JP4877835B2 - Rna干渉誘導エレメント及びその用途 - Google Patents
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Description
RNA干渉の生物学的役割としては、分裂酵母等におけるヘテロクロマチンの制御や、テトラヒメナ等におけるDNA欠失制御等が知られている。RNAi経路に重要な役割を果たすDicer (dcr1)、Argonaute (ago1)、又はRdRp (rdp1)を欠失させた3つの分裂酵母変異株dcr1−、ago1−、rdp1−では、セントロメア外側領域のヘテロクロマチン反復配列に由来する相補的転写産物の蓄積異常が生じ、これに伴ってセントロメアに組み込んだ導入遺伝子の転写抑制解除、ヒストンH3リジン-9のメチル化の消失、セントロメア機能の障害がみられたことが報告されている(Science, 297巻, p.1833-1837, 2002年)。また、分裂酵母においてセントロメア繰り返し配列由来の短いRNAが存在することが示唆されている(Science, 297巻, p.1831, 2002年)。
RNA干渉は、所望の遺伝子を選択的にノックダウンすることを可能とするため、生化学等の基礎科学の分野のみならず、農作物の品種改良等のバイオテクノロジー分野、遺伝子治療等の医療分野等における応用が大きく期待されている。
RNA干渉により遺伝子をノックダウンする主な二つの方法としては、siRNA(short interfering RNA)を直接細胞に導入する方法とsiRNA発現ベクターを細胞に導入する方法がある。前者の方法は極めて簡潔な方法であるが、導入されたsiRNAが分解されるとその効果が長期間持続しないという欠点を有する。一方、後者のsiRNA発現ベクター法は効果が長期間持続するため、ノックダウン細胞株やノックダウン動物を作成可能であるというメリットを有する。しかし、細胞内のRNA干渉は2本鎖RNAの形成が引き金となるため、ヘアピンRNA等の2本鎖RNAを産物とするsiRNA発現ベクターが多く、結果としてベクターDNA自身もステムループ構造をとって大腸菌内で不安定になる場合があり、siRNA発現ベクターの構築は容易ではなかった。
(a)配列番号1又はその相補配列からなるヌクレオチド配列;
(b)上記(a)のヌクレオチド配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなり、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列;
(c)上記(a)〜(b)のいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも70%の相同性を有し、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列。
[2]標的遺伝子の転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列が、該標的遺伝子に対するRNA干渉誘導能が発揮され得る様に連結された上記[1]記載のエレメントを含むポリヌクレオチド。
[3]該ヌクレオチド配列は該エレメントの5’側に連結されている、上記[2]記載のポリヌクレオチド。
[4]複数コピー数の該エレメントをタンデムに連結された態様で含む、上記[2]記載のポリヌクレオチド。
[5]上記[1]記載のエレメントを含むベクター。
[6]複数コピー数の該エレメントをタンデムに連結された態様で含む、上記[5]記載のベクター。
[7]更に、プロモーターを含み、該プロモーターは、該エレメントの発現を制御し得る様に、該エレメントに接続されている、上記[5]又は[6]記載のベクター。
[8]更に、少なくとも1つのクローニング部位を含み、該クローニング部位は、該部位に標的遺伝子の転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列が挿入されたときに、該標的遺伝子に対するRNA干渉誘導能が発揮され得る様に、該エレメントに連結されている、上記[5]又は[6]記載のベクター。
[9]該クローニング部位は該エレメントの5’側に連結されている、上記[8]記載のベクター。
[10]更に、プロモーターを含み、該プロモーターは、該エレメント及び該クローニング部位の発現を制御し得る様に、該エレメント又は該クローニング部位に接続されている、上記[8]又は[9]記載のベクター。
[11]上記[2]〜[4]のいずれか記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
[12]更に、プロモーターを含み、該プロモーターは、該ポリヌクレオチドの発現を制御し得る様に、該ポリヌクレオチドに接続されている、上記[11]記載のベクター。
[13]上記[2]〜[4]のいずれか記載のポリヌクレオチドが導入された細胞。
[14]上記[5]〜[12]のいずれか記載のベクターが導入された細胞。
[15]標的遺伝子の発現が抑制された細胞を製造する方法であって、上記[2]〜[4]のいずれか記載のポリヌクレオチド、或いは上記[11]又は[12]記載のベクターを細胞内に導入する工程、及び前記ポリヌクレオチド又はベクターが導入された細胞を選択する工程を含む、方法。
[16]標的遺伝子の発現を抑制する方法であって、上記[2]〜[4]のいずれか記載のポリヌクレオチド、或いは上記[11]又は[12]記載のベクターを細胞内に導入する工程を含む、方法。
[17]標的遺伝子に対するsiRNAを製造する方法であって、上記[2]〜[4]のいずれか記載のポリヌクレオチド、或いは上記[11]又は[12]記載のベクターを細胞内に導入する工程、及び前記ポリヌクレオチド又はベクターが導入された細胞から標的遺伝子に対するsiRNAを獲得する工程を含む、方法。
[18]上記[2]〜[4]のいずれか記載のポリヌクレオチド、或いは上記[11]又は[12]記載のベクターを含有してなるRNA干渉誘導剤。
[19]複数遺伝子の各転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列をそれぞれ含み、各ヌクレオチド配列は、上記[1]記載のエレメントに該遺伝子に対するRNA干渉誘導能が発揮され得る様に連結されている、複数のポリヌクレオチドを含む、遺伝子ノックダウンポリヌクレオチドライブラリー。
[20]各ポリヌクレオチドはベクターに含まれる、上記[19]記載のライブラリー。
[21]上記[19]又は[20]記載のライブラリーが導入された細胞集団。
[22]以下の工程(a)〜(c)を含む、機能遺伝子の探索方法:
(a)上記[19]又は[20]記載のライブラリーが導入された細胞集団の表現型を解析すること;
(b)該細胞集団から、表現型が変化していた細胞を単離すること;
(c)単離された細胞内に導入されたポリヌクレオチド又はベクター中のヌクレオチド配列に基づいて機能遺伝子を獲得すること。
[23]以下の(a)〜(c)のヌクレオチド配列から選択されるヌクレオチド配列を含むRNA依存性RNA合成反応誘導エレメント:
(a)配列番号1又はその相補配列からなるヌクレオチド配列;
(b)上記(a)のヌクレオチド配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなり、かつ、RNA依存性RNA合成反応誘導能を有するヌクレオチド配列;
(c)上記(a)〜(b)のいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも70%の相同性を有し、かつ、RNA依存性RNA合成反応誘導能を有するヌクレオチド配列。
[24]上記[23]記載のエレメントを含む、RNA依存性RNA合成反応用テンプレート。
[25]上記[24]記載のテンプレートを発現し得るベクター。
[26]上記[25]記載のベクターが導入された細胞。
[27]以下の工程を含む、RNAの合成方法:
(a) 上記[23]のエレメントを含むRNA依存性RNA合成反応用テンプレートを提供する工程;
(b) (a)のテンプレートをRNA依存性RNAポリメラーゼに接触させ、RNA依存性RNA合成反応を生じさせる工程。
[28]以下の(a)〜(c)のヌクレオチド配列から選択されるヌクレオチド配列を含む遺伝子発現抑制エレメント:
(a)配列番号1又はその相補配列からなるヌクレオチド配列;
(b)上記(a)のヌクレオチド配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなり、かつ、遺伝子発現抑制能を有するヌクレオチド配列;
(c)上記(a)〜(b)のいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも70%の相同性を有し、かつ、遺伝子発現抑制能を有するヌクレオチド配列。
一つの局面において、本発明は、以下の(a)〜(c)のヌクレオチド配列から選択されるヌクレオチド配列を含むRNA干渉誘導エレメント:
(a)配列番号1又はその相補配列からなるヌクレオチド配列;
(b)上記(a)のヌクレオチド配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなり、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列;
(c)上記(a)〜(b)のいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも70%の相同性を有し、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列、
を提供するものである。
一つの局面において、本発明は、標的遺伝子の転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列(標的ヌクレオチド配列という場合がある)が、該標的遺伝子に対するRNA干渉
誘導能が発揮され得る様に連結された上記本発明のRNA干渉誘導エレメントを含むポリヌクレオチドを提供する。
(a’)配列番号1からなるヌクレオチド配列、
(b’)上記(a’)のヌクレオチド配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなり、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列、又は、
(c’)上記(a’)〜(b’)のいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも70%の相同性を有し、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列、
を含むエレメントを「センスエレメント」、
(a’’)配列番号1の相補配列からなるヌクレオチド配列、
(b’’)上記(a’’)のヌクレオチド配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなり、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列、又は
(c’’)上記(a’’)〜(b’’)のいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも70%の相同性を有し、かつ、RNA干渉誘導能を有するヌクレオチド配列、
を含むエレメントを「アンチセンスエレメント」、と呼ぶこととする。
「標的遺伝子の転写産物をコードするヌクレオチド配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列」を「センス標的ヌクレオチド配列」、
「標的遺伝子の転写産物をコードするヌクレオチド配列の相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列」を「アンチセンス標的ヌクレオチド配列」と呼ぶこととする。
(A) 5’−センス標的ヌクレオチド配列−センスエレメント−3’
(B) 5’−アンチセンス標的ヌクレオチド配列−センスエレメント−3’
(C) 5’−センス標的ヌクレオチド配列−アンチセンスエレメント−3’
(D) 5’−アンチセンス標的ヌクレオチド配列−アンチセンスエレメント−3’
(A’) 5’−センスエレメント−センス標的ヌクレオチド配列−3’
(B’) 5’−センスエレメント−アンチセンス標的ヌクレオチド配列−3’
(C’) 5’−アンチセンスエレメント−センス標的ヌクレオチド配列−3’
(D’) 5’−アンチセンスエレメント−アンチセンス標的ヌクレオチド配列−3’
一つの局面において、本発明は、上記本発明のRNA干渉誘導エレメントを含むベクター(本発明のベクター(I))を提供するものである。該ベクターを用いることで、容易に、所望の標的遺伝子についてRNA干渉を誘導したり、siRNAを製造したりすることが可能となる。
5’−プロモーター−クローニング部位−RNA干渉誘導エレメント−3’
の順で配置されていることがより好ましい。
また、別の局面において、本発明は、上記本発明のポリヌクレオチドを含むベクター(本発明のベクター(II))を提供する。該ベクターを用いることで、容易に、標的遺伝子に対するRNA干渉を誘導したり、siRNAを製造したりすることが可能となる。
5’−プロモーター−標的ヌクレオチド配列−RNA干渉誘導エレメント−3’
の順で配置されていることがより好ましい。
一つの局面において、本発明は、上記本発明のポリヌクレオチド又はベクターが導入された細胞(本発明の細胞(I))を提供する。
一つの局面において、本発明は、標的遺伝子の発現が抑制された細胞を製造する方法であって、上記本発明のポリヌクレオチド、或いは該ポリヌクレオチドを含むベクターを細胞内に導入する工程、及び前記ポリヌクレオチド又はベクターが導入された細胞を選択する工程を含む、方法を提供するものである。本発明はまた、標的遺伝子の発現を抑制する方法であって、上記本発明のポリヌクレオチド、或いは該ポリヌクレオチドを含むベクターを細胞内に導入する工程を含む、方法を提供する。細胞内に上記本発明のポリヌクレオチド、或いは該ポリヌクレオチドを含むベクターを導入することにより、標的遺伝子に対するsiRNAが生じ、標的遺伝子に対するRNA干渉が誘導され、標的遺伝子の発現が抑制される。
上述の様に本発明のポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドを含むベクターを用いることにより、所望の標的遺伝子に対するRNA干渉を誘導し、該遺伝子の発現を抑制することが可能である。従って、本発明は、上記本発明のポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドを含むベクターを含有してなるRNA干渉誘導剤を提供するものである。
一つの局面において、本発明は、複数遺伝子の各転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列をそれぞれ含み、各ヌクレオチド配列は、本発明のRNA干渉誘導エレメントに該遺伝子に対するRNA干渉誘導能が発揮され得る様に連結されている、複数のポリヌクレオチドを含む、遺伝子ノックダウンポリヌクレオチドライブラリーを提供するものである。該ライブラリーに含まれる各ポリヌクレオチドはベクターに含まれ得る。本発明のライブラリーに含まれる各ポリヌクレオチド又はベクターは、上述の本発明のポリヌクレオチド又は該ポリヌクレオチドを含むベクターと同じ態様であり得る。本発明のライブラリーを細胞集団へ導入することにより機能遺伝子の探索が可能となる。
5’−プロモーター−クローニング部位−RNA干渉誘導エレメント−3’
の順でそれぞれの要素が配置された上記本発明のベクターを用い、該クローニング部位にcDNAライブラリーを挿入することにより、容易に本発明のライブラリーを作製することが出来る。また、該ライブラリーを細胞集団へ導入し、ベクター中のプロモーターの作用により挿入物を発現させると、それぞれの細胞内において、cDNAライブラリー中のいずれかの遺伝子のcDNA配列又はその相補配列の3’側にRNA干渉誘導エレメントが結合された1本鎖RNAが発現し、該エレメントの作用により、該遺伝子に対するsiRNAが生じる。そしてこのsiRNAが該遺伝子の発現を阻害することにより、細胞の機能や表現型に変化を生じさせ得る。
上述の様に、本発明のRNA干渉誘導エレメントを含む1本鎖のRNAが細胞内に導入されると、該RNAはRNA依存性RNA合成反応のテンプレートとして良好に作用し、該エレメントの近傍(5’側又は3’側)において、導入されたRNAに相補的なRNAの転写が誘導される。即ち、本発明のRNA干渉誘導エレメントは「RNA依存性RNA合成反応誘導エレメント」として機能し得る。
また、更なる局面において、本発明は、上記本発明のテンプレートを発現し得るベクター(本発明のベクター(III))を提供する。該ベクターを用いることで、容易に、上記本発明のテンプレートを製造したり、細胞内でRNA依存性RNA合成反応を誘導したりすることが可能となる。
5’−プロモーター−標的鋳型配列−RNA依存性RNA合成反応誘導エレメント−3’
の順で配置されていることがより好ましい。
更なる局面において、本発明は、上記本発明のベクター(III)が導入された細胞(本発明の細胞(II))を提供する。
更なる局面において、本発明は、以下の工程を含む、RNAの合成方法を提供する:
(a) 本発明のRNA依存性RNA合成反応誘導エレメントを含むRNA依存性RNA合成反応用テンプレートを提供する工程;
(b) (a)のテンプレートをRNA依存性RNAポリメラーゼに接触させ、RNA依存性RNA合成反応を生じさせる工程。
分裂酵母野生株(h-及びh90)は共通の研究実験株972、968を用いた。RNAi装置の変異株(Δago1、Δrdp1、Δdcr1)はそれぞれSPCC736.11、SPAC6F12.09、SPCC584.10c遺伝子をG418耐性遺伝子に置き換えることにより作成した。
分裂酵母第一染色体セントロメア左腕のotr反復配列を8つ(領域1〜8)に区分して、これらの領域をプローブとして用い、ノザンブロットにより分裂酵母中の小分子RNAを検出した(図1)。
領域1のプローブはコスミドSPAP7G5(GenBank アクセッション番号:AL353014)の塩基番号19814-21497の領域に、
領域2のプローブはセントロメアプラスミドpRS140のEcoRI-HindIII断片の領域に、
領域3のプローブはセントロメアプラスミドpRS140のHindIII-AatII断片の領域に、
領域4のプローブはセントロメアプラスミドpRS140のAatII-BamHI断片の領域に、
領域5のプローブはセントロメアプラスミドpRS140のBamHI-SpeI断片の領域に、
領域6のプローブはセントロメアプラスミドpRS140のSpeI-KpnI断片の領域に、
領域7のプローブはセントロメアプラスミドpRS140のKpnI-HindIII断片の領域に、
領域8のプローブはセントロメアプラスミドpRS140のHindIII-EcoRI断片の領域に、
それぞれ該当する。
その結果、プローブ2、6および7を用いた場合に特異的に野生株(h-及びh90)より抽出したRNAにsiRNAの蓄積が検出された。それらの蓄積はRNAi装置の変異株(Δago1、Δrdp1、Δdcr1)から抽出したRNAには見られなかった。
pRS140には含まれないが、分裂酵母の通常のdh反復ユニットのプローブ2の領域内に配列番号1又はその相同配列からなる本発明のRNA干渉誘導エレメント(以下SIREと表記する)を含む配列が挿入されている(図2参照)。そこで、その挿入部位の前後で2つのプローブ(プローブ2.1と2.2)を作成し、同様のノザンブロットを行なったところ、プローブ2.2側により多くのsiRNAが見出された(図1)。これはSIREとの相対関係におけるプローブ6と7との検出量の違いと合致する。
図2は、分裂酵母の3本の染色体のセントロメアDNAの構造を模式的に示した図である。上の灰色背景部分にはセントロメア全体を描き、下には3つのセントロメアに共通なotr反復配列のユニットとしての特徴、およびセントロメア以外の配列との相同部分を示した。pRS140に含まれるdhユニット以外のdhユニットにはSIREが存在する。特に第三染色体セントロメアotrにおいては、多くの場合SIREを遷移点にdgとdhが混合してひとつの反復ユニットが形成されている。またSIREを含むotr類似領域はmat2-3のcenHやSPAC212.11内にも見出される。
pAU001ベクター中のnmt1プロモーター支配下にあるura4+遺伝子に配列番号1の配列からなるSIREを両方向で1〜3個挿入し(順方向挿入の場合にはSIRE、逆方向挿入の場合にはERISと表記)、内在性ura4+遺伝子が正常に機能している分裂酵母に発現させて効果を調べた(図3)。ura4+遺伝子としては、ura4+遺伝子のゲノム配列(開始コドン、ORF全長及びターミネーター配列を含む領域)(配列番号2)を用いた。配列番号2において塩基番号1〜795の領域がORFに相当する。SIRE又はERISは、配列番号2における第679位のEcoRV制限酵素部位に挿入された。nmt1プロモーターに機能的に連結されたヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号2〜7に示す。
挿入体が発現している各々の酵母株の液体培養を10倍ずつ希釈して各培地上に6段階スポットし、33℃で培養して生育能を観察した。図3において、パネルYESは完全培地にスポットして得られた対照結果を示し、パネルYES +FOAは完全培地にura4+遺伝子発現株を生育不能にする薬剤5-FOAを添加した培地にて得られた結果を示し、パネルEMM2 +AA +FOAは5-FOAが添加された合成培地にて得られた結果を示し、後の2つのパネルでは、ura4+遺伝子発現が抑制された細胞の割合を示している。EMM2 +AA -Uraはウラシルを欠く合成培地で、ura4+遺伝子発現細胞しか増殖できない。
対照となる無発現(none)やura4+遺伝子の発現(ura4+)では内在性ura4+遺伝子は正常に発現したままで、FOA培地上での生育は全く見られなかった。一方、SIREが挿入されたura4遺伝子を発現するとFOA培地上でも生育する細胞が確認された(ura4SIRE(RV))。このことは、SIREが挿入されたura4遺伝子の発現により、内在性ura4+遺伝子の発現が抑制されたことを示す。また、挿入されるSIREの数が多いほど、FOA培地上で生育する細胞数が増大した(ura4SIREx2(RV))。このことは、挿入されるSIREの数が多いほど、内在性ura4+遺伝子の発現がより強力に抑制されることを示す。更に、SIREの相補配列である、ERISが挿入されたura4遺伝子を発現させた場合においても、FOA培地上でも生育する細胞が確認され、内在性ura4+遺伝子の発現が抑制されたことが示された(ura4ERIS(RV))。また、SIREと同様に、挿入されるERISの数が多いほど、FOA培地上で生育する細胞数が増大し、内在性ura4+遺伝子の発現がより強力に抑制されることが示された(ura4ERISx2(RV), ura4ERISx3(RV))。無関係な非特異的配列を挿入してもこのような効果は見られなかった(ura4 stuffer(RV))。
内在性ura4+遺伝子が正常に機能している野生株、およびura4ERISx2発現株(nmt1プロモーター支配下で、ERISを2個挿入したura4+遺伝子を発現させた株)よりRNAを抽出し、小分子RNA検出ノザンブロットでura4由来のsiRNAを調べた。プローブとしてはura4+遺伝子のORF領域を用いた。ura4ERISx2発現株については、通常の完全培地での液体培養(1)と完全培地に5-FOAを含む選択的条件下での液体培養(2)の2つをRNA抽出に用いた。結果を図4に示す。
野性株では見られないバンドが2つのura4ERISx2発現株抽出RNAには検出される。このことは、ura4ERISx2発現株ではura4由来のsiRNAが存在することを示す。対照としてセントロメア由来のsiRNA(プローブ6使用)の結果を下段に示した。検出量に多少はあるものの全サンプルにセントロメア由来siRNAが確認された。これより、ura4ERISx2発現株でのみura4由来siRNAが検出され、野生株では検出されないのは、実験に用いた全RNA量の違いによるものではないことが把握される。
内在性ura4+遺伝子が正常に機能している野生株、およびura4ERISx3発現株(nmt1プロモーター支配下で、ERISを3個挿入したura4+遺伝子を発現させた株)よりRNAを抽出し、小分子RNA検出ノザンブロットでura4由来のsiRNAを解析した。プローブとしてはura4+遺伝子のORF領域を用いた。ura4ERISx3発現株については、通常の完全培地での液体培養と完全培地に5-FOAを添加した選択的条件下での液体培養(+FOA)の2つをRNA抽出に用いた。結果を図5に示す。
野性株では見られないバンドがura4ERISx3発現株から抽出される2つのRNAには検出された。無関係な非特異的配列が挿入されたura4 stuffer発現株の抽出RNAにはそのようなバンドは見られない。このことは、ura4ERISx3発現株では特異的にura4由来のsiRNAが存在することを示す。対照としてセントロメア由来のsiRNA(プローブ6使用)を下段に示した。検出量に多少はあるものの全サンプルにセントロメア由来siRNAが確認された。これより、ura4ERISx3発現株でのみura4由来siRNAが検出され、野生株では検出されないのは、実験に用いた全RNA量の違いによるものではないことが把握される。
実施例2と同様に、内在性ura4+遺伝子が正常に機能している分裂酵母野生株(wt)、及びRNAi装置の変異が導入された株(Δdcr1、Δago1、Δrdp1)において、nmt1プロモーター支配下でERISが2個挿入されたura4+遺伝子を発現させ、その効果を調べた。結果を図6に示す。
野生株(wt)ではura4+遺伝子が正常に機能しているため、5-FOAを含む培地での生育は見られなかった。ERISが2個挿入されたura4の発現株(wt ura4ERISx2)ではこの内在性ura4+遺伝子が発現抑制を受け、5-FOA培地上の増殖が見られた。しかしながら、5-FOA培地での増殖は、RNAi装置の変異を導入した株(Δdcr1 ura4ERISx2、Δago1 ura4ERISx2、Δrdp1 ura4ERISx2)では阻害されることが判明した。
以上より、SIRE(又はERIS)によるura4+の発現抑制はRNA干渉機構に依存していることが示された。
pREP1ベクター中のnmt1プロモーター支配下にあるヒトcDNA(c10orf96)とura4+の融合遺伝子の融合部位にSIRE又はERISを1〜3個挿入し(図7)、該遺伝子を野生型又はeri1欠失変異株(Δeri1)の分裂酵母中で発現させた。各コンストラクトにおけるインサートのヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号8〜14に示す。Eri1はsiRNAを分解するリボヌクレアーゼであり、Δeri1はSPBC30B4.08遺伝子をハイグロマイシン耐性遺伝子に置き換えることで破壊することにより作成された。各ベクターが導入された分裂酵母よりRNAを抽出し、小分子RNA検出ノザンブロットでc10orf96又はura4由来のsiRNAの存在を調べた。プローブとしてはc10orf96遺伝子cDNAのORF領域又はura4+遺伝子全長(配列番号2)を用いた。結果を図8に示す。
野生株において、2又は3個のSIRE又はERISが挿入されたc10orf96-ura4+融合遺伝子を発現させると、c10orf96遺伝子由来のsiRNAが検出された(A)。この結果は、SIREによるsiRNA誘導は分裂酵母の遺伝子に限定されないことを示す。また、ura4をプローブとしたノザンブロットを同じ細胞抽出RNAに対して行った結果、SIREよりも3’側に相当するura4遺伝子部分のsiRNAは検出されないことが判明した(B)。対照として、各サンプルのセントロメア由来siRNAをプローブ6によるノザンブロットの結果も示している。これらの結果より、SIREはテンプレート転写産物の中で、SIREの5’側に位置する配列から、優先的にsiRNAを誘導し得ることが示唆された。
野生株では1個のSIRE又はERISが挿入されたc10orf96-ura4+融合遺伝子を発現させてもc10orf96遺伝子由来のsiRNAはほとんど検出されなかった(A,C,D)。一方、Δeri1においては、複数個のSIREを挿入した場合のみならず、1個のSIRE又はERISを挿入した場合においても、c10orf96遺伝子由来のsiRNAが検出された(C,D)。これは、宿主細胞のsiRNA分解酵素を欠損させることで、siRNAの回収効率が上昇したことによるものと考えられる。これらの結果から、SIRE及びERISは1コピーでもsiRNA誘導能を有していることが示された。
pAU001ベクター中のnmt1プロモーター支配下にhis5+遺伝子を逆方向に連結し、その3’側に3個のSIREをタンデムに連結した(図9、d)。得られたコンストラクトを(コンストラクト-d)を野生型の分裂酵母に導入し、その効果を調べた。his5+遺伝子はヒスチジン合成遺伝子の1つである。コンストラクトa-dのインサートのヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号15〜18に示す。
分裂酵母の液体培養物を10倍ずつ希釈して各培地上に6段階スポットし、33℃で培養して生育能を観察した。EMM2 +aaは完全培地であり、スポット量の対照値を示す。EMM2 +aa -Hisはヒスチジン不含培地で、his5+遺伝子を発現した株のみ該培地中で増殖することが出来る。
その結果、コンストラクト-dが導入された株は低頻度ながらEMM2 +aa -His培地上での増殖が認められた(図10、d)。これに対して、nmt1プロモーターを有さない対照コンストラクト(図9、a及びb)や、SIREを有さない対照コンストラクト(図9、a及びc)が導入された株は、非導入株と同様にEMM2 +aa -His培地上で増殖することができなかった(図10、a-c)。
これらの結果は、SIREがhis5+遺伝子の逆方向転写産物からのhis5+遺伝子の順方向転写産物の合成を促進し、該順方向転写産物からhis5+の機能タンパク質が生じ、コンストラクト-dが導入された株がヒスチジン不含培地中での増殖能を獲得したことを示す。
更に、コンストラクト-dをRNAi装置の変異株(Δdcr1、Δago1及びΔrdp1)に導入し、その効果を調べた。その結果、コンストラクト-dをΔdcr1やΔago1に導入した場合には、野生型株を用いた場合と同様にEMM2 +aa -His培地上での増殖が観察された。これに対して、
Δrdp1、即ちRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)の欠損株にコンストラクト-dを導入した場合には、EMM2 +aa -His培地上での増殖の著しい低下が認められた(図11、Δrdp1)。
この結果は、SIREにより誘導されたhis5+遺伝子の逆方向転写産物からの順方向転写産物の合成がRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)に依存していることを示す。
以上より、本発明のRNA干渉誘導エレメントは、RNAを鋳型にしたRNA逆転写反応を誘導する活性を有し、該活性はRdRPに依存していることが示された(図12)。
GFとCenp-Aとの融合タンパク質をコードする発現ベクターpBabe-Hygro-EGFP-CENPAを導入することにより、GFPとCenp-Aとの融合タンパク質を安定に発現するHela細胞及びSVts8細胞を作製した。Cenp-Aはセントロメア局在タンパク質の一種である。
pcDNA3ベクター中のCMVプロモーター支配下に、開始コドンに変異を導入したGFP遺伝子のcDNA全長(ΨGFP2-238)もしくはその3’末端欠失DNA(ΨGFP2-163)を正方向に連結し、更にその3’側に3個のSIREをタンデムに連結した(図13、ΨGFP2-238-SIREx3及びΨGFP2-163-SIREx3)。ΨGFP2-238はGFP遺伝子の2-238位のアミノ酸のコード領域に相当し、ΨGFP2-163はGFP遺伝子の2-163位のアミノ酸のコード領域に相当する。何れのコンストラクトも転写は起きるがタンパク質への翻訳は起きないため、遺伝子産物が細胞内で自ら蛍光シグナルを発することはない。得られたコンストラクトをリン酸カルシウム法を用いて上述のGFP発現トランスフェクタントに導入し、72時間培養後、蛍光顕微鏡下でGFPの蛍光を観察した。各コンストラクトのインサートのヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号19〜22に示す。
その結果、GFP-Cenp-Aタンパク質を発現しているHela細胞又はSVts8細胞に、ΨGFP2-238-SIREx3又はΨGFP2-163-SIREx3を導入すると、GFPの蛍光が減弱した(図14)。SIREを含まない対照コンストラクト(図13、ΨGFP2-238又はΨGFP2-163)を用いた場合には、このような効果は観察されなかった(図14)。バーは10mm。
これらの細胞からライセートを調製し、ウェスタンブロッティングにより細胞内のGFP-Cenp-Aタンパク質量を定量した。蛍光顕微鏡での観察結果と一致して、ΨGFP2-238-SIREx3又はΨGFP2-163-SIREx3の導入によりGFPのタンパク質量は減少した。(図15)。
これらの結果より、本発明のRNA干渉誘導エレメントは、ヒト細胞等の哺乳動物細胞においても、遺伝子発現抑制能を発揮することが示された。
り、所望の遺伝子に対するsiRNAを製造したりすることが可能となる。
本出願は日本で出願された特願2005−145876(出願日:2005年5月18日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。
Claims (26)
- 配列番号1又はその相補配列からなるヌクレオチド配列を含むRNA干渉誘導エレメント。
- 標的遺伝子の転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列が、該標的遺伝子に対するRNA干渉誘導能が発揮され得る様に請求項1記載のエレメントの5’側に連結された該エレメントを含むポリヌクレオチド。
- 複数コピー数の該エレメントをタンデムに連結された態様で含む、請求項2記載のポリヌクレオチド。
- 請求項1記載のエレメントを含むベクター。
- 複数コピー数の該エレメントをタンデムに連結された態様で含む、請求項4記載のベクター。
- 更に、プロモーターを含み、該プロモーターは、該エレメントの発現を制御し得る様に、該エレメントに接続されている、請求項4又は5記載のベクター。
- 更に、少なくとも1つのクローニング部位を含み、該クローニング部位は、該部位に標的遺伝子の転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列が挿入されたときに、該標的遺伝子に対するRNA干渉誘導能が発揮され得る様に、該エレメントの5’側に連結されている、請求項4又は5記載のベクター。
- 更に、プロモーターを含み、該プロモーターは、該エレメント及び該クローニング部位の発現を制御し得る様に、該エレメント又は該クローニング部位に接続されている、請求項7記載のベクター。
- 請求項2または3記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- 更に、プロモーターを含み、該プロモーターは、該ポリヌクレオチドの発現を制御し得る様に、該ポリヌクレオチドに接続されている、請求項9記載のベクター。
- 請求項2または3記載のポリヌクレオチドが導入された細胞。
- 請求項4〜10のいずれか記載のベクターが導入された細胞。
- 標的遺伝子の発現が抑制された細胞を製造する方法であって、請求項2または3記載のポリヌクレオチド、或いは請求項9又は10記載のベクターを細胞内に導入する工程、及び前記ポリヌクレオチド又はベクターが導入された細胞を選択する工程を含む、方法。
- 標的遺伝子の発現を抑制する方法であって、請求項2または3記載のポリヌクレオチド、或いは請求項9又は10記載のベクターを細胞内に導入する工程を含む、方法。
- 標的遺伝子に対するsiRNAを製造する方法であって、請求項2または3記載のポリヌクレオチド、或いは請求項9又は10記載のベクターを細胞内に導入する工程、及び前記ポリヌクレオチド又はベクターが導入された細胞から標的遺伝子に対するsiRNAを獲得する工程を含む、方法。
- 請求項2または3記載のポリヌクレオチド、或いは請求項9又は10記載のベクターを含有してなるRNA干渉誘導剤。
- 複数遺伝子の各転写産物をコードするヌクレオチド配列又はその相補配列に含まれる少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列をそれぞれ含み、各ヌクレオチド配列は、請求項1記載のエレメントに該遺伝子に対するRNA干渉誘導能が発揮され得る様に該エレメントの5’側に連結されている、複数のポリヌクレオチドを含む、遺伝子ノックダウンポリヌクレオチドライブラリー。
- 各ポリヌクレオチドはベクターに含まれる、請求項17記載のライブラリー。
- 請求項17又は18記載のライブラリーが導入された細胞集団。
- 以下の工程(a)〜(c)を含む、機能遺伝子の探索方法:
(a)請求項17又は18記載のライブラリーが導入された細胞集団の表現型を解析すること;
(b)該細胞集団から、表現型が変化していた細胞を単離すること;
(c)単離された細胞内に導入されたポリヌクレオチド又はベクター中のヌクレオチド配列に基づいて機能遺伝子を獲得すること。 - 配列番号1又はその相補配列からなるヌクレオチド配列を含むRNA依存性RNA合成反応誘導エレメント。
- 請求項21記載のエレメントを含む、RNA依存性RNA合成反応用テンプレート。
- 請求項22記載のテンプレートを発現し得るベクター。
- 請求項23記載のベクターが導入された細胞。
- 以下の工程を含む、RNAの合成方法:
(a) 請求項21記載のエレメントを含むRNA依存性RNA合成反応用テンプレートを提供する工程;
(b) (a)のテンプレートをRNA依存性RNAポリメラーゼに接触させ、RNA依存性RNA合成反応を生じさせる工程。 - 配列番号1又はその相補配列からなるヌクレオチド配列を含む遺伝子発現抑制エレメント。
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