JP4877403B2 - 通信装置、ノイズ除去方法、およびプログラム - Google Patents

通信装置、ノイズ除去方法、およびプログラム Download PDF

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本発明は、通信装置、ノイズ除去方法、およびプログラムに関する。
近年、カーナビゲーションや、携帯電話などの携帯型通信装置、デジタルスチルカメラ(Digital still camera)など様々電子機器にGPS(Global Positioning System)機能が搭載されている。上記のような電子機器は、例えば4つ以上のGPS衛星から送信されるGPS衛星のL1帯、C/Aコードと呼ばれる送信信号を受信し、受信した送信信号に基づいて位置を特定するGPS受信装置(通信装置の一例)を備えること、あるいは、電子機器がGPS受信装置として機能することによって、GPS機能を実現している。
上記のような電子機器が備えるGPS受信装置は、各GPS衛星からの信号をそれぞれ復調して各GPS衛星の軌道データを取得し、当該軌道データ、時間情報、および受信した信号の遅延時間を用いた連立方程式によってGPS受信装置の3次元位置を導出して位置を特定する。ここで、GPS受信装置が複数のGPS衛星の軌道データを用いるのは、GPS受信装置内部の時間情報と各GPS衛星における時間情報との誤差の影響を除去するためである。
ここで、GPS衛星から送信される送信信号は、例えば、50bpsのデータを符号長1023、チップレート1.023MHzのGold符号でスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号に基づいて1575.42MHzの搬送波(キャリア)をBPSK変調(Binary Phase Shift Keying;二位相偏移変調)した信号である。したがって、GPS受信装置がGPS衛星からの送信信号を受信し、送信されたスペクトラム拡散信号を復調するためには、拡散符号、搬送波およびデータの同期をとる必要がある。
このような中、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信装置に関する技術が開発されている。GPS衛星から送信される送信信号における拡散符号の同期捕捉を高速に行う技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
一方、GPS機能を有する上記のような電子機器は、多機能化、高性能化が進んでおり、電子機器内部で発生する不要輻射もまた増大している。上記のような電子機器内部で発生する不要輻射は、電子機器が備えるGPS受信装置(あるいは、電子機器そのもの。以下同様とする。)にとって一種の外来ノイズに相当する。ここで、上記不要輻射による外来ノイズの要因となる典型例としては、例えば、電子機器内部の配線間の結合や空間を介して干渉するクロックや、データバスなどを通る高速な信号による高調波、回路の負荷変動、あるいは、スイッチングレギュレータによる電源変動などが挙げられる。
GPS受信装置のアナログ回路に上記のような外来ノイズが加わった場合、外来ノイズが、GPS受信装置で発生する定常的な熱雑音(例えば、帯域幅2MHzで換算した場合は−111[dBm])と同程度以下であれば、GPS受信装置は、スペクトラム拡散信号を正常に復調できる。しかしながら、外来ノイズが、GPS受信装置で発生する定常的な熱雑音より大きいときには、定常的な熱雑音のレベルを超えた分だけ受信感度が劣化し、“受信した送信信号と、熱雑音+外来ノイズとの比”(S/(N+I))の逆数が処理利得に近くなると、GPS受信装置がスペクトラム拡散信号を正常に復調できない場合が起こる。
したがって、例えばGPS受信装置にように、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信装置では、スペクトラム拡散信号を正常に復調するために上記のような外来ノイズの影響をできる限り除外する必要がある。
このような中、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信装置において、外来ノイズを除去する技術が開発されている。GPS受信装置において外来ノイズを除去するためにノッチ・フィルタ(notch filter。Band-elimination filterとも呼ばれる。)を用いる技術としては、例えば、非特許文献1が挙げられる。
特開2003−232844号公報
Daniele Borio,Laura Camoriano,Paolo Mulassano,"Analysis of the One-Pole Notch Filter for Interference Mitigation : Wiener Solution and Loss Estimation",ION GNSS 19th International Technical Meeting of the Satellite Division,26-29 September 2006,pp.1849-1860.
外来ノイズを除去する従来の技術が適用された通信装置は、設定されたノッチ周波数に対応する信号を減衰させるノッチ・フィルタを備え、ノッチ・フィルタのノッチ周波数を制御することによって、例えば上記不要輻射によって生じる外来ノイズ除去を行う。ここで、外来ノイズを除去する従来の技術が適用された通信装置は、適応フィルタにおいて一般的に用いられるLMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いて、ノッチ・フィルタのノッチ周波数を制御する。しかしながら、外来ノイズを除去する従来の技術が用いるLMSアルゴリズムは、ノッチ周波数を制御するために外来ノイズを除去する信号に対してフィードバックをかける必要がある。そのため、外来ノイズを除去する従来の技術が適用された通信装置では、制御ループとしての収束性を考慮する必要がある。つまり、外来ノイズを除去する従来の技術が適用された通信装置では、上記制御ループの設定や、ノッチ・フィルタに入力される信号(外来ノイズを除去する信号)に依存して、例えば発散などの不安定な動作をする可能性がある。
したがって、外来ノイズを除去する従来の技術を用いた通信装置は、外来ノイズを安定的に除去することができない。また、拡散符号の同期捕捉を高速に行う従来の技術に係る通信装置には、外来ノイズの除去について何らの記載も示唆もなく、これら従来の技術を組み合わせたとしても、外来ノイズを安定的に除去することは、望むべくもない。
また、外来ノイズの影響をできる限り除外するための一の対策としては、例えば、通信装置(あるいは、通信装置が搭載される電子機器)にシールド材やシールドケースを使用することによって、不要輻射を抑えることが挙げられる。しかしながら、上記のような対策は、通信装置(あるいは、通信装置が搭載される電子機器)のデザインやコストに大きな影響を及ぼす要因となるため、望ましい対策とは言えない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から外来ノイズを安定的に除去することが可能な、新規かつ改良された通信装置、ノイズ除去方法、およびプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと、上記通信アンテナが受信した上記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と、上記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部と、上記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズの検出を行い、検出されたノイズを上記離散化信号から除去するノイズ除去部と、上記ノイズ除去部から出力される離散化信号に基づいて、上記スペクトラム拡散信号を復調する復調部とを備える通信装置が提供される。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記ノイズ除去部は、上記離散化信号を高速フーリエ変換する第1フーリエ変換部と、上記第1フーリエ変換部における高速フーリエ変換の結果に基づいて、振幅が所定の値以上の周波数を上記ノイズのピーク周波数として検出する周波数検出部と、上記周波数検出部において検出された上記ピーク周波数をノッチ周波数に設定し、上記離散化信号に基づいて設定された上記ノッチ周波数に対応する周波数成分を減衰させた離散化信号を出力するノッチ・フィルタとを備えてもよい。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記ノイズ除去部は、上記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する第1適応フィルタをさらに備えてもよい。
かかる構成により、単一周波数のノイズ、ノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ、および広帯域ノイズをそれぞれ安定的に除去することができる。
また、上記離散化信号の所定時間における平均値または積分値を検出するレベル検出部と、上記レベル検出部が検出した上記平均値または上記積分値と、所定の閾値とに基づいて、上記ノッチ・フィルタと上記第1適応フィルタとをそれぞれ選択的に動作させる調整信号を出力する調整信号出力部とをさらに備えてもよい。
かかる構成により、ノイズ除去に起因するスペクトラム拡散信号のS/N比のロスを防止することができる。
また、上記ノイズ除去部は、複数のノッチ・フィルタを備え、上記ノッチ・フィルタそれぞれには、上記周波数検出部において検出されたピーク周波数が、振幅が大きなピーク周波数順に設定されてもよい。
かかる構成により、複数の単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズを安定的に除去することができる。
また、上記周波数検出部は、定期/不定期に上記離散化信号を高速フーリエ変換し、上記ノッチ・フィルタは、上記周波数検出部においてピーク周波数が検出された場合にノッチ周波数を設定してもよい。
かかる構成により、電力消費のロスを低減しながら外来ノイズの除去を行うことができる。
また、上記ノイズ除去部は、上記離散化信号を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムを導出する第2フーリエ変換部と、上記離散化信号と、上記第2フーリエ変換部から出力される電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、上記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する第1ウィーナ・フィルタとを備えてもよい。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記ノイズ除去部は、上記離散化信号を高速フーリエ変換する第3フーリエ変換部と、上記第3フーリエ変換部における高速フーリエ変換の結果から導出した電力スペクトラムに基づいて、上記高速フーリエ変換の結果、または上記電力スペクトラムを選択的に出力する第1判定部と、上記第1判定部から上記電力スペクトラムが出力された場合には、上記電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、上記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する第2ウィーナ・フィルタと、上記第1判定部から出力される上記高速フーリエ変換の結果、または、上記第2ウィーナ・フィルタから出力される上記離散化信号を、逆高速フーリエ変換する逆フーリエ変換部とを備えてもよい。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記ノイズ除去部は、上記離散化信号から所定の周波数帯域の検出信号をそれぞれ検出する複数のバンドパス・フィルタと、上記バンドパス・フィルタそれぞれに対応し、上記検出信号、または、上記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号をそれぞれ選択的に出力する複数の第2適応フィルタと、上記第2適応フィルタそれぞれから出力される離散化信号を合成する合成部とを備え、上記第2適応フィルタは、上記検出信号から導出した電力スペクトラムに基づいて、上記検出信号、または上記電力スペクトラムを選択的に出力する第2判定部と、上記第2判定部から上記電力スペクトラムが出力された場合には、上記電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、上記理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する第3ウィーナ・フィルタとを備えてもよい。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記ノイズ除去部は、上記離散化信号に対するフィードバックをせずに上記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズの検出を行ってもよい。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記アナログ−デジタル変換部は、上記定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビット(Nは整数)の分解能を有し、入力されるアナログ信号をデジタル信号へと変換するアナログ−デジタルコンバータを備え、上記アナログ−デジタルコンバータは、上記定常的な熱雑音の平均振幅を下位Mビット(Mは、N>Mの整数)に設定してもよい。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から外来ノイズをより確実に除去することができる。
また、上記ノイズ除去部から出力される離散化信号のビット数をPビット(Pは、N>Pの整数)に設定するビット数設定部をさらに備えてもよい。
かかる構成により、スペクトラム拡散信号を復調する復調部を構成する演算器やレジスタ、メモリのサイズを削減することができる。
また、上記中間周波数変換部は、上記所定の周波数を0以外の周波数に設定し、上記アナログ−デジタル変換部から出力される上記離散化信号の中心周波数が0に設定された離散化信号に変換する周波数変換部をさらに備え、上記ノイズ除去部には、上記周波数変換部から出力される離散化信号が入力されてもよい。
かかる構成により、ノイズ除去処理のしやすさを向上させることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと、上記通信アンテナが受信した上記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と、上記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部とを備える通信装置に用いることが可能な、上記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズを除去するノイズ除去方法であって、上記離散化信号を高速フーリエ変換するステップと、上記高速フーリエ変換するステップにおける高速フーリエ変換の結果に基づいて、振幅が所定の値以上の周波数を上記ノイズのピーク周波数として検出するステップと、上記離散化信号に基づいて、上記検出するステップにおいて検出された上記ピーク周波数に対応する周波数成分を減衰させた離散化信号を出力するステップとを有するノイズ除去方法が提供される。
かかる方法を用いることにより、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと、上記通信アンテナが受信した上記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と、上記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部とを備える通信装置に用いることが可能な、上記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズを除去するノイズ除去方法であって、上記離散化信号を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムを導出するステップと、上記離散化信号と、上記電力スペクトラムを導出するステップにおいて導出された電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、上記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力するステップとを有するノイズ除去方法が提供される。
かかる方法を用いることにより、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第4の観点によれば、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと、上記通信アンテナが受信した上記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と、上記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部とを備える通信装置に用いることが可能な、上記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズを除去するプログラムであって、上記離散化信号を高速フーリエ変換するステップ、上記高速フーリエ変換するステップにおける高速フーリエ変換の結果に基づいて、振幅が所定の値以上の周波数を上記ノイズのピーク周波数として検出するステップ、上記離散化信号に基づいて、上記検出するステップにおいて検出された上記ピーク周波数に対応する周波数成分を減衰させた離散化信号を出力するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
かかるプログラムにより、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第5の観点によれば、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと、上記通信アンテナが受信した上記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と、上記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部とを備える通信装置に用いることが可能な、上記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズを除去するプログラムであって、上記離散化信号を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムを導出するステップ、上記離散化信号と、上記電力スペクトラムを導出するステップにおいて導出された電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、上記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
かかるプログラムにより、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
本発明によれば、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
従来の通信装置の構成の一部を示す説明図である。 外来ノイズが含まれる離散化信号の一の例を示す説明図である。 A/Dコンバータの出力が飽和した場合におけるA/Dコンバータの出力スペクトラムの一例を示す説明図である。 従来の通信装置においてA/Dコンバータの出力を飽和した場合の結果を説明するための第1の説明図である。 従来の通信装置においてA/Dコンバータの出力を飽和した場合の結果を説明するための第2の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る通信装置の構成例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るノイズ除去部の構成例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る通信装置が備えるノッチ・フィルタの構成例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る通信装置におけるノイズ除去部を備える効果を示すための説明図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部の構成を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るノイズ除去方法を示す流れ図である。 外来ノイズが含まれる離散化信号の他の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るノイズ除去部の構成例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るノイズ除去方法を示す流れ図である。 本発明の第3の実施形態に係るノイズ除去部の構成例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るノイズ除去部における高速フーリエ変換および逆高速フーリエ変換処理の一例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るノイズ除去方法を示す流れ図である。 本発明の第4の実施形態に係るノイズ除去部の構成例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るノイズ除去部が備える周波数サンプリングフィルタの出力特性の例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るノイズ除去部が備える適応フィルタの構成例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る通信装置におけるノイズ除去部を備える効果を示すための説明図である。 本発明の第5の実施形態に係るノイズ除去部の構成例を示す説明図である。 本発明の第5の実施形態の変形例に係る通信装置の構成例の一部を示す説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る通信装置の構成例の一部を示す説明図である。 本発明の第7の実施形態に係る通信装置の構成例の一部を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(従来の通信装置における問題)
本発明の実施形態に係る通信装置について説明する前に、まず、従来の通信装置における問題について説明する。
[従来の通信装置の構成]
図1は、従来の通信装置10の構成の一部を示す説明図であり、スペクトラム拡散信号を復調する復調部は図示していない。
図1を参照すると、通信装置10は、通信アンテナ12と、周波数変換部14と、ノッチ・フィルタ16とを備える。また、ノッチ・フィルタ16の出力x(t)は、復調部(図示せず)へと入力される。
また、通信装置10は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などで構成され通信装置10全体を制御することが可能な制御部(図示せず)や、制御部が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(Read Only Memory。図示せず)、制御部により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(Random Access Memory。図示せず)、ユーザインタフェース用の表示データなどの各種データやアプリケーションなどを記憶可能な記憶部(図示せず)などを備えてもよい。通信装置10は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により上記各構成要素間を接続する。また、制御部(図示せず)は、復調部(図示せず)として機能することもできる。
ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
通信アンテナ12は、例えばGPS衛星などの外部装置から送信される送信信号を受信する。ここで、送信信号とは、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された信号である。送信信号としては、例えば、50bpsのデータを符号長1023、チップレート1.023MHzのGold符号でスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号に基づいて1575.42MHzの搬送波(キャリア)をBPSK変調した信号が挙げられる。以下では、上記外部装置から送信される送信信号を、RF(Radio Frequency)信号とよぶ場合もある。
周波数変換部14は、ローノイズ・アンプ20(Low Noise Amplifier;低雑音増幅器。以下、「LNA」とよぶ場合もある。)と、中間周波数変換回路22と、増幅器24と、バンドパス・フィルタ26(Band-Pass Filter;以下、「BPF」とよぶ場合もある。)と、A/Dコンバータ28(Analog to Digital converter;アナログ-デジタル変換回路)とを備える。
LNA20は、通信アンテナ12が受信したRF信号を増幅する。中間周波数変換回路22は、LNA20により増幅されたRF信号の周波数を、デジタル信号処理が施しやすいように、例えば、4.092MHzや1.023MHzなどの搬送波周波数よりも低い中間周波数(Intermediate Frequency;以下、「IF」とよぶ場合もある。)に変換(ダウンコンバート)する。
増幅器24は、例えば、オペアンプ(Operational Amplifier)で構成され、中間周波数変換回路22から出力される搬送波周波数から周波数が変換されたIF信号を増幅する。BPF26は、増幅器24から出力される増幅されたIF信号に対して、特定の周波数帯域の信号のみを通過させ、その他の帯域の信号を減衰させる。ここで、LNA20〜BPF26までに処理される信号は、アナログ信号である。
A/Dコンバータ28は、BPF26から出力されるアナログのIF信号Ay(t)に基づいて離散化し、デジタル信号としてのIF信号y(t)を出力する。以下、デジタル信号としてのIF信号を離散化信号とよぶ。
周波数変換部14は、上記のような構成によって、通信アンテナ12が受信したRF信号の周波数を中間周波数(IF)にダウンコンバートしたIF信号に変換し、離散化信号y(t)を出力することができる。
図2は、外来ノイズが含まれる離散化信号y(t)の一例を示す説明図であり、A/Dコンバータの出力スペクトラム(中心4MHz)を示している。ここで、離散化信号y(t)には、外部装置から送信された復調対象となるスペクトラム拡散信号と、通信装置10で発生する定常的な熱雑音と、外来ノイズとが含まれる。図2では、外来ノイズとして4.1MHzをピークとする狭帯域ノイズが含まれる例を示している。また、上述したように、GPS衛星などの外部装置から送信されるスペクトラム拡散信号は一般的にその信号レベルが外来ノイズよりも小さく、図2では、スペクトラム拡散信号が定常的な熱雑音に埋もれている例を示している。
ノッチ・フィルタ16は、特定の周波数(ノッチ周波数)に急峻な減衰を与えることによって、周波数変換部14から出力される離散化信号y(t)から外来ノイズを除去し、ノッチ周波数に対応する外来ノイズが除去された離散化信号x(t)を出力する。
また、ノッチ・フィルタ16は、外来ノイズが除去された離散化信号x(t)を入力される離散化信号y(t)に対してフィードバックすることによってノッチ周波数を適宜設定する。つまり、ノッチ・フィルタ16は、離散化信号x(t)を離散化信号y(t)に対してフィードバックする制御ループを備える。
ノッチ・フィルタ16から出力された離散化信号x(t)は、復調部(図示せず)に入力される。復調部(図示せず)は、拡散符号、搬送波およびデータの同期をとり逆拡散処理を行うことによって、スペクトラム拡散信号を復調する。
従来の通信装置10は、上記のようなノッチ・フィルタ16を備えることにより適宜設定されるノッチ周波数に対応する信号を除去することができる。つまり、通信装置10は、ノッチ周波数を制御することによって、図2に示すような外来ノイズを除去することが可能である。また、通信装置10は、図2に示すような外来ノイズが除去された場合には、スペクトラム拡散信号の復調を行うことができる。
[従来の通信装置の問題]
[1]第1の問題
従来の通信装置10は、ノッチ・フィルタ16を備えることによりノッチ周波数に対応する信号を除去することが可能である。しかしながら、通信装置10は、外来ノイズを除去した離散化信号x(t)を入力される離散化信号y(t)に対してフィードバックさせる制御ループを用いてノッチ周波数を設定する構成である。つまり、通信装置10が外来ノイズ除去に有効なノッチ周波数を設定するためには、上記制御ループの収束性を考慮しなければならない。したがって、上記制御ループの設定や、ノッチ・フィルタ16に入力される離散化信号y(t)によっては、例えば、外来ノイズ除去に有効なノッチ周波数を設定することができない、あるいは、制御ループが発散してしまうなどの不安定な動作をする可能性がある。
上記のようにノッチ・フィルタ16が不安定な動作をした場合には、外来ノイズを除去することはできず、また、当然のことながらスペクトラム拡散信号の正常な復調は望むべくもない。したがって、従来の通信装置10は、外来ノイズを安定的に除去することができない。
[2]第2の問題
通信装置のアナログ回路に外来ノイズが加わった場合、外来ノイズが通信装置で発生する定常的な熱雑音(例えば、帯域幅2MHzで換算した場合は−111[dBm])より大きいときには、“受信した送信信号(RF信号)と、熱雑音+外来ノイズとの比”(以下、「S/(N+I)」という。ここで、「S」は受信した送信信号、「N」は熱雑音、「I」は外来ノイズを示す。)の逆数が処理利得に近くなると、通信装置がスペクトラム拡散信号を正常に復調できない場合が起こる。そのため、従来の通信装置10では、ノッチ・フィルタ16を備えて外来ノイズの除去を図っている。
しかしながら、S/(N+I)の逆数が処理利得より充分小さい場合であっても、強い外来ノイズによってアナログ回路が飽和すると、熱雑音および復調すべきスペクトラム拡散信号が抑圧を受け、結果として、スペクトラム拡散信号の復調を行うことができなくなる。ここで、従来の通信装置10の一例であるGPS受信装置において離散化信号を出力するA/Dコンバータは、GPS信号(スペクトラム拡散信号の一例)の受信S/Nが0dBよりずっと低いことから、例えば1ビットまたは2ビットの分解能を有する。そして、上記GPS受信装置では、基本的に熱雑音+スペクトラム拡散信号をある程度飽和させた状態で使用する。したがって、外来ノイズが加わった場合には、通信装置(例えば、GPS受信装置)におけるアナログ回路の最終段であるA/Dコンバータの出力は、特に飽和しやすい。
図3は、A/Dコンバータの出力が飽和した場合におけるA/Dコンバータの出力スペクトラムの一例を示す説明図である。図3(a)は、A/Dコンバータの出力が飽和していない場合を示しており、また、。図3(b)はA/Dコンバータの出力が飽和した場合を示している。図3(b)に示すように、A/Dコンバータの出力が飽和した場合には、離散化信号の元となったRF信号の情報が損なわれてしまう。
図4は、従来の通信装置10においてA/Dコンバータの出力を飽和した場合の結果を説明するための第1の説明図である。ここで、図4(a)は、通信装置10のBPF26から出力されたIF信号の一例を示している。また、図4(b)は、図4(a)に示すIF信号をA/Dコンバータ28において飽和させなかった場合の復調部(図示せず)における逆拡散処理の結果を示している。
図4(b)に示すように、A/Dコンバータ28の出力が飽和していない場合には、復調部(図示せず)においてスペクトラム拡散信号が検出されていることが分かる。
また、図5は、従来の通信装置10においてA/Dコンバータの出力を飽和した場合の結果を説明するための第2の説明図である。ここで、図5(a)は、図4(a)に示すIF信号がA/Dコンバータ28において飽和した場合におけるA/Dコンバータ28の出力スペクトラムを示している。また、図5(b)は、図5(a)に示す出力スペクトラムを復調部(図示せず)で復調した場合における逆拡散処理の結果を示している。
図5(b)に示すように、A/Dコンバータ28の出力が飽和した場合には、復調部(図示せず)においてスペクトラム拡散信号が検出されていないことが分かる。
図4および図5に示すように、A/Dコンバータ28の出力が飽和した場合には、通信装置10は、BPF26から出力されるIF信号が有していたスペクトラム拡散信号を復調部(図示せず)で検出することができない。
ここで、通信装置10では、アナログ回路の最終段であるA/Dコンバータ28の出力の飽和に対して何らの対策もとっていないため、A/Dコンバータ28の出力が飽和する可能性が高い。そして、A/Dコンバータ28の出力が飽和した場合には、通信装置10では、外部ノイズを除去することができず、またスペクトラム拡散信号を復調することができない。
(本発明の実施形態の通信装置に係る問題解決アプローチ)
以上のように、従来の通信装置10では、上記第1の問題と、上記第2の問題という2つの問題があるため、外部装置から送信されるスペクトラム拡散信号を受信した場合であっても当該スペクトラム拡散信号を復調できるとは限らない。そこで、本発明の実施形態に係る通信装置は、上記第1の問題および上記第2の問題それぞれに対して、例えば以下の(1)、(2)に示すアプローチをとる。
(1)第1の問題に対するアプローチ
本発明の実施形態に係る通信装置は、アナログ回路の最終段であるA/Dコンバータの後段にノイズ除去部を備える。そして、本発明の実施形態に係る通信装置は、ノイズ除去部において、受信したRF信号(送信信号)に基づく離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズ、すなわち離散化信号に含まれる外来ノイズを、当該離散化信号に対するフィードバックを行わずに検出する。そして、本発明の実施形態に係る通信装置は、検出されたノイズを除去する。ここで、本発明の実施形態に係る通信装置におけるノイズの除去とは、外来ノイズを取り除くことに限られず、外来ノイズを軽減することも含まれる。
離散化信号に対するフィードバックを行わずに外来ノイズを検出し、検出された外来ノイズを除去することによって、ノイズを除去するノイズ除去部が、従来の通信装置10のように制御ループの設定や離散化信号に依存した不安定な動作を起こすことはなくなる。したがって、本発明の実施形態に係る通信装置は、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。また、本発明の実施形態に係る通信装置は、安定的に外来ノイズを除去することができるので、従来の通信装置10よりもより確実にスペクトラム拡散信号を復調することができる。なお、本発明の実施形態に係る通信装置の具体的な構成については、後述する。
(2)第2の問題に対するアプローチ
本発明の実施形態に係る通信装置は、アナログ回路の最終段であるA/Dコンバータを、定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビット(Nは整数)の分解能を有するA/Dコンバータで構成する。また、本発明の実施形態に係る通信装置は、定常的な熱雑音の平均振幅をA/Dコンバータの下位Mビット(Mは、N>Mの整数)に設定する。
本発明の実施形態に係るA/Dコンバータは、上記のような構成によって、熱雑音より(N−M)×6[dB]強い外来ノイズまで飽和しなくなる。ここで、スペクトラム拡散信号の一例としてGPS信号を受信する場合には、当該GPS信号の受信S/Nが0[dB]よりずっと低いことから、本発明の実施形態に係るA/Dコンバータは、上記Mを、例えば、M=1やM=2に設定することができる。このとき、本発明の実施形態に係るA/Dコンバータを、例えば6ビットのA/Dコンバータ(すなわち、N=6)で構成すれば、定常的な熱雑音より24[dB]高い外来ノイズが入ったとしても、A/Dコンバータの出力スペクトラムは飽和しない。
なお、本発明の実施形態に係る上記Nの値および上記Mの値が、N=6やM=1、M=2に限られないことは、言うまでもない。例えば、本発明の実施形態に係るA/Dコンバータの分解能を示すNは、A/Dコンバータの前段のアナログ回路全体の出力が、どの入力信号強度で飽和するかに依存して決定することができる。より具体的には、例えば、本発明の実施形態に係る通信装置が備えるA/Dコンバータの前段のアナログ回路が、−90[dBm]の入力強度で飽和する場合には、定常的な熱雑音より21[dB]ほど余裕があるため、上記Nは6ビットで充分とすることができる。したがって、上記の場合には、本発明の実施形態に係る通信装置は、A/Dコンバータを6ビットの分解能を有するA/Dコンバータで構成することができる。
本発明の実施形態に係る通信装置は、A/Dコンバータの出力スペクトラムが外来ノイズにより飽和しないような構成とすることによって、A/Dコンバータの後段に備えるノイズ除去部において外来ノイズをより確実に除去させることができる。したがって、本発明の実施形態に係る通信装置は、従来の通信装置10よりもより確実にスペクトラム拡散信号を復調することができる。
次に、本発明の実施形態に係る通信装置の構成について、より具体的に説明する。以下では、本発明の実施形態に係る通信装置が外部装置から送信される送信信号(以下では、「RF信号」とよぶ場合もある。)を受信するとして説明する。ここで、本発明の実施形態に係る送信信号とは、スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された信号である。送信信号としては、例えば、50bpsのデータを符号長1023、チップレート1.023MHzのGold符号でスペクトラム拡散したスペクトラム拡散信号に基づいて1575.42MHzの搬送波(キャリア)をBPSK変調した信号が挙げられるが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る通信装置は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式やIEEE802.11規格に基づく方式を用いて外部装置と通信を行うことができる。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る通信装置として、単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ(外来ノイズ)を主に除去するノイズ除去部を備えた通信装置について説明する。ここで、狭帯域ノイズとしては、例えば、デジタル回路を駆動するクロックの高調波、他の狭帯域無線の干渉、スイッチングレギュレータを源とする電源ノイズなどによって発生するノイズが挙げられるが、上記に限られない。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置100の構成例を示す説明図である。図6を参照すると、通信装置100は、通信アンテナ102と、周波数変換部104と、ノイズ除去部106と、復調部108と、XO110(X'tal Oscillator;水晶発振器)と、TCXO112(Temperature Compensated X'tal Oscillator;温度補償型水晶発振器)とを備える。
また、通信装置100は、例えば、MPUなどで構成され通信装置100全体を制御することが可能な制御部(図示せず)や、制御部が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(Read Only Memory。図示せず)、制御部により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(Random Access Memory。図示せず)、ユーザインタフェース用の表示データなどの各種データやアプリケーションなどを記憶可能な記憶部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)表示部(図示せず)などを備えてもよい。通信装置100は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続する。また、制御部(図示せず)は、ノイズ除去部106や復調部108として機能することもできる。
ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
また、操作部(図示せず)としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。また、表示部(図示せず)としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display;または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)とも呼ばれる。)などが挙げられるが、上記に限られない。また、操作部(図示せず)と表示部(図示せず)とは、例えば、タッチスクリーン(touch screen)のように一体の部とすることもできる。
通信アンテナ102は、例えばGPS衛星などの外部装置から送信される送信信号(RF信号)を受信する。
周波数変換部104は、通信アンテナ102が受信したRF信号の周波数を、中間周波数(IF)にダウンコンバートしたIF信号(中間周波数信号)に変換する。そして、周波数変換部104は、アナログのIF信号に基づいて離散化し、離散化信号を出力する。以下、周波数変換部104の構成例について説明する。
[周波数変換部104の構成例]
周波数変換部104は、ローノイズ・アンプ120(以下、「LNA」とよぶ場合もある。)と、中間周波数変換部122と、増幅器124と、バンドパス・フィルタ126(以下、バンドパス・フィルタを「BPF」とよぶ場合もある。)と、A/Dコンバータ128とを備える。
LNA120は、通信アンテナ102が受信したRF信号を増幅する。
中間周波数変換部122は、LNA120により増幅されたRF信号の周波数を、デジタル信号処理が施しやすいように、例えば、4.092MHzや1.023MHzなどの搬送波周波数よりも低い中間周波数(以下、「IF」とよぶ場合もある。)に変換(ダウンコンバート)する。ここで、中間周波数変換部122の構成例について説明する。
〔中間周波数変換部122の構成例〕
中間周波数変換部122は、バンドパス・フィルタ130と、増幅器132と、周波数シンセサイザ134と、ミキサ136とを備える。
BPF130は、LNA120から出力される増幅されたRF信号に対して、特定の周波数帯域の信号のみを通過させ、その他の帯域の信号を減衰させる。
増幅器132は、BPF130から出力されるRF信号を増幅する。ここで、増幅器132は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)差動増幅器で構成することができるが、上記に限られない。
周波数シンセサイザ134は、TCXO112(後述する)から供給される発振信号に基づいて、所定の周波数を有する局部発振信号を生成する。ここで、周波数シンセサイザ134は、例えば、復調部108が備えるMPU144により制御されるが、上記に限られず、制御部(図示せず)により制御されてもよい。
ミキサ136は、増幅器132から出力される増幅されたRF信号に対して、周波数シンセサイザ134から出力される局部発振信号を乗算する。ミキサ136がRF信号と局部発振信号とを乗算することによって、局部発振信号に応じて、搬送波周波数よりも低い中間周波数(IF)にダウンコンバートされたIF信号を出力することができる。
中間周波数変換部122は、例えば上記のような構成によって、RF信号の周波数が中間周波数へダウンコンバートされたIF信号を出力する。
増幅器124は、中間周波数変換部122から出力されたIF信号を増幅する。ここで、増幅器124は、例えば、オペアンプで構成することができるが、上記に限られない。
BPF126は、増幅器124から出力される増幅されたIF信号に対して、特定の周波数帯域の信号のみを通過させ、その他の帯域の信号を減衰させる。なお、本発明の実施形態に係る通信装置は、BPF126を、遮断周波数より大きな周波数の信号を減衰させるローパス・フィルタ(Low-Pass Filter)で構成することもできる。ここで、LNA120〜BPF126までに処理される信号は、アナログ信号である。
A/Dコンバータ128は、BPF126から出力されるアナログのIF信号に基づいて離散化し、離散化信号を出力する。ここで、A/Dコンバータ128は、Nビットの分解能を有するA/Dコンバータで構成され、定常的な熱雑音の平均振幅をA/Dコンバータ128の下位Mビットに設定する。したがって、A/Dコンバータ128は、外来ノイズによるA/Dコンバータの出力スペクトラムの飽和を防止し、A/Dコンバータ128の後段に備えられるノイズ除去部106において外来ノイズをより確実に除去させることができる。
周波数変換部104は、例えば上記のような構成によって、通信アンテナ102が受信したRF信号の周波数を中間周波数(IF)にダウンコンバートしたIF信号に変換し、デジタル信号としての離散化信号を出力することができる。
ノイズ除去部106は、周波数変換部104から出力される離散化信号に基づいて、離散化信号に対するフィードバックを行わずに外来ノイズを検出して外来ノイズを除去する。以下、第1の実施形態に係るノイズ除去部106の構成例について説明する。
[ノイズ除去部106の構成例]
図7は、本発明の第1の実施形態に係るノイズ除去部106の構成を説明する説明図である。なお、図7では、通信アンテナ102および周波数変換部104を併せて示している。また、図7では、周波数変換部104から出力された外来ノイズが含まれている可能性のある離散化信号を離散化信号y(t)として示し、ノイズ除去後の離散化信号を離散化信号x(t)として示している。
図7を参照すると、ノイズ除去部106は、フーリエ変換部160(第1フーリエ変換部)と、ノッチ周波数検出部162と、ノッチ・フィルタ164とを備える。
フーリエ変換部160は、周波数変換部104から出力される離散化信号に対して、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;以下「FFT」とよぶ場合もある。)を行う。そして、フーリエ変換部160は、高速フーリエ変換の結果をノッチ周波数検出部162に伝達する。
また、フーリエ変換部160は、例えば、復調部108のMPU144から伝達される制御信号に応じて選択的に高速フーリエ変換を行う。ここで、例えば、デジタル回路を駆動するクロックの高調波、他の狭帯域無線の干渉、スイッチングレギュレータを源とする電源ノイズなどの単一周波数のノイズ(外来ノイズ)または狭帯域ノイズ(外来ノイズ)は、時間的に周波数、振幅ともにほとんど変動しない場合が多い。一方、その他の外来ノイズとなりうる他の狭帯域無線などの信号は、常時送受信されるとは限られず、例えば電波を出していない場合にノッチ・フィルタ164を動作させると消費電力のロスとなる場合がある。そこで、通信装置100は、例えば、100[msec]ごとにように定期的に、あるいは、処理ルーチンの合間に制御信号をフーリエ変換部160に伝達することによって、フーリエ変換部160に選択的に高速フーリエ変換を実行させる。そして、通信装置100は、例えば、ノッチ周波数検出部162が高速フーリエ変換の結果に基づいて周波数領域で振幅が一定値以上のピークを検出した場合には、ノッチ・フィルタ164を動作させ、当該ピークが検出されなかった場合には、ノッチ・フィルタ164を停止させる。上記のように選択的に高速フーリエ変換を実行し、高速フーリエ変換の結果に基づいて選択的にノッチ・フィルタ164を動作させることによって、通信装置100は、電力消費のロスを低減しながら外来ノイズの除去を行うことができる。また、上記のように選択的に高速フーリエ変換を実行し、高速フーリエ変換の結果に基づいて選択的にノッチ・フィルタ164を動作させることによって、単一周波数のノイズ(外来ノイズ)または狭帯域ノイズ(外来ノイズ)の周波数が変化した場合であっても、外来ノイズの除去を行うことができる。なお、フーリエ変換部160が、周波数変換部104から離散化信号が伝達された場合に高速フーリエ変換を行うことができることは、言うまでもない。
また、フーリエ変換部160は、専用の高速フーリエ変換回路で構成することができるが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係るフーリエ変換部は、復調部108において逆拡散処理を行うために用いられる高速フーリエ変換回路を用いる(共用する)こともできる。
ノッチ周波数検出部162は、フーリエ変換部160から伝達される高速フーリエ変換の結果に基づいて、ノッチ周波数f0を検出する。そして、ノッチ周波数検出部162は、検出されたノッチ周波数f0に対応するノッチ周波数設定信号を、ノッチ・フィルタ164へ伝達し、ノッチ・フィルタ164にノッチ周波数f0を設定させる。
ここで、ノッチ周波数検出部162は、例えば、高速フーリエ変換の結果に基づいて離散化信号における振幅の大きさが所定の値以上のピークとなる周波数のうち、振幅が最も大きな周波数を検出することによって、ノッチ周波数f0を検出することができるが、上記に限られない。ノッチ周波数検出部162が上記のようにノッチ周波数f0を検出することによって、除去すべき単一周波数のノイズまたは狭帯域ノイズに対応する周波数を検出することができる。
ノッチ周波数検出部162は、例えば、オペアンプやダイオード、キャパシタなどを有するピーク検出回路で構成することができるが、上記に限られない。例えば、ノッチ周波数検出部162は、上記ピーク検出回路として、ピークを探索するデジタル信号処理回路を用いてもよい。また、ノッチ周波数検出部162は、ピーク検出回路が直接ノッチ・フィルタ164にノッチ周波数設定信号を伝達することによって、ノッチ・フィルタ164にノッチ周波数f0を設定することができるが、上記に限られない。例えば、ピーク検出回路が検出したノッチ周波数f0の情報が、ノッチ周波数検出部162が備えるMPU、あるいは制御部(図示せず)などに伝達され、ノッチ周波数検出部162が備えるMPUや制御部(図示せず)などが、ノッチ・フィルタ164にノッチ周波数設定信号を伝達してノッチ周波数f0を設定することもできる。また、上述したように、通信装置100は、ノッチ周波数検出部162が高速フーリエ変換の結果に基づいて周波数領域で振幅が一定値以上のピークを検出した場合には、ノッチ・フィルタ164を動作させ、当該ピークが検出されなかった場合には、ノッチ・フィルタ164を停止させることもできる。
ノッチ・フィルタ164は、設定されたノッチ周波数f0に急峻な減衰を与えることによって、周波数変換部104から出力される離散化信号から外来ノイズを除去する。ノッチ・フィルタ164は、ノッチ周波数f0に急峻な減衰を与えるフィルタであるので、主に単一周波数のノイズや狭帯域ノイズを除去することに適している。ここで、ノッチ・フィルタ164の構成例について説明する。
〔ノッチ・フィルタ164の構成例〕
図8は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置100が備えるノッチ・フィルタ164の構成例を示す説明図である。
図8を参照すると、ノッチ・フィルタ164は、第1加算器170と、遅延素子172と、第1乗算器174と、第2加算器176と、第2乗算器178とを備える。
第1加算器170は、ノッチ・フィルタ164に入力された離散化信号y(t)と、第2乗算器178から出力されるフィードバック信号(後述する)とを加算し、第1加算信号を出力する。
遅延素子172は、第1加算器170から出力される第1加算信号をサンプリング周期の1周期(1クロック)分遅延させた遅延信号を出力する。
第1乗算器174は、遅延素子172から出力される遅延信号に基づいて、以下の数式1に示す演算を行い、乗算信号を出力する。ここで、数式1において、“Dout1”は乗算信号を示し、“Din1”は第1乗算器34に入力される遅延信号を示す。また、数式1において、“f0”はノッチ周波数を示しており、“Ts”はサンプリング周期を示している。また、第1乗算器174では、ノッチ周波数検出部162からノッチ周波数設定信号が伝達されるごとにノッチ周波数f0が設定される。
Figure 0004877403
第2加算器176は、第1加算信号から乗算信号を減算する。ここで、乗算信号はノッチ周波数に対応する信号成分であるので、第2加算器176は、第1加算信号から乗算信号を減算することによって、ノッチ周波数に急峻な減衰を与えることができる。したがって、第2加算器176からは、ノッチ周波数に対応する外来ノイズが除去された離散化信号x(t)が出力される。
第2乗算器178は、第1乗算器174から出力される乗算信号に基づいて、以下の数式2に示す演算を行い、フィードバック信号を出力する。ここで、数式2において、“Dout2”はフィードバック信号を示し、“Din2”は第2乗算器38に入力される乗算信号を示す。また、数式2において“r”は帰還係数を示しており、帰還係数rが1に近い値をとればとる程、ノッチ帯域は小さくなる。なお、帰還係数rは、予め設定された固定の係数であってもよいし、例えば、制御部(図示せず)から伝達される信号に応じて値が変更される係数であってもよい。
Figure 0004877403
ノッチ・フィルタ164は、図8に示すような構成により、ノッチ周波数検出部162から伝達されるノッチ周波数設定信号に応じて設定されたノッチ周波数に対応する外来ノイズが除去された離散化信号x(t)を出力することができる。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置100におけるノイズ除去部106を備える効果を示すための説明図である。ここで、図9(a)は、本発明の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部106を備えない場合の復調部108における逆拡散処理の結果の一例を示している。また、図9(b)は、本発明の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部106を備えている場合の復調部108における逆拡散処理の結果の一例を示している。なお、図9(a)および図9(b)は、A/Dコンバータ128が図2に示す出力スペクトラムに示す離散化信号y(t)を出力したときの復調部108における逆拡散処理の結果である。
図9に示すように、本発明の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部106を備えていない場合、すなわち、外来ノイズが除去されない場合には、復調部108においてスペクトラム拡散信号が検出されていない(図9(a))。これに対して、本発明の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部106を備えている場合、すなわち、外来ノイズが除去された場合には、復調部108においてスペクトラム拡散信号が検出されていることが分かる(図9(b))。ここで、通信装置100は、図6に示すようにノイズ除去部106を備える。したがって、通信装置100は、ノイズ除去部106を備えることによって、外来ノイズを除去することができるので、図9(b)に示すようにスペクトラム拡散信号を検出し、復調することができる。
再度図6を参照して、通信装置100の構成要素について説明する。復調部108は、ノイズ除去部106から出力される離散化信号に基づいてスペクトラム拡散信号を検出し、検出されたスペクトラム拡散信号を復調する。以下、復調部108の構成例について説明する。
[復調部108の構成例]
復調部108は、同期捕捉部140と、同期保持部142と、MPU144と、RTC146(Real Time Clock)と、タイマ148と、メモリ150と、逓倍/分周器152とを備える。
同期捕捉部140は、MPU144の制御の下、逓倍/分周器152から供給される逓倍および/または分周された発振信号に基づいて、ノイズ除去部106から出力される離散化信号における拡散符号の同期捕捉を行う。また、同期捕捉部140は、拡散符号の同期捕捉と共に、ノイズ除去部106から出力される離散化信号における搬送波周波数(キャリア周波数)や、離散化信号の送信元の外部装置を示す装置識別情報(例えば、GPS衛星を識別する衛星番号など)を検出する。そして、同期捕捉部140は、検出した拡散符号の位相、搬送波周波数、装置識別情報を、同期保持部142とMPU144とに伝達する。
また、同期捕捉部140は、例えば、高速フーリエ変換を利用したデジタルマッチドフィルタ(digital matched filter)で構成することができる。ここで、デジタルマッチドフィルタとしては、例えば、特開2003−232844号公報に開示された技術を用いることが挙げられるが、上記に限られない。
同期保持部142は、MPU144の制御の下、逓倍/分周器152から供給される逓倍および/または分周された発振信号と、同期捕捉部140から伝達される各種情報(拡散符号の位相、搬送波周波数、および装置識別情報)とに基づいて、ノイズ除去部106から出力される離散化信号における拡散符号と、搬送波(キャリア)との同期保持を行う。また、同期保持部142は、同期保持と共に、ノイズ除去部106から出力される離散化信号に含まれるデータを復調する。ここで、同期保持部142は、同期捕捉部140から伝達される拡散符号の位相、搬送波周波数、および装置識別情報を初期値として処理を開始する。
また、同期保持部142は、検出した拡散符号の位相、搬送波周波数、および復調したデータを、MPU144に伝達する。なお、同期保持部142は、複数のGPS衛星(外部装置)から送信された送信信号に対応する離散化信号それぞれに対して、同期保持を並列に行うことができる。また、同期保持部142としては、例えば、特開2003−232844号公報に開示された技術を用いることが挙げられるが、上記に限られない。
MPU144は、同期保持部142から伝達される拡散符号の位相、搬送波周波数、およびデータに基づいて処理を行う。例えば、MPU144は、通信装置100の位置および速度を算出し、また、復調されたデータから得られる各GPS衛星(外部装置)の時間情報に基づいて通信装置100の時間情報を補正するというような、GPSに関する各種演算処理を行う。
また、MPU144は、通信装置100の各部の制御や、外部装置との入出力に関する制御などを行うこともできる。上記の場合には、MPU144は、通信装置100における制御部(図示せず)として機能することとなる。
RTC146は、XO110から供給される発振信号に基づいて時間を計測する。RTC146によって計測される時間情報は、例えば、GPS衛星(外部装置)の時間情報が得られるまでの間に代用されるものであり、GPS衛星の時間情報が得られたときには、MPU144がタイマ148を制御することによって適宜補正される。
タイマ148は、例えば、MPU144における通信装置100の各部の動作を制御する各種タイミング信号の生成や、時間の参照に用いられる。
メモリ150は、例えば、ROMやRAMで構成される。メモリ150を構成するROMには、MPU144が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録される。また、RAMには、MPU144により実行されるプログラムなどが一次記憶される。
逓倍/分周器152は、TCXO12から供給される発振信号を逓倍(multiply)および/または分周(divide)する。
復調部108は、例えば上記のような構成によって、ノイズ除去部106から伝達される離散化信号に基づいてスペクトラム拡散信号を検出し、復調することができる。
XO110は、例えば32.768kHzなどの所定の発振周波数を有する発振信号を生成する。そして、XO110は、生成した発振信号をRTC146に供給する。
TCXO112は、例えば18.414MHzなど、XO110が生成する発振信号とは周波数が異なる発振信号を生成する。そして、TCXO112は、生成した発振信号を、逓倍/分周器152や周波数シンセサイザ134などに供給する。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る通信装置100は、例えば図6に示す構成によって、外部装置から送信される送信信号を受信し、受信した送信信号に含まれるスペクトラム拡散信号を検出して復調する。また、通信装置100は、受信した送信信号に含まれる、例えば、図2に示すような狭帯域ノイズ(外来ノイズ)、あるいは、単一周波数のノイズ(外来ノイズ)を主に除去するノイズ除去部106を備える。ここで、ノイズ除去部106は、フーリエ変換部160とノッチ周波数検出部162とノッチ・フィルタ164とを備え、ノッチ・フィルタ164のノッチ周波数は、A/Dコンバータ128から伝達される離散化信号に対する高速フーリエ変換の結果に基づいて設定される。ノイズ除去部106は、離散化信号に対するフィードバックを行わずに外来ノイズを検出して外来ノイズを除去するので、従来の通信装置10のように不安定な動作をすることはない。したがって、通信装置100は、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。また、通信装置100は、外来ノイズを安定的に除去することができるので、スペクトラム拡散信号をより確実に復調することができる。
また、通信装置100がアナログ信号を処理するアナログ回路の最終段に備えるA/Dコンバータ128は、定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビットの分解能を有するA/Dコンバータで構成される。そして、A/Dコンバータ128は、定常的な熱雑音の平均振幅をA/Dコンバータ128の下位Mビットに設定する。したがって、通信装置100が備えるA/Dコンバータ128は、外来ノイズによるA/Dコンバータの出力スペクトラムの飽和を防止し、A/Dコンバータ128の後段に備えられるノイズ除去部106において外来ノイズをより確実に除去させることができる。
[第1の実施形態に係る通信装置の変形例]
上記では、第1の実施形態に係る通信装置100が、図7に示すように1つのノッチ・フィルタ164を有するノイズ除去部106を備える構成について説明した。しかしながら、本発明の第1の実施形態に係る通信装置が備えるノイズ除去部は、図7に示す構成に限られず、複数のノッチ・フィルタを備えることもできる。
図10は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180の構成を説明する説明図である。なお、図10では、通信アンテナ102および周波数変換部104を併せて示している。
図10を参照すると、ノイズ除去部180は、フーリエ変換部160と、ノッチ周波数検出部182と、k個(kは2以上の整数)のノッチ・フィルタ164a〜ノッチ・フィルタ164kとを備える。
フーリエ変換部160は、図7に示すフーリエ変換部160と同様に、周波数変換部104から出力される離散化信号に対して、高速フーリエ変換を行う。そして、フーリエ変換部160は、高速フーリエ変換の結果をノッチ周波数検出部182に伝達する。
ノッチ周波数検出部182は、高速フーリエ変換の結果に基づいて離散化信号における振幅の大きさが所定の値以上のピークとなる周波数をノッチ周波数として検出する。そして、ノッチ周波数検出部182は、検出されたノッチ周波数f0_1、f0_2、…、f0_kに対応するノッチ周波数設定信号を、ノッチ・フィルタ164a〜ノッチ・フィルタ164kへ伝達し、ノッチ・フィルタ164a〜ノッチ・フィルタ164kそれぞれにノッチ周波数を設定させる。ここで、ノッチ周波数検出部182は、例えば、検出されたノッチ周波数のうち振幅の大きさが大きい順にノッチ周波数f0_1、f0_2、…、f0_kとすることができるが、上記に限られない。
なお、図10では、ノッチ周波数検出部182が検出したノッチ周波数の数とノイズ除去部180が備えるノッチ・フィルタ164kとの数が同じ場合を示しているが、上記に限られないことは、言うまでもない。例えば、ノッチ周波数検出部182が検出したノッチ周波数の数が、ノッチ・フィルタ164kとの数よりも少ない場合には、ノッチ周波数検出部182は、ノッチ・フィルタ164aから順に検出されたノッチ周波数に対応するノッチ周波数設定信号を伝達する。つまり、上記の場合には、一部のノッチ・フィルタ164kにはノッチ周波数設定信号が伝達されないこととなる。このとき、ノッチ周波数設定信号が伝達されないノッチフィルタ164kは、例えば、乗算器174、178の出力を0とする、あるいはノッチフィルタ164kの動作を停止し、図8のy(t)をx(t)にバイパスする。また、例えば、ノッチ周波数検出部182が検出したノッチ周波数の数が、ノッチ・フィルタ164kとの数よりも多い場合には、ノッチ周波数検出部182は、検出されたノッチ周波数のうち振幅の大きさが大きい順にノッチ周波数設定信号を伝達する。上記の場合には、ノッチ周波数検出部182が検出したノッチ周波数の一部に対応するノッチ周波数設定信号は伝達されないこととなる。
ノッチ・フィルタ164a〜ノッチ・フィルタ164kそれぞれは、図8に示すノッチ・フィルタ164と同様の構成を有し、周波数変換部104から出力される離散化信号から設定されたノッチ周波数に対応する外来ノイズを除去する。
第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180は、例えば図10に示す構成によって、周波数変換部104から出力される離散化信号に、単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ(外来ノイズ)が複数含まれていた場合であっても、当該複数の外来ノイズそれぞれを除去することができる。
第1の実施形態の変形例に係る通信装置は、例えば図10に示すノイズ除去部180を備えることによって、周波数変換部104から出力される離散化信号に、単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ(外来ノイズ)が複数含まれていた場合であっても、当該複数の外来ノイズそれぞれを除去することができる。したがって、第1の実施形態の変形例に係る通信装置は、図6、図7に示す第1の実施形態に係る通信装置100よりもより多くの外来ノイズを除去することができる。
また、第1の実施形態の変形例に係る通信装置は、ノイズ除去部の構成が図6、図7に示す第1の実施形態に係る通信装置100と異なるが、離散化信号に対するフィードバックを行わずに複数の外来ノイズを検出し、当該複数の外来ノイズそれぞれを除去することができる。したがって、第1の実施形態の変形例に係る通信装置は、第1の実施形態に係る通信装置100と同様の効果を奏することができる。
(第1の実施形態に係るプログラム)
第1の実施形態に係る通信装置100のノイズ除去部106をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
(第1の実施形態に係るノイズ除去方法)
次に、第1の実施形態に係るノイズ除去方法について説明する。図11は、本発明の第1の実施形態に係るノイズ除去方法を示す流れ図である。以下では、図11に示すノイズ除去方法を、通信装置100(より具体的には、ノイズ除去部106)が行うものとして説明する。
通信装置100は、離散化信号を高速フーリエ変換する(S100)。ここで、通信装置100は、ステップS100の処理を定期的あるいは不定期に行うことができ、また、離散化信号が入力されるごとに行うこともできる。
ステップS100における高速フーリエ変換の結果に基づいて、通信装置100は、ピーク周波数を検出する(S102)。ここで、通信装置100は、例えば、高速フーリエ変換の結果に基づいて、振幅が所定の値以上の周波数のうち、振幅が最も大きな周波数をピーク周波数として検出するが、上記に限られない。
通信装置100は、ステップS102において検出されたピーク周波数に基づいて、当該ピーク周波数に対応する周波数成分を減衰させた離散化信号を出力する(S104)。ここで、通信装置100は、ノイズ除去部としてノッチ・フィルタを備え、ステップS102において検出されたピーク周波数をノッチ・フィルタのノッチ周波数に設定することによって、ステップS104の処理を行うことができる。
通信装置100は、図11に示す方法を用いることによって、外来ノイズが含まれる可能性がある離散化信号に基づいて、離散化信号に対するフィードバックを行わずに外来ノイズを検出し、外来ノイズが除去された離散化信号を出力することができる。
(第2の実施形態)
上記では、本発明の第1の実施形態に係る通信装置として、単一周波数のノイズ(外来ノイズ)または図2に示すような狭帯域ノイズ(外来ノイズ)を主に除去するノイズ除去部を備えた通信装置100について説明した。しかしながら、本発明の実施形態に係る通信装置が除去する外来ノイズは、単一周波数のノイズや図2に示すような狭帯域ノイズに限られない。例えば、本発明の実施形態に係る通信装置は、図12に示すようなノイズの帯域が広い広帯域ノイズ(外来ノイズ。ここで、図12は、FM波を示している。)を除去することもできる。そこで、次に、第2の実施形態に係る通信装置として、広帯域ノイズ(外来ノイズ)を除去することが可能なノイズ除去部を備える通信装置について説明する。
[第2の実施形態に係るノイズ除去アプローチ]
本発明の実施形態に係る通信装置がGPS衛星(外部装置)と通信を行う場合、S/(N+I)は、0[dB]よりもずっと小さくなる。また、外来ノイズを含まない理想的な状態の離散化信号(以下、「理想離散化信号」という。)の電力は、熱雑音が100%近く、また熱雑音自体の統計的な性質は一定である。
また、理想離散化信号をx(t)、外来ノイズをn(t)、そして、受信した送信信号に基づく離散化信号をy(t)とすると、離散化信号y(t)、理想離散化信号x(t)および外来ノイズn(t)の関係は、以下の数式3で表される。
y(t)=x(t)+n(t)
・・・(数式3)
そこで、第2の実施形態に係る通信装置は、最小二乗平均誤差を最小とするウィーナ・フィルタ(Wiener Filter)を用い、数式3に示す理想離散化信号x(t)の二乗平均誤差が最小となる離散化信号x’(t)を得ることによって、離散化信号y(t)から外来ノイズを除去する。ここで、第2の実施形態に係る通信装置は、離散化信号y(t)、理想離散化信号x(t)および外来ノイズn(t)それぞれのフーリエ変換の結果Y(f)、X(f)、N(f)と、それぞれの電力スペクトラムPy(f)、Px(f)、Pn(f)とを用いて離散化信号x’(t)を得る。以下、より具体的に説明する。
理想離散化信号x(t)は、熱雑音が支配的であるので、振幅の分散をσxとするとσxは周波数によらず一定値となる。したがって、理想離散化信号x(t)の電力スペクトラムPx(f)は、以下の数式4で近似的に表すことができる。ここで、ΔFは、離散化信号の帯域幅(例えば、2MHz)である。また、σxは、例えば、通信アンテナを接続しない状態で送信信号と同様の信号を観測することによって決定することができるが、上記に限られない。つまり、数式4に示すPx(f)は、単位周波数(例えば、1MHz)あたりの電力を示している。以下では、理想離散化信号x(t)の電力スペクトラムPx(f)を、単位周波数あたりの電力を示すことから「基準電力」とよぶ場合もある。
Px(f)=σx/ΔF
・・・(数式4)
また、外来ノイズの電力スペクトラムPn(f)は、数式3より以下の数式5で表すことができる。
Pn(f)=Py(f)−Px(f)
・・・(数式5)
また、数式4、数式5、およびウィーナ・フィルタ理論を適用すると、ウィーナ・フィルタのフーリエ変換の結果W(f)は、以下の数式6で表すことができる。
Figure 0004877403
第2の実施形態に係る通信装置は、ポイント数NFETが例えば2のべき乗に設定された高速フーリエ変換回路を用いることによって、数式4に基づき以下の数式7で基準電力Px(n)を予め設定することができる。
Px(n)=σx/ΔF
・・・(数式7)
また、第2の実施形態に係る通信装置は、ポイント数NFETが例えば2のべき乗に設定された高速フーリエ変換回路を用いることによって、以下の数式8より離散化信号y(t)に基づいて離散化信号y(t)の電力スペクトラムを得ることができる。ここで、数式8において、nはn=0〜NFET−1の整数であり、数式8におけるNFET は、高速フーリエ変換回路の出力をポイント数によって補正する補正係数である。また、数式8におけるΔfは、高速フーリエ変換回路の分解能であり、Δfは、サンプリング周波数Fsを用いるとΔf=Fs/NFETで表される。例えば、サンプリング周波数Fs=16[MHz]、ポイント数NFET=64とすると、Δfは250[kHz]となる。
Py(n)=Y(n)/NFET/Δf
・・・(数式8)
第2の実施形態に係る通信装置は、数式6に示す関係を有するウィーナ・フィルタを用いることによって、離散化信号y(t)(より厳密には、数式8に示すPy(n))に基づいて理想離散化信号x(t)の二乗平均誤差が最小となる離散化信号x’(t)を得ることができる。また、第2の実施形態に係る通信装置は、従来の通信装置10のように、外来ノイズの検出のために離散化信号y(t)に対するフィードバックを行う必要はない。したがって、第2の実施形態に係る通信装置は、離散化信号y(t)に対するフィードバックを行わずに外来ノイズを検出し、離散化信号y(t)から外来ノイズを除去することができる。
上述した第1の実施形態に係る通信装置100は、特定の周波数(ノッチ周波数)に急峻な減衰を与えるノッチ・フィルタを用いて外来ノイズを除去するため、例えば、単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ(外来ノイズ)を主に除去することに適している。これに対して、第2の実施形態に係る通信装置は、適応フィルタの一種であるウィーナ・フィルタを外来ノイズの除去に用いるため、単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズだけでなく、例えば、図12に示すような、周波数が時間的に変動するような偏りのある広帯域ノイズを効果的に除去することができる。
なお、上記では第2の実施形態に係るノイズ除去アプローチとして、周波数領域におけるウィーナ・フィルタの理論を適用したが、第2の実施形態に係る通信装置におけるノイズ除去アプローチは、上記に限られない。例えば、第2の実施形態に係る通信装置は、時間領域での解であるウィーナ−ホッフ方程式により、有限インパルス応答(FIR)フィルタと有限インパルス応答のタップの係数を適応的に制御する方法を用いることによって、広帯域ノイズを除去することもできる。
以下、本発明の第2の実施形態に係る通信装置200について説明する。ここで、通信装置200と第1の実施形態に係る通信装置100との差異は、ノイズ除去のアプローチである。したがって、通信装置200は、外来ノイズを除去するノイズ除去部の構成が通信装置100と異なるが、その他の構成については、通信装置100と同様とすることができる。そこで、以下では、通信装置200に係るノイズ除去部202の構成について説明し、その他の構成については、説明を省略する。
[ノイズ除去部202の構成例]
図13は、本発明の第2の実施形態に係るノイズ除去部202の構成例を示す説明図である。ここで、図13では、通信アンテナ102および周波数変換部104を併せて示している。また、図13では、周波数変換部104から出力された外来ノイズが含まれている可能性のある離散化信号を離散化信号y(t)として示し、ノイズ除去後の離散化信号を離散化信号x’(t)として示している。ここで、ノイズ除去部202から出力される離散化信号x’(t)は、復調部108に伝達される。
図13を参照すると、適応フィルタとして機能するノイズ除去部202は、フーリエ変換部204(第2フーリエ変換部)と、ウィーナ・フィルタ206(第1ウィーナ・フィルタ)とを備える。
フーリエ変換部204は、周波数変換部104のA/Dコンバータ128から出力される離散化信号y(t)を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果Y(n)に基づく電力スペクトラムPy(n)=Y(n)/NFET /Δfを導出して出力する。ここで、フーリエ変換部204は、例えば、高速フーリエ変換回路と、高速フーリエ変換の結果に基づいて電力スペクトラムPy(n)を導出する演算回路とを有することができるが、上記に限られない。また、通信装置200は、フーリエ変換部204における高速フーリエ変換の結果に基づいて、例えば、復調部108のMPU144または制御部(図示せず)が電力スペクトラムPy(n)を導出することもできる。
ウィーナ・フィルタ206は、A/Dコンバータ128から出力される離散化信号y(t)と、フーリエ変換部204から出力される電力スペクトラムPy(n)と、基準電力Px(n)とに基づいて、理想離散化信号x(t)の二乗平均誤差が最小となる離散化信号x’(t)を出力する。ここで、基準電力Px(n)の値は、例えば、復調部108のMPU144または制御部(図示せず)によって伝達されるが、上記に限られない。
ノイズ除去部202は、例えば図13に示す構成によって、A/Dコンバータ128から出力される離散化信号y(t)に基づいて、理想離散化信号x(t)の二乗平均誤差が最小となる離散化信号x’(t)、すなわち、外来ノイズが除去された離散化信号を出力することができる。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る通信装置200は、基本的に図6に示す第1の実施形態に係る通信装置100と同様の構成を有し、外部装置から送信される送信信号を受信し、受信した送信信号に含まれるスペクトラム拡散信号を検出して復調する。また、通信装置200は、ウィーナ・フィルタを有し、例えば、図2に示すような狭帯域ノイズあるいは単一周波数のノイズ(外来ノイズ)や、図12に示すような広帯域ノイズ(外来ノイズ)を除去する適応フィルタとして機能するノイズ除去部202を備える。ノイズ除去部202は、A/Dコンバータ128から伝達される離散化信号と、離散化信号に対する高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムと、理想離散化信号の電力スペクトラムとに基づいて、理想離散化信号の二乗平均誤差が最小となる離散化信号、すなわち、外来ノイズが除去された離散化信号を出力する。ここで、ノイズ除去部202は、外来ノイズの検出のために離散化信号に対するフィードバックを行う必要はないので、従来の通信装置10のように不安定な動作をすることはない。したがって、通信装置200は、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。また、通信装置200は、外来ノイズを安定的に除去することができるので、スペクトラム拡散信号をより確実に復調することができる。
また、通信装置200がアナログ信号を処理するアナログ回路の最終段に備えるA/Dコンバータ128は、第1の実施形態に係る通信装置100と同様に、定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビットの分解能を有するA/Dコンバータで構成される。そして、A/Dコンバータ128は、定常的な熱雑音の平均振幅をA/Dコンバータ128の下位Mビットに設定する。したがって、通信装置200が備えるA/Dコンバータ128は、外来ノイズによるA/Dコンバータの出力スペクトラムの飽和を防止し、A/Dコンバータ128の後段に備えられるノイズ除去部202において外来ノイズをより確実に除去させることができる。
(第2の実施形態に係るプログラム)
第2の実施形態に係る通信装置200のノイズ除去部202をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
(第2の実施形態に係るノイズ除去方法)
次に、第2の実施形態に係るノイズ除去方法について説明する。図14は、本発明の第2の実施形態に係るノイズ除去方法を示す流れ図である。以下では、図14に示すノイズ除去方法を、通信装置200(より具体的には、ノイズ除去部202)が行うものとして説明する。
通信装置200は、離散化信号を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムを導出する(S200)。
ステップS200において電力スペクトラムが導出されると、通信装置200は、離散化信号、ステップS200において導出された電力スペクトラム、および基準電力に基づいて、理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する(S202)。ここで、通信装置200は、ノイズ除去部としてウィーナ・フィルタを備えることによって、ステップS202の処理を行うことができる。
通信装置200は、図14に示す方法を用いることによって、外来ノイズが含まれる可能性がある離散化信号に基づいて、離散化信号に対するフィードバックを行わずに外来ノイズを検出し、外来ノイズが除去された離散化信号を出力することができる。
(第3の実施形態)
上記では、本発明の第2の実施形態に係る通信装置として、広帯域ノイズを除去することが可能な適応フィルタとして機能する、ウィーナ・フィルタを有するノイズ除去部202を備えた通信装置200について説明した。しかしながら、本発明の実施形態に係る通信装置が備える、広帯域ノイズを除去することが可能なノイズ除去部の構成は、図13に示すノイズ除去部202の構成に限られない。そこで、次に、広帯域ノイズを除去することが可能なノイズ除去部を備える通信装置の他の実施形態である本発明の第3の実施形態に係る通信装置300について説明する。
ここで、通信装置300と第2の実施形態に係る通信装置200との差異は、ノイズ除去部の構成であり、その他の構成については、第1の実施形態に係る通信装置100および通信装置200と同様とすることができる。そこで、以下では、通信装置300に係るノイズ除去部302の構成について説明し、その他の構成については、説明を省略する。
[ノイズ除去部302の構成例]
図15は、本発明の第3の実施形態に係るノイズ除去部302の構成例を示す説明図である。ここで、図15では、通信アンテナ102および周波数変換部104を併せて示している。また、図15では、周波数変換部104から出力された外来ノイズが含まれている可能性のある離散化信号を離散化信号y(t)として示し、ノイズ除去後の離散化信号を離散化信号x’(t)として示している。ここで、ノイズ除去部502から出力される離散化信号x’(t)は、復調部108に伝達される。
図15を参照すると、ノイズ除去部302は、シリアル/パラレル変換部304と、フーリエ変換部306(第3フーリエ変換部)と、判定部308(第1判定部)と、ウィーナ・フィルタ206(以下、「ウィーナ・フィルタ演算部206」とよぶ場合もある。;第2ウィーナ・フィルタ)と、逆フーリエ変換部310と、パラレル/シリアル変換部312とを備える。
シリアル/パラレル変換部304は、周波数変換部104のA/Dコンバータ128から出力される離散化信号y(t)を、シリアルデータからパラレルデータへと変換する。ここで、シリアル/パラレル変換部304は、例えば、シフトレジスタを用いて構成することができるが、上記に限られない。また、離散化信号y(t)がパラレルデータである場合には、シリアル/パラレル変換部304は変換処理を行わない。
フーリエ変換部306は、シリアル/パラレル変換部304から出力されるパラレルデータ化された離散化信号y(t)を高速フーリエ変換する。
判定部308は、フーリエ変換部306から伝達される高速フーリエ変換の結果Y(n)に基づいて、離散化信号の電力スペクトラムPy(n)=Y(n)/NFET /Δfを導出する。そして、判定部308は、導出した電力スペクトラムPy(n)と、基準電力Px(n)との大きさを比較し、比較結果に応じて高速フーリエ変換の結果Y(n)の出力先を選択的に変更する。
〔1〕Py(n)>Px(n)の場合
基準電力Px(n)よりも電力スペクトラムPy(n)の方が大きい場合には、離散化信号y(t)に外来ノイズが含まれていることを示している。したがって、上記の場合、判定部308は、高速フーリエ変換の結果Y(n)および電力スペクトラムPy(n)をウィーナ・フィルタ演算部206に出力する。
〔2〕Py(n)≦Px(n)の場合
電力スペクトラムPy(n)が基準電力Px(n)以下の場合には、離散化信号y(t)に外来ノイズが含まれている可能性は低く、また、含まれていたとしても外来ノイズは熱雑音以下であるので、スペクトラム信号の復調に問題は生じる可能性は低い。したがって、上記の場合、判定部308は、高速フーリエ変換の結果Y(n)を、外来ノイズを除去するウィーナ・フィルタ演算部206ではなく、逆フーリエ変換部310へと出力する。
ここで、判定部308は、例えば、高速フーリエ変換の結果Y(n)に基づいて電力スペクトラムPy(n)を導出する演算回路や、基準電力Px(n)と電力スペクトラムPy(n)とを比較するデジタルコンパレータなどで構成することができるが、上記に限られない。
ウィーナ・フィルタ演算部206は、判定部308から高速フーリエ変換の結果Y(n)および電力スペクトラムPy(n)が伝達された場合には、以下の数式9に示す演算によって、理想離散化信号x(t)の二乗平均誤差が最小となる離散化信号x’(t)に対応する高速フーリエ変換された結果X’(n)を出力する。ここで、ウィーナ・フィルタ演算部206は、図13に示す第2の実施形態に係るウィーナ・フィルタ演算部206と同様の構成を有することができる。
X’(n)=W(n)・Y(n)=Y(n)・{Px(n)/Py(n)}
・・・(数式9)
逆フーリエ変換部310は、判定部308から出力される高速フーリエ変換の結果Y(n)、または、ウィーナ・フィルタ演算部206から出力される高速フーリエ変換された結果X’(n)に対して、逆高速フーリエ変換(Inversed Fast Fourier Transform;以下「IFFT」とよぶ場合もある。)を行う。ここで、判定部308から逆フーリエ変換部310へ出力される高速フーリエ変換の結果Y(n)は、外来ノイズが含まれている可能性が低い離散化信号に対応し、また、ウィーナ・フィルタ演算部206から出力される高速フーリエ変換された結果X’(n)は、ウィーナ・フィルタ演算部206において外来ノイズが除去された離散化信号である。したがって、逆フーリエ変換部310からは、理想離散化信号と同様の離散化信号、または、理想離散化信号と同視できる程度の外来ノイズが含まれる離散化信号が出力されることとなる。
ノイズ除去部302は、例えば図15に示す構成によって、A/Dコンバータ128から出力される離散化信号y(t)に基づいて、外来ノイズが除去された(あるいは、外来ノイズが含まれない)離散化信号を出力することができる。したがって、ノイズ除去部302は、外来ノイズを除去する適応フィルタとして機能することができる。
また、ノイズ除去部302は、図15に示すようにフーリエ変換部306と逆フーリエ変換部310とを備え、高速フーリエ変換(FFT)と逆高速フーリエ変換(IFFT)を行う。ここで、例えば、フーリエ変換部306および逆フーリエ変換部310それぞれがポイント数NFET=64に設定された高速フーリエ変換回路を備える場合、それぞれの高速フーリエ変換回路は、離散化信号y(t)を64個ごとに演算することになる。このとき、例えば、図16(a)に示すように、単純に64個おきに演算を行うと、高速フーリエ変換(FFT)および逆高速フーリエ変換(IFFT)の循環的な性質によって、64個ごとの継ぎ目で信号が大きく不連続となる可能性がある。上記のように信号が大きく不連続となった場合には、信号の不連続の部分が新たなノイズとなる。
そこで、ノイズ除去部302では、例えば、図16(b)に示すように、フーリエ変換部306では、ポイント数NFET=64に設定された高速フーリエ変換回路において離散化信号y(t)を64/2=32個オーバーラップさせて高速フーリエ変換(FFT)する。そして、逆フーリエ変換部310では、ポイント数NFET=64に設定された高速フーリエ変換回路において、逆高速フーリエ変換(IFFT)の結果x’(t)である64個のうち、中央付近の32個だけ出力させるなどの平滑化処理を行う。
フーリエ変換部306および逆フーリエ変換部310それぞれを上記のように動作させることによって、ノイズ除去部302は、信号の連続性を保つことが可能となるので、高速フーリエ変換(FFT)と逆高速フーリエ変換(IFFT)とにおいて生じうる信号の不連続の発生、すなわち、新たなノイズの発生を防止することができる。なお、本発明の第3の実施形態に係るノイズ除去部における高速フーリエ変換および逆高速フーリエ変換処理が、上記に限られないことは、言うまでもない。例えば、本発明の第3の実施形態に係るノイズ除去部は、図16(a)に示すように高速フーリエ変換および逆高速フーリエ変換処理を行うこともできる。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る通信装置300は、基本的に図6に示す第1の実施形態に係る通信装置100と同様の構成を有し、外部装置から送信される送信信号を受信し、受信した送信信号に含まれるスペクトラム拡散信号を検出して復調する。また、通信装置300は、離散化信号に基づいて外来ノイズが含まれる程度を判定し、当該判定結果に応じて、選択的に外来ノイズを除去するノイズ除去部302を備える。ここで、ノイズ除去部302は、図13に示す第2の実施形態に係るノイズ除去部202と同様に、ウィーナ・フィルタを用いて外来ノイズの除去を行う。つまり、ノイズ除去部302は、外来ノイズの検出のために離散化信号に対するフィードバックを行う必要はないので、従来の通信装置10のように不安定な動作をすることはない。したがって、通信装置300は、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。また、通信装置300は、外来ノイズを安定的に除去することができるので、スペクトラム拡散信号をより確実に復調することができる。
また、通信装置300がアナログ信号を処理するアナログ回路の最終段に備えるA/Dコンバータ128は、第1の実施形態に係る通信装置100と同様に、定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビットの分解能を有するA/Dコンバータで構成される。そして、A/Dコンバータ128は、定常的な熱雑音の平均振幅をA/Dコンバータ128の下位Mビットに設定する。したがって、通信装置300が備えるA/Dコンバータ128は、外来ノイズによるA/Dコンバータの出力スペクトラムの飽和を防止し、A/Dコンバータ128の後段に備えられるノイズ除去部302において外来ノイズをより確実に除去させることができる。
(第3の実施形態に係るプログラム)
第3の実施形態に係る通信装置300のノイズ除去部302をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
(第3の実施形態に係るノイズ除去方法)
次に、第3の実施形態に係るノイズ除去方法について説明する。図17は、本発明の第3の実施形態に係るノイズ除去方法を示す流れ図である。以下では、図17に示すノイズ除去方法を、通信装置300(より具体的には、ノイズ除去部302)が行うものとして説明する。
通信装置300は、図11のステップS100と同様に、離散化信号y(t)を高速フーリエ変換する(S300)。そして、通信装置300は、図14のステップS200と同様に、ステップS300における高速フーリエ変換の結果Y(n)に基づく電力スペクトラムPy(n)を導出する(S302)。
ステップS302において電力スペクトラムPy(n)が導出されると、通信装置300は、ステップS302において導出された電力スペクトラムPy(n)が、基準電力Px(n)より大きいか否かを判定する(S304)。
ステップS304において電力スペクトラムPy(n)が基準電力Px(n)よりも大きいと判定された場合には、通信装置300は、ステップS300における高速フーリエ変換の結果Y(n)、ステップS302において導出された電力スペクトラムPy(n)、および基準電力Px(n)に基づいて、理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号に対応する高速フーリエ変換の結果X’(n)を出力する(S306)。ここで、通信装置300は、ノイズ除去部としてウィーナ・フィルタ演算機能を備えることによって、ステップS306の処理を行うことができる。
ステップS306において高速フーリエ変換の結果X’(n)が出力されると、通信装置300は、高速フーリエ変換の結果X’(n)を逆フーリエ変換する(S310)。上記の場合には、通信装置300は、理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号x’(t)を出力することができる。
また、ステップS304において電力スペクトラムPy(n)が基準電力Px(n)よりも大きいと判定されなかった場合には、通信装置300は、ステップS300における高速フーリエ変換の結果Y(n)を出力する(S308)。そして、通信装置300は、高速フーリエ変換の結果Y(n)を逆フーリエ変換する(S310)。上記の場合には、通信装置300は、外来ノイズを含まない離散化信号x’(t)を出力することができる。
通信装置300は、図17に示す方法を用いることによって、外来ノイズが含まれる可能性がある離散化信号に基づいて、離散化信号に対するフィードバックを行わずに外来ノイズを検出し、外来ノイズが除去された離散化信号を出力することができる。
(第4の実施形態)
上記では、本発明の第2、第3の実施形態に係る通信装置として、フーリエ変換部や逆フーリエ変換部を有するノイズ除去部を備えることによって、広帯域ノイズを除去する通信装置について説明した。しかしながら、本発明の実施形態に係る通信装置が備える、広帯域ノイズを除去することが可能なノイズ除去部の構成は、図13や図15に示すように、フーリエ変換部や逆フーリエ変換部を有する構成に限られない。そこで、次に、第4の実施形態に係る通信装置として、高速フーリエ変換を用いずに広帯域ノイズを除去することが可能なノイズ除去部402を備える通信装置400について説明する。
[第4の実施形態に係るノイズ除去アプローチ]
図15に示す高速フーリエ変換(FFT)および逆高速フーリエ変換(IFFT)を行うノイズ除去部302では、サンプリング周波数をFsとすると、−Fs/2〜Fs/2(例えば、Fs=16MHzの場合には、−8MHz〜8MHz)までの周波数が均等に扱われる。しかしながら、本発明の実施形態に係る通信装置では、例えば図6に示すように周波数変換部104において、BPF130やBPF126などの各種フィルタにおいて帯域制限される。ここで、本発明の実施形態に係る通信装置がGPS信号を受信するとき、中間周波数が0(ゼロ)の場合におけるIF信号の信号帯域の典型例としては、−2MHz〜2MHzが挙げられる。したがって、本発明の実施形態に係る通信装置において、−Fs/2〜Fs/2に含まれる全周波数に対して、例えば、数式9に示すようなウィーナ・フィルタの演算を行うことはオーバースペックである。
したがって、本発明の実施形態に係る通信装置が、例えば、−Fs/2〜Fs/2のうち、IF信号の信号帯域に相当する部分だけウィーナ・フィルタの演算を行えば、処理の効率化を図ることができる。しかし、上記の場合であっても、ノイズ除去部が備える高速フーリエ変換回路のポイント数NFETは変わらないため、高速フーリエ変換回路における演算量は大きくは変わらない。また、図16(b)に示した高速フーリエ変換(FFT)、逆高速フーリエ変換(IFFT)における循環性による不連続を防止するためのオーバーラップ処理を行う場合には、高速フーリエ変換回路における演算量がさらに増してしまう。
そこで、本発明の第4の実施形態に係る通信装置400では、中心周波数の異なる複数個のBPFをIF信号の帯域をカバーする分だけ有し、当該BPFそれぞれの出力に対してウィーナ・フィルタの演算を行うノイズ除去部402を備える。ここで、ノイズ除去部402は、中心周波数の異なる複数個のBPFを有する構成として、例えば、周波数サンプリングフィルタを用いる。上記の構成によって、通信装置400は、ノイズ除去部402を、対象とするスペクトラム拡散信号の復調に必要な最小限度の構成とすることができる。また、通信装置400は、高速フーリエ変換回路を用いずに外来ノイズを除去するので、高速フーリエ変換回路を用いる構成よりもノイズ除去部の回路規模を小さくすることができ、また、上述した高速フーリエ変換(FFT)、逆高速フーリエ変換(IFFT)における循環性による不連続の問題も生じない。
以下、本発明の第4の実施形態に係る通信装置400の構成について説明する。ここで、通信装置400と第2、第3の実施形態に係る通信装置との差異は、ノイズ除去部の構成であり、その他の構成については、第1〜第3の実施形態に係る通信装置と同様とすることができる。そこで、以下では、通信装置400に係るノイズ除去部402の構成について説明し、その他の構成については、説明を省略する。
[ノイズ除去部402の構成例]
図18は、本発明の第4の実施形態に係るノイズ除去部402の構成例を示す説明図である。なお、図18では、通信アンテナ102および周波数変換部104を併せて示している。また、図18では、周波数変換部104から出力された外来ノイズが含まれている可能性のある離散化信号を離散化信号y(t)として示し、ノイズ除去後の離散化信号を離散化信号x’(t)として示している。ここで、ノイズ除去部502から出力される離散化信号x’(t)は、復調部108に伝達される。
図18を参照すると、ノイズ除去部402は、BPF共通部404と、BPF個別部406a〜406gと、適応フィルタ408a〜408g(第2適応フィルタ)と、合成部410とを備える。
ここで、ノイズ除去部402では、BPF共通部404、BPF個別部406a〜406g、および合成部410が周波数サンプリングフィルタを構成する。また、BPF共通部404およびBPF個別部406aは1つのBPFを構成し、同様に、BPF共通部404およびBPF個別部406b、…、BPF共通部404およびBPF個別部406gが1つのBPFを構成する。したがって、図18に示すノイズ除去部402は、7つのBPFを備える構成を示している。また、各BPFからの出力される所定の周波数帯域の信号(検出信号)を合成部410で合成することによって、7つのBPFを備えた周波数サンプリングフィルタが構成される。
図19は、本発明の第4の実施形態に係るノイズ除去部402が備える周波数サンプリングフィルタの出力特性の例を示す説明図である。ここで、図19は、適応フィルタ演算部408a〜408gをW(f)=1、ポイント数Nd=64、送信信号のチップレートfo=1.023MHz、サンプリング周波数fs=16foに設定した場合の例である。このとき、ノイズ除去部402において周波数サンプリングフィルタを構成する各BPFの中心周波数は、0(ゼロ)、±fs/64、±2fs/64、±3fs/64であり、また各BPFのメインローブの周波数幅はfs/64となる。なお、図19では、周波数サンプリングフィルタ全体の帯域幅を、7fs/64≒1.8MHzとした例を示しているが、ノイズ除去部402が備える周波数サンプリングフィルタは、上記に限られない。例えば、ノイズ除去部402は、ポイント数Nd、送信信号のチップレートfo、サンプリング周波数fs、およびBPFの数によって、周波数サンプリングフィルタの帯域幅を任意に設定することもができる。
適応フィルタ演算部408a〜408gそれぞれは、中心周波数の異なる各BPFから出力される離散化信号(検出信号)に基づいて、外来ノイズを除去する。以下、適応フィルタ408aを例に挙げて、ノイズ除去部404が備える適応フィルタの構成について説明する。なお、適応フィルタ演算部408b〜408gについては、適応フィルタ演算部408aと同様の構成をとることができるので、説明を省略する。
〔適応フィルタ演算部408aの構成例〕
図20は、本発明の第4の実施形態に係るノイズ除去部402が備える適応フィルタ演算部408aの構成例を示す説明図である。
図20を参照すると、適応フィルタ演算部408aは、判定部308a(第2判定部)と、ウィーナ・フィルタ演算部206a(第3ウィーナ・フィルタ)と、論理和演算部420aとを備える。
判定部308aは、BPF個別部406aから出力される離散化信号y3(t)に基づいて、離散化信号の電力スペクトラムPy3(t)=y3(t)/N を導出する。そして、判定部308aは、導出した電力スペクトラムPy3(t)と、基準電力Px(t)=σx/ΔFとの大きさを比較し、比較結果に応じて離散化信号y3(t)の出力先を選択的に変更する。ここで、判定部308aは、図15に示す第3の実施形態に係る判定部308と同様の構成を有することができる。
〔1〕Py3(t)>Px(t)の場合
基準電力Px(t)よりも電力スペクトラムPy3(t)の方が大きい場合には、離散化信号y3(t)に外来ノイズが含まれていることを示している。したがって、上記の場合、判定部308aは、離散化信号y3(t)および電力スペクトラムPy3(t)をウィーナ・フィルタ演算部206aに出力する。
〔2〕Py3(t)≦Px(t)の場合
電力スペクトラムPy3(t)が基準電力Px(t)以下の場合には、離散化信号y3(t)に外来ノイズが含まれている可能性は低く、また、含まれていたとしても外来ノイズは熱雑音以下であるので、スペクトラム信号の復調に問題は生じる可能性は低い。したがって、上記の場合、判定部308aは、離散化信号y3(t)を、外来ノイズを除去するウィーナ・フィルタ演算部206aではなく、論理和演算部420aへと出力する。
ウィーナ・フィルタ演算部206aは、判定部308aから離散化信号y3(t)および電力スペクトラムPy3(t)が伝達された場合には、以下の数式10に示す演算によって、離散化信号y3(t)における理想離散化信号の二乗平均誤差が最小となる離散化信号x’3(t)を出力する。ここで、ウィーナ・フィルタ演算部206aは、図13に示す第2の実施形態に係るウィーナ・フィルタ演算部206と同様の構成を有することができる。
x’3(t)=W(t)・y3(t)=y3(t)・{Px(t)/Py3(t)}
・・・(数式10)
論理和演算部420aは、判定部308aから出力される離散化信号y3(t)、または、ウィーナ・フィルタ演算部206aから出力される離散化信号x’3(t)が入力されると、入力された離散化信号を出力する。ここで、判定部308aから論理和演算部420aへ出力される離散化信号y3(t)は、外来ノイズが含まれている可能性が低い離散化信号であり、また、ウィーナ・フィルタ演算部206aから出力される離散化信号x’3(t)は、外来ノイズが除去された離散化信号である。したがって、論理和演算部420aからは、離散化信号y3(t)における理想離散化信号と同様の離散化信号、または、理想離散化信号と同視できる程度の外来ノイズが含まれる離散化信号が出力されることとなる。また、論理和演算部420aは、例えば、論理和回路で構成することができるが、上記に限られない。
適応フィルタ演算部408aは、例えば図20に示す構成によって、BPF個別部406aから出力される離散化信号y3(t)に基づいて、外来ノイズが除去された(あるいは、外来ノイズが含まれない)離散化信号を出力することができる。
合成部410は、各BPFからの出力される離散化信号に基づき適応フィルタ演算部408a〜408gそれぞれから出力される離散化信号を合成する。そして、合成部410は、A/Dコンバータ128から出力される離散化信号y(t)に基づいて、外来ノイズが除去された(あるいは、外来ノイズが含まれない)離散化信号x’(t)を出力する。
図21は、本発明の第4の実施形態に係る通信装置400におけるノイズ除去部402を備える効果を示すための説明図である。ここで、図21(a)は、本発明の実施形態に係る通信装置に対して、適応フィルタ演算部408a〜408gを有さない周波数サンプリングフィルタのみ、すなわち、W(f)=1として適用した場合の復調部108における逆拡散処理の結果の一例を示している。また、図21(b)は、本発明の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部402を備えている場合、すなわち、適応フィルタ演算部408a〜408gを備えた周波数サンプリングフィルタを適用した場合の復調部108における逆拡散処理の結果の一例を示している。なお、図21(a)および図21(b)は、A/Dコンバータ128が図12に示す出力スペクトラムに示す離散化信号y(t)を出力したときの復調部108における逆拡散処理の結果である。
図21に示すように、本発明の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部402を備えていない場合、すなわち、適応フィルタ演算部408a〜408gを有さない、つまり、W(f)=1として周波数サンプリングフィルタが適用された場合には、復調部108においてスペクトラム拡散信号が検出されていない(図21(a))。これに対して、本発明の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部402を備えている場合、すなわち、適応フィルタ演算部408a〜408gを備えた周波数サンプリングフィルタを適用した場合には、復調部108においてスペクトラム拡散信号が検出されていることが分かる(図21(b))。
したがって、ノイズ除去部402は、図12に示すような広帯域ノイズ(外来ノイズ)を除去可能な適応フィルタとして機能することができる。本発明の第4の実施形態に係る通信装置400は、第2、第3の実施形態に係る通信装置のように高速フーリエ変換(FFT)や逆高速フーリエ変換(IFFT)を行って外来ノイズの除去を行わないが、第2、第3の実施形態に係る通信装置と同様に、図21(b)に示すように外来ノイズを除去することができる。なお、上述した第2、第3の実施形態に係る通信装置では、復調部108におけるスペクトラム拡散信号の検出結果の例を示していないが、第2、第3の実施形態に係る通信装置は、第4の実施形態に係るノイズ除去部402と同様に、ウィーナ・フィルタの演算を用いて外来ノイズを除去する。つまり、第2、第3の実施形態に係る通信装置においても、図21(b)と同様の結果を得ることができる。
通信装置400は、例えば図20に示すノイズ除去部402を備えることによって、外来ノイズを除去することができるので、図21(b)に示すようにスペクトラム拡散信号を検出し、復調することができる。
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る通信装置400は、基本的に図6に示す第1の実施形態に係る通信装置100と同様の構成を有し、外部装置から送信される送信信号を受信し、受信した送信信号に含まれるスペクトラム拡散信号を検出して復調する。また、通信装置400は、中心周波数の異なる複数個のBPFをIF信号の帯域をカバーする分だけ有し、当該BPFそれぞれの出力に対してウィーナ・フィルタの演算を行うノイズ除去部402を備える。ここで、ノイズ除去部402は、各BPFから出力される離散化信号に対して、図13に示す第2の実施形態に係るノイズ除去部202と同様に、ウィーナ・フィルタを用いて外来ノイズの除去を行う。つまり、ノイズ除去部402は、外来ノイズの検出のために離散化信号に対するフィードバックを行う必要はないので、従来の通信装置10のように不安定な動作をすることはない。したがって、通信装置400は、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。また、通信装置400は、外来ノイズを安定的に除去することができるので、スペクトラム拡散信号をより確実に復調することができる。
また、通信装置400がアナログ信号を処理するアナログ回路の最終段に備えるA/Dコンバータ128は、第1の実施形態に係る通信装置100と同様に、定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビットの分解能を有するA/Dコンバータで構成される。そして、A/Dコンバータ128は、定常的な熱雑音の平均振幅をA/Dコンバータ128の下位Mビットに設定する。したがって、通信装置400が備えるA/Dコンバータ128は、外来ノイズによるA/Dコンバータの出力スペクトラムの飽和を防止し、A/Dコンバータ128の後段に備えられるノイズ除去部402において外来ノイズをより確実に除去させることができる。
(第4の実施形態に係るプログラム)
第4の実施形態に係る通信装置400のノイズ除去部402をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
(第5の実施形態)
上記では、第1の実施形態に係る通信装置として、単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズを主に除去するノイズ除去部を備える通信装置を示した。また、上記では、第2〜第4の実施形態に係る通信装置として、広帯域ノイズを除去可能な適応フィルタとして機能するノイズ除去部を備える通信装置を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る通信装置が備えるノイズ除去部の構成は、上述した第1〜第4の実施形態に係るノイズ除去部の構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る通信装置は、上述した第1の実施形態に係るノイズ除去部の構成と、上述した第2〜第4の実施形態に係るノイズ除去部の構成とが組み合わされた構成を有するノイズ除去部を備えることもできる。
以下、本発明の第5の実施形態に係る通信装置(以下、「通信装置500」という。)の構成について説明する。ここで、通信装置500と第1〜第4の実施形態に係る通信装置との差異は、ノイズ除去部の構成であり、その他の構成については、第1〜第4の実施形態に係る通信装置と同様とすることができる。そこで、以下では、通信装置500に係るノイズ除去部502の構成について説明し、その他の構成については、説明を省略する。
[ノイズ除去部502の構成例]
図22は、本発明の第5の実施形態に係るノイズ除去部502の構成例を示す説明図である。なお、図22では、通信アンテナ102および周波数変換部104を併せて示している。また、図22では、周波数変換部104から出力された外来ノイズが含まれている可能性のある離散化信号を離散化信号y(t)として示し、ノイズ除去後の離散化信号を離散化信号x(t)として示している。ここで、ノイズ除去部502から出力される離散化信号x(t)は、復調部108に伝達される。
図22を参照すると、ノイズ除去部502は、フーリエ変換部160と、ノッチ周波数検出部182と、k個(kは2以上の整数)のノッチ・フィルタ164a〜ノッチ・フィルタ164kと、適応フィルタ演算部302(第1適応フィルタ)とを備える。
フーリエ変換部160、ノッチ周波数検出部182、およびk個(kは2以上の整数)のノッチ・フィルタ164a〜ノッチ・フィルタ164kは、図10に示す第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180と同様の構成を有する。したがって、フーリエ変換部160、ノッチ周波数検出部182、およびk個(kは2以上の整数)のノッチ・フィルタ164a〜ノッチ・フィルタ164kは、単一周波数のノイズまたはノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズを主に除去することができる。
また、適応フィルタ302は、図15に示す第3の実施形態に係るノイズ除去部302と同様の構成を有する。したがって、適応フィルタ302は、広帯域ノイズを除去することができる。
つまり、ノイズ除去部502は、第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180と、第3の実施形態に係るノイズ除去部302とを組み合わせた構成である。したがって、ノイズ除去部502は、単一周波数のノイズ、ノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ、および広帯域ノイズをそれぞれ除去することができる。
また、上述したように、第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180および第3の実施形態に係るノイズ除去部302それぞれは、外来ノイズの検出のために離散化信号に対するフィードバックを行う必要はない。よって、ノイズ除去部180とノイズ除去部302とを組み合わせた構成を有するノイズ除去部502は、図22に示す構成であっても従来の通信装置10のように不安定な動作をすることはない。
したがって、通信装置500は、ノイズ除去部502を備えることによって、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。なお、図22では、本発明の第5の実施形態に係るノイズ除去部として、第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180と第3の実施形態に係るノイズ除去部302とを組み合わせた構成を示したが、上記の構成に限られない。例えば、本発明の第5の実施形態に係るノイズ除去部は、第1の実施形態に係るノイズ除去部106と第3の実施形態に係るノイズ除去部302とを組み合わせた構成とすることができ、また、第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180と第4の実施形態に係るノイズ除去部402とを組み合わせた構成とすることもできる。
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る通信装置500は、基本的に図6に示す第1の実施形態に係る通信装置100と同様の構成を有し、外部装置から送信される送信信号を受信し、受信した送信信号に含まれるスペクトラム拡散信号を検出して復調する。また、通信装置500は、第1の実施形態の変形例に係るノイズ除去部180と第3の実施形態に係るノイズ除去部302とを組み合わせた構成を有するノイズ除去部502を備える。ここで、ノイズ除去部502は、外来ノイズの検出のために離散化信号に対するフィードバックを行う必要はないので、従来の通信装置10のように不安定な動作をすることはない。したがって、通信装置500は、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。また、通信装置500は、外来ノイズを安定的に除去することができるので、スペクトラム拡散信号をより確実に復調することができる。
また、通信装置500がアナログ信号を処理するアナログ回路の最終段に備えるA/Dコンバータ128は、第1の実施形態に係る通信装置100と同様に、定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビットの分解能を有するA/Dコンバータで構成される。そして、A/Dコンバータ128は、定常的な熱雑音の平均振幅をA/Dコンバータ128の下位Mビットに設定する。したがって、通信装置500が備えるA/Dコンバータ128は、外来ノイズによるA/Dコンバータの出力スペクトラムの飽和を防止し、A/Dコンバータ128の後段に備えられるノイズ除去部502において外来ノイズをより確実に除去させることができる。
[第5の実施形態に係る通信装置の変形例]
上記では、第5の実施形態に係る通信装置として、単一周波数のノイズ、ノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ、および広帯域ノイズをそれぞれ除去することが可能なノイズ除去部502を備える通信装置500について説明した。上述したように、図22に示すノイズ除去部502は、第1の実施形態に係るノイズ除去部106と第3の実施形態に係るノイズ除去部302とを組み合わせた構成によって、単一周波数のノイズ、ノイズの帯域が狭い狭帯域ノイズ、および広帯域ノイズをそれぞれ除去することができる。しかしながら、本発明の第5の実施形態に係る通信装置のノイズ除去部の構成は、図22に示す構成に限られない。
離散化信号に含まれる可能性がある広帯域ノイズの一例として、持続時間の短いパルス性のノイズが挙げられる。上記のようなパルス性のノイズは時間軸上で局在するので、パルス性のノイズは、時間軸上で振幅を抑圧することによって効果的に除去される。しかしながら、パルス性のノイズに対して時間軸上で振幅を抑圧した場合であっても、周波数軸上ではノイズが広がるため、広帯域ノイズ用の適応フィルタ(例えば、適応フィルタ演算部302)を通すと全帯域で抑圧を受けてしまう。そのため、パルス性のノイズに対しては、適応フィルタによりかえって逆拡散処理において検出されたスペクトラム拡散信号のS/N比を損ねてしまう可能性がある。
そこで、本発明の第5の実施形態の変形例に係る通信装置(以下、「通信装置550」という。)は、以下の(a)、(b)の処理によって、上記検出されたスペクトラム拡散信号のS/N比を損ねる(ロスする)問題が生じることを防止する。
(a)パルス性のノイズの検出
パルス性のノイズは、振幅が大きい場合であっても時間平均した電力は小さくなる。そこで、通信装置550は、A/Dコンバータ128から出力される離散化信号に基づいて、例えば、1[msec]などの所定の時間長における平均値または積分値を導出する。次に、通信装置550は、導出された平均値または積分値と、パルス性のノイズを判定するための基準値とを比較する。そして、通信装置550は、導出された平均値または積分値が基準値よりも大きくなった場合において、パルス性のノイズが検出されたと判定する。
(b)フィルタの制御
通信装置550は、上記(a)の処理においてパルス性のノイズが検出されたと判定された場合には、ノイズ除去部を構成するフィルタのうち、例えば、広帯域ノイズ用の適応フィルタ(例えば、適応フィルタ302)を選択的にオフする。
第5の実施形態の変形例に係る通信装置550は、上記(a)、(b)の処理を行うことによって、広帯域ノイズ用の適応フィルタにおけるS/N比のロスを防止することができ、また、当該適応フィルタにおいて消費される電力を削減することができる。
以下、第5の実施形態の変形例に係る通信装置550の構成例について、説明する。図23は、本発明の第5の実施形態の変形例に係る通信装置550の構成例の一部を示す説明図である。なお、図23では、通信装置550の構成の一部を示しており、ノイズ除去部502の後段には、例えば、図6に示す復調部108と同様の構成を有する復調部108が接続される。
図23を参照すると、通信装置550は、通信アンテナ102と、周波数変換部104と、調整信号生成部552と、ノイズ除去部502とを備える。ここで、通信アンテナ102、周波数変換部104、およびノイズ除去部502は、それぞれ図22に示す通信装置500と同様の構成を有する。
調整信号生成部552は、レベル検出部554と、比較部556(調整信号出力部)とを備える。レベル検出部554は、A/Dコンバータ128から出力される離散化信号に基づいて、所定の時間長における平均値または積分値を導出する。ここで、レベル検出部554は、例えば、移動平均フィルタや、1[msec]などの所定の時定数を有するIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ、または、Integrate & Dumpによる積分回路などで構成することができるが、上記に限られない。
比較部556は、レベル検出部554から出力される所定の時間長における平均値または積分値と基準値とを比較する。そして、比較部556は、平均値または積分値が基準値よりも大きい場合には、例えば、ノイズ除去部502の適応フィルタ302を選択的にオフさせる調整信号をノイズ除去部502に伝達し、適応フィルタ302を選択的にオフさせる。ここで、比較部556は、例えば、コンパレータで構成することができるが、上記に限られない。また、上記基準値は、例えば、復調部108のMPU144または制御部(図示せず)によって伝達される。また、比較部556は、例えば、離散化信号を適応フィルタ302またはバイパスへと選択的に接続するスイッチング部に対して生成した調整信号を伝達することによって、適応フィルタ302を選択的にオフさせることができるが、上記に限られない。
調整信号生成部552は、上記のような構成によって、上記(a)、(b)の処理を実行することができる。
第5の実施形態の変形例に係る通信装置550は、例えば図23に示す構成によって、上記検出されたスペクトラム拡散信号のS/N比を損ねる問題が生じることを防止することができる。
また、通信装置550は、基本的に図22に示す通信装置500と同様の構成を有するので、第5の実施形態に係る通信装置500と同様の効果を奏することができる。
(第5の実施形態に係るプログラム)
第5の実施形態に係る通信装置500のノイズ除去部502をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、スペクトラム拡散信号が変調された送信信号から安定的に外来ノイズを除去することができる。
(第6の実施形態)
上記では、第1〜第5の実施形態に係る通信装置として、周波数変換部の最終段にA/Dコンバータを備え、当該A/Dコンバータが、定常的な熱雑音の平均振幅に対応するビット数より大きなNビットの分解能を有し、定常的な熱雑音の平均振幅を下位Mビットに設定する構成を示した。上記の構成によって、本発明の実施形態に係る通信装置は、外来ノイズによるA/Dコンバータの出力スペクトラムの飽和を防止し、A/Dコンバータの後段に備えられるノイズ除去部において外来ノイズをより確実に除去させることができる。
また、本発明の実施形態に係る通信装置は、ノイズ除去部において外来ノイズが除去された離散化信号を復調部において逆拡散処理することによって、スペクトラム拡散信号を復調することができる。ここで、GPS衛星と通信を行う一般的なGPS受信装置が1ビットや2ビットのA/Dコンバータで成り立っていることからも分かる通り、例えば、外来ノイズがない理想的な状態である場合、あるいは、外来ノイズが十分に小さい場合には、1ビットや2ビットのA/Dコンバータを備えていればGPS信号を復調することができる。つまり、本発明の実施形態に係る通信装置は、ノイズ除去部において外来ノイズを除去することができるので、ノイズ除去部の後段である復調部では、Mビット(例えば、3ビット以上)の離散化信号を必ずしも必要としない。
そこで、本発明の第6の実施形態に係る通信装置は、ノイズ除去部において外来ノイズが除去された離散化信号に対して、ビット数を削減させる。外来ノイズが除去された離散化信号に対してビット数を削減させることによって、本発明の第6の実施形態に係る通信装置は、復調部を構成する演算器やレジスタ、メモリのサイズを削減することができる。また、図23に示す第5の実施形態の変形例に係る通信装置550にビット数を削減機能を追加した場合には、本発明の実施形態に係る通信装置が、例えば、バイパスによって適応フィルタ302を選択的にオフさせたときであっても、ビット数を削減させることによって離散化信号に含まれるパルス性ノイズの振幅を抑圧することができる。したがって、本発明の実施形態に係る通信装置は、上記の場合であってもより確実にスペクトラム拡散信号を復調することができる。
以下、本発明の第6の実施形態に係る通信装置の構成例について説明する。図24は、本発明の第6の実施形態に係る通信装置(以下、「通信装置600」という。)の構成例の一部を示す説明図である。なお、図24では、通信装置600の構成の一部を示しており、ノイズ除去部502の後段には、例えば、図6に示す復調部108と同様の構成を有する復調部108が接続される。
図24を参照すると、通信装置600は、通信アンテナ102と、周波数変換部104と、ノイズ除去部502と、ビット・リデューサ602(ビット数設定部)とを備える。ここで、通信アンテナ102、周波数変換部104、およびノイズ除去部502は、それぞれ図22に示す通信装置500と同様の構成を有する。また、図24では、周波数変換部104のA/Dコンバータ128から6ビットの離散化信号が出力された例を示している。
ビット・リデューサ602は、ノイズ除去部502から出力される離散化信号に基づいて、例えば、離散化信号の下位Pビット(Pは、N>Pの整数)に上限値を制限した信号を出力することによって、離散化信号のビット数を削減させる。図24では、ビット・リデューサ602が6ビットの離散化信号を2ビットの離散化信号にビット数を削減した例を示している。なお、本発明の第6の実施形態に係るビット・リデューサ602におけるビット数の削減方法が、上記に限られないことは、言うまでもない。
第6の実施形態に係る通信装置600は、例えば図24に示す構成によって、ノイズ除去部において外来ノイズが除去された離散化信号に対してビット数を削減させることができる。
また、通信装置600は、基本的に図22に示す通信装置500と同様の構成を有するので、第5の実施形態に係る通信装置500と同様の効果を奏することができる。なお、図24では、第6の実施形態に係る通信装置として、図22に示す通信装置500に対してビット・リデューサ602をさらに備えた構成を有する通信装置600を示したが、上記の構成に限られない。例えば、本発明の第6の実施形態に係る通信装置は、第1〜第4の実施形態に係る通信装置に対して、ノイズ除去部の後段にビット・リデューサ602をさらに備えた構成とすることもできる。
(第7の実施形態)
上記第1〜第6の実施形態に係る通信装置がノイズ除去部として有するノッチ・フィルタやウィーナ・フィルタなどはデジタルフィルタであるので、第1〜第6の実施形態に係るノイズ除去部では、フィルタ処理のサンプリング周波数と搬送波周波数との比が大きい方が処理しやすい。また、IF信号の中間周波数が0(ゼロ)でない場合には、周波数変換部において備えるA/Dコンバータの数が1つですむことから、GPS受信装置などでは一般的に中間周波数(IF)を数MHzとしている。
そこで、本発明の第7の実施形態に係る通信装置は、周波数変換部において送信信号を0(ゼロ)以外の所定の周波数を有するIF信号へと変換する。次に、第7の実施形態に係る通信装置は、A/Dコンバータから出力される所定の周波数を有する離散化信号を、周波数が0(ゼロ)の離散化信号へとさらに変換する。そして、第7の実施形態に係る通信装置は、周波数が0(ゼロ)の離散化信号に対して外来ノイズの除去を行い、スペクトラム拡散信号を復調する。
したがって、本発明の第7の実施形態に係る通信装置は、周波数変換部において備えるA/Dコンバータの数を1つで構成することができ、さらに、ノイズ除去部における外部ノイズの除去処理のしやすさを向上させることができる。以下、第7の実施形態に係る通信装置の構成例について説明する。
図25は、本発明の第7の実施形態に係る通信装置700の構成例の一部を示す説明図である。なお、図25では、通信装置550の構成の一部を示しており、ビット・リデューサ602aおよびビット・リデューサ602bの後段には、例えば、図6に示す復調部108と同様の構成を有する復調部108が接続される。
図25を参照すると、通信装置700は、通信アンテナ102と、周波数変換部104と、調整信号生成部552と、第2周波数変換部702(周波数変換部)と、ローパス・フィルタ704aおよびローパス・フィルタ704bと、ノイズ除去部502と、ビット・リデューサ602aおよびビット・リデューサ602bとを備える。ここで、通信アンテナ102、周波数変換部104、調整信号生成部552、およびノイズ除去部502は、それぞれ図23に示す通信装置550と同様の構成を有する。また、ビット・リデューサ602aおよびビット・リデューサ602bは、それぞれ図24に示す通信装置600と同様の構成を有する。また、周波数変換部104が変換する中間周波数は、例えば、4.092MHzや1.023MHzなどの0(ゼロ)以外の周波数であるとする。
第2周波数変換部702は、NCO(Numeric Controlled Oscillator)710と、乗算器712aと、乗算器712bとを備える。
乗算器712aは、A/Dコンバータ128から出力された離散化信号と、NCO710から伝達される発振信号のサイン成分を乗算する。また、乗算器712bは、A/Dコンバータ128から出力された離散化信号と、NCO710から伝達される発振信号のコサイン成分とを乗算する。ここで、NCO710は、周波数が中間周波数に相当する発振信号を生成する。例えば、A/Dコンバータ128から出力された離散化信号の周波数(すなわち、中間周波数)が4.092MHzである場合には、NCO710は、4.092MHzの発振信号を生成する。
第2周波数変換部702は、上記の構成によって、0(ゼロ)以外の周波数の離散化信号を、周波数が0(ゼロ)の離散化信号へと変換することができる。なお、第2周波数変換部702の構成が、上記に限られないことは、言うまでもない。
ローパス・フィルタ704aは、乗算器712aから出力される離散化信号に基づいて遮断周波数より大きな周波数の信号を減衰させ、同様に、ローパス・フィルタ704bは、乗算器712bから出力される離散化信号に基づいて遮断周波数より大きな周波数の信号を減衰させる。そして、ローパス・フィルタ704aおよびローパス・フィルタ704bは、乗算器712aおよび乗算器712bそれぞれから出力される離散化信号を、ノイズ除去部502へ出力する。
ノイズ除去部502は、第2周波数変換部702において周波数が0(ゼロ)に変換された離散化信号を処理する。
通信装置700は、例えば図25に示す構成によって、ノイズ除去部における外部ノイズの除去処理のしやすさを向上させることができる。また、通信装置700は、基本的に図23に示す通信装置550と同様の構成を有するので、第5の実施形態の変形例に係る通信装置550と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態として通信装置100〜700を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、係る形態に限られず、例えば、UMPC(Ultra Mobile Personal Computer)などのコンピュータや、携帯電話などの携帯型通信装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機、カーナビゲーションなどのナビゲーション装置、デジタルスチルカメラなどの撮像装置などに適用することができる。
また、上記では、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10、100、200、300、400、500、550、600、700 通信装置
12、102 通信アンテナ
16、164 ノッチ・フィルタ
28、128 A/Dコンバータ
122 中間周波数変換部
106、180、202、302、402、502 ノイズ除去部
108 復調部
160、204、306 フーリエ変換部
162、182 ノッチ周波数検出部
206 ウィーナ・フィルタ
308 判定部
310 逆フーリエ変換部
410 合成部
554 レベル検出部
556 比較部
602 ビット・リデューサ

Claims (5)

  1. スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと;
    前記通信アンテナが受信した前記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と;
    前記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部と;
    前記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズの検出を行い、検出されたノイズを前記離散化信号から除去するノイズ除去部と;
    前記ノイズ除去部から出力される離散化信号に基づいて、前記スペクトラム拡散信号を復調する復調部と;
    を備え、
    前記ノイズ除去部は、
    前記離散化信号を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムを導出する第2フーリエ変換部と;
    前記離散化信号と、前記第2フーリエ変換部から出力される電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、前記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する第1ウィーナ・フィルタと;
    を備えることを特徴とする、通信装置。
  2. スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと;
    前記通信アンテナが受信した前記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と;
    前記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部と;
    前記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズの検出を行い、検出されたノイズを前記離散化信号から除去するノイズ除去部と;
    前記ノイズ除去部から出力される離散化信号に基づいて、前記スペクトラム拡散信号を復調する復調部と;
    を備え、
    前記ノイズ除去部は、
    前記離散化信号を高速フーリエ変換する第3フーリエ変換部と;
    前記第3フーリエ変換部における高速フーリエ変換の結果から導出した電力スペクトラムに基づいて、前記高速フーリエ変換の結果、または前記電力スペクトラムを選択的に出力する第1判定部と;
    前記第1判定部から前記電力スペクトラムが出力された場合には、前記電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、前記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する第2ウィーナ・フィルタと;
    前記第1判定部から出力される前記高速フーリエ変換の結果、または、前記第2ウィーナ・フィルタから出力される前記離散化信号を、逆高速フーリエ変換する逆フーリエ変換部と;
    を備えることを特徴とする、通信装置。
  3. スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと;
    前記通信アンテナが受信した前記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と;
    前記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部と;
    前記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズの検出を行い、検出されたノイズを前記離散化信号から除去するノイズ除去部と;
    前記ノイズ除去部から出力される離散化信号に基づいて、前記スペクトラム拡散信号を復調する復調部と;
    を備え、
    前記ノイズ除去部は、
    前記離散化信号から所定の周波数帯域の検出信号をそれぞれ検出する複数のバンドパス・フィルタと;
    前記バンドパス・フィルタそれぞれに対応し、前記検出信号、または、前記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号をそれぞれ選択的に出力する複数の第2適応フィルタと;
    前記第2適応フィルタそれぞれから出力される離散化信号を合成する合成部と;
    を備え、
    前記第2適応フィルタは、
    前記検出信号から導出した電力スペクトラムに基づいて、前記検出信号、または前記電力スペクトラムを選択的に出力する第2判定部と;
    前記第2判定部から前記電力スペクトラムが出力された場合には、前記電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、前記理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力する第3ウィーナ・フィルタと;
    を備えることを特徴とする、通信装置。
  4. スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと、前記通信アンテナが受信した前記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と、前記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部とを備える通信装置に用いることが可能な、前記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズを除去するノイズ除去方法であって:
    前記離散化信号を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムを導出するステップと;
    前記離散化信号と、前記電力スペクトラムを導出するステップにおいて導出された電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、前記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力するステップと;
    を有することを特徴とする、ノイズ除去方法。
  5. スペクトラム拡散されたスペクトラム拡散信号が変調された送信信号を受信する通信アンテナと、前記通信アンテナが受信した前記送信信号を所定の周波数の中間周波数信号に変換する中間周波数変換部と、前記中間周波数信号を離散化して離散化信号を出力するアナログ−デジタル変換部とを備える通信装置に用いることが可能な、前記離散化信号に含まれる定常的な熱雑音以外のノイズを除去するプログラムであって:
    前記離散化信号を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換の結果に基づく電力スペクトラムを導出するステップ;
    前記離散化信号と、前記電力スペクトラムを導出するステップにおいて導出された電力スペクトラムと、単位周波数あたりの基準電力とに基づいて、前記ノイズを含まない理想状態の理想離散化信号に対する二乗平均誤差を最小とする離散化信号を出力するステップ;
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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