JP4881101B2 - 塩基性れんがの製造方法 - Google Patents

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本発明は焼却炉、セメントロータリーキルン、あるいは溶融金属容器等に使用する塩基性れんがの製造方法に関する。
焼却炉や廃溶融炉などに使用する塩基性れんがとしては、マグネシア−クロム質れんが(以下「マグクロれんが」と記す。)が使用される場合が多い。マグクロれんがは、マグネシアとクロム鉱を主原料としたれんがであり、通常10質量%以上のCrを含有する。このCrを主成分とするスピネル族鉱物(MgR;R=Cr、Fe、Al)がれんがの焼成中にマトリックスに析出(二次スピネル)し、マグネシアを主体とする骨材と結合する。そのため、マトリックス部のスラグ浸潤に対する抵抗性が高くなる。しかしながら、昨今の操業条件の過酷化によって、従来のマグクロれんがではスラグ浸潤に対する抵抗性が不十分となる場合が増えてきている。
このため、マグクロれんがのスラグ浸潤抑制を図る手法は従来から種々検討されてきた。例えば、マグクロれんがの出発原料として酸化クロム(エスコライト(Eskolaite))粉末を配合し焼結を促進させて緻密化する(特許文献1参照)、金属クロムなどを配合し焼成時の体積膨張を利用して緻密化する、などの方法が提案されている。しかし、実際にはこれらの方法では緻密化、あるいは先述の二次スピネルの高純度化(Cr含有量を増加させる)による耐食性向上、熱間強度向上には有効であるが、スピネル鉱物はCaO、SiOを主体とするスラグとの反応性に乏しいため、スラグ浸潤の抑制には有効性が限られており、特に熱履歴を受ける使用条件の窯炉では構造的スポーリングが発生し、耐用面での改善効果は不十分であった。
特許文献2には、焼成後に酸化クロム微粉末を含浸したFe−Cr合金添加マグクロれんがが記載されている。具体的には、焼成耐火物を、平均粒度0.6μmの酸化クロム微粉末を5vol%の界面活性剤を添加したイオン交換水(pH7)中に分散した水溶液中に浸し、これを真空に減圧して耐火物気孔中に酸化クロム微粉末を含浸する方法が記載されている。この含浸により、溶融スラグの浸透経路となる半径5μm以上の開気孔を細孔化し、かつ不連続にすることが可能となり、スラグ浸透が抑制されると記載されている。また、気孔内に充填された酸化クロムはスラグと反応し粘性の高い液相を生成するため、それ以上のスラグ浸透が防止されるとも記載されている。
しかしながら、平均粒度0.6μmの酸化クロム微粉末を分散した水溶液中へれんがを含浸しても、内部まで酸化クロム微粉末を含浸することは不可能である。その理由は、酸化クロム微粉末を含む水溶液がれんがの微細な気孔に浸入すると、瞬時に水分のみがれんが組織中に吸い込まれて酸化クロム微粉末の濃度が急上昇し、水溶液は高粘性なスラリーとなるため、表面近くの気孔が詰まってしまうためである。このため、実際にはスラグ浸透抑制効果はほとんど得られない。
特公昭57−57428号公報 特開平9−52755号公報
本発明の課題は、従来のマグクロれんがの弱点であった耐スラグ浸潤性を著しく改善し、耐用性を著しく向上させることにある。
上記課題を解決するために種々研究を積み重ねた結果、クロム(III)塩をクロムイオンの状態として水などの溶液中に溶解させた溶液としてマグクロれんが中に含浸させることで、れんがの内部の微細な気孔まで均一にクロム(III)塩を含浸し、その後加熱することでクロム(III)塩が分解しCr(エスコライト)を生成させることができ、耐スラグ浸潤性を著しく改善したマグクロれんがが得られることを知見した。
すなわち、本発明は、マグクロれんがに、クロム(III)塩を溶解した溶液を含浸することを特徴とする塩基性れんがの製造方法である。
れんがの組織中に鉱物相としてのCr(エスコライト)を存在せしめることによって、耐スラグ浸潤性が著しく向上する。すなわち、Cr(エスコライト)は二次スピネルに比べてスラグとの反応性が高いため、優先的にスラグと反応し、スラグの融点を上昇させることによって、れんが内部へのスラグ浸潤を強力に抑制する。しかも、本発明においては、クロム(III)塩がクロムイオンとしてれんがの組織に内部まで均一に浸透するため、微細な気孔にもこのCr(エスコライト)が存在することになり、その結果極めて優れたスラグ浸潤抑制効果が得られる。
クロム(III)塩としては、酢酸クロム(III)、硫酸クロム(III)、硝酸クロム(III)および塩化クロム(III)のうち1種以上を使用することができる。これらの化合物が好適な理由としては、クロム(III) 塩の中で比較的入手しやすいこと、水などの溶媒への溶解度が高いこと、熱分解後のCr(エスコライト)収率が高いことなどが挙げられる。
さらに、クロム(III)塩の含浸量は、Cr (エスコライト)に換算してマグクロれんが中で0.3質量%以上3質量%以下となるようにする0.3質量%未満では、スラグ浸潤防止効果が不十分となり、3質量%を超えるとれんが組織が緻密になりすぎ、耐熱スポーリング性が低下する。
本発明によって、マグクロれんがのスラグ浸潤、およびそれに伴う構造的スポーリングを著しく減少させることが可能となり、その耐用性を飛躍的に向上させることが可能となる。
本発明においてマグクロれんがとしては、一般的な焼成マグクロれんがであれば問題無く使用することができる。例えば、ダイレクトボンドタイプ、リボンドタイプあるいはセミリボンドタイプ等が使用できる。
クロム(III)塩としては、酢酸クロム(III)、硫酸クロム(III)、硝酸クロム(III)および塩化クロム(III)のうち1種以上を使用することができる。具体的には、酢酸クロム(III)6水塩、硫酸クロム(III)18水塩、硝酸クロム(III)9水塩、塩化クロム(III)6水塩等である。これらのクロム(III)塩のなかでも、塩化クロム(III)6水塩は、溶解度が大きいため含浸量のコントロールが容易であるのでより好ましい。
このクロム(III)塩を、水などの液体にクロムイオンとして溶解したクロムイオン含有溶液を作製し、このクロムイオン含有溶液中にマグクロれんがを浸漬する。
溶液中から取り出されたれんがは、必要に応じて、溶媒を揮発させるために乾燥される。この際に、またはこの後工程として、クロム(III)塩を熱分解するための熱処理を実施することもできる。クロム(III)塩を熱分解するとCr(エスコライト)が得られるが、れんが使用時の加熱によってもクロム(III)塩が熱分解されるため、溶媒を揮発させるための乾燥のみでも特に問題はない。さらに、含浸と乾燥の工程を繰り返すことでクロム(III)塩の含浸量を増やすこともできる。
主たる原料として、マグネシアクリンカー30質量%、クロム鉱20質量%、電融マグクロクリンカー50質量%を配合し、公知の方法によって製造されたマグクロ焼成れんがを表1の通り、クロム(III)塩溶液に含浸した。このマグクロれんがのかさ比重は3.24、見掛け気孔率は14%、1400℃における曲げ強さは12.0MPaであった。含浸条件は常温、常圧で30分間である。その後、れんがを取り出し、110℃×24時間乾燥した。その後、れんがの一部を酸化雰囲気で1200℃×3時間、熱処理した。
表1に記載した「含浸量」は、含浸・110℃乾燥処理前後の試料の質量を測定することによって求めた。なお、各種のクロム(III)塩とCrの式量の比をもって、Cr量に換算表示した。
これらのれんが中の鉱物相を同定し、耐食性試験に供した。
鉱物相の同定にはX線回折法を用いた。また、耐食性試験は回転侵食法にて実施した。条件は1700℃×4時間、使用スラグはCaO/SiO比=1.5の合成スラグを用い、30分ごとにスラグを交換した。試験前後の試料寸法、試験後のスラグ浸潤厚みを測定し、減寸およびスラグ浸潤厚みを、試料「A」の値を100とした指数にて表示した。
その結果、(1)含浸処理を実施した試料は、鉱物相としてクロム(III)塩および/またはCr(エスコライト)が検出されること、(2)含浸処理を実施した試料は、未処理の試料「A」と比較してスラグ浸潤厚みが大きく減少しており、耐スラグ浸潤性に著しい効果があること、の2点が明らかになった。
比較例Hは、平均粒径0.5μm、Cr純度99質量%の酸化クロム微粉末100質量部、分散剤0.3質量部、水60質量部を混練して懸濁液を作製し、この懸濁液にマグクロれんがを含浸したものである。耐食性試験の結果を実施例のマグクロれんがと比較すると、特にスラグ浸潤厚みが大きく、未含浸のもの(試料「A」)とほとんど変わらない。これは先に述べたとおり、酸化クロムの含浸効果が表面近くに限定され、れんが内部の気孔に含浸されていないためと考えられる。
Figure 0004881101

Claims (2)

  1. マグネシア−クロム質れんがにクロム(III)塩を溶解した溶液を含浸す塩基性れんがの製造方法において、クロム(III)塩の含浸量が、Cr (エスコライト)に換算してマグネシア−クロム質れんが中で0.3質量%以上3質量%以下となるようにすることを特徴とする塩基性れんがの製造方法。
  2. クロム(III)塩として、酢酸クロム(III)、硫酸クロム(III)、硝酸クロム(III)および塩化クロム(III)のうち1種以上を使用する請求項1に記載の塩基性れんがの製造方法。
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