を学習後に前記所定の問について解いたときに正解が得られた場合の当該教材を予測するための前記全ユーザについての正解化モデルを構築し、構築したモデルの各パラメータを前記記憶手段に格納するモデル構築手段と、前記記憶手段から、前記構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とを読み出し、当該ユーザに関して、前記学習前テストの得点と、前記学習後テストの得点との差の期待値を表す期待上昇得点が最大化するように前記教材を選択して前記ユーザに提示する提示手段とを備えることを特徴とする。
また、前記課題を解決するために、請求項3に記載の教材提示方法は、難易度および関連性が未定義である複数の教材を学習する予め定められた全ユーザの事前テスト結果に基づいて学習時に提示すべき教材を予測する予め構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とに基づいて、前記複数の教材の中から所定の教材を選択し、前記選択された教材を前記教材提示対象とするユーザに提示するために、前記モデルを構築するための事前テストのデータとして、前記ユーザが前記教材を学習する前に前記教材とは別に予め受けた学習前テストの各問の正誤と、前記ユーザが前記学習前テストの各問の正誤を知らされずに前記教材の学習の後に前記学習前テストと同一の問から成る学習後テストを受けた場合の当該学習後テストの各問の正誤と、前記学習後テストを受ける前に前記ユーザに提示された教材とに関するデータを示す入力データと、前記構築されたモデルの各パラメータと、ユーザ別の前記学習前テストの結果と、教材とを記憶する記憶手段と、モデル構築手段と、提示手段とを有した教材提示装置の教材提示方法であって、前記教材提示装置が、前記モデル構築手段によって、前記入力データを用いて、前記ユーザが前記学習前テストの所定の問について解いたときに不正解が得られ、かつ、教材を学習後に前記所定の問について解いたときに正解が得られた場合の当該教材を予測するための前記全ユーザについての正解化モデルを構築し、構築したモデルの各パラメータを前記記憶手段に格納するモデル構築ステップと、前記提示手段によって、前記記憶手段から、前記構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とを読み出し、当該ユーザに関して、前記学習前テストの得点と、前記学習後テストの得点との差の期待値を表す期待上昇得点が最大化するように前記教材を選択して前記ユーザに提示する提示ステップとを実行することを特徴とする。
請求項1に記載の教材提示装置、または、請求項3に記載の教材提示方法によれば、教材提示装置は、学習時に提示すべき教材を予測するモデルを構築する段階では、入力データとして、全ユーザについて、事前テストとして学習前後に行ったテストの正誤結果というユーザの履歴情報と、学習時に提示された教材との情報を用いる。このとき正解化モデルとして構築されるモデルは、学習前には正解を得られなかったテストの設問について、教材を学習した後に、その設問を再び解いたときには正解を得られるような教材を予測するモデルである。したがって、これにより予測された教材は、全ユーザにとって学習効果の高い教材となる。そして、教材を予測するモデルを構築した後に、教材提示装置は、個別のユーザに教材を提示する段階において、構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザのテスト履歴とに基づいて期待上昇得点が最大化するように教材を選択してユーザに提示する。したがって、これにより提示された教材は、個別のユーザにとって学習効果の高い教材となる。
また、請求項2に記載の教材提示装置は、請求項1に記載の教材提示装置において、前記提示手段が、前記複数の教材を前記教材提示対象とするユーザに対して提示することを示すベクトルであって、前記複数の教材の個数だけベクトルの要素を有し、前記ベクトルの要素の値として前記各教材を提示したか否かを2値で示すベクトルである提示問題ベクトルの各要素に、初期値として前記すべての教材を提示していないことを示す予め定められた値を設定する提示問題ベクトル初期化手段と、前記教材提示対象とするユーザに対して未提示の教材の中で、提示したときに、前記期待上昇得点が最大になる教材を探索する提示問題探索手段と、前記探索された教材を出力する問題出力手段と、前記提示問題ベクトルの要素のうち前記出力された教材を示す要素について前記教材を提示したことを示す値を設定する提示問題ベクトル更新手段と、前記教材提示対象とするユーザに対して次に提示する教材の探索と、前記提示問題ベクトルの更新とを、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す提示問題決定制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の教材提示方法は、請求項3に記載の教材提示方法において、前記提示手段が、提示問題ベクトル初期化手段と、提示問題探索手段と、問題出力手段と、提示問題ベクトル更新手段と、提示問題決定制御手段とを備え、前記教材提示装置が、前記提示ステップにて、前記提示問題ベクトル初期化手段によって、前記複数の教材を前記教材提示対象とするユーザに対して提示することを示すベクトルであって、前記複数の教材の個数だけベクトルの要素を有し、前記ベクトルの要素の値として前記各教材を提示したか否かを2値で示すベクトルである提示問題ベクトルの各要素に、初期値として前記すべての教材を提示していないことを示す予め定められた値を設定する提示問題ベクトル初期化ステップと、前記提示問題探索手段によって、前記教材提示対象とするユーザに対して未提示の教材の中で、提示したときに、前記期待上昇得点が最大になる教材を探索する提示問題探索ステップと、前記問題出力手段によって、前記探索された教材を出力する問題出力ステップと、前記提示問題ベクトル更新手段によって、前記提示問題ベクトルの要素のうち前記出力された教材を示す要素について前記教材を提示したことを示す値を設定する提示問題ベクトル更新ステップと、前記提示問題決定制御手段によって、前記教材提示対象とするユーザに対して次に提示する教材の探索と、前記提示問題ベクトルの更新とを、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す提示問題決定制御ステップとを実行することを特徴とする。
請求項2に記載の教材提示装置、または、請求項4に記載の教材提示方法によれば、教材提示装置は、教材を予測するモデルを構築した後に、教材提示装置は、個別のユーザに教材を提示する段階において、複数の教材のうちどの教材を既に提示したかという情報について提示問題ベクトルを用いることで管理する。この教材提示装置は、教材提示対象とするユーザに対して未提示の教材の中で、提示したときに期待上昇得点が最大になる教材を、提示問題ベクトルを用いることで探索する。続いて、教材提示装置は、探索した提示問題ベクトルの要素に対応した教材を実際に出力し、実際に出力した教材に対応して提示問題ベクトルの要素を更新する。そして、教材提示装置は、次に提示する教材の探索と、提示問題ベクトルの更新とを繰り返す。したがって、提示対象とする個別のユーザにその都度提示される教材は、そのユーザにとって期待上昇得点が提示された時点において最大になる教材となる。そのため、ランダムに教材を連続して提示する場合に比べて学習効果が向上する。
また、請求項5に記載の教材提示プログラムは、請求項1または請求項2に記載の教材提示装置を構成する各手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムであることを特徴とする。このように構成されることにより、このプログラムをインストールされたコンピュータは、このプログラムに基づいた各機能を実現することができる。
また、請求項6に記載のコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項5に記載の教材提示プログラムが記録されたことを特徴とする。このように構成されることにより、この記録媒体を装着されたコンピュータは、この記録媒体に記録されたプログラムに基づいた各機能を実現することができる。
本発明によれば、学習効果を定量化し、定量化された学習効果が最大になるように提示する教材を決定することができる。また、本発明によって提示された教材で学習することにより、少ない学習量でより高い学習効果を得ることが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)について図面を参照して説明する。
[教材提示装置の構成の概要]
図1は、本発明の実施形態に係る教材提示装置の構成を示すブロック図である。教材提示装置1は、学習時に提示すべき教材を予測する予め構築されたモデルのパラメータと、ユーザが教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とに基づいて、複数の教材の中から所定の教材を選択し、ユーザに提示するものである。ここで、教材は、難易度および関連性が未定義である。また、学習時に提示すべき教材を予測するモデルは、教材を学習する予め定められた全ユーザの事前テスト結果に基づいて構築される。この教材提示装置1は、図1に示すように、演算手段2と、入力手段3と、記憶手段4と、出力手段5とを備えている。各手段2〜5はバスライン11に接続されている。
演算手段2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)から構成される主制御装置である。この演算手段2は、図1に示すように、モデル構築部21と、提示部22と、メモリ23とを含んで構成される。演算手段2は、記憶手段4から、モデル構築プログラム41と、提示プログラム42とをそれぞれ読み込み、メモリ23に格納し、実行することで、前記したモデル構築部21と、提示部22とをそれぞれ実現する。なお、これらモデル構築部21および提示部22の詳細は後記する。
入力手段3は、例えば、キーボード、マウス、ディスクドライブ装置などから構成される。記憶手段4は、例えば、一般的なハードディスク装置などから構成される。記憶手段4には、演算手段2で用いられるプログラムとして、モデル構築プログラム41と、提示プログラム42とを記憶させておくことが可能である。また、記憶手段4は、演算手段2で用いられる各種データとして、入力データ43、モデルパラメータ44、テスト履歴45、教材46を記憶する。ここで、入力データ43、テスト履歴45、教材46は入力手段3を介して入力され、記憶手段4に記憶される構成とすることが可能である。また、モデルパラメータ44は、演算手段2の演算処理結果を示すデータであり、その詳細については後記する。
出力手段5は、例えば、グラフィックボード(出力インタフェース)およびそれに接続されたモニタである。モニタは、例えば、液晶ディスプレイ等から構成され、提示すべき教材等を表示する。
[教材提示装置で扱うデータ]
入力データ43は、予め定められた複数の教材の中から、学習時にユーザに提示すべき教材を予測するモデルを構築するためのテスト(このためのテストのことを事前テストという)のデータと、その事前テストに際してユーザに提示された教材とに関するデータを示す。ここで、「学習」とは、ユーザに「教材(問題)」が提示され、ユーザが、提示された教材を活用することである。また、「テスト(問題)」とは、ユーザの理解度を測るために実施されるものである。本明細書では、単に「教材」という場合には、「学習時」に提示される問題のことを指す。また、「事前テスト」は、「学習時」に提示される教材とは異なる「問(問題)」が出題されるだけではなく、モデルを構築する前に実施するテストを指す。また、単に「テスト」という場合には、既にモデルが構築された後に、「学習前」または「学習後」に出題される「問(問題)」であって、「学習時」に提示される教材とは異なる「問(問題)」であるものとする。なお、単なる「テスト」の問(問題)と、「事前テスト」の問(問題)とは、同じであってもよい。
具体的には、入力データ43は、(1)ユーザが教材を学習する前に教材とは別に予め受けた学習前テストの各問の正誤、(2)ユーザが学習前テストの各問の正誤を知らされずに教材の学習の後に学習前テストと同一の問から成る学習後テストを受けた場合の当該学習後テストの各問の正誤、(3)学習後テストを受ける前にユーザに提示された教材とに関するデータを示す。
モデルパラメータ44は、後記するモデル構築部21により構築されたモデルの各パラメータを示す。テスト履歴45は、ユーザ別の学習前テストの結果を示すデータである。教材46は、例えば演習問題である。この教材46は、教科が特に限定されない教材データである。
[教材提示装置の処理の概要]
図2は、図1に示した教材提示装置の処理の概要を示す説明図である。まず、教材提示装置1は、前処理として、モデル構築部21によって、全ユーザに関する入力データ43を読み込み、本処理で用いるモデルを構築し、構築したモデルの各パラメータをモデルパラメータ44として記憶手段4に格納する(モデル構築ステップ)。続いて、教材提示装置1は、本処理として、提示部22によって、モデルパラメータ44を読み込むと共に、テスト履歴45から提示対象とする個別のユーザのテスト結果を読み込む。そして、教材提示装置1は、提示部22によって、当該ユーザの学習効果を最大化する教材を、教材46から選択して提示する(提示ステップ)。
[教材提示装置の構成の詳細]
次に、演算手段2の各部の構成の詳細を説明する。
<モデル構築部>
モデル構築部(モデル構築手段)21は、入力データ43を用いて、提示すべき教材を予測するための全ユーザについての正解化モデルを構築し、構築したモデルの各パラメータを記憶手段4に格納するものである。ここで、正解化モデルとは、ユーザが学習前テストの所定の問について解いたときに不正解が得られ、かつ、教材を学習後に当該問について解いたときに正解が得られた場合の当該教材を予測するためのモデルである。本実施形態では、正解化モデルは、あるユーザが学習前にある問題を解いて不正解となったときに、そのユーザがその問題を解いて正解を得る事象が生じる確率を表す。
≪入力データ43の定式化≫
正解化モデルを定式化するために、まず入力データ43を次のように定式化する。
学習前テストおよび学習後テストで出題する問題(問)の集合を、問題集合Vと表記する。また、テストの各問題(問)をiと表記する。問題iは、教材とは異なる。学習前テストにおいて、ユーザnが問題i∈Vを解いたときの正誤xniを式(1)で表す。学習後テストにおいて、ユーザnが問題i∈Vを解いたときの正誤yniを式(2)で表す。
Figure 0004883720
前記した式(1)で示した正誤xniの集合、すなわち、学習前テストにおいて、ユーザnが解いた全問題i∈Vの正誤xniを式(3)で示す。同様に、前記した式(2)で示した正誤yniの集合、すなわち、学習後テストにおいて、ユーザnが解いた全問題i∈Vの正誤yniを式(4)で示す。
Figure 0004883720
≪提示問題ベクトルの定式化≫
正解化モデルを定式化するために、ユーザnに学習時において提示された教材(問題)をベクトル(提示問題ベクトル)znで式(5)のように定式化する。この提示問題ベクトルは、複数の教材を教材提示対象とするユーザに対して提示することを示すベクトルであって、複数の教材の個数だけベクトルの要素を有し、ベクトルの要素の値として各教材を提示したか否かを2値で示すベクトルである。本実施形態では、一例として、教材をまだ提示していない場合には該当する要素の値を「0」とし、教材を提示した場合には該当する要素の値を「1」とする。式(5)において、提示された問題(教材)をjと表記する。問題jは、学習前後のテストの問題(問)iとは異なる。また、式(5)において、Mは、学習で提示される問題候補の集合を表す。ここで、ユーザには、問題候補の集合Mのうちの一部の問題が提示されるように構成することができる。
Figure 0004883720
なお、学習前テストおよび学習後テストで出題する問題集合Vと、学習時において提示される問題候補の集合Mとは、同じ問題を含まないこととする。また、ユーザは、学習前テストおよび学習後テストで問題i∈Vの正解を教えられず、学習時に提示された問題j∈Mの正解のみを教えられるものとする。
≪正解化モデルの定式化≫
本実施形態では、正解化モデル
Figure 0004883720
を式(7)に示すように、ロジスティック回帰によりモデル化する。
Figure 0004883720
式(7)において、μiおよび
Figure 0004883720
は未知パラメータである。μiは、問題i(学習前後のテスト問題)を正解にすることの容易度を表し、θijは、問題i(学習後テスト問題)を正解にすることに対する問題j(学習時の教材)の提示の影響度を表す。
未知パラメータμiおよび
Figure 0004883720
の集合(未知パラメータ集合Θ)
Figure 0004883720
は、最尤推定により推定することができる。最大化すべき対数尤度は式(8)で表される。
Figure 0004883720
式(8)において
Figure 0004883720
は、ユーザnが学習前にテスト問題「i」を解いたときに不正解であって、学習時にユーザnに提示された問題が「zn」であるときに、ユーザnは学習後にもテスト問題「i」を解いたときに不正解であるような事象が生じる確率を表す。つまり、この確率は、式(9)のように式変形できる。
Figure 0004883720
前記した式(7)で示したロジスティック回帰モデルにおいて未知パラメータを求めるために最大化すべき対数尤度、すなわち、前記した式(8)で示した対数尤度L(Θ)については、未知パラメータに関して上に凸であるため、例えば、準ニュートン法などの最適化手法により最大化することで、大域的最適解を得ることができる。
≪モデル構築部の機能ブロック≫
図3は、図1に示したモデル構築部の構成を示す機能ブロック図である。図3を参照しながら、モデル構築部21の構成について説明する。図3に示すように、モデル構築部21は、前記した式(8)の計算をするために、入力データ読込部211と、モデルパラメータ推定部212と、モデルパラメータ書込部213とを備えている。
入力データ読込部211は、入力データ43を読み込み、モデルパラメータ推定部212に出力する。モデルパラメータ推定部212は、入力データ43に基づいて、前記した式(8)を最大化することにより、正解化モデルの未知パラメータを求め、求めた各パラメータをモデルパラメータとして推定する。モデルパラメータ書込部213は、モデルパラメータ推定部212で推定した正解化モデルのモデルパラメータを、モデルパラメータ44として記憶手段4に格納する。
<提示部>
提示部(提示手段)22は、記憶手段4から、モデルパラメータ44と、教材提示対象とする個別のユーザのテスト履歴45とを読み出し、当該ユーザに関して期待上昇得点が最大化するように教材を選択してユーザに提示するものである。ここで、期待上昇得点は、学習前テストの得点と、学習後テストの得点との差の期待値を表す。つまり、本実施形態では、学習によって、学習前に「不正解であった問題」について、学習後には、できるだけ「正解」になるような学習効果が最も高い問題を提示する。
≪期待上昇得点の定式化≫
期待上昇得点、すなわち、学習時にユーザnに提示された問題が「zn」であるときのユーザnの得点上昇の期待値En(zn)は、前記した式(7)の正解化モデルを用いて式(10)で表される。
Figure 0004883720
式(10)において、
Figure 0004883720
は、提示された問題がznのときのユーザnの不正解であった問題iが、正解になる確率を表す。また、式(10)において、I(X)は指示関数を表す。ここで、Xが真ならばI(X)=1、偽ならばI(X)=0となる。なお、式(10)の期待値En(zn)では、簡単のため、各問題の持ち点を一様に1点と仮定した。
本実施形態では、提示部22は、次に提示する問題を逐次的に決めていく。つまり、提示部22は、式(11)に示すように、ユーザnに対して現在までの提示されたすべての問題をznとしたときに、まだ提示していない問題の中で、提示したときに、期待上昇得点En(zn)が最大になる問題
Figure 0004883720
を次に提示する。
Figure 0004883720
式(11)において、
Figure 0004883720
は、現在までの提示問題znのj番目の要素の値を「1」としたベクトルを表す。また、「j:zn j=0」は、提示問題ベクトルの値が「0」である要素の識別番号を「j」とすることを意味する。
≪提示部の機能ブロック≫
図4は、図1に示した提示部の構成を示す機能ブロック図である。図4を参照しながら、提示部22の構成について説明する。図4に示すように、提示部22は、大別して、テスト履歴読込部221と、モデルパラメータ読込部222と、提示出力部223とを備えている。
テスト履歴読込部221は、記憶手段4に格納されたテスト履歴45から、問題(教材)提示対象とするユーザのテスト履歴(学習前テストの結果)を読み込み、提示出力部223に出力する。なお、ユーザnのテスト履歴は、前記した式(3)で示される。モデルパラメータ読込部222は、モデルパラメータ44を読み込み、提示出力部223に出力する。
提示出力部223は、テスト履歴45とモデルパラメータ44とを用いて、前記した式(11)に従って、ユーザに提示する問題(教材)を決定し、出力する。このために、提示出力部223は、図4に示すように、提示問題ベクトル初期化部224と、提示問題探索部225と、問題出力部226と、提示問題ベクトル更新部227と、提示問題決定制御部228とを備えている。
提示問題ベクトル初期化部(提示問題ベクトル初期化手段)224は、提示問題ベクトルの各要素に、初期値として、学習時にユーザに提示される問題候補のすべての問題(教材)を提示していないことを示す値(例えば「0」)を設定する(初期化する)ものである。
提示問題探索部(提示問題探索手段)225は、問題提示対象とするユーザに対して未提示の問題の中で、提示したときに、期待上昇得点が最大になる問題を探索するものである。この提示問題探索部225は、提示問題ベクトルを利用して、前記した式(10)で示される期待上昇得点が最大になる問題を探索する。すなわち、提示問題探索部225は、前記した式(11)の計算を行う。
問題出力部(問題出力手段)226は、提示問題探索部225で探索された問題を出力するものである。問題出力部226は、期待上昇得点が最大になる提示問題ベクトルznの要素として探索された問題を出力する。
提示問題ベクトル更新部(提示問題ベクトル更新手段)227は、提示問題ベクトルの要素のうち、出力された問題を示す要素について問題を提示したことを示す値(例えば「1」)を設定するものである。提示問題ベクトル更新部227は、問題が出力される毎に提示問題ベクトルを更新する。
提示問題決定制御部(提示問題決定制御手段)228は、問題提示対象とするユーザに対して次に提示する問題の探索と、提示問題ベクトルの更新とを、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す。本実施形態では、例えば、提示問題数が、「10」等の予め定められた値を超えた場合に終了条件が満たされたものとする。なお、終了条件は、これに限らず、例えば、期待上昇得点や、ユーザの学習時間等が予め定められた値を超えた場合に終了条件が満たされたものとすることもできる。
[教材提示装置の動作]
図1に示した教材提示装置1が、前記した式(7)に示した正解化モデルを構築した後に、個別のユーザに問題を提示する段階における提示動作について、図5を参照(適宜図1ないし図4参照)して説明する。図5は、図1に示した提示部の動作を示すフローチャートである。ここでは、提示部22の提示出力部223の動作を説明する。
教材提示装置1の提示部22は、提示問題ベクトル初期化部224によって、提示問題ベクトルを初期化する(ステップS1:提示問題ベクトル初期化ステップ)。ここで、ユーザnに提示される予定の問題数が例えば、「5」であれば、提示問題ベクトルznは、式(12)のように初期化される。
Figure 0004883720
そして、提示部22は、提示問題探索部225によって、前記した式(11)により、期待上昇得点が最大になる問題として提示問題を決定し(ステップS2:提示問題探索ステップ)、問題出力部226によって、問題を出力する(ステップS3:問題出力ステップ)。そして、提示部22は、提示問題ベクトル更新部227によって、提示問題ベクトルを更新する(ステップS4:提示問題ベクトル更新ステップ)。更新前にzn jで表すと、更新後には、
Figure 0004883720
で示される。ここで、ユーザnに提示される予定の問題数が「5」であって、3番目の問題が提示されたときの提示問題ベクトルは、式(13)のように更新される。
Figure 0004883720
そして、提示部22は、提示問題決定制御部228によって、終了条件を満たすか否かを判別する(ステップS5:提示問題決定制御ステップ)。終了条件を満たない場合(ステップS5:No)、提示部22は、ステップS2に戻り、次に提示する問題の探索と、提示問題ベクトルの更新とを繰り返す。一方、終了条件を満たす場合(ステップS5:Yes)、提示部22は、処理を終了する。
なお、教材提示装置1は、一般的なコンピュータを、教材提示装置1を構成する前記した各手段として機能させるプログラム(教材提示プログラム)により動作させることで実現することができる。このプログラムは、通信回線を介して提供することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。このプログラムをインストールされたコンピュータは、CPUが、ROM等に格納されたこのプログラムをRAMに展開することにより、教材提示装置1と同等の効果を奏することができる。
本実施形態によれば、教材提示装置1は、モデル構築部21によって、想定している全ユーザにとって学習効果の高い問題を予測するモデルを構築し、提示部22によって、提示対象とする個別のユーザの学習前テストの履歴と、構築したモデルとによって、当該ユーザの期待上昇得点が最大化するように問題を選択して提示する。したがって、教材提示装置1は、学習効果を定量化し、定量化された学習効果が最大になるように提示する問題を決定することができる。また、教材提示装置1によって提示された問題で学習することにより、少ない学習量でより高い学習効果を得ることが可能になる。
また、本実施形態によれば、教材提示装置1は、提示する問題に関する事前知識を必要としないので、事前に専門家が難易度や関連性等を定義するような手間がかからない。さらに、教材提示装置1は、各ユーザの事前テストの正誤履歴を用いるため、英語、数学など科目によらず適用可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。例えば、教材提示装置1は、個別のユーザに問題を提示する段階において、提示問題を決定する度に逐一問題を出力するものとしたが、予め定めた問題数を順番に提示すようにすれば、全問題を決定した後に、各問題を出力するようにしてもよい。この場合には、提示部22は、前記したステップS3の処理を、前記したステップS4の処理がYesの場合に実行する。
また、本実施形態の教材提示装置1は、ユーザに対して学習用の問題を提示するまでの処理を行うものとして説明したが、さらに、ユーザから回答を受け付ける手段と、受け付けた回答を採点する手段と、採点結果(正誤)・解答・解説等を提示する手段とを備える構成とすることができる。さらに、教材提示装置1は、通信ネットワークを介して、学習者(ユーザ)の端末装置と通信可能に接続されるように構成することができる。
また、本実施形態では、対象とする全ユーザのテスト履歴からモデルを構築し、対象とする全ユーザのうちの個別のユーザに問題を提示するものとしたが、これに限定されない。例えば、予め、学習者に近い能力の人々(例えば、A大学英文科1年生、例えば100人)に協力してもらって「例えば英語試験学習用の“モデル”を構築する段階(フェーズ)」を実施する。そして、学習者(例えば、B大学英文科の1年生)に対して「その“モデル”を使用する段階(フェーズ)」を用いてもよい。この場合、学習者に近い能力の人々は、事前テストを受ける。学習者は、事前テストを受けない。しかし、学習者は、事前テストとは別に、学習前テストを受けて、テスト履歴を作成しておいてから、学習時に問題の提示を受ける。
本発明の効果を確認するために、本実施形態に係る教材提示装置1を用いて、ウェブブラウザ上でテストおよび学習が可能なシステムを構築し、教材提示装置1により提示される問題(教材)が寄与する学習効果を確認するための実験を行った。
<実験設定>
教材とテストとに、TOEIC(登録商標)などで利用される「短文穴埋め問題」を用いた。「短文穴埋め問題」とは、不完全な英文を完成させるために、4つの選択肢から最も適当なものを選ぶ問題である。
実験では、(1)学習前の理解力を測るための学習前テストを実施し、(2)学習時に問題(教材)を提示し、(3)学習後の理解力を測るための学習後テストを実施した。学習前テストと学習後テストでは、同じ問題40問を用いた(|V|=40,式(3)および式(4)参照)。「学習時に提示する問題の候補」は全80問とした(|M|=80,式(5)参照)。この「候補」から、各ユーザに一律40問提示した。
ユーザnの学習前テストの結果は、前記した式(3)のxnで示される。ユーザnの学習後テストの結果は、前記した式(4)のynで示される。ユーザnの学習時の提示問題(提示問題ベクトル)は、前記した式(5)のznで示される。なお、学習時に提示する問題については、ユーザが各問題に解答した後すぐに、ユーザの解答の正誤、正解および解説を提示した。ただし、学習前テストおよび学習後テストの問題については、ユーザの解答の正誤、正解および解説をユーザに与えなかった。
<正解化モデルの評価>
教材提示装置1には、正解化モデルを構築する段階と、個別のユーザに問題(教材)を提示する段階とが存在する。まず、前記した式(7)に示すロジスティック回帰に基づく正解化モデルを、他の2つのモデルと比較することで評価する。これら3つのモデルを用いて、ユーザ52人に対して、学習時に、所定の複数の問題(教材)の中からランダムに選択した問題を提示する実験を行った。また、ロジスティック回帰に基づく正解化モデルと比較するモデルは、1)「二項分布」モデル、2)「正誤依存ロジスティック回帰」モデルとした。
≪「二項分布」モデル(モデル比較1)≫
「二項分布」モデルは、学習後テストの得点と、学習前テストの得点とから求められる得点上昇が、提示問題には依存しないものと考えるモデルである。この「二項分布」モデルの最尤推定値は、式(14)で与えられる。式(14)の右辺の分母は、学習前テストで、問題iを不正解したユーザ数を示す。また、その分子は、学習前テストで、問題iを不正解し、かつ、学習後テストで問題iを正解したユーザ数となっている。
Figure 0004883720
≪「正誤依存ロジスティック回帰」モデル(モデル比較2)≫
「正誤依存ロジスティック回帰」モデルでは、学習後テストの得点と、学習前テストの得点とから求められる得点上昇が、「提示問題の正誤」に依存すると考えるモデルである。つまり、前記した式(7)に示すロジスティック回帰に基づく正解化モデルで用いられる特徴量z(提示問題ベクトル)の代わりに、式(15)および式(16)のwを要素に持つ2|M|次元ベクトルwを用いる。このとき「正誤依存ロジスティック回帰」モデルは、式(17)で示される。なお、式(7)に示すロジスティック回帰に基づく正解化モデルは、得点上昇が「提示問題」に依存すると考える。
Figure 0004883720
≪比較内容≫
ユーザが学習前テストである問題を解いたときに不正解であった場合に、そのユーザが学習後テストで、同じ問題を解いたときに正解になるか否かを予測する問題の予測精度により3つのモデルを比較した。なお、学習前および学習後のテストにおいて、ユーザには正解が知らされない。予測精度の比較において、leave-one-out交差検定を用いた。つまり、52人のユーザのうち、51人を学習データ、残り1人をテストデータとして1つの評価用セットとし、テストデータとするユーザを変え、全52評価用セットを作成した。
評価指標として、ROC曲線(Relative Operating Characteristic Curve)の下面積を表すAUC(Area under the ROC curve)を用いた。AUCは、学習手法の予測精度を実験的に測定する際の尺度の1つである。具体的には、AUCは、ROC曲線と、x軸と、x=1(負例の数を1に規格化)とで囲まれた部分の面積である。AUCは、その値が高いほど、予測精度が高いことを表す。比較結果を表1に示す。
Figure 0004883720
表1に示すように、前記した式(7)に示すロジスティック回帰に基づく正解化モデルのAUCが最も高くなっている。これにより、ユーザが学習前テストである問題を解いたときに不正解であった場合に、そのユーザが学習後テストで、同じ問題を解いたときに正解になるか否かを予測する場合には、「提示問題」を考慮することにより、より高い精度で予測できるようになることが示唆される。
<教材提示法の評価>
次に、個別のユーザに問題(教材)を提示する段階について、本実施形態の教材提示装置1により提示された問題で学習したときの学習効果(実施例)を評価した。比較例は、ランダムに選択した問題を提示する手法(ランダム提示:比較例)とした。比較例のランダム提示では、38ユーザで実験(実験A)を行った。実施例では、48ユーザで実験(実験B)を行った。各実験の実験結果として、ユーザの学習後テストの得点と、学習前テストの得点とから求められる得点上昇の平均(平均上昇得点)を図6に示す。
図6に示すように、比較例としてのランダム提示で行った実験Aの場合には、38ユーザの平均上昇得点(平均値)は、「4.5点」であった。一方、実施例として行った実験Bの場合には、48ユーザの平均上昇得点(平均値)は「8.1点」であった。片側t検定の結果、実施例は、比較例(ランダム提示)に比べ有意に効果があった(p値=0.0034)。
なお、図6において、実験A(比較例)の場合には、「−5」点上昇(5点下降)したユーザや「15」点上昇したユーザもいた(図6中、破線の上下に設けた横線で示す)。また、図6中、破線の途中の箱(ブロック)の上下は、38ユーザの得点上昇を順番に並べたときの第3四分位点、第1四分位点を表す。さらに、箱の途中の横線で38ユーザの得点上昇の中央値を示す。同様に、実験B(実施例)の場合に、48ユーザの得点上昇の第3四分位点、第1四分位点、中央値を図6に示す。
本発明の実施形態に係る教材提示装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した教材提示装置の処理の概要を示す説明図である。 図1に示したモデル構築部の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示した提示部の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示した提示部の動作を示すフローチャートである。 本実施形態に係る教材提示装置による実験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 教材提示装置
2 演算手段
3 入力手段
4 記憶手段
5 出力手段
11 バスライン
21 モデル構築部(モデル構築手段)
22 提示部(提示手段)
23 メモリ
41 モデル構築プログラム
42 提示プログラム
43 入力データ
44 モデルパラメータ
45 テスト履歴(学習前テストの結果)
46 教材
211 入力データ読込部
212 モデルパラメータ推定部
213 モデルパラメータ書込部
221 テスト履歴読込部
222 モデルパラメータ読込部
223 提示出力部
224 提示問題ベクトル初期化部(提示問題ベクトル初期化手段)
225 提示問題探索部(提示問題探索手段)
226 問題出力部(問題出力手段)
227 提示問題ベクトル更新部(提示問題ベクトル更新手段)
228 提示問題決定処理部(提示問題決定処理手段)

Claims (6)

  1. 難易度および関連性が未定義である複数の教材を学習する予め定められた全ユーザの事前テスト結果に基づいて学習時に提示すべき教材を予測する予め構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とに基づいて、前記複数の教材の中から所定の教材を選択し、前記選択された教材を前記教材提示対象とするユーザに提示する教材提示装置であって、
    前記モデルを構築するための事前テストのデータとして、前記ユーザが前記教材を学習する前に前記教材とは別に予め受けた学習前テストの各問の正誤と、前記ユーザが前記学習前テストの各問の正誤を知らされずに前記教材の学習の後に前記学習前テストと同一の問から成る学習後テストを受けた場合の当該学習後テストの各問の正誤と、前記学習後テストを受ける前に前記ユーザに提示された教材とに関するデータを示す入力データと、前記構築されたモデルの各パラメータと、ユーザ別の前記学習前テストの結果と、教材とを記憶する記憶手段と、
    前記入力データを用いて、前記ユーザが前記学習前テストの所定の問について解いたときに不正解が得られ、かつ、教材を学習後に前記所定の問について解いたときに正解が得られた場合の当該教材を予測するための前記全ユーザについての正解化モデルを構築し、構築したモデルの各パラメータを前記記憶手段に格納するモデル構築手段と、
    前記記憶手段から、前記構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とを読み出し、当該ユーザに関して、前記学習前テストの得点と、前記学習後テストの得点との差の期待値を表す期待上昇得点が最大化するように前記教材を選択して前記ユーザに提示する提示手段と、
    を備えることを特徴とする教材提示装置。
  2. 前記提示手段は、
    前記複数の教材を前記教材提示対象とするユーザに対して提示することを示すベクトルであって、前記複数の教材の個数だけベクトルの要素を有し、前記ベクトルの要素の値として前記各教材を提示したか否かを2値で示すベクトルである提示問題ベクトルの各要素に、初期値として前記すべての教材を提示していないことを示す予め定められた値を設定する提示問題ベクトル初期化手段と、
    前記教材提示対象とするユーザに対して未提示の教材の中で、提示したときに、前記期待上昇得点が最大になる教材を探索する提示問題探索手段と、
    前記探索された教材を出力する問題出力手段と、
    前記提示問題ベクトルの要素のうち前記出力された教材を示す要素について前記教材を提示したことを示す値を設定する提示問題ベクトル更新手段と、
    前記教材提示対象とするユーザに対して次に提示する教材の探索と、前記提示問題ベクトルの更新とを、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す提示問題決定制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の教材提示装置。
  3. 難易度および関連性が未定義である複数の教材を学習する予め定められた全ユーザの事前テスト結果に基づいて学習時に提示すべき教材を予測する予め構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とに基づいて、前記複数の教材の中から所定の教材を選択し、前記選択された教材を前記教材提示対象とするユーザに提示するために、
    前記モデルを構築するための事前テストのデータとして、前記ユーザが前記教材を学習する前に前記教材とは別に予め受けた学習前テストの各問の正誤と、前記ユーザが前記学習前テストの各問の正誤を知らされずに前記教材の学習の後に前記学習前テストと同一の問から成る学習後テストを受けた場合の当該学習後テストの各問の正誤と、前記学習後テストを受ける前に前記ユーザに提示された教材とに関するデータを示す入力データと、前記構築されたモデルの各パラメータと、ユーザ別の前記学習前テストの結果と、教材とを記憶する記憶手段と、モデル構築手段と、提示手段とを有した教材提示装置の教材提示方法であって、
    前記教材提示装置は、
    前記モデル構築手段によって、前記入力データを用いて、前記ユーザが前記学習前テストの所定の問について解いたときに不正解が得られ、かつ、教材を学習後に前記所定の問について解いたときに正解が得られた場合の当該教材を予測するための前記全ユーザについての正解化モデルを構築し、構築したモデルの各パラメータを前記記憶手段に格納するモデル構築ステップと、
    前記提示手段によって、前記記憶手段から、前記構築されたモデルのパラメータと、教材提示対象とする個別のユーザが前記教材とは別に予め受けた学習前テストの結果とを読み出し、当該ユーザに関して、前記学習前テストの得点と、前記学習後テストの得点との差の期待値を表す期待上昇得点が最大化するように前記教材を選択して前記ユーザに提示する提示ステップと、
    を実行することを特徴とする教材提示方法。
  4. 前記提示手段は、提示問題ベクトル初期化手段と、提示問題探索手段と、問題出力手段と、提示問題ベクトル更新手段と、提示問題決定制御手段とを備え、
    前記教材提示装置は、前記提示ステップにて、
    前記提示問題ベクトル初期化手段によって、前記複数の教材を前記教材提示対象とするユーザに対して提示することを示すベクトルであって、前記複数の教材の個数だけベクトルの要素を有し、前記ベクトルの要素の値として前記各教材を提示したか否かを2値で示すベクトルである提示問題ベクトルの各要素に、初期値として前記すべての教材を提示していないことを示す予め定められた値を設定する提示問題ベクトル初期化ステップと、
    前記提示問題探索手段によって、前記教材提示対象とするユーザに対して未提示の教材の中で、提示したときに、前記期待上昇得点が最大になる教材を探索する提示問題探索ステップと、
    前記問題出力手段によって、前記探索された教材を出力する問題出力ステップと、
    前記提示問題ベクトル更新手段によって、前記提示問題ベクトルの要素のうち前記出力された教材を示す要素について前記教材を提示したことを示す値を設定する提示問題ベクトル更新ステップと、
    前記提示問題決定制御手段によって、前記教材提示対象とするユーザに対して次に提示する教材の探索と、前記提示問題ベクトルの更新とを、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す提示問題決定制御ステップと、
    を実行することを特徴とする請求項3に記載の教材提示方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の教材提示装置を構成する各手段として、コンピュータを機能させるための教材提示プログラム。
  6. 請求項5に記載の教材提示プログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
JP2008140535A 2008-05-29 2008-05-29 教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 Expired - Fee Related JP4883720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008140535A JP4883720B2 (ja) 2008-05-29 2008-05-29 教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008140535A JP4883720B2 (ja) 2008-05-29 2008-05-29 教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009288486A JP2009288486A (ja) 2009-12-10
JP4883720B2 true JP4883720B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=41457762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008140535A Expired - Fee Related JP4883720B2 (ja) 2008-05-29 2008-05-29 教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4883720B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4977723B2 (ja) * 2009-01-28 2012-07-18 株式会社日立製作所 e−learningシステムおよび学習支援サーバ
KR101497325B1 (ko) * 2013-10-16 2015-03-04 (주)컴버스테크 분할 콘텐츠를 이용한 가상 면접 처리 시스템 및 방법
WO2019073712A1 (ja) * 2017-10-13 2019-04-18 Necソリューションイノベータ株式会社 スキル推定装置、学習支援装置、スキル推定方法およびプログラム
KR101895963B1 (ko) * 2017-10-31 2018-10-04 (주)뤼이드 신규 사용자를 분석하는 방법
KR101895961B1 (ko) * 2017-10-31 2018-09-06 (주)뤼이드 점수 추정 방법, 장치 및 컴퓨터 프로그램
JP7080759B2 (ja) * 2018-07-19 2022-06-06 アルー株式会社 予測スコア提供装置、予測スコア提供方法及び予測スコア提供プログラム
JP2021085966A (ja) * 2019-11-27 2021-06-03 株式会社リコー 画像形成方法及び画像形成装置
KR102196275B1 (ko) 2020-06-18 2020-12-29 (주)창의발레소예 창의력 향상을 위한 발레 관련 컨텐츠 프로그램과 제공 방법 및 장치
CN113436510B (zh) * 2021-07-08 2022-09-09 长春电子科技学院 一种用于数学互动教学的演示平台

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06332365A (ja) * 1993-05-21 1994-12-02 Mitsubishi Electric Corp 教育訓練支援装置
JP2002006734A (ja) * 2000-06-26 2002-01-11 Society For Testing English Proficiency Inc コンピュータ適応型検定試験の方法及びシステム
JP2003131549A (ja) * 2001-10-24 2003-05-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 学習コース設計支援装置、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した媒体
JP2003248421A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Fujitsu Ltd 教育方法および教育システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009288486A (ja) 2009-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4883720B2 (ja) 教材提示装置、教材提示方法、教材提示プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
Gelman et al. Bayesian workflow
US10290221B2 (en) Systems and methods to customize student instruction
Junker et al. Cognitive assessment models with few assumptions, and connections with nonparametric item response theory
Richey et al. More confusion and frustration, better learning: The impact of erroneous examples
US10467919B2 (en) Systems and methods for AI-based student tutoring
KR101642577B1 (ko) 효과적인 학습 독려와 가이드 및 학습 전략 수립 서비스 제공을 위한 스마트 개인화 학습 가이드 방법 및 시스템
JP6960688B2 (ja) 学習効率に基づいて個人カスタマイズ型教育コンテンツを提供するための機械学習方法、装置及びコンピュータプログラム
US20190251477A1 (en) Systems and methods for assessing and improving student competencies
Vie et al. A review of recent advances in adaptive assessment
Käser et al. Modeling exploration strategies to predict student performance within a learning environment and beyond
Barnes Novel derivation and application of skill matrices: The q-matrix method
Kuehn et al. An expert system for the prediction of student performance in an initial computer science course
DiCerbo et al. An application of exploratory data analysis in the development of game-based assessments
CN111858906B (zh) 习题推荐方法、装置、电子设备及计算机可读存储介质
Dauer et al. Changes in students’ mental models from computational modeling of gene regulatory networks
JP7091607B2 (ja) 学習支援端末、学習支援サーバ、学習支援システム、学習支援方法、および学習支援プログラム
Käser et al. Simulated learners in educational technology: A systematic literature review and a turing-like test
US20210358317A1 (en) System and method to generate sets of similar assessment papers
Fossey An evaluation of clustering algorithms for modeling game-based assessment work processes
Zhang et al. Going Online: A Simulated Student Approach for Evaluating Knowledge Tracing in the Context of Mastery Learning.
Bremgartner et al. Using agents and open learner model ontology for providing constructive adaptive techniques in virtual learning environments
Leitão et al. New metrics for learning evaluation in digital education platforms
Anderson Multidimensional item response theory models with collateral information as Poisson regression models
KR101053828B1 (ko) 기억유지마감시각 예측 및 관리가 적용된 반복학습방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100820

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111202

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4883720

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees