以下、本発明を実施するための実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明に係る印刷データ作成装置及び画像処理装置として、公知の布帛印刷用のインクジェットプリンタ1(図1、図2参照)に接続し、インクジェットプリンタ1で印刷を行うための印刷データを作成する、公知のパーソナルコンピュータ200(図3参照)を例に挙げて説明する。
まず、インクジェットプリンタ1について説明する。図1は、インクジェットプリンタ1の全体的な構成を示した斜視図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、左右方向を長手方向とする略直方体形状の筐体2を有し、その底面の略中央に前後方向に向かう二本のレール3が列設されている。二本のレール3の上部では、各レール3に沿って筐体2の前後方向に移動可能な平板状のプラテン支持台(図示外)を支えており、プラテン支持台の上部に取り換え可能なプラテン5が固定されている。
プラテン5は、平面視、筐体2の前後方向を長手方向とする略長方形状の板体であり、その上面に、例えばTシャツなどの布帛からなる被記録媒体を水平に載置するためのものである。また、プラテン5とプラテン支持台との間の略中間の位置にて支柱に固定されたトレー4は、ユーザがTシャツ等をプラテン5に載置する際に、Tシャツのそで等を受けて筐体2の底面には落ちないように保護するためのものである。また、プラテン支持台を移動させるためにレール3が設けられたプラテン駆動機構6の後端部には、プラテン支持台をレール3に沿って筐体2の前後方向に移動させるための動力を供給するプラテン駆動モータ7が設けられている。
筐体2の前後方向の略中央で、かつ、プラテン5の上方の位置にて、筐体2の両側面間には、インクジェットヘッド21を搭載したキャリッジ20の移動を案内するためのガイドレール9が架設されている。このガイドレール9の左端付近に設けられたキャリッジモータ24と、右端付近に設けられたプーリー25との間に架設されているキャリッジベルト26は、ガイドレール9よりも下方の位置にて筐体2の左右にわたって配置されている。キャリッジベルト26はキャリッジ20の背面に固定されており、キャリッジモータ24の駆動によって、キャリッジ20がガイドレール9に沿って筐体2の左右方向に往復移動される。
本実施形態のインクジェットプリンタ1では、シアンインク,マゼンタインク,イエローインク,ブラックインクに加え、ホワイトインクが画像印刷に用いられる。そこで、インクジェットプリンタ1の左側面には、各インクを収容したインクカートリッジを着可能に収容するための5つのインクカートリッジ収容部30がそれぞれ設けられており、各インクカートリッジ収納部30には、それぞれブラックインク,シアンインク,マゼンタインク,イエローインク,ホワイトインクが収容されている。
各インクカートリッジ収容部30には、それぞれインク供給用チューブ10a〜10eが連結されており、ガイド部材40及びチューブ支持部材60を経由して、各色のインクジェットヘッド21に接続されている。なお、インク供給用チューブ10a〜10eは、キャリッジ20の移動等に対応して屈曲や捩れが生じるような柔軟性を有するチューブである。ガイド部材40は、キャリッジ20の背後で5本のインク供給用チューブ10a〜10eを支持するものである。チューブ支持部材60は、キャリッジ20の上端で本のインク供給用チューブ10a〜10eを支持するものである。
キャリッジ20には、5つのインクジェットヘッド21が搭載されている。各インクジェットヘッド21は、各インクを噴射するための噴射チャンネル(図示外)を例えば128個ずつそれぞれ備えており、各噴射チャンネルには各々個別に駆動される圧電アクチュエータ(図示外)が設けられている。そして、各噴射チャンネルに対応してインクジェットヘッド21の底面に孔設された微細な噴射ノズル(図示外)から下向きに、インクの液滴が噴射されるように制御されている。よって、各インクカートリッジ収容部30に収容されているインクが、インク供給用チューブ10a〜10eによってインクジェットヘッド21に供給され、噴射ノズルから噴射される。
キャリッジ20がガイドレール9の右端に移動した位置には、各インクジェットヘッド21のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップ23を有するパージユニット22が設けられている。パージユニット22には吸引ポンプ(図示外)が設けられており、各吸引キャップ23がインクジェットヘッド21に密着しているときに、吸引キャップ23を介してインクの吸引を行うことが可能となっている。また、印刷が行われないときには吸引キャップ23でインクジェットヘッド21のノズル面が覆われ、インクの乾燥が防止されている。
筐体2の右側手前の位置には、インクジェットプリンタ1の操作を行うための操作パネル28が設けられている。この操作パネル28には、ディスプレイ175、印刷ボタン182、中止ボタン183及びプラテン送りボタン188等が設けられている。プラテン送りボタン188が押下されるとプラテン5が被記録媒体であるTシャツ等の布帛をセット又は取り外し可能な位置にプラテン5が移動する。印刷ボタン182が押下されると、パーソナルコンピュータ200から受信した印刷データの印刷が開始される。印刷中に中止ボタン183が押下されると、印刷が中止される。
次に、インクジェットプリンタ1の電気的構成について説明する。図2は、インクジェットプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、インクジェットプリンタ1の制御を司るCPU110が設けられており、CPU110には、バス190を介し、CPU110が実行するインクジェットプリンタ1の動作を制御するための制御プログラム等を記憶したROM120と、データを一時的に記憶するRAM130とが接続されている。
CPU110には、バス190を介して、インク噴射を行うインクジェットヘッド21の各噴射チャンネルに設けられた圧電アクチュエータ(図示外)を駆動させるためのヘッド駆動部140と、インクジェットヘッド21を搭載したキャリッジ20を駆動するためのキャリッジモータ24、印刷時に被印刷対象の布帛であるTシャツを保持するプラテン5を送り出すタイミングや速度を調整するプラテンローラ(図示外)を駆動するためのプラテン駆動モータ7をそれぞれ制御して駆動させるためのモータ駆動部150と、パーソナルコンピュータ200を含めた外部機器にUSBケーブル(図示外)で接続して通信が行えるようにするためのUSBインタフェース160とが接続されている。
操作パネル28(図1)には、ディスプレイ175,電源ランプ172,データランプ173,エラーランプ174が設けられており、これらの表示処理を行う表示制御部170がバス190を介してCPU110にと接続されている。また、操作パネル28には、印刷ボタン182,中止ボタン183,プラテン送りボタン188(図1参照)に加え、メニューボタン184,左矢印ボタン185,右矢印ボタン186,確定ボタン187が設けられており、これらの入力の検知を行う入力検知部180が、バス190を介してCPU110に接続されている。
ディスプレイ175には、パーソナルコンピュータ200から受信中であったり、受信後印刷待機中であったり、印刷中であったり、印刷が完了したりした、印刷データのデータ名やサイズ等の情報が表示される。また、各種設定を行うためのメニュー画面(図示外)が表示されたり、エラー発生時にはエラーの内容が表示されたりする。また、メニューボタン184が押下されるとディスプレイ175にメニュー画面が表示され、左矢印ボタン185及び右矢印ボタン186はディスプレイ175に表示されているカーソルを各々左右に移動させる。また、確定ボタン187が押下されると、カーソルが選択している項目に確定される。
インクジェットプリンタ1のROM120には、インクジェットプリンタ1の動作を制御するための制御プログラムや、印刷処理を実行するための印刷実行プログラムなどを記憶したプログラム記憶エリアと、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報を記憶したプログラム関係情報記憶エリア等が設けられている。
インクジェットプリンタ1のRAM130には、パーソナルコンピュータ200から受信した印刷データを記憶する受信印刷データ記憶エリアと、印刷ボタン182の押下により印刷が実行されている印刷データを記憶する印刷中データ記憶エリアと、各種設定情報が記憶される設定情報記憶エリア等が設けられている。
次に、パーソナルコンピュータ200について説明する。図3は、パーソナルコンピュータ200の電気的構成を示すブロック図である。図4は、パーソナルコンピュータ200のRAM230の模式図である。図5は、パーソナルコンピュータ200のハードディスクドライブ(以下、HDDとよぶ)250の模式図である。パーソナルコンピュータ200は、例えばUSB等の規格に基づく通信ケーブルによってインクジェットプリンタ1に接続している。そして、パーソナルコンピュータ200では、ユーザが各種アプリケーションを用いて作成した画像データに基づいて印刷データが作成され、この印刷データがインクジェットプリンタ1へ送信されるが、詳細は後述する。
図3に示すように、パーソナルコンピュータ200には、その制御を司るCPU210が設けられている。CPU210には、バス290を介し、CPU210が実行するBIOS等のプログラムを記憶したROM220と、データを一時的に記憶するRAM230と、データの記憶媒体であるCD−ROM241を挿入し、データの読み込みを行うCD−ROMドライブ240と、データの記憶装置であるHDD250とが接続されている。
CPU210には、バス290を介して、インクジェットプリンタ1を含めた外部機器との通信を行うためのUSBインタフェース260と、ユーザに操作画面を表示するためのモニタ271の画面表示処理を行う表示制御部270と、ユーザが操作の入力を行うキーボード281やマウス282が接続され、それらの入力の検知を行う入力検知部280とが接続されている。なお、パーソナルコンピュータ200には、図示外のフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、音声等の入出力部、各種インタフェースなども設けられている。
CD−ROM241には、本発明に係る印刷データ作成プログラム及び画像処理プログラムが組み込まれたプリンタドライバや、このプログラムの実行時に使用される設定やデータ等が記憶されており、導入時には、CD−ROM241からHDD250に設けられたプログラム記憶エリア251(図5参照)やプログラム関係情報記憶エリア252(図5参照)に記憶されるようになっている。なお、パーソナルコンピュータ200のプリンタドライバ(印刷データ作成プログラム及び画像処理プログラム)及びその使用データ等の取得方法はCD−ROM241によるものに限らず、フレキシブルディスクやMOといった他の記録媒体であってもよく、また、パーソナルコンピュータ200をネットワークに接続させ、ネットワーク上の他の端末から取得してもよい。
図4に示すように、RAM230には、印刷対象の画像データ310(図6参照)を一時的に記憶する入力画像データ記憶エリア231、画像データ310を構成する各入力画素の取扱いが設定された背景情報画像データ350(図6参照)を一時的に記憶する入力背景情報画像データ記憶エリア232、画像データ310から変換された変換CMYKWデータ320(図6参照)を記憶する変換CMYKWデータ記憶エリア233、変換CMYKWデータ320から作成された印刷データ330(図6参照)を記憶する印刷データ記憶エリア234、その他のプログラムの実行中の一時的なデータを記憶するその他の実行時情報記憶エリア235等が設けられている。
図5に示すように、HDD250には、プリンタドライバ(印刷データ作成プログラム及び画像処理プログラム)を始めとするパーソナルコンピュータ200で実行される各種のプログラムを記憶するプログラム記憶エリア251、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報を記憶したプログラム関係情報記憶エリア252、画像データ310の色情報を色インクレベル(CMYK値)に変換するための色変換テーブル410(図6参照)を記憶する色変換テーブル記憶エリア253、画像データ310の色情報を白インクレベル(W値)に変換するための変換するための白変換テーブル420(図6参照)を記憶する白変換テーブル記憶エリア254、背景情報画像データ350に基づいて画像データ310の色情報をユーザが指定した色(特定色)の色情報に変換するための特定色テーブル430(図6参照)を記憶する特定色テーブル記憶エリア255、複数の画像データを記憶する画像データ記憶エリア256、複数の背景情報画像データを記憶する背景情報画像データ記憶エリア257等が設けられている。
なお、色変換テーブル記憶エリア253及び白変換テーブル記憶エリア254には、インクジェットプリンタ1で印刷される被記録媒体の色や素材などに対応して、各々複数の色変換テーブル410及び白変換テーブル420が記憶されている。また、特定色テーブル記憶エリア255には、あらかじめユーザ又は設計者等により任意に作成された最適な特定色テーブル430が記憶されている。また、画像データ記憶エリア256及び背景情報画像データ記憶エリア257には、複数の画像データと複数の背景情報画像データとが一対一で各々対応付けて記憶されている。
このような構成のもと、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、パーソナルコンピュータ200から印刷データを受信した後、ユーザがプラテン5へTシャツをセットし、印刷ボタン182を押下する。すると、キャリッジ20の移動経路が記録開始位置となるように、プラテン5がプラテン駆動モータ7の駆動によってレール3に沿って筐体2の後方に移動される。そして、キャリッジ20が筐体2の右方向から左方向へ移動しながら、記録指示に従ってインクジェットヘッド21からインクを吐出して1ラインの記録が行われる。そして、1ライン分プラテン5が筐体2の後方から前方へ移動され、次いで、キャリッジ20が筐体2の左方向から右方向へ移動しながら、記録指示に従ってインクジェットヘッド21からインクを吐出して1ラインの記録が行われる。そして、さらに1ライン分プラテン5が筐体2の後方から前方へ移動される。これらの動作の繰り返しによりTシャツへの印刷が行われ、印刷が終了するとプラテン5がTシャツを取り外し可能な位置まで送り出されるので、操作者は印刷の終了したTシャツを取り外す。
ここで、パーソナルコンピュータ200及びインクジェットプリンタ1における色表現について説明する。パーソナルコンピュータ200のモニタ271等で色を表示する場合には、画像を形成する各画素毎にsRGB形式と呼ばれる形式で色が表現されている。sRGBは、IEC(国際電気標準会議)が定める色空間の国際規格であり、デジタルカメラやプリンタ、モニタなど多くのPC用周辺機器では、このsRGBに則った色調整を行うことで、入力と出力時の色の差異を極力少なくしている。
また、インクジェットプリンタ1等でインクを噴射させて印刷を行う場合には、CMYK値形式と呼ばれる形式で色が表現されている。これは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の色の三原色に、K(ブラック)を加えた4色を用いる色の表現方法であり、C値,M値,Y値,K値の4種の数値により色を表現している。この形式で作られた印刷データを印刷するために、インクジェットプリンタ1では、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のインクが使用され、C値でシアンインクの噴射量が、M値でマゼンタインクの噴射量が、Y値でイエローインクの噴射量が、K値でブラックインクの噴射量が決定される。
さらに、本実施形態では、被記録媒体であるTシャツ等の下地色が白以外(例えば、黒や青)であっても、その表面に画像データに基づく再現性の優れた高画質の画像を印刷するためにホワイトインクが使用される。なお、ホワイトインクの噴射量はW値で決定されるものとする。すなわち、印刷データはC値,M値,Y値,K値,W値の5種の数値により色が表現され、インクジェットプリンタ1ではシアン,マゼンタ,イエロー,ブラック,ホワイトの5色のインクを用いた画像印刷が実行される。
このように、パーソナルコンピュータ200のモニタ271に表示されている画像データをインクジェットプリンタ1で印刷するためには、sRGB形式の画像データをCMYKW形式の印刷データに変換する必要がある。本実施形態では、パーソナルコンピュータ200で印刷データ作成処理(図16)が実行されると、sRGB形式の画像データに基づいてCMYKW形式の印刷データが作成される。
ここで、本実施形態の印刷データ作成過程で発生する各データについて説明する。図6は、印刷データ作成過程のデータ推移図である。図7は、色変換テーブル410のデータ構成図である。図8は、白変換テーブル420のデータ構成図である。図9は、特定色テーブル430のデータ構成図である。なお、本実施形態では、被記録媒体は下地色が「青」のTシャツとする。
図6に示すように、印刷データ330を作成するための基になるデータは、RAM230の入力画像データ記憶エリア231に記憶されている画像データ310である。この画像データ310は、ユーザが画像編集用アプリケーションなどを用いて作成し、HDD250の画像データ記憶エリア256に保存した複数の画像データのうちで、ユーザがその印刷実行を指示したものである。なお、本実施形態では、画像データ310はsRGB形式で256階調の画像データである。
また、印刷データ330の作成時には、RAM230の入力背景情報画像データ記憶エリア232に記憶されている背景情報画像データ350も同時に使用される。この背景情報画像データ350は、ユーザが後述する背景情報画像データ作成処理(図10)によって作成し、HDD250の背景情報画像データ記憶エリア257に保存した複数の背景情報画像データのうちで、印刷対象の画像データ310に対応して作成されたものである。
より詳細には、背景情報画像データ350は、画像データ310と同一画素数で、1画素あたり3ビットのデータ領域を有する、グレースケール形式で8階調の画像データである。そして、画像データ310を構成する複数の入力画素ごとに、該入力画素の取扱いが各々設定されている。「入力画素の取扱い」とは、入力画素を印刷するのに用いられる使用色を指定するものである。各3ビットのデータ領域には、その対応する入力画素の取扱いが「0」から「7」までの数値で設定されており、各数値は以下の内容を示す。
「0」:画素色で印刷
「1」:透明色で印刷
「2」:白色で印刷
「3」:特定色1で印刷
「4」:特定色2で印刷
「5」:特定色3で印刷
「6」:特定色4で印刷
「7」:特定色5で印刷
入力画素の取扱い「画素色で印刷」は、その入力画素をそのままの色で印刷することを指示する。入力画素の取扱い「透明色で印刷」は、その入力画素を印刷しないことを指示する。入力画素の取扱い「白色で印刷」は、その入力画素を白インクで印刷することを指示する。入力画素の取扱い「特定色で印刷」は、その入力画素をユーザが任意に指定した色(特定色)で印刷することを指示する。
なお、本実施形態では、後述するように、ユーザは画像データ310の入力画素のうちで、背景色及び背景位置に該当しないもの(通常画素)には「0」を設定し、背景色又は背景位置に該当するもの(背景画素)には任意に「1」〜「7」のいずれかを設定する。そのため、背景情報画像データ350では、通常画素に対応する画素のデータ領域にその取扱いとして「0」が設定されており、背景画素に対応する画素のデータ領域にその取扱いとして「1」〜「7」のいずれかが設定されている。
そして、図6に示すように、画像データ310を構成する各入力画素のうちで、背景情報画像データ350の対応画素に「0」に設定されているものは通常画素であるから、次のようにデータ処理される。すなわち、入力画素の取扱いは「画素色で印刷」であるから、当該入力画素の色をそのまま印刷するための通常の色変換処理が実行される。
まず、当該入力画素のsRGB値が、HDD250の色変換テーブル記憶エリア253に記憶されている色変換テーブル410に基づいてCMYK値に各々変換されて、CMYK形式の色インクレベルデータが作成される。図7に示すように、色変換テーブル410は、sRGB形式で256階調の入力データを、CMYK形式で256階調の出力データに変換するためのテーブルであり、各sRGB値に対応するCMYK値が各々定義されている。そして、当該入力画素は、この色変換テーブル410に基づいて各々対応するCMYK値に変換される。なお、色変換テーブル410(図7)は、公知の手法によって、sRGB値とCMYK値の対応を定めるプロファイルを任意に作成すればよい。
また、当該入力画素のsRGB値が、HDD250の白変換テーブル記憶エリア254に記憶されている白変換テーブル420に基づいてW値に各々変換されて、W形式の白インクレベルデータが作成される。図8に示すように、白変換テーブル420は、sRGB形式で256階調の入力データを、W形式で256階調の出力データに変換するためのテーブルであり、各sRGB値に対応するW値が各々定義されている。そして、当該入力画素は、この白変換テーブル420に基づいて各々対応するW値に変換される。なお、白変換テーブル420(図8)は、公知の手法によって、sRGB値とW値の対応を定めるプロファイルを任意に作成すればよい。
一方、画像データ310を構成する各入力画素のうちで、背景情報画像データ350の対応画素に「1」〜「7」のいずれかに設定されているものは背景画素であるから、次のようにデータ処理される。すなわち、当該入力画素のsRGB値は、ユーザが指定した入力画素の取扱いに応じて異なる処理が行われてCMYKW値に各々変換される。
入力画素の取扱いが「1」である場合は「透明色で印刷」であるから、当該入力画素を印刷しないため、以下のデータ処理が行われる。すなわち、当該入力画素のsRGB値を、印刷を行わないCMYKW値(0,0,0,0,0)に変換する透明化処理が実行される。
入力画素の取扱いが「2」である場合は「白色で印刷」であるから、当該入力画素を白色で印刷するため、以下のデータ処理が行われる。すなわち、当該入力画素のsRGB値を、白色印刷のみを行うCMYKW値(0,0,0,0,255)に変換する白置換処理が実行される。
入力画素の取扱いが「3」〜「7」のいずれかである場合は「特定色で印刷」であるから、当該入力画素をユーザが任意に指定した特定色で印刷するため、以下のデータ処理が行われる。すなわち、当該入力画素のsRGB値を、HDD250の特定色テーブル記憶エリア255に記憶されている特定色テーブル430に基づいて、対応する特定色のsRGB値に置換する色置換処理が実行される。そして、その色置換後のsRGB値が、先述と同様に、色変換テーブル410及び白変換テーブル420によってCMYKW値に変換される。
なお、本実施形態では、入力画素の取扱いが「3」〜「7」のいずれかであって、かつ、その特定色に対応するsRGB値が(255,255,255)である場合は、色変換テーブル410及び白変換テーブル420による色変換は、白置換処理による色変換と同等である。「白色印刷」が指定されていると同様に、白置換処理による色変換が実行されるものとする。
図9に示すように、特定色テーブル430は、入力画素のsRGB値を特定色のsRGB値に変換するためのテーブルであり、入力画素の取扱い「3」〜「7」に対応する「特定色1」〜「特定色5」のsRGB値が各々定義されている。そして、当該入力画素のsRGB値は、この特定色テーブル430に基づいて「特定色1」〜「特定色5」のいずれかのsRGB値に変換される。なお、特定色テーブル430(図9)は、あらかじめユーザ又は設計者などが、入力画素の取扱いと特定色のsRGB値との対応を任意に定義して作成すればよい。
このように、画像データ310の各通常画素は、色変換テーブル410及び白変換テーブル420によってCMYKW値に各々変換される。一方、画像データ310の各背景画素は、ユーザが任意に指定した取扱いに応じて、印刷を行わないCMYKW値,白色印刷のみを行うCMYKW値,特定色印刷を行うCMYKW値のいずれかに各々変換される。その結果、画像データ310を構成する入力画素が全てCMYKW値に変換された、256階調でCMYKW形式の変換CMYKWデータ320が、RAM230の変換CMYKWデータ記憶エリア233に記憶される。さらに、変換CMYKWデータ320について疑似階調処理が行われて、CMYKW形式で2階調の印刷データ330が作成され、RAM230の印刷データ記憶エリア234に記憶される。最後に、印刷データ330がインクジェットプリンタ1に送信されて、被記録媒体であるTシャツ等への画像印刷に用いられることになる。
ここで、背景情報画像データの作成方法について説明する。図10は、背景情報画像データ作成処理のメインフローチャートである。図11は、背景色指定処理(S3)の詳細を示すフローチャートである。図12は、背景色指定画面500の一具体例を示す図である。図13は、背景位置指定処理(S5)の詳細を示すフローチャートである。図14は、背景位置指定画面600の一具体例を示す図である。図15は、背景情報画像化処理(S7)の詳細を示すフローチャートである。
本実施形態では、ユーザが背景情報画像データの作成するためのコマンドを指示するとプリンタドライバが起動される。そして、プリンタドライバに含まれる画像処理プログラムに基づいて、CPU210により背景情報画像データ作成処理(図10)が実行される。なお、背景情報画像データ作成処理(図10)は、ユーザが任意のタイミングで実行すればよく、パーソナルコンピュータ200以外の他のコンピュータで行ってもよい。また、本処理によって、ユーザは任意の画像データに対応する任意の背景情報画像データを作成することができるが、以下では後述の印刷データ作成処理(図16)で用いられる画像データ310に対応する背景情報画像データ350を作成する場合を例示して説明する。
図10に示すように、背景情報画像データ作成処理では、まず印刷対象の画像データ310が入力される(S1)。S1では、画像データ記憶エリア256に格納された複数の画像データのうちでユーザにより指定された画像データ310が、RAM230の所定記憶エリアに読み込まれる。そして、ユーザが背景情報画像データ350の作成を指示すると、画像データ310の背景色及びその取扱いを任意に設定するための背景色設定処理が実行される(S3)。本処理では、ユーザが画像データ310における背景色を任意に指定することで、画像データ310を構成する入力画素のうちで背景画素に該当するものを特定するとともに、ユーザがその背景画素の取扱いを任意に設定する。
図11に示すように、背景色指定処理(S3)では、まずユーザが画像データ310の背景色及びその取扱いを任意に設定するためのダイアログである背景色指定画面500が、モニタ271に表示される(S31)。
図12に示すように、背景色指定画面500は、背景色の指定を指示するための背景色指定指示部501と、任意の背景色を指定するための背景色指定部502と、背景色指定部502で指定した背景色の取扱いを任意に選択するための背景色取扱い指定部503と、背景色設定処理(S3)を終了するための「終了」ボタン504と、複数の背景色を指定するための「他の背景色も指定する」ボタン505とを備えている。S31で表示された背景色指定画面500から、ユーザはキーボード281やマウス282を用いて、任意の背景色及びその取扱いを一又は複数入力指定することができる。
本実施形態では、ユーザは背景色指定部502に256階調のsRGB値を入力して、任意の背景色を指定することができる。また、背景色取扱い指定部503では、背景色の取扱いとして「透明色」,「白色印刷」,「特定色1」〜「特定色5」の7パターンから、ユーザは任意のものを選択することができる。そして、背景色取扱い指定部503において、ユーザが背景色の取扱いとして「特定色」を選択した場合は、ユーザはその背景色を印刷するのに用いられる特定色を、256階調のsRGB値を入力して指定することができる。具体的には、図12に示す背景色指定画面500の場合は、ユーザが背景色としてsRGB値(0,0,0)を指定し、その取扱いとして「透明色」を指定したことを示している。
図11に戻り、ユーザによって背景色指定画面500から「他の背景色も指定する」ボタン505が押下された場合(S33:YES)、背景色指定部502に入力された背景色と、背景色取扱い指定部503に入力された背景色の取扱いとが、sRBG値と共にRAM230の背景色設定記憶エリア(図示外)に記憶される(S35)。そして、背景色指定画面500の入力内容をクリアする画面初期化が行われ(S37)、S33に戻る。これにより、ユーザは初期化された背景色指定画面500から、他の背景色及びその取扱いを任意に設定することができる。
また、ユーザによって背景色指定画面500から「終了」ボタン504が押下された場合(S33:NO,S39:YES)、S35と同様に、背景色指定部502に入力された背景色と、背景色取扱い指定部503に入力された背景色の取扱いとが、RAM230の背景色設定記憶エリア(図示外)に記憶され(S41)、背景情報画像データ作成処理(図10)に戻る。なお、「終了」ボタン504及び「他の背景色も指定する」ボタン505のいずれも押下されない場合(S33:NO,S39:NO)、S33に戻り、ユーザの入力を待ち受ける。
図10に戻り、次に、画像データ310の背景位置及びその取扱いを任意に設定するための背景位置設定処理が実行される(S5)。本処理では、ユーザが画像データ310における背景位置を任意に指定することで、画像データ310を構成する入力画素のうちで背景画素に該当するものを特定するとともに、ユーザがその背景画素の取扱いを任意に設定する。
図13に示すように、背景位置指定処理(S5)では、まずユーザが画像データ310の背景位置及びその取扱いを任意に設定するためのダイアログである背景位置指定画面600が、モニタ271に表示される(S51)。
図14に示すように、背景位置指定画面600は、背景位置の指定を指示するための背景位置指定指示部601と、任意の背景位置を指定するための背景位置指定部602と、背景位置指定部602で指定した背景位置の取扱いを任意に選択するための背景位置取扱い指定部603と、背景位置設定処理(S5)を終了するための「終了」ボタン604と、複数の背景位置を指定するための「他の位置も指定する」ボタン605とを備えている。S51で表示された背景位置指定画面600から、ユーザはキーボード281やマウス282を用いて、任意の背景位置及びその取扱いを一又は複数入力指定することができる。
本実施形態では、ユーザは背景位置指定部602にXY座標を入力して、任意の背景位置を指定することができる。また、背景位置取扱い指定部603では、背景色指定画面500(図12参照)と同様に、ユーザは背景位置の取扱いを任意に選択することができ、また背景位置の取扱いとして「特定色」を選択した場合はそのsRGB値を任意に入力指定することができる。具体的には、図14に示す背景位置指定画面600の場合は、ユーザが背景位置としてXY位置(50,100)を指定し、その取扱いとして「透明色」を指定したことを示している。
図13に戻り、ユーザによって背景位置指定画面600から「他の背景位置も指定する」ボタン605が押下された場合(S53:YES)、背景位置指定部602に入力された背景位置と、背景位置取扱い指定部603に入力された背景位置の取扱いとが、RAM230の背景位置設定記憶エリア(図示外)に記憶される(S55)。そして、背景位置指定画面600の入力内容をクリアする画面初期化が行われ(S57)、S53に戻る。これにより、ユーザは初期化された背景位置指定画面600から、他の背景位置及びその取扱いを任意に設定することができる。
また、ユーザによって背景位置指定画面600から「終了」ボタン604が押下された場合(S53:NO,S59:YES)、S55と同様に、背景位置指定部602に入力された背景位置と、背景位置取扱い指定部603に入力された背景位置の取扱いとが、RAM230の背景位置設定記憶エリア(図示外)に記憶され(S61)、背景情報画像データ作成処理(図10)に戻る。なお、「終了」ボタン604及び「他の背景位置も指定する」ボタン605のいずれも押下されない場合(S53:NO,S59:NO)、S53に戻り、ユーザの入力を待ち受ける。
図10に戻り、最後に、S3で設定された背景色及びその取扱いと、S5で設定された背景位置及びその取扱いとに基づいて、背景情報画像データ350を作成する背景情報画像化処理が実行される(S7)。本処理では、背景色指定処理(S3)及び背景位置指定処理(S5)での設定内容に基づいて、画像データ310を構成する各入力画素の取扱いを8階調で各々定義したグレースケール形式の背景情報画像データ350を作成する。
図15に示すように、背景情報画像化処理(S7)では、まず画像データ310と同一画素数で、一画素あたり3ビットのデータ領域を有する背景情報画像データ350が作成される(S71)。すなわち、S71では、画像データ310と同じピクセル数を有し、かつ各ピクセルが画像データ310の各ピクセルと一対一で各々対応する背景情報画像データ350が作成される。そして、S71で作成された背景情報画像データ350を構成する全画素のデータ領域が「0」に初期化される(S73)。そして、S1で入力された画像データ310を構成する1つ目の入力画素が読み込まれる(S75)。
次に、S75で読み込まれた入力画素が、背景位置設定処理(S5;図13)で設定された背景位置に該当するか否かが判定される(S77)。S77では、RAM230の背景位置設定記憶エリア(図示外)に記憶された一又は複数のXY座標と、S75で読み込まれた入力画素のXY座標とが一致(又は所定範囲内で近似)すれば、当該入力画素は背景位置に該当すると判定される。S75で読み込まれた入力画素が背景位置に該当する場合(S77:YES)、背景位置設定処理(S5;図13)で設定された当該背景位置の取扱いに基づいて、背景情報画像データ350の対応画素に入力画素の取扱いを示す値がセットされる(S79)。
例えば、図14に示す背景位置指定画面600では、ユーザが背景位置としてXY位置(50,100)を指定し、その取扱いとして「透明色」を指定している。よって、当該入力画素の位置情報がXY位置(50,100)と一致する場合、背景情報画像データ350の対応画素が有する3ビットのデータ領域に「1」がセットされる。なお、ユーザが背景位置の取扱いとして「白色印刷」を指定している場合は「2」がセットされ、「特定色1」〜「特定色5」を指定している場合はそれぞれ「3」〜「7」がセットされる。
S75で読み込まれた入力画素が背景位置に該当しない場合(S77:NO)、当該入力画素が背景色設定処理(S3;図11)で設定された背景色に該当するか否かが判定される(S81)。S81では、RAM230の背景色設定記憶エリア(図示外)に記憶された一又は複数のsRGB値と、S75で読み込まれた入力画素のsRGB値とが一致(又は所定範囲内で近似)すれば、当該入力画素は背景色に該当すると判定される。S75で読み込まれた入力画素が背景色に該当する場合(S81:YES)、背景色設定処理(S3;図11)で設定された当該背景色の取扱いに基づいて、背景情報画像データ350の対応画素に入力画素の取扱いを示す値がセットされる(S83)。
例えば、図12に示す背景色指定画面500では、ユーザが背景色としてsRGB値(0,0,0)を指定し、その取扱いとして「透明色」を指定している。よって、当該入力画素の色情報がsRGB値(0,0,0)と一致する場合、背景情報画像データ350の対応画素が有する3ビットのデータ領域に「1」がセットされる。なお、ユーザが背景色の取扱いとして「白色印刷」を指定している場合は「2」がセットされ、「特定色1」〜「特定色5」を指定している場合はそれぞれ「3」〜「7」がセットされる。
S75で読み込まれた入力画素が背景色に該当しない場合(S81:NO)、当該入力画素は背景色指定及び背景位置指定のいずれもなされていない通常画素である。よって、背景情報画像データ350の対応画素に、入力画素の取扱い「画素色」を示す値「0」がセットされる(S85)。
そして、S1でセットされた画像データ310を構成する全ての入力画素(言い換えれば、S71で作成された背景情報画像データ350を構成する全ての画素)について処理が行われたか否かの判断が行われる(S87)。全ての入力画素についての処理が行われていない場合は(S87:NO)、S75へ戻る。そして、画像データ310を構成する次の入力画素が読み込まれて、背景情報画像データ350の対応画素に「0」〜「7」のいずれかがセットされる(S77〜S85)。このように、画像データ310を構成する全ての入力画素について処理が行われるまで、S75〜S87が繰り返し実行される。全ての入力画素についての処理が行われた場合は(S87:YES)、背景情報画像データ作成処理(図10)に戻る。なお、背景情報画像データ作成処理(図10)によって作成された背景情報画像データ350は、HDD250の背景情報画像データ記憶エリア257に記憶される。
上記説明した背景情報画像データ作成処理(図10)によって、画像データ310を構成する入力画素ごとに、その取扱い(使用色)を示す値が各々セットされた背景情報画像データ350が作成される。詳細には、画像データ310を構成する入力画素のうち、ユーザが背景色又は背景位置として指定した画素(背景画素)に対応して、背景情報画像データ350の対応画素に「1」〜「7」のいずれかが各々セットされる一方、ユーザが背景色又は背景位置として指定しなかった画素(通常画素)に対応して、背景情報画像データ350の対応画素に「0」がセットされる。
そのため、ユーザは背景色指定又は背景位置指定をした背景画素について、背景情報画像データ350に任意に指定した入力画素の取扱いを設定することができる。そして、画像データ310上では同一色であっても、画素ごとや画像部位ごとに異なる取り扱いを、背景情報画像データ350に設定可能である。例えば、画像データ310の「黄色」で表された背景色部分のうちで、その一部の取扱いを「透明色」として設定し、その残りの取扱いを「青色」として、背景情報画像データ350に設定することができる。
以下では、画像データ310及び背景情報画像データ350を使用して、図6に示すデータ変換を実現するための、パーソナルコンピュータ200で行われる印刷データ作成処理について説明する。図16は、印刷データ作成処理のメインフローチャートである。本実施形態では、ユーザが画像データの印刷実行を指示するとプリンタドライバが起動される。そして、プリンタドライバに含まれる印刷データ作成プログラムに基づいて、CPU210により印刷データ作成処理(図16)が実行される。
図16に示すように、印刷データ作成処理では、ユーザが画像データの印刷実行を指示すると、印刷対象の画像データ310がセットされ、かつ当該画像データ310に対応する背景情報画像データ350がセットされる(S101)。S101では、画像データ記憶エリア256に格納された複数の画像データのうちで、ユーザにより印刷指示された画像データ310が入力画像データ記憶エリア231に読み込まれる。また、背景情報画像データ記憶エリア257に格納された複数の背景情報画像データのうちで、ユーザの指示によって画像データ310に対応する背景情報画像データ350が入力背景情報画像データ記憶エリア232に読み込まれる。
また、画像データ310のデータ変換に用いられる色変換テーブル410、白変換テーブル420及び特定色テーブル430がセットされる(S103)。S103では、ユーザにより指定された被記録媒体の色や素材などに対応して、色変換テーブル記憶エリア253から最適な色変換テーブル410が読み込まれ、白変換テーブル記憶エリア254から最適な白変換テーブル420が読み込まれる。また、特定色テーブル記憶エリア255からユーザがあらかじめ指定した特定色テーブル430が読み込まれる。なお、S103でセットされる色変換テーブル410及び白変換テーブル420は、ユーザがキーボード281やマウス282を用いて任意に指定してもよい。そして、S101でセットされた画像データ310を構成する1つ目の画素が読み込まれる(S105)。
次に、S105で読み込まれた入力画素の取扱いが「0」であるか否かが判定される(S107)。S107では、S101でセットされた背景情報画像データ350が参照されて、当該入力画素に対応する画素に設定された値に基づいて判定される。そして、入力画素の取扱いが「0」の場合は(S107:YES)、S103でセットされた色変換テーブル410に基づいて、当該入力画素のsRGB値が対応するCMYK値に変換される(S109)。また、S103でセットされた白変換テーブル420に基づいて、当該入力画素のsRGB値が対応するW値に変換される(S111)。
例えば、背景色指定画面500又は背景位置指定画面600において、ユーザが当該入力画素を背景色又は背景位置として指定しなかった場合、その取扱いとして「画素色」を示す値「0」が背景情報画像データ350の対応画素に設定される。そのため、当該入力画素のsRGB値(64,192,255)であれば、図7に示す色変換テーブル410に基づいてCMYK値(190,21,0,0)が取得され、図8に示す白変換テーブル420に基づいてW値(251)が取得される。このように取得されたCMYKW値(190,21,0,0,251)は、変換CMYKWデータ記憶エリア233の該当画素番号欄に記憶される。
また、入力画素の取扱いが「3」〜「7」のいずれかの場合は(S107:NO,S113:YES)、S105で読み込まれた入力画素のsRGB値を、S103でセットされた特定色テーブル430に基づいて、ユーザにより指定された特定色のsRGB値に置き換える色置換処理が実行される(S115)。そして、S115で特定色に置換された入力画素のsRGB値が、先述と同様に、色変換テーブル410及び白変換テーブル420に基づきCMYKW値に変換される(S109〜S111)。
例えば、背景色指定画面500又は背景位置指定画面600において、ユーザが当該入力画素を背景色又は背景位置として指定し、その取扱いとして「特定色1」を指定した場合、背景情報画像データ350の対応画素に「3」が設定される。そのため、当該入力画素のsRGB値は、図9に示す特定色テーブル430に定義された「特定色1」のsRGB値(225,0,0)に置換される。そして、このsRGB値(225,0,0)に対応するCMYK値及びW値が色変換テーブル410及び白変換テーブル420に基づいて取得され、変換CMYKWデータ記憶エリア233の該当画素番号欄に記憶される。同様に、入力画素の取扱いが「特定色2」〜「特定色4」である場合も、特定色テーブル430に基づいて各特定色のsRGB値に置換された後に、色変換テーブル410及び白変換テーブル420に基づいてCMYKW値に変換される。
また、入力画素の取扱いが「1」の場合は(S113:NO,S117:YES)、S105で読み込まれた入力画素のsRGB値を、印刷を行わないCMYKW値に変換する透明化処理が実行される(S119)。例えば、背景色指定画面500又は背景位置指定画面600において、ユーザが当該入力画素を背景色又は背景位置として指定し、その取扱いとして「透明色」を指定した場合、背景情報画像データ350の対応画素に「1」が設定される。そのため、当該入力画素のsRGB値はCMYKW値(0,0,0,0,0)に変換され、変換CMYKWデータ記憶エリア233の該当画素番号欄に記憶される。
また、入力画素の取扱いが「2」の場合は(S117:NO)、S105で読み込まれた入力画素のsRGB値を、白色印刷を行うCMYKW値に変換する白置換処理が実行される(S121)。例えば、背景色指定画面500又は背景位置指定画面600において、ユーザが当該入力画素を背景色又は背景位置として指定し、その取扱いとして「白色印刷」を指定した場合、背景情報画像データ350の対応画素に「2」が設定される。そのため、当該入力画素のsRGB値はCMYKW値(0,0,0,0,255)に変換され、変換CMYKWデータ記憶エリア233の該当画素番号欄に記憶される。
なお、先述のように、入力画素の取扱いが「特定色」を示す値(ここでは「3」〜「7」)であって、その特定色に対応するsRGB値(255,255,255)である場合は、S105でsRGB値が読み込まれると、S115の色置換処理の結果は白置換処理を行った場合の結果と同等である。そして、色変換後のCMYKW値(0,0,0,0,255)が、変換CMYKWデータ記憶エリア233の該当画素番号欄に記憶される。
そして、S1でセットされた画像データ310を構成する全ての入力画素について変換が行われたか否かの判断が行われる(S123)。全ての入力画素についての変換が行われていない場合は(S123:NO)、S105へ戻る。そして、次の入力画素のsRGB値の読み込みが行われて、当該入力画素のsRGB値が上記と同様にCMYKW値に変換される(S107〜S121)。このように、画像データ310を構成する全ての入力画素についてデータ変換が行われるまで、S105〜S123が繰り返し実行される。これにより、変換CMYKWデータ記憶エリア233には、sRGB形式で256階調の画像データ310に基づいて変換された、CMYKW形式で256階調の変換CMYKWデータ320が記憶される。
一方、全ての入力画素についての変換が行われた場合は(S123:YES)、変換CMYKWデータ記憶エリア233に記憶された変換CMYKWデータ320が、擬似階調処理によってCMYKW形式で2階調の印刷データ330に変換される(S125)。なお、擬似階調処理は、256階調の変換CMYKWデータ320を印刷階調に落として2値化するための処理であり、ここでは誤差拡散法による擬似階調処理が行われるものとする。なお、S125で作成された印刷データ330は、印刷データ記憶エリア234に記憶される。そして、印刷データ記憶エリア234に記憶された印刷データ330がインクジェットプリンタ1へ送信され(S127)、本処理は終了する。
なお、インクジェットプリンタ1では、パーソナルコンピュータ200から送信された印刷データ330を受信すると、その印刷データ330はRAM130の受信印刷データ記憶エリア(図示外)に格納される。そして、ユーザが印刷ボタン182を押下すると、印刷データ330が印刷中データ記憶エリア(図示外)に読み込まれて、この印刷データ330に基づいて被記録媒体であるTシャツ等に画像印刷が実行される。
ここで、本実施形態では、5つのインクジェットヘッド21は、左から順にシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),K(ブラック),W(ホワイト)に配置されている。そして、画像印刷時には、Tシャツ等に対して左から右にW(ホワイト),K(ブラック),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の順で片方向印刷が行われる。つまり、他の色インク(CMYK)に先んじて、Tシャツ等に白インク(W)による印刷が実行される。そのため、下地色が白以外の布帛上でも優れた色再現性を得るために下地を白インクで隠蔽する構成としてもよい。
このように、本実施形態に係る印刷データ作成処理(図16)では、画像データ310及び背景情報画像データ350が入力されると、画像データ310を構成する各入力画素は、背景情報画像データ350の対応画素に設定されている入力画素の取扱いに基づいて異なるデータ処理が行われる。そのため、インクジェットプリンタ1で印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、被記録媒体上にはユーザが所望する態様で背景画素が印刷される。
ここで、「入力画素の取扱い」とは、画像データ310を構成する各入力画素を印刷するのに用いられる使用色を指定するものであり、各パターンに応じて各入力画素の印刷態様が異なるように印刷データ330が作成される。本実施形態では、背景情報画像データ350には、入力画素の取扱いとして「画素色」,「透明色」,「白色印刷」,「特定色1」〜「特定色5」のいずれか示す値が設定されており、この取扱いに応じて各入力画素の印刷態様が異なる。
詳細には、画像データ310を構成する入力画素のうちで、ユーザが背景色指定及び背景位置指定のいずれもしなかった通常画素は、背景情報画像データ350の対応画素に入力画素の取扱いが「画素色で印刷」であることを示す「0」が設定される。そして、当該通常画素のsRGB値は、通常の色変換処理(色変換テーブル410及び白変換テーブル420を用いた色変換)で対応するCMYKW値に変換される。そのため、印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、画像データ310の通常画素部分はそのままの色で印刷される。
一方、ユーザが背景色指定又は背景位置指定をした背景画素であって、ユーザが入力画素の取扱いとして「透明色で印刷」を指定したものは、背景情報画像データ350の対応画素に「1」が設定される。そして、当該背景画素のsRGB値は、透明化処理によって透明色に対応するCMYKW値に変換される。そのため、印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、画像データ310の当該背景画素部分は何も印刷されない。
また、ユーザが背景色指定又は背景位置指定をした背景画素であって、ユーザが入力画素の取扱いとして「白色で印刷」を指定したものは、背景情報画像データ350の対応画素に「2」が設定される。そして、当該背景画素のsRGB値は、白置換処理によって白色に対応するCMYKW値に変換される。そのため、印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、画像データ310の当該背景画素部分が「白色」で印刷される。
また、ユーザが背景色指定又は背景位置指定をした背景画素であって、ユーザが入力画素の取扱いとして「特定色で印刷」を指定したものは、背景情報画像データ350の対応画素に「3」〜「7」のいずれかが設定される。そして、当該背景画素のsRGB値は、特定色テーブル430に基づく色置換処理によって各特定色(例えば、「黄色」)に対応するCMYKW値に変換される。そのため、印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、画像データ310の当該背景画素部分が「黄色」で印刷される。
つまり、画像データ310を構成する入力画素のうちで、ユーザが背景色指定又は背景位置指定をした各背景画素は、ユーザが任意に指定した入力画素の取扱いに応じた態様で印刷される。そのため、画像データ310上では同一色であっても、画素ごとや画像部位ごとに異なる取り扱いが可能である。例えば、画像データ310の「黄色」で表された背景色部分のうちで、その一部を「透明色」として印刷し、その残りを「青色」で印刷したりすることができる。
ところで、本実施形態のインクジェットプリンタ1は、白インクレベル(W値)に基づく濃淡で白色印刷を行うことができる特徴を有する印刷装置である。また、画像データ310が「白色」の入力画素を含む一方、被記録媒体の下地が「白色」以外である場合が存在する。そこで、インクジェットプリンタ1の白色印刷の特徴を利用して、画像データ310に含まれる「白色」の入力画素を以下のように処理してもよい。
すなわち、ユーザが「白色」の入力画素を背景画素として指定しなかった場合、通常画素と同様に、白色の入力画素のsRGB値を通常の色変換処理によって対応するCMYKW値に変換する。すると、印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、画像データ310の白色画素部分は白色で印刷されるので、被記録媒体の下地が「白色」以外であっても再現性の優れた高画質の画像を印刷することができる。
また、ユーザが「白色」の入力画素を背景画素として指定しなかった場合、入力画素の取扱いが「透明色で印刷」である場合と同様に、白色の入力画素のsRGB値を透明化処理によって透明色に対応するCMYKW値に変換する。すると、印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、画像データ310の白色画素部分は何も印刷されない。これにより、被記録媒体の下地が「白色」である場合に白インクの使用量を適切に調整することができ、より高速かつ低コストで画像印刷を行うことができる。
また、ユーザが入力画素の取扱いとして「特定色(白色)」を指定した場合、入力画素の取扱いが「白色印刷」である場合と同様に、白色の入力画素のsRGB値を白変換処理によって白色に対応するCMYKW値に変換する。すると、印刷データ330に基づいて画像印刷を行うと、画像データ310の白色画素部分は白色で印刷されるので、被記録媒体の下地が「白色」以外であっても再現性の優れた高画質の画像を印刷することができる。
以上、本実施形態に係るパーソナルコンピュータ200によれば、画像データ310を構成する複数の入力画素ごとに使用色が各々設定された背景情報画像データ350が入力されると、各入力画素のsRGB値を背景情報画像データ350に基づいて対応する使用色のsRGB値に各々置換し、そのsRGB値が置換された画像データ310に基づいて印刷データ330を作成する。よって、ユーザが画像データ310を構成する各画素の取扱い(使用色)を任意に指定することができ、被記録媒体上にユーザが所望する態様で画像を印刷可能な印刷データ330を作成することができる。
また、背景情報画像データ350の各画素のデータ領域には、各入力画素ごとに使用色として、少なくとも「画素色」、「透明色」及び「特定色」を含む複数パターンからいずれか一つが各々設定されている。よって、背景情報画像データ350に基づいて印刷データ330を作成すると、画像データ310を構成する各画素が「画素色」,「透明色」,「特定色」などの任意の態様で印刷されるようにすることができる。
そして、背景情報画像データ350の対応画素に「画素色」が設定されている場合、入力画素のsRGB値を対応するCMYKW値に置換するので、その入力画素がそのままの色で印刷されるようにすることができる。また、背景情報画像データ350の対応画素に「透明色」が設定されている場合、入力画素のsRGB値を印刷が行われないCMYKW値に置換するので、その入力画素が印刷されないようにすることができる。また、背景情報画像データ350の対応画素に「特定色」が設定されている場合、入力画素のsRGB値をその特定色のCMYKW値に置換するので、その入力画素が「特定色」で印刷されるようにすることができる。
さらに、背景情報画像データ350に「特定色」が設定されている場合、各特定色と各色パターンとの対応を定義した特定色テーブル430を参照して入力画素のsRGB値をその特定色に対応する色パターンのsRGB値に置換する。よって、あらかじめ各特定色と各色パターンとの対応を特定色テーブル430に定義しておくことで、背景情報画像データ350自体に特定色に対応する色パターンの色情報を設定する必要がなく、背景情報画像データ350のデータ量を少なくすることができる。さらに、ユーザは所望の色パターンに対応する特定色の指定が容易となり、また各特定色と各色パターンとの対応を任意に編集することができる。
一方、ユーザにより任意に入力された画像データ310の背景色又は背景位置が指定され、その背景色又は背景位置を印刷するのに用いられる使用色として、少なくとも「画素色」、「透明色」及び「特定色」を含む複数パターンからいずれか一つが指定されると、その指定された背景色又は背景位置とその使用色に基づいて、画像データ310を構成する複数の入力画素ごとに使用色が各々設定された背景情報画像データ350を作成する。よって、ユーザは画像データの背景色又は背景位置とその取扱い(使用色)を任意に指定するだけで、画像データ310の入力画素ごとに使用色が各々設定された背景情報画像データ350を作成することができる。
ところで、上記実施形態において、パーソナルコンピュータ200が本発明の「印刷データ作成装置」及び「画像処理装置」に相当する。インクジェットプリンタ1が本発明の「印刷装置」に相当する。印刷データ作成プログラム及び画像処理プログラムを有するプリンタドライバが、本発明の「印刷データ作成プログラム」及び「画像処理プログラム」に相当する。背景情報画像データ350が本発明の「使用色設定データ」に相当する。
また、ユーザが任意に背景情報画像データ350を入力するためのキーボード281やマウス282が、本発明の「使用色設定データ入力手段」に相当する。印刷データ作成処理(図16)において、S105〜S123を実行するCPU210が本発明の「色置換手段」に相当し、S125を実行するCPU210が本発明の「印刷データ作成手段」に相当する。特定色テーブル430を記憶するHDD250(特定色テーブル記憶エリア255)が、本発明の「特定色テーブル記憶手段」に相当する。
また、背景情報画像データ作成処理(図10)において、S1でユーザが任意に画像データ310を入力するためのキーボード281やマウス282が、本発明の「画像データ入力手段」に相当する。背景色設定処理(S3;図11)において、ユーザが背景色指定画面500(図12)から任意に背景色及びその取扱いを指定するためのキーボード281やマウス282が、本発明の「背景色指定手段」及び「使用色指定手段」に相当する。背景位置設定処理(S5;図13)において、ユーザが背景位置指定画面600(図14)から任意に背景位置及びその取扱いを指定するためのキーボード281やマウス282が、本発明の「背景位置指定手段」及び「使用色指定手段」に相当する。背景情報画像化処理(S7;図15)を実行するCPU210が、本発明の「使用色データ作成手段」に相当する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、「被記録媒体」として青色のTシャツを例示したが、本発明は記録紙やラベルなどの他の被記録媒体でも適用でき、またその下地の色も青に限定されず、白はもちろん、赤や黒などの任意の色に適用することができる。また、「印刷装置」としてインクジェットプリンタ1を例示したが、本発明は他の記録方式の印刷装置であっても適用でき、例えばトナーを用いて印刷するレーザプリンタにも適用することができる。
また、上記実施形態では、画像データ310の背景部分(ユーザが背景色指定又は背景位置指定を行った背景画素)について、ユーザが任意に指定した入力画素の取扱いが設定された背景情報画像データ350を作成及び使用する場合を例示した。しかしながら、本発明によれば、ユーザは画像データ310を構成する任意の入力画素について、任意の取扱いを設定可能である。この場合は、背景色設定処理(S3;図11)においてユーザが任意の色及びその取扱いを指定すればよく、また、背景位置設定処理(S5;図13)においてユーザが任意の位置及びその取扱いを指定すればよい。
また、上記実施形態では、ユーザが背景色指定画面500(図12)や背景位置指定画面600(図14)から背景色や特定色をsRGB値で指定しているが、CMYK形式やHSV形式などの他の色空間によって指定してもよい。また、背景情報画像データ作成処理(図10)では、ユーザは背景色設定処理(S3;図11)及び背景位置設定処理(S5;図13)のいずれか一方のみを行って、背景情報画像データ350を作成するようにしてもよい。また、背景情報画像化処理(S7;図15)では、入力画素が「背景色」及び「背景位置」の両方に該当する場合は「背景位置」の取扱いが優先適用されているが、「背景色」の取扱いが優先適用されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ユーザが背景色指定画面500や背景位置指定画面600から入力画素の取扱い(使用色)として、「特定色」,「透明色」,「白色印刷」の各パターンから任意のものを選択しているが、入力画素の取扱いのパターンは様々なものを適用することができる。例えば、ユーザが背景色指定画面500や背景位置指定画面600から入力画素の取扱いとして、当該入力画素の色をそのまま印刷する「画素色」を指定できるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、背景情報画像データ350の各画素は3ビットのデータ領域を有しているため、8パターンの入力画素の取扱いが設定可能である。しかし、背景色指定画面500や背景位置指定画面600で指定できる入力画素の取扱いパターンは、ユーザや設計者などが任意に増減させることができるため、その増減に応じて背景情報画像データ350の各画素のデータ領域を増減させることができる。例えば、背景色指定画面500などからユーザが16パターンの特定色を指定可能にする場合は、背景情報画像データ350の各画素は4ビットのデータ領域を有するようにすればよい。
また、上記実施形態では、色変換テーブル410及び白変換テーブル420は、sRGB形式の画像データをCMYKW形式の印刷データに変換するが、このようなデータ形式は任意に変更可能である。例えば、画像データ310は、CMYK形式やHSV形式などの他の色空間によるデータであってもよい。印刷データ330は、各プリンタの記録方式に応じてRGB形式やHSV形式などの他の色空間によるデータであってもよい。そして、色変換テーブル410及び白変換テーブル420は、画像データ310及び印刷データ330の変換を可能とするようにデータ形式の対応を定義していればよい。
また、上記実施形態では、特定色テーブル430は5パターンの特定色のsRGB値を定義しているが、この設定内容はユーザや設計者などが任意に変更可能である。例えば、3パターンや10パターンなど任意の数量の特定色のsRGB値を定義してもよいし、CMYK値などの他の色情報を定義してもよい。また、各特定色と各色パターンとの対応も、任意に追加・修正・変更が可能であることはいうまでもない。