JP4880044B2 - 視覚補助具の個別に必要な加入度を決定するための方法および装置 - Google Patents

視覚補助具の個別に必要な加入度を決定するための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、視覚補助具の個別に必要な加入度を決定するための方法、視覚補助具の個別に必要な加入度を決定するための装置、方法を実施するために設定されたコンピュータ、方法を実施するために設定されたプログラムコードを備えるコンピュータプログラムおよび対応したコンピュータプログラム製品に関する。
以下にまず複数の用語を定義し、本明細書において、これらの用語が用いられた場合には、これらの定義を参照するものとする。
視力Vは、視覚器によって外界のパターンや輪郭をそのものとして知覚する能力の度合いである。無次元量である視覚Vは、V=1′/(個別の角視力) (1)
で定義され、この場合、角視力は、2つの視覚対象をまだ分離したものとして知覚する解像力である(いわゆる「最小分離」)。
眼の被写界深度または結像深度Tは、ドイツ工業標準規格(DIN)19040,5−3.12によれば、網膜像に知覚できない不鮮明さで物点が結像される調節点Aの前後の領域の大きさである。眼の結像深度Tは瞳孔直径および中心視力に関係している。結像深度Tは、瞳孔直径が2.9mm、視力Vが1.0の場合、論理的には調節点Aの両側の0.1dptに対応する距離から生じる。すなわち、調節点「後方」の光方向に10cmと、調節点「前方」の光方向に10cmとの、約0.25dptに相当する20cmの結像深度が生じる(出典:Helmut Goersch, Woerterbuch der Optometrie, 2. Auflage 2001:ヘルムート・ゲルシュ、検眼辞典、第2版 2001)。
使用距離a使用は、被験者によって選択された眼主点Hから物体までの距離である。
加入度Addまたは近用加入度とは、プログレシブ眼鏡レンズまたは累進多焦点眼鏡レンズの遠用部分と近用部分の球面作用の差である。
調節(アコモデーション、ラテン語のアコモダーレ「適合させる、適応させる、当てる、固定する」に由来)とは、異なる距離の対象物を網膜面に鮮明に結像するために眼の内部の光路を変更するためのプロセスである。哺乳類および鳥類では、ヘルムホルツの理論によれば、調節のために弾性的なレンズの形状が変更され、これにより、屈折力を変化させる。シャッハー(Schachar)の理論は、さらに調節時における水晶体の前方移動から出発している。
毛様体筋の緊張と同時に眼は輻輳(ふくそう)運動を行う。すなわち、両眼は互いの方向に向かって移動し、これにより、視軸は固視点で交差する。この輻輳運動は、とりわけ近くにおける両眼の見え方の融合のための前提となる。さらに瞳孔縮小(輻輳縮瞳)が調節される。近くの物体に対し眼を調節する場合の3つの連係する反応、すなわち、調節、輻輳および相乗的な瞳孔反射を近見三要素または輻輳反応と呼ぶ。
遠点屈折度Aは、遠点距離a、すなわち、物体の場所と、調節されていない眼が物体を鮮明に知覚する物体側における主点Hとの距離a物体の逆数である。調節点屈折度Aは、調節点距離a(古:調節距離)、すなわち一時的な調節状態で網膜中心窩で結像され、これにより、鮮明に見える物点の距離a物体の逆数である。
単位時間毎の調節点屈折度Aの調節による変化を、dpt/sで示す調節速度Vと呼ぶ。調節速度Vは、調節時間tに対する調節点屈折度Aの変化比により求められる。調節速度は、年齢および調節前後の調節点屈折度AEV,AEnに関係しており、約2〜5dpt/sである。
ディオプトリ(dpt)で示す調節必要性Aは、DIN5340−15によれば、メートルで表される眼の物体側主点Hからの物体距離a物体の逆数である。眼前に光学系が位置する場合、この光学系により設計された像の距離が物体距離a物体に代替する。
相対調節ΔA相対とは、DIN5340−12によれば、輻輳位置が不変であり、鮮明な両眼単一視域が不変である場合に球面作用を有する眼鏡による調節結果ΔAの強制的な変更として定義されている。
物理的調節ΔA物理(近見調節=機械近視)とは、近くの現実の物体によって近くを意識することに基づき誘起される近見調節A近見である。
調節刺激ΔA刺激とは、固視距離a物体の変更時に最初は不鮮明な網膜像により誘起される調節のための刺激である。
同様にディオプトリ(dpt)で示す調節結果ΔA(古:外部調節)は、DIN5340−99によれば、遠点屈折度Aと調節点屈折度Aと間の差である。
DIN5340−20は、最大調節結果または調節幅ΔAmaxを、遠点屈折度Aと近点屈折度Aとの間の差として定義している。近点屈折度Aは、最大調節時に鮮明に見える眼主点Hから物点までの距離aの逆数である。
小児の場合、調節幅ΔAmaxは約14dptである。これは約58dptの眼の総屈折力に関して、約25%の変化に相当する。高齢の場合には調節幅ΔAmaxは2dpt未満または4%未満の値に低下する。これにより、対象物をまだ鮮明に見ることができる最短距離、近点aは、小児の場合の約a=7cmから高齢の場合のa=50cm以上に増大する。
調節幅ΔAmaxと人の眼の被写界深度Tとの間の正確な分離は今日まで不可能である。それ故、上述の近見三要素の機能によって規定される実際の調節幅ΔAmaxと被写界深度Tとの総和を以下に生理学的な調節幅ΔA maxと呼ぶ。
1922年、デュアンは5000人の通常視力の被験者の見え方を基に平均的な生理学的な調節幅ΔA max,mと年齢との関係を算出した。これらのデータの算出時には、調節幅ΔAmaxと被写界深度Tとは区別されなかった。したがって算出された曲線は両方の作用の重畳である。図15に示したグラフの算出された曲線802は、平均的な生理学的な調節幅ΔA max,mと年齢との関係を示している。上方および下方の曲線804,806はそれぞれ分散の生理学的限界を表している。図16に示したグラフは、最小限の視界aと対応年齢との関係を示している。
調節幅ΔAmaxが減少する原因は、加齢と共に低下する水晶体カプセルの弾性または水晶体皮質の生涯にわたる成長による水晶体厚の増大である(ヘルムホルツ理論)。水晶体カプセルの弾性が失われた場合でさえも残存調節幅ΔAmaxが残ることが突き止められている。さらに調節時の水晶体前方移動から出発しているいわゆるシャッハー理論は、加齢によっても失われずに残る残存調節幅ΔAmaxを説明することができる。
加齢に伴い被写界深度Tを含む調節幅ΔAmaxが約3ディオプトリ未満(新聞を読む場合、遠用眼鏡で35cmを超える距離に新聞を保持しなければならない)に低下した場合を老眼(プレスビオピア)という(図15参照)。単純な読書用眼鏡、遠近両用眼鏡、プログレシブ眼鏡または累進多焦点コンタクトレンズもしくは眼内レンズが老眼を補償することができる。
使用調節ΔA使用とは、長時間にわたって苦情なしに適用することのできる調節Aである。使用調節ΔA使用は、調節幅ΔAmaxの約1/2(ライナー:Reiner)〜2/3(ショバー:Schober)である。
多焦点またはプログレシブ眼鏡レンズ、コンタクトレンズまたは眼内レンズにおける弱視力の人に適した、弱視力の人の要求に適合させた加入度Addを算出するための多数の方法が従来技術により公知である。これらの方法は全て、加入度Addが最小使用距離a使用、minの逆数を超過すべきではない点で共通している。しかしながら、これらの方法は加入度Addの実際値の決定において異なっている。これについては以下に簡単な計算例をもとに説明する。
被験者は、読む場合に、以下に使用距離a使用として示す眼まで40cmの距離をおいて読み物を保持した場合に快適であると感じると仮定する。さらに被験者が読み物を保持する場合の最小使用距離a使用、minは33cmであると仮定する。最小使用距離a使用、minの逆数は3dptである。この3dptは最小使用距離a使用、minのための調節必要量Aである。
被験者が例えば50歳である場合、図15のデュアンのグラフによれば、被験者は約2dptの残存調節幅ΔAmaxを有している。実際に使用する調節量、使用調節ΔA使用は、ライナーの理論によれば残存調節幅ΔAmaxの約半分(ショバーの理論によれば約2/3)なので、被験者は自分の調節幅ΔAmaxの約1dpt(ショバーによれば1.5dptまで)を実際にも使用するであろう。上記のように被験者の最小使用距離a使用、minが33cmの場合には、この被験者のための眼鏡レンズ、コンタクトレンズまたは眼内レンズのための正確な加入度Addは、ライナーによればやはり2dpt(またはショバーによれば1.5dpt)となるであろう。
この例では、読み物は読むときに被験者の眼までおおむね40cmの使用距離a使用(本発明では読む距離)に位置するので、使用調節ΔA使用が約1dpt(またはショバーによれば約1.5dpt)の場合には、1.5dptの加入度Addがあれば被験者の要求は十分に満たされるであろう。被写界深度Tを含む残存調節幅ΔAmaxにより、被験者はわずか1.5dpt(またはショバーによれば1dpt)の加入度Addにより33cmの使用距離a使用で鮮明に読むことができる。したがって、眼鏡レンズ、コンタクトレンズまたは眼内レンズにおける被験者の要求に合わせて最適化した加入度Addは、ライナーの理論によれば1.5dpt(またはショバーによれば1.0dpt)であり、2.0dptを超過すべきではない。
残念なことに、現状では高めの加入度Addが処方されることが多く、その結果、視覚補助具の着用者は得られたレンズ設計に不満であることが多い。
次の段落では、発明者の見解に従い、眼鏡レンズ、コンタクトレンズまたは眼内レンズの加入度Addを決定するために最も頻繁に使用される方法の概要およびこれらの方法それぞれの不十分な点を説明する。
1.推定表に基づく加入度決定
加入度を決定するために最も頻繁に使用される方法では、次に表1として示す推定表が得られる。
Figure 0004880044
この推定表は、年齢段階および望ましい使用距離a使用における平均的な生理学的な調節幅ΔA max,mを示している。この推定表は、上記および図15に示したデュアンの曲線に基づいている。
この方法では、まず被験者に適した使用距離a使用を決定する。使用距離a使用は、被験者が最も頻繁に使用する、眼の物体側主点Hと知覚すべき物体との間の距離を示している。次いで上記表に基づき被験者の年齢に応じて加入度Addを推定する。
この方法は推定にのみ基づいており、年齢と使用距離a使用しか考慮されていないので極めて不正確である。
この方法の不十分な点は既に早期にわかっていた。推定表に基づき決定された加入度Addの試験、および場合によっては補正をも可能にする方法が開発された。次に幾つかの選択した実施例を紹介する。
2.赤緑コントラスト補償を用いた1.の推定表に基づく加入度決定
この方法では、1.で説明した方法により算出した加入度Add暫定に対応するディオプトリ作用を有する赤および緑の視力表を、両眼のために適宜な使用距離a使用で被験者に提示する。被験者は、視力表をコントラストが等しくなるまで比較するよう促される。具体的には、被験者は視力表の赤および緑の焦点の輝度を比較する。視力表の赤い焦点の方が暗く見えた場合、加入度Addを低減するか、または物体距離a使用を増大する必要がある。視力表の緑の焦点の方が暗く見えた場合、加入度Addを増大するか、または物体距離a使用を低減する必要がある。視力表の赤および緑の焦点の輝度が等しく感じられた場合、割り当てられた加入度Addは合っている。
この方法も同様に上記推定表の使用に基づいているので極めて不正確である。さらにこの方法は、被験者の主観に基づいている。全ての視力表は同じ明るさで見えると被験者がとっさに述べた場合、眼鏡技師は検査の途中で物体距離a使用を変更し、被験者がテストにそもそも反応しているのかどうかを調べなければならない。さらに、50歳未満の被験者は物体平面に正確に調節するのではなく、物体平面の少し手前に調節することがわかった。この差は人間の眼の被写界深度Tにより補償され、その結果、眼鏡技師は高すぎる加入度Addを算出してしまうことになる。それ故、年齢に応じて次に示す表2に対応した補正値が差し引かれる:
Figure 0004880044
この方法は推定にのみ基づいており、年齢、使用距離a使用および両眼のコントラストしか考慮しないので極めて不正確である。
3.主観的に決定される調節幅を考慮した加入度決定
この方法では、十分に大きい距離をおいて適当な視力検査表(例えば、いわゆる「デュアンの線図」)を被験者に提示する。次いで被験者が視力検査サンプルが不鮮明に見えると述べるまで眼と視力検査サンプルとの間の距離を短縮する。物体と主点Hとの間のこの距離の逆数は、眼の被写界深度Tを含む調節幅ΔAmaxと一致している。加入度Addとして、ライナーの提案に従い逆数の1/2を採用する。すなわち、ライナーは、実際の使用調節ΔA使用は、調節幅ΔA maxのちょうど半分であることを出発点としている。ショバーは、係数1/2の代わりに係数2/3を提案している。
片眼についてテストを行う場合、調節刺激ΔA刺激は、網膜の不鮮明さおよび近くを意識することのみによって誘起され、これに対して、両眼テストでは、眼の輻輳も調節刺激ΔA刺激に影響を及ぼす。両眼視力は、調節幅ΔA maxを約0.5dptだけ高める。
この方法は、実際の調節幅ΔAmaxおよび被写界深度Tの総和から求める主観的に決定された生理学的な調節幅ΔA max
ΔA max=ΔAmax+T (2)
および推定した使用調節ΔA使用のみを考慮しており、それ故、極めて不正確である。
4.相対的な調節を考慮した加入度決定
この方法では、まず再び1.で説明した方法を用いた推定表(表1)により、適宜な加入度Add暫定を算出する。次いで適宜な視力検査表(例えばデュアンの線図)を使用距離a使用で固定する。いま加入度Add暫定を、被験者がまだ鮮明に見える加入度Add+まで高める。次いで、加入度Add暫定を、被験者がまだ鮮明に見える加入度Add−まで下げる。最も強い加入度Add+と最も弱い加入度Add−との総和を2で割ると必要な加入度
Add=(Add++Add−)/2 (3)
が得られる。
この方法は、年齢、使用距離a使用、相対調節A相対、および使用調節ΔA使用の推定のみを考慮しており、それ故、不正確である。
したがって、当業者に公知の従来技術による加入度Addを決定するための上記方法は全て仮定または推定に基づくものなので不正確である。上記方法は全て主観的な方法であり、主観的な測定方法の一般的な欠点を有している(すなわち、測定状況における被験者の意見、被験者の知覚などの有効性)。
Helmut Goersch, Woerterbuch der Optometrie, 2. Auflage 2001 Heinz Diepes, "Refraktionsbestimmung" Verlag Heinz Postenrieder, Pforzheim, 2. Auflage, 1975. S. 414 Scaling Zernike expansion coefficients to different pupil sizes, J. Opt. Soc. Am. A, Vol. 19, No. 10 ,1937〜1945頁 Principles of Optics", Cambridge University Press, 7th expanded edition, 370〜371頁 Helmut Goersch, Zeiss Handbuch fuer Augenoptik, Auflage 2000, 35頁 Heinz Diepes "Refraktionsbestimmung" Verlag Heinz Postenrieder, Pforzheim, 2. Auflage, 1975, S. 28
本発明の課題は、視覚補助具の個別に必要な加入度を従来技術に比べて正確に決定するための方法およびこの方法を実施するために適した装置を提案することである。
この課題は、
請求項1に記載の方法、すなわち、(a)暫定的な加入度(Add暫定)を算出するステップと、
(b)眼の被写界深度(T)を個別に算出するステップと、
(c)ωを0<ω≦1の範囲の実数とする次式:
Add=Add暫定−ωT
に従って前記加入度(Add)を計算するステップと
を含むことを特徴とする視覚補助具の個別に必要な加入度を算出する方法;
請求項23に記載の装置、すなわち、
(a)暫定的な加入度(Add暫定)を決定するための加入度決定手段と、
(b)眼の被写界深度(T)を個別に決定するための被写界深度決定手段と、
(c)ωを0<ω≦1の範囲の実数とする次式:
Add=Add暫定−ωT
に従って前記加入度(Add)を計算するための加入度測定手段と
を備えることを特徴とする眼のため視覚補助具の個別に必要な加入度(Add)を決定する装置;
請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法を実施するために設定されていることを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ;
請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実施する場合のために設定されたプログラムコードを備えることを特徴とする請求項20に記載のコンピュータプログラム;および、
請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実施する場合のために設定されたプログラムコードを備えることを特徴とする請求項22に記載のコンピュータで読取可能なデータ担体により解決される。本発明の有利な実施形態および改良形態が従属請求項に記載されている。
発明者は、上記方法のほとんどは、年齢および40cmの標準使用距離a使用に基づいており、実際の調節幅ΔAmax、実際の被写界深度Tおよび被験者の習慣は考慮されていないか、または不十分にしか考慮されていないことを突き止めた。この事実は、一般に高すぎる加入度Addを仮定してしまうという結果を招いた。不要に高い加入度Addは、とりわけ補正レンズの中間領域および近領域における使用可能な可視範囲が縮小されるという形で設計を劣悪化し、その結果、眼鏡着用者にはっきりとわかる欠点が生じる。
本発明は、むしろ眼の被写界深度Tを考慮し、かつ/または、これまでは推定していただけであった、それぞれの被験者の眼の特徴を個別に決定し、有利には客観的に得られたこれらの特徴を基に、被験者のための視覚補助具に必要な最適な加入度Addを算出するという思想に基づいている。
眼のための視覚補助具の個別に必要な加入度Addを決定するための本発明の方法は、
(a)例えば、上記方法のいずれかにより暫定的な加入度Add暫定を決定するステップと、
(b)眼の個別の被写界深度Tを決定するステップと、
(c)ωを0<ω≦1の範囲の実数とする次式:
Add=Add暫定−ωT (4)
に従って加入度Addを計算するステップと
を含む。通常ωの値は、1/4≦ω≦3/4の範囲である。すなわち、被写界深度Tを重み付けするための係数ωに適宜な値は、例えば0.5または2/3である。
方法を実施するための適宜な装置は、
(a)被験者の眼のための暫定的な加入度Add暫定を決定するための加入度決定手段と、
(b)被験者の眼における個別の被写界深度Tを測定するための被写界深度測定手段と、
(c)前記式(4)に従って加入度Addを計算するための計算手段と
を含む。
眼のための視覚補助具の個別に必要な加入度Addを決定するための本発明による別の方法は、
(a)調節幅ΔAmaxを個別かつ客観的に決定するステップと、
(b)使用距離a使用を個別に決定するステップと、
(c)σを0<σ≦1の範囲の実数とする次式:
Add=1/a使用−σΔAmax (5)
に従って加入度Addを計算するステップとを含む。概して、σの値は1/4≦σ≦3/4の範囲であり、したがって、例えば1/2、2/3または5/12であってもよい。
本発明による適宜な装置は、
(a)調節幅ΔAmaxを個別かつ客観的に測定するための調節幅測定手段と、
(b)使用距離a使用を個別に決定するための使用距離決定手段と、
(c)前記式(5)に従って加入度Addを計算するための加入度計算手段と
を含む。
上記の本発明による方法は、例えばそれぞれの方法を実施するために適宜に設定されたコンピュータで実施することができる。
コンピュータでそれぞれの方法を実施するためにプログラムコードを備えたコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品を設定してもよい。コンピュータプログラムは、機械読取可能なデータ担体に記憶させてもよい。
暫定的な加入度Add暫定は、例えば生理学的な調節幅ΔA maxを推定することにより決定することができる。例えば、上記のデュアンによるグラフを使用することもできる。暫定的な加入度Add暫定の計算は、例えば上記方法1または2により実施することができる。暫定的な加入度Add暫定を計算するためのこれらの方法は、使用する眼鏡技師にも知られていることにより特に優れている。それ故、本発明による方法を使用するために眼鏡技師に対して講習を実施することはほとんど不要である。
暫定的な加入度Add暫定は、実際の調節幅ΔAmaxの推定に基づき決定することができる。実際の調節幅ΔAmaxの推定は、例えば被験者が距離補正により適宜な読取サンプルを、読取サンプルがまさに不鮮明に見えるまで眼に近づけることにより行う。メートルで測定した読取サンプルと被験者の眼の主点Hとの距離a使用の逆数が調節幅ΔAmaxとなる。
使用調節ΔA使用の推定は、同様に暫定的な調節Add暫定を決定するための基礎としての役割も果たす。使用調節ΔA使用は、例えばライナーによれば調節幅ΔAmaxの半分であると仮定する。ショバーは、これを調節幅ΔAmaxの2/3までと仮定している。
暫定的な加入度Add暫定は、例えば生理学的な調節幅ΔA 使用を個別に測定することによっても計算することができる。本明細書導入部の3.で説明した例は、この方法により暫定的な加入度Add暫定を決定するための提案である。
生理学的な調節幅ΔA maxの決定は、例えば、遠方に完全に補正された被験者が適宜なテスト図形を近づけ、距離aの近点を片眼で探し出すことにより行う。近点は、公知のように調節における最大の緊張を要するので、測定をできるだけ素早く、すなわち、調節時間(t<t)内に行う必要がある。さもなければ、生理学的な調節幅ΔA maxではなく使用調節ΔA使用を測定する危険性がある。生理学的な調節幅ΔA maxはメートルで測定した近点距離aの逆数:
ΔA max=1/a (6)
から生じる。
別の可能性は、被験者の眼主点Hに対して、適宜なテスト図形を、例えば2.5dptの調節点屈折度Aに対応した40cmの調節距離aに位置決めすることである。被験者がテスト図形を鮮明に見た場合、テスト図形がちょうどぼやけるまで両眼にネガティブな球面レンズが与えられる。テスト図形が被験者に鮮明に見えなかった場合、テスト図形がちょうど鮮明に見えるまで両眼にポジティブな球面レンズが与えられる。ネガティブまたはポジティブな球面レンズにより算出されたレンズの球面作用の算出値S′両眼を記録する。生理学的な調節幅ΔA maxは、次式:
ΔA max=A−S′両眼 (7)
により求められ、
=2.5dptである。この可能性の欠点は、両眼の測定状況により誘起される輻輳である。
生理学的な調節幅ΔA maxを決定するための別の可能性を以下に説明する。
図16の曲線に基づき、被験者の年齢に平均的な最小可視範囲aに相当する距離a使用で被験者に適宜なテスト図形を提示する。テスト図形がそこで鮮明に認識された場合、テスト図形がちょうどぼやけるまで片眼にネガティブ球面レンズが与えられる。テスト図形がそこで鮮明に認識されなかった場合、テスト図形が鮮明になるまで片眼にポジティブな球面レンズが与えられる。個別の生理学的な調節幅ΔA maxが、平均的な最小可視範囲aPデュアンの逆数(図15のグラフにおける真ん中の曲線による平均的な生理学的な調節幅ΔA maxに相当する)および与えられたレンズS′片眼の算出値から求められる。これについては次式:
ΔA max=ΔA max,m,−S′片眼 (8)
が成り立ち、この場合、
ΔA max,m,=1/aPデュアン (9)
である。
詳細を上述した3つの変化形態では、図17に示すような調節計を使用することもできる(Heinz Diepes, “Refraktionsbestimmung” Verlag Heinz Postenrieder, Pforzheim, 2. Auflage, 1975. S. 414:ハインツ・ディーペス「屈折度決定」、ハインツ・ポステンライダー社、プフォルツハイム、第2版、1975年、414頁)。
実際の調節幅ΔA maxの個別測定を実施することもできる。米国特許第6,554,429号明細書には、例えば実際の調節幅ΔAmaxを波面測定により客観的に決定することが公知である。客観的に決定された調節幅ΔAmaxを考慮したこの方法を実施することにより精度が著しく改善される。
最後に、実際の個別の使用調節ΔA使用を測定することもでき、これを用いて暫定的な加入度Add暫定を決定することもできる。この実施例は、説明導入部の4.に記載の方法である。
使用調節ΔA使用を決定する場合に、遠くのために完全に補正された被験者には、推定した加入度Add推定を測定用眼鏡に入れることができる。被験者は、いま適宜なテスト図形をちょうど鮮明に認識できるまで片眼で眼に近づけるよう促される。これは近点距離aに相当する。いま被験者は、弱められた調節ΔAによりテスト図形が不鮮明に見えるまで片眼でテスト図形を見るよう促される。次のステップでは、被験者はテスト図形が再び鮮明に見えるまで(調節点aに相当する)テスト図形を自分から離して保持するよう促される。メートルで測定された調節点までの距離aの逆数は、使用調節ΔA使用となり:
ΔA使用=1/a (10)
が成り立つ。
本発明の特別な構成では、使用距離a使用を決定し、暫定的な加入度Add暫定を次式:
Add暫定=1/a使用−σΔAmax (11)
に従って計算することもでき、この場合、σは、0≦σ≦1の範囲の実数である。暫定的な加入度Add暫定は純粋な計算値なので、これを実際に使用距離a使用の逆数と同等であるとみなすこともできる。
使用距離a使用は、例えば個別に決定することができ、この場合、被験者に対象物を差し出し、使用距離a使用としては、眼の物体側主点Hと被験者がリラックスして視た場合に対象物が位置する場所との距離を仮定する。この場合、被験者の使用距離a使用の個別の決定は基本的に所望の読取距離に限定されておらず、例えばコンピュータのモニタでの作業など、他のあらゆる望ましい距離のために決定することができる。
使用距離a使用は、既往歴ならびに被験者が述べた主な視対象およびこれらとの距離によって決定することもできる。上記2つの方法は主観的方法であるが、被験者に対する適宜な質問によってある程度客観化することができる。
しかしながら、使用距離a使用は客観的かつ個別に決定する方がより正確である。客観的に、使用距離a使用は、測定装置が被験者のために1つまたは異なる重要な使用距離a使用を自動的に測定し、場合によっては平均値をとることにより、算出される。国際公開第2008/064379号パンフレットは、例えば、使用距離a使用を決定することもできる読取視力を検出するための装置について記載している。これによれば、表示面に示されたテキストまたは図表からの読取距離a使用を測定する手段が設けられており、被験者は読取距離a使を自由に選択することができる。
調節幅ΔAmaxは、様々な装置により個別かつ客観的に決定することができる。実際の調節幅ΔAmaxは、上記のように、波面測定により決定することができる。したがって、例えば調節幅ΔAmaxを決定するためには、波面測定手段、すなわち波面センサ、例えばシャック・ハルトマン型センサを使用することができる。上述のように、波面センサを用いて調節幅ΔAmaxを決定するための方法は、例えば米国特許第6,554,429号明細書(特に第3欄23行〜第4欄25行、および請求項1を参照のこと)に記載されている。ここには様々な種類の適宜なセンサも記載されている(第3欄10行〜13行を参照のこと)。
しかしながら、実際の調節幅ΔAmaxは、代替的に波面測定または眼の自動屈折度測定により客観的に決定した遠点屈折度Aと、波面測定または眼の自動屈折度測定により客観的に決定した近点屈折度Aとの差として決定することができる。
具体的には、実際の調節幅ΔAmaxの決定は次のステップで行うことができる。
(a)未調節の眼に所定の波面を有する光線を入射させ、網膜で反射した波面を測定するか、または未調節の眼の自動屈折度を測定する。この場合、有利には眼に調節刺激ΔA刺激は提供されない。
(b)ステップ(a)で測定した波面またはステップ(a)で測定した自動屈折度から眼の遠点屈折度Aを計算する。
(c)次いで実際の調節幅ΔAmaxを超過する調節刺激ΔAmaxを眼に提供する。
(d)次いで調節刺激ΔA刺激により調節する眼に所定の波面を有する光線を入射させ、網膜で反射された波面を測定するか、または調節刺激ΔA刺激に基づき調節する眼の自動屈折度を測定する。具体的には、固視距離a、すなわち眼主点Hから眼の調節点までの距離を、眼がもはや固視点に位置する物体を鮮明に知覚することができない状態となるように選択する。
(e)ステップ(d)で測定した波面またはステップ(d)で測定した自動屈折度から、眼の実際の調節点屈折度Aを計算する。
(f)ステップ(e)で計算した実際の調節点屈折度Aを、以下に理想的として示す調節点屈折度A理想と比較する。調節点屈折度A理想は、眼の調節Aが調節刺激ΔA刺激に追従することができる場合に生じる。
(g)次に、調節刺激ΔA刺激を連続的に、または例えば0.05dptの個々のステップで低減し、さらにステップ(e)および(f)に対応して連続して実際の調節点屈折度Aを測定し、理想的な調節点屈折度Aと比較する。
(h)近点屈折度Aとして、例えばステップ(g)で実施した比較では理想的な調節点屈折度Aの変化に最初に追従する実際の調節点屈折度Aを選択する。
代替的には、ステップ(e)に続いてのみ、調節刺激ΔA刺激を連続的に、または個々のステップで低減し、次いでステップ(e)および(f)に対応して連続して実際の調節点屈折度Aを測定し、近点屈折度Aとして、測定した実際の調節点屈折A(または測定した実際の調節点屈折度のいずれか、または測定した実際の調節点屈折度の平均値)を使用する。実際の調節点屈折Aでは、測定した調節点屈折度Aはもはや調節刺激ΔA刺激に追従しない。
さらに代替的には、ステップ(c)の代わりに眼が問題なしに追従する調節刺激ΔA刺激を眼に提供し、次いで調節刺激ΔA刺激を、眼の調節Aがこの刺激ΔA刺激にもはや追従できなくなるまで、場合によってはそれよりもいくらか長い時間、連続的に、または個々のステップで増大させることが可能である。この場合、ステップ(d)〜(h)は、例えば適宜省略することができる。近点屈折度Aとして、例えばステップ(g)で実施した比較が理想的な調節点屈折度Aの変化に最後に理想的に追従する実際の調節点屈折度Aを選択する。もちろん、近点屈折度Aとして、測定した実際の調節点屈折度A(または測定した実際の調節点屈折度のいずれか、もしくは測定した実際の調節点屈折度Aの平均値)を用いることもできる。近点屈折度Aでは、測定した調節点屈折度Aは調節刺激ΔA刺激にもはや追従しない。
暫定的な加入度Add暫定は、例えば使用距離a使用の決定を行った後に次式:
Add暫定=1/a使用−ΔA使用 (12)
に従って計算することができる。
実際の使用調節ΔA使用は、例えば次のようにして測定することができる。調節幅の測定に関して既に説明したのと同様の測定を行うが、より長い時間が測定にかかり、それぞれの調節刺激ΔA刺激を、数秒間、理想的には調節Aが刺激ΔA刺激に完全に追従するまで眼に提供する点で異っている。従って調節刺激ΔA刺激の継続時間tは調節時間tよりも長く選択される。
使用調節ΔA使用を決定するために、遠くのために完全に補正された被験者は、適宜なテスト図形を、このテスト図形をちょうど鮮明に認識できるまで片眼で眼に近づけるよう促される。このテスト図形は、例えば図17に示すような調節計に設けられていてもよい。このようにして算出された距離は、近点距離aに相当する。強度の老眼により調節計レールの長さ、または測定が調節計なしに行われる場合には被験者の腕の長さが、測定のためにもはや十分ではない場合、検査員は勘を頼りに球面加入度を提示する。これは後に測定した使用調節ΔA使用から差し引かれる。いま被験者は、テスト図形が減じられた調節ΔAにより不鮮明に見えるまで、このテスト図形を片眼で視るよう促される。次のステップで、被験者は、テスト図形が(調節点aに対応して)再び鮮明に見えるまで、テスト図形を自分から離して保持するよう促される。メートルで測定した調節点aまでの距離の逆数は、使用調節ΔA使用となる。
暫定的な加入度Add暫定は、例えば従来の方法により、次式:
Add暫定=A−A (13)
に従って、遠点屈折度Aおよび近点屈折度Aから計算することができる。
被写界深度Tは、眼がまだ調節していない最大調節刺激ΔA刺激のちょうど2倍に相当する。
被写界深度Tを決定するために波面測定手段を使用することはここでは不可欠である。被写界深度Tの決定のためだけに自動屈折度測定手段を使用することは不可能である。無水晶体または偽水晶体では、前記方法は、波面測定手段を用いた測定に基づいて被写界深度Tを測定するためにのみ実施可能である。
被験者の眼の個別の被写界深度Tは、遠点近傍の固視距離における、例えば連続的な波面測定または連続的な自動屈折度測定により決定することができる。最大調節刺激ΔA刺激としては、例えば、測定した調節点屈折度Aが波面測定または自動屈折度測定によって算出された遠点屈折度Aとは異なっているか、または対応した遠点屈折度Aにちょうど一致する調節刺激ΔA刺激(固視距離の逆数と一致する)をとり、最大調節刺激ΔA刺激としては、測定した波面が無限の固視距離における波面とちょうど一致しているか、または測定した波面が無限の固視距離における波面とはわずかに異なっている調節刺激ΔA刺激をとる。
波面分析に基づき被写界深度Tを決定するための別の方法は、例えば次のステップを含む。
(a)未調節の眼に所定の波面を有する光線を入射させ、網膜で反射した波面を測定するか、または未調節の眼の自動屈折度を測定する。この場合、有利には眼に調節刺激ΔA刺激は提供されない。
(b)この前後またはこれと同時に眼の瞳孔直径を測定する。この場合、瞳孔直径はステップ(a)の後の状態で測定することが重要である。瞳孔直径の測定は、例えば、眼のカメラ撮影を行い、瞳孔直径を写真から読み取ることにより実施する。
(c)次いで測定した波面を所望の瞳孔直径に換算する。J.シュヴィーガーリンクは、J. Opt. Soc. Am. A, Vol. 19, No. 10 の1937〜1945頁に公開された論文 ”Scaling Zernike expansion coefficients to different pupil sizes(様々な瞳孔サイズにおけるゼルニケ膨張係数の測定)”において、換算の可能性を示した。
(d)さらなるステップでは、所望の要求、例えば読取時の視力V=0.4に対応する所定の空間周波数を有する構造図を備える固視標を準備する。
(e)次いで、例えば平均球面mSphの周辺の、例えば+/−5dptまたは+/−3dptの探索空間=例えば0.05dptまたは0.1dpt段階の遠点屈折度Aを規定し、この場合、
mSph=Sph+Zyl/2 (14)
であり、Sphは球面作用を示し、Zylは被験者のために設けられた視覚補助具のための乱視作用を示す。
(f)さらに、探索空間内のそれぞれの点により得られた平均球面mSph補正の周辺の波面のコンボリューションを行う。補正された波面は、次いで固視ターゲットの構造により畳み込まれる。このコンボリューションは、探索空間で変更された波面により被験者の見え方を刺激するための役割を果たす。
(g)次のコンボリューションの評価は、例えば、コンボリューションにより生じた構造:
Q=(Imax−Imin)/Imax (15)
の最大強度Imaxおよび最小強度Iminから得られる比率の算出により行う。
(h)いまステップ(f)および(g)を探索空間内の全ての値mSph補正のために実施する。これにより、それぞれのmSph補正のために比率Qの値が得られる。
被写界深度Tとして、次いで、比率Qが所定の比率Q所定をちょうど上回るか、または下回る、探索空間の平均球面mSph補正の値の差を仮定しする。マックス・ボーン等は、”Principles of Optics”, Cambridge University Press, 7th expanded edition, 370〜371頁において、相互に隣接する構造においてまだ分離して知覚可能である閾値として、19%の最大強度Imaxとの強度差Imax−Iminの比率Q(いわゆるレイリーの基準)を挙げている:
Q=(Imax−Imin)/Imax=0.19 (16)
波面分析に基づき被写界深度Tを決定するための別の方法は次のステップを含む。
(a)未調節の眼に所定の波面を有する光線を入射させ、網膜で反射した波面を測定するか、または未調節の眼の自動屈折度を測定する。この場合、有利には眼に調節刺激ΔA刺激は提供されない。
(b)この前後またはこれと同時に眼の瞳孔直径を測定する(上記方法参照)。
(c)次いで測定した波面を所望の瞳孔直径に換算する。
(d)さらに遠点屈折度Aの平均球面mSph周辺の、例えば+/−3dptの範囲の包絡面を決定する。包絡面とは、球面収差が生じた場合に像空間における光線を囲む端部である(Helmut Goersch, Zeiss Handbuch fuer Augenoptik, Auflage 2000, 35頁参照)。
(e)次いで、光軸oAを中心とした円柱容積における包絡面の平均球面mSph周辺の、例えば+/−3dptの範囲におけるそれぞれの箇所の強度の総和を求める。
(f)次いで、強度が所定の閾値、例えば19%だけ最大強度よりも小さい包絡面に沿った2つの点の距離から被写界深度Tを決定する。
本発明による加入度Add、Add暫定は、一般にまず片眼について決定する。両眼については、加入度Add、Add暫定は、例えば両眼の視覚補助具のために等しい加入度Add、Add暫定を用いることにより決定することもできる。この場合、片眼ずつ算出された加入度Add,Add暫定の平均値を選択することもできる。代替的には、例えば両眼の視覚補助具のために両方の視覚補助具のために算出された加入度Add、Add暫定のうちより大きい方の加入度を用いることもできる。
本発明は、眼の被写界深度Tを考慮し、かつ/または、これまでは推定していただけであった、それぞれの被験者の眼の特徴を個別に決定し、有利には客観的に得られたこれらの特徴を基に、被験者のための視覚補助具に必要な最適な加入度Addを算出するという思想に基づき、視覚補助具の個別に必要な加入度を従来技術に比べて正確に決定するための方法およびこの方法を実施するために適した装置が得られるという効果を有する。
被験者のための視覚補助具の個別に必要な加入度Addを決定するための本発明による方法の実施例における個々のステップを明示するフローチャートである。 図1に示す方法により個別に必要な加入度Addを決定するために適した装置を示す概略図である。 被験者のための視覚補助具の個別に必要な加入度Addを決定するための本発明による方法の別の実施例における個々のステップを明示するフローチャートである。 被験者の個別の使用距離a使用を決定するための実施例のフローチャートである。 被験者の眼における個別の調節幅ΔAmaxおよび被写界深度Tを決定するための実施例を示すフローチャートである。 調節刺激ΔA刺激に関係して測定した被験者の眼の平均球面mSphを示す図である。 被験者の眼における個別の調節幅ΔAmaxおよび被写界深度Tを決定するための別の実施例を示すフローチャートである。 被験者の眼における個別の被写界深度Tを決定するための実施例を示すフローチャートである。 図8によるフローチャートに従い方法を実施するための固視標の実施例を示す図である。 固視標が遠点aおよび遠点に対して様々な距離で位置する場合に図9による固視標の隣接する2本の線を知覚するための尺度として概略的な強度特性を示す図である。 被験者の眼における個別の被写界深度Tを決定するための第2実施例を示すフローチャートである。 網膜の領域における入口側に平坦な波面を有する、被験者の眼に入射する光線の包絡面の縦断面図である。 網膜平面との距離aNHに関係して図12による包絡面の領域の円柱に含まれた光強度を示す図である。 調節刺激ΔA刺激に関する様々な被験者の眼の調節Aを、A:50歳の被験者の個別の使用調節ΔA使用,50、B:50歳の被験者の個別の調節幅ΔAmax,50、C:デュアンによる50歳の被験者の平均的な調節幅ΔA max,50、D:デュアンによる30歳の被験者の平均的な調節幅ΔA max,30、E:理想的な調節幅ΔAmaxとして示すグラフである。 デュアンによる平均的な生理学的な調節幅ΔA maxと年齢との関係を示す図である。 従来技術による平均的な可視範囲(=近点距離)aと年齢との関係を示す図である。 従来技術による調節計を示す概略斜視図である。
加入度を決定するための実施例
図1は、被験者のために視覚補助具の個別に必要な加入度Addを決定するための本発明による方法の変化形態における個々のステップを示すフローチャートである。図2は、この方法を実施するための適宜な装置を示している。方法および装置の詳細を以下に説明する。
第1ステップ100では、被験者の眼の視覚補助具、例えば眼鏡レンズのための暫定的な加入度Add暫定を決定する。暫定的な加入度Add暫定を決定するための方法として、本明細書の前項1.〜4.に記載の従来技術により公知の使用方法のいずれかを用いる。例えば、被験者が多数のテスト用眼鏡から自分に最適なものを選択する方法を用いてもよい。加入度Add暫定として、図2による屈折ユニット10を用いて、算出された加入度Addを使用することも可能である。この屈折ユニット10は、例えば、視力検査図表、または内部から照明される透明な図表を含んでいてもよく、視力検査表の下縁部は、少なくとも床上1.40mに位置している必要がある。向かい側の壁には、例えば偏向ミラーが取り付けられており、この偏向ミラーは、被験者がこの偏向ミラーの中央に視力検査表の画像を認識するように傾斜させることができる。ミラー中心は座っている被験者のほぼ眼の高さに位置する。さらなる詳細は、例えば、Heinz Diepes “Refraktionsbestimmung” Verlag Heinz Postenrieder, Pforzheim, 2. Auflage, 1975, S. 28(ハインツ・ディーペス「屈折率決定」、ハインツ・ポステンライダー社、プフォルツハイム、第2版、1975年、28頁)に見ることができる。
第2ステップ200では、被験者の眼の個別の被写界深度Tを決定する。被験者の眼の個別の被写界深度Tは、様々な方法で客観的に決定することができる。個別の被写界深度Tを客観的に決定するための一連の方法をさらに説明する。特に図2に示すような波面および被写界深度Tを客観的に決定するための測定ユニット20を使用することもできる。
実際の加入度Addは、第3ステップ300で0〜1までの範囲の係数ωにより重み付けられる個別の被写界深度Tを差し引いた暫定的な加入度Add暫定から求められる。荷重係数ωとしては、例えば1/2または2/3を加えることができる。計算は、図2に示すように、例えば従来のパーソナルコンピュータ30により実施することができる。加入度決定、被写界深度決定および加入度計算は、構成部分10、20および30を統合した単一のコンピュータで行うこともできる。
加入度Addの決定は、両眼の視覚補助具、例えば眼鏡のために片眼または両眼を続けて別個に行うことができる。被験者の右眼および左眼のために異なった加入度Add、Addを備える視覚補助具を設けることもできる。しかしながら、例えば被験者の両眼の視覚補助具のために等しい加入度Add=Add=Addを使用することも可能である。両方の視覚補助具、例えば眼鏡レンズのための共通の加入度Addとして、例えば眼のそれぞれの視覚補助具のために決定された加入度Add=max[Add、Add]の最大値を使用することもできる。
加入度を決定するための別の実施例
図3は、被験者のために視覚補助具の個別に必要な加入度Addを決定するための本発明による方法の別の変化形態における個々のステップを示すフローチャートである。
第1ステップ105では、従来技術とは異なり主観的にではなく、すなわち、被験者が述べた見え方を考慮してではなく、例えば下記方法により客観的に、個別の調節幅ΔAmaxを算出する。
第2ステップ120では、被験者の個別の使用距離a使用を算出する。被験者の個別の使用距離a使用の決定は、例えば、図4に示すステップを含む。この実施例では、被験者に文書が読取見本として差し出される。ステップ122で、被験者は文書を自分にとって快適な距離で保持し、文書の内容を読み上げるよう促される。この場合、ステップ124で、眼主点Hに対する文書の相対位置を算出する。これは、例えば読んでいる被験者をカメラによって横から撮影した画像を評価することによって行う。次いでステップ126で、被験者の眼の主点Hと読取見本の位置との間の距離a使用を算出する。
この距離a使用は使用距離a使用を示している。読取見本に、例えばディスプレイの構成部分として距離センサが位置し、この距離センサが眼主点Hまでの距離a使用を直接に測定することも可能である。
ステップ135では、視覚補助具の加入度Addを、例えばコンピュータなどの適宜な計算器により、使用距離a使用の逆数と、係数σによって重み付けされた個々の調節幅ΔAmaxとの差として計算する。この場合、荷重係数σは0よりも大きく1よりも小さい範囲の値であってよい。上記ライナーの理論によれば、荷重係数σは、例えば1/2の値である。ショバーは、2/3の値を提案している。
調節幅および被写界深度を決定するための実施例
発明者の考察に由来する調節幅ΔAmaxおよび被写界深度Tを決定するための方法200の一実施例は、図5に示すステップを含む。これらのステップを以下に詳細に説明する。
まず未調節の被験者の眼に入射する光線における網膜で反射された波面の測定202を行う。代替的に自動屈折度測定を実施することもできる。ステップ204で、測定した波面または自動屈折度測定により、眼の遠点屈折度Aを計算する。
ここではじめて調節幅ΔAmaxの本来の測定を行う。このために、ステップ206で、波面測定手段または自動屈折度測定手段の固視標が、下方測定範囲の限界に設定される。これは、装置における被験者の眼のための最大可能調節刺激ΔA刺激である。dptで示す調節刺激ΔA刺激とdptで示す調節結果ΔAとの間の理想線がソフトウェアで規定されている。図6は、被験者の眼の(式(14)に対応した)平均球面mSphと、調節刺激ΔA刺激、すなわち、眼主点Hから固視標までの距離の逆数との間の関係を具体的に示している。破線による直線は、対応した平均球面mSphに反映された調節Aが調節刺激ΔA刺激に常に追従している場合の理想例を示している。
ここで、波面または自動屈折値の測定を行い(ステップ208)、その結果から効果的処方値、球面、円柱、軸の計算を行う(ステップ210)。これらの効果的処方値、球面、円柱、軸を固視標の設定と比較し、記憶する(ステップ212)。ここで、固視標をポジティブ球面作用Sphにより素早いステップで変更する(ステップ212)。換言すれば、固視距離は比較的素早く短縮される。素早いとは、ここでは眼が調節刺激ΔA刺激の変化に追従できないことを意味する。ポジティブな球面作用Sphプラスが増大する方向に固視標をそれぞれ変更するために、新たな波面測定または自動屈折度測定を行い、これに続いて眼の遠点屈折度Aの計算を行う。ポジティブな球面作用Sphによる固視標の変更は、遠点屈折度A3dpt+3dptまで行う(ステップ216)。図6のグラフでは、調節幅ΔAmaxは、測定線上において被験者が最後に調節しなかった点と被験者が最初に最大限に調節した点との間の鉛直方向差により生じる(ステップ218)。被写界深度Tは、測定線上における遠点屈折度Aに位置する点と、被験者が最後に調節しなかった点との間の水平方向差の2倍から生じる(図6ステップ220)。
調節幅および被写界深度を決定するための別の実施例
調節幅ΔAmaxおよび被写界深度Tを決定するための方法300の別の実施例は、図7に概略的に示すステップを含む。これらのステップを以下に詳細に説明する。
まず上記実施例の場合と同様に、被験者の未調節の眼に所定の波面を有する光線を入射させ、網膜で反射された波面の測定302を行う。代替的には、自動屈折度測定を実施することももちろんできる。測定した波面または自動屈折度測定から、次いで眼の遠点屈折度Aを計算する(ステップ304)。
次いで、波面測定手段または自動屈折度測定手段の固視標を上方測定範囲の限界に設定する。
ここで、波面の測定(ステップ308)または自動屈折度値の測定を行い、その結果から効果的処方値(球面作用、円柱作用、軸位置)球面、円柱、眼軸の計算を行う(ステップ310)。これらの処方値を固視標の設定と比較し(ステップ312)、記憶する。ここで、素早いステップで固視標をネガティブな球面作用Sphの方向に変更する。マイナス方向に固視標をそれぞれ変更するために、新たな波面測定または自動屈折度値測定および続いて眼の遠点屈折度Aの計算を行う(ステップ316)。
図6のグラフでは、調節幅ΔAmaxは、測定線における被験者が最後に最大限に調節した点と、被験者が最初に調節しなかった点との間の鉛直方向差から求められる(ステップ318)。被写界深度Tは、測定線上における遠点屈折度に位置する点と、被験者が最後に調節しなかった点との間の水平方向差の2倍から求められる(ステップ320、図6)。
被写界深度を決定するための実施例
波面分析400を基に被写界深度Tを決定するための方法は、図8に示すステップを含む。これについて以下に説明する。
第1ステップでは、所定の輝度比および固視標との所定距離で被験者の眼における波面測定を行う(ステップ402)。測定条件は眼鏡装着者における個別の問題、すなわち、既往歴から生じるので、ここで一義的に規定することはできない。
所定の輝度が測定時の被験者の眼における瞳孔サイズを決定する。輝度比に基づき調節される瞳孔サイズは測定された波面に決定的な影響を及ぼすことが知られている。しかしながら、波面の測定時の条件は、被験者が普通に対象物を観察する場合の条件、特に、例えば新聞を読む場合の条件と必ずしも同一ではない。それ故、本発明は別のステップ406で、測定した瞳孔直径P測定を含めて測定した波面を望ましい瞳孔直径P目標に換算する。望ましい瞳孔直径P目標は、例えば被験者が日光条件下に新聞を読んだ場合に調節されるであろう瞳孔直径である。望ましい瞳孔直径P目標は、例えば被験者が人工照明下にコンピュータ画面で作業した場合に調節されるであろう直径であってもよい。適宜に調節される瞳孔直径P目標を、多くの場合に考慮される使用条件下に、例えばビデオ撮影により、客観的に決定できることは理にかなっている。
さらなるステップで、所定の空間周波数を有する固視標を、所望の要求、すなわち、読書時の視力V=0.4に対応して規定する。図9はこのようなパターン(テスト画像500)のための実施例を示す。パターンは、この実施例では、6本のストリップ502,503,504,505,506,507からなっており、これらのストリップは、互いに等しい距離dをおいて配置されている。しかしながら、固視標500は通常のように所定距離a使用をおいて視るために被験者に提供されているのではなく、固視標500のパターンが眼主点Hに対して様々な距離a使用をおいて視るために被験者に準備された場合に被験者がこれをどのように知覚するかを、例えばコンピュータによる計算により算出する。具体的には、本実施例では、まず遠点屈折度Aの平均球面mSph周辺の例えば+/−3dptまたは+/−5dptの探索空間Rを、例えば0.05dptまたは0.1dptステップで規定する(ステップ410)ことにより算出する。次いで、探索空間の点を中心として補正された波面による固視標500のパターンのコンボリューション(畳み込み演算)、すなわち、固視標500と眼主点Hとの間の距離a使用の変更により様々に知覚可能な固視標500のパターン502,503,504,505,506,507の決定を行う。
次のステップ414では、コンボリューションにより得られた固視標500のパターン502,503,504,505,506,507の評価を行う。図10は、平均球面mSph、すなわち、測定された球面および半円柱状の屈折値の総和(Sph+Cyl/2)に関係したコンボリューション後における、固視標500のパターン502,503,504,505,506,507の隣接する2本の線(例えば図9の503および504)の強度特性を示す。パターンの知覚可能性の質に関する尺度は、増大された強度I,フォトメトリックコントラストによる隣接した線の別個の知覚可能性である。前述の ”Principles of Optics (光学原理)” により、相互に隣接する領域の強度差ΔIは、小さい方の強度Iminが大きい方の強度Imaxと19%よりも大きく異なる場合には別個に知覚可能であることが知られている。それ故、本発明では、図10に示すように、例えば算出した強度特性Iの強度最大値Imaxおよび強度最小値Iminを決定し、これら算出した極値Imin、Imaxの差ΔIを計算し、そこから得られる値を探索空間内の全ての値Sph補正のために所定の閾値S、例えば19%の値と比較する。次いで被写界深度Tとして、探索空間における閾値Sをまさに超過したか、または下回った点の差を突き止める。
被写界深度を決定するための別の実施例
以下に波面分析に基づき被写界深度Tを決定するための別の方法を図11、図12および図13に基づき説明する。
この方法も所定の輝度比および固視標との所定距離a固視における波面測定502から出発している。これによれば、上記実施例のように、望ましい瞳孔直径P目標への測定した波面の換算504が行われる(ステップ506)。
さらなるステップ508では、遠点屈折度Aの平均球面の周辺±3dptまたは±5dptの範囲で計算により包絡面を決定する。包絡面602とは、図12に示すように、像点の代わりに生じる結像エラーにより物点から生じる光線束における再び離反する前に多少なりとも狭く絞られる狭隘部である。具体的には、例えば、距離aをおいて遠点に向けられた被検者の未調節の眼の角膜を中心とした複数の場所aNHにおける点分散関数PSFを計算により求める。
次いで光軸604に対して所定の距離rまで包絡面602の強度の積分510を行う。図12の円柱容積606はこの包絡面602の強度の積分を示している。この円柱容積は、光軸604に対する積分角度φ=0・・・360°および距離ρ=0・・・rによって得られる。距離rは、例えば要求される視力Vの逆数に等しく設定することができる。図13は、円柱容積606の内部に含まれた、光軸604に沿った包絡面602の強度変化を示している。
最後に、図13に示す被写界深度Tは、光軸604に沿った2つの点P、Pの距離dTに従って決定される。点P、Pでは、強度I、Iは所定の閾値S、例えば19%だけ最大強度Imaxよりも小さい(ステップ512)。
別の使用条件のために被写界深度を決定するための実施例
様々な強度Iをそのものとして知覚できるようになる閾値Sはそれぞれの被験者によって大きく異なることが示された。それ故、この閾値Sを個別に算出し、これにより、被写界深度Tをさらに正確に決定することは有意義である。
所望の、または所定の瞳孔直径P目標に合わせて計測した波面分析に基づき被写界深度Tを個別に決定するための方法は以下のステップを含む。
上に最初に記載した方法のいずれかにより、例えば、第1の瞳孔直径P1のための被写界深度T1が得られる。代替的な上記方法のいずれかに従い、第2の瞳孔直径P2=P1により、これにより計算した被写界深度T2が測定した被写界深度T1に等しくなるように個別の閾値Sindを決定する。
次いで所定の瞳孔直径P目標、例えば3.5mmのための代替的な上記方法のいずれか、および前のステップで決定した閾値Sindにより被写界深度Tを決定する。P1が所望の瞳孔直径P目標よりも小さい場合、T2=T1とする。
要旨
図14は、従来技術との違いを明確にするためのグラフを示している。このグラフでは、様々な被験者の眼の調節Aが調節刺激ΔA刺激に関して記入されている。曲線Eは、理想的な調節A理想の線形変化を示している。理想的な眼は、それぞれの調節刺激ΔAmaxを適宜な調節A理想により補償することができる。
比較のために、デュアンによれば、曲線Dは30歳の平均的な調節Am,30、曲線Cは50歳の平均的な調節Am,50を示す。平均的な30歳の眼は、8dptまでの調節刺激ΔA刺激を補償することができる。より高い調節刺激ΔA刺激のためには、眼の水晶体の弾性が欠如している。平均的な50歳の眼は、もはや2pdtまでの調節刺激ΔA刺激しか補償できない。なぜなら、眼の水晶体の弾性は既にそこまで低下してしまったからである。50歳の残存調節ΔAmaxは2dptである。
調節幅ΔAmaxが個別に大きく異なり、年齢のみに関係しているわけではないことは専門家には自明のことである。曲線Aは、個別に算出された50歳の被験者の使用調節ΔA使用を示している。曲線Bは、50歳の被験者の割り当てられた個別の調節A50を示している。被験者の眼は実際にはまだ3dptの調節幅ΔAmaxを有している。使用されるのは約2dptの使用調節ΔA使用である。
本発明による方法および本発明による装置は、客観的に決定可能な、場合によっては客観的に決定したパラメータ、調節幅ΔAmaxおよび被写界深度Tを考慮している。すなわち、この新規の方法は、被験者の評価を頼りにしていない。このことは、視覚補助具を年配の人または病気の人に適合させる必要がある場合には特に有利である。さらに、加入度Addの通常の0.25dptの定量化を使用する必要はなく、加入度Addを個別に適合させればよい。これは個別に最適化された視覚補助具のためのさらなるステップを意味する。個別の被写界深度Tを考慮することにより、どうしても必要なできるだけ小さい加入度Addを選択することができるという利点が生じ、これにより、特に近領域の視力を失うことなしに眼鏡レンズを柔軟な設計で作製することができる。
Add 加入度
Add暫定 暫定的な加入度
T 被写界深度
ΔA刺激,max 最大調節刺激
ΔAmax 調節幅
ΔA max 生理学的な調節幅
ΔA使用 使用調節
調節時間
t 時間
近点距離
使用 使用距離
物体側主点
物体 距離
遠点屈折度
近点屈折度
Add、Add 加入度

Claims (29)

  1. 眼のための視覚補助具の個別に必要な加入度(Add)を算出するための方法において、
    (a)暫定的な加入度(Add暫定)を算出するステップと、
    (b)眼の被写界深度(T)を個別に算出するステップと、
    (c)ωを0<ω≦1の範囲の実数とする次式:
    Add=Add暫定−ωT
    に従って前記加入度(Add)を計算するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    (a)眼がまだ調節していない最大調節刺激(ΔA刺激,max)を算出し、
    (b)被写界深度(T)を前記最大調節刺激(ΔA刺激,max)の2倍に等しくする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、
    波面測定または自動屈折度測定により、前記最大調節刺激(ΔA刺激,max)を算出する方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法において、
    生理学的な調節幅(ΔA max)の算出および/または実際の調節幅(ΔAmax)の算出および/または使用調節(ΔA使用)の算出に基づいて暫定的な加入度(Add暫定)を算出する方法。
  5. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法において、
    生理学的な調節幅(ΔA max)の個別の測定および/または実際の調節幅(ΔAmax)の個別の測定および/または実際の使用調節(ΔA使用)の個別の測定に基づいて前記暫定的な加入度(Add暫定)を算出する方法。
  6. 請求項4または5に記載の方法において、
    使用距離(a使用)を算出し、
    σを0<σ≦1の範囲の実数とする次式:
    Add暫定=1/a使用−σΔA max
    に従って前記暫定的な加入度(Add暫定)を計算する方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、
    (i)調節時間(t)よりも短い時間(t)内に近点距離(a)を測定するステップと、
    (ii)次式:
    ΔA max=1/a
    に従って生理学的な調節幅(ΔA max)を計算するステップと
    によって前記生理学的な調節幅(ΔA max)を個別に測定する方法。
  8. 請求項4または5に記載の方法において、
    使用距離(a使用)を算出し、
    σを0≦σ≦1の範囲の実数とする次式:
    Add暫定=1/a使用−σΔAmax
    に従って暫定的な加入度(Add暫定)を計算する方法。
  9. 請求項6から8までのいずれか一項に記載の方法において、
    (i)被験者に対象物を差し出すステップと、
    (ii)前記使用距離(a使用)として、眼の物体側主点(H)と、被験者がリラックスして視た場合に対象物が位置する場所との距離を仮定するステップと
    により前記使用距離(a使用)を個別に算出する方法。
  10. 請求項6からまでのいずれか一項に記載の方法において、
    物体と眼の物体側主点(H)との距離(a物体)を測定装置により自動的に測定することにより、前記使用距離(a使用)を客観的かつ個別に算出する方法。
  11. 請求項6から10までのいずれか一項に記載の方法において、
    実際の調節幅(ΔAmax)を波面測定により算出する方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、
    (a)眼の波面測定または眼の自動屈折度測定により遠点屈折度(A)および近点屈折度(A)を算出するステップと、
    (b)ステップ(a)で測定した遠点屈折度(A)とステップ(a)で測定した近点屈折度(A)との間の差として前記実際の調節幅(ΔAmax)を計算するステップと
    により前記実際の調節幅(ΔAmax)を算出する方法。
  13. 請求項4または5に記載の方法において、
    使用距離a使用算出し、
    次式:
    Add暫定=1/a使用−ΔA使用
    に従って暫定的な加入度(Add暫定)を計算する方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、
    (a)調節時間(t)よりも長い時間(t)内に調節点距離(a)を測定するステップと、
    (b)次式:
    ΔA使用=1/a
    に従って使用調節(ΔA使用)を計算するステップと
    により実際の使用調節(ΔA使用)を計算する方法。
  15. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法において、
    を近点屈折度とする次式:
    Add暫定=A
    に従って暫定的な加入度(Add暫定)を算出する方法。
  16. 請求項1から15までのいずれか一項に記載の方法において、
    片眼について、または両眼について前記加入度(Add)を算出する方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、
    両眼の視覚補助具のために等しい前記加入度(Add)を用いる方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、
    前記両眼の視覚補助具のために、両方の視覚補助具のために算出した加入度(Add、Add)のうちの大きい方の加入度を用いる方法。
  19. コンピュータにおいて、
    請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法を実施するために設定されていることを特徴とするコンピュータ。
  20. コンピュータプログラムにおいて、
    請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実施する場合のために設定されたプログラムコードを備えることを特徴とするコンピュータプログラム。
  21. 請求項20に記載のコンピュータプログラムにおいて、
    機械で読取可能なデータ担体に記憶されたコンピュータプログラム。
  22. コンピュータで読取可能なデータ担体において、
    請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実施する場合のために設定されたプログラムコードを備えることを特徴とするデータ担体
  23. 眼のため視覚補助具の個別に必要な加入度(Add)を決定するための装置において、
    (a)暫定的な加入度(Add暫定)を決定するための加入度決定手段と、
    (b)眼の被写界深度(T)を個別に決定するための被写界深度決定手段と、
    (c)ωを0<ω≦1の範囲の実数とする次式:
    Add=Add暫定−ωT
    に従って前記加入度(Add)を計算するための加入度測定手段と
    を備えることを特徴とする装置。
  24. 請求項23に記載の装置において、
    (i)眼がまだ調節していない最大調節刺激(ΔA刺激,max)を決定するための調節刺激決定手段と、
    (ii)前記被写界深度(T)を前記最大調節刺激(ΔA刺激,max)の2倍に等しくさせる被写界深度決定手段と
    が設けられている装置。
  25. 請求項24に記載の装置において、
    前記調節刺激決定手段が、波面測定手段または自動屈折度測定手段を含む装置。
  26. 請求項23から25までのいずれか一項に記載の装置において、
    生理学的な調節幅(ΔA max)の個別の測定および/または実際の調節幅(ΔAmax)の個別の測定および/または実際の使用調節(ΔA使用)の個別の測定を行うために加入度決定手段が設けられている装置。
  27. 請求項26に記載の装置において、
    使用距離(a使用)を決定するための使用距離決定手段が設けられており、
    σを0≦σ≦1の範囲の実数とする次式:
    Add暫定=1/a使用−σΔA max
    に従って暫定的な加入度(Add暫定)を計算するための加入度決定手段が設けられている装置。
  28. 請求項26に記載の装置において、
    前記使用距離(a使用)を決定するための前記使用距離決定手段が設けられており、
    σを0≦σ≦1の範囲の実数とする次式:
    Add暫定=1/a使用−σΔAmax
    に従って暫定的な加入度(Add暫定)を計算するための加入度決定手段が設けられている装置。
  29. 請求項28に記載の装置において、
    前記調節幅決定手段が、波面測定手段を含む装置。
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