JP4881007B2 - 圧縮機のアンロード運転制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機のアンロード運転制御方法に関し、より詳しくは、アンロード運転時の動力を低減し得る圧縮機のアンロード運転制御方法に関するものである。
圧縮機本体の吸込側に吸込調整弁を備え、吐出側に放気弁を備えた圧縮機では、従来から、吐出側の圧力が高くなると前記吸込調整弁を閉じ、前記放気弁を開き、逆に吐出側の圧力が低くなると前記吸込調整弁を開き、前記放気弁を閉じるロード・アンロード制御運転により吐出容量の調整が行われている。しかしながら、消費側で圧縮気体が不要なアンロード運転時においても、吸込調整弁を全閉することなく、ロード運転時の20〜30%の動力を消費するという欠点を有していた。
これは、アンロード運転時に吸込調整弁で完全に吸込流路を閉塞してしまうと、圧縮比が無限大となって吐出した気体の温度が上昇してしまい、運転を継続することが不可能となり、最悪時には、圧縮機本体の損傷に至ってしまうからである。
そこで、上記欠点を解決するため提案されている従来例に係る圧縮機の運転制御方法を、以下添付図4および5を用いて説明する。図4は、従来例に係る給油式スクリュー圧縮機の容量制御系統図、図5は、他の従来例に係る圧縮機の容量調整装置を示す全体構成図である。
図4において、このスクリュー圧縮機は、前記圧縮機本体22の吸込側に吸込調整弁21と、前記圧縮機本体22の吐出側に圧力検出可能に設けられた圧力センサー25の他に、PI制御装置26、圧力調整弁23およびインバータ27を含む容量制御系を備えている。
そして、上記運転方法によれば、前記圧力センサー25により検出された圧力が高くなると、前記PI制御装置26、インバータ27を介してモータ28の回転数を下げ、前記圧力が低くなると、逆に前記モータ28の回転数を上げる回転数制御により前記圧力を一定に保つ容量制御が行われる。
但し、前記モータ28の回転数を下げて行き、インバータ27が過負荷によりトリップする直前になると、このインバータ27、PI制御装置26を用いた前記回転数制御を止め、吸気調整により圧力を保つ容量制御に切り替えられる。即ち、前記圧力調整弁23を開とし、前記圧力が高くなると吸込調整弁21の開度を小さくし、前記圧力が低くなると前記開度を大きくするのである(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来例に係る圧縮機の運転方法によれば、吐出側の圧力が高くなると、前記インバータがトリップする直前までモータの回転数は下げられて行くようになっている。このため、この回転数が低下し過ぎることがあり、この場合、スクリュー圧縮機本体内で圧縮されるガスの吸込側への漏れ量が増大し、圧縮効率が低下するという問題が生じる。
この漏れ量の増大は、スクリューロータ間、スクリューロータとロータ室壁部との間の隙間が油シールされる給油式スクリュー圧縮機に比して、油シールされない無給油式スクリュー圧縮機の場合は、特に顕著である。また、前記漏れ量の増大に伴って、吐出側で異常な温度上昇が生じるという問題もある。
このような問題点を解決するため提案されている従来例として、以下添付図5を用いて説明する。図5において、圧縮機本体31と、吸込み側に吸気調整弁32と、吐出側に圧力検出可能に設けられた圧力センサ33と、この圧力センサ33からの検出圧力を示す圧力信号に基づき上記圧縮機本体31を駆動するモータ34の回転数を制御するための制御信号を出力する制御部35とを備えた圧縮機30の運転方法において、上記回転数が予め定めた設定値よりも大きい場合には上記吸気調節弁32を開とする。
そしてまた、上記制御部35から予め設定した目標圧力に対する上記検出圧力の偏差を打ち消すための制御信号を出力して上記回転数を制御し、上記回転数が予め定めた設定値に達した場合には、上記回転数の制御を停止し、吐出側の圧力変動に対応して上記吸気調整弁32を開閉させる制御に切り換え、吐出側の圧力変動を制御するようにした圧縮機30の運転方法である(特許文献2参照)。
特開平6−10876号公報 特開2002−54578号公報
しかしながら、上記の如く、吐出側の圧力信号に基づいて吸込圧力を調整する圧縮機の運転方法においては、アンロード運転によって圧縮比が大きくなって来たときに、吐出気体温度が異常に上昇してしまう恐れがある。従って、本発明の目的は、アンロード運転時の吐出気体温度の異常な上昇を伴うことなく、アンロード運転動力を低減し得る圧縮機のアンロード運転制御方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る圧縮機のアンロード運転制御方法が採用した手段は、吸込流路の吸込口に容量調整手段が設けられ、アンロード運転時においては、微量の吸込流量のみ許容する前記容量調整手段により吸込まれた気体を圧縮する圧縮機本体を備えている。
同時に、この圧縮機本体の吐出口に一端側が接続された吐出流路を備え、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放出する放気流路に放気弁が設けられた圧縮機のアンロード運転制御方法において、前記吐出流路に設けられた温度検出手段によって吐出気体温度Taを検出するものである。
更に、アンロード運転時には、前記吸込流路の吸込圧力が通常のロード運転圧力となるよう吸込流量を調整して運転を開始し、前記吐出気体温度Taに基づき、当該吐出気体温度Taが予め設定された閾値温度Ts未満の時は吸込流量を微減して、前記吐出気体温度Taが前記閾値温度Ts以上となった時は前記吸込流量を微増するよう、前記容量調整手段による吸込流量を調整することを特徴とするものである。
本発明の請求項に係る圧縮機のアンロード運転制御方法が採用した手段は、請求項1に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法において、温度検出手段によって検出された前記吐出気体温度Taを示す温度信号を制御器に伝達し、この制御器内の演算回路によって演算された結果を基に、前記容量調整手段を制御して吸込流量を調整することを特徴とするものである。
本発明の請求項に係る圧縮機のアンロード運転制御方法が採用した手段は、請求項1または2に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法において、前記容量調整手段が吸込調整弁からなり、この吸込調整弁の弁開度を制御して吸込流量を調整することを特徴とするものである。
本発明の請求項に係る圧縮機のアンロード運転制御方法が採用した手段は、請求項1または2に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法において、前記容量調整手段が、前記吸込調整弁およびこの吸込調整弁の一次側と二次側とを流量調節弁を介装して連結されたバイパス流路からなり、前記吸込調整弁を閉弁するとともに、前記流量調節弁の弁開度のみを制御して吸込流量を調整することを特徴とするものである。
本発明の請求項に係る圧縮機のアンロード運転制御方法が採用した手段は、請求項1乃至のうちの何れか一つの項に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法において、前記容量調整手段の二次側に安全弁を設けて、前記吸込流路内真空度がある一定値以上に至らないようにしたことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る圧縮機のアンロード運転制御方法によれば、吸込流路の吸込口に容量調整手段が設けられ、アンロード運転時においては、微量の吸込流量のみ許容する前記容量調整手段により吸込まれた気体を圧縮する圧縮機本体を備えるとともに、前記吐出流路に設けられた温度検出手段によって吐出気体温度Taを検出し、アンロード運転時には、前記吸込流路の吸込圧力が通常のロード運転圧力となるよう吸込流量を調整して運転を開始すると共に、前記吐出気体温度Taに基づき、当該吐出気体温度Taが予め設定された閾値温度Ts未満の時は吸込流量を微減し、当該吐出気体温度Taが前記閾値温度Ts以上となった時は前記吸込流量を微増するよう、前記容量調整手段を制御して吸込流量を調整するので、吐出気体温度の異常昇温を伴うことなく、確実にアンロード運転時の運転動力を低減できる。
更に、本発明の請求項に係る圧縮機のアンロード運転制御方法によれば、温度検出手
段によって検出された前記吐出気体温度Taを示す温度信号を制御器に伝達し、この制御
器内の演算回路によって演算された結果を基に、前記容量調整手段を制御して吸込流量を
調整するので、アンロード運転時の運転動力を極小化できる。
更にまた、本発明の請求項またはに係る圧縮機のアンロード運転制御方法によれば
、前記容量調整手段を具体化したので吸込流量の調整が容易になり、吐出気体温度の異常
昇温を伴うことなく、確実にアンロード運転時の運転動力を低減できる。
本発明の請求項に係る圧縮機のアンロード運転制御方法によれば、前記容量調整手段
の二次側に安全弁を設けて、前記吸込流路内の真空度がある一定値以上に至らないように
したので、吸込流路内が高真空に至ることなく装置を保護することができる。
先ず、本発明の実施の形態1に係る圧縮機のアンロード運転制御方法を、添付図1を参照しながら以下説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る圧縮機のアンロード運転制御方法を説明するための系統図である。この圧縮機はスクリュー圧縮機であって、雌雄一対のスクリューロータ(図示せず)が噛み合って、ロータケーシング内部に回転可能に収容されてなる構造を有する圧縮機本体1を備えている。
圧縮機本体1の吸込口1aには、吸込流路2が接続され、その吐出口1bには吐出流路3が接続されている。そして、圧縮機本体1を構成する前記雌雄一対のスクリューロータのうちの一方(通常は雄ロータ)がモータ4に接続されている。このモータ4によりスクリューロータを回転させることによって、吸込流路2から供給される気体を、圧縮機本体1にて圧縮し高圧流体として吐出流路3に吐出する。
前記吸込流路2には、その吸込流路2を通過する気体の流量を調整する容量調節手段5が設けられている。この容量調節手段5は、アンロード運転時においては閉塞されており、この閉塞状態においても微量の吸込流量のみ許容するよう構成されている。即ち、前記容量調節手段5は、アンロード運転時の閉塞された状態の吸込流量が、ロード運転時の吸込流量の15〜20%程度となるよう構成されている。このような容量調節手段5は、弁本体6a流路と弁6bとの隙間を、前記吸込流量となるよう狭小に形成された吸込調整弁6からなる。
そして、前記吸込調整弁6の弁6bの開度を、制御器15により制御して吸込流量を調整している。圧縮機のロード運転時には、前記吸込調整弁6の弁6bの開度を全開して吸気を吸い込み、後述する放気弁12を全閉して吐出圧を上げて圧縮空気を製造する。一方、圧縮機がアンロード運転している際には、吸込調整弁6が全閉となっても、前述したような構成によって圧縮機本体1に一定量以下の微量吸気が継続され、低容量の圧縮気体を吐出することが可能なよう構成されている。
また、吐出流路3には、逆止弁9とアフタークーラ10bが設けられている。そして、吐出口1bと逆止弁9の間の吐出流路3から、大気に連通する放気流路11が分岐しており、前記放気流路11には放気弁12が設けられている。即ち、この放気流路11によって、吐出流路3を通過する圧縮気体の一部を大気に放出することができる。
更に、吐出口1bより下流の吐出流路3、換言すれば、前記放気流路11へ分岐する箇所より上流側の吐出流路3には、その流路の吐出気体温度Taを検出可能なように温度検出手段13が設けられている。この温度検出手段13は、熱電対式や測温抵抗式の周知の温度センサーで構成され、検出した吐出気体の温度Taに相当する信号を制御器15に伝達するものである。
そして、この制御器15は、検出された前記吐出気体Taを示す温度信号に基づいて、容量調整手段5である吸込調整弁6の弁6bの開度を制御してアンロード時の吸込流量を調整する。このようなアンロード運転制御方法によって、アンロード時運転動力の低減を図るのである。
アンロード運転時の具体的運転制御方法について更に詳細に述べるならば、前記吸込流路2の吸込圧力が通常のロード運転圧力、即ち、−66.5〜−80.0kPa程度の吸込圧力となるよう容量調整手段5である吸込調整弁6の弁6b開度によって、吸込流量を調整してアンロード運転を開始する。
そして、前記吐出気体温度Taが予め設定された閾値温度Ts未満の時は、前記吸込調整弁6の弁6b開度を閉側に調整して前記吸込流量を微減し、前記吐出気体温度Taが前記閾値温度Ts以上となった時は、前記吸込調整弁6の弁6b開度を開側に調整して前記吸込流量を微増するよう、前記容量調整手段5により吸込流量を調整するアンロード運転方法である。前記吸込流量を低減すれば吐出気体温度Taは上昇し、前記吸込流量を増加すれば吐出気体温度Taは下降する傾向にあるからである。
ここで、アンロード運転開始時において、吸込流路2の吸込圧力が上述したような通常のロード運転圧力になるようにするには、そのような吸込圧力の得られる吸込調整弁6の弁6b開度を予め調査して制御器15に予め設定しておく必要がある。
更に、アンロード運転時の吸込流量の上記調整方法において、温度検出手段13によって検出された前記吐出気体温度Taを示す温度信号を制御器15内の演算回路に伝達し、この演算回路によって演算された結果を基に、制御器15から伝達される制御信号により前記容量調整手段5である吸込調整弁6の弁6b開度を制御して、前記吸込流量を調整するアンロード運転制御方法とするのが好ましい。
また、前記容量調整手段5の二次側に安全弁14を設けて、前記吸込流路2内の真空度がある一定値に達すると、この安全弁14を開放することにより大気を吸引させ、前記真空度がある一定値以上に至らないよう保護するのが好ましい。このような構成とすることによって、容量調整手段5である吸込調整弁6の弁本体6aと弁6b間の隙間の目詰まり等によって、圧縮機の耐真空度以上の高真空に至り圧縮機を破損させるのを防止できる。
次に、本発明の実施の形態2に係る圧縮機のアンロード運転制御方法について、本発明の実施の形態2に係る圧縮機のアンロード運転制御方法を説明するための系統図である添付図2を用いて以下に説明する。尚、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、容量調節手段5の構成に相違があり、その他は同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、その相違する点について以下説明する。
即ち、本発明の実施の形態2に係る容量調節手段5は、図2に示す如く、吸込調整弁6およびこの吸込調整弁6の一次側と二次側とを流量調節弁8を介装して連結されたバイパス流路7からなる。そして、前記吸込調整弁6の弁6bとバイパス流路7の前記流量調節弁8の開度を、制御器15の出力信号により制御して吸込流量を調整している。
このようにして、圧縮機のロード運転時には、前記吸込調整弁6の弁6bや流量調節弁8の開度を全開して吸気を吸い込み、後述する放気弁12を全閉して吐出圧を上げて圧縮空気を製造する。一方、圧縮機がアンロード運転している際には、吸込調整弁6を全閉しバイパス流路7に介装された流量調節弁8を全開として、圧縮機本体1に微量の吸気のみが継続され、低容量の圧縮気体を吐出することが可能なよう構成されている。
そして、吐出流路3に設けられた温度検出手段13により検出された吐出気体温度Taを示す温度信号に基づいて、制御器15の出力信号によって、バイパス流路7に介装された前記容量調整手段5を制御してアンロード時の吸込流量を調整する。このようなアンロード運転制御方法によって、アンロード時運転動力の低減を図ることができるのである。
更に、アンロード運転時の具体的運転制御方法としては、前記吸込流路2の吸込圧力が通常のロード運転圧力、即ち、−66.5〜−80.0kPa程度となるよう前記流量調節弁8によって、吸込流量を調整してアンロード運転を開始する。
そして、前記吐出気体温度Taが予め設定された閾値温度Ts未満の時は、制御器15の出力信号により、前記流量調節弁8の弁開度を閉方向に閉めて前記吸込流量を微減し、前記吐出気体温度Taが前記閾値温度Ts以上となった時は、前記流量調節弁8の弁開度を開方向に開けて前記吸込流量を微増するよう、前記容量調整手段5により吸込流量を調整するのである。
ここで、アンロード運転開始時において、吸込流路2の吸込圧力が上述したような通常のロード運転圧力になるようにするには、バイパス流路7に設けた前記流量調節弁8が全開時に上記吸込圧力となるものを選定しておくのが好ましい。
以上の如く、吐出側の温度信号に基づいて吸込流量を調整する本発明に係る圧縮機の運転制御方法によれば、アンロード運転によって圧縮比が大きくなって来たときでも、吐出温度が異常な上昇を伴うことなく、アンロード運転動力を低減し得るスクリュー圧縮機のアンロード運転が可能となる。
次に、本発明の実施の形態3に係る圧縮機のアンロード運転制御方法について、本発明の実施の形態3に係る圧縮機のアンロード運転制御方法を説明するための系統図である添付図3を用いて以下に説明する。尚、本発明の実施の形態3が上記実施の形態1と相違するところは、スクリュー圧縮機が2段圧縮機である構成に相違があり、その他は同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、その相違する点について以下説明する。
即ち、図3において、本発明の実施の形態3に係る2段スクリュー圧縮機は、1段目の低段圧縮機本体16の低段吐出流路3aに2段目の高段圧縮機本体17の高段吸気口17aが接続され、前記低段吐出流路3aに低段吐出温度検出手段13aおよびインタークーラ10aが介装されている。更に、高段圧縮機本体17の高段吐出口17bに高段吐出流路3bが接続され、前記高段吐出流路3bの放気流路11の分岐点より上流側に高段吐出温度検出手段13b、逆止弁9下流側にアフタークーラ10bを介装して構成される。
そして、前記低段吐出温度検出手段13aによって、低段吐出流路3aの低段吐出気体温度Taを検出可能なように、また、前記後段吐出温度検出手段13bによって、後段吐出流路3bの後段吐出気体温度Taを検出可能なように構成され、検出した前記吐出気体の温度TaおよびTaに相当する信号が制御器15に伝達される。
この制御器15によって、検出された前記吐出気体温度TaおよびTaを示す温度信号に基づいて、容量調整手段5である吸込調整弁6の弁6bの開度を制御してアンロード時の吸込流量を調整する。
即ち、前記低圧吐出気体温度Taまたは高圧吐出気体温度Taが、前記温度Taに対し予め設定された低圧閾値温度Tsと、前記温度Taに対し予め設定された高圧閾値温度Tsとの関係において、Ta<TsまたはTa<Tsの何れか一方を満たす時は、前記吸込調整弁6の弁6b開度を閉側に調整して前記吸込流量を微減するよう運転制御する。
同時に、前記低圧吐出気体温度Taまたは高圧吐出気体温度Taが、前記低圧閾値温度Tsと高圧閾値温度Tsとの関係において、Ta≧TsおよびTa≧Tsの両者が成立する時は、前記吸込調整弁6の弁6b開度を開側に調整して前記吸込流量を微増するよう、前記容量調整手段5により吸込流量を調整するアンロード運転制御方法である。このような2段圧縮機のアンロード運転制御方法によって、吐出温度の上昇を伴うことなく、2段圧縮機のアンロード時運転動力の低減を図ることができるのである。
尚、本実施の形態3においては、容量調整手段5が吸込調整弁6である実施例で示したが、前記容量調整手段5が、図2に示した如く、前記吸込調整弁6およびこの吸込調整弁6の一次側と二次側とを流量調節弁8を介装して連結されたバイパス流路7からなり、前記流量調節弁8の弁開度を制御して吸込流量を調整することも当然可能である。
以上のように、本発明に係る圧縮機のアンロード運転制御方法によれば、容量調整手段によりアンロード運転時においても、一定量以下の吸込流量を許容する吸込流路から吸込まれた気体を圧縮する圧縮機本体を備え、前記吐出流路に設けられた温度検出手段によって吐出気体温度Taを検出し、この吐出気体温度Taを示す温度信号に基づき前記容量調整手段を制御して吸込流量を調整するので、吐出気体温度の異常昇温を伴うことなくアンロード運転時の運転動力を低減できる。
また、本発明に係る圧縮機のアンロード運転制御方法によれば、アンロード運転時には、前記吸込流路の吸込圧力が通常のロード運転圧力となるよう吸込流量を調整して運転を開始し、前記吐出気体温度Taが予め設定された閾値温度Ts未満の時は吸込流量を微減し、前記吐出気体温度Taが前記閾値温度Ts以上となった時は前記吸込流量を微増するよう、前記容量調整手段による吸込流量を調整するので、吐出気体温度の異常昇温を伴うことなく、確実にアンロード運転時の運転動力を低減できる。
本発明はスクリュー圧縮機に適用するのが好適であるが、それに限るものではなく、スクリュー式以外の圧縮機、例えば、ロータリ式圧縮機、レシプロ式圧縮機等に適用することもできる。また、給油式圧縮機でも無給油式圧縮機にでも適用可能である。
また、本発明の実施の形態2に係る容量調節手段5は、吸込調整弁およびこの吸込調整弁の一次側と二次側とを流量調節弁を介装して連結されたバイパス流路からなる実施例で示したが、前記流量調節弁の代わりに、オリフィスやベンチュリに代表される絞り機構を代替しても良い。
本発明の実施の形態1に係る圧縮機のアンロード運転制御方法を説明するための系統図である。 本発明の実施の形態2に係る圧縮機のアンロード運転制御方法を説明するための系統図である。 本発明の実施の形態3に係る圧縮機のアンロード運転制御方法を説明するための系統図である。 従来例に係る給油式スクリュー圧縮機の容量制御系統図である。 他の従来例に係る圧縮機の容量調整装置を示す全体構成図である。
符号の説明
1…圧縮機本体, 1a…吸込口, 1b…吐出口,
2…吸込流路,
3…吐出流路, 3a…低段吐出流路, 3b…高段吐出流路,
4…モータ, 5…容量調節手段,
6…吸込調整弁, 6a…弁本体, 6b…弁
7…バイパス流路, 8…流量調節弁, 9…逆止弁,
10a…インタークーラ, 10b…アフタークーラ,
11…放気流路, 12…放気弁,
13…温度検出手段, 13a…低段温度検出手段, 13b…高段温度検出手段,
14…安全弁, 15…制御器, 16…低段圧縮機,
17…高段圧縮機, 17a…高段吸気口, 17b…高段吐出口

Claims (5)

  1. 吸込流路の吸込口に容量調整手段が設けられ、アンロード運転時においては、微量の吸込流量のみ許容する前記容量調整手段により吸込まれた気体を圧縮する圧縮機本体を備えるとともに、この圧縮機本体の吐出口に一端側が接続された吐出流路を備え、前記吐出流路から分岐し前記吐出流路を通過する圧縮気体の一部を放出する放気流路に放気弁が設けられた圧縮機のアンロード運転制御方法において、前記吐出流路に設けられた温度検出手段によって吐出気体温度Taを検出し、アンロード運転時には、前記吸込流路の吸込圧力が通常のロード運転圧力となるよう吸込流量を調整して運転を開始すると共に、前記吐出気体温度Taに基づき、当該吐出気体温度Taが予め設定された閾値温度Ts未満の時は吸込流量を微減し、当該吐出気体温度Taが前記閾値温度Ts以上となった時は前記吸込流量を微増するよう、前記容量調整手段を制御して吸込流量を調整することを特徴とする圧縮機のアンロード運転制御方法。
  2. 温度検出手段によって検出された前記吐出気体温度Taを示す温度信号を制御器に伝達し、この制御器内の演算回路によって演算された結果を基に、前記容量調整手段を制御して吸込流量を調整することを特徴とする請求項に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法。
  3. 前記容量調整手段が吸込調整弁からなり、この吸込調整弁の弁開度を制御して吸込流量を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法。
  4. 前記容量調整手段が、前記吸込調整弁およびこの吸込調整弁の一次側と二次側とを流量調節弁を介装して連結されたバイパス流路からなり、前記吸込調整弁を閉弁するとともに、前記流量調節弁の弁開度のみを制御して吸込流量を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法。
  5. 前記容量調整手段の二次側に安全弁を設けて、前記吸込流路内真空度がある一定値以上に至らないようにしたことを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか一つの項に記載の圧縮機のアンロード運転制御方法。
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