JP4878550B2 - 量子ドット操作方法および量子ドット生成操作装置 - Google Patents

量子ドット操作方法および量子ドット生成操作装置 Download PDF

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Description

本発明は、量子ドット操作方法および量子ドット生成操作装置に関し、より詳細には、超流動ヘリウム中にて好ましくは半導体からなる量子ドットを生成させ、光による量子ドットの操作を行う量子ドット操作方法と、この操作方法を行うことが可能な量子ドット生成操作装置とに関するものである。
ナノ物質の典型例として、量子ドット、特に半導体からなる半導体量子ドットが示す特異な物性について、その解明および応用(超低閾値レーザー、量子縺れ合いなど)が盛んに研究されている。
量子ドットの代表的な生成方法としては、(1)化学反応時に自然に粒子を形成する方法や、(2)MBE法が用いられている。MBE法とは、シリコンなど別の半導体のウエハに原子数層分に相当するごく薄い結晶膜として成長させる方法である。
量子ドットは、コンピュータ関連からバイオテクノロジー分野まで幅広くその応用が期待できるものである。量子ドットを上述したような分野に応用しようとする場合、量子ドットの粒子径は均一であることが好ましい。そこで、この応用化への課題となるものとして、量子ドットのサイズや配列を制御する技術が挙げられ、その開発が求められている。
ところで、生成した量子ドットのサイズや配列を制御する技術としては、上述した方法によって作製された量子ドットを、(3)MBE法とプローブ顕微鏡とを組み合わせることによって制御する方法が知られている(Fujitsu corp.:Proceeding of International Conference on the Physics of Semiconductors 2002参照)。
しかしながら、上記従来の技術では、生成した多量の量子ドットを効率的に操作することが困難となっている。
具体的には、まず、上述した(1)や(2)の方法では、生成された多量の量子ドットの粒子径を、量子ドットを光学的に応用する場合に要求されるパーセントオーダー以下のサイズに制御することが困難である。
また、上記(3)の方法では、上記MBE法とプローブ顕微鏡とを組み合わせているので、プローブの操作で、ナノメートルサイズの量子ドットを直接生成できるという利点がある。ところが、この方法ではプローブ1個当たりに1個のドットしか対象とすることが出来ず、また、同時に使用することができるプローブの数は数個である。そのため、例えば、通常プローブ顕微鏡の一画面走査は最速のものでも0.1秒程度かかり、0.1秒で1個のドットを処理できるとして、10個のプローブを同時に使用したと仮定しても、一度に扱えるドットの量は、1秒間に100個程度となる。すなわち、上記(3)の方法によって多量の量子ドットの粒子径のばらつきを制御しようとすると、膨大な時間を必要とする。したがって、その処理効率は低いものとなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、多量に生成した半導体量子ドットを、光学的に応用する場合に要求されるパーセントオーダー以下のサイズで制御できる半導体量子ドットの操作方法および生成操作装置を提供することにある。
本願発明者らは、上記の問題点に鑑みて鋭意検討した結果、ナノ物質の電子的遷移エネルギーに、光が共鳴した場合には、共鳴しない場合に比して3桁または4桁も輻射力が増幅されるということ、さらに、個々の量子ドットが異なる量子力学的な個性を有するために光から受ける力が異なることを利用し、量子力学的個性の異なる量子ドットを光操作することが可能であることに着目し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる量子ドット操作方法は、超流動ヘリウム中にて直接生成した量子ドットに光を照射することにより、当該量子ドットを操作することを特徴としている。
上記量子ドット操作方法においては、上記量子ドットが、超流動ヘリウム中にて、レーザースパッタ法によって生成したものであることが好ましい。また、上記量子ドットに照射される光として、少なくとも1種類のレーザー光が用いられることが好ましく、さらに、当該レーザー光は、量子ドットに生じる輻射力の複数あるピークの、それぞれのピークのエネルギー位置を中心とし、それらのピークの半値全幅の2倍の幅を有する複数の領域の1つ、あるいはいくつかにかかる周波数を有するレーザー光であることがより好ましい。また、複数の種類のレーザー光を用いる場合、これらのレーザー光は、上記領域にかかる、互いに異なる周波数および/または互いに異なる進行方向や形状を有することが好ましい。なお、レーザースパッタ法による量子ドットの生成が上記超流動ヘリウム中にて繰り返し行うことができることが好ましい。また、上記量子ドットは、レーザースパッタ法によって生成した量子ドットに対してレーザースパッタ法を繰り返し行うことによって生成された、当該量子ドットよりも小さいサイズの量子ドットであってもよい。
上記量子ドット操作方法においては、上記量子ドットに照射される光によって、当該量子ドットを基板上に集積および/または固着させることが好ましい。
上記量子ドット操作方法においては、上記量子ドットの材料が、金属、半導体、有機化合物の何れかであることが好ましい。具体的には、例えば、上記半導体としては、I−VII族化合物の半導体を挙げることができ、より具体的には、ハロゲン化銅を挙げることができる。
本発明にかかる量子ドット生成操作装置は、量子ドットを生成させ、かつ、操作することを可能とする内部空間を有する筐体と、当該筐体内に位置し、量子ドットの材料からなる固体を保持する固体保持部と、固体保持部に保持される固体にレーザー光を照射し、レーザースパッタ法によって量子ドットを生成させるドット生成用レーザー光源と、生成した量子ドットにレーザー光を照射し、当該量子ドットを操作するドット操作用レーザー光源とを備えており、さらに、上記筐体は、内部空間内で超流動ヘリウムを保持可能となっていることを特徴としている。
上記量子ドット生成操作装置においては、上記ドット操作用レーザー光源が発する光は、量子ドットの電子的遷移や、電子的遷移により変調を受けたMie散乱などによる輻射力のピークのエネルギー位置を中心とし、そのピークの半値全幅の2倍の幅を有する領域にかかる周波数を有するレーザー光であることが好ましい。また、上記ドット操作用レーザー光源が発する光は、さらに、その輻射力によって、上記超流動ヘリウム中を重力に従って沈降する量子ドットの沈降を停止させるようになっていることが好ましい。また、上記筐体内に、上記ドット操作用レーザー光源が発する光によって操作された量子ドットを集積および/または固着させる基板を備えていることが好ましい。なお、上記筐体としては、ヘリウムクライオスタットを好適に用いることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明に係る量子ドットの生成操作装置の基本構造を示した図である。 本実施例で用いた量子ドット生成操作装置の構成を示す透視図である。 図2に示した量子ドットの生成操作装置によって生成され、操作されたCuCl量子ドットの走査型電子顕微鏡像である。
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
(I)本発明にかかる量子ドット操作方法
本発明にかかる量子ドット操作方法は、超流動ヘリウム中にて直接生成した量子ドットに光を照射することにより、当該量子ドットを操作する方法である。
<量子ドット>
本発明に係る「量子ドット」とは、典型的には数ナノメートルから数百ナノメートルのサイズで、材質としては、半導体、金属、有機化合物から成る構造体で、量子力学的な効果が発現する系であれば特に限定されるものではない。後述する実施の形態では、半導体を用いている。半導体が好適である理由としては、例えば、その内部に励起子などの共鳴構造の鋭い電子状態が存在し、それらに対応する周波数のレーザー光を操作することで、大きな輻射力が得られると考えられるからである。
上記半導体としては、例えば、I−VII族化合物の半導体;II−VI族化合物の半導体;III−V族化合物の半導体;ケイ素(Si);等が挙げられるが特に限定されるものではない。I−VII族化合物の半導体としては、例えば、CuCl、CuBr、CuI等の銅化合物(特にハロゲン化銅)が挙げられる。II−VI族化合物の半導体としては、例えば、CdS、CdSe等のカドミウム化合物、ZnO等の亜鉛化合物が挙げられる。III−V族化合物の半導体としては、GaAs等のガリウム化合物が挙げられる。
これら化合物の中でも、I−VII族化合物およびII−VI族化合物が好ましく用いられ、I−VII族化合物がより大きな効果が期待できる。一般に、半導体は、電子と正孔が結合して共鳴準位の一例である励起子を構成するが、この励起子の固有エネルギーは量子ドットのサイズに依存する。この効果を利用して、あるサイズの量子ドットに共鳴する波長のレーザー光を選択すれば、当該サイズの量子ドットのみを選択することができる。
<量子ドットの生成>
本発明にかかる操作方法では、量子ドットを超流動ヘリウム中で生成させる。このとき、「超流動ヘリウム」とは、2K以下の極低温状態にあると共に熱伝導率も非常に高く熱が散逸しやすいだけでなく、粘性が非常に小さいため拡散の効果や粘性抵抗が非常に小さい超流動状態のヘリウムを指す。上記超流動ヘリウム中にて量子ドットの生成を行うことにより、光が照射されることによって量子ドットに生じる温度上昇に伴う共鳴のぼけを回避することができる。上記共鳴は、後述する量子ドット操作における重要な因子であり、共鳴を効率よく引き起こすために量子ドットの温度上昇は避けることが好ましい。さらに、「超流動ヘリウム」は超流動状態であるため、生成された量子ドットはほとんど抵抗を受けることなく運動することができる。
上記量子ドットは、超流動ヘリウム中にて生成されるものであり、このときの量子ドットの生成方法は特に限定されるものではないが、レーザースパッタ法によって生成することが好ましい。レーザースパッタ法とは、レーザー光を用いたスパッタリング法のことであり、レーザーを固体表面に照射することによって固体表面近傍の試料を固体外に放出させる方法である。
本発明では、量子ドットの材料となる固体に対してレーザー光(便宜上、ドット生成用レーザー光)を照射する。これにより、照射されるドット生成用レーザー光を固体が吸収することによって融解などを引き起こして様々な粒子径の量子ドットが放出される。このようなレーザースパッタ法を用いて量子ドットを生成すると、短時間で多量の量子ドットを処理することが可能となる。
ここで、上記固体としては、量子ドットの材料からなる固体であればよく、その形状やサイズ等は特に限定されるものではない。好ましくは、結晶固体等を挙げることができる。上記量子ドットの材料としては、前述したように半導体が好ましいため、この結晶固体としても、上述した各種化合物の結晶が挙げられる。
また、本発明では、レーザースパッタ法による量子ドットの生成が上記超流動ヘリウム中にて繰り返し行われることが好ましい。これにより、固体から量子ドットを多量に生成できることに加え、所望の粒子径よりも明らかに大きな量子ドットに対して、再度スパッタレーザーを照射することができる。その結果、当該量子ドットをさらに分解して、径のより小さな量子ドットを生成することができる。すなわち、量子ドットのサイズを効率的に制御することが可能となる。ここで粒子径の大きい量子ドットとは、特に限定されるものではないが、通常は、平均粒子径が100nm以上のものを指す。
また本発明では、上述したようなレーザースパッタ法を、超流動ヘリウム中にて行っている。ヘリウムは典型的な不活性ガスであるため、上記レーザースパッタ法により量子ドットが生成した直後であっても、当該量子ドット表面が酸化するなどの状況を回避することができる。これにより得られる量子ドットの表面の劣化を抑制することが可能となる。
上記ドット生成用レーザー光としては、照射対象となる固体が吸収可能な領域の波長を有するレーザーであれば特に限定されるものではなく、固体の種類(すなわち量子ドットの材料)により公知のレーザー光を適宜選択することができる。例えば、QスイッチNd:YAGレーザー等が好適に用いられる。
また、レーザー光の強度としては、固体が溶解し、分解する程度に高い強度であればよいが、具体的には、例えば、数百μJ〜数百mJの範囲内の強度が好ましい。この範囲内であれば、固体を良好に溶解・分解させることができ、量子ドットを効率的に生成させることができる。例えば、ドット生成用レーザー光として、QスイッチNd:YAGレーザーを選択した場合には、照射対象の固体が吸収可能な領域の波長に高調波発生等を用いて変換し、上記強度の範囲内となるように高調波に調整したものを用いればよい。
<量子ドットの操作>
上記のようにして生成した量子ドットは、サイズ分布が非常に広い。そのため、上述したように生成された量子ドットを光学的に応用しようとする場合は、量子ドットの粒子径を揃える必要がある。そこで、本発明にかかる操作方法では、上記のように生成した量子ドットに光を照射することにより、当該量子ドットを操作し(光操作し)、サイズを選別する。このとき照射される光としては、レーザー光が用いられる。なお、上記ドット生成用レーザー光との違いを明確にする便宜上、操作用のレーザー光を「ドット操作用レーザー光」と称する。
これまで、量子ドットを光操作する場合には、十分な力を得ることが極めて困難と考えられていた。そのため、このような光操作によるナノレベルでの物質操作に関しては、実験はおろか理論的な提案もほとんど行われてこなかった。
しかしながら、本発明者らのグループによって(1)ナノ物質の電子的遷移エネルギーに光が共鳴した場合には、共鳴しない場合と比して輻射力が3,4桁の増強されること(2)個々の量子ドット(特に半導体量子ドット)が異なる量子力学的な個性を有するために光から受ける力が異なることを利用し、量子力学的個性の異なる量子ドットを光操作することが可能であること、が理論的に提案された。上記(2)の理論は、既に特許出願されている(特開2003−200399(2003年7月15日公開))。上記(2)のアイデア自体、これまでに存在しない独創的なものであるが、その実現にはナノ物質を自由空間に置くと共に、共鳴構造がぼけない低温の環境が理想的であった。
そこで、本発明では、超流動ヘリウムという、2K以下の極低温状態にあると共に熱伝導率も非常に高い環境中で直接量子ドットの生成し、生成した量子ドットに光を照射することにより、当該量子ドットを操作する。これにより、量子ドットの温度上昇に伴う共鳴のぼけを回避することができる。さらに、周囲は超流動状態にあるため、量子ドットはほとんど拡散や抵抗を受けずに運動することができる。したがって、本発明によれば、従来までには全く存在しない方法により、ナノレベルでの物質操作(ナノ粒子のサイズや配列の制御等)を行うことが可能となる。
本発明では、量子ドットの操作は、量子ドットを生成した環境と同じ超流動ヘリウム中にて行う。上記超流動ヘリウム中にて量子ドットの操作を行うにより、光が照射されることによって生じる量子ドットの温度上昇に伴う共鳴のぼけを回避することができる。上記共鳴は、操作レーザー光による量子ドットの操作の重要な因子であり、共鳴を顕著に引き起こすために量子ドットの温度上昇は極力避ける必要がある。さらに、超流動状態であるため、生成された量子ドットはほとんど抵抗を受けずに運動することができる。
量子ドットに光を照射することによって、光から量子ドットに力を与えることができ、その結果、量子ドットを操作することができる。光照射によって量子ドットに印加される力は、量子ドットでの照射光の散乱、照射光の吸収を通した量子ドットへの運動量の移動、照射光によって生じる電場勾配により量子ドット内の分極が感じる位置エネルギーの程度によって決まる。一般に、光照射による量子ドットの誘起分極が大きいほど、印加される力も大きくなる。したがって、光照射により量子ドットの操作を行うためには、光照射による誘起分極を増大させ、量子ドットに印加される力を増加させる必要がある。
光照射による量子ドットの誘起分極の大きさは、量子ドットの大きさや誘電率に依存し、物体サイズや誘電率が大きくなれば誘起分極も増大し、量子ドットにおける光の散乱及び吸収の効果、電場勾配が強くなり、誘起分極も増大する。その結果、量子ドットに印加される力が大きくなる。
逆に、物体サイズや誘電率が非常に小さい場合、光の散乱及び吸収の効果や電場勾配は弱く、光照射による量子ドットの誘起分極も小さくなって量子ドットに与えられる力が小さくなる。特に、ナノサイズの量子ドットは、光操作にて通常用いられるレーザー光の波長よりも小さい大きさであるために、光と量子ドットとの相互作用が弱い。そのため、光から量子ドットに及ぼされる力が非常に小さくなり、量子ドットの捕捉や配列を行うことが困難になる。
そこで、本実施の形態では、一般的に使用されているレーザー光を用いて、量子ドットの光照射による誘起分極を増大するために、物質に固有の電子的エネルギー準位間のエネルギー差に相当するエネルギーを有している光を量子ドットに集光照射する。
なお、上記電子的エネルギー準位とは、上述したように量子ドットが有する電子の量子力学的なエネルギー準位をいい、量子ドットでは、このエネルギー準位が離散化されている。
すなわち、電子的エネルギー準位に共鳴する光(以下、共鳴光とする)とは、共鳴効果により生じる輻射力のピークのエネルギー位置を中心とし、そのピークの半値全幅の2倍以内の幅を有する領域にかかる周波数を持つレーザー光とする。輻射力のピークとしては特に限定されるものではないが、電子的遷移による輻射力のピーク、電子的遷移により変調を受けたMie散乱による輻射力のピーク、Mie散乱によるピークがある。
共鳴光が量子ドットに入射すると、量子ドットの電子的エネルギー準位間のエネルギー差に共鳴して、量子ドットの誘起分極が増大する。一般に、光と量子ドットとの相互作用は、量子ドットの誘起分極が大きくなるほど強くなるため、共鳴光の入射によって量子ドットの誘起分極が増大することにより、光と量子ドットとの力学的な相互作用が大きくなる。従って、量子ドットでの強い光散乱及び強い光吸収が起こることにより、共鳴光から量子ドットに、効率よく力が与えられる。
このように、量子ドットに固有の電子的エネルギー準位間のエネルギー差に相当するエネルギーを有する共鳴光を量子ドットに照射することによって、量子ドットと光との相互作用が強くなり、量子ドットに働く力を増大させることができる。これにより、従来全く認識されていなかった電子的エネルギー準位を利用した力の増強効果を得ることができる。また、光と量子ドットとの相互作用が非常に弱いナノサイズの量子ドットであっても、共鳴光による光操作技術を利用して量子ドットを操作することができる。さらに、光の共鳴現象を利用することにより、光操作にて、通常用いられるレーザー周波数を含む1.0〜4.0eVの周波数領域で、かつ50μW/100μm程度の低パワーのレーザーによって、量子ドットの操作を行うことが可能になる。
なお、照射する共鳴光の波長は、量子ドットの材質が既知である場合には、文献(例えば、H.Ajiki and K.Cho,″Longitudinal and Transverse Components of Excitons in a Spherical Quantum Dot″,Phys.Rev.B,Vol.62,p.7402−7412(2000)、H.Ajiki,T.Tsuji,K.Kawano,K.Cho,Phys.Rev.B,Vol.66,245322−p.1−12(2002)、T.Iida,H.Ishihara,Phys.Rev.Lett.Vol.90,057403−p.1−4(2003))の電子的エネルギー準位に基づいて決定すればよい。また、後述するように、量子ドットの電子的エネルギー準位は、量子ドットの大きさによっても変化し、遷移エネルギーも変化する。従って、操作すべき量子ドットの材質、大きさ、形状、内部構造等が未知である場合は、分光分析等により量子ドットが有する電子的エネルギー準位間のエネルギー差や量子ドットの大きさ、形状、内部構造等を決定し、これらの測定結果に基づいて、共鳴光の波長を決定することが好ましい。
さらに、照射する共鳴光は、波長サイズ程度に絞り込んでから量子ドットに導入し、該共鳴光のスペクトル線の線幅は、操作する量子ドットの電子的エネルギー準位に共鳴するように設定すればよい。例えば、CuClの量子ドットを上述した方法によって光操作する場合、CuClの電子励起共鳴が存在する近紫外領域の光を用いる。具体的には、波長385±1nm、出力3mW、線幅0.05nmの青紫色半導体レーザー素子や、波長360〜420nm、出力1〜30mW、線幅1〜100nmであるTi−Sapphireレーザーの2倍高調波を用いることができる。
ここで、上記光の共鳴現象は、量子ドットに固有の電子的エネルギー準位に対する共鳴現象であるため、共鳴現象を利用して量子ドットを操作するためには、量子ドットが有する電子的エネルギー準位間のエネルギー差に相当するエネルギーを有する光(共鳴光)を照射すればよい。上記の共鳴現象を利用することによって、量子ドットと光との相互作用が弱く、共鳴現象を利用しない場合には光から量子ドットに及ぼされる力が非常に小さいナノサイズの量子ドットにおいても、光照射による量子ドットの操作が可能になる。
このような量子ドットとしては、電子的エネルギー準位を有するものであればよく、その大きさも特に限定されるものではないが、電子的エネルギー準位に対する光の共鳴現象による力の増強効果が顕著に表れるものであることが好ましい。具体的には、量子ドットの粒子径はナノオーダーであることが好ましく、より好ましくは100nm以下がよい。この理由は、半径が100nm以下の量子ドットでは、光の共鳴現象がある場合の量子ドットに作用する力の大きさを、光の共鳴現象がない場合に量子ドットに作用する力の10〜10程度にまで増強することができるためである。
また、光の共鳴現象を利用して操作される量子ドットは、量子ドットの電子的エネルギー準位間のエネルギー差が、照射された光の有しているエネルギーに合致している量子ドット(以下、共鳴量子ドットと記載する)に限られる。
すなわち、照射された光が有するエネルギーに相当する電子的エネルギー準位間のエネルギー差を有していない量子ドット(便宜上、非共鳴量子ドットと称する)は、光照射によって光の共鳴現象が生じることはなく、この場合、非共鳴量子ドットに働く力は増強されない。このように、操作する量子ドットに固有の電子的エネルギー準位に対する光の共鳴現象を利用しているので、共鳴量子ドットだけを選択的に操作することが可能になる。
さらに、量子ドットの半径が1nmオーダーにて変化した場合、量子ドットの電子的エネルギー準位が量子効果によりシフトし、共鳴光の周波数も非常に敏感に変化する。つまり、同じ材質の量子ドットであっても、量子ドットの大きさ、形状、内部構造の少なくとも一つが異なることにより共鳴光の周波数が異なる。この性質を利用すれば、共鳴光の周波数を変化させることにより、同一の材質であって、大きさ、形状、内部構造の少なくとも一つが異なる量子ドットを1nmオーダーで選別することが可能になる。
さらに、特定の材質にて形成され、大きさ、形状、内部構造のうち少なくとも一つが異なる複数種類の量子ドットを有する量子ドット群から、特定の量子ドットだけを基板上に集積させることも可能となる。量子ドットを基板上に集積させることによって、多量に生成および操作した当該量子ドットを基板とともに操作環境(具体的には、超流動ヘリウム中)から取り出すことができる。また、基板上に量子ドットを固着させることも可能となる。量子ドットを基板上に固着させることによって、量子ドットを集積させた場合と同様、当該量子ドットを基板とともに操作環境から取り出すことができる。また、基板上に予め穴や溝を形成し、操作と併用することによって、量子ドットを当該基板上に配列させることも可能となる。従って、ナノサイズの大きさであり、その大きさ、形状、内部構造が実質的に同一である量子ドットを有するフォトニック結晶等の光学素子を作製することが可能になる。また、生体分子および有機化合物から成る量子ドットを効率良く操作することが可能になる。
なお、上記「実質的に同じ」とは、照射した光によって、量子ドットの操作が可能な程度に、大きさ、形状、内部構造が同じであることを意味するものとする。つまり、照射した光が共鳴する電子的エネルギー準位を有する量子ドットの大きさ、形状、内部構造を実質的に同じとみなす。
また、光照射により量子ドットに働く力は、光との相互作用が強いほど増幅される。従って、共鳴量子ドットの結晶が清浄でない場合には、共鳴効果が弱くなり、共鳴量子ドットに働く力が弱くなるので、結晶が清浄である品質の良い共鳴量子ドットだけを選択的に操作することも可能になる。
このような量子ドットの操作を、超流動ヘリウム中にて行うことにより、上記量子ドットの電子的エネルギー準位の線幅を非常に狭くすることができる。ここで上記量子ドットの電子的エネルギー準位の線幅とは、上記量子ドットの一つのエネルギー状態自身の幅のことである。一般に、電子状態の線幅は量子ドットおよび周囲の温度による影響を受ける。すなわち、温度が高い状態では、量子ドットを構成する原子や周囲の原子が激しく運動しているのに対応して、量子ドット内の電子はその影響を受け、量子ドットのエネルギー準位に幅を持ち、積分強度一定のためピーク値が減少する。したがって、レーザー光照射下でも量子ドットを極低温状態(約2K)に保持できることで、量子ドットのエネルギー準位を狭くし、ピーク値を増強することができる。したがって、電子エネルギー準位の線幅を非常に狭くすることにより、共鳴の有無を明瞭にすることが可能となる。
したがって、量子ドットを極低温状態に保持し、電子エネルギー準位の線幅を非常に狭くすることによって、なおかつ周波数スペクトル上のピークの線幅の細い操作用レーザーを用いることによって共鳴エネルギーが一致する量子ドットのみを効果的に選択することができる。
上述した方法によれば、量子ドットに電子的エネルギー準位間のエネルギー差に一致する光を照射しているので、照射した光が量子ドットの電子的エネルギー準位に共鳴することができる。これにより、共鳴現象を利用しない場合には光との力学的相互作用が弱い量子ドットであっても、上記の光が照射されることによって量子ドットの電子的エネルギー準位に共鳴し、光と量子ドットとの力学的相互作用を高めることができる。その結果、レーザー光から量子ドットに及ぼされる力が増強され、共鳴光照射によって量子ドットを容易に操作することが可能になる。
また、通常用いられている波長領域のレーザー光による共鳴現象を利用して、量子ドットに働く力を増幅して操作できるので、強度の小さい光を照射することによって、量子ドットを操作することができる。従って、通常用いられているレーザー光の波長によって、量子ドットを操作することが可能になり、従来困難とされていたナノサイズの量子ドットを光照射によって操作することができる。
なお、ドット操作用のレーザー光の強度は、照射により量子ドットの破壊を引き起こさない大きさとする。
(II)本発明にかかる量子ドット生成操作装置
さらに、本発明に係る量子ドット生成操作装置は、量子ドットを生成させ、かつ、操作することを可能とする内部空間を有する筐体と、当該筐体内に位置し、量子ドットの材料からなる固体を保持する固体保持部と、固体保持部に保持される固体にレーザー光を照射し、レーザースパッタ法によって量子ドットを生成させるドット生成用レーザー光源と、生成した量子ドットにレーザー光を照射し、当該量子ドットを操作するドット操作用レーザー光源とを備えており、さらに、上記筐体は、内部空間内で超流動ヘリウムを保持可能となっていることを特徴としている。
上述した構成を備えた量子ドット生成操作装置を用いることにより、量子ドットの生成および操作を、2K以下の極低温状態にあると共に熱伝導率も非常に高い超流動ヘリウム中で行うことが可能となる。すなわち、上記量子ドット生成操作装置は、量子ドットの温度上昇に伴う共鳴のぼけを回避することができる。また、超流動状態にあるため、抵抗をほとんど受けずに量子ドットを操作することができる。
また本発明に係る量子ドット生成操作装置は、上記ドット操作用レーザー光源が発する光が、量子ドットの電子的エネルギー準位に共鳴するレーザー光であることが好ましい。
照射した光が、量子ドットの電子的エネルギー準位に共鳴することにより、共鳴現象を利用しない場合には光との力学的相互作用が弱い量子ドットであっても、上記の光が照射されることによって量子ドットの電子的エネルギー準位に共鳴し、光と量子ドットとの力学的相互作用を高めることができる。その結果、レーザー光から量子ドットに及ぼされる力が増強され、共鳴光照射によって量子ドットを容易に操作することが可能になる。
また、レーザー光による共鳴現象を利用して、量子ドットに働く力を増幅して操作していることから、強度の小さい光を照射することによって、量子ドットを操作することができる。従って、通常用いられているレーザー光の波長によって、量子ドットを操作することが可能になり、従来困難とされていたナノサイズの量子ドットを光照射によって操作することができる量子ドット生成操作装置を提供することができる。
また、上記ドット操作用レーザー光源が発する光は、さらに、その輻射力によって、量子ドットの運動を制御し、沈降の停止や速度低減・捕捉・輸送などを行うことができるようになっていることが好ましい。
これにより、本発明に係る量子ドット生成操作装置は、上記ドット操作用レーザー光の輻射力に共鳴した量子ドットのみを選別することが可能となる。
量子ドットにおいては、材質が同じであっても、大きさ、形状、内部構造のうち少なくとも一つが異なることによって、量子ドットの電子的エネルギー準位が、量子効果により変化する。そのため、量子ドットの電子的エネルギー準位間のエネルギー差が変化し、特定の量子ドットの電子的エネルギー準位に共鳴する光を照射することにより、大きさ、形状、内部構造のうち少なくとも一つが異なる複数種類の量子ドットの中から、大きさ、形状、内部構造が実質的に同じである特定の量子ドットのみを選択して操作することが可能になる。また、上記量子ドット生成操作装置を用いることにより、1nmオーダーにて、大きさや形状が異なる量子ドットを選別して、操作することも可能である。
上記筐体内に、上記ドット操作用レーザー光源が発する光によって操作された量子ドットを集積および/または固着させる基板を備えていることが好ましい。
これにより、上記ドット操作用レーザー光を用いて選別した量子ドットを、上記基板とともに、筐体内から取り出すことができる。上記基板の材料(材質)としては、量子ドットの結合力に応じて選択することができる。すなわち、筐体内から取り出した後に、量子ドットを基板から分離して使用する場合は当該結合力が弱い基板材料を選択すればよく、これに対し、量子ドットを基板に集積および/または固着させたまま使用する場合は当該結合力が強い基板材料を選択すればよい。具体的には、Si、GaAs等の半導体の他、金属、有機化合物、およびガラス、サファイア等の絶縁体等を用いることができる。
上記筐体としてヘリウムクライオスタットを用いることが好ましい。
これにより、本発明に係る量子ドット生成操作装置を、既存のヘリウムクライオスタットを用いて構成することが可能であることから、既存のヘリウムクライオスタット製造ラインに基づいて上記量子ドット生成操作装置を製造することができ、製造コストの低減および、製造効率の向上が可能となる。
図1に、本実施の形態における量子ドット生成操作装置1の概略を示す。上記量子ドット生成操作装置1は、筐体2と、固体3を保持する図示しない固体保持部と、ドット生成用レーザー光源4と、ドット操作用レーザー光源5と、基板8とを備えており、さらに、上記筐体2は、内部空間内で超流動ヘリウム7を保持している。
上記ドット生成用レーザー光源4から出射されたドット生成用レーザー光4aは、上記筐体2に入射し、上記超流動ヘリウム7中の固体保持部に保持された固体3に照射される。上記ドット生成用レーザー光4aを用いて、レーザースパッタ法により固体3を粒子化して、量子ドット6を生成する。
上記ドット操作用レーザー光源5から出射されたドット操作用レーザー光5aは、上述したようにレーザースパッタ法によって生成された量子ドット6が共鳴する波長を有する。ドット操作用レーザー光5aを量子ドット6に照射することにより、該量子ドット6を光操作する。
具体的には、ドット操作用レーザー光5aは、その輻射力によって上記超流動ヘリウム7中を重力に従って沈降する量子ドット6の沈降を停止させる。すなわち、レーザースパッタ法によって生成され、重力に従って沈降する複数の量子ドット6から、上記ドット操作用レーザー光5aに共鳴する量子ドット6のみ、その沈降を停止させることができる。
さらに、上記ドット操作用レーザー光5aは、沈降を停止させた上記量子ドット6を、筐体2内に設けた基板8に集積および/または固着させることができる。基板8は、筐体2から取り出すことができる構成になっており、これにより、ドット操作用レーザー光5aに共鳴する特定の量子ドット6のみを筐体2から取り出すことができる。
なお、上記ドット生成用レーザー光源4および上記ドット操作用レーザー光源5の具体的な構成位置について説明すると、以下の通りである。
本実施の形態における上記量子ドット生成操作装置1は、上述したように、レーザースパッタ法により量子ドット6を生成し、生成されて超流動ヘリウム中に放出された量子ドット6は該超流動ヘリウム7中を重力に従って沈降する。さらに沈降する複数の量子ドット6の中の特定の量子ドット6を選択するために、該特定の量子ドット6に共鳴するドット生成用レーザー光4aを照射し、沈降する特定の量子ドット6の沈降を該ドット操作用レーザー光5aの輻射力によって停止させる。そのため、上記ドット生成用レーザー光源4は、上記ドット生成用レーザー光4aによって生成された量子ドットが上記筐体2内を重力に従って沈降することが可能なように、該ドット生成用レーザー光4aが上記筐体2の、重力方向に対して上部に入射することが出来る位置に構成されていることが好ましい。また、上記ドット操作用レーザー光源5は、上記ドット操作用レーザー光5aが、重力に従って沈降する量子ドットの中の特定の量子ドットの沈降を停止させることが出来るように上記筐体2の、重力方向に抗して下部に入射することが出来るように構成されていることが好ましい。なお、本実施の形態では、ドット操作用レーザー光源5は、筐体2におけるドット生成用レーザー光源4の配設面と同じ面に配設しており、ドット操作用レーザー光5aを筐体2内に入射させて、重力方向に抗して下部から特定の量子ドットの沈降を停止させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述する実施例において使用した量子ドット生成操作装置1’(図2)のようにドット操作用レーザー光源を配設してもよい。
上記ドット操作用レーザー光5aとは、上述したように量子ドットの電子的遷移や、電子的遷移により変調を受けたMie散乱などによる輻射力のピークのエネルギー位置を中心とし、そのピークの半値全幅の2倍の幅を有する領域にかかる周波数を有する共鳴光である。すなわち、上記ドット操作用レーザー光5aを照射することによって量子ドット6の電子的エネルギー準位に共鳴し、光と量子ドット6との力学的相互作用を高めることができる。その結果、ドット操作用レーザー光5aから量子ドット6に及ぼされる力が増強され、照射によって量子ドット6を容易に操作することが可能になる。
文献(例えば、T.Iida,H.Ishihara,Phys.Rev.Lett.Vol.90,057403−p.1−4(2003))によると、入射光の電場強度に勾配がある場合、量子ドットはその勾配を感じて位置エネルギー的に安定な箇所に移動する。この電場強度勾配は、レーザー光を集光したり、複数の光源を干渉させたり、高屈折率の媒質から低屈折率の媒質へ臨界角以上の入射角の光が入射した時に生じるエバネッセント波(減衰波)などによって生じる。このことにより、以上の量子ドット生成操作装置を用いて生成及び光操作された量子ドットは、ドット操作用レーザー光を二光束に分け干渉させて作製された強度の濃淡(光格子)の中に量子ドットを配列したり、別の光源を複数組み合わせることにより配列された量子ドットを、配列を保ったまま移動させたり、周波数や偏光の異なる複数の光源の組み合わせによって一種の量子ドットが持つ複数の属性(複数の共鳴エネルギーやカイラリティーなど)を同時に利用した量子ドットの選別を行うことも可能である。
従って、本実施の形態では、ドット操作用レーザー光5aによって沈降を停止させた上記量子ドット6を、ドット操作用レーザー光5aによって筐体2内に設けた基板8に集積および/または固着させる。そのため、基板8は、重力方向に抗して下部に入射するドット操作用レーザー光5aの光路上に配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ドット操作用レーザー光5aによって沈降を停止させた上記量子ドット6を、別の光源を用いて基板8に集積および/または固着させる構成としてもよい。このように別の光源を用いて上記量子ドット6を基板8に集積および/または固着させる場合、基板8の配置位置は上記の配置に限定されないため、設置の自由度が高くなる。
(III)本発明の利用
本発明では、ナノオーダーの量子ドットを生成することができるとともに、当該量子ドットのサイズや配列を良好に制御することが可能となる。それゆえ、本発明は、広くナノテクノロジーに利用することができる。
具体的には、例えば、本発明を量子コンピュータに利用することができる。量子コンピュータを実現するには、100nm以下の量子ドットを作製し、配置やサイズを精密に制御することが必要になる。ここで、本発明によれば、量子ドットのサイズや配列を良好に制御することができるので、本発明を用いることで量子コンピュータの実用化技術の発展が期待される。
また、複雑な有機化合物、生体分子の固体を量子ドットの材料として用いれば、それらの分離分析に利用することができる。さらに、マイクロマシンやナノマシンの材料開発および共鳴光による輻射力をマイクロマシンやナノマシンの駆動力として供給できる。あるいは、これまでは粒径が大きな不均一分布を持っているために、狭窄化が実現できず、効果も理論予測ほど向上していなかった量子ドットレーザー用材料として本発明によって得られたサイズ等の揃った量子ドットを用いて、非常に線幅が狭く、発振効率の良いレーザーを実現する。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
図1に示す量子ドット生成操作装置1に類似した構成として、図2に示すような量子ドット生成操作装置1’を用いた。すなわち、図2は、本実施例で用いた量子ドット生成操作装置1’の構成を示す透視図であり、量子ドット生成操作装置1’は、ドット操作用レーザー光5a’が、図2に示すように、ドット生成用レーザー光4aに垂直となるように入射できるようにドット操作用レーザー光源5が筐体2の側面に配置されている。基板8は、ドット生成用レーザー光4aと垂直となるように設けられたドット操作用レーザー光5a’の光路上に設けられている。筐体2には、内部に超流動ヘリウムを充填したヘリウムクライオスタット(4×4×4cm)を用いた。固体3には、CuClを用いた。ドット生成用レーザー光源4として、QスイッチNd:YAGレーザー(スペクトラ・フィジックス社製、Quanta Ray GCR)を用い、その強度は、10mJとなるように調整した。ドット操作用レーザー光源5として、Ti−Sapphireレーザー(スペクトラ・フィジックス社製、フェムト秒チタンサファイアレーザーTunami 3941−P5LC)の2倍高調波(波長360〜430nm、出力30mW、線幅0.3eV)を用い、周波数を3.20eVとなるように調整した。基板8として、Si基板を用いた。固体3におけるドット生成用レーザー光4aの照射位置から、基板8までの距離を約2cmとした。また、固体3の表面とドット操作用レーザー光5’までの距離を約1mmとした。以上の構成を備えた上記量子ドット生成操作装置1’を用いて、CuCl量子ドットの生成および操作を行なった。
図3に、上記量子ドット生成操作装置1’を用いて生成および操作したCuCl量子ドットの走査型電子顕微鏡像を示す。なお、図3は、超流動ヘリウム中においてドット操作用レーザー光5a’によって操作し、基板8に固着させたCuCl量子ドットを走査型電子顕微鏡で観察している。
図3に示すように、約100nmのCuCl量子ドットが確認できる。図3では鮮明に現れていないが、100nmよりも小さいサイズのCuCl量子ドットも基板上に固着されていた。
以上のことから、本発明により、所望の大きさの量子ドットのみを選別することができ、かつ、基板に固着させることによって操作環境外に取り出すことができることが確認できた。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
本発明は、超流動ヘリウムで直接量子ドットを生成し、生成した量子ドットに光を照射することにより、当該量子ドットを操作している。このように、超流動ヘリウム中という低温環境下で操作を行うため、量子ドットの温度上昇に伴う共鳴のぼけを回避することができる。さらに、周囲は超流動状態にあるため、対象とする量子ドットはほとんど拡散や抵抗を受けずに運動することができる。
また、本発明に係る量子ドット生成操作装置は、内部空間内で超流動ヘリウムを保持可能となっている筐体内で、生成用レーザー光により量子ドットを生成させ、かつ、操作用レーザー光により当該量子ドットを操作するようになっている。そのため、量子ドットの生成および操作を、2K以下の極低温状態にあると共に熱伝導率も非常に高い超流動ヘリウム中で行うことが可能となる。
したがって、超流動ヘリウム中で量子ドットを直接生成し、光操作することによって、従来までには全く存在しない方法により上記量子ドットのサイズや配列の制御を行うことが可能となる。

Claims (15)

  1. 量子力学的効果が発現する、半導体からなる半導体量子ドットを超流動ヘリウム中にて直接生成して、生成した当該量子ドットに光を照射することにより、当該量子ドットを操作することを特徴とする量子ドット操作方法。
  2. 上記量子ドットが、超流動ヘリウム中にて、レーザースパッタ法によって生成したものであることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット操作方法。
  3. 上記量子ドットに照射される光として、少なくとも1種類のレーザー光が用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の量子ドット操作方法。
  4. 上記レーザー光は、量子ドットに生じる輻射力の複数あるピークの、それぞれのピークのエネルギー位置を中心とし、それらのピークの半値全幅の2倍の幅を有する複数の領域の1つ、あるいはいくつかにかかる周波数を有するレーザー光であることを特徴とする請求項3に記載の量子ドット操作方法。
  5. 上記レーザー光は、上記領域にかかる、互いに異なる周波数および/または互いに異なる進行方向や形状を有する複数のレーザー光であることを特徴とする請求項4に記載の量子ドット操作方法。
  6. レーザースパッタ法による量子ドットの生成が上記超流動ヘリウム中にて繰り返し行うことができることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の量子ドット操作方法。
  7. 上記量子ドットは、レーザースパッタ法によって生成した量子ドットに対してレーザースパッタ法を繰り返し行うことによって生成した、当該量子ドットよりも小さいサイズの量子ドットであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の量子ドット操作方法。
  8. 上記量子ドットに照射される光によって、当該量子ドットを基板上に集積および/または固着させることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の量子ドット操作方法。
  9. 上記半導体が、I−VII族化合物の半導体であることを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の量子ドット操作方法。
  10. 上記I−VII族化合物の半導体が、ハロゲン化銅であることを特徴とする請求項に記載の量子ドット操作方法。
  11. 量子ドットを生成させ、かつ、操作することを可能とする内部空間を有する筐体と、
    当該筐体内に位置し、量子ドットの材料からなる固体を保持する固体保持部と、
    固体保持部に保持される固体にレーザー光を照射し、レーザースパッタ法によって量子ドットを生成させるドット生成用レーザー光源と、
    生成した量子ドットにレーザー光を照射し、当該量子ドットを操作するドット操作用レーザー光源とを備えており、
    さらに、上記筐体は、内部空間内で超流動ヘリウムを保持可能となっており、
    上記量子ドットは、量子力学的効果が発現する、半導体からなる半導体量子ドットであることを特徴とする量子ドット生成操作装置。
  12. 上記ドット操作用レーザー光源が発する光は、量子ドットの電子的遷移や、電子的遷移により変調を受けたMie散乱などによる輻射力のピークのエネルギー位置を中心とし、そのピークの半値全幅の2倍の幅を有する領域にかかる周波数を有するレーザー光であることを特徴とする請求項11に記載の量子ドット生成操作装置。
  13. 上記ドット操作用レーザー光源が発する光は、さらに、その輻射力によって、量子ドットの運動を制御し、沈降の停止や速度低減・捕捉・輸送などを行うことができるようになっていることを特徴とする請求項11または12に記載の量子ドット生成操作装置。
  14. 上記筐体内に、上記ドット操作用レーザー光源が発する光によって操作された量子ドットを集積および/または固着させる基板を備えていることを特徴とする請求項11から13の何れか1項に記載の量子ドット生成操作装置。
  15. 上記筐体としてヘリウムクライオスタットを用いることを特徴とする請求項11ないし14の何れか1項に記載の量子ドット生成操作装置。
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